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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構医療機器審査第二部 審査専門員
齋藤 正美
医療機器開発(中級編)~失敗しないためのポイント~
2016年12月9日(金)【第29回内視鏡外科学会総会】企画3-D PMDAによる講演「初めての医療機器開発」
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承認審査について
開発における相談制度
本日の内容
各相談の事例紹介
申請品目の事例紹介
2
医療機器の開発から市場への導入まで
非臨床試験
臨床試験
開発 申請
厚生労働大臣
相談・治験計画届調査 審査
市場へ
承認申請 承認
医療機器審査部は、審査、相談業務等を通じて、医療機器の開発段階から使用成績評価まで、幅広く関わっている。
シーズ探索
使用成績評価
3
医療機器の承認申請とは
医療機器を製造販売したいとき・・・
医薬品医療機器法第23条の2の5
医療機器の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
品目毎の承認が必要なため、品目毎の審査を行う必要がある。
4
医療機器の審査とは
医療機器の審査とは・・・
承認の拒否要件に該当しないか審査する。
医薬品医療機器法第23条の2の5 第2項次の各号のいずれかに該当するときは、承認は、与えない。(承認の拒否要件)
5
承認の拒否要件医薬品医療機器法第23条の2の5 第2項次の各号のいずれかに該当するときは、承認は与えない。1 申請した品目の種類に応じた製造販売業の許可を受けていない場合。2 医療機器を製造する製造所が製造業の登録を受けていない場合。3 申請に係る医療機器の名称、成分、分量、構造、使用方法、効果、性能、副作用その他の品質、有効性及び安全性に関する事項の審査の結果、その物が次のイからハまでのいずれかに該当するとき。イ 効果又は性能を有すると認められないとき。ロ 効果又は性能に比して著しく有害な作用を有することにより、使用価値が無いとき。ハ イ又はロの他、医療機器として不適当な場合。4 申請に係る品目が政令で定めるものであるときは、その物の製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していない場合。
注)一部抜粋6
有効性と安全性のリスクベネフィットバランス
ベネフィット
リスク
審査では、信頼性が裏付けられた申請資料に基づき、有効性・安全性のリスクベネフィットバランスを評価し、使用目的又は効能・効果、操作方法、使用方法、使用上の注意の妥当性が判断される。
決して、ゼロリスクである必要はない。7
新医療機器
既に承認を受けている医療機器と構造、使用方法、効能、効果又は性能が
明らかに異なる医療機器
改良医療機器
新医療機器又は後発医療機器のいずれにも該当しない医療機器であり、
既存機器と構造、使用方法、効能、効果又は性能が実質的に同等でないもの
後発医療機器
既承認医療機器と構造、使用方法、効能又は効果及び性能が同一性を有する
と認められる医療機器であり、既承認医療機器と構造、使用方法、効能、効
果又は性能が実質的に同等であるもの
●
PMDAが審査する医療機器の申請区分医療機器等法第2条第4項に定義された医療機器のうち、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医療機器(一般医療機器や管理医療機器及び一部高度医療機器等)を除いたものが主な審査対象医療機器となります。→認証品、届出品については、PMDAの審査対象ではない。※薬食発1120第5号「医療機器の製造販売承認申請について」(平成26年11月20日)
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審査の流れ医療機器メーカー等から承認申請のあった医療機器について、申請品目ごとに、申請資料に基づき、有効性、安全性及び品質に関する審査を行う。
医療機器審査部
①承認申請
③承認
専門家申請者
(製造販売業者)
②PMDAによる審査
有効性、安全性等に関する書面審査
大臣
9
申請資料の構成
医療機器が、その申請に係る効能、効果又は性能を有しており、その効能、効果又は性能に比して著しく有害な作用を有していないことが必要とされる。
製品を特定、規定する その範囲の品質、有効性、安全性を示す+
承認申請資料の構成は以下のとおり。
10
申請資料の構成
使用目的、効能又は効果
形状、構造および原理等
原材料又は構成部品
品目仕様
操作方法又は使用方法
製造方法
貯蔵方法及び有効期間
・・・
製品を特定、規定する情報=申請書
その範囲の品質、有効性、安全性を示す資料=添付資料
生物学的安全性試験
電気的安全性試験
電磁両立性試験
性能試験
安定性試験
滅菌バリデーション
臨床試験
・・・
※必ずしも試験を求めるものではない。11
申請書と添付資料の関係
申請書 添付資料
承認可
承認不可
申請書の内容が添付資料と一致する
申請書の内容に比べて添付資料が少ない
照会・回答
12
製品毎に、有効性及び安全性が十分に評価されているか確認する。
試験条件が適切でなければ、追加試験の実施を求める。
注意喚起が必要なリスクがあれば、添付文書等で情報提供を行うよう指示する。
製品毎に問題点は異なるため、チェックリストは存在しない。
審査とは具体的に何をするのか?
