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shinji-kawarano
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チャネル多様化の中何が一番効果を生む広告運用なのかを考える
株式会社ソシオコーポレーション
メディア事業部Manager瓦野晋治
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自己紹介
•瓦野晋治(かわらのしんじ) 36歳和歌山市出身
•現在の業務
• メディア事業部の編集部業務以外全般(戦略から人事・総務・ゴミ捨てまで)
•キャリア
• 2003年 コミュニティサイト関心空間で在学中にバイト開始
• 2005年 そのまま関心空間で技術職として就職
• 2007年 大手アニメ制作会社の子会社で主にウェブサイト制作ディレクター
• 2008年 ロケットニュース24の立ち上げを手伝う(個人)
• 2009年 コンサルティングファームD4DRで修行
• 2011年 ソシオコーポレーションに本格参加
運営メディア
2008年11月に開始したロケットニュース24と、その英語版、女性ターゲットのPouch[ポーチ]の3メディアを運営
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今日の本題
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•チャネル多様化の中、何が一番、効果を生む広告運用なのかを考える
•チャネル多様化=ウェブメディアにとってホットなのは分散型メディア
•ウェブメディアは多くのプラットフォームにコンテンツを提供している:SmartNews, Gunosy, Antenna, LINEアカウントメディア, Facebook Instant Articles, AMP (Google, Twitter etc.), Instagram, YouTube, Snapchat etc.
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今日の本題
•チャネル多様化の中、何が一番、効果を生む広告運用なのかを考える
•外部プラットフォームでどんな「ビジネス」ができ、稼げるのか?
•の前に…収益の源泉である「コンテンツ」の扱いを考えたい
•外部プラットフォームになぜ配信するのか?
•どうやって読者に届けるのか?
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今日の本題
今まさに試行錯誤をしているところです
今日の内容が正しいとは限りません
いま何を考えているかみなさんと共有、意見を交わし、話し合い、
メディア業界発展の“きっかけ”をつくりたいです
なぜコンテンツを配信するか
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なぜ自社コンテンツを外に出すか?
一見さん
読者
ファン
サイトに来てくれる人はよほどのファン(だと思う)=めちゃくちゃ貴重
外部のプラットフォームで読んでくれた人=うちのメディアを見たことがないかも?=読者・ファンになってくれるかもしれない?
•将来のファンを捕まえたい、その一心です
•自社サイトでリーチできる人は正直なところごくわずか…
実は古くて新しい話
•Yahoo!、MSNといったポータルサイトへの記事配信も同じ構図だった
•今回はプラットフォーム側からメディア側への歩み寄りがみえる
• PCのYahoo! 一強のように雌雄が決していないし、おそらくしないだろう
•海外のプラットフォームもコンテンツ配信に関心がある
• 海外ではポータルサイトへの記事配信は限定的な取り組みだった
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違いの一例 これまで 最近
配信コンテンツ構成
• 画像数枚とテキストのみ• 全てを表示するには提供元サイトへ
• プラットフォーム側で画像、動画すべてを表示 *当初はメディアサイトをWebViewで表示する
ケースが多かった
ピックアップ手法 • 手動 • アルゴリズムによる自動化
収益モデル • 固定額 or トラフィックバーター • プラットフォーム側での売上をレベニューシェア
データ公開 • 先方のアクセス解析ツールorまったく知るすべがない
• メディア側のアクセス解析ツールを導入可能
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収益タイプの整理
配信収益
間接収入 トラフィックバーター
直接収入
固定配信料
レベニューシェア
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なぜこの変化が起きているか?
•1. メディア側の交渉力がそれなりにある状態に(たまたま)なっている
•コンテンツがプラットフォーマーのサービス利用促進につながる?
•あまりに不利な条件ではコンテンツを配信してくれない?
•2. UX向上のため、プラットフォーマーとして当然の手段を取っている
•スマートフォンは処理速度、回線スピード・安定性がPCほどではない
• 表示スピードを向上させるには?
• 記事の配信媒体に関わらず体験を統一するには?
