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2017.03 IoT時代のERPに求められる条件とは マルチERPという考え方 ~クラウド、AI、ロボットなど新技術がERPを進化させる~ 株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

IoTt時代のERPに求められる条件とは2017Mar

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2017.03

IoT時代のERPに求められる条件とは マルチERPという考え方 ~クラウド、AI、ロボットなど新技術がERPを進化させる~

株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 2

Agenda:

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

ERPの進化発展 :IoT時代のERPに求められる機能と役割

マルチERP活用 :ERPの多様化、蜜結合ERPから疎結合へ

旧型ERPの限界 :レガシーERPの課題とその解決策について

ERPのトレンド :ERP20年の歴史から現状を把握する

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“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

ERPの進化発展 :IoT時代のERPに求められる機能と役割

マルチERP活用 :ERPの多様化、蜜結合ERPから疎結合へ

旧型ERPの限界 :レガシーERPの課題とその解決策について

ERPのトレンド :ERP20年の歴史から現状を把握する

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FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 3

ERPの特長 : 経営資源(ヒト、モノ、カネ)を一気通貫で一元管理

経営層

倉庫 物流

営業 販売

生産 管理

調達 管理

経理 財務

経営層

倉庫 物流

営業 販売

生産 管理

調達 管理

経理 財務

部門内で閉じた業務システム 部門間データに差異が出やすい 業務のバラツキでデータの精度が低い (部門間でタイムラグや不整合による データギャップが生じやすい)

全社レベルで統合されたシステム 部門間を横断する業務プロセス 業務の標準化でデータ精度を揃える (プロセスレベルで連携/共有可能 ヒト、モノ、カネを最適化)

業務システムの連携 ERPシステム

マスタの分断 データの不整合

受注! 出荷? 売掛?

営業と経理の データが合わない…

統合マスタ

統合DB

自動収集

ERPの特徴(統合マスタ、統合DB、自動収集)を使った ビジネス情報基盤の実現

ヒト

モノ

カネ

人事管理

統合DB

財務会計 管理会計

販売管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理 ERP

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国内におけるERPシステムの系譜 : ERP進化のキーワード

1995 2000 2005 2010 2015

ERP研究推進フォーラム設立

200

400

600

800

1,000 1,200

1,400

1,600

ライセンス 売上ベース (億円)

1992年10月 SAPジャパン設立

1994年日本オラクル Oracle APPS(EBS)取扱開始

ERPの登場・普及 BPR実施、IT基盤再構築 全体最適・ベストプラクティス

クライアント /サーバ の時代

メインフレーム オフコン の時代

ERPの多様化・拡張性 SOAシステム連携/Web対応 業種別/業務別/規模別

2020

2014年 ERP研究推進フォーラム解散

1996年 ワークスアプリケーションズ設立

2008年 リーマン・ショック

2011年 東日本大震災

次世代ERPの進化・発展 クラウド/ビッグデータ/非RDB 人工知能/IoTなどニューテクノロジー

第1世代:全社統合、部門間連携 会計中心(財務会計・管理会計)

企業内統合、多機能

第2世代:グループ内統合、業務連携 会計とロジ(ERP/SCM/CRM/BI) 企業間連携、拡張性&柔軟性

第3世代:企業間統合、エコシステム ニューテクノロジーへの対応

バックオフィスから成長事業IT基盤を網羅

ERPとBPMの登場:BOPSJ パッケージ時代のはじまり

ITバブル崩壊、ベンダ再編 国産ERP躍進、クラウドベンダ急成長

旧ERPレガシー化、強制バージョンアップ ERP再構築不可避、時代はSoRからSoEへ

インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ設立(IVI) 2015年

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ERP導入の理由 :機能の部分利用、決算早期化や管理会計目的が多い 日本企業の多くはERPの部分利用と、商習慣の違いからカスタマイズが多い。 日本のERP導入は、会計(決算早期化、財務会計/管理会計など)の部分利用が多い。業務改革(BPR)は定着しなかった。 レガシーERPは欧米の商習慣で作られているため、国産ERPが登場するまでアドオン・カスタマイズが必要だった。

部門別

コストセグメント(コストセンタ)

収益セグメント(プロフィットセンタ) 社内管理目的

管理領域

本社1

営業1 工場 管理 直販 間接 工場

A社1 B社2

営業2 A管1 A管2 B-1

A社管理 B社1

B-2

B社2

費用管理の 最小単位

利益管理の最小単位(部門別P/L)

本社2

財務会計

事業別 本社 子会社A 子会社B

勘定コード表 日本用

勘定コード表 米国用

法人格(BS/PL)

グループ 勘定コード表

外部報告目的

事業領域1 事業領域2 事業領域3

事業セグメント(SBU)

管理会計

カネの動き ・決算処理 ・納税処理 ・配賦/サマリ ・IR/株価 ・月次/四半期 ・逐次判断 ・継続性重視

カネの動き ・受注/請求 ・購買/支払 ・発生元/明細 ・利益/コスト ・内部管理 ・日次/週次 ・即時判断 ・スピード重視

商習慣の違いを カスタマイズ で対応

経営側が欲しかったのは こっちの数字

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ERPは密結合型から疎結合ハイブリッド連携型へ進化 : ITPro記事より 「レガシーERP」から脱却するために 現在、老朽化しつつある従来のERPを使っている私たちは、どのようにERPを刷新していけばよいのか。その一つの答えが、複数アプリケーションを連携させるポストモダンERP。個々のシステムの開発においては、あまり変化しないERPのコア機能(例えば財務会計)や、変化が激しい周辺アプリケーション(例えば最新の人材管理・分析機能を提供するタレントマネジメント)など、システムごとの特性に合わせて開発/導入のスタンスを適切に選択することが重要になる。(記事中記載内容より)

