22
喘息長期管理における 吸入療法ガイド 編集協力:佐野虎ノ門クリニック院長 東京アレルギー・喘息研究所 所長 佐野 靖之 先生 患者指導をされる皆さまへ 01CM0028-D1902N 改訂年月2018年12月(MKT) パソコン・携帯電話から レルベア エリプタ吸入方法の動画を ご覧いただけます。 レルベア エリプタ 吸入解説動画サイト http://kusurigsk.jp/RL/ 携帯はこちらから 医療関係向け情報 https://gskpro.com/ja-jp/ から製品情報>レルベア レルベアの製品情報や喘息に関する情報など、様々な場面で お役立ていただける情報をお届けしています。 GSK pro 携帯はこちらから 製造販売元

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喘息長期管理における

吸入療法ガイド編集協力:佐野虎ノ門クリニック院長 東京アレルギー・喘息研究所 所長 佐野 靖之 先生

患者指導をされる皆さまへ

01CM0028-D1902N改訂年月2018年12月(MKT)

パソコン・携帯電話からレルベア エリプタ吸入方法の動画をご覧いただけます。

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はじめに

佐野虎ノ門クリニック院長 東京アレルギー・喘息研究所 所長

佐野 靖之

気管支喘息に用いられる吸入薬の特徴は、薬剤が気道に直接到達すること

で、気道の炎症や狭窄(狭くなること)に対して、経口薬と比べてごく少量で

効果を発揮し、全身への副作用を軽減できることです。そのため、吸入薬は

喘息の長期管理薬の第一選択薬に位置づけられています。

吸入薬は正しく吸入してはじめて期待する効果を得ることができるため、

喘息患者さんに対する吸入指導は非常に重要です。

さらに、喘息患者さんへ喘息の病態や薬物治療の必要性をしっかり説明する

ことで、患者さんに毎日継続して吸入することの重要性を理解していただき、

喘息症状がないときでも、自己判断で薬を中断しないことが、患者教育の重要

なポイントであると考えています。

喘息治療においては、患者さんが自分の喘息の状態を的確に把握して

医師に伝えることが大切でありますが、上手に伝えられない場合にはうまく

聞きだしてあげて、自己管理がうまく出来るようにすることも、医師・薬剤師・

看護師の重要な役目と言えます。

本冊子では、医療スタッフが喘息患者さんを指導する際のポイントや、

喘息について患者さんの多くが日頃疑問に思うことをQ&A形式で説明して

います。多くの喘息患者さんが「喘息のない生活」を達成するために、本冊子を

患者指導にご活用いただければ幸いです。

目  次1

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

15

17

19

21

23

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27

29

31

33

35

患者指導のポイント ───────────────────────────

喘息とはどのような病気ですか? ─────────────────────

喘息ではどのような治療をするのですか? ────────────────

吸入ステロイド薬とはどのような薬ですか? ───────────────

吸入ステロイド薬の安全性はどうですか? ────────────────

吸入の気管支拡張薬とはどのような薬ですか? ──────────────

吸入薬と経口薬では何がちがうのですか? ─────────────────────────

症状がなくなったら治療をやめてもよいですか? ──────────────────

受診時に医師に伝えるポイントは何ですか? ─────────────────

発作を予防するためには、日常生活でどのようなことに気をつければよいですか? ────────────

発作が起きたらどのように対応すればよいですか? ───────────

どのような場合に救急外来の受診が必要ですか? ──────────────

吸入器について教えてください。 ────────────────────────

エリプタの使い方を教えてください。 ────────────────────

ディスカスの使い方を教えてください。 ────────────────────

ロタディスクの使い方を教えてください。 ────────────────────

エアゾール剤の使い方を教えてください。 ──────────────────

吸入補助器具(スペーサー)を使った場合の、エアゾール剤の使い方を教えてください。 ────────────────────

 喘息コントロールテスト(ACT)の活用 ───────────────────

 小児喘息コントロールテスト(小児ACT)の活用 ─────────────

 喘息治療のガイドライン(成人) ───────────────────────

 喘息治療のガイドライン(小児) ─────────────────────

 学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン ──────────

 喘息治療薬とドーピングについて ────────────────────

参考

参考

参考

参考

参考

参考

ぜん そく

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

Q

しょう に ぜん そく

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喘息管理治療の目標過去6ヵ月間に喘息により経験したエピソード

吸入ステロイド薬の治療による喘息コントロール指標の改善

ACTで評価した喘息コントロール状態別にみた患者の喘息コントロール状態の自己評価

1 2

以下の目標を全て達成し、健康な人と同じように生活を送ることができるようになることが治療・管理の目標になります。現在では、治療により多くの人が達成可能となっています。

患者さんに喘息治療の目標を理解してもらい ましょう。患者指導のポイント    

喘息治療・管理の目標

喘息症状がコントロールされているかどうかの目安として、こちらにあげた症状が指標として挙げられ、また、炎症の指標とされる気道過敏性が消失するまでには、目安として18ヵ月程度を要するとされています。

喘息をしっかりとコントロールするためには継続的な治療が必要です。

喘息コントロール不良の患者さんの44.71%が喘息による日常活動の制約を感じています。

コントロール不良の患者さんは喘息により生活に支障をきたしています。

[喘息予防・管理ガイドライン2018][喘息予防・管理ガイドライン2018]

Ⅰ.症状のコントロール(発作や喘息症状がない状態を保つ)①気道炎症を制御する*

②正常な呼吸機能を保つ(PEFが予測値の80%以上かつ日内変動が10%未満)。

Ⅱ.将来のリスク回避①呼吸機能の経年低下を抑制する。②喘息死を回避する。③治療薬の副作用発現を回避する。

最終的には寛解・治癒を目指すが、日常の治療の目標を以下に示す

症状のコントロール・短時間作用性β2刺激薬の頓用が減少、または必要

がない・昼夜を通じて症状がない

呼吸機能の正常化・ピークフロー(PEF)やスパイロメトリーがほぼ正常

で安定している・気道過敏性が改善し、運動や冷気などによる症状

誘発がないQOLの改善・スポーツも含め日常生活を普通に行うことができる・治療による副作用がない

管理目標:成人 治療目標:小児

喘息コントロール不良の患者さんの71.6%が自身の喘息を「コントロールできている」と考えています。

患者さんの多くは喘息コントロールが不良であっても喘息をコントロールできたと考えています。

[Iwanaga T et al : Therapeutic Research 2015 ; 36(3), 235-246 一部改変]利益相反:本調査の費用はグラクソ・スミスクラインが負担した。

( ):n■全くコントロールできなかった ■あまりコントロールできなかった ■まあまあコントロールできた ■十分コントロールできた ■完全にコントロールできた

■コントロール不良患者群(n=278)■コントロール良好患者群(n=415)

コントロール良好患者群(n=415)

コントロール不良患者群(n=278)

日常活動の制約

総労働損失

労働中の活動低下

欠勤

(%)0 40 60 8020 100

3.2%(9) 3.6%(10)

[Iwanaga T et al : Therapeutic Research 2015 ; 36(3), 235-246より作図]利益相反:本調査の費用はグラクソ・スミスクラインが負担した。

[Woolcock AJ : Clinical and Experimental Allergy Reviews 2001 ; 1(2), 62-64]

25.2%(70)

18.8%(78) 34.0%(141) 45.1%(187)

57.6%(160)

44.71%29.04%

27.42%

26.10%

3.15%

40.79%

38.38%

5.78%

10.4%(29) 71.6%

0.2%(1)

1.9%(8)

Lightspeed Research社が有するパネルを用いてKantar Health社が世界各国で毎年実施している大規模インターネット調査18歳以上の成人パネル30,000名から喘息(自己申告)を有する患者693名2013年11~12月

調査手法 :調査対象 :調査期間 :

(%)0 20 30 4010 50患者の割合

喘息治療により各評価項目が改善するまでの期間

投与期間

短期間投与 コントロールの達成 長期間投与 コントロールの維持

改善率

100

0

(%)

20 4 6 18 (月)

夜間症状

FEV1値 ピークフロー値(午前)発作治療薬の使用 気道過敏性

※調査概要は前ページ参照

ACTスコア19点以下を「コントロール不良」、ACTスコア20点以上を「コントロール良好」と定義ACTの質問5:この4週間に、自分自身の喘息をどの程度コントロールできたと思いますか?

18~75歳のコントロール不良喘息患者61例吸入ステロイド薬を投与した患者の夜間症状、FEV1値、ピークフロー値、発作治療薬の使用、気道過敏性を評価した。投与期間は18ヵ月。

対  象 :方  法 :

*:可能な限り呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定や喀痰好酸球検査で気道炎症を評価する。

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3 4

A気道が炎症を起こして狭くなり、呼吸がしにくくなる病気です。喘息は高血圧や糖尿病などと同様に慢性疾患ですので長期的な管理が重要です。

気管支喘息は気道の炎症に伴う気道閉塞および気道過敏性を示す疾患で、気道の炎症は、遺伝的素因にアレルゲンなどの発症因子が加わることで引き起こされると考えられています。

Q 喘息とはどのような病気ですか?