• PCほどの多様性に、ユーザーが慣れていない
コンテンツを届けるために
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そもそもメディア自体にはあまり興味はない
•SNSやキュレーションサービスで届いたコンテンツがどこのメディアに掲載されたものか、誰が書いたかものか、興味がない人は多い模様
• SNSユーザーの43%は、コンテンツの元サイトを知らない:認知率が最低なのはライフスタイル分野(出典:DIGIDAY 2016/5/24公開)
•メディアにはあまり興味がないことを前提に、設計したほうがよさそう
それでもメディアを知ってもらいたい
•継続的にコンテンツを届けるために、メディアを認知してもらいたい
•メディアを認知してもらえれば、打ち手の幅が広がる
•プラットフォーム上でメディアが使える武器はそれほど多くない
•ソーシャルメディアであれば、自身も参加しての活動
•記事のタイトル、アイキャッチ画像の工夫
•解析データから得られるインサイト
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文字通り顔を覚えてもらう
• 1. タイトル、アイキャッチ画像を工夫する
• 記事を読むかどうかの判断材料は、基本的にこの2つ
• 目にしただけで「あぁ、ロケニューだな」(いい意味でも悪い意味でも)
• 2. コンテンツ中の表現を工夫する
•うちの一例:
• おっさんがしょっちゅう写真に写り込んでいるのはそのためかも?
• 「おっさんだすな」という意見を頂戴しますが…すみません、そういうメディアです
• 3. メディアとしてだけでなく、メンバー各自がゲリラ的に活動する
•うちの現状:
• やっているメンバーはデジタルが好きというわけではなく、どちらかといえば、コミュニケーションが好き(なようだ)
• メディアとしての活動も、オフィシャルでやってはいます
どうやったら覚えてもらえるか?
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ソーシャルメディアは個人でも積極参加
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•メディアのいろいろな側面を知ってもらう為に……
•サイトとしてだけでなく、ライター、編集者も積極的にコミュニケーションに参加することが効いてくる=メディアとしてよりも人の方が身近
•むしろ個人の方が深く入り込めるくらい
•癖の強い人たちが表にでることはなるが……
•表現したい、発信したい人たちを抑えるのはナンセンス
•自分たちを嫌いになる人がいても仕方がない=人の好き嫌いはあって当然
• 無視されるよりずっとまし
•彼女を奪ったあいつのことは嫌いだけれど、音楽の趣味は嫌いになれない
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ソーシャルメディアでの活動一例
•自分自信も楽しみつつ、記事の裏側をチラ見せするなどしつつ、自分もフォロワーも楽しむことを第一に活動
どうやってビジネスするか課金や物販などメディアビジネスはいろいろありますが今回は本題の広告の話に絞って……
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メディアのお客さんは読者と広告主の2方向
•メディア広告ビジネスの基本サイクル
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創る
(企画)
作る
(取材・執筆・編集)
売る
(販売)
もてなす
(記事公開・ソーシャル
メディア対応など)
読者
広告主
暇つぶしにもならない / 読みづらい / 不快だ …
効果がでない / 記事のクオリティが低い…
研究
競合メディア新規サービス新規技術
三枝匡著「V字回復の経営―2年で会社を変えられますか」の図をベースに改変
参考)三枝匡3部作はいい本です
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プラットフォーム発展の力になる
•プラットフォーマーとは共存共栄を目指すことが重要だと考える
•レベニューシェアモデルで、プラットフォーム側とメディア側の目標が近づいた
•プラットフォームもまだまだ成長が必要
• どちらか一方だけではなりたたないことをお互いに理解したい
• 気持ちとしては、握手しつつ、片手で殴り合う感じ
読者がどんな人たちかを知る・想像する
•自社サイトの読者像だけでなく、配信先の読者も知っておきたい
•どんな読者をターゲットにしていたか?
•実際にはどんな人たちに支持されているのか?