出所:ITPro ACTIVE 記事より http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/14/369470/100700020/?ST=act-cloud&P=1

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ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2013年調査より) 基幹業務システムの稼働を開始した時期(n=350)

2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 8

SAP Business Suite(SAP ERP

R/3含む), 38.0%

Oracle E-Business Suite, 9.0%

GLOVIA(SUMMIT、smartきら

ら、GLOVIA-C), 6.0%

SuperStream, 4.0%

OBIC7, 3.5%

COMPANY, 2.5%

SAP Business All-in-One, 2.5%

GRANDIT, 2.0% Infor(旧Baan), 2.0%

JD Edwards, 2.0%

Biz∫(Biz∫SCAW), 1.5%

GLOVIA

G2, 1.5%

MCFrame, 1.5% ProActive, 1.5%

基幹業務

SaaS by 奉

行i, 1.5%

AMMIC, 1.0% EXPLANNER, 1.0%

FutureStage(旧TENSUITE),

1.0%

Galileopt, 1.0%

SAP Business One, 1.0%

SMILE, 1.0%

奉行V ERP, 1.0%

その他, 14.0%

ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2014年調査より)

導入した/導入予定のERPパッケージ 2014年 (n=200)

大半のERPパッケージはIaaSで利用可能 2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

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COMPANY, 13.1%

SAP Business Suite(SAP ERP

R/3含む), 13.1%

Dynamics AX,

9.8%

GLOVIA(SUMMIT、smartきら

ら、GLOVIA-C), 9.8% OBIC7, 4.9%

Oracle E-Business, 4.9%

SuperStream, 4.9%

Biz∫(Biz∫SCAW), 3.3%

Compiere, 3.3%

IFS Applications, 3.3%

NetSuite ERP/財務会計, 3.3%

Salesforce.com, 3.3%

その他, 23.0%

ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2014年調査より)

導入した2階層ERPパッケージ 2014年 (n=61)

グループ子会社などに主に採用されたERPパッケージ (2階層ERPパッケージ)

2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

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2階層ERP(2 Tier ERP)の考え方 : 理想は、国内海外の本社とグループ会社(子会社・関連会社)全拠点に同じERPシステムを導入して、プラットフォームとデータフォーマットを統一、業務やデータの連携を行う仕組みを構築して、業務処理の効率化、ビジネス状況のリアルタイムに把握することです。現実は、本社や重要拠点など大規模の拠点に導入するコアERPシステムと、その他グループ会社(子会社・関連会社)など、中小規模の拠点に導入する事業用ERPシステム(用途別ERPやクラウドERPなど)を、2階層で使い分ける構成のシステム構築が現実的な対応となります。(コスト、要員、地域性などを考慮)

人事管理

財務会計 管理会計

販売管理 購買管理

在庫物流 管理

生産管理

ERP

統合DB

1st Tier:コアERP

※本社、大規模拠点向け 大企業向けERP スイート型、ベスト・オブ・ブリード型

2nd Tier:事業用ERP

※グループ会社(子/孫会社・関連会社) 中堅中小企業向けERP 用途別ERP(業種別、業務別) クラウドERPなど

人事管理

財務会計 管理会計

販売管理 購買管理

在庫物流 管理

生産管理

ERP

統合DB

人事管理

財務会計 管理会計

販売管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

ERP

統合DB

BI

原価管理 人事管理

統合DB

財務会計 管理会計

販売管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

設備保全

製品マスタ BOM管理

SCM: 需要予測 イベント管理

BI:見える化 業務分析

原価管理 顧客情報 顧客DB

SFA: 営業支援 CRM: カスタマ- サービス

BI:見える化 経営分析

ERP

【2階層ERPのイメージ】

連結

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ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2014年調査より) 活用しているERP製品の今後の展開(n=200)

2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

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ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2014年調査より) 今後のERP製品に対する要望(n=290)

2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

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ERP市場動向(ERP研究推進フォーラム 2014年調査より) 今後重要と思われるIT投資項目(n=290)

(%)

2014年に ERP研究推進フォーラム解散 これ以降のデータが存在しない

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Agenda:

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

ERPの進化発展 :IoT時代のERPに求められる機能と役割

マルチERP活用 :ERPの多様化、蜜結合ERPから疎結合へ

旧型ERPの限界 :レガシーERPの課題とその解決策について

ERPのトレンド :ERP20年の歴史から現状を把握する

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レガシー化する旧型ERPを捨てるべき3つの理由

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会計メインのERP導入(財務会計、管理会計)では、ガバナンス管理が十分ではない ▷会計に偏ったこれまでのERP導入、商習慣対応のためのカスタマイズなどが要因か(?) ▷販売・購買・在庫・物流などの業務情報は日次、会計情報は月次と、情報の鮮度と精度にズレがある。 ▶ERP導入率が高い大企業ほど漏れや抜けがあり、ガバナンス管理が上手く出来ていない。

ビジネス環境の変化に対応できない、スピードが遅い「重厚長大」「高コスト」「ベンダ主導」 ▷ビジネス環境の変化に対応できない。IT技術者が確保出来ない。レガシーERPが事業の足枷となる。 ▷ベンダの都合でバージョンアップや対応を強いられる。ランニングコストが高い。ROI費用対効果が低い。 ▶レガシーERPは、導入とランニングに手間と人手が掛かりすぎる。ビジネスニーズと大きく乖離している。

成長戦略に対応した即効性と拡張性が低く、IoT時代のSoRとSoEに対応していない ▷成長戦略に即応したニューテクノロジー(クラウド、人工知能、IoTなど)と連携した利用ができない。 ▷レガシーERPはシステムが肥大化、機能が複雑化。ベンダ契約が既得権益化してユーザー企業と対立。 ▶成長戦略を支えるのは、スピード間ある企業間連携(エコシステム、オープン・イノベーション)やIoT対応