気道の炎症気管支粘膜の浮腫(腫れ)

気管支分泌物(たん)の増加

上皮細胞 平滑筋

基底膜

気道上皮の傷害、剥離

気道粘膜の浮腫

平滑筋の肥大、収縮

基底膜部の肥厚

痰など気道内分泌物の貯留

 症

気管支平滑筋の収縮

気道の狭窄

気管支平滑筋

狭くなった内腔

 窄

気 道気管気管支

肺胞

細気管支

正常時

① 喘息は気道の「炎症」と「狭窄」。

② 喘息は慢性疾患。

POINT

A一般に、気道の炎症を抑える薬(抗炎症薬)と気道を拡げる薬

(気管支拡張薬)が使われます。抗炎症薬では、主に吸入ステロイド薬が推奨されています。

喘息治療は主に“気道の炎症”を鎮める抗炎症薬を中心に、“気流制限”を改善する気管支拡張薬の両方を組み合わせて行います。また、これらの薬剤は使い方によって“長期管理薬”と“発作治療薬”に分類されます。

長期管理薬:長期管理のために継続的に使用しコントロール良好を目指す薬剤。発作治療薬:喘息発作治療のために短期的に使用する薬剤。

Q 喘息ではどのような治療をするのですか?

長期管理薬

吸入ステロイド薬 長時間作用の気管支拡張薬

速効性の吸入気管支拡張薬

発作治療薬

長期管理のために継続的に使用しコントロール良好を目指す薬剤。症状や発作がなくても毎日規則正しく使用。

気道の炎症を鎮める長期管理薬です。喘息の悪化を防ぎます。

喘息発作治療のために短期的に使用する薬剤。

気道の炎症 気道の狭窄 気道の狭窄(発作時)

吸入ステロイド薬と長時間作用の吸入気管支拡張薬による配合剤があります。

長時間気道を広げる長期管理薬です。喘息の症状が出にくくなります。

発作を速やかに鎮める発作治療薬です。発作の始まりやひどくなる前に吸入すると効果的です。

喘息は気道の慢性炎症性疾患であり、喘息症状のあるときだけでなく、症状のないときでも気道の炎症は残っているため、症状がなくても毎日定期的に治療を続けることが大切です。

POINT

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

炎症:アレルギー性炎症

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

●軽症~中等症の喘息治療

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5 6

A 気道の炎症を治療する薬です。呼吸機能や喘息症状の改善、喘息死の減少などが報告されています。

吸入ステロイド薬は抗炎症薬であり長期管理薬として使用します。即効性はありませんが、使用を続けることで気道の炎症を改善させ、気道の過敏性や呼吸機能を改善させて喘息症状や発作が起こりにくい状態を維持します。国内の試験では、吸入ステロイド薬投与開始前後6ヵ月間の喘息によるエピソードを比較したところ、入院、救急治療室受診、予定外受診、欠勤・欠席の経験率が低下しました。

吸入ステロイド薬は、欧米や日本のガイドラインで、第一選択薬に位置づけられています(p29~32参照)。

Q 吸入ステロイド薬とはどのような薬ですか?

A主な副作用は、咽頭刺激感、咳嗽、嗄声、口腔カンジダ症などの局所症状です。吸入後は必ずうがい(あるいは飲水)をすることや吸入補助器具の使用によって予防・軽減することができます。

吸入ステロイド薬の主な副作用は、咽頭痛、嗄声、口腔カンジダ症などの局所症状です。吸入した薬剤の大部分が口腔内に付着するので、吸入後はうがいをして洗い流すことが重要です。また、吸入補助器具を使用することで口腔に付着する薬剤の量を減らすことができます1)。飲み込んでしまった吸入ステロイド薬は、肝で代謝を受けて不活性化され効果を失います(フルチカゾンプロピオン酸エステルの経口投与時のバイオアベイラビリティは1%未満です2))。

吸入ステロイド薬は、直接肺および気道に投与するので、経口ステロイド薬より少量で効率よく治療効果を示します。また、飲み込んだ薬剤は肝臓で代謝(初回通過効果)されて活性がなくなりますので、経口ステロイド薬に比べて全身への影響が少ないことが特徴です。承認用量範囲内であれば、副腎皮質機能や骨密度に対する影響はほとんどないことが報告されています。また、経口ステロイド薬に比べると吸入ステロイド薬では影響が少ないと言われていますが、小児では成長に影響することもあります。

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

吸入ステロイド薬の安全性はどうですか?

[Allen DB et al : J Pediatr 1998 ; 132(3), 472-477より作図]

1年間投与での身長の変化(小児)(cm)

投与期間

mean

4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52(週)

7.0

6.0

5.0

4.0

3.0

2.0

1.0

0.0

身長増加値

プラセボ(n=87)フルチカゾンプロピオン酸エステル50μg1日2回(n=85)

Q

吸入ステロイド薬の体内動態 成長への影響[海外データ]

[Allen DB et al : J Allergy Clin Immunol 2003 ; 112(3 Suppl), SI-S40]

吸入ステロイド薬投与開始前後6ヵ月間の喘息エピソード経験率

[森田 寛 他 : アレルギー・免疫 2005 ; 12(5), 786-799]

10~40%肺内沈着

経腸吸収

消化管

口腔・咽頭

肝臓

全身への影響/副作用

全身循環

(スペーサーやうがいで減少できる)

60~90%嚥下えん げ

吸入

代謝(非活性化)

吸入ステロイド薬は気道の炎症を治療する薬です。継続して使用することで、喘息症状や発作が起こりにくい状態を維持します。

POINT ① 吸入ステロイド薬は全身的副作用が少ない。② 吸入後にうがいをすることにより副作用を予防・軽減できる。

POINT

0 20

(n=565)n=898

(n=224)

(n=87)(n=870)

(n=15)

(n=190)

(n=437)

(n=383)(n=110)

(n=170)

1.7%

24.9%

(n=25)2.9%

40 60 80経験率

以下のいずれかの喘息によるエピソード

入院

(n=867)救急治療室

(n=892)予定外受診

(n=875)欠勤・欠席

100(%)

10.0%

21.9%

49.0%19.1%

43.8%12.6%

62.9%p<0.001

減少率 60.4%

p<0.001減少率 82.8%

p<0.001減少率 86.8%

p<0.001減少率 61.1%

p<0.001減少率 71.3%

吸入ステロイド薬投与開始前6ヵ月間 吸入ステロイド薬投与開始後6ヵ月間

McNemar検定

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

ステロイド薬未使用患者における喘息エピソード(喘息による入院、救急治療室での治療、予定外受診、欠勤・欠席)の実態と、これらの患者に対する吸入ステロイド薬の効果を検討する。2001年11月~2003年7月プライマリ医療施設を受診した成人および小児気管支喘息患者のうち、吸入ステロイド薬フルチカゾンプロピオン酸エステル

(FP)の長期使用が予想され、かつ過去6ヵ月間に吸入、経口または注射のステロイド薬を継続的に使用していない患者1,320例FPの投与開始時と投与開始6ヵ月後に、同一のアンケート用紙を用いて、患者または保護者に過去6ヵ月間に経験した喘息による入院、救急治療室での治療、予定外受診または欠勤・欠席の有無および予定外受診の回数または欠勤・欠席の日数について記入を依頼した。喘息エピソードの経験率、予定外受診回数または欠勤・欠席日数本調査の費用はグラクソ・スミスクラインが負担した。

目  的 :

対  象 :

方  法 :

評価項目:利益相反:

フルチカゾンプロピオン酸エステル吸入薬が持続型気管支喘息患児の成長に影響を及ぼすか否かを検討する。FEV1が予測値の60%以上、試験開始の3ヵ月以上前より喘息症状が継続的に発現している小児気管支喘息患児217例(男児:4~11歳、女児:4~9歳)無作為化二重盲検並行群間多施設共同試験。フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)50μgまたはプラセボをそれぞれ1日2回52週間、ロタディスクを用いて吸入投与した。試験期間中に思春期を迎えた症例を除き、成長速度を検討した。副作用は、フルチカゾンプロピオン酸エステル50μg群14%(16/ 111例)、プラセボ群9%(10/106例)に発現した。本試験の費用はグラクソ・ウェルカム(現 グラクソ・スミスクライン)が負担した。

目  的 :

対  象 :

方  法 :

安 全 性:

利益相反:

[森田 寛 他 : アレルギー・免疫 2005 ; 12(5), 786-799]

1)[喘息予防・管理ガイドライン2018]2)[Falcoz C et al:Br J Clin Pharmacol 1996;41, 459-460]

Page 6: ñ - GSKpro · 2019-02-25 · ͹¯ 3 ? é~ï T ... ¼ Ø C¼èçÕ èçÕ w a ¼ Ø C 6 t b Ø Cs 7rz s Ô Ø p S þ qoMhiZ Ø C S §Z`oM b{(4,QSP 3 x \ j T

気管支拡張作用の持続時間

7 8

A 気管支拡張薬は狭くなっている気道を拡げて空気のとおりを良くします。

長期管理のために継続して使用しコントロール良好を目指す長時間作用性と、発作時に短期間使用する喘息短時間作用性があります。

長時間作用性気管支拡張薬(吸入)長時間作用性気管支拡張薬は、気道を長時間拡げて症状のない状態を維持するための長期管理薬で、日本のガイドラインでは軽症持続型以上の患者の喘息治療で吸入ステロイド薬に併用する薬剤として第一選択薬に位置づけられています(p29~32参照)。

短時間作用性気管支拡張薬(吸入)吸入の短時間作用性気管支拡張薬は短時間で効果が発現するため、発作治療薬に使用します。使用回数が増加したときはコントロールが悪化していると考えられます。

Q 吸入の気管支拡張薬とはどのような薬ですか?

