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フフフフフフフフフ フフフフフフフフ -- フフフフフフフフフ フフフフフ フフフ2002.7.14 フフフフフフ

フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

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2002.7.14   朝霞市講演会. フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-. 国立保健医療科学院・口腔保健部 安藤雄一. 本日の話題. フッ化物による虫歯予防方法には、どんなものがあるのか フッ素(フッ化物)とは何か フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績(効果)があるのか フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について なぜ虫歯予防が必要なのか 有効とされる虫歯予防法とは まとめ:明日からできるフッ化物を用いた虫歯予防方法. 歯科医療の発展段階. 日本の現状?. 第3段階 予防歯科. 第2段階 修復歯科. 第1段階 痛みの緩和. はみがき. 細菌. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素でむし歯予防

-その科学的根拠-

国立保健医療科学院・口腔保健部安藤雄一

2002.7.14   朝霞市講演会

Page 2: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実

績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性につい

て• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 3: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

歯科医療の発展段階

第3段階 予防歯科第2段階      修復歯

科第1段階           痛みの緩和

日本の現状?

Page 4: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

むし歯の原因と予防法

むし歯むし歯

細菌細菌

砂糖砂糖 歯質歯質

はみがき

甘味の適正摂取 フッ素を利用

Page 5: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

う蝕予防のために有効なう蝕予防のために有効なフッ化物応用方法フッ化物応用方法

•全身応用•局所応用

フッ化物を服用(飲む)方法

局所的にフッ化物を作用(うがい、塗る)させる方法

Page 6: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物の全身応用• 水道水フッ化物添加• フッ化物添加食塩• フッ化物錠剤• フッ素入りミルク

いずれの方法も現在、日本では行われていない

Page 7: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物の局所応用•フッ化物配合歯磨剤•フッ化物洗口(フッ素洗口)•フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)  など

Page 8: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実

績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性につい

て• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 9: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

「フッ素」と「フッ化物」• フッ素( fluorine )は、元素

– フッ素元素( F2 )は気体– しかし、天然に元素(気体)の状態で存在

することはほとんどない• フッ化物は、化合物(イオン)

– 虫歯予防に用いられるのは、フッ化物• フッ化ナトリウム( NaF )• フッ化スズ( SnF2 )• モノフルオロリン酸ナトリウム( MFP )

– 実際には、イオンが歯に作用する

市販の歯磨剤の成分表

示をよく見ると出てい

ます

Page 10: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

自然界でのフッ素濃度• 土壌: 300ppm *以下• 空気: 0.02 ~ 2.00ppb **

• 水  : 0.01ppm 前後。   地表水: 0.05 ~ 0.2ppm ,地下水: 0.1 ~ 1.0ppm

• 海水: 1.3ppm    *   ppm : 100 万分の 1 ( 1% = 10000ppm )  ** ppb : 10 億分の 1 ( 1ppm = 1000ppb)    

Page 11: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

環境中・人体中における元素の比率

1.酸素2.水素3.塩素4.ナトリウム5.マグネシウ

ム :12 .フッ素13 .窒素

1.酸素2.炭素3.水素4.窒素5.カルシウ

ム :12 .ヨウ素13 .フッ素

海水中の元素の比率

人体中の元素の比率

Page 12: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

水道水フッ化物添加が実現するまでの歴史( 20 世紀前半)

• 斑状歯の流行調査( Mckay FS, Black GV )– 原因を特定できず– 飲料水中の何らかの物質が原因– 斑状歯流行地域では、う蝕が少ない

• 原因の特定( Churchill HV ほか)– 飲料水中の過量のフッ素が原因である– 動物にフッ素を投与し、斑状歯を発現させる

    ↓• Dean の研究へ

Page 13: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのく

らい実績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性につい

て• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 14: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

世界における各種フッ化物応用の実施状況(推定値、単位:百万人)

