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16/07/20
観光用リアルタイム画像認識システムの構築
5 年情報工学科 兒玉拓巳
本研究の取り組み
花だ !
1 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
黄色だ !
でも品種は何?
花の品種を調べる手段は手探り ( 図鑑等 )
・道端や旅先で花を見つけたとき…
画像認識技術を使って簡単に品種特定
品種特定までの流れ
・作業は大きく分けて以下の 2 フェーズ
1. 入力映像から 花の色・形状の特徴抽出
2. 特徴量データを基に機械学習を用いた識別
3 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
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≡ !
品種を特定し識別結果を表示
第 1 フェーズ (1)… 映像の入力・処理
4 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・識別対象の花をシステムへと入力
入力媒体の種類には幅広く対応
webcam各入力媒体
識別対象の花
撮影 提示
第 1 フェーズ (2)… 映像の入力・処理
5 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・入力パターンの花弁の色はシステム内でまずユーザに指定してもらう
指定された色をターゲット色として処理を開始する
Red
Blue
Yellow
Cyan
Magenta
White入力パターン
第 1 フェーズ (3)… 映像の入力・処理
6 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・入力映像を H,S,V に分割し、閾値処理を施す
閾値操作によりターゲット色のみを抽出
入力パターン
Yellow を指定
閾値処理後の画像
H:15 ~ 40S:76 ~ 255V:127 ~ 25
第 1 フェーズ (4)… 映像の入力・処理
7 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・マスク画像の作成 ( 確認 )
綺麗に黄色の花弁領域を抽出できている
Yellow の抽出画像
第 1 フェーズ (5)… 映像の入力・処理
8 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・膨張 / 圧縮によるノイズの除去&ラベリング処理
最大面積の花弁を抽出し識別対象とする
Yellow の抽出画像Yellow の抽出画像
第 1 フェーズ (6)… 各特徴の抽出
9 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・実際の花弁の色を調べる
Ha, Sa, Vaを色特徴として抽出
花弁領域内の全ピクセルを走査し…
H,S,V 各値の平均値Ha, Sa, Vaをとる
Ha: 46(/180) Sa: 97(/100) Va:79(/100)
第 1 フェーズ (7)… 各特徴の抽出
10 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・凸包内の花弁面積の割合 Csを計算
Csを形状特徴として抽出
花弁領域画像
Cs = 0.982699
第 1 フェーズ (8)… 各特徴の抽出
11 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・花弁の重心Gから各極大・極小点までのユークリッド距離Diを計測
花弁領域画像
第 1 フェーズ (8)… 各特徴の抽出
12 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・花弁の重心Gから各極大・極小点までのユークリッド距離Diを計測
D = 1.111
Diの平均距離値Dを距離特徴として抽出
花弁領域画像
第 1 フェーズ (9)… 各特徴の抽出
13 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
以上、カメラ映像から抽出できた特徴は…
各特徴値をもとに第 2 フェーズの識別へ
・花弁の色相 (H) の全平均値Ha・花弁の彩度 (S) の全平均値 Sa・花弁の明度 (V) の全平均値Va
・ Convex Hull 内の面積値の割合 Cs・重心から頂点までの平均距離値D
(46, 97, 79)
0.983
1.111
第 2 フェーズ (1)… 特徴を用いた識別
14 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・第 1 フェーズで抽出した特徴量を基に 機械学習を用いてクラス分類
入力パターン
識別アルゴリズムは k最近傍決定則を使用
Ha : 46Sa : 97Va : 79Cs : 0.983D : 1.111
特徴空間
第 2 フェーズ (2)… 特徴を用いた識別
15 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・各学習パターンには教師ラベルを付与
各クラス 10パターン以上を学習させる
クラスω1 クラスω2 クラスω3 クラスω4
クラスω6クラスω5 クラスω7 クラスω8...