サルメテロールとサルブタモールのFEV1値の推移(投与後0~12時間)

100

95

90

85

80

75

70

65

60

(%)

-1 1 20 3 4 5 6 7 8 9 1210 11 (hr)時 間

治療開始後1日後

FEV1値予測値に対する割合

軽症~中等症の気管支喘息患者を対象に、長時間作用性吸入β2刺激薬サルメテロールの有効性を、短時間作用性吸入β2刺激薬サルブタモールまたはプラセボと比較検討する。12歳以上の軽症~中等症の気管支喘息患者234例多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験。サルメテロール(エアゾール剤:本邦未承認)50μg 1日2回、サルブタモール

(エアゾール剤)200μg 1日4回またはプラセボ1日4回を定量噴霧式吸入器(MDI)を用いて12週間吸入投与した。〈有効性〉FEV1値〈安全性〉有害事象発現数、バイタルサイン、臨床検査値および心電図波形の変動肺機能試験を完遂できない場合、欠失前に得られた最終FEV1値を1時間後の測定値として流用する。副作用発現率は、サルメテロール群12%、サルブタモール群23%、プラセボ群20%であった。主な副作用は、サルメテロール群、サルブタモール群では頭痛、振戦、心悸亢進、プラセボ群では頭痛であった。試験薬剤との関連が否定できない試験中止例は、サルブタモール群で2例で認められた。臨床検査値異常変動、心拍数、血圧、心電図への影響は認められなかった。本試験の費用はグラクソ(現 グラクソ・スミスクライン)が負担した。

目  的 :

対  象 :方  法 :

評価項目:

解析計画:安 全 性 :

利益相反:[Pearlman DS et al : N Engl J Med 1992 ; 327(20), 1420-1425]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

1回目投与

2回目投与

サルメテロール(n=75)サルブタモール(n=73)プラセボ(n=77)

100

95

90

85

80

75

70

65

60

(%)

-1 1 20 3 4 5 6 7 8 9 1210 11 (hr)時 間

治療開始後12週目

FEV1値予測値に対する割合

1回目投与

2回目投与

サルメテロール(n=68)サルブタモール(n=66)プラセボ(n=63)

A 吸入薬は薬剤が直接気道に届くため、経口よりも少ない薬剤量で効果を示し副作用が軽減できます。

吸入ステロイド薬や吸入の気管支拡張薬は、喘息の患部である気道に直接作用させる外用剤です。薬剤が直接気道に届くため、経口よりも薬剤の量が少量で優れた効果を発揮し、全身への影響が少ない特徴があります。一方、経口の薬剤はいったん消化管から吸収されて血液にのって気道や全身に作用します。貼付の薬剤も外用ですが、皮膚から吸収されて血液にのって気道や全身に作用します。

QQ 吸入薬と経口薬では何がちがうのですか?

吸入薬の特徴

[経口・貼付薬][吸入薬]

特 徴 : 全身に作用

特 徴 : 直接気道に作用

局所(気道)に直接薬剤が届く

全身的副作用が少ない

投与量が少ない

[大林浩幸 著:患者吸入指導のコツと吸入デバイス操作法のピットホール(医薬ジャーナル)]

Page 7: ñ - GSKpro · 2019-02-25 · ͹¯ 3 ? é~ï T ... ¼ Ø C¼èçÕ èçÕ w a ¼ Ø C 6 t b Ø Cs 7rz s Ô Ø p S þ qoMhiZ Ø C S §Z`oM b{(4,QSP 3 x \ j T

9 10

A症状のないときでも喘息患者さんの気道では炎症が起こっているので、抗炎症薬(吸入ステロイド薬など)による治療の継続が必要となります。

喘息は慢性疾患であり、気道の炎症は症状のないときにも残っているため、喘息症状がおさまっても吸入ステロイド薬による治療は続ける必要があります。継続治療により喘息症状が良好にコントロールされている状態が持続した場合は治療を見直し、吸入ステロイド薬の減量や薬剤の中止などが検討されます。医師の指示なく、患者さんの自己判断で治療を中止しないようにすることが大切です。

Q 症状がなくなったら治療をやめてもよいですか?

① 喘息症状がなくても長期管理薬による治療は必要。

② 医師の指示なく勝手に服薬を中止しない。

POINT

A 喘息症状の程度や頻度を伝えることは治療を考慮する上で重要な指標になります。

・受診当日だけでなく、前回受診時からの喘息症状の程度や頻度を伝える。喘息症状は咳だけではありません。息切れや息苦しい、ヒューヒューゼーゼーするのも喘息の症状です。また、喘息症状の程度だけでなく、頻度も治療を考慮する上で重要な指標になります。発作治療薬を使用した場合は使用頻度も確認しましょう。

Q 受診時に医師に伝えるポイントは何ですか?

発作止めの薬を使ってしまう。

症状※がある。 喘息の症状で、夜起きてしまう。

日常生活(家事や仕事、学校生活)に支障がある。

※せき、喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)

●日中や夜間に症状があるかどうか

●夜間や早朝に喘息の症状のために目が覚めてしまうことがあるかどうか

●走ったり、体を動かしたときに症状が出るかどうか

●発作治療薬を使用したかどうか

・ 前回受診からの喘息症状の程度や頻度を確認する。・ 吸入方法を忘れてしまったり、吸入できているか自信がない場合は、  遠慮せずに何度でも吸入指導をうけるよう伝える。

POINT

・吸入が正しくできているかどうか正しく吸入できていなければ効果が期待できません。吸入の仕方に自信がなければ、医師や薬剤師、医療スタッフに相談するよう伝えましょう。

・その他薬の副作用や、日常生活で困っていることも確認しましょう。学校生活サポートのためには、保護者、医療従事者、学校との連携を目的として(公財)日本学校保健会が作成した「学校生活管理指導表(監修 文部科学省)」も活用しましょう(p34)。

※上記症状が1つでもある場合は、喘息コントロールが十分ではない可能性があります

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11 12

喘息症状を起こす誘因

A 発作の原因をできるだけ避けることと、炎症を治療する薬を医師の指示通りに使うことです。

喘息症状の誘因をできる限り見つけ出し、避けるように指導します。ただし、喘息症状を起こす誘因は数多くあり、すべてを見つけるのは困難です。また、症状が頻繁にみられる場合は、喘息がコントロールされていないことを意味しています。生活環境を整えながら、日頃から抗炎症薬による治療をきちんと行うよう指導することが大切です。

Q 発作を予防するためには、日常生活でどのようなことに気をつければよいですか?

[一般臨床医のためのEBMに基づいた喘息治療ガイドライン2004]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

感冒(カゼなど)

ほこり

天候

疲労

ストレス

タバコ

運動

睡眠不足

アルコール

花粉

ペット

月経

薬剤

植物

妊娠

その他

n=5,969※重複あり

68.9%

46.5%

41.1%

35.3%

28.9%

26.4%

23.3%

21.4%

19.5%

16.2%

12.8%

8.5%

5.0%

4.7%

2.1%

8.0%

15歳以上の成人気管支喘息患者5,969例1998年9月~11月神奈川県下の108施設において、医師あるいはコメディカルが患者に対し、アンケート用紙の質問項目に即して発症時期、家族歴、合併症、喘息症状、喘息の誘引物質、現在の状態などについて聞き取り調査を実施した。病型、重症度、治療薬使用状況については医師が記入した。

調査対象 :調査期間 :調査方法:

主な喘息発作の前ぶれ

A できるだけ早く発作止めの薬を使いましょう。

軽症喘息といえども、突然大発作を起こす危険性があることを患者さんに伝え、発作時の対応をあらかじめ指示しておきます。発作の前ぶれを感じたり、ゼーゼーが出始めたら、早めに発作止めの薬を使うよう指導してください。

Q 発作が起きたらどのように対応すればよいですか?

