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農業食料工学会関西支部 第130回例会 2013年11月01日 (金) ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発 京都大学大学院 農学研究科 地域環境科学専攻 フィールドロボティクス分野 趙 元在、飯田 訓久、栗田 寛樹、村主 勝彦、増田 良平

ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発

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ロボットコンバインが正確に目標地点まで収穫するためには、コンバインに取り付けたセンサーを用いて現在の環境をリアルタイムに把握することが重要である.よって、本研究では、取り付けた様々なセンサーから収集されたセンサーデータを融合して、現在位置を基準とした3次元マッピングをしながら収穫ガイドラインを生成することができるIntegrate Sensor Control Platform (ISCP)を提案する.

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Page 1: ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発

農業食料工学会関西支部 第130回例会 2013年11月01日 (金)

ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発

京都大学大学院 農学研究科 地域環境科学専攻 フィールドロボティクス分野

趙 元在、飯田 訓久、栗田 寛樹、村主 勝彦、増田 良平

Page 2: ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発

0 京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

背景

1. なぜ、ロボットコンバインを開発しているのか?

① 農業従事者の高齢化と新規就農者人口の減少 数年後には、大幅な農業者人口が減少

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10

20

30

40

50

60

70

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1

2

3

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6

1985 1990 1995 2000 2005 2010

Rat

io [

%]

Po

pu

lati

on

[m

illio

n]

Year

農業就業人口

基幹農業従事者

65歳以上の基幹的農業従事者の割合

“Annual Report on Food, Agriculture and Rural Areas in Japan, 2009”, MAFF “The 86th Statistical Yearbook of MAFF”, 2010-2011

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背景

1. なぜ、ロボットコンバインを開発しているのか?

② コンバインの大型化と高速化 オペレータには高度な運転技術が必要

③ 農業規模の拡大により、長時間作業 オペレータの疲労や注意力低下が問題

無人で収穫作業を行う自脱ロボットコンバイン

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

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背景

2. 開発中のロボットコンバイン

種類 モデル名

GNSS トプコン AGI-3

GPSコンパス ヘミスフィア ssV-102

レーザーレンジファインダ

ジック LMS 511

USB カメラ センサーテクノロジー STC-TC33USB

コントローラ 京大 ECU

自脱コンバインロボット2 (ベース機:三菱農機、4条刈自脱コンバイン、VY446LM)

搭載されているセンサとコントローラ

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

様々なインタフェースをもつセンサと コントローラが使われている

開発のスピード化には、 ソフトプラットフォームが必要

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研究目的

ロボットコンバインに用いられる様々なインタフェースをもつセンサや

コントローラに対応するソフトプラットフォームを開発すること.

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

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今日の発表内容

1. 開発したソフトプラットフォームの概要説明

2. ソフトプラットフォームを用いた レーザーレンジファインダによる自動操舵

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

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ソフトプラットフォームの仕様

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

① 対応するセンサインタフェース 以上の接続に対応する.

② 一貫した操作性 グラフィックインタフェースの採用

③ インタネット接続により地図情報や気象情報の取得

④ オープンソース ( https://github.com/FiroKyoto/IntegratedSensorControlPlatform )

インタフェース RS-232C Ethernet USB CAN

デバイス GNSS GPSコンパス コントローラ

レーザーレンジファインダ

カメラ コントローラ

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アーキテクチャ (4レイヤー)

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

Sensor Interface (Machine Vision, LRF)

ECU-KUx Interface (Combine Body, RTK-GPS, GPS compass)

Driver Layer

Robot Interface

Layer

Steering (Speed, Heading)

Sensor Fusion

Image Processing

Combine Body Control (Header, Unloading Auger, Etc.)

Algorithm Layer

Path Planning

Uncut Crop Edge Detection

3D Mapping Task Definition (Harvest, Turn)

User Interface

Layer

Sensors Display (Machine Vision, LRF, RTK-GPS)

Combine Body Display

3D Map Display

Remote Monitoring

Header Control

1. ブロックダイアグラム

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開発したソフトプラットフォーム (動画)

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

1. 実際の操作例

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応用例:レーザーレンジファインダによる自動操舵

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

1. 目的: レーザーレンジファインダで稲刈取端を検出し、コンバインの自動操舵を行う

2. 方法: ① レーザーレンジファインダで計測した2次元プロファイルを、GNSSとGPSコンパスで 測位した位置・方位を用いて、 3次元のプロファイルを構築する. ② RANSACアルゴリズムで稲刈取端を検出し、操舵する.

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3次元のプロファイルを構築

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

① レーザーレンジファインダの極座標系データを デカルト座標系データで変換する.

② RTK-GPSの座標を刈取座標系で変換する. 出発時の座標を原点とし、出発時の方位を y軸の方向とする.(右手座標系)

③ 変換されたセンサデータを用いて 3次元のプロファイルを構築する.

_ _

_ _

_

cos sin 0

sin cos 0

0 0 0 1

MAP TM Heading Laser

i i i

TM LMS

x i c x i

TM LMS

y i a y i

LMS

z i

P P R P

P l p

P l p

p

cos

sin sin

sin cos

i i i

LMS

i i i i i

i i i i

x

p y

z h

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穀物と地面を区分する境界点検出

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

XZ平面に投影されたレーザーレンジファインダのデータ

2 2

n h h k h k n h

k

n h n h

x x y y x x y yd

x x y y

(Kimberling, 1998)

パラメーター 意味

zが最大値になるポイント

レーザーレンジファインダのデータの集合のポイント

線分( )から までの垂直距離

検出された境界点

hp

np

kp

kd kphnl

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RANSACによる刈取端検出

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

境界点を動的配列に追加

走行距離 > 5.0m

NO

動的配列の中からランダムに五つの要素を選択

YES

選択した要素を用いて直線モデルを生成

反復回数(n) < N

動的配列の数 < i

動的配列[i]の要素から直

線モデルまでの垂直距離を計算 (=distance_p)

distance_p < 0.1

reward [n]++ & i++

YES

reward [n] > best_reward

ベスト直線モデル=現在の直線モデル

YES

NO

YES

ベスト直線モデル

log(1 )

log(1 )m

pN

YES NO

best_reward = reward [n]

NO

Start

n++

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実験結果と考察

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

1. ソフトプラットフォームを用いたロボットコンバインの自動操舵の動画

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実験結果と考察

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

1. 稲列は曲がっている部分があったが、追従して操舵することができた.

2. 稲の刈残しはなかった.

-1

-0.5

0

0.5

1

1.5

2

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

刈取座標系の

X軸

[m

]

刈取座標系のY軸、走行距離 [m]

穀物と地面を区分する境界点

デバイダの右端

この部分は、一条分だけ手で刈り取って内側に凹凸を作った.

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結言

京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス

1. ロボットコンバインのために様々なセンサとコントローラに対応したソフトプラットフォームを開発した.

2. このソフトプラットフォームを用いて、レーザーレンジファインダによる自動操舵を行った.

Page 17: ロボットコンバインのためのソフトプラットホーム開発

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京都大学 農学研究科 フィールドロボティクス