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hiromasa-iwasaki
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COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES
売り切りと F2P の話
あるいはめんどくさい課金とゲームデザイン
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自己紹介
• ゲーム業界 26 年目のジジイ。• ゲームのプロデビューは PC エ
ンジン• 現在の所属は enish 。主に
ゲームデザインを見る仕事。• 趣味はチュートリアルの修正
+ iphone の USA ランキングのゲームを毎日遊ぶこと。
• 今の執着は暗黙知を形式知にすること。
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AGENDA• F2P の台所
• イマドキなスマホ F2P の予算の構造• “ 売り切り”と” F2P” の間
• 売り切りゲームと F2P の違い。そして、なぜ、売り切りゲームを作る人は F2P で苦戦するのか?
• 海外と国内の違い• 海外の ARPPU とか雑談イロイロ。パート2で絡んでいる
ので、喋れたらしゃべるオマケ。
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F2Pの台所• F2Pがどうしてリスキーで大変で、そしてお金の事を必死で考えないといけないのか。ゲームを作る人はあまり考えたがらないことが多いのですが(正直、その通り)考えないと不幸になる時代なのでしょうがないなあって感じの話
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開発費の基本
• 人月計算の基礎式=1人 100 万円/月• 基礎計算がもっと高い会社もある。
(僕が聞いたので一番高いのは 115 万円)• 平均8人のチームが 10 か月かけて F2P ゲームを作ると…
8人 ×100 万 ×10 か月 =8000 万(これはもはや小さい方に入ると思う)
以降、これは男性向けのスマートフォン F2P ゲームで、かつややコア向けであるという前提で、この例で話を進めたい。
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開発費の回収はどうするの?
• 通常の会社では3か月/6か月。• 韓国ではどんな大作でも3ヶ月だと教えてもらった。• 欧米は1年もある
• 例では1年としたい。• 1年はとってもとっても優しい設定です (‘A`)8000 万円 /12 か月 = 約 660 万 / 月
必要売り上げ =660 万円 / 月
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他の経費は?
• サーバーコスト • 売り上げの 10% 程度を見込んだほうがいい。
これは 660 万をベースにして 60 万円!• 運営費
• 奇跡で4人で運営! 運営施策もなし…マズいけど…
400 万円必要売り上げ =660+400+60=1120 万
円 / 月
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他には?
• 広告費• 予想売上の 20% 以下が適正…と言われているらしいで
す。月の売り上げの 20% を予算として計上。660 万円として、 130 万円。一度しか広告しないとして130 万円。1年に換算して毎月 10 万円。
なお、広告を打たないと1ヶ月で 150DL とかです必要売り上げ =1120+10=1130 万円 / 月
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大きいのがもう一つ…
• プラットフォームのショバ代… 30% !• 約 1600 万の売上を1年続けて初めて回収
• このサイズのゲームですら、1年約2億円の売上を叩き出さないと、哀れクローズなのが現在スマートフォン F2P
必要売り上げ =1130/0.7= 約 1600 万円 / 月
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F2P は日銭商売
• DAU• インストール数と継続率から決まる
• 課金率• ゲームの質に依存
• ARPPU• 人がどれぐらい夢中になってお金を払いたくなるか
売上= DAU×課金率 ×ARPPU
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インストールしてくれる人の数は?
• 130 万円でどれぐらいの人が流入してくるのか?• ターゲットユーザーと、どれぐらいユーザーをとるかで変
わるが 100 円/1人なら優秀だと思う。
130 万 /100=1.3 万初日 DAU = 1.3 万人
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継続率は?
• 1ヶ月継続率の目標 20%• 女性向けで 35-45% なん
て、すごい数字もある。• 継続率は最初にズドーンと落ちて、以降はズルズルと少しずつ減っていくという特徴がある。
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いつから定着したユーザー?