① 発作時の対応をあらかじめ指示しておく。

② 軽症喘息でも、大発作や喘息死に至る危険がある。

POINT

● のどがイガイガする

● 咳が出る

● 胸が圧迫される感じ

● たんが出る

● 呼吸機能が低下(ピークフロー値の低下)[久保 裕著:喘息の超コントロール法(メディカルトリビューン発行)、p33より改変]

ウルトラ

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13 14

救急外来受診の目安

A 以下に示すような場合には、直ちに救急外来を受診しましょう。

歩行や会話が困難になるようなひどい喘息症状が現れた場合などでは、あらかじめ処方されていた経口ステロイド薬(プレドニゾロン換算 15~30mg)などを内服し、直ちに救急外来を受診することが必要です。

Q どのような場合に救急外来の受診が必要ですか?

● 短時間作用性気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入を1~2日行う場合

● 短時間作用性気管支拡張薬(β2刺激薬)を吸入後1時間程度で効果が減弱する場合

[喘息予防・管理ガイドライン2018、p135より改変]

MEMO

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吸入器の使い方

15 16

A吸入器には、自分の吸気力によって薬剤を吸入する「ドライパウダー吸入器(DPI)」とガスで噴霧して吸入する「エアゾール式の定量噴霧式吸入器(MDI)」があります。

ドライパウダー吸入器は、薬剤を吸入するときにタイミングを合わせる必要がなく、使用は比較的簡便といえます。一方、エアゾール式吸入器は噴霧のタイミングをあわせる必要がありますが、吸入補助器具(スペーサー)を使用すれば、ドライパウダーを吸入できない幼児や高齢者でも吸入することが可能です。成分が同じであれば、ドライパウダー吸入器でもエアゾール式吸入器でも効果や副作用はほぼ同様であると考えられます。個々の患者さんに合うものを使うとよいでしょう。

Q 吸入器について教えてください。

ディスカス®トレーナーは、吸入器ディスカスを正しく使用し、正確に薬剤を吸入できるように練習するための器具です。

通気口をふさがないように、ディスカス®トレーナーを水平に持ちます。

1

ゆっくり息を吐き出したのち、マウスピース(吸入口)を口にくわえ、そのまま強く、深く息を吸い込んでください。

2

正しく吸入すると、「プーーーッ」と音が鳴ります。

3

※「プーーーッ」と音が鳴ったら、それ以上速く吸い込む必要はありません。

※「プーーーッ」と音が鳴ったら、それ以上速く吸い込む必要はありません。

※実際のおくすりでは「カチッ」が聞こえにくい場合があります。

ディスカス®トレーナーの使い方参考

ディスカス®エリプタ®

ロタディスク® エアゾール

エリプタ®トレーナーには、薬剤は入っていません。

ディスカス®トレーナーには、薬剤は入っていません。

エリプタ®トレーナーは、吸入器エリプタを正しく使用し、正確に薬剤を吸入できるように練習するための器具です。

「カチッ」と音がするまでカバーを開けてください。

1

無理をしない程度に息をはき出したのち、マウスピースを口にくわえ、 思いっきり「スーーーッ」と深く吸い込んでください。

2

正しく吸入すると、「プーーーッ」と音が鳴ります。

3

エリプタ®トレーナーの使い方参考

通気口

カバー

マウスピース(吸入口)

カウンターカウンターは動きません。

通気口マウスピース(吸入口)

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吸入器の使い方

17 18

A 上手に使うポイントは、「カバーを開ける」、「カウンター確認」、「うがい」です。

Q エリプタの使い方を教えてください。

1

2

エリプタの吸入方法

<エリプタの内部構造とその機能>

「カチッ※」と音がするまでカバーを開ける● 吸入の準備完了です。カウンターの数が1つ減ったことを確認してください。●カバーを開け、吸入せずに閉じた場合、その1回分は吸入できません。※カバーを開けるときに「カチッ」という音が聞こえにくい場合がありますが、カウンターが1つ減っていれば薬はセットされています

「フーッ」と息を吐き出す● 無理をしない程度に息を吐き出してください。● マウスピース(吸入口)に息を吹きかけないよう、注意してください。

3マウスピース(吸入口)全体をしっかりくわえ

思いっきり「スーーーッ」と深く吸い込む● 肺の奥まで、空気を送り

届けるイメージです。

4 吸入器から口を離し3~4秒程度、息を止める

● のどや口の中に残っている薬を、洗い流しましょう。 うがいは、副作用の予防になります。

6吸入後はうがいをする

注意事項●包装トレイは使用開始直前に開封してください。●包装トレイ開封後は6週間以内に使用してください。 薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。●高温多湿を避けて、室温で保管してください。●カバーを開けるときに重さ(抵抗)を感じることや、きしみ音がすることがあります。 これは、吸入器の内部で薬がセットされるときの音で、故障ではありません。●カバーを開けてから吸入するまで、振ったり叩いたりしないでください。

カバーを1回押し下げるとブリスターシートがはがれ、薬がマウスピース

(吸入口)にセットされます

ブリスターを覆っているシートがはがされ、巻き取られます

薬剤が入ったブリスターが巻かれて格納されています※2

吸入後、空になったブリスターは巻き取られて格納されます

赤色と緑色の矢印はブリスターの動きを示しています。

薬の残りの使用回数が表示されます。未使用の状態では、最大使用回数※1が表示されています。※1 「7」「14」「30」の3種類があります

薬の残りが「9」以下になると、左側が赤色に変わります。

薬がなくなり、カウンターが「0」になった後にカバーを開けると、カウンター表示が赤色に変わります。

吸 入 器

カウンターの表示を確認してください表示の見方

お薬がムダになってしまうので、吸入するとき以外はカバーを開けないでください《お願い》!

カチッ※※

<カバーを閉じた状態> <カバーを開けた状態>

カウンター

カバー

マウスピース(吸入口)

通気口

※2 製品によっては片側に格納

5ゆっくりと息を吐き、いつも通りに呼吸する● 吸入後は吸入器(エリプタ)のカバーを閉じてください。

●エリプタには、薬剤が7回分、14回分、30回分充填された3種類のタイプがありますので、使用前にご確認ください。

ガラガラ クチュクチュ

口の中のど

通気口をふさがない空気が漏れないようにしっかりくわえるマウスピース

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吸入器の使い方

19 20

A 上手に使うポイントは、「レバー操作」、「カウンター確認」、「吸入時の甘み」、「うがい」です。

吸入の確認について薬が吸入されるとわずかな甘みや粉の感覚を口の中に感じます。しかし、薬の量がごくわずかであるため、甘みを感じない(吸入感を得られない)場合もあります。また、体調によっても感じない場合があります。うまく吸入できているか不安な場合は、カバーを閉じずにそのまま追加で1~2回吸入を繰り返してください。◆吸入できたかどうかの確認:1回吸入した後、カバーを閉じる前に、吸入口の先をテーブルに置いた紙(できれば黒い紙)の上にトントンと叩いて、お薬が出てこなければ正しく吸入できています。◆お薬が充填されていることの確認:カバーを開けた後レバーを押し、吸入せずにテーブルに置いた紙(できれば黒い紙)にトントンと叩くと、お薬が出てくることを確認できます。1回分のお薬が無駄になることをご理解の上、この確認作業をしてください。確認作業終了後は破棄してください。

レバーを操作すると次の薬が準備されカウンターの数が1つ減り、残りの薬の数を示します。なお、吸入を繰り返しても吸入感がない場合には、すみやかに医師等に相談するようにご指導ください。

Q ディスカスの使い方を教えてください。

残りの薬の数を示します。表示が“0”になったら使用しないでください。

<閉じた図>

<開いた図>

カウンター

レバー

カバー

カバー

<内部構造>

グリップ ① 無駄なレバー操作はしない。② 残りの回数をカウンターで確認する。③ 吸入すると口の中に感じる“わずかな甘味”“粉の感覚”によって、吸入

しているか否かを確認する。④ 吸入後は必ずうがいをする。

POINT

保管上の注意1)アルミ包装は使用開始直前に開封してください。2)吸入時以外はカバーを閉じてください。3)高温多湿のところを避けて室温で保管してください。4)マウスピース(吸入口)が汚れた場合は、乾いたティッシュペーパー等で拭いてください(水で洗ったり、湿ったものでマウスピースを拭いたりしないこと)。

ディスカスの吸入方法

吸入後はうがいをしましょう。吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。●マウスピース(吸入口)を拭く際は、乾いたティッシュペーパーなどを用い、カバーを閉じる前に行ってください。

●カバーは、しっかりと閉じてください。

マウスピース(吸入口)

レバーの操作により歯車が回転してカウンターが1つ減ります。

薬剤は1回分ずつ密封されています。

1カバーを「カチリ」と音がするまで開けます。●片手でカバーを持ち、もう片方の手の親指をグリップにあて、グリップが止まるところまで回してください(カチリと音がします)。

ガラガラ クチュクチュ

のど 口の中

吸 入 器

2レバーを「カチリ」と音がするまで押します。●マウスピース(吸入口)を自分に向けて持ち、レバーをグリップのところまで押し付けてください(カチリと音がします)。薬を吸入するとき以外はレバーを操作しないでください。