旧型ERPを捨てるべき理由:「ガバナンス強化」、「ビジネスニーズとの乖離」、「成長戦略への対応」 ビジネス環境の変化、ニューテクノロジーに対応する“次世代ERPの導入と活用”に取り組むべき

導入から既に10年以上経ち老朽化、ビジネスニーズとの乖離が次第に拡大している。

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レガシーERPを捨てるべき理由 :自社内全体最適からグループ連携最適へ

自社内に閉じた全体最適(企業内統合型)からグループ連携最適(グループ連携型)へ グループ連携最適 自社内全体最適

ERP ERP HCM

SCM CRM システム連携

システム連携

システム連携

企業内統合型(機能重視、一気通貫) ・社内の効率化、最適化がメイン ・経営層、管理層にのみ便利なシステム ・財務会計、ベストプラクティス、密結合 ・標準化、コスト削減に重点(SoR) ・経営資源(ヒト、モノ、カネ)の情報を把握 ・子会社、関係会社からデータを逐次に吸い上げる方式、 月次・四半期ごとにサマリーを集めるスタイル

グループ連携型(スピード重視、即断即決) ・グループ内の効率化、変化察知にフォーカス ・経営層、管理層、現場が必要なデータを入手 ・業務プロセス、柔軟性&拡張性、疎結合 ・コスト削減+成長性、売上/収益(SoR+SoE) ・経営資源(ヒト、モノ、カネ)の中の情報に 加えて経営環境(顧客、市場、デバイス)の 外の情報をリアルタイムにタイムリーに状況を把握するスタイル

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レガシーERPを捨てるべき理由 : 事業活動とガバナンス管理の強化 親会社と子会社/関連会社の連携がバッチ処理(会計:月次/四半期・年次) 子会社・関連会社(国内・海外の生産&販売拠点)が企業全体の売上/収益の大きな割合を占めている企業は必須。 販売・購買・在庫・物流・生産は毎日で変化があり報告されているが、会計のみ月次で報告されているのが実状。

ミッション

経営戦略

事業

M&A

グループKPI

事業KPI

指標と明細データによる事業遂行状況を監視して事業計画とガバナンスを管理

KPI

•戦略調整・実行・評価 •経営資源配分 •グループガバナンス

Action Plan

Do

Check

経営層 グループKPI (計画/実績)

管理者層 事業KPI (計画/実績)

現地担当者 業務KPI (計画/実績)

日常業務に 直結する情報

KPI階層利用により経

営戦略を現場化する

投資家・金融機関 情報開示(IR)

A事業戦略

子会社・関連会社(国内・海外)

※KPI:経営指標 (Key Performance Indicators)

業務KPI報告 会計のみ月次 販売/購買/在庫/物流/生産の業務データは日次

KPI管理指標に基づく事業ポートフォリオマネジメント

親会社(グループ本社) ・月次処理/四半期決算/年次 ・事業戦略策定 ・PDCAサイクル ・コーポレートガバナンス

各事業セグメント グループ共通サービス

報告は日次?月次?

KPI KPI KPI KPI KPI

業務KPI報告

子会社A 子会社B

子&孫会社グループC

KPI

シェアードサービスセンタ

ERP 未導入

ERP 未導入

グループ経営(財務・戦略・組織) グループ全体の情報共有化

ERPなどをベースにグループ・事業・国・地域を横断する業務プロセスを連携する

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次世代ERPの導入と活用 : 日々の変化を見逃さない経営

組織・階層 組織目標・管理指標 Plan Do & Check Action

経営戦略策定 方針決定

事業戦略 ポートフォリオ管理

予算/計画策定 数値決定

製品・業務ごとに 目標を設定

財務的(収益) KPIsへ展開

非財務的(業務) KPIsへ展開

アクションプラン KPIsへ展開

予算実績 モニタリング

実績 モニタリング

実績 レポーティング

将来予測 経営判断

進捗 モニタリング

戦略見直し ローリング

実績 フィードバック

グループ目標 KPIs

事業目標 KPIs

拠点別目標 KPIs

部門・業務別目標 KPIs

活動目標 KPIs

事業セグメント

国内・海外拠点

事業所・工場

従業員

経営層

管理者層

現地担当者

業績の評価

目標達成への対応

グループ

業績管理のPDCAサイクル

組織構造と目標値の同期(整合性)

組織構造と目標値と評価の同期(整合性)

セグメント・事業ごとの管理体系の設定、管理指標の選定、経営管理シナリオ(PDCAサイクル)の現状分析 ①親会社、子会社という区切りではなく、セグメント別・事業別のKPIsベースで日次管理体系をモデル化する ②業績管理に必要な管理指標(財務指標、非財務指標などKPIs)を選定、共通化する ③PDCAサイクルを高速で廻す(リアルタイム、日次、週次、月次、四半期、年次、中期計画、R&Dなど)の変化を収集分析

変化を見逃さない経営 グローバル経営管理(戦略的意思決定支援)

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Agenda:

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

ERPの進化発展 :IoT時代のERPに求められる機能と役割

マルチERP活用 :ERPの多様化、蜜結合ERPから疎結合へ

旧型ERPの限界 :レガシーERPの課題とその解決策について

ERPのトレンド :ERP20年の歴史から現状を把握する

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新世代ERPの選定 : ERPに求められるニーズの変化 1)全社統合、グループ統合のインフラシステム 企業グループの統合管理を実現するインフラとなる基盤。そのニーズは経理・財務を中心とした会計視点からのニーズと