1990年

2000 年

水道水フッ化物添加 210 300

学校水道水フッ化物添加

0.2 0

食塩への添加 4 97

ミルクへの添加 0.1 0.2

液剤/錠剤 20 15

洗口 20 100

塗布 20 30

歯みがき剤への添加 450 1500〈出典〉 Rugg-Gunn A : BDJ, 191(9): 478-488,

2001

日本なしなしなしなしなし約 30 万人約 4 割(小児)約 9 千万人

Page 15: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

水道水フッ化物添加水道水フッ化物添加(水道水フッ素化)(水道水フッ素化)

(水道水フッ化物濃度調整法)(水道水フッ化物濃度調整法)(フロリデーション (フロリデーション FluoridationFluoridation ))

•う蝕予防を目的とし,飲料水中に,天然に存在するフッ素の適正量を模倣して,人工的にその濃度レベルまでフッ化物(フッ素)を調整する方法

Page 16: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

世界における世界における水道水フッ化物添加の普及状況水道水フッ化物添加の普及状況

•国民の半数以上が利用;–米国,カナダ,アイルランド,オース米国,カナダ,アイルランド,オース

トラリア,ニュージーランドトラリア,ニュージーランド•全住民が利用;– シンガポール,香港特別行政区 シンガポール,香港特別行政区

Page 17: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

アメリカ合衆国における水道水フッ化物添加(フロリデーション)の普及状況

50大都市のうち45で水道水フッ化物添加が実施されている

Page 18: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

20 世紀の米国における公衆衛生の 10 偉業Ten Great Public Health Achievements -- United States, 1900-1999

• ワクチン接種• 自動車の安全性• 安全な職場 • 感染症のコントロール • 冠状動脈性心疾患と脳卒中の減少 • 安全で健康的な食品 • 母子保健 • 家族計画 • 飲料水のフッ化物添加 • 喫煙を健康障害の危険性があると認知したこと

MMRW : April 02, 1999 / 48(12);241-243

Page 19: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

日本における水道水フッ化物添加の実施例

• 京都市(山科) :1952~1965年

• 沖縄本島(返還前) :1957~1972年

• 三重県朝日町 :1967~1972年

1972 年以後、 28 年間、日本では事例がない

Page 20: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物洗口(フッ素洗口)

• 学校・保育園における集団実施方式

• 家庭応用方式(歯科医院管理型)

Page 21: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

わが国におけるフッ化物洗口実施施設・人数の推移

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

85 87 90 92 94 96 98 2000調査年度

人数

0

500

1000

1500

2000

2500

施設数

人数

施設数

【注】日F会議(日本むし歯予防フッ素推進会議)の調査

Page 22: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

都道府県別にみたフッ化物洗口の実施者数(多い順にソート)

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

新潟

県静

岡県

京都

府長

野県

富山

鹿児

島県

愛媛

山口

県山

形県

福島

県長

崎県

佐賀

北海

道滋

賀県

青森

県宮

城県

岐阜

県香

川県

福岡

岩手

県広

島県

宮崎

県沖

縄県

栃木

県群

馬県

島根

高知

県神

奈川

岡山

県和歌

山県

熊本

愛知

県山梨

徳島

県千葉

埼玉

県三重

県奈良

鳥取

県秋田

茨城

県東

京都

石川

県福井

県大阪

兵庫

県大

分県

実施者数

都道府県別にみたフッ化物洗口の実施者数

都道府県別にみたフッ化物洗口の実施者数(多い順にソート)

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

新潟

県静

岡県

京都

府長

野県

富山

鹿児

島県

愛媛

山口

県山

形県

福島

県長

崎県

佐賀

北海

道滋

賀県

青森

県宮

城県

岐阜

県香

川県

福岡

岩手

県広

島県

宮崎

県沖

縄県

栃木

県群

馬県

島根

高知

県神

奈川

岡山

県和歌

山県

熊本

愛知

県山梨

徳島

県千葉

埼玉

県三重

県奈良

鳥取

県秋田

茨城

県東

京都

石川

県福井

県大阪

兵庫

県大

分県

実施者数

小学校の1割以上が実施 保育所・幼稚園

の5割以上が実施

データは日F会議の 2000 年度調査

Page 23: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素洗口開始年度にみた 12歳児DMFTの推移の比較 -新潟県 -