3息をはき出してから、マウスピース(吸入口)をくわえ強く深く「スーッ」と息を吸い込みます。●無理をしない程度に息をはき出してください。吸入器をたいらに持ち、マウスピース(吸入口)を口にくわえ、強く深く「スーッ」と息を吸い込みます。

●口からマウスピース(吸入口)を離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。薬を吸入するとき以外はレバーを操作しないでください。

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吸入器の使い方

21 22

A ポイントは、「トレーの取りはずし」、「ディスクの穴あけ」、「水平に保つ」、「うがい」です。

Q ロタディスクの使い方を教えてください。

カバーをはずします。●フタ側を上にしてカバーをはずします。1

トレーを引き出します。●トレーの側面を持って、動かなくなるところまで静かに引き出します。2

トレーを取りはずします。●トレー側面のグリップ(ギザギザの部分)を両側から親指と人差し指でつまみながら(内側に押しながら)、本体からトレーを取りはずします。

3

薬(ディスク)をのせます。●トレーの4つの穴にディスクの凸部分を合わせてのせます。4

トレーを戻します。●ディスクをのせたトレーを本体にカチッと音がするまでしっかりと最後まで押し戻します。

5

① ロタディスクの装着方法 ② ロタディスクの吸入方法

カバーをはずします。●フタ側を上にしてカバーをはずし、吸入口が汚れていないことを確かめます。

1

薬(ディスク)に穴をあけます。●吸入器をたいらに保ち、①フタを垂直になるまで立て、②再びフタを閉じます。この操作によりディスクの上面から下面まで針が貫通し、薬を吸入できる状態になります。

2

息をはき出します。●吸入器をたいらに保ち、無理をしない程度に息をはき出します。薬がこぼれないように、吸入器をたいらに保ってください。また、吸入器に向けて息をはかないでください。

3

薬を吸い込みます。●たいらに保ったまま吸入口を軽くくわえます。その際、側面にある空気孔をふさがないようにしてください。強く深く「スーッ」と口から息を吸い込みます。その後、吸入器を口から離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。

4

薬(ディスク)を回転させます。●吸入が終わったら、トレーを動かなくなるところまで引き出し、再び押し戻します。これによりディスクが回転し、次の吸入が可能になります。

吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。

5

吸入器

トレー

カバー

薬(ディスク)グリップ

フタ 針

空気孔

本体(ディスクヘラー)

※薬が吸入されるとわずかな甘みや粉の感覚を口の中に感じます。しかし、薬の量がごくわずかであるため、甘みを感じない(吸入感を得られない)場合もあります。また、体調などによって、甘みを感じない場合もあります。薬が吸入器に残るようであれば、1~2回繰り返して薬を吸い込んでください。

注意事項この吸入器(ディスクヘラー)は、フルタイドやセレベント以外の薬剤には使用しないでください。

はずす

カバー

引き出す

トレー

トレー

ギザギザのグリップ

トレー

ディスク

のせる

戻す

カバー

はずす

空気孔

のど 口の中

ガラガラ クチュクチュ

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吸入器の使い方

23 24

A ポイントは、「使用前に振る」、「噴霧にあわせて、早く強く吸入する」、「3~4秒程度息を止める」、「うがい」です。

Q エアゾール剤の使い方を教えてください。

A ポイントは、「使用前に振る」、「ゆっくり吸入する」、「3~4秒程度息を止める」、「うがい」です。

Q 吸入補助器具(スペーサー)を使った場合の、エアゾール剤の使い方を教えてください。

1

2

3

4

5

6

新しい吸入器を初めて使用するとき初めて使用するときは、アダプターについているキャップの両端をつまんではずします※。ボンベの中の薬が均一にまじりあうようによく振り、カウンターの表示が“120”になるまでボンベを押して4回空噴霧してから使用してください。

(カウンターのないエアゾールは空噴霧不要です。)※使いはじめはキャップがかたく、取りはずしにくい場合があります。◆製造時の噴霧検査により、成分が吸入口内側にわずかに付着している場合があります。品質に影響はありません。

口から吸入口を離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。

無理をしない程度に息をはき出した後、舌を下げ、のどを広げた状態にしてください。

1

2

エアゾールのアダプターをエアロチャンバーの接続部にはめ込んでください。

3

4

一度エアロチャンバーのマウスピースを口から離し、無理をしない程度に息をはき出した後、舌を下げ、のどを広げた状態にしてください。

5

6

7

8

参考)エアゾール剤の吸入方法(エアロチャンバー・プラスを使用した場合)○エアゾール剤の吸入方法

 または のいずれの方法で吸入するかは先生の指示に従ってください。 また、うまく吸入できない場合は先生に相談してください。

図 または図 のように息を早く強く吸い込みながらボンベの底を強く1回押して吸入してください。図 吸入口をくわえないで口より約4cm離して吸入

します。図 吸入口を唇で軽くくわえて吸入します。または、

歯で軽くくわえて吸入します。

アダプターについているキャップの両端をつまんではずします※。ボンベの中の薬が均一にまじりあうようによく振ってください。なお、アドエア エアゾールでは、1週間もしくはそれ以上使用しなかった場合は、ボンベを押して2回空噴霧してから使用してください。

使用後は、アダプターにキャップをつけてください。医師の指示によりエアゾールをもう1回吸入する場合は、 ~ の操作を繰り返してください。1 4

内側のボンベはアダプターからはずさないでください。また、本吸入器は、落とすとカウンターの数字が変動する場合がありますので、取扱いには十分気をつけてください。

● エアロチャンバー・プラスにはマスク付きのタイプもあります。● エアロチャンバー・プラスの使用法の詳細については エアロチャンバー・プラスの使用説明書をご参照ください。

エアロチャンバー・プラスに関するお問い合わせ先

製造販売元 株式会社アムコ

製造元 (Trudell Medical International)カナダ トゥルーデル メディカル社〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-8-7 TEL:03-3265-4261

エアロチャンバーのキャップをはずし、マウスピースを口にくわえます。このとき、フローインジケータを見て空気の漏れがないことを確認してください。

エアロチャンバーを再び口にくわえ、エアゾールのボンベの底を強く1回押して、薬剤をチャンバー内に噴霧し、ゆっくりと吸入してください。

エアロチャンバーのマウスピースを口から離し、そのまま3~4秒程度息を止め、その後ゆっくりと静かに息をはき、元の呼吸に戻してください。

使用後は、エアゾールをエアロチャンバーからはずし、アダプターにキャップをつけてください。医師の指示によりエアゾールをもう1回吸入する場合は、 ~ の操作を繰り返してください。

1 6

吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。

吸入後は、のどや口の中に残っている薬を洗い流すために必ずうがいをしてください。

アダプターについているキャップの両端をつまんではずします。ボンベの中の薬が均一にまじりあうようによく振ってください。なお、アドエア エアゾールでは、1週間もしくはそれ以上使用しなかった場合は、ボンベを押して2回空噴霧してから使用してください。

キャップをはずし、よく振ってから

4回押すカウンター

使用前

ガラガラ クチュクチュ

のど 口の中 ガラガラ クチュクチュ

のど 口の中

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25 26

5つの質問項目からなる喘息コントロールテストは、喘息予防・管理ガイドラインが強調している喘息コントロールの多面的な要素、つまり喘息症状や発作治療薬の使用、喘息が日常生活に与える影響等から広く構成され、コントロール不良な喘息患者をスクリーニングできる質問票です。

ぜん そく

喘息コントロールテストによるスコアは、喘息専門医による評価と高い相関を示しました。ぜん そく

喘息専門医による評価

コントロールされていない

(n=2)

コントロール不良

(n=28)

コントロールやや良好(n=103)

良好にコントロール

(n=224)

完全にコントロール

(n=79)

0

5

10

15

20

25 F=34.5p<0.0001mean

スコア

Development of the Asthma Control Test:A survey for assessing asthma control喘息コントロールテストの開発:喘息コントロールの評価に対する調査ぜん そく

●喘息コントロールの状態を5つの質問からチェック患者さん自らが評価し、自分自身の喘息コントロール状態を把握することが可能

●簡単かつ信頼性が高い専門医による評価および呼吸機能(FEV1)との相関性が確認されている

●点数でコントロール状態が表されるため、評価しやすくわかりやすい点数によって、喘息コントロール状態の推移の把握や、治療効果の評価も可能

(高血圧や糖尿病のように数値化した評価が得られる)

喘息コントロールテストの特徴ぜ ん そ く

各質問について該当する点数を丸で囲み、その数字を右の四角の欄に書き入れてください。できる限り率直にお答えください。喘息の現状について担当医師に相談する際、役立ちます。1Step

2Step

3Step

各項目の点数を足してあなたの総合点を出してください。

総合点からあなたの喘息状態を、すぐ確認しましょう。

合 計

著作権:QualityMetric Incorporated, 2002. 禁無断転載・使用

質問1 この4週間に、喘息のせいで職場や家庭で思うように仕事がはかどらなかったことは時間的にどの程度ありましたか? 点 数

かなり いくぶん 少し 全くないいつも

質問2 この4週間に、どのくらい息切れがしましたか?

