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エンジニア・コミュニティで 組織は動き出す 2nd Edition 株式会社ビープラウド 佐藤治夫 2015/10/27 BPStudy#98

エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

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エンジニア・コミュニティで

組織は動き出す

2nd Edition

株式会社ビープラウド 佐藤治夫

2015/10/27BPStudy#98

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スライド(64枚) スライド(94枚)

ユニフォームPyCon JP Tシャツ

(お願い)正装姿の写真を#bpstudy

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2nd Edition について

©PyCon JP 2015

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自己紹介

• 佐藤治夫(Sato Haruo)

• Be Proud Inc. 代表取締役社長 2006年5月23日設立

• Webの受託開発がメイン事業

• connpass 企画・開発・運営

• Python Professional Programming第1版 2012年3月、第2版 2015年2月 上梓

• BPStudy、懇親会98回連続参加中

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テーマ

未来の会社  1.組織  2. エンジニア  3.組織とエンジニア

Pythonを会社のメイン言語に採用(2008年4月) ↓ 会社が大きく変化 ↓ 変化の中で見えて来たもの

エンジニアが活躍する未来の会社はどうあるべきか

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私が会社をつくった当時のエンジニア

2006年当時 ・当時の私 = プログラマ / フリーランス ・世の中 ・企画/営業の人が組織で上  ・エンジニアの給料は低かった

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「(Seasar2がつくられた)当時は,今ほど技術があることに重きが置かれていませんでした。

つまり,技術力のある人が会社の中に埋もれていた時代,プログラマへのフォーカスが外れていた時代,実装に落とすことだけが求められており,すごい技術や新しいことが求められていなかったように思います。」

2004~2006年頃

http://gihyo.jp/news/report/2015/10/2701「さよならSeasar,最後の!? Seasar Conference開催」

私が会社をつくった当時のエンジニア

比嘉康雄さん

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そもそも私が会社をつくった理由

エンジニアが活躍し、幸せになれる会社 はどのような会社であろうか?↓ 「これからの時代の会社」を自分がつくろう

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Pythonの採用

2006年5月~2008年3月 主に Java、perlで開発 !↓ !2008年3月、会社のメイン言語をPythonに決定  ・会社のメンバー4人(役員含む) ・Pythonによる開発実績は0件

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Pythonを採用した理由「これからの時代の会社」を   つくっていくエンジニアを採用したい ↓ Java、PHPのエンジニアは大手会社との争いになる→ 資金量でかなわない ↓ Pythonは個人で使っている人は多いが、仕事で使っている人は当時少なかった ↓ Pythonで仕事ができるようにすれば、大手会社と競争にならず、良いエンジニアが来てくれるのではないか

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目をつけたのは技術よりも人

・仕事で使う機会が少ないのに自ら学ぶ技術への意欲 !・複数言語を知っていてバランス感覚が良い !・自ら技術を選択する主体性

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Pythonを採用した結果

2008年4月、Pythonを採用することをひっそりとTwitterで宣言↓2008年6月、Pythonコミュニティ(Python温泉)から1人目のエンジニアが紹介される ↓ 2008年 2人入社 ↓ 2009年 10人入社 !… その後も次々と入社

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Pythonの採用による会社方針の変化 その1

選択と集中 ・PHP、Ruby、Javaなどの仕事は請けない方針

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Python採用後にリーマンショック!(2008.9)

会社設立

リーマンショック

Python採用 東日本震災

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• 取引先の事業縮小/撤退、事業部解体 • IT開発投資一時停止(2009年3月末を目処に)

取引先に呼び出されて、事業責任者の方が青ざめて・・・

Python採用後にリーマンショック!

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Pythonの採用による会社方針の変化 その2

選択と集中・PHP、Ruby、Javaなどの仕事は請けない方針

・常駐の開発仕事もやめる

リーマンショックのおかげで、常駐仕事が終了 ↓ 会社メンバーが自社オフィスに戻って来た(2009.4)

その2

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異動異動

転職出向

仕事新規事業

別会社 子会社

別事業部

取引先

Python採用後にリーマンショック!