0

1

2

3

4

5

6

82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93

DMFT

年 度

フッ素洗口経験なし

1986年開始

1977年以前に開始 1982-85年

開始

Page 24: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

12歳児 DMFT 市町村別ランキング

(新潟県、 1983 年度と 2000 年度)1983年度

4.64

0

2

4

6

8

10

県平均

牧 金井

京ヶ瀬

出雲

川西

新穂

山北

黒川

真野

岩室

吉田

小国

和島

高柳

弥彦

大島

小千谷

加治

妙高

高原

安塚

湯沢

六日町

与板

西川

三島

長岡

大和

松代

名立

中之

小出

新井

浦川

赤泊

十日町

栃尾

頚城

両津

板倉

湯之谷

塩沢

村松

堀之内

羽茂

清里

上越

栄 寺泊

吉川

大潟

見附

相川

佐和田

分水

三和

潟東

黒埼

中郷

守門

村上

新潟

越路

畑野

能生

川口

燕 三川

中之

亀田

入広瀬

刈羽

小須戸

下田

西山

中条

味方

聖籠

安田

津南

五泉

新発田

笹神

田上

中里

水原

白根

豊浦

柏崎

青海

横越

朝日

荒川

豊栄

小木

粟島浦

新津

加茂

神林

柿崎

上川

妙高村

山古志

糸魚

巻 三条

津川

関川

松之

月潟

鹿瀬

広神

紫雲寺

DMFT

2000年度

1.81

0

2

4

6

8

10

県平均

粟島浦

板倉

味方

三島

大島

中郷

牧 小木

清里

寺泊

弥彦

三和

出雲

潟東

吉田

松之

西川

上川

西山

真野

妙高

高原

新井

鹿瀬

分水

三川

赤泊

妙高村

京ヶ瀬

岩室

与板

堀之内

浦川

小国

月潟

山北

黒埼

吉川

青海

安田

笹神

川口

能生

塩沢

黒川

相川

小千谷

和島

加治

松代

栃尾

湯沢

燕 糸魚

高柳

上越

長岡

越路

横越

頚城

加茂

安塚

十日町

小出

湯之谷

六日町

大潟

川西

佐和田

津南

中之

巻 入広瀬

紫雲寺

村上

荒川

関川

中里

神林

広神

名立

守門

新潟

中条

小須戸

津川

栄 田上

新津

刈羽

白根

柏崎

見附

三条

水原

両津

朝日

亀田

村松

羽茂

畑野

新発田

五泉

中之

柿崎

聖籠

新穂

豊栄

豊浦

山古志

大和

金井

下田

DMFT

31 市町村が、 DMFT 1未満

フッ化物洗口実施市町村

Page 25: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素洗口経験別にみた一人あたりの歯科治療費(10~14歳、1990年)

\ 9,357\ 8,195

\ 6,083\ 4,801

0

2000

4000

6000

8000

10000

F(-) ±F( ) F(+) ++F( )

****

(円)

F ( - ) :F洗口実施経験なし( 37 市町村)  F (±) :F洗口経験年数 3 年未満 ( 21 市町村)

F ( + ) :F洗口経験年数 6 年未満 ( 21市町村 )F (++) :F洗口経験年数 6 年以上 ( 29市町村)(安藤雄一ほか,1994)

Page 26: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素洗口による歯科医療費の軽減効果

3.80億円

0.38億円

0

1

2

3

4

歯科医療費の軽減額 フッ素洗口の経費

億円

(安藤雄一ほか,1994)

Page 27: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素洗口経験別にみた一人平均むし歯数

( 西蒲原郡内の高校2年生 )

0

2

4

6

8

10

A B C D

処置歯喪失歯

未処置歯

A群 : 4歳児より保育園・幼稚園および小中学校の 11 年間の経験B 群 : 小学校を中心に6~9年の経験C群 : 園または中学校中心に1~5年の経験(大半は1~ 2 年)D群 : 洗口経験なし

(小林ほか,1993)

Page 28: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

成人におけるフッ素洗口の効果

自衛隊員に対するF洗口とF歯磨剤の効果

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

対照群 F洗口群 F歯磨剤群

う蝕増加量

DMFS

前歯平滑面臼歯小窩裂溝臼歯平滑面

〈出典〉郡司島由香:口腔衛生学会誌、 47(3)、 281-291、 1997.