1日に1回 1週間に3~6回

1週間に1、2回 全くない1日に

2回以上

1週間に2、3回

1週間に1回 1、2回 全くない1週間に

4回以上

1日に1、2回

1週間に数回

1週間に1回以下 全くない1日に

3回以上

あまりできなかった

まあまあできた

十分できた

完全にできた

全くできなかった

質問3 この4週間に、喘息の症状(ゼイゼイする、咳、息切れ、胸が苦しい・痛い)のせいで夜中に目が覚めたり、いつもより朝早く目が覚めてしまうことがどのくらいありましたか?

質問4 この4週間に、発作止めの吸入薬(サルブタモールなど)をどのくらい使いましたか?

質問5 この4週間に、自分自身の喘息をどの程度コントロールできたと思いますか?

ぜん そく

ぜん そく

ぜん そく

点数:25点(満点)

好調です。このまま続けましょう!

あなたの喘息は完全な状態(トータルコントロール)です。全く症状がなく、喘息による日常生活への支障は全くありません。この調子で治療を続けましょう。もしこの状態に変化があるようならば、担当医師にご相談ください。

点数:20点から24点

順調です。あと一息

あなたの喘息は良好な状態(ウェルコントロール)ですが、完全な状態(トータルコントロール)ではありません。担当医師のアドバイスにより治療を継続し、トータルコントロールを目指しましょう。

点数:20点未満

まだまだです。もっとよくなります

あなたの喘息は、コントロールされていない状態です。あなたの喘息状態を改善するために、担当医師と治療方法をよく相談しましょう。

合計点数から喘息の状態が

簡単に判定できます

喘息患者さんの喘息コントロール状態の把握に「喘息コントロールテスト(ACT)」をご活用ください。

ぜん そく

喘息専門医の評価と喘息コントロールテストによるスコアぜん そく

推薦:財団法人日本アレルギー協会

喘息コントロールテストぜ ん そ く

12歳以上対象

目 的 :調査対象 :調査方法 :

解析方法 :利益相反:

ぜん そく

患者の自己評価によりコントロール不良の気管支喘息患者を特定するためのツールである喘息コントロールテスト(ACT)の開発について解説する。喘息専門医受診患者471例[年齢:12~94歳、平均年齢:45.2歳(65歳以上約14%、20歳未満12%)]専門医の評価による喘息コントロール度を基準として、最も確実な評価が行える項目を選出した。内部一貫性信頼度をコンピューターで算出し、喘息コントロールテストによるスコアでコントロール度分類の妥当性検定を実施。ロジスティック回帰解析法およびreceiver operating characteristic解析により喘息コントロールテストの有用性を評価した。本調査の費用はグラクソ・スミスクラインが負担した。

ぜん そく

ぜん そく

喘息コントロールテスト(ACT)の活用参考ぜん そく

25点満点をめざしましょうNathan RA et al : J Allergy Clin Immunol 2004 ; 113, 59-65より作図

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27 28

小児喘息コントロールテスト(小児ACT)の活用参考

小児喘息コントロールテストしょう に ぜん そく

著作権:グラクソ・スミスクライン株式会社 2006 禁無断転載・使用

小児喘息コントロールテスト(小児ACT)

小児喘息コントロールテストのやり方

ステップ 1

ステップ2

ステップ 3ステップ 4 このテストを主治医に見せ、合計点数について相談してください。

各質問の答えの点数(      など次ページ参照)を、右横の□に書き込んでください。

最初の4問( ~ )はお子様に答えてもらってください。質問を読んだり理解したりするのに手助けが必要な場合は、手伝ってあげても構いません。ただし、答えはお子様に選んでもらってください。残りの3問( ~ )は、保護者の方ご自身がお答えください。その際、お子様が選んだ答えは参考になさらないでください。このテストは答えが正しいか間違っているかを判定するものではありません。

推薦:財団法人日本アレルギー協会

このテストにお子様と一緒に答え、結果について主治医に相談してください。12歳以上の方は、喘息コントロールテスト(ACT)をご使用ください。

しょう に ぜん そく

20点以上合計点数が20点以上の場合、喘息はおそらくコントロールされていると考えられます。お子様の喘息コントロールを評価する際、主治医が他の要素を考慮することがあります。お子様の喘息について主治医に相談してください。 喘息は予測できません。お子様の喘息の症状が軽度や無症状に見える場合でも、いつでも発症しうるのです。 お子様の喘息の調子が良くみえても、この小児喘息コントロールテストに定期的に答えるようにしてください。これからも定期的に主治医の診察を受けさせ、お子様の喘息がきちんと治療されているかどうか確認してください。

20点未満合計点数が20点未満の場合は、喘息があまり良くコントロールされていない可能性があります。 小児喘息コントロールテストの結果についてお子様の主治医と相談し、喘息治療計画を変える必要があるかどうか聞いてください。 喘息症状の主な原因(気道が炎症したり狭くなること)のコントロールを助け、毎日長期間使用できる薬について、お子様の主治医に聞いてください。おそらく喘息症状の主な原因を毎日治療することにより、多くのお子様の喘息を最良にコントロールできると考えられます。

各□の点数を合計してください。

【編集協力】群馬大学 名誉教授       社会福祉法人 希望の家附属北関東アレルギー研究所 所長 森川昭廣

しょう に ぜん そく

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未治療の臨床所見による喘息重症度の分類

喘息治療のガイドライン(成人)参考

軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型

毎日毎日週1回以上だが毎日ではない

週1回未満

しばしば週1回以上月に2回以上月に2回未満

60%未満60%以上80%未満80%以上80%以上

30%を超える30%を超える20~30%20%未満

日常生活に制限週1回以上日常生活や

睡眠が妨げられる

しばしば増悪 しばしば増悪

月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる症状は軽度で短い喘息

症状の特徴

頻度

強度

夜間症状

%FEV1、%PEF

変動

重症度*1

PEFFEV1*2

現在の治療を考慮した喘息重症度の分類

治療ステップ1 治療ステップ2

現在の治療ステップ

治療ステップ3 治療ステップ4現在の治療における患者の症状

軽症間欠型相当*2

・症状が週1回未満である・症状は軽度で短い・夜間症状は月に2回未満である

コントロールされた状態*1

・症状を認めない・夜間症状を認めない

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

*1:いずれか1つが認められればその重症度と判断する。*2:症状からの判断は重症例や長期罹患例で重症度を過小評価する場合がある。呼吸機能は気道閉塞の程度を客観的に示し、その変動は気道過敏性と

関連する。 %FEV1=(FEV1測定値/FEV1予測値)×100、%PEF=(PEF測定値/PEF予測値または自己最良値)×100

軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型

軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型

軽症持続型 中等症持続型 重症持続型 重症持続型

中等症持続型 重症持続型 重症持続型 最重症持続型

重症持続型 重症持続型 重症持続型 最重症持続型

軽症持続型相当*3

・症状が週1回以上、しかし毎日ではない・症状が月1回以上で日常生活や睡眠が妨げられる・夜間症状が月2回以上ある

重症持続型相当*3

・治療下でもしばしば増悪する・症状が毎日ある・日常生活が制限される・夜間症状がしばしばある

中等症持続型相当*3

・症状が毎日ある・短時間作用性吸入β2刺激薬がほとんど毎日 必要である・週1回以上、日常生活や睡眠が妨げられる・夜間症状が週1回以上ある

*1:コントロールされた状態が3~6か月以上維持されていれば、治療のステップダウンを考慮する。*2:各治療ステップにおける治療内容を強化する。*3:治療のアドヒアランスを確認し、必要に応じ是正して治療をステップアップする。

喘息治療ステップ治療ステップ1

吸入ステロイド薬(低用量)吸入ステロイド薬(低~中用量)吸入ステロイド薬(中~高用量)吸入ステロイド薬(高用量)