•ガラケーソーシャル• 2週間以上遊んでくれたユーザーは定着と見なす。• スマホでもここは変わらない(と思う)。
• サンプルのゲームでの仮定• 1か月継続した人は1年継続してくれると仮定• 1.3 万人の 20% が1年継続してくれる
…すなわち2600 人が継続してくれる。
このあたりはジャンルで大きく違います。また個人的には FQ= ログイン頻度を重視するのですが、あまりメジャーな尺度ではないので、ここでは単純にアリガチな継続率としておきます。
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課金率
• 1日= 3.0% で「スゲー」• 初期は DAU の 1.5-2倍が週、その 1.5- 2倍が月になる• つまり 2.25~4倍ぐらいが月の課金率
• 課金率は変動する• イベント・ゲームのサービス開始直後・何かに紹介されて
人が増えたなどの理由で変動する。• サービスが長く続くに従い、日=週=月に近づいていく
ここでは 6.6-12.0 の真ん中をとって 9%としておく
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仮想ゲームの最初の回収計算
• 2600(MAU)*0.09=234 人• 1660 万 /234= 約7万円!の ARPPU
• マニア向けの RPG で ARPPU の目安が 8000-10000 円
全く1つも実現不可能
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そうだ ! DAU を増やそう!
•思い切って広告予算を 10倍の 1300 万• こんなことをやると CPI は 150 円ぐらいなる。
• 1300/150= 約 87000 人• 回収に必要な売り上げが約 1760 万に up!• 87000*0.2*0.09=1560• 1760/1566= 約 11200 円 ( 必要 ARPPU)
まだどう見ても無理がある
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継続率をがんばる
• ゲームを改善して継続率を 25% まで上げる• 87000*0.25*0.09=1957• 1760/1957=8990 円
月間継続率 25% 、初日 DAU90000 でようやく開発費の回収が見える
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超カンタンシミュレータ
• 標準値: ARPPU=5000, 課金率 =8%,CPI=150• 開発費=直接開発費+広告費• 必要課金ユーザー数= ( 開発費 / 回収期間+運用費 )/ARPPU
• 必要 DAU= 必要課金ユーザー数 / 課金率• 広告費=必要 DAU/CPIこの式をベースに、継続率 25% でサンプルゲームを回収しようとすると、約 11 万人のユーザーが必要。さらに難易度は上がる
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どうしてこんなことに !?• F2P は本質的には沢山の人が遊んでいるなか、お金を払ってくれる人が少しいるモデル• そもそもユーザー数がないと成り立たない
• マニア向けのタイトルの勝ちパターン• 10000 人 ×10000 円 (ARPPU) =1億 ( 月)
• マニアなので 10% の課金率と仮定して、 10 万 (MAU) のユーザーがいる。事前予約 10 万人というと、それが宣伝になる部類
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この章のまとめ
1. 今の F2P はフツーに作ると 10 万人ぐらいユーザーを集めないと全く勝負にならない。
2. よーく考えても平気で負ける。3. つまり、ものすごくリスクの高い商売になってし
まっている。全然楽じゃないっす。
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売り切りと F2Pの間
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売り切り出身の人あるある
•結構いいゲームができている。「結構出来いいですね。で、どうして儲けるんですか?」「ガチャでも置けば、儲かると…」「○○にはお金払ってくれると思うんですよね」
奇跡が起こらないかぎり儲かりません
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奇跡の起こる確率は?
• 2014 年の App 数=約 75万
• バイラルで盛り上がった(マイナーな)ソフトは両手で余裕で足りる。
• ヒット率は 7 万分の1程度。水戸黄門のパチスロの一番難易度が高い当たりより難しい。
実はゲームは App の 40% ほどなので 3 万分の1ほどになる
発表時には全アプリで書いていた (; ´Д` )
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なぜこんなことが起こるのか?
