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私が実践してきたプロジェクトマネジメント(もどき)
2011/5/26 ささみ@大崎
Takeshi HASEGAWA (Twitter: @hasegaw)
本資料中の解説内容は、所属組織における統一的な見解を示すものではありません。
プロフィール
長谷川 猛 (HASEGAWA Takeshi)
twitter: @hasegaw
主にLinuxや仮想化技術を得意とする雑食系SE
Xen/KVMを調査、FreeBSD virtioを実装等
興味範囲:仮想化、ストレージ
もんはんしようず ゚+.(・ω・)゚+.゚
2
おもな著書・寄稿
3
Webサイトの記事など
エンジニアなら知っておきたい仮想マシンのしくみhttp://gihyo.jp/dev/serial/01/vm_work/
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5
プロジェクトマネジメントとは何か
• PMBOKの定義
– 独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務
• 有期性
– 始まりがあり、終わりがある
• 独自性
– 毎回違う課題に直面する
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非常によく言われるプロジェクトマネジメント
プロジェクトの三大要素
• 品質
• 納期
• 採算
Scope
Q C
D
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/ i f ,.r='"-‐'つ____
/ / _,.-‐'~/⌒ ⌒\
/ ,i ,二ニ⊃( ●). (●)\
/ ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| |
/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
こまけぇこたぁいいんだよ!!
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明治35年 八甲田雪中行軍を行った2部隊
• 明治27年 日清戦争で冬季寒冷地での戦いに苦戦
• さらなる厳寒地での戦いとなる対ロシア戦を想定、準備
• 日本海側と太平洋側から、それぞれ移動するための演習であった
• A)青森~田代~三本木~八戸
– 青森5連隊
• B)弘前~十和田湖畔~三本木~田代~青森
– 歩兵第31連隊
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行軍経路(予定)
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部隊 福島大尉部隊
部隊編成
人数 38名
部隊規模 小隊規模(大尉自身が決定)
編成方法 隊員候補から、精鋭を絞り込み
ガイド同行 あり
事前準備
隊員意識 厳しい行軍となることを事前に周知、認識させる
寒冷対策 凍傷にならぬよう、工夫を徹底した
指示系統 福島大尉が全権限を掌握
最終判断者 福島大尉
福島大尉部隊(1/2)
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福島大尉部隊(2/2)
• 冬山の怖さを熟知した行動
– .隊員に寒冷地出身者が多かった
– 天候不良とみるや、深さ4メートルに至る穴を掘りビバーク
– 途中で寝込んでしまう隊員がいると皆で踏みつけて起こす
• 指揮官が寒冷に対するさまざまな工夫を周知徹底
– 川を渡る際は裸足で渡川せよ
– ぬれた足を完全に拭き取ってから靴下を履け
• 統率の維持
– 連隊が比較的少人数なこともあり、統率が維持された
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部隊 神成大尉部隊
部隊編成
人数 210名
部隊規模 中隊規模(山口少佐が指定&随伴)
編成方法 3日間で参加隊員を決定
ガイド同行 なし (山口少佐の指示による)
事前準備
隊員意識 ハイキング気分で参加した隊員も…
寒冷対策 予備の靴下すら持っていなかった
指示系統本来、神成大尉が全権限を掌握
しかし、山口少佐が行軍中断を拒否
最終判断者 ・・・山口少佐? 神成大尉?
神成大尉部隊(1/2)
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神成大尉部隊(1/2)
• 1月23日 出発日
– 午前6時 出発
– 午後6時 荷物を載せたソリを廃棄を決定
– 日没 行動を断念し露営
• 1月24日 二日目
– 吹雪の中、崖から転落か? 一人目の脱落者
– 初日の目的地「田代元湯 」へのルートを発見したという報告
– 山口少佐の指示により「田代元湯 」へ進軍
– 駒込川に到着 ―― 間違いと気づく
– 大雪で退路なし→ 人生オワタ\(^o^)/
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神成大尉の行軍経路(予定・実績)
×
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部隊の比較
部隊 福島大尉部隊 神成大尉部隊
部隊編成
人数 38名 210名
部隊規模 小隊規模(大尉自身が決定)中隊規模(山口少佐が指定&随
伴)
編成方法 隊員候補から、精鋭を絞り込み 3日間で参加隊員を決定
ガイド同行 あり なし (山口少佐の指示による)
事前準備
隊員意識厳しい行軍となることを事前に周
知、認識させるハイキング気分で参加した隊員も
…
寒冷対策凍傷にならぬよう、工夫を徹底し
た予備の靴下すら持っていなかった
指示系統福島大尉が全権限を掌握
本来、神成大尉が全権限を掌握
しかし、山口少佐が行軍中断を拒否
最終判断者 福島大尉 ・・・山口少佐? 神成大尉?
死者数(%) 0名 (0%) 199名 (94%)
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行軍経路(予定)
×
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雪中行軍の結果から判ること
• スコープの把握を怠らない
– 把握できている部分が全てか?氷山の一角ではないか?