LTRA以外の抗アレルギー薬*1

LTRA以外の抗アレルギー薬*1

LTRA以外の抗アレルギー薬*1

LTRA以外の抗アレルギー薬*1

治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4

上記が使用できない場合は以下のいずれかを用いる

LTRAテオフィリン徐放製剤

※症状が稀なら必要なし

上記で不十分な場合に以下のいずれか1剤を併用LABA(配合剤使用可*5)LAMA*6

LTRAテオフィリン徐放製剤

上記に下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用LABA(配合剤使用可*5)LAMA*6

LTRAテオフィリン徐放製剤

上記に下記の複数を併用

LABA(配合剤使用可)LAMA*6

LTRAテオフィリン徐放製剤抗IgE抗体*2,7

抗IL-5抗体*7,8

抗IL-5Rα抗体*7

経口ステロイド薬*3,7

気管支熱形成術*7,9

長期管理薬

基本治療

発作治療*4

追加治療

ICS:吸入ステロイド薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬、LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬、SABA:短時間作用性吸入β2刺激薬、抗IL-5Rα抗体:抗IL-5受容体α鎖抗体*1:抗アレルギー薬は、メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬を指す。*2:通年性吸入アレルゲンに対して陽性かつ血清総IgE値が30~1,500IU/mLの場合に適用となる。*3:経口ステロイド薬は短期間の間欠的投与を原則とする。短期間の間欠投与でもコントロールが得られない場合は、必要最小量を維持量とする。*4:軽度の発作までの対応を示し、それ以上の発作についてはガイドラインの「急性増悪(発作)への対応(成人)」の項を参照。*5:ブデソニド/ホルモテロール配合剤で長期管理を行っている場合には、同剤を発作治療にも用いることができる。長期管理と発作治療を合わせて1日8吸

入までとするが、一時的に1日合計12吸入まで増量可能である。ただし、1日8吸入を超える場合は速やかに医療機関を受診するよう患者に説明する。*6:チオトロピウム臭化物水和物のソフトミスト製剤。*7:LABA、LTRAなどをICSに加えてもコントロール不良の場合に用いる。*8:成人および12歳以上の小児に適応がある。*9:対象は18歳以上の重症喘息患者であり、適応患者の選定は日本呼吸器学会専門医あるいは日本アレルギー学会専門医が行い、手技は日本呼吸器

内視鏡学会気管支鏡専門医の指導の下で入院治療において行う。

SABA SABA*5 SABA*5 SABA

未治療患者の症状と目安となる治療ステップ治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4

(軽症間欠型相当)・症状が週1回未満・症状は軽度で短い・夜間症状は月に2回未満

(軽症持続型相当)・症状が週1回以上、しかし毎日ではない・月1回以上日常生活や睡眠

が妨げられる・夜間症状は月2回以上

(中等症持続型相当)・症状が毎日ある・短時間作用性吸入β2刺激

薬がほぼ毎日必要・週1回以上日常生活や睡眠

が妨げられる・夜間症状が週1回以上

(重症持続型相当)・治療下でもしばしば増悪・症状が毎日ある・日常生活が制限される・夜間症状がしばしば

対象症状

喘息コントロール状態の評価コントロール良好

(すべての項目が該当)なし

なし

なし

予測値あるいは自己最良値の80%以上

20%未満*1

なし

週1回以上

週1回以上

あり

予測値あるいは自己最良値の80%未満

20%以上

年に1回以上 月に1回以上*2

コントロール不十分(いずれかの項目が該当) コントロール不良

コントロール不十分の項目が3つ以上当てはまる

喘息症状(日中および夜間)

発作治療薬の使用

運動を含む活動制限

呼吸機能(FEV1およびPEF)

PEFの日(週)内変動

増悪(予定外受診、救急受診、入院)

*1:1日2回測定による日内変動の正常上限は8%である。  *2:増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価する。

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長期管理薬未使用患者の重症度評価と治療ステップの目安

小児喘息の長期管理に関する薬物療法プラン

喘息治療のガイドライン(小児)参考

[喘息予防・管理ガイドライン2018][喘息予防・管理ガイドライン2018]

[喘息予防・管理ガイドライン2018]

5歳以下

小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン 6~15歳

LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬  DSCG:クロモグリク酸ナトリウム  ISC:吸入ステロイド薬  SABA:短時間作用性吸入β2刺激薬

*1:小児喘息に適用のあるその他の経口抗アレルギー薬(Th2サイトカイン阻害薬など)を含む。*2:治療ステップ3以降の治療でコントロール困難な場合は小児の喘息治療に精通した医師の管理下での治療が望ましい。

なお、5歳以上ではSFC(サルメテロール・フルチカゾン配合剤)も保険適用がある(治療ステップ、投与量は表6-39を参照)。

追 加 治 療:

短期追加治療:

基本治療によってコントロール状態が改善したものの十分なコントロールが得られない場合に1か月以上の継続治療として考慮する治療。追加治療でも十分なコントロールが得られない場合はステップアップを行う。長期管理中に感冒や季節性の変動などで一過性のコントロール悪化が認められた場合に2週間以上で追加する治療。喘鳴や呼気延長など、明らかな急性増悪(発作)の所見はないが、運動、啼泣の後や起床時などに認められる一過性の咳嗽、覚醒するほどではない夜間の咳き込みなどが認められるときに併用し、コントロール状態が改善したら速やかに中止する。2週間以上必要である場合には、追加治療やステップアップを行う。

FP:フルチカゾンBDP:ベクロメタゾンCIC:シクレソニドBUD:ブデソニドBIS:ブデソニド吸入懸濁液

低用量 中用量 高用量

~100 ~200 ~400

~200 ~400 ~800

~250

FP,BDP,CIC

BUD

BIS ~500 ~1,000

間欠型重症度 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型

治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4

毎日

週に1~2回大・中発作となり日常生活が障害される

軽い症状(数回/年)

短時間作用性β2刺激薬頓用で短期間に改善する

1回/月以上

時に呼吸困難。日常生活障害は少ない

1回/週以上

時に中・大発作となり日常生活が障害される

症状の頻度と程度

開始するステップ

治療ステップ1治療ステップ

吸入ステロイド薬の用量の目安(μg/日)

長期薬物治療

治療ステップ2 治療ステップ3*2 治療ステップ4*2

高用量ICS(LTRAの併用も可)

発作の強度に応じた薬物療法

下記のいずれかを使用▲

LTRA※1▲

低用量ICS▲

DSCG

中用量ICS

以下を考慮▲

高用量ICS+β2刺激薬 (貼付)▲

ICSのさらなる増量▲

全身性ステロイド薬

下記のいずれかを使用▲

LTRA※1▲

DSCG

上記治療薬を2つ、もしくは3つを併用 上記にLTRAを併用

基本治療

追加治療

短期追加治療

貼付薬もしくは経口薬のβ2刺激薬(数日から2週間以内)

コントロール状態が改善したら中止する。改善が不十分ならばステップアップを考慮する。

発作治療

SABA頓用〔改善しない場合は急性増悪(発作)への対応(6-9)を参照〕

LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬  ISC:吸入ステロイド薬  SABA:短時間作用性吸入β2刺激薬  SFC:サルメテロール・フルチカゾン配合剤

*1:DSCG吸入や小児喘息に適用のあるその他の経口抗アレルギー薬(Th2サイトカイン阻害薬など)を含む。*2:SFCは5歳以上から保険適用がある。SFCの使用に際しては原則として他のβ2刺激薬は中止する。*2:治療ステップ3以降の治療でコントロール困難な場合は小児喘息治療に精通した医師の管理下での治療が望ましい。

追 加 治 療:

短期追加治療:

基本治療によってコントロール状態が改善したものの十分なコントロールが得られない場合に1か月以上の継続治療として考慮する治療。追加治療でも十分なコントロールが得られない場合はステップアップを行う。長期管理中に感冒や季節性の変動などで一過性のコントロール悪化が認められた場合に2週間以上で追加する治療。喘鳴や呼気延長など、明らかな急性増悪(発作)の所見はないが、運動、啼泣の後や起床時などに認められる一過性の咳嗽、覚醒するほどではない夜間の咳き込みなどが認められるときに併用し、コントロール状態が改善したら速やかに中止する。2週間以上必要である場合には、追加治療やステップアップを行う。

FP:フルチカゾンBDP:ベクロメタゾンCIC:シクレソニドBUD:ブデソニドBIS:ブデソニド吸入懸濁液

低用量 中用量 高用量

~100 ~200 ~400

~200 ~400 ~800

~250

FP,BDP,CIC

BUD

BIS ~500 ~1,000

治療ステップ1治療ステップ

吸入ステロイド薬の用量の目安(μg/日)

※小児適用なし

SFC 50μgエアゾール製剤:1噴霧中 FP 50μg/SLM 25μg、100μg DPI製剤:1吸入中 FP 100μg/SLM 50μg

低用量用量 中用量 高用量

100/50 200/100 400~500/100

SFC 50 エアゾール1回1吸入 1日2回

SFC 100 DPI1日1吸入 1日2回

中用量SFC+中用量ICSあるいはSFC 250 DPI※

1回1吸入 1日2回

FP/SLM(μg/日)

使用例

サルメテロール(SLM)/フルチカゾン(FP)配合剤(SFC)の用量目安

長期薬物治療

治療ステップ2 治療ステップ3*2 治療ステップ4*2

下記のいずれかを使用▲

高用量ICS▲

中用量ICS*2

以下の併用も可・LTRA・テオフィリン徐放製剤

発作の強度に応じた薬物療法

下記のいずれかを使用▲

低用量ICS▲

LTRA*1

下記のいずれかを使用▲

中用量ICS▲

低用量SFC*2

以下を考慮▲

ICSのさらなる増量あるいは高用量SFCへの変更▲

抗IgE抗体▲

全身性ステロイド薬

LTRA※1

上記治療薬を併用

上記に以下のいずれかを併用▲

LTRA▲

テオフィリン除放製剤

基本治療

追加治療

短期追加治療短期

追加治療

貼付薬もしくは経口薬のβ2刺激薬(数日から2週間以内)