• 売り切りの世界で必要なゲーム体験と F2P で必要なゲーム体験にズレがある
• それを考えずに作ると売り切りゲームにガチャがついている( F2P としては厳しい)ゲームを作ってしまう。
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ゲーム(の)体験
•感覚的体験(視聴覚優位)• <アートが綺麗>、<操作性が
いい>、<アクションが面白い>、<映画のような感動するシナリオ>
• ロジック体験• <成長が楽しい>、<戦略が楽
しい>、<足りないアレが手に入った>
感覚的体験
ロジック体験
ゲームの体験
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売り切りゲームの体験
• 基本的に<感覚的体験>の構築を重視する。• 数十時間<感覚的体験>を支える<ロジック体験>• だから売り切りの人たちと仕事をすると、ストーリーがつ
くと「ドラマ」になり、手触りを重視する。
RESOGUN uncharted LIMBO
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売り切りの体験にないもの
•長時間(極論すると無限)に渡って運営可能• ゲーム全体がエンドがあるのを前提で作る。ドラマ→最初か
ら最後までプレイすることが前提だし、バランスもそう。• 売り物を織り込むこと
• 感覚的に納得の行く体験=「それで満足する体験」
=そもそも何かを追加する必要が薄い。→うっかりバラして DLC にすると、 DLC 商売などと批判。→ RPG で店で売っている武器がリアルマネーとか。
欧米では店で売ってる「いい武器」がリアルマネーって課金が一応通用する
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「いわゆるソーシャル」の歴史
•「いわゆるソーシャル」が完成したのはガラケー• 一度のプレイタイムが短い(出自は暇つぶし)・画面が小
さい・解像度低い・容量少ない・パフォーマンスない・音を使えない・ UI が 10 キーといった特性。
• 感覚的体験は極端に小さくならざるを得ない。• ロジックでもリアルタイムな体験はまた難しい
•静的なロジックの体験に頼らざるを得ない「いわゆるソーシャル」というのは、日本でいう「 F2P で、フレンド誘導導線があって」みたいなのは、本来のソーシャルゲームの定義からはかけ離れているから。
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いわゆるソーシャルの歴史• マフィアウォーズ• 日本向けにうまく修正したのがロワイヤル。
• TCG の要素を加えたのがドラゴンコレクション。
•「いわゆるソーシャルゲーム」の構造が完成。
2009
2009
2010
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「いわゆるソーシャル」の特徴
•成長そのものが体験• →成長するリソースを手に入れる→リソースが成長する→成長したリソースは強いので楽に勝てる→わあ楽しい!
•「おれ Tuee したいだけ」と言われることがあるが「そここそが中心体験」
• ドラマとか全部後付。フレーバーテキスト同然。
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どうして成り立ったの?
•成長 (RPG)メカニクスは 34 年前にゲームの世界に登場してから人気メカニクスから外れたことがない。
• キャラ作成+成長体験が面白いことがまた証明された
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なぜ儲かったの?
•成長体験と商売は恐ろしく相性が良かった• キモチイイ体験=強さの表現
→成長自体がほぼ目的化•無限に成長可能=無限に成長リソースが必要
• 理論的には無限にユーザーはプレイする。
→常に成長リソースに飢える
この成長リソースに課金した。だから儲かった
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近代ガチャは成長を加速する
• ソーシャル以前のゲーム• 成長リソースを手に入れるためには、ゲームプレイが必要(金・経験値)• 課金があっても成長は一定の時間がかかるものだった。
• 第一の発明• ガチャから引いたモノ=ゲームの必要リソース= Tuee ( TCG)
• 第二の発明• 「手に入れたリソースそのもの(カード)」を合成して経験値にできる。
これがないとガチャから出たリソースが簡単にゴミになる。成長時間を課金すれば0に出来、しかも手に入るモノと成長が一体
化するシステム、すなわち「今のガチャ」ができた
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ところで海外でガチャ使えます
• だいたいゲームロフト NZ でディレクターやった3作、 Wonder Zoo・ LPS・MLP にガチャ入れてる。
• 当時ゲームロフトは日本の圧倒的な ARPPU の源泉はガチャだと考え、全ゲームにガチャをつける計画をやっていた
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ソレ以外にもたくさん
Castle Crush
Hearth Stone
Fallout:Shelter
日本と立て付けが違うだけで、ガチャは普通に機能する
海外の人たちは、いわゆるガチャの演出がピンと来ないらしく、自分がゲームロフトで作っている時も、リアルなものに寄せようとする傾向があった。日本的立て付けは避けるべき
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イベントという武器
•圧倒的な売り上げを出すための主力武器• 成長体験を短い時間で感じさせることが目的。
• 月に何回か実施する• 月初はキャリア課金が一番伸びるので、大きなイベント
月中にふたつ目のイベント…みたいな形
• ソーシャルな人は「イベントのない期間は売上が下がる期間」とまで言う。
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イベントの基本構造
• やり方はいっぱいあるけれど、大雑把な構造は以下
① ガチャにイベントで有利な物を入れてガチャを準備② プレイヤーはイベントが始まるまでにガチャリソースを強化。③ イベントは、スタミナ消費しながら、成長リソースを手に入る④ 成長リソースでガチャリソースを強化。
⑤ 強化されたガチャリソースで「俺 Tuee」!