•配信先プラットフォームにおいては、サービス全体ユーザー像と自分たちのコンテンツに反応している人は違うかもしれない
•仮説でもいいので、読者のイメージがあると役立つ
•コンテンツを企画・編集するときも
•広告を提案するときも
•何かを設計するときも 22
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広告はプラットフォーマーに任せてみる
•1.プラットフォームのユーザーを一番知っているのは、プラットフォーマー(のはず)
•現状では、レベニューシェア対象のプラットフォームの広告商品は、ディスプレイ広告(ネイティブ広告)が多い
•広告枠によっては、メディア契約のアドネットワークや純広告の配信もできるケースもあるが、WebView等々による制約が大きい
•2.現時点では、プラットフォーマーに任せるのが良いのではないか
•プラットフォーマーの収益は、彼らの広告を配信した方が最大化する(はず)
•メディア側の収益が十分でないと、メディアからもプレッシャーをあたえられる
• もっとがんばって欲しいです>SmartNews, Gunosy
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プラットフォーマーの広告
•SmartNewsの場合
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プラットフォーマーの広告
Facebook Instant Articles
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メディアの期待はスポンサードコンテンツ
•制作、掲載に広告主がメディア等に費用を払ったコンテンツのこと
•コンテンツそのものなので、プラットフォームでも流通しやすい
•画像、動画などコンテンツの断片でも使いやすい
•基本的に広告主からの依頼なので、取材や企画への協力が得やすい
•課題
•一番は伝統的ジャーナリズムとの相性の悪さ
• メディアの信頼・ブランドを毀損するのではないか
•肝心のプラットフォーマーが掲載を制限している
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魂を売り渡さない、成果を追求する
•1. メディアとしての矜持を忘れない
•通常コンテンツとして公開しない、公開できないものは受注しない
•読者が見たときに広告と識別できるようにする
•売上と引き換えに、読者に離れられたら本末転倒 (商売基本サイクル)
•2. お金を頂いている以上、クオリティと成果を追求する
•普段のコンテンツからチャレンジすることが大事
• 常日頃、自分達がやっていないことをやってもスベる
• いきなり突拍子もないコンテンツが飛び込んできたら、ファンでさえ受け止められない
•「ネットメディアだから所詮こんなものだよね」と思われないようにクオリティと広告主の成果を追い求める
参考)うちのスポンサード記事
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最後に
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自社サイトの役割がはっきりしてきた
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•トラフィック量としては伸びていないメディアが多いと思いますが…
•1. 自社サイトは自由度が高い貴重な場所
•プラットフォームの気まぐれ運用に振り回されて、出せないコンテンツ、できないことがいろいろ変わる
•2. ファン目線での対策を打ちやすくなりつつある
•いままでは自社サイトも一見さんの来訪の場所として重要だった
•一見さんへのリーチは、外部に役割の多くを移行しつつある
•ターゲットを絞って自社サイトを改善してもいいかも
•自社サイト限定コンテンツで稀少性も打ち出せるかも
アプリは最も濃いファンコミュニティ
•わざわざメディア単体のアプリをインストールして、継続利用してくれる人は……まぎれもなくファン
•ファンであれば……
•プッシュ通知うちやすい
•コミュニケーションもとりやすい
•課題は……
•プラットフォーマー(Apple, Google)の制約を受けること
•ファンといってもインストールのハードルが高いこと 31
メディアはサービス業かも?
•受け手である読者・ユーザーの期待に応えつつ、期待を超えることで、
これからも選択され、影響力をもったメディアであり続けられるのではないか?
•コンテンツを届けるだけで、読者を惹きつけ、ビジネスできるような環境ではなくなった
•メディアだけではく、創り手自身が、コンテンツなど通じてコミュニケーションし、コミュニティを形成する事は大事
•単発ではなく継続したい。地道にコツコツも大事
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メディア間の横連携強化
•プラットフォーマーにメディアの意思を伝えていきたい
•スポンサードコンテンツも掲載できるようにしたい
•データ取得、活用の範囲を広げたい
•近い距離で話しできる関係性を保ちたい
•そのためには、メディアが各自バラバラに話をするのではなく、ゆるくでも連携して、要求を伝えるなどから始めたい
•日本だと、まずは対SmartNews, Gunosyから