コントロール状態が改善したら中止する。改善が不十分ならばステップアップを考慮する。

発作治療

SABA頓用〔改善しない場合は急性増悪(発作)への対応(6-9)を参照〕

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学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン

就学児のお子さんがいる保護者の方は、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」をご活用ください。

●主なアレルギー疾患を表裏一枚で記載できるようになっています。「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」は

以下の手順でご活用ください。

「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」は以下のような構成になっています。

参考

引用:学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン[発行:(公財)日本学校保健会、監修:文部科学省 スポーツ・青少年局 学校健康教育課]

表 気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎食物アレルギー・アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎

●主治医の先生には、お子さんの疾患についての情報と、学校生活上の指示を記載していただきます。

アレルギー疾患の原因や症状、服用中の薬など、お子さんの疾患の状況が記載されます。

「病型・治療」欄

学校生活における管理・配慮の必要性が記載されます。

※(公財)日本学校保健会が運営している「学校保健」の電子図書館(http://www.gakkohoken.jp/books)(アクセス 2018年8月1日)から、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」をダウンロードすることができます。

「学校生活上の留意点」欄

気管支ぜん息、食物アレルギー・アナフィラキシーが「あり」の場合、保護者の緊急時連絡先を記入してください。

緊急時の対応などのため、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」に記載された情報を、学校の教職員全員で共有する必要があります。同意していただける場合は「1.はい」、同意しない場合は「2.いいえ」に○をつけ、どちらの場合も保護者の署名をしてください。

1お子さんの病気(アレルギー疾患)に関して、学校での配慮・管理が必要であることを学校に申告してください。

2学校から「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を受け取ってください。

3疾患ごとに主治医の先生に「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」の記載をお願いしてください。

4記載してもらった「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を学校に提出してください。

5「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を基に、学校と保護者の方とでお子さんの学校生活における配慮や管理について相談します。(この際、必要に応じ、さらに詳しい情報の提出をお願いすることがあります。)

6病状は変化することがあります。継続して管理・指導が必要な場合は、内容が同じでも、原則として毎年新しい「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出してください。

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喘息治療薬とドーピングについて 参考

国際的な大会や国民体育大会(国体)などのスポーツ競技では、ドーピング防止規程で使用禁止薬が定められており、喘息治療薬では「β2刺激薬」と「糖質コルチコイド」が該当します。しかし、治療使用特例(Therapeutic Use Exemptions:TUE)として、TUE申請またはドーピング検査時の申告により、一部の薬剤では限定された投与経路(吸入)での使用が認められています。

ポイント ポイント

● 吸入ステロイド薬はTUE申請および使用の申告不要です(ドーピング検査時の申告のみ)。● β2刺激薬のうち、吸入サルブタモール、吸入ホルモテロールおよび吸入サルメテロールは

TUE申請および使用の申告不要です(ドーピング検査時の申告のみ)。その他のβ2刺激薬では、使用前に「気管支喘息治療に関するTUE申請のための情報提供書」を添えてTUE申請を行えば、「吸入」でのみ治療目的使用が認められます。

● 緊急の医療状況において、ステロイドの全身投与(経口、静注など)を行った場合は、遡及的にTUE申請が必要となります。

● TUE申請を必要とするβ2刺激薬の成分および用量が変更になった場合には、再度TUE申請書式を作成してください。

● 競技団体、参加大会によりTUE申請の書式が異なる場合がありますので、各団体にお問い合わせください。各団体の申請書式が分からない場合は、日本アンチ・ドーピング機構

(JADA)の書式で申請してください(各団体の書式で再提出する際に、JADAの書式で提出した際の日付が考慮されます)。

使用禁止薬サルブタモール、ホルモテロールおよびサルメテロール以外の吸入β2刺激薬を使用する場合にはTUE申請と

「気管支喘息治療に関するTUE申請のための情報提供書」の提出が必要です。また、緊急の医療状況において、ステロイドの全身投与(経口、静注など)を行った場合は、遡及的にTUE申請が必要となりますので、TUE申請書式を作成し選手に渡してください。選手から各団体へ申請します(選手はコピーを保管する)。

TUE申請─治療使用特例申請

詳しくは下記ホームページをご参照ください(公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA) ht t p ://www.p lay t ruejapan .o rg/

主な治療薬の使用可否一覧 「治療使用特例(TUE)申請書〈Ver.201806〉」

緊急の医療状況において、ステロイドの全身投与を行った場合は、TUE申請書式の提出が必要となります。※1 吸入サルブタモールと吸入ホルモテロール、吸入サルメテロール以外の吸入β2刺激薬を使用しなければならない理由と根拠を明示する必要があります。※2 吸入のβ2刺激薬で治療できない正当な医学的理由が認められた場合のみ、TUE申請の承認で使用することができます。

参考資料:(公財)日本アンチ・ドーピング機構 医師のためのTUE申請ガイドブック 2018

ホルモテロールフマル酸塩水和物/ブデソニド

タービュヘイラー 30吸入・60吸入 使用可

フルチカゾンプロピオン酸エステル50・100・200ディスカス50・100・200ロタディスク50・100エアゾール

使用可フルタイド

ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル

100エリプタ14吸入100エリプタ30吸入200エリプタ14吸入200エリプタ30吸入

TUE申請の承認で使用可※1レルベア

シムビコート

一般名 商品名 剤形・含有量例 使用可否

100・250・500ディスカス50・125・250エアゾール

使用可アドエアサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル

プロカテロール塩酸塩水和物モンテルカストナトリウムプランルカスト水和物エピナスチン塩酸塩メキタジンツロブテロール塩酸塩クレンブテロール塩酸塩

メプチンシングレア、キプレスオノンアレジオンゼスラン、ニポラジンホクナリンスピロペント

吸入剤(1噴霧100μg、0.5%)経口剤(2mg、0.04%)

サルブタモール硫酸塩サルタノール、ベネトリン

吸入剤のみ使用可

吸入剤のみTUE申請の承認で使用可※1

使用可使用可使用可使用可使用禁止※2

使用禁止※2

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルブデソニドシクレソニドサルメテロールキシナホ酸塩

キュバールパルミコートオルベスコセレベント

使用可使用可使用可使用可

50・100エアゾール100・200タービュヘイラー50・100・200エアゾール50ディスカス、25・50ロタディスク

吸入剤、経口剤経口剤(5mg・10mg)経口剤(112.5mg)経口剤(10mg・20mg)経口剤(3mg)貼付剤、経口剤経口剤(10μg)

(アクセス 2018年8月1日)

©JAPAN Anti-Doping Agency

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喘息治療薬とドーピングについて  MEMO参考

サルブタモール、ホルモテロールおよびサルメテロール以外の吸入β2刺激薬を処方する場合は、スパイロメトリーにより気道閉塞性障害の有無を確認し、必要に応じた呼吸機能検査(気道可逆性試験、あるいはメサコリン吸入試験や運動負荷試験など)を実施し、結果を記入します。

「気管支喘息治療に関するTUE申請のための情報提供書」

ポイント

1)スパイロメトリーで気道閉塞性障害(努力肺活量FVCに対する1秒量の比が85%未満)を認めた場合●気道可逆性試験:サルタノールインヘラー2パフ(200μg)吸入20分後にスパイロメトリーを行い、1秒量がベースライン(前値)より12%以上、かつ200mL以上の改善があれば、気道可逆性試験陽性とします。陽性とならなければ、再度2パフ吸入させ、同様に1秒量を測定します。

2)スパイロメトリーで気道閉塞性障害がない、もしくは気道可逆性試験が陰性の場合●メサコリン吸入試験:吸入ステロイド薬非使用もしくは1ヵ月以内の使用の競技者ではPC20が4.0mg/mL以下、吸入ステロイド薬1ヵ月以上の使用の競技者ではPC20が16.0mg/mL以下であれば、メサコリン吸入試験陽性、気道過敏性試験陽性とします。

●運動負荷試験:運動を8分間(後半の4分間は最大酸素摂取量90%以上の運動強度とする)させた後、30分以内に1秒量がベースライン(前値)の10%以上低下すれば、運動負荷試験陽性とします。運動直後3分以内に、運動後初回のスパイロメトリーを行います。

「気管支喘息治療に関するTUE申請のための情報提供書〈Ver.2018.6.25〉」

詳しくは下記ホームページをご参照ください(公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA) ht t p ://www.p lay t ruejapan .o rg/

(アクセス 2018年8月1日)

参考資料:(公財)日本アンチ・ドーピング機構 医師のためのTUE申請ガイドブック 2018©JAPAN Anti-Doping Agency

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MEMOMEMO