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イベントの重要なポイント
•「俺<成長して> Tuee」を毎回やる• 毎回、レベル1からレベルを上げて遊んでもらう要素• ユーザーの資産で違いはあるようにすることで、プレイヤー
の資産の蓄積が全く無駄にならないのがポイント• プレイヤー資産大きい=比較的課金が少なくて済む=同じ課金なら、資産大きい方が有利=だから普段からプレイして強化
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実際の売り上げの動き
月初
イベントの追い込みがうまく盛り上がった
ガチャ施策つきの短いイベント
月末近くなので緩いイベント
商品種別 通常時 新ガチャ イベント中ガチャ 50% 70% 40%
いわゆる時短 30% 20% 40%
それ以外 20% 10% 20%
月初イベント準備
典型的な売上構成比
いくつかのゲームをサンプルに作った「こんな風に売り上げは動きます」という仮想の例です。この例ではイベントを月に3回打っていますが、ジャンルやターゲットユーザーによって適正な回数は変動します。一番少ない例は月に1 回、多い例では6回というのもあります。
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日本型の F2P はなぜ売り上げた?•超高速で回る成長サイクル
• 経験値は実質ガチャから供給⇒課金でいくらでも「あっというまに手に入る」
• スタミナ制限⇒課金すればやっぱ無視して、加速。
•無限に成長できる+大量の成長させるもの
沢山消費できるシステムを作って、商品をたくさん並べて、沢山売った、だから儲かった
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日本型 F2P の本質
• 売り切りゲームとは全く別の商売としてのサイクルで出来上がっている。
• このサイクルが速く回せるように出来ているかが、重要。
商品購入
商品消費体験ゲームが商品か、ゲームは商売かで、全く別物。同じ「ゲーム」だと思っていると大間違いで F2P は商売の構造だと理解すべき
売り切りの人の考えるゲーム
ソーシャルの人には一部。しかも出身がガラケーなので極端に小さく考える
たいていガチャ
合成・使用 etc成長する
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ソーシャルと売り切りの定義のズレ
•ソ「ゲームのコアの成長が…」• 僕「ハ? ゲームのコアって『ここでタイミングよくタップして、ウォー ! 決まった!』でしょ?」
•ソ「それはあくまでゲームのオマケじゃないですか?」• 僕「成長メカニクスは大事だけど、ビルの基礎で…」•ソ「なにいってんすか、岩崎さんの言ってる所なんて『宣伝のために必要なだけ』ですよ!」
• 僕「なにワケわかんないこと言ってるわけ?」あるゲームの企画で本当にこういう会話をした
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ガチャを入れればなんとか
• そもそも「成長したい」、「欲しい」と思うリソース(商品)があるからガチャをひく。
• ガチャが成り立つためには、出てくるリソースが確実にプレイヤーを強くする保証がなければ強く機能しない。
このルールには例外があり、ファンがしっかりついている IPモノでは、ガチャから出るリソースはたいていコレクション価値があるので、成長要素は 100% ではなくなる。海外の IP でガチャが入っているものや、アバターゲームのガチャも同じく。
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ガチャ施策が出来るのか?
