京大化学 単元融合 必修テーマ - Z会...XCAR2A-Z1J1-06 解 答 希硫酸H 2SO 4 は2...

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XCAR2A-Z1J1-05

逆滴定3  CHECK8  逆滴定 塩基性(または酸性)の気体や固体などの試料の量を求めるには,まず試料を過剰の酸(または塩基)と完全に反応させ,その後,未反応の酸(または塩基)を標準溶液で中和滴定することで,間接的にその量を決定する。

 ここで,入試でよく出題される逆滴定のパターンについて考えてみよう。 まず,①気体のアンモニア NH3を過剰の硫酸 H2SO4に完全に吸収させる。そして,未反応のH2SO4を②濃度のわかっている水酸化ナトリウム NaOH水溶液で中和滴定する。このことからNH3の物質量を求めるという流れである。 このとき,中和の量的関係 (酸のH+の物質量)=(塩基の OH-の物質量)(→  CHECK1  )から,NH3 ,H2SO4 ,NaOHについて,次の関係が成り立つ。

     (H2SO4から生じるH+の物質量) =(NH3から生じる OH-の物質量)+(NaOHから生じる OH-の物質量)

TRY3

 0.10 mol/Lの希硫酸 25.0 mLに,ある量のアンモニアを吸収させ,反応後の溶液全体をメチルオレンジを指示薬として 0.10 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ,12.0 mL

で中和点に達した。希硫酸に吸収されたアンモニアの物質量〔mol〕はどれだけであったか。有効数字 2桁で答えよ。

〔考え方〕

〔解答欄〕              

XCAR2A-Z1J1-06

解 答

 希硫酸H2SO4は 2価の酸,アンモニア NH3と水酸化ナトリウムNaOHはそれぞれ 1価の塩基である。吸収されたアンモニアの物質量を ≈ 〔mol〕とすると,次式が成り立つ。

    ∴ ≈ = 3.8 * 10-3 〔mol/L〕 答 3.8 * 10-3 mol/L

 CHECK8 

硫酸とアンモニアから生じた硫酸アンモニウムは,強酸と弱塩基からなる正塩であり,水溶液中で加水分解して弱酸性を示す。本問の滴定における中和点では,硫酸ナトリウムの他に硫酸アンモニウムも生成しているので,滴定の終点は弱酸性になる。よって,指示薬として,変色域が pH

3.1~ 4.4のメチルオレンジを用いる。

 炭酸ナトリウム Na2CO3を塩酸 HClで中和滴定すると,図のように 2カ所に中和点がある滴定曲線が得られる。これは,Na2CO3が次式のように 2段階に反応することによる。

  Na2CO3 + HCl NaCl + NaHCO3  ①   NaHCO3 + HCl NaCl + H2O + CO2  ② 

 ①式の中和点(第 1中和点)は,生成した NaHCO3(弱酸 + 強塩基から生じる塩)により水溶液が弱塩基性を示すので,フェノールフタレインの変色(赤色→無色)で確認できる。 ②式の中和点(第 2中和点)は,生成した炭酸(H2O +

CO2)により水溶液が弱酸性を示すので,メチルオレンジの変色(黄色→赤色)で確認できる。

二段階中和コラム

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