2015-03-27 ザ・運用 ~ 運用とは何か、運用とはどのようであるべきか

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Operation Lab運用設計ラボ

ザ・運用運用設計ラボ合同会社 シニアアーキテクト 波田野 裕一

2015-03-27オペレーションカンファレンス 2015 Spring

~ 運用とは何か、運用とはどのようであるべきか

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」とは何か

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」とは何か

実は、人によって概念が異なる。(現状)

運用

構成変更 って運用?

部署間調整 って運用?

調査研究 って運用?

障害原因の追及って運用?

Operation Lab運用設計ラボ

人によって概念が異なるので…

• 実は、運用現場は自分達を知らない • 何に苦しんでいるのか • 何が成果になっているのか (どうすれば評価されるのか)

• 「そこは運用で」と言われるとやらされざるを得ない • 本当の「運用」に工数と予算が行き届いていない可能性

• 日々の改善や将来に向けた布石ができずジリ貧に…

「運用」のたてつけがおかしい

そのもののもつ機能を生かして用いること。活用。(大辞泉)

Operation Lab運用設計ラボ

運用研究から見えてきた「共通の悩み」

連載:現場視点からの運用方法論 第1回 見えない「運用」 - 疲弊する運用現場http://thinkit.co.jp/story/2010/12/02/1903

Operation Lab運用設計ラボ

運用研究から見えてきた「現場共通の問題点」

1.高負荷

2.属人的

3.見えぬ費用対効果ブラックボックス化

低付加価値化

業務が複雑化

「費用」は一定で「効果」は経年劣化する 「費用対効果」は勝手に低減していく

現場では制御不能状態

Operation Lab運用設計ラボ

「現場共通の問題点」を整理

1.高負荷

2.属人的

3.見えぬ費用対効果やっていること(mission)が見えていない

成果(output)が見えていない

期待(input)が見えていない

• 実は、運用現場は自分達を知らない • 何に苦しんでいるのか • 何が成果になっているのか (どうすれば評価されるのか)

Operation Lab運用設計ラボ

運用現場共通の問題点解決への道

やっていること(mission)の見える化

成果(output)の見える化

期待(input)の見える化高負荷の解消

属人的の解消

費用対効果の見える化

Operation Lab運用設計ラボ

「運用設計」は理想と現実の橋渡し

1. 高負荷

2. 属人的

3. 見えぬ費用対効果

運用現場の現実

ブラックボックス化

低付加価値化

業務が複雑化

1. 業務の複雑化を許さない仕組み作り

2. 業務のブラックボックス化を許さない仕組み作り

3. 業務価値の陳腐化を許さない仕組み作り

運用設計の目的運用現場の理想

‣ サービスの安定 社会基盤に相応しい安定運用。

‣ 業務負荷の平準化 うまく業務が回る運用現場。

‣ 運用に対する評価の適正化 適正な利潤を生む現場と、適切に評価される要員。

常にシンプル

常に見える

常に価値を生む

出典: Think IT 「現場視点からの運用方法論 第2回 自分たちの「運用」を知る - 運用設計の本質」(2010-12)

やっていること(mission)の見える化

成果(output)の見える化

期待(input)の見える化

適切な「運用設計」で解決するはず

Operation Lab運用設計ラボ

「運用設計」は理想と現実の橋渡し (再)