、販売・購買・生産など業務管理を中心とした事業部視点(ロジスティクス側)からのニーズの2つに二極化。 2)ガバナンス強化の手段(2階層ERP内部統制モデル:2 Tier ERP Internal Control) グループ統括と多様な経営管理要件に対応する本社基幹システムは独自仕様が好まれるが、グループ子会社/関連

会社、海外拠点などにはコントロールし易くコストと運用を最適化、共通化できるコンパクトな基幹システムが望まれる。2,3のERP製品を絞り込んで、本社と子会社・関連会社の2階層で構成を組む事例が増加。

3)ウェブ親和性、柔軟性、ハイブリッド型 ビジネス環境の変化が激しいことから、後付けで機能追加/補完しやすいWebサービス連携できるハイブリッド型ERPシ

ステムが今後の主流。拡張機能として、人工知能AIやRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)が有望。 4)低価格高機能(業種特化型、疎結合逐次導入) 高機能で全業種に対応する高額な汎用型のERPではなく、業種業態ごとに特化(HCM, SCM, CRM, ECなど) 業務適合性の高い低価格高機能なERP製品が好評。適材適所で使い分ける。機能特化ERPの活用。 5)適材適所、短期と中長期でERPを使い分ける、コスト最適化(即効性と柔軟性、選択肢) 目的や用途別に、機能特化型ERPや汎用型ERPをクラウド/オンプレミス/ハイブリッドで使い分ける。 導入費用/ランニングコストを抑えることができる製品やベンダを選定する傾向が強い。 欧米並に内製化の比率を高める企業が増加(海外展開ではこの方法が有効) ※レガシーERPをそのままにして、新世代ERPを導入する企業が増加 ITエンジニアの所属

(出所:IPA資料より)

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事例 : 米国デュポン社のマルチERP/ハイブリッド型基幹システム構築

会計、人事、生産など 中長期に継続して利用する機能 標準業務とデータ一元管理

会計・人事・生産(コア部分) 会計・人事・販売(フロント部分) 登録/申請、照会/検索、帳票/レポートなど ユーザーによって利用方法が多様なもの 柔軟なユーザーインターフェースの提供

【特徴・傾向】 標準化されている定形業務 改良・改修が少ない、法令、業界ルール グローバルベース、ベストプラクティス 変化が少ない、予測しやすい 内向き(他システム連携少ない)

【特徴・傾向】 標準化されていない、例外が多い 改良・改修が繰り返される、個別要件対応 ローカルベース、独自プロセス対応など 変化が激しい、予測できない 外向き(ユーザ、他システムと連携多い)

ERPパッケージ(SAP, Oracle)を中心に置いて、統合マスタ、統合データベース 標準化されたビジネスプロセスといった機能をコア部分として利用。 クラウド(セールスフォース・ドットコム/MS Office365)をユーザに近いフロント部分に利用し 他システムとの連携など柔軟性が求められる要件に対応。両方をバランス良く組み合わせている。

出展:「エンタープライズITとは(2009.11ロバート・R・ライドアウト著(元デュポンIT担当バイスプレジデント兼CIO)より作成

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 22

事例 : 米国デュポン社がマルチERP/ハイブリッド型を選んだ理由 デュポン社における導入効果 ■標準化の推進:バックオフィスとフロントオフィスの標準化手法は異なる ・ バックオフィス(会計、人事、生産/サプライチェーン) → SAP, Oracleはそのまま (Standard, Stable, Global, Predictable) ・ フロントオフィス(営業、マーケティング、カスタマーサービス) → Salesforce, Office365 (Diverse, Interactive, Market or country specific, Rapidly changing) ■トータルコスト削減 「固定費から経費へのシフト」 ・ 年間ITコストを30%削減 ・ セールスフォース/Office365:経費として計上 → 資産償却は不要 ・ 想定外のIT費用が減り、コスト管理し易くなった ・ 人事、会計、販売管理の周辺機能(アドオン)にSalesforce AppCloud, MS Office365 ■現場への権限委譲、ITガバナンス強化の両立 ・ 統一プラットフォーム(PaaS/SaaS)の利用 → 現場主導でカスタマイズが容易 ・ 開発手法、運用の統一化 ・ 疎結合であるため柔軟かつ迅速な対応が可能 出展:「エンタープライズITとは(2009.11ロバート・R・ライドアウト著(元デュポンIT担当バイスプレジデント兼CIO)より作成

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事例 : 疎結合による基幹システム連携イメージ

連結会計

SFA: 営業支援

財務会計

ERP 管理会計

販売管理

顧客情報 顧客DB

BI:見える化 経営分析

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

原価管理

BI:見える化 業務分析 設備保全

SCM: 需要予測 イベント管理

製品マスタ BOM管理

CRM: カスタマー サービス

ERP

BI

CRM SCM

PLM BA

WMS EC

MES

ユーザーインターフェース (フロント部分): 様々な方法で簡単に利用可能 経営者、マネージャ、現場担当者 などユーザーのニーズに対応可能 (個々のシステムに依存しない) ※不足機能は、他システム連携と カスタムアプリで対応(PaaS/SaaS)

バックオフィス(コア部分): 会計、人事、生産/SCMなど 標準化された定型業務

フロントシステム:柔軟性&拡張性

バックオフィス:標準化

ユーザーインターフェースは マルチアクセスに対応

Mobile Browser PC Handy Tablet

お客様に 商品到着

見積-受注 ワークフロー

納品検収 請求管理

経営: 業績管理 経営分析

サポート: 顧客情報更新

営業: 請求処理 リベート管理

在庫物流: 出荷手配

経理: 入金確認

SFA(SaaS) 営業支援

ERP(SaaS) 販売管理

ERP 在庫/購買

ERP 会計管理

ERP 経営管理

ERP 人事管理

マルチプラットフォーム マルチアプリケーション

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 24

Agenda:

“It's really hard to design products by focus groups. A lot of times, people don't know what they want until you show it to them. ” by Steven Paul Jobs

ERPの進化発展 :IoT時代のERPに求められる機能と役割

マルチERP活用 :ERPの多様化、蜜結合ERPから疎結合へ

旧型ERPの限界 :レガシーERPの課題とその解決策について

ERPのトレンド :ERP20年の歴史から現状を把握する

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FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 25

IoTとは、「モノにセンサーを着けること」が目的ではない

すべてのモノが デジタル化(サービス化)

価値を生む!