Page 29: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

      8020〈出典〉フォーラム 調査フッ化物

洗口フッ化物歯面塗布

よく行う 5% 24%比較的よく行う 7% 49%たまに行う 25% 40%行わない 63% 11%

●歯科診療室におけるフッ化物洗口の実施状況

Page 30: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)

• 集団実施方式(市町村の保健センターなど)

• 診療室ベースでの応用

Page 31: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物塗布受診者の年次推移(厚生省歯科疾患実態調査)

Page 32: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素塗布(歯ブラシ法)の効果 ①

新潟市におけるF塗布の効果

0

2

4

6

0 1 2 3 4

フッ素塗布回数

う蝕発生歯面数

dmfs

清田ほか、口腔衛生会誌 (1997)

Page 33: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素塗布(歯ブラシ法)の効果 ② 10笹神村における最近 年間の乳歯う蝕有病状況の推移

0

2

4

6

8

10

12

86 87 88 89 90 91 92 93 94 95

年度

dmft

3歳/年少児4歳/年中児5歳/年長児

1991年に開始

八木ほか、小児歯科学会誌、 35(2):212, 1997

Page 34: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物配合歯磨剤

• 世界の先進諸国におけるう蝕減少に関して、どの地域でも共通する要因とされている

• 世界的には有効性を示す研究報告は多い• しかし、わが国の調査事例は、それほど

多くない

Page 35: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

35

フッ化物配合歯磨剤のシェアと虫歯( 12歳児DMFT)の推移

0

1

2

3

4

5

86 88 90 92 94 96 98 2000年度

DMFT

0102030405060708090

F歯磨剤シェ

F歯磨剤シェア 12 DMFT歳児

• 原因として考えられること– フッ素入り歯磨剤の普及– シーラントの普及– 代用甘味料の普及– う蝕診査基準の変化(CO

Page 36: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素入り歯磨剤の効果的使用

• 使用量を多く 少なくとも歯ブラシの毛束長の半分以上

• うがい(洗口)をなるべく少なく 辛くない歯磨剤を使用したほうがよい

• 時間帯は「夜」を優先• 回数は、う蝕のかかりやすい人はなるべく多く

〈出典〉荒川、飯塚:フッ化物配合歯磨剤の効果的な利用法を考える、歯科衛生士、1996.2

Page 37: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物配合歯磨剤

エンドウ豆サイズ

 --  =0.25mgフッ化物配合歯磨剤 フッ素

0.25g

fluoride1000ppmF

Page 38: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

シーラントプログラムの開始前後におけるDMFTの比較(新潟県弥彦小)

0

1

2

3

4

1 2 3 4 5 6学年

DMFT

1970  年 F洗口開始前

1978  年 F洗口を小学1年生時から継続

1989   (年 シーラント開始 F洗口を保育所年長児から継続)

1996   7年 シーラント開始 年後

「う蝕ゼロ」モデル:新潟県弥彦小)

F洗口実施→シーラント応用 予防メニュー

– フッ素洗口– シーラント(CO歯)

– 定期歯科検診

小林清吾ほか:日本歯科評論、 No.669 、 9-11 、 1998.

Page 39: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実

績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性

について• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 40: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物の安全性~ 基本的な考え方 ~

• フッ素は自然環境物質である。• フッ素はヒトの健康に有益な物質である。• フッ素の危険説は解明されている。• 国内外の専門団体が応用を推奨している。• 長期間、多地域での応用による実績があ

る。

Page 41: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

適量 毒性欠乏

効果(成

長)

量(少ない) (多い)

栄養素(また微量元素)の量と生体への影響

Page 42: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

どんな栄養素も“量”が大切です例えば食塩では…

足りないと疲労全身の脱力など

健康に暮らすためには1日1~2gが適切です 1度に摂りすぎ

ると下痢をおこし、長期に摂りすぎると高血圧、脳卒中など成人病の原因に

少ない  ← 適量 →  多い

Page 43: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

絶対安全なもの

?

