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菅付雅信の編集スパルタ塾 課題④『新潮』矢野優編集長 Upload

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1. 「新潮」とは・・・    ・文学の最前線。人間の想像力を革新し続けている  

・デビュー間もない新人からノーベル文学賞受賞者まで、幅広い書き手が      一誌にひしめく  

・音楽・映画・ダンス・建築・写真・絵画などからの領域からも、トップクラス      の書き手、アーティストが刺激的な原稿を寄稿(試みがある)  

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2. 「新潮」の読者って・・・   

・文芸の力を信じていて、特定の作家というより、純文学そのものを愛している  

・自分と異なる価値に寛容で、常に新しい表現(文芸)に触れたいと思っている  

・日々の生活に、情緒的な刺激と創造的革新を求めている  

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3. それで、SNSやデジタルツールの本質って  

SNSの本質は、「ネットワーク」と「共感」。  

「ネットワーク」は、友人や知人、趣味や価値観など何らかの共通事項で知り合っ

た個人とオンライン上で繋がっていること  

「共感」は、そういった自分に近い“仲間ごと”情報だからこそ、感興し共感され、さ

らにその友人から友人へと輪を描いてシェアされ拡散していく  

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4.  『新潮』のSNS戦略を考えるにあたって

・日頃、文芸誌を読まない人が、いきなり文芸誌を読むようにはならない  

・しかし、思いがけず表現の新たな試みに触れられる機会や、リアルイベントがあ

れば、その体験は投機され、シェアされ得る  

・いま既にいる新潮読者(=コアファン)が伝道師(エバンジェリスト)になる  

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6.まずはタグボート作り(SNS上でファンを見つけてオンラインに)

・未来の読者はSNSの中に。それは未来の文芸誌読者ではなく、新潮読者!      →新潮は、ただ小説を扱う雑誌にあらず、“創造力の最先端”を扱う  ・Facebookでも『新潮』アカウントを開設。SNSコミュニケーターを設置      →FBは、より『新潮』向きの年代とメディア特性。詳報や採録にも適す        

※ターゲットは20代〜40代で、創造的な表現に関心のある男女を中心に、    アート、ファッション、広告や美容などクリエイティブに携わる全ての人   6

7. コアファン(新潮読者)めがけたリアルイベントを企画

1.  『新潮(最新号)ミート』・・・新潮で発表された表現の新しさを語る会  

2.  『新潮リゾームシー』・・・創造的表現でジャンルを横断する場を作る  

3.  『新潮スパルタ批評塾』・・・新潮の良き読者(批評家)を養成する  

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7-­‐1  『新潮(最新号)』感想ミート

『新潮』読者は交流に飢えています。彼らは日々の生活で“新しい文芸表現”に

ついて誰かと語る機会はありません。そういう機会はまずないだろうと考え、もは

やそれに飢えていることさえ忘れてしまっているかもしれません。文芸誌を読む

ことが、“秘めた楽しみ”になってしまっています。例えば、新潮発売2週間後の

金曜夜にB&Bで開催。1DR付き1500円。海外読者向けのオンライン部も。  

→ファンの感受性や理解を交換し合い、共有する“楽しみの場”を作る  

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7-­‐1の2   『新潮』探検隊(現場学習)

・いしいしんじ『クロマグロとシロザケ(東京夜話)』を読んで、築地にマグロを食べにいく  

・町田康×いしいしんじ『人生を歩け』を音声ガイドで聞きながら、浅草〜上野間町歩き  

・中沢新一の『アースダイバー』を読んで、四谷〜靖国通り、渋谷川~道元坂を歩く  

・嶽本野ばらの『純愛』を読んで、首相公邸前の原発反対デモに参加する  

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7-­‐2 新潮リゾームシー(間口を拡げて、奥行きに触れてもらう)

あるジャンルともう一方のジャンルの出会いを、リアルで提供する  ・金原ひとみの新作を吉高由里子に朗読してもらいUSTREAMで音声配信  

・富田ラボ(富田恵一)と平野啓一郎が「音楽はどこに行くのか」対談とLIVE  

・深夜のシネコンをレンタルし、園子音と中原昌也がトークのち映画視聴  

・舞城王太郎『阿修羅ガール』を人気声優らでアフレコしたCDを、新潮の付録に  10

7-­‐3  『新潮スパルタ批評塾』の開設  

個人の発信が容易な時代になりました。“一億総批評家”の時代です。  

では、文芸や表現に対する批評は育くまれているでしょうか?  新潮がちゃんと読める読者は育っているでしょうか?    この塾では、新潮と共に歩んできたプロの批評家を講師陣に迎え、読者にも創造と

思考を鍛えてもらうことで、クリエイティブな読者(=批評家)を養成します。  

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新潮

批評塾

7-­‐3の2 クリエイティブのチェーンを可視化する  

スパルタ塾で、批評家の卵が生まれてきたならば。次にやることは、  

いまの創造力が何にタグ付けされたものなのか、何のインスパイアなのかを解釈し

ていく。つまり、文芸作品はあらゆる表現の影響を受けている。つながりがわかる

のは玄人かプロ(作家と批評家、編集者)だけ。だから、創造力の断片をタグにして、

世界にちりばめよう。文芸体験の履歴をまとめて、いまの創造力に意識的になろう。  

ex)  評論におけるタグ付け、批評家による「文芸作品」まとめ、読書履歴マップ  12

#アイズ・ワイド・シャット  #村上春樹  #フロイト #ねじまき鳥クロニクル #不思議の国のアリス

#命を賭けた愛と壊れた女 #性愛と束縛  #ストックホルム症候群  #停滞  #脱日本 

#清水義範  #立川談志  #伝統を現代に #江戸っ子の無理  #落語的機微  #ガッテン

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ありがとうございました。