1. 高負荷

2. 属人的

3. 見えぬ費用対効果

運用現場の現実

ブラックボックス化

低付加価値化

業務が複雑化

1. 業務の複雑化を許さない仕組み作り

2. 業務のブラックボックス化を許さない仕組み作り

3. 業務価値の陳腐化を許さない仕組み作り

運用設計の目的運用現場の理想

‣ サービスの安定 社会基盤に相応しい安定運用。

‣ 業務負荷の平準化 うまく業務が回る運用現場。

‣ 運用に対する評価の適正化 適正な利潤を生む現場と、適切に評価される要員。

常にシンプル

常に見える

常に価値を生む

やっていること(mission)の見える化

成果(output)の見える化

期待(input)の見える化

実は「費用対効果」が最大の難問

適切な成果基準が必要

経営学視点

Operation Lab運用設計ラボ

運用現場共通の問題点解決への道

やっていること(mission)の見える化

成果(output)の見える化

期待(input)の見える化

適切な成果基準が必要

高負荷の解消

属人的の解消

費用対効果の見える化

運用設計

経営論

ここに着目して「運用」を再定義する必要がある

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」要件1. 費用対効果の説明可能化へ

「運用」の費用対効果が説明できない

費用に見合った効果のある「運用」

集約 提供サービスリソース

サービス運用 売上原価

運用にかかるコストを直接配賦し 「売上原価」として貢献

成果(output)の見える化

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」要件2. 共通の「運用」という概念へ

「運用」のたてつけがおかしい

誰が見ても同じ「運用」へ

• 客観的に情報に基づく議論 • 科学的手法による分析 • 論理的手法による分析

やっていること(mission)の見える化期待(input)の見える化

Operation Lab運用設計ラボ

では「運用」とは何か

Operation Lab運用設計ラボ

仮説:「運用」とは「サービスデリバリ」である

リクエスト に対する デリバリ の繰り返し

顧客・外部サービスoutboundinbound

outboundinbound

外部支援組織inbound

inbound

運用メンバーoutboundinbound

内部協調/支援組織inbound

outbound

リクエストデリバリ

デリバリ

デリバリ

デリバリ

リクエスト

リクエストリクエスト

運用現場窓口 フロントエンド

バックエンド

outbound

outbound

出典: 経営情報学会 2010年春季全国研究発表大会 「運用業務プロセスのモデル化」

Operation Lab運用設計ラボ

仮説:「運用」とは「サービスデリバリ」である

inbound outboundデリバリリクエスト 売上原価

かかるコストを直接配賦し 「売上原価」として貢献

費用に見合った効果のある「運用」

経営論成果(output)の見える化

Operation Lab運用設計ラボ

誰が見ても同じ「運用」へ

仮説:「運用」とは「サービスデリバリ」である

inbound outbound Quality

Cost

Delivery 時間という物性

金額という物性

品質という価値観

デリバリリクエスト

• 客観的に情報に基づく議論 • 科学的手法による分析 • 論理的手法による分析運用方法論

やっていること(mission)の見える化期待(input)の見える化

Operation Lab運用設計ラボ

• 客観的に俯瞰することが可能 • 科学的手法による測定が可能 • 論理的手法による分析が可能

誰が見ても同じ「運用」へ

結論:「運用」とは「サービスデリバリ」である

inbound outbound Quality

Cost

Delivery 品質という価値観

デリバリリクエスト

やっていること(mission)の見える化

成果(output)の見える化

期待(input)の見える化

時間という物性

金額という物性売上原価

費用に見合った効果のある「運用」

かかるコストを直接配賦し 「売上原価」として貢献

運用方法論経営論

Operation Lab運用設計ラボ

• 社内のインフラ運用 • 依頼元部署へのサービスのデリバリと考える。 • 「道具のお守り」からの脱却

• アラート対応 • システムから「復旧リクエスト」が来たと考える。 • 「復旧というサービス」のデリバリという視点で考える。

参考:「運用」とは「サービスデリバリ」である

Operation Lab運用設計ラボ

デリバリの変化で 運用業務の変化を

認識可能

Platform as a Service

Service as a Service

Infrastructure as a Service

SaaS

PaaS

IaaS

上位に対してサービスをデリバリ

「運用」を「サービスデリバリ」と表現

上位に対してサービスをデリバリ

上位に対してサービスをデリバリ

ユーザ

運用業務全体に ライフサイクル

の概念

運用最小単位に ライフサイクル

の概念

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」とはどのようであるべきか

Operation Lab運用設計ラボ

• 客観的に俯瞰することが可能 • 科学的手法による測定が可能 • 論理的手法による分析が可能

誰が見ても同じ「運用」へ

費用に見合った効果のある「運用」かかるコストを直接配賦し 「売上原価」として貢献

運用方法論

経営論「サービス」の専門集団

「デリバリ」の専門集団エンジニアリング

(生産工学)

サービス価値の向上 (経営、実務)

前提:「運用」とは「サービスデリバリ」である運用現場には、専門集団として2つの側面がある

目的

手段

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

「サービス」と「デリバリ」の2つが運用の価値

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

デリバリ価値

サービス価値X

= 運用現場の価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

目的

手段

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

「サービス」と「デリバリ」のコスト構造

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

目的

手段

売上原価

売上

Operation Lab運用設計ラボ

「サービス」と「デリバリ」のコスト構造

サービス価値

デリバリ価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

目的

手段 売上原価

売上

良い「運用(サービスデリバリ)」を実現するには バランスが重要

サービス価値の無い運用はコストセンター

デリバリ価値の無い運用は、要求の変化に対応する体力がない

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

「サービス」の独自化と「デリバリ」の標準化

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

独自色が求められる領域

標準化、スケーラビリティ が求められる領域

独自性と標準化の領域が 明確に分かれていくただし、両方とも必要!