ハードウェア ソフトウェア データ

周辺機器

周辺機器

IoT製品が無いと動かない!

基地局

製品機能 付帯装置

あらかじめ 与えられる 必要に応じて 外部から与えられる 毎回外部から 取り込む

データがないと動かない!

全てのモノがネットワークにつながるということは、製品にシステム(ソフトウェアとデータ) が組み込まれること。IoTデータを活用したサービス提供が可能になること。

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 26

IoTの価値とは?

故障?

①定期点検

②故障発見

③修理依頼

④修理報告

IoTの価値とは、誰でもひと目見てわかるメリットや違い “スピード”と“サービス” 「機器が故障する前に察知して、これに即時対処する様子を隠さず見せる」など

これまで、 IoTデバイス 故障?

①緊急点検

②故障発見

③部品交換

④修理報告

モノ(IoTデータ)

コト(IoTデータ)

コト(IoTデータ)

予知保全

ネット監視

リモートサポート

即時レポート

これから、

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 27

IoTの導入効果、モノのデータを利用して新しいサービスで価値を提供すること IoTの導入効果:“時間と距離”をゼロに近づけることでユーザーに価値が提供される

診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 時間→待ち時間ゼロ、いつでも診察や検査が受けられる 軽い症状なら、かかりつけ医とネットで診察、処置法を聞ける 距離→移動距離ゼロ、どこからでも診察・検査・治療可能 職場や自宅で365日24時間いつでも受診ができる。オーダーメイド医療

スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成できる。リードタイムゼロ 時間→オーダーメイド(マスカスタマイズ生産) 欲しい自動車をいつでもオーダーできる。生産進捗がわかる。 距離→3Dプリンタでどこでも製造できる(ロケーションフリー) 製品が欲しい時にデータをダウンロードして作る。 サイバーフィジカル経済

短期的IoT導入効果 → アナログ→デジタル、見える化、すぐに実現できるが効果低い 中期的IoT導入効果 → IoTデータの活用・サービス化して保守サービスで稼ぐ 長期的IoT導入効果 → データを所有しONLY ONEを確立。他社と差別化、エコシステム構築

FRONTIER-ONE Inc. 2017, Keiichiro Nabeno Page 28

短期的:「見える化」への取り組み、どの企業でも導入できる その効果は一過性、競争優位性は長続きしない。 中期的:データを利用した新しいサービスの提供、オープン・クローズ戦略で 競争力を維持する。保守・運用サービスなど。IoTビジネスのコア。 長期的:先駆者(フォアランナー)として成長戦略に従って挑戦する企業 成功者となるのはわずか一握りの企業、次の次を準備しておくこと。 「勝敗を決するのはモノではなく、他社に真似出来ないコト、つまりサービス(ソフトウェア)」

IoTビジネスのロードマップ : 短期/中期/長期の戦略策定 IoT企業のゴールは、新しいビジネスモデルを創り出して継続的に収益を得ること ・モニタリング(監視): 短期的な取り組み → 一時的な効果、スタート地点 IoTで商品・顧客を「見える化」する。IoTの最初の取り組みとなるがその効果は一時的。 競争相手も簡単に真似することができる。ビッグデータよりも、人工知能やスパースモデリング(ベイズ統計論)などを利用し、 データから短時間で的確に結果を導くやり方など。 ・メンテナンス(保守運用): 短期的・中期的な取り組み → 短・中期的な競争力 オペレーション(効率化)とオートメーション(自働化)が取り組みのポイント! 生産性の向上、徹底したムダの排除、機械学習などによる予測精度の向上を実現する。 ノウハウ全てデジタル化するのではなく、ヒトとシステムの役割分担、アナログとデジタルの境界線 (オープン・クローズ戦略)が日本版IoT/日本版インダストリー4.0の特徴。 ・コントロール(制御): 中長期的かつ継続的な取り組み → 先駆者の圧倒的優位性 モノ(機械や機器などデバイス)をリアルタイムに制御。エコシステムを構築拡張する。 環境変動や個体差を補正する技術。先駆者(フォアランナー)として技術を磨きアウトカム(成果)を生み出し続ける。 ソフトを更新してデータを支配することで共創優位性を確立

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IoT未来社会2020 :「自動運転車の実用化」 「医療IoTの実現」 短期的 【3年後のIoT】センサーとデバイスがネットワークにつながってアナログ→デジタルで価値を生む モノ(製品)とコト(サービス)を価値として提供。モノからのデータを収集して、この情報を活用したサービスを提供する。モノの情報を「見える化」して、新しい価値を生む仕組みを構築する。IoT時代に対応した業務の見直し、新しい製品/サービスの検討、新しいビジネスモデルへの取組み。

医療はIoT活用が期待されている領域です。レントゲンやCT/MRIなど、画像検査や医療機器の発展が期待されます。 検査機器や医療データがネットとつながり、AIやビッグデータで迅速かつ正確な病気の早期発見が可能となり、患者それぞれに対応した医療サービスが提供される IoTを活用した新しい医療サービスが受けられる。検査技術の向上や遠隔医療が可能となる。ヘルスケアIoTの実現