リアルタイム動作
17 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
ループを繰り返すことで秒単位のリアルタイム動作を可能に
第 1 フェーズ … 入力映像から花の特徴抽出第 2 フェーズ … 特徴量データを基に識別
第 2 フェーズ識別
・両フェーズの作業をOpenCV ライブラリで行う
第 1 フェーズ 特徴抽出
リアルタイム動作の様子
18 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
1 認識 /0.7s程度のスピードに設定
評価実験 :概要
19 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・代表的な 3 クラスを対象に評価実験
クラスω1 クラスω2 クラスω3
花弁の色 白色 黄色 白色
花弁の形状 丸い 丸い 尖っている
実際の識別精度を求める
評価実験 : 結果
20 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・ 3 クラスでの識別結果
IN\OUT クラスω1 クラスω2 クラスω3 Error(%)
ω1 15 0 6 6/21 = 29%
ω2 0 33 0 0/33 = 0%
ω3 2 0 12 2/14 = 14%
評価実験 :考察 (1)
23 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
IN\OUT クラスω1 クラスω2 クラスω3 Error(%)
ω1 15 0 6 6/21 = 29%
ω2 0 33 0 0/33 = 0%
ω3 2 0 12 2/14 = 14%
・クラス ω1 とクラス ω3
花弁色が類似して、形状は異なる
識別精度は完璧ではなかった
評価実験 :考察 (2)
24 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・形状に関わらず、花弁色が異なる花
識別精度は非常に高い (100%)
・形状が異なり、花弁色が類似する花
識別精度は完璧ではない (7~80%)形状に関する特徴が不十分である
社会貢献
25 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・「観光用」なので一般公開を目指す
識別対象を宗谷地方礼文島の花とした
現地で一般観光客の利用を目指している
礼文島に研究の許可は直接交渉済
図 :礼文島の位置小さな島だが 300種もの花が咲く
当システムの改善点
26 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
一般公開を想定して…
・大規模クラス識別への対応
・類似色クラス間での識別率の向上
識別可能な花の品種の増加
形状に関する特徴抽出量を増加
・追加学習の導入の検討
一度識別した未知パターンの特徴量を、学習パターンへと応用できるようにする
おわりに
27 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・最終目標は、識別精度を完璧にし
・もし実用化した場合、地域社会にどれだけ貢献できるか
地域活性化について情報科学からのアプローチ
進学先でも研究を続け、是非実現させたい
システムを実用化して世に送り出す こと
16/07/20
終わり
凸包 : Convex Hull とは
ex.1 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・花弁の頂点を輪ゴムをかけるように線で囲む
凸包領域内の花弁面積の割合を求める
Cs = 0.665528
k 最近傍決定則とは
ex.2 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・最近傍決定則の多数決版
未知パターン
学習パターン 1
学習パターン 2
k番目までに近い学習パターンにより識別
k=3
k=5
k=3 の場合… k=5 の場合…
第 2 フェーズ…特徴を用いた識別 (ex.)
ex.4 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・クラスの内訳
......さまざまな角度や光加減の画像を用意
ex.5 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
全 8 クラス実験結果 ( パターン数 161)
IN/OUT ω1 ω2 ω3 ω4 ω5 ω6 ω7 ω8 e(%)
ω1 15 0 6 0 0 0 0 0 29%
ω2 0 24 0 0 9 0 0 0 27%
ω3 0 0 6 8 0 0 0 0 57%
ω4 2 0 4 22 0 0 0 0 21%
ω5 0 6 0 0 17 0 0 0 26%
ω6 0 0 0 0 1 12 0 0 8%
ω7 0 0 0 0 0 0 13 2 13%
ω8 0 0 0 0 0 0 0 10 0%
当システムの改善点 (2)
ex.6 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・花弁色選択のバリエーションを増加
・映像入力に高画質カメラの導入
システムの識別率の向上のために…
・各学習パターンのサンプル数を更に増加
・学習や識別にNN法ではなくより近代的な SVM等を適用
・クラス分類を大分類→詳細分類→…と階層的に行う
機械学習
ex.7 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
データの集まりから機械に学習をさせ、質問に答えられるようにする
・ K-最近傍ユークリッド距離で近傍なK点の多数決で決定
・決定木if-then方式で tree を組み立て、候補を絞る
・ SVM 線形関数の候補内から最適な関数を選ぶ
評価実験 :考察 (3)
21 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・クラス ω1 とクラス ω2
花弁色が異なり、形状は類似する
識別精度は非常に高かった (100%)
IN\OUT クラスω1 クラスω2 クラスω3 Error(%)
ω1 15 0 6 6/21 = 29%
ω2 0 33 0 0/33 = 0%
ω3 2 0 12 2/14 = 14%
評価実験 :考察 (4)
22 観光用リアルタイム画像認識システムの構築
・クラス ω2 とクラス ω3
花弁色が異なり、形状も異なる
識別精度は非常に高かった (100%)
IN\OUT クラスω1 クラスω2 クラスω3 Error(%)
ω1 15 0 6 6/21 = 29%
ω2 0 33 0 0/33 = 0%
ω3 2 0 12 2/14 = 14%