Page 44: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素は必須微量元素か?フッ素は必須微量元素か?•ことばの意義論により決まる( G. Nikiforuk, 1985)•もしも,生命維持のために摂取しなけ生命維持のために摂取しなけ

ればならない元素ればならない元素というのであれば,答は,「いいえ」である。•もしも,特定な組織の保全や機能に寄特定な組織の保全や機能に寄

与する栄養物与する栄養物を含めるというのであれば,答は,「はい」である。

Page 45: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

歯のフッ素症(斑状歯)の原因

斑状歯斑状歯

過 量 の過 量 のフ ッ フ ッ 素素

長長 期期 間間継  続継  続

歯冠を歯冠を形成する形成する時間時間

Page 46: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実

績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性につい

て• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 47: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

現在歯数の実態厚生省歯科疾患実態調査(199

9)

0

5

10

15

20

25

30

20-24

25-29

30-34

35-39

40-44

45-49

50-54

55-59

60-64

65-69

70-74

75-79

80-84

85-

年齢

現在歯数

Page 48: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

8020:理想と現実

Page 49: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

無髄歯数(推定値)の実態( 1993 年度 厚生省歯科疾患実態調査)

0

5

10

15

20

25

30

35

5~ 15~ 25~ 35~ 45~ 55~ 65~ 75~ 85~年齢階級

一人平均現在歯数

健全充填1-2C3-4C

無髄歯(神経のない歯

Page 50: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

クラウン装着経験歯と健全歯の喪失歯率の比較

0

5

10

15

20

25

30

15 29~ 30 39~ 40 49~ 50 59~ 60 77~0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

相対危険度喪失歯率(クラウ ン)喪失歯率(健全歯)

〈出典〉安藤ほか:日本歯科評論, 618; 195-205 ,1994

Page 51: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

むし歯は元に戻らない健全歯

むし歯のない歯健全歯

むし歯のない歯充填歯

小さな詰め物充填歯

小さな詰め物

小さなむし歯

歯医者へ行く

大きなむし歯

歯医者へ行く

金属冠大きな詰め物金属冠

大きな詰め物

はずれる

歯医者へ行く残根

根っこしかない残根

根っこしかない

もう抜くしかない

逆向きの矢印はない逆向きの矢印はない

Page 52: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

歯を長持ちさせるための2大原則

• フッ化物による歯質強化

• 歯間部清掃

Page 53: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんな

ものがあるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実

績(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性につい

て• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは• まとめ:明日からできるフッ化物を用いた

虫歯予防方法

Page 54: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

防御的な要因防御的な要因唾液の流れと成分

タンパク質,抗細菌物質フッ化物,カルシウム,リ

ン酸

防御的な食餌の成分

病理的な要因病理的な要因微生物

 ミュータンス菌,乳酸菌

食餌の成分_炭水化物

低下した唾液の機能

う蝕なし う蝕あり

う蝕における防御的および病理的要因間のバランス ( Featherstone,1996 )