自動車は、IoT活用が最も先行する業界として、自動運転やAI技術などが取り入れられる。 GPSによる位置情報把握、道路状況による渋滞回避、運転アシスト機能による操作性の向上、カーシェアリング(ライドシェア)などによる多様なサービスの提供 クルマがネットにつながる。クルマとヒトがつながる。安全性や利便性が大きく進化する。コネクテッドカーの実現化

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IoT未来社会2022 :「自動車をオーダーメイド」 「遠隔診察」 中期的 【5年後のIoT】つながることが目的ではない、時間と距離をゼロに近づくと価値が生まれる モノ(製品)とコト(サービス)が、デジタルでリアルタイム・双方向ダイレクトに得られる仕組み。従来の業務プロセス、仲介処理、手間と時間を省ける。アウトカム(成果)を、欲しい時に必要なだけ直ぐに入手できる。待ち時間なく、ムダなく、リーズナブルに欲しい製品/サービスが提供される。

臨床医の仕事は「診察して処置や投薬すること」ですが、 患者にとって待ち時間が多い病院へ行くのは手間が掛かる。 診察や検査などを、ネットで受診する。検査データをAIやビッグデータで解析、その診断より、リモートやセルフサービスで処置。風邪などは、これで治療や処方薬が受けられる。 患者は、職場や自宅でかかりつけ医からいつでも診察を受けることが可能となる。コネクトヘルスケアの実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることもできる。 スーツをイージーオーダーするのと同じように、自動車をネットからオーダーメイドで作れる。修理パーツや消耗品は、在庫が無ければ3Dプリンタで造成する。リードタイムゼロ カスタマイズ仕様。最寄りの工場で、パーツを手軽に作って手に入れることができる。スマートファクトリーの実現化

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IoT未来社会2027 :「誰でも自動車メーカー」 「オーダーメイド医療」長期的 【10年後のIoT】つながることで企業と個人の関係が変わる。 エコシステム モノ(製品)とコト(サービス)が、ボーダレスとなる。企業は供給サイド、個人は需要サイドという関係が変わる。個人がデザインした製品(モノ)を、企業が製造・販売する。モノから集めたデータを個人や企業が利用して、新しいサービス(コト)が生まれる。デジタルエコノミーが社会を革新。

患者と医者がつながるコネクトヘルスケアがさらに普及する。 高度医療サービスを誰でも手軽に得られる時代になる。 患者ひとりひとりの病状に合わせた、オーダーメイドの薬や専用の医療機器を開発生産して入手することが可能となる。全ての医療を患者が自由に選べる時代となる。 モノ(薬、機器)を患者に合わせて生産、コト(診察、処置)と一緒に提供できる。オーダーメイド医療の実現

自動車は好きなデザイン、好みの仕様をフルオーダーメイドで作ることができる。自分のブランドをつけて売ることができる。 個人がデザインした自動車をロットサイズ1から生産できる。自動車がアパレルのように、セレクトショップで販売やシェアリングできる。あらゆるデータから新しいサービスが生まれる。 モノとコトの両方が商品となって、経済活動を活性化する。デジタルが、ビジネスを拡大。サイバー・フィジカル経済の登場

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IoT時代のERP : 経営資源は、ヒト、モノ、カネ + データ、ビジネスモデル

経営層

製品 製造・販売

製品 開発・設計

製品 データ収集

ソフト開発 サービス化

サービス 価値提供

新世代ERPシステム

疎結合

サイバー フィジカル

サービス化

新世代ERPは、ヒト、モノ、カネ+IoTデータ、ビジネスモデルを経営資源として管理

ヒト

モノ

カネ

経営層

倉庫 物流

営業 販売

生産 管理

調達 管理

経理 財務

旧型ERPシステム

ヒト

モノ

カネ

データ

モデル

グループ全体で連携されたシステム SoR:バックオフィスを効率化、最適化する SoE:成長戦略に貢献する仕組み (ヒト、モノ、カネ+IoTデータ、ビジネスモデルが新しい経営資源となる。デジタル革新)

顧客 ユーザー

全社レベルで統合されたシステム 部門間を横断する業務プロセス 業務の標準化でデータ精度を揃える (プロセスレベルで連携/共有可能 ヒト、モノ、カネを最適化)

人事管理

統合DB

財務会計 管理会計

販売管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理 ERP

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IoTプラットフォーム :サービス提供する為に複数システムで構成されたIT基盤 IoTは複数システム群で構成されたソリューションで「IoTサービス」をユーザーへ提供 ロボット・設備のセンサやデバイスから収集したIoTデータを、クラウド上のIoTプラットフォームで蓄積・管理します。ここに集まった膨大なIoTデータは、ソフトウェアで処理してIoTモニタリング/メンテナンス・ランニング/コントロールなど要件にあわせてIoTサービスが提供されます。 IoTデータ → IoTサービス (新しいビジネスモデルの創出)

クラウド

IoTサービス

ビッグデータ

ロボット・設備

人工知能・RPA

データ 収集

データ 蓄積

データ 転送

データ 抽出・変換

データ 分析

データ 可視化

センサ・デバイス

ソフトウェア

IoTプラットフォーム

サービス化 処理・管理

データマイニング ディープラーニング

IoTデータの見える化 モニタリング、 メンテナンス、コントロール

シミュレーション 予知

デバイス・センサ・機器

データベース・データレイク

プロトコル・無線/有線

AR/VR

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企業とユーザーをつなぐしくみ : IoTプラットフォームの役割