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(参考)医療機器審査期間
目標値 実績 参考(行政側期間:申請者側期間)
新医療機器
優先 総審査期間 9ヶ月 7.9ヶ月 4.2ヶ月:3.8ヶ月
通常 総審査期間 12ヶ月 10.1ヶ月 5.0ヶ月:4.3ヶ月
改良医療機器
臨床あり 総審査期間 9ヶ月 11.0ヶ月 5.3ヶ月:4.8ヶ月
臨床なし 総審査期間 6ヶ月 6.0ヶ月 3.9ヶ月:2.6ヶ月
後発医療機器 総審査期間 4ヶ月 4.4ヶ月 2.0ヶ月:2.3ヶ月
医療機器審査迅速化のための協働計(平成26年度~平成30年度)平成27事業年度業務実績P.86-91より
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承認審査について
開発における相談制度
本日の内容
各相談の事例紹介
申請品目の事例紹介
15
医療機器の開発から市場への導入まで
非臨床試験
臨床試験
開発 申請
厚生労働大臣
相談・治験計画届調査 審査
市場へ
承認申請 承認
医療機器審査部は、審査、相談業務等を通じて、医療機器の開発段階から使用成績評価まで、幅広く関わっている。
シーズ探索
使用成績評価
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医療機器の開発と相談
性能試験
市場調査・文献調査
探索的臨床試験
生物学的安全性試験
安定性試験
非臨床試験開発前 臨床試験臨床試験の必要性検討
検証的臨床試験
申請書作成
申請準備
開発前相談
品質相談
安全性確認相談
性能試験相談
臨床試験要否相談
探索的治験相談
資料充足性・申請区分相談
治験相談
電気安全性試験
※ プロトコル相談と評価相談がある
薬事戦略相談
※
※
※ ※
※
(その他の相談メニュー)・全般相談(無料)・フォローアップ面談(無料)・同時申請相談(無料)・対面助言準備面談(有料)・簡易相談(有料)
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全般相談(無料)
個別の品目に関わらない通知や制度解釈
相談区分についてどうしたらいいかわからない場合
承認申請にあたり、どのように進めたらいいのか
機器開発の最初の一歩の踏み出しかたについて
など
まずは全般相談をお申し込みください
面会時間は30分です
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簡易相談
新規申請、一部変更申請、軽微変更届、届出不要の該当性
(形状、使用目的、仕様等から判断できるもの)
一般的名称の該当性(PMDAの対象になる機器)
一品目として承認がとれる範囲に関するもの
など
個別の承認申請品目に係る相談で承認申請データの評価を伴わない簡易な相談
面会時間は30分です(書面での助言も可)
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医療機器開発前相談
事例
●XXXに使うデバイスを開発中であるが、承認申請までにどのようなステップを踏めば良いか?
●XXというデバイスを承認申請するには、どのような試験や評価が必要か?
