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60周年なので、インフォグラフィックで振り返ってみようか。
広告作品展示からセミナーへこの数年でカンヌの舵はすっかり切り替わった。クリエーティブの人間から不満は出るものの、ビジネスとしては大成功を収めている。カンヌでセミナーを開催するのにお金はかからない。最近は事前にテーマ審査(複数案提出の義務あり)があるが、通過すれば費用は要らない。
ただし、セミナーのコンテンツにかける費用は自前で、セミナー間の競争が激しくなる一方だ。入場者数は事務局により、常にチェックされる。だから、観客を喜ばせるゲスト招聘競争がエスカレートするのだ。
今年から新カテゴリーとして始まったイノベーションライオンのショートリスト・プレゼンテーションは Auditorium Bで開催された。
あらかじめショートリストに選ばれた 25チームが二人一組で 10分間のプレゼンテーションをする。
最前列に座った審査員が 10分間で質問しチームが答える。その様子を僕たちは目の前で見ることができる。
密室で行われていた審査の一部がカンヌ史上初めて公開されたことになる→尾崎君!これ、カンヌ 60周年の革命です。
現在の広告業界のトレンドであるテクノロジーやプロトタイプ(試作品)に焦点を合わせたエントリーが集まった。
Innovation Lions
SOFTWARE TECHNOLOGY “ CINDER”
クリエイティブコーディングの為の、ソフト開発用プラットフォーム。フ ィ ジ カ ル イ ン ス タ レ ー シ ョ ン 、 モ バ イ ル ア プ リ 、ミュージックビジュアライザー、スクリーンセーバー等全く新しいプロジェクトに使用されている。
’この cinder’のプレゼンタイトルは Cinder: Advertising Goes Open Source“。 オープンソースなのだよ、この プログラムコードは!
だから受賞者リストが個人名でなく、Cinder Community と表記されている。→尾崎君、今年の二つ目の革命だよ!
この人たちは特許を独占し大金を手にする機会を自ら捨てた。この仕事にグランプリを与えた審査チームの慧眼もたいしたものだね。
でも、こんな話もあります。■ Cinderは、 C++というプログラミング言語の、グラフィックに特化した表現でよく使いそうな機能を簡単に使えるように用意して、1から書いたり考えたりするのが面倒な部分を書かなくてもすむようにしたもの。
■しかし、世界中で多くの人が既に使っていて、様々な現場で利用されている先行プログラムとして、 openFrameworks( oF ) というのがある。
■Cinderと oFは、機能という意味ではわりとどっこいどっこいですし、そもそも、「詩を書くようにコーディングしようぜ」的な設計思想は javaベースの processingが最初で、 oFも processingの考え方をとても踏襲していて、けど C++ベースで超速いからセンセーショナルだったりしたわけです。
■今回はそういうところで脈々と受け継がれてきている「誰でもプログラミングできるようになるぜ!」的な設計思想の話で Cinderが褒められているように見えたから、そこで「俺たちが考えましたー」的にプレゼンしちゃってる感じを「ダッセー」とか思ったりもするわけです。そんなの 8 年前( processing)からあるぜ!と。
・・・だそうです。
プログラミングのことが全然わからなくって、ダサくてごめんなさいです。
ところで、こんなことを言っている人もいます。
このプレゼンテーションでは、コピーライターとアートディレクターを一組にする方法を発明した DDB方式とずいぶん変わってきた印象を受ける。もちろん、カンヌには山ほどカテゴリーがあるからイノベーションライオンだけを見て全体を判断する訳にはいかない。けれども、アイデアをコーディングで考えプロトタイプとして実現できる連中が次の天下を取ろうと試みていることは事実だ。
確かにそうですね。もう、広告スタッフの座組みが変わってしまったんだよなぁ~(遠い目)日本だとライゾマティックスとか、パーティーとかさ(死んだ魚の目)
でもさ、レガシーな広告のあり方だけど、とても重要な広告だってあるのさ。
それが、次に紹介する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・→
Dove ‘ Real beauty Sketches’ 2013年カンヌ チタニウム グランプリ
"You are more beautiful than you think. “(あなたが思うよりあなたは美しい )
4月にローンチしたばかりなのに、 6月時点において全世界で 1億 1400 万回視聴されており、広告関連動画の新記録だと言います。
DOVEは、スキンケアや石鹸のブランドで、アンチ・メイクの立場から、「自分自身の美しさに気づこう」という趣旨の Real Beautyキャンペーンを長期に渡り展開しており 2007年には同じテーマの作品でフィルム部門グランプリを受賞しています。
Dove Evolution 2007年カンヌ サイバー&フィルム グランプリ
No wonder our perception of beauty is distorted. Take part in the Dove Real Beauty Workshop for Girls.
(私たちの美意識が歪められたとしても、驚きではありません。「 Dove」の本当の美しさを求めるワークショップに参加してくださ
い。)
このように、長期にわたりひとつのメッセージを繰り返し、息永く継続していくこと。
ブランディングってそういうこと。
日本でもしっかりやってます。