IoT企業 モノ

使う

コトの提供

IoT企業(モノ+コト)とユーザーの継続的な関係を取り持つ役割をするのがプラットフォーム

しくみ構築

プラットフォーム化することで、使う“コト”による付加価値を提供して ユーザーから対価を直接得る(売上/収益/コスト削減)ことができるようになる。

問題解決(価値)

IoTデータ

IoTプラットフォーム

コトからの収益

コト

利用者

データ

情報

データの収集

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IoTプラットフォーム動向 : 米独日主要ベンダ相関図(参考)

GEデジタル Predix

マイクロソフト Azure IoT

AWS AWS IoT

SAP SAP HANA

シーメンス MindSphere

Bosch Bosch IoT ファナック

FIELD system

富士通 /K5 MetaArc

日立 / Lumada

NEC WISE IoT/Predix

東芝 Meister IoT/Predix

Salesforce.com Salesforce IoT

Oracle Oracle IoT

PTC ThingWorx

デンソー DP-Factory IoT

セゾン情報 HULFT IoT

コマツ Komtrax KomConnect

b-en-g b-en-g IoT

IBM Watson IoT

TRUMPF AXOOM IoT

NTTデータイントラマート IM-IoT

Cisco Cisco IoT

Carriots Carriot ecosystem

(2017.Mar.)

Autodesk A360/Forge

Ericsson Device Connectivity

China Mobile Device Connectivity

ダッソー 3DEXPERIENCE

NOKIA IMPACT

CyberVision Kaa IoT

ソラコム SORACOM IoT

Flutura Cerebra

日立ハイテク Flutura/Crebra

三菱電機 FA-IT Open Platform

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IoTサービスの構成要素 : ニューテクノロジーを適材適所で利用する ニューテクノロジーを組合せて、ユーザーのニーズに合わせたIoTサービスを提供する

クラウドは大手企業から普及が進む。今後はIaaSから、PaaS/SaaS/DaaSなど様々なクラウドが利用される。 土台となるプラットフォームと、システム間をつなぐ手段(疎結合、WebAPI)への取り組みがポイントとなる。

クラウド IoTは、①小さく取り組む、②攻めと守りの両方を考える、③中長期的に自社固有の優位性が確立できるテーマを見つける、の3点がポイント。 短期間で実現できるIoTはすぐ真似される。真似されるIoTでは勝てない。

IoT データは経営資源。ビッグデータとは、これまでの手段では収集、選択、分析、検索、保管などが出来ない膨大なデータから有効なデータを上手く利用するという意味で使われている。手法や技術はベンダやアプローチでそれぞれ異なる。

ビッグデータ 成長が期待されている領域。産業用ロボット(ファナック、KUKA、ABB)や民生用ロボット(Pepper)の市場が拡大。エッジ・コンピューティング(FPGA)やセンサ、デバイスなどが、自動車や機械など利用が広かっている。モノから生まれるデータが新しい経営資源、データが優位性を生む。

ロボット・エッジ センサ・デバイス

人工知能は、ヒントン教授がディープラーニング(深層学習)で画像認識の実用化への可能性が広がった。また、IBM Watsonが文脈解析などコグニティブ(認知知能)がビジネス利用開始。 RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)がバックオフィス業務の生産性を高めると期待。

人工知能AI/RPA AR/VRは、2015年よりビジネス展開が開始。コンシュマー市場では、仮想ゲーム向け、産業向け市場では生産・物流・メンテナンスサービスなど幅広い分野での展開が始まっている。ウェアラブル端末やHMDの低価格化が進むと予想。

AR/VR 3Dプリンタ、ブロックチェーン、量子コンピュータ、バイオセンサーなど新しい技術はこれからも登場すると思われますが、これまでとの違いはITテクノロジーを活用した新しいビジネスチャンスとセキュリティリスクが拡大すること。

さらに未来は?・・・

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ERPを補完するツール :RPA(Robotics Process Automation) RPAとは: 「RPA」とは、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。 定型化された業務、とくに一定のルールのもとで実施する、情報の入手、条件判断、エクセルファイルやERPシステムなどへの情報入力、突合、承認などの一連の業務が主な対象です。 「ルールエンジン」「画面認識」「ワークフロー」などの既存技術を統合して活用し、業務の自働化を行います。専用のRPAソフトウェアを利用することで、実際に人が操作するのと同様の手続きを簡単に記録させることができます。

人間の作業を 代行できる

人間に比べて 圧倒的な 能力がある

変化に強く 柔軟性がある

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ERPを補完するツール : RPAのクラスと活用対象業務(参考) RPAの活用対象業務:RPAが活用できる対象業務は幅広く、これまでERPなどでは対応できなかったルーティン業務にも柔軟に対応できます。ERPなどパッケージシステムとの連携事例もあります。

RPAは発展途上で、「ホワイトカラーの定型業務を自動化するものや人工知能を利用して非定型業務をルール化し、それを自動化するもの」をRPAとして定義している。 Class1は定型業務を自動化する段階で、すでに実用化されている。Class2は例外対応や非定型業務を自動化する段階で一部実用化されているものの、多くは今後、実用化される。Class3は高度なAIにより、作業の自動化だけでなく、プロセスの分析や改善、意思決定まで自律的に自動化するもの。

フロントシステム

バックオフィス:ERP システム転記 作業の自働化 財務会計

ERP 管理会計

販売管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理 ERP

システム入力 チェック作業の自働化

マスタ連携の自働化 システムメンテナンス作業の自働化

システム間を跨る レポート作成 作業の自働化

会社固有の繰り返し処理 作業の自働化

RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション) ERPでは自働化出来ない作業を補完できる

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攻めと守りのITに対応したシステム構成 : SoRとSoEを支える仕組み

System of Records (記録、実績収集、定型業務)

業務効率化 省力化・生産性向上

コスト削減

System of Engagement (連携、顧客・パートナーとのつながり)