• 問題に早期対処する
– 予期される問題への「対策」は早めに検討、実行する。対策が遅れるほど後工程が辛くなる
• シナリオを描き、時には関係者をコントロールする
– 現実的なルートへ誘導するのは大事な仕事
– メンバーだけでなく、顧客を含めた関係者全員が対象
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/ iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
俺は雪山なんか
興味ねえんだよ
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どうしてプロジェクトをマネジメントするか
• 顧客満足度
– 顧客のビジネススケジュールに間に合わせる
– 質の高い納品物を提供する
– いただいた対価に相応の満足度(割高感を感じさせない)
• 出来る限りの生産コスト抑制
– 効率良く生産するための道筋を作る
– 無駄な作業を発生させない
– ・・・・
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どうしてプロジェクトをマネジメントするか
• 周りの人々を幸せにしたい
– 周りに人々? メンバー、元請・下請・お客様
– ヨレ状態を作らない、メンバーにデスマーチさせない
– 早く帰らせる
– お客さんにハメられないように
• 自分が幸せでいたい
– 早く帰りたい
– お客さんにハメられたくない
– うまいもんくいたい
今日この話をする理由
• 名ばかりプロジェクトマネジメントで幸せになろう
• 仕事をスムーズに終わらせるための進め方
– 事前にしっかり準備する
– メンバーの世話をする
– 決断を先送りしない。
– 自分自信で決断する
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事前にしっかり準備する
• どうして準備する?
– その過程にある障壁は、どうせ乗り越えなければいけない
• どのように乗り越えるか?
– コントローラブルな状態で乗り越える
– アンコントローラブルな状態で乗り越える
• いつ準備をするか?
– 事前に見通しておいて、手を打っておく
– 障壁が目の前に現れた時点で手を打つ
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事前にしっかり準備する
• プロジェクトのゴール(と過程)を明確にする
– 最終的に自分たちが目指しているのは何処か?
• ブレずにゴールに向かうために必要
• 作業の優先度判断のために必要
• モチベーション維持のために大事
• 自発的に行動できるメンバーに有効
• プロジェクト最中にぶつかる障壁を整理する
– プロジェクト進行中に必要となる物品
– プロジェクト中で決断を要する決定事項
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事前にしっかり準備する
• プロジェクトが墜ちそうな落とし穴は事前に埋める
– 自分が「落ちそう」と直感した罠は塞ごう
– 手を打たなければ、誰かが大抵落ちる
• プロジェクトが成功するよう顧客をコントロールする(スコープ調整など)
– できることは「できる」、できないことは「できない」
– 重要な方針はリスクを説明の上「決断」してもらう
– 案は、一番よいものを選ばせるために並べる
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メンバーの世話をする
• 自分一人では何も出来ない
• 自分自身の経験@新人研修
– 自分一人のコード行数/日<<< 素人三人のコーディング行数
• 自分以外が頑張れる舞台を作る
– 自分が頑張るのより難しい
– 自分が頑張るのより効率的
• 自分以外を自分の期待以上に動かすのは難しい
– 「部下に100頑張って欲しければ、自身は200働け」
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メンバーの世話をする/生産効率を上げる努力
メンバーの生産効率を上げる努力
• 必要になる準備をする
– 必要となる物品
– 顧客・関連関連ベンダとの調整事項を事前予測・着手
• メンバーの状況を把握する
– 一緒に取り組んで把握、進捗管理
– 受け身のレポート要求など、丸投げは意欲を下げる
• メンバーを放置する
– 責任意識が強ければ、任せれば頑張り、干渉を好まない
– リスクヘッジのタイミングには注意
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メンバーの世話をする/生産効率を維持する努力
楽しく仕事してもらう– 一緒にアイスクリーム@ららぽーとのフードコート。
– 駅前の和民でビールを一杯
• ミスがあってもヘコませない– どう対処するかをプランニング、一緒にリカバリ
• 無駄な作業をさせない– お使いぐらい、俺だって出来るぜ!
• 気軽に「ありがとう」「ごめんなさい」– 言葉一つで笑顔が引き出せると思えば安いモノ
– 自分の非はさっさと認める。傲慢は信頼を失う
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決断を先送りしない。自分自信で決断する
• プロジェクトの進行中に遭遇した障壁は、自分自身にとっての課題として受け止めて対処する
• ミスや新たに発覚したリスクは最速で摘み取る
– 後の対処で大丈夫ですか?
– 目をつけられると後々大変
• 自分の専門外の事項について
– 専門外でも、後で問題となりそうなモノは判るでしょ?
– 周りの人々は自分ほど慎重ではないかも
– 周りの人々は、問題を見て見ぬフリをしているかも
– 全員が当事者意識を持って取り組む事が一番大事
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決断を先送りしない。自分自信で決断する
その判断は本当に正しいか?
• 「このバグは後で直せばいいや」
– 実は、想像以上に根が深い仕様エラーかも??
– 後になればなるほど、修正に時間がかかるかも??
• 「この問題は誰かが何とかするだろう」
– そんな便利な小人さんは大抵の場合いません
– 後でなんとかするのは、たぶん、自分自身です
• 「とりあえず作業を進めればなんとかなるだろう」
– 本当に大丈夫ですか?
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先送りした問題の解決はコスト高
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強引にまとめ
• 準備に時間をかける
– ゴールを明確にする
– プロジェクト開始当初から「はまりそうな穴」は塞いでいく
• 常に問題を捜し求め、対処する
– 問題は先送りするほどコスト高
– 何事も他人事に思わず問題に取り組む
– 見えている課題を見過ごさない
• 自分ひとりでは戦えない
– まわりの人々とのシナジー効果を
– プロジェクトを自らリードしよう
32
ありがとうございました。