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積極採用開始(2009年9月4日)

• リーマンショック後、世の中は採用に慎重 → 人余り

→優秀な人材を採用するチャンス到来

→採用募集はTwitterのみ

→初の事務職(+テスタ)も採用!

→2010年1月までに9人採用に成功

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会社も移転(移転の度に家賃も2倍…)

2007.9~ 2009.9~

2010.1~ 2011.4~

リーマンショック

東日本震災

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Python採用で偶然学んだ、経営で大事なこと

①社会的ショック

リーマンショック 東日本震災

②社会 の動き

→ 社会的なショックがあった時が弱者のチャンス → リスクを取る

③チャンス

2度のショックとも翌年に会社の売上が1.5~2倍伸びた

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パートナーとして任せてもらえる顧客との信頼づくり  → 信頼される仕事をする  → パートナーとして任せてもらえる顧客を紹介で広げて行く   ※良い顧客は良い顧客とつながっている  → 70件以上のPython開発実績につながっていった  (営業マン0人)

Pythonの採用による会社方針の変化 その3選択と集中・PHP、Ruby、Javaなどの仕事は請けない方針

・常駐の開発仕事もやめる ・信頼の輪を広げて行く その3

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Pythonの採用により どのような人たちが集まってきたか?

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変わったひとたち(Strange People)

ひとことでいうと….

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変わったひとたちが集まって来た

休みやプライベートの時間を使ってPythonの勉強をしたり、集まってプログラミングにいそしむ変わったひとたち…

愛すべき変わりもの(Geek、Nerd)

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Q. 個性が強いエンジニアをどう束ねるの?

度々、質問されること

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Answer 束ねない(制御不能のため)

→ 彼らの声に耳を傾け、経営にしよう → やりたいようにやってもらおう

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shachoのクラウド化(ネット上だけに存在)

python採用2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

自社にいない(客先常駐)自社にいない(客先常駐)

<理由>・自分が色々提示すると、上意下達になってしまう ・入社したばかりの人→社長の自分がいると顔色伺ったりして、 思った通りに行動できないこともある ↓ 自然に生まれてきたもの、自発的に生まれてきたものが 会社の文化になる

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会社に起こった変化

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会社の変化その1

Pythonを好きな人たちが集まった ↓ 会社自体がPythonコミュニティになった

Python

PyCon

FrameworkLibrary

Tool

BP

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会社がPythonコミュニティになった効果

・同じことに共感し、感動できる  → 最新の情報が集まりやすい

・ベースの価値観が一致している  (影響)読みやすさ, シンプル , Zen of Python

→ 合意の形成、意思決定の迅速化 !・Document を積極的に書こうという人が多い   (影響)Python標準ドキュメントの充実、Sphinx

  →暗黙値の共有化、形式知化の促進

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集まったひとたち

・オープンソース を使い、恩恵をうけている ・オープンソース・コミュニティ に参加している ・オープンソースの Contributor として活動している

↓ 会社も自然とオープンソース・コミュニティ型の会社運営に変わって行った

会社の変化その2

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変化の中で見えてきたもの

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これからの時代の会社とは?工業化社会 知識創造化社会

エンジニア

肉体労働者

エンジニア(ナレッジワーカー)が伸び伸びと創造性を発揮し 価値を創り出せる会社

模索中 エンジニアコミュニティ

イマココ

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時代の移り変わり狩猟社会

農業社会

工業化社会

情報化社会

知識創造化社会

知識(暗黙知、形式知)を活用し新たな知識を創り出し、価値を創造する社会

・あらゆるものを  デジタル化

・情報インフラの整備 (ブロードバンド)

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知識創造化社会知識(暗黙知、形式知)を活用し 新たな知識を創り出し、価値を創造する社会