•ガチャで売上を出す=大量消費• ガチャの中身=商品を大量に消費できるメカニクスが必要ハ
ズレアイテムをどう処理するか?• ガチャ施策は予算を食うガチャ一本でカードなら最低 30枚程度、アバターでも 20 以上入っているのが当たり前。仮に 1個のリソースが3万円で全部できるとしても 100 万単位で予算がいる。
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無限に成長できるデザインか?
•ガチャから出す=無限成長=インフレ• 許容して運営できるゲームデザインになっているか?→たいていできていない
•感覚的体験を壊しやすい→スマホではかなり致命傷•よくやるミス
• 倍率問題。 2x2x2=8倍→超強力に強化されてゲームバランス大崩壊→終了
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ガチャ後付がうまくいかない理由
•無限にリソース(商品)を消費出来ない• 用意すべきリソースが高コストすぎて追加が難しい、バリ
エーションが足りない、すべてのリソースが使える設計になっていない、そもそもリソースを消費する価値がない。
• リソース(商品)自体の種類がたいてい不足• ガチャに入れるとゴミになる商品が多すぎて、ユーザーのガチャを引く意欲を壊す。
ガチャを機能させるためには、ガチャを使えるゲームデザインが必要=商品を売るためには、商品が売れるゲームデザインが必要
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○○は買ってくれると思うんですよ
• 必要でなければ買わない• 必須にすると今度は課金しな
いと進められないゲーム。• 2008-09 あたりの Zynga が
やってた「友達招待するか、金を払うかの2択だ」の変形になりやすい。
http://www.gamezebo.com/
そもそもここの売り上げは小さいまたユーザーが楽しいか疑問
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実体験
• あるゲームの売り上げをなんとかする必要がある• 売り物を探すところから話が始まる→一番なりそうなモノはコスト高すぎ+数不足(明らか)→低コスト化狙いで色変えなどで商品増加→それを目玉にイベントでユーザーを引っ張る→大量追加できないので売上を維持できない→一緒に出るハズレの消費アイテムを処理できない→インフレにも対応できない(対応難易度が高い)→ユーザーからの不満を改善できない
最初から商売を考えた商品設計ができていないとムリがあると実感
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スマホ F2P で大事なコト
• 売り上げ構成=商品構成を最初から考える• ガチャのメリットとデメリットを考える。• ガチャをサブにする課金モデルもあり得る。
• 欧米型のモデルも考える→ただし売り上げは出ない• 中国韓国型モデルの課金も検討→ガチャ依存が比較的低い
•長期運営対策• 感覚的体験はアキる→中韓のゲームは大いに参考になる。• インフレ対策→インフレはユーザーの財産を毀損する。
そしてコアの感覚的ゲーム体験がコンソール並に楽しくなければならない
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スマホ F2P は感覚体験も大事
• いわゆるソーシャルの人のスマホでの苦労• プラットフォーマーでなくなった( GREE/DeNA) の問題→広告宣伝に大きな問題を抱えている問題
• スマホは表現能力はゲームマシン並で、商売は F2P 中心の代物だからロジック体験だけで大ヒットはほぼ不可能。
• 手触りを作るのが苦手なので、売り切りの人を欲しがるが「水と油」なのはオワカリと思う。感覚的ゲーム体験と商売の両輪が必要なのがスマホ F2P
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どんな風にゲーム作って生きていく?