Page 55: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

奥歯の溝はみがけない

歯の溝

歯ブラシの毛先

入らない入らない

Page 56: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

お菓子の中の砂糖種類 量 砂糖

ケーキシュークリームドーナツカステラビスケットキャラメルチョコレートチューインガム

1個1個1個1切3枚1箱1枚1箱

16.2g7.2g9.6g

20.0g5.0g

20.2g20.7g

9.0g

Page 57: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

飲み物の中の砂糖種類 量 砂糖

コ-ラファンタヤクルトアクエリアストマトジュ-スネクタ-ポカリスエットカルピス

225cc225cc1本225cc100cc200cc225cc1杯

16.0g22.6g 3.7g15.0g 6.3g30.9g15.4g19.1g

Page 58: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

上手なおやつの食べ方• 夜食をとりすぎてはいけません  眠くなるし,太る原因です• ジュ-スも一緒です  お菓子じゃなくても砂糖は入っていま

す• アメやガムなどを噛みながらの勉強もよくありません– ただし、キシリトールは虫歯予防に

効果あり

Page 59: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

スコットランドでう蝕ハイリスク小児に対して強く奨められて

いる予防法• 親に対するアドバイス• フッ化物が配合歯磨剤( 1000ppm )の使用

– 1日2回みがく– 歯磨きは吐き出す べきで、うがいすべきでは

ない• 小窩裂溝(奥歯の溝)に対するシーラント処置

〈出典〉 Scottish Intercollegiate Guidelines Network : Preventing Dental Caries in Children at High Caries Risk. Targeted prevention of dental caries in the permanent teeth of 6-16 year olds presenting for dental care, 2000  ( http://www.show.scot.nhs.uk/sign/pdf/sign47.pdf )

Page 60: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

本日の話題• フッ化物による虫歯予防方法には、どんなもの

があるのか• フッ素(フッ化物)とは何か• フッ化物による虫歯予防は、どのくらい実績

(効果)があるのか• フッ化物を用いた虫歯予防の安全性について• なぜ虫歯予防が必要なのか• 有効とされる虫歯予防法とは•まとめ:

– 明日からできるフッ化物を用いた虫歯予防方法

Page 61: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

CDCのF応用に関する推奨( 2001.8 )

予防法 エビデンスの質

推奨の強さ 標的集団

水道水フッ化物添加 II-1 A 全地域学校水道水フッ化物添加 II-3 C 田舎、非F化地区フッ化物配合歯磨剤 I A 全員フッ化物洗口 I A ハイリスクフッ化物補充剤(錠剤、液剤)  妊婦 I E None  6歳未満児 II-3 C ハイリスク  6-16小児( 歳) I A ハイリスク  16歳以上 ¶ C ハイリスクフッ化物ゲル I  A ハイリスクフッ化物バーニッシュ I A ハイリスク

MMWR : August 17, 2001 / Vol. 50 / No. RR-14

http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5014.pdf

Page 62: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

う蝕予防対策として推奨できるもの

(現在、国内で実施されているもののみ)1. フッ化物洗口

学校、保育園における集団実施方式 家庭応用法式(診療室ベース)

2. フッ化物歯面塗布 母子保健現場における集団実施方式 診療室ベースでの応用

3. フッ化物配合歯磨剤4. シーラント5. サホライド塗布6. 甘味の適正摂取

〈出典〉フォーラム8020:8020「健闘」資料、2000

Page 63: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

厚生省の見解( 2000.12.6 省内担当部局合意文

書)• 自治体から、技術支援の要請があれば、

応じる– 水質基準の範囲内(0.8ppm以内)– 関係者(水道事業者・利用者、歯科医師会な

ど)– 厚生科学研究の成果を 活用

Page 64: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

現在、日本で利用できるフッ化物応用法

• フッ化物配合歯磨剤(フッ素入り歯みがき剤)• フッ化物洗口(フッ素洗口)• フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)

Page 65: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ化物応用を行う「場」• 自分で行う( Self Care )• 公衆衛生的応用( Public Care )• 専門的応用( Professional Care )

Page 66: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

フッ素入り歯磨剤の効果的使用

• 使用量を多く 少なくとも歯ブラシの毛束長の半分以上

• うがい(洗口)をなるべく少なく 辛くない歯磨き剤を使用したほうがよい

• 時間帯は「夜」を優先• 回数は、う蝕のかかりやすい人はなるべく多く (1日2回以上)

〈出典〉荒川、飯塚:フッ化物配合歯磨剤の効果的な利用法を考える、歯科衛生士、1996.2

Page 67: フッ素でむし歯予防 -その科学的根拠-

未処置う蝕の保有状況( 1999 年度厚生省歯科疾患実態調査)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

59

~10

14~

1519

~20

24~

2529

3034

~35

39~

4044

~45

49~

5054

5559

~60

64~

6569

~70

74~

7579

8084

~ 85~

年齢階級

未処置う蝕保有者率

0

1

2

3

4

5

一人平均未処置歯数

未処置う蝕保有者率

一人平均未処置歯数(分母=未処置歯あり)

子供だけでなく、大人の虫歯予防も重要