開発の開始前又は開発初期段階に対応した相談
開発予定又は途中にある品目、日本に初導入するものなど、目的のデバイスを承認申請するにあたり、どのような評価項目が審査に必要とされるのかといった疑問に対応する。※プロトコルの妥当性や試験結果を個々に判断する相談ではありません
概念的要求事項 申請データパッケージ骨子 クラス分類の妥当性 デバイスの性質上、明らかに動物試験、臨床試験が必要かど
うかの判断(「必要or不要」という回答であれば対応可能)
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医療機器プロトコル相談医療機器プロトコル相談(安全性)医療機器に使用した原材料の生物学的安全性、医療機器及び併用する医療機器の電気的安全性等、非臨床試験での安全性に関し、相談を受け指導及び助言を行う
生物学的安全性試験の妥当性 原材料の動物試験の評価 など
医療機器プロトコル相談(品質)医療機器の仕様、安定性等の品質に関し、相談を受け指導及び助言を行う
原材料の安定性から最終製品の安定を推定する妥当性
類似製品の試験成績により設定された有効期間設定の妥当性 など
医療機器プロトコル相談(性能)非臨床試験における性能試験に関し、相談を受け指導及び助言を行う
性能を示すために実施予定の動物試験の妥当性 性能を説明するためのベンチテストの妥当性 など
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医療機器プロトコル相談
医療機器プロトコル相談(探索的治験)
既に実施された非臨床試験、類似の医療機器の臨床試験の試験成
績等を基に、探索的臨床試験前に、少数例の臨床試験実施につい
て、相談を受け指導及び助言を行う
探索的治験開始の妥当性
プロトコルの妥当性
検証試験を見据えた評価項目の妥当性 など
22
医療機器プロトコル相談
医療機器プロトコル相談(治験)
品質、安全性試験、外国における使用状況及び類似医療機器の情報に基づき、ピボタル試験の試験デザイン、症例数の妥当性等について、指導及び助言を行う
適応、対象疾患の選択 ピボタル試験における比較対象 エンドポイントの設定 結果の統計処理方法 など
●海外臨床試験の結果より、国内治験の評価期間を短縮することは可能か?●海外臨床試験や海外使用実績等から本品の有効性が明らかなので、国内臨床
試験は比較臨床試験をせずに単群としてデザインしてもよいか?●本品の適応は、XXXなので、臨床試験の対象患者はXXXとしてよいか?
事例
23
医療機器評価相談医療機器評価相談(安全性)医療機器に使用した原材料の生物学的安全性、医療機器及び併用する医療機器の電気的安全性等、非臨床試験での安全性に関し、相談を受け指導及び助言を行う(実施済みの試験結果について対応)
生物学的安全性試験の妥当性
原材料の動物試験の評価 など
医療機器評価相談(品質)医療機器の仕様、安定性等の品質に関し、相談を受け指導及び助言を行う(実施済みの試験結果について対応)
原材料の安定性から最終製品の安定を推定する妥当性
類似製品の試験成績により設定された有効期間設定の妥当性 など
●安定性試験は全てのサイズで試験をしなくてはいけないか?●品質担保に妥当と考えられる試験方法について
事例
24
医療機器評価相談
医療機器評価相談(性能)
非臨床試験における性能試験に関し、相談を受け指導及び助言を行う
(実施済みの試験結果について対応)
性能を示すために実施予定の動物試験の妥当性
追加機能の性能を説明するためのベンチテストの妥当性など
XXという動物試験結果をもって、追加試験の要否について教えてほしい
事例
25
医療機器評価相談
医療機器評価相談(治験)既に実施された臨床試験、文献検索等による使用状況(安全面に関する)調査、非臨床試験の試験成績等を基に医療機器の申請に際し新たな臨床試験の実施が必要か否かについて初めて相談を受け指導及び助言を行う(実施済みの試験結果について対応)
海外臨床試験の申請資料としての妥当性 非臨床データからの臨床成績推測の妥当性 追加臨床試験の要不要 など
●米国臨床試験(治験)を国内臨床せずに外挿しても良いか?●本品は公知の治療法に用いられているため、改めて臨床試験は必要無いと考
える。臨床評価報告書として文献情報を集めて考察する事でよいか?●先行した海外臨床成績より、国内治験を実施しなくてもよいか?●非臨床試験データ(動物など)を用いることで、臨床試験を実施せずともよ
いか?