• 売り切りゲームは「ゲームを商品」として売る• F2P は商売のサイクルを回すゲーム
• 何を売るかを考えなければ成り立たない。• 感覚的ゲーム体験とは別のものが必要で、売り切り型ゲー
ムをデザインしている人たちには苦痛なところがある• またソーシャルの人のソレに対する理解が今のところ薄い• ただし売り切り系の人の商売サイクルに対する理解も薄い
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大作・ IP路線• 大予算で大作を作っていく方法
• 沢山人が必要• シリーズものと IP もので、人が入ってきやすくするのが一
番の安全策。• コンソールが苦しんだのと同じ道
• 製作期間長期化→コスト上昇→回収難易度上昇→続編& IPものの山
AAA タイトルと同じで、スマホでもこの路線は絶対に残るお金と IP を持っている会社が取れる道
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小さなゲームを作る
• ゲームを小さくする• コンソールではダウンロード
が一般化するまで 20 年かかったので難しかったが、スマートフォンではあり得る。
• 海外ではある程度実績のあるやり口
• 広告中心モデル&売り切り型ゲームでよく使われる
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海外まで市場を広げて狙う
• 大量消費型でないゲームが成り立つ• アジアでもアクション MO など、従来型の感覚的体験を主軸にしたゲームに課金構造をかぶせた設計が出来る。
• 売り切りゲームに近い構造で、ショップでアイテムをリアルマネーで販売することで、成り立たせることが出来る
• ただし海外(欧米)は国内と UI・通信・アートなどの好みの違いがあるので、最初からそこを考えて作ることが重要
海外(欧米で)で売る=あまり運営にコストをかけず、大量消費ではなく、細く長く売るモデル
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まとめ
• スマホ F2P を作るのはリスキーになっている• そもそもゲームはリスキーだって話はナシ• ちょっと作って数千万かかる世界になっている。
• F2P でゲームを作るのは売り切りとは違う• 面白い、だけでは残念ながらお金にならない。• 最初から商品構成を考え、売れる商品が入っている面白い
ゲーム、を作らなければならない•同じ商売はツライので違う商売を考えるべき
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オマケ海外の市場
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海外の定義
• 海外• 欧(オーストラリア・ニュージーランド含む)• 米• 中国• 東南アジア• 韓国
日本と近い文化感があり、アレンジでヒットさせることが可能
日本とかなり違うので、作る時最初から考えることが必要。
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欧米の主力ゲーム
• 欧米の主力ゲーは CoCみたいな街作ってバトルと、ヘイデイみたいな街作るゲーム
• パズルゲーム( Angry Bird, Candy Crush etc)• TCG勢力拡大中。 HearthStone など• Run ゲームなどのアクションもそれなりに出る
• カーレースとかかなりちゃんと売れる。• PC で無敵を誇る MOBA とかはまだうまく入れてない
日本よりはメカニクス的にはバリエーションが広い
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欧米の ARPPU と課金率
• 課金率• City Builder& CoC系の課金率= 4-5%( 月 )• パズル =1-2%( 月 )• アクション= 0.5-1%( 月 )
• ARPPU• ジャンルにかかわらず 1~2 ドル程度(月)
(元祖 CoC で 2 ドルちょいだったはず)• これはモノによって猛烈に違い、知っているアプリで 12 ドル
ぐらいまで行くのもある。この手のデータは日本・韓国が入ると、欧米の実際からはかけ離れた数字が出てくることが多々あるのに注意
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パケットジャブジャブは嫌われる
• パケットコストが高い→だから家で wifi でゲーム→大きな画面がいい→タブレットでゲーム→ Tablet First が成立
NZ の例。約 5000 円のプラン2.5GB のデータ通信日本のほぼ倍ぐらい
つまり日本型大量供給大量消費型ゲームは通信バリバリなので難易度が高い。とは言ってもサマナーズウォーぐらいまでなら許されるようになってきた
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UI の好みの違い• メイン画面
• コンテンツ・クローム比を極限まで上げたのが好き
• 画面の四隅に小さなアイコンを置くのが主流• アイコンにテキストを書かない。
• そもそも横文字でテキストが長くなり、収まらない(中韓は OK )
• 情報詰め込みを嫌う• スポーツ・SLGなど一部を除くと、極力数値を見せない
• ゲームの演出も出来るだけグラフィックやバーで見せる
ヘイデイ
SimCity Buildit
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プレイヤーの立ち位置を明白に
•「プレイヤー」の立ち位置を重視する• 欧米の言語の特性と言ってもいいが、チューター /Quest
Giver がプレイヤーに向かって話かけるとき、例えば「市長」とか、立ち位置を明白にしないと好かれにくくなる
• ゲーム内に主人公=プレイヤーが置かれ、その主人公をプレイヤーが操作する形式もよく取られる。
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ご静聴ありがとうございました