目的手段

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

これからの「運用」 (ザ・運用)

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

独自色が求められる領域

標準化、スケーラビリティ が求められる領域どの領域を

主戦場とするか?

目的手段

Operation Lab運用設計ラボ

「デリバリー」の価値

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

「デリバリ」の価値を考える

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

エンジニアリング (生産工学)

標準化、スケーラビリティ が求められる領域

運用方法論

Howの比重が高い「手段」の世界 規模の経済が働きやすい

Azure / AWS / GAE

Azure / AWS ..

下位レイヤーになるほど、スケーラビリティが必須

手段今回は割愛

Operation Lab運用設計ラボ

参考: 「デリバリ」を「工程」として捉える

工場型モデル

• 手戻りに対する違和感 • QCDへの意識付け • 作業員保護機構の重要性 (セキュリティ強化)

Operation Lab運用設計ラボ

「サービス」の価値

Operation Lab運用設計ラボ

SaaS

PaaS

IaaS

「サービス」の価値を考える

ユーザ

サービス価値

デリバリ価値

サービス価値の向上 (経営、実務)

独自色が求められる領域

経営論

Whyの比重が高い「目的」の世界 規模の経済が働きにくいロングテール、スティッキー

目的

Operation Lab運用設計ラボ

サービスとは何か?

• 丸投げ: 代わりにやってもらう • 半投げ: 手伝ってもらいながら自分でやる • 丸被り: 自分でやる (自己責任)

(利用者視点)

利用者の「課題」を解決すること

Operation Lab運用設計ラボ

サービスとは何か? (クラウド時代)

利用者の「課題」を解決すること

• SaaS: 代わりにやってもらう • PaaS: 手伝ってもらいながら自分でやる • IaaS: 自分でやる (自己責任)

費用型

資産型• オンプレミス: 自分でやる (自己責任)

(利用者視点)

(利用者視点)

Operation Lab運用設計ラボ

クラウド時代に求められるサービス

利用者の「課題」を解決すること

• SaaS: 代わりにやってあげる • PaaS: 専門性や基盤で支援してあげる

費用型 (提供者視点)

Operation Lab運用設計ラボ

プロダクト指向運用からサービス指向運用へ

従来: プロダクト指向運用

今後: サービス指向運用へ

• SaaS: 代わりにやってあげる • PaaS: 専門性や基盤で支援してあげる

費用型 (提供者視点)

手段 の提供(販管費扱い) 道具のお守り

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」とは「価値の提供」である

リクエスト に対する 価値の提供

顧客・外部サービスoutboundinbound

outboundinbound

外部支援組織inbound

inbound

運用メンバーoutboundinbound

内部協調/支援組織inbound

outbound

リクエストデリバリ

デリバリ

デリバリ

デリバリ

リクエスト

リクエストリクエスト

運用現場窓口 フロントエンド

バックエンド

outbound

outbound

Operation Lab運用設計ラボ

自前主義の終焉2つの側面で自前主義の時代は終焉

工場型モデル

全てのプロセスでセキュリティを守ることは不可能に

サービス プロセス

サービス 基盤 自前での価値は

産みにくくなった

自前で価値を産みだせる

全てのレイヤを自前で用意することが割に合わなくなってきた

Operation Lab運用設計ラボ

工場型モデル

独自性(コアコンピタンス)とは関係ない工程をマネージドサービスに処理させる

自前でスケールできない基盤をマネージドサービスに任せる

運用のコアコンピタンスとマネージドサービス自前主義から、マネージドサービスの時代へ

サービス プロセス

サービス 基盤 自前での価値は

産みにくくなった

自前で価値を産みだせる

Operation Lab運用設計ラボ

「運用」イコール「サービス」の時代へ「サービス」と「デリバリ」の両者を設計

サービス価値の向上 (経営、実務)

エンジニアリング (生産工学)

コアコンピタンス

サブコンピタンス

マネージド サービス利活用

運用

3者のいずれも激しく変化しつづけるはず

Operation Lab運用設計ラボ

まとめ

Operation Lab運用設計ラボ

まとめ

• 「運用」とは「サービスデリバリ」である。 • 「サービス」という経営的な専門性 (売上) • 「デリバリ」という技術的な専門性 (売上原価)

• 「運用」の本質は「価値の提供」である。 • 決して「コストセンター」ではない

• 自前時代の終焉 • 価値の最大化のためにコアコンピタンスの明確化を • マネージドサービスの利用を前提とした時代へ

Operation Lab運用設計ラボ

http://www.operation-lab.co.jp/

OperationLab運用設計

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