事例
26
医療機器戦略相談医療機器開発初期段階から、今後の医療機器、体外診断用医薬品の承認に向けて、事前面談を踏まえ、必要な試験等について、データの評価を伴う案件に関する相談への 指導・助言を行う(原則として、医療機器等の仕様、デザイン、設計に係る試案若しくはプロトタイプ等がある場合に限る。)
相談区分 相談対象
医薬品 医療機器・体外診断薬 再生医療等製品
医薬品戦略相談 ○ - -
医療機器戦略相談 - ○ -
再生医療等製品戦略相談 - - ○
再生医療等製品の品質及び安全性に係る相談
○ - ○
薬事開発計画等戦略相談 ○ ○ ○
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主として審査チームと
テクニカルエキスパートが
相談に対応。
必要に応じて当該分野の
外部専門家が同席します。
相談内容の整理のためテクニカルエキスパートが主として対応。
必要に応じて審査チームも同席します。
事前面談に向けて、薬事戦略相談課のテクニカルエキスパートが、薬事戦略相談事業の手続きや事業の内容を説明します。
個別面談(無料)
事前面談(無料)
論点整理シーズの実用化の道筋について相談したい
自分のシーズが薬事戦略相談に馴染むのか確認したい
大学・研究機関ベンチャー企業
対面助言(有料)
科学的議論(記録は1ヶ月目処に確定)
薬事戦略相談のプロセスとその関係
必要な資料が整ってからの面談申込みをお願いします。また、面談申込みから面談実施までは2~3週間程度の準備期間が通常、必要となります。
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(参考)医療機器相談メニュー(手数料別)
旧相談メニュー 新相談メニュー 旧手数料 新手数料 追加相談
開発前相談 開発前相談 139,100 294,100 147,000
臨床評価相談 臨床試験要否相談 1,055,900 980,300又は1,960,900
490,200又は980,00
安全性確認相談
プロトコル相談
安全性 936,200 98,000~390,100 46,800~196.000
品質相談 品質 797,500 390,100 196,000
性能試験相談 性能 870,100 98,000~390,100 46,800~196.000
探索的治験相談 探索的治験 1,136,900 1,076,200 539,100
治験相談 治験 2,482,000 2,353,100 1,176,500
事前評価相談(非臨床)
評価相談
安全性
3,067,600
98,000~390,100 46,800~196,000
品質390,100又は
588,200196,000
性能 98,000~390,100 46,800~196,000
事前評価相談(臨床)探索的治験
4,619,100 980,300 490,200
治験 1,470,700 733,000
申請前相談 なし 2,482,000 なし なし
申請手続相談 資料充足性・申請区分相談 139,100 134,800 なし
なし GCP/GLP/GPSPに関する相談 なし 196,000 98,000
信頼性基準適合性相談 信頼性基準適合性調査相談 795,000 399,700 197,900
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どうしたらよいかわからない時は
まずは「全般相談」をご利用ください。手数料は無料です。
個別の品目に関わらない通知や制度解釈
相談区分についてどうしたらいいかわからない場合
承認申請にあたり、どのように進めたらいいのか
機器開発の最初の一歩の踏み出しかたについて
など
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●PMDAについては、ホームページをご活用ください
→キーワード「PMDA」で検索、または直接 URL: http://www.pmda.go.jpを入力
●現在審査品目のことで不安なことがございましたら審査担当等へご遠慮なくご相談ください
今後も皆様のご理解とご協力をお願いいたします
最後に
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