ビジネスプロセス革新 新しい商品・サービスの創造 企業を超えたエコシステム

SFA: 営業支援

財務会計

ERP 管理会計

販売管理

顧客情報 顧客DB

業績管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

原価管理

設備保全

BI:見える化 業務分析 SCM: 需要予測 イベント管理

製品マスタ BOM管理

CRM: カスタマー サービス

ERP

BI:見える化 経営分析

モバイル (スマートデバイス、ウェアラブル)

ソーシャル:SNS デザイン思考:UI/UX

アナリティクス 人工知能 機械学習

パブリッククラウド プライベートクラウド オンプレミス

常時 監視

成長戦略アプリケーション基盤 IoT系プラットフォーム

ビジネス・アプリケーション基盤 バックオフィス系プラットフォーム

BI/BA

CRM SCM

基幹系システム(バックオフィス)とIoTサービス(成長戦略)の両方を支えるシステム基盤 SoR:ERPなど基幹系システムなどバックオフィスシステム。事業を支えるビジネス基盤として貢献 SoE:先進IT/IoTに自社独自の強みをデジタル化・サービス化して事業を伸ばす、成長に貢献

デジタルビジネス基盤 ・マルチアプリケーション ・マルチプラットフォーム

コネクト・デバイス センサ、エッジコンピューティング (モビリティ、マシン、ロボット)

システム基盤 プラットフォームレベル (IaaS/PaaS)

ソリューション アプリケーションレベル (SaaS/DaaS)

予知 保全

遠隔 制御

戦略アプリ1 IoT保全

戦略アプリ2 モノコト

独自キラー アプリ

バックオフィス系システム ミッションクリティカル・安定性・信頼性

成長戦略/競争優位支援系システム CPS(サイバーフィジカル)・柔軟性・拡張性/即効性

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SoRとSoEを支える仕組み : マルチUI、マルチERP、マルチプラットフォーム

SoR:System of Records (全処理記録、実績収集、効率化)

SoE:System of Engagement (成長戦略、顧客・ユーザーとの連携)

SFA: 営業支援

財務会計

ERP 管理会計

販売管理

顧客情報 顧客DB

業績管理

購買管理

在庫物流 管理

生産管理

原価管理

設備保全

BI:見える化 業務分析 SCM: 需要予測 イベント管理

製品マスタ BOM管理

CRM: カスタマー サービス

ERP

BI:見える化 経営分析

モバイル (スマートデバイス、ウェアラブル)

ソーシャル:SNS デザイン思考:UI/UX

アナリティクス 人工知能 機械学習

パブリッククラウド プライベートクラウド オンプレミス

可視化 常時監視

成長戦略アプリケーション基盤 IoT系プラットフォーム

ビジネス・アプリケーション基盤 バックオフィス系プラットフォーム

BI/BA

CRM SCM

コネクト・デバイス センサ、エッジコンピューティング (モビリティ、マシン、ロボット)

システム基盤 プラットフォーム レベル On-Premise IaaS/PaaS

ソリューション アプリケーション レベル SaaS/DaaS

予知保全 故障予測

遠隔制御 CPS

戦略アプリ1 IoT保全

戦略アプリ2 IoTサービス

独自キラー アプリ

バックオフィス系システム ミッションクリティカル・安定性・信頼性

成長戦略/競争優位支援系システム CPS(サイバーフィジカル)・柔軟性・拡張性/即効性

Mobile Browser PC Handy Tablet

フロントエンド:マルチUI

業務プロセス:マルチ処理

ユーザーインターフェースは マルチアクセスに対応

業務プロセスは マルチ処理・自動処理に対応

バックオフィス:マルチERP ・マルチプラットフォーム SoR&SoE ハイブリッド

マルチ・ハイブリッドな仕組み マルチとは:「複数の~」という意味。ここでは、目的や用途ごとに複数の仕組みを使い分けることをイメージ。 ハイブリッドとは:「掛け合わせ」という意味。ここでは、2つ以上の異なるシステムを跨って掛け合わせて利用。

IoTの新規ビジネスは ERPと連携(ハイブリッド) して事業管理される

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IoT時代のERP成功の秘訣 :FUSIONに対応した新世代ERP

ポイント 先行する企業のニーズ

重厚長大な旧型ERPではなく、次世代ERPへ速やかに移行する スクラップ・アンド・ビルドではなく、必要に応じて次世代ERPを並行導入し機動力を高める

F 柔軟性 FLEXIBLE

U 操作性 USABILITY

S スマート SMART

I イノベーション INNOVATION

O オープン OPEN

N ネットワークNETWORK

ビジネス環境の変化へ即応できる 旧型のERPシステムは導入・改修には長い時間が必要で、これでは激変するビジネスに対応できない。即効性と柔軟性のあるクラウドサービスやIoTサービスを即時利用できる仕組みが必要。ベンダ都合の対応や囲い込みとの決別。 多様なニーズへの対応、システムは所有から利用へ 情報の分析力や活用度(ビッグデータ)が、業績や競争力を高めます。短期導入可能で、即効性があり、疎結合で全てのデータを人工知能やRPAなどで誰でも簡単に使える仕組みが必要となる。ニューテクノロジー、新しいビジネスモデルへの挑戦。 攻めのITと守りのITがリアルタイム連動する基盤 企業が生き残るためには、IoT/インダストリー4.0への対応など成長戦略に直接貢献できる「攻めのIT」と、全拠点の変化を機敏に監視・保守・制御できる「守りのIT」の両方に対応する新世代ERPとこれを支えるITプラットフォームが必要。

ご静聴ありがとうございました

株式会社フロンティアワン 鍋野敬一郎 [email protected]