暗黙知

形式知

知識

活動 価値

新たな知識を創造

知識労働者

創造

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組織運営の違い

資本家

工業化時代

の会社

労働者

知識創造化社会

の会社

知識労働者知識労働者の生産性向上のための組織運営=ヒト中心

産業製品の生産性向上のための組織運営=モノ中心

トップダウン(資本家/経営者から)

上意下達

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エンジニア・コミュニティ

ソフトウェア ドキュメント 人のつながり

Python

PyCon

FrameworkLibraryTool

Meetup

価値

エンジニア

エンジニアが中心となり自発的に参加し、さまざまな価値を生み出しているコミュニティのこと

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・組織 ・エンジニア ・組織とエンジニア

知識創造化社会の会社(これからの時代の会社)  = エンジニア(ナレッジワーカー)が伸び伸びと   創造性を発揮し価値を創り出せる会社

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・会社 = コミュニティである ・オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう

組織運営

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同じことに共感し、感動することができる ↓ 暗黙値が共有され、組織内の学習や情報共有につながる ↓ 切磋琢磨の結果、会社が知識レベルがアップし、事業に活かせる ↓ ブランド化

会社 = コミュニティである

→ ジャンルは、事業に関係するものが効果的 ・雑談の積極的奨励 ・場作り(社内勉強会)

コミュニティ  = 同じことに興味をもった人たちの集まり

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SECI(セキ)モデル

共同化(Socialization)

暗黙知

暗黙知

形式知

形式知

表出化(Externalization)

連結化(Combination)

内面化(Internalization)

ペアプロ 雑談

社内勉強会 ドキュメント

製品化 プロセス改善 書籍化

実践での 新知識取得 振り返り

① ②

③④

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1983年 GNU Project

1990年代後半 Open Source Movement

↓ インターネットの発展 ↓ 多くのエンジニア がOpen Source Project に参加 ↓ Open Source Project の コミュニティ化 ↓組織運営・コミュニティ運営ノウハウを培う (エンジニア が創意工夫して培って来たノウハウ) → エンジニアが活躍する、知識創造化社会の会社にも有用

組織 オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう

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・フラットな組織 !

・コミュニティ評議会 !

・コミュニケーション

組織 オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう

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フラットな組織

階層型か、フラット型か?

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階層型組織・組織を管理しやすい ・官僚制  → 管理のためのルールがつくられる ・情報が階層間で滞りやすい → 意思決定のスピードが落ちる ・どうしても出世に目が行く  → 社内に目が向き、社外に対する意識が薄れがち

メリット  管理しやすいので、うまく回れば、上のひとは楽 デメリット  内発的動機、自尊心、好奇心が失われ、創造性が失われる

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ベンチャー企業成長の罠

ベンチャー企業

・創造力 ・想像力 ・未知の領域への大胆な進出 ・先見性に基づく熱意

成功

・顧客に関する問題 ・キャッシュフロー ・スケジュールの遅れ

混乱 階層構造

経営管理のプロの登場

喪失「ビジョナリーカンパニー2」

 ジム・コリンズ 著

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階層構造と官僚制度による起業家精神の抹殺

<われわれ>

<やつら>

<階層構造>特権をもつ経営幹部の階層

→凡庸な企業になっていく

<官僚制度>・手順・手続き ・チェックリスト ・規則

制度の目的:規律の欠如と無能力を補う

嫌気がさして辞めていく適切な人たち

経営のプロ「大人になる時期がきた 経営のプロが必要だ」

<平等な雰囲気>・創造力、想像力 ・未知領域への大胆な進出 ・先見性に基づく熱意

ベンチャー企業

「ビジョナリーカンパニー2」 ジム・コリンズ 著

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官僚的組織の悪循環

規則

管理のためのルール

少数の不適切な人

適切な人

会社を去る不適切な人の割合が増える

規則

適切な人

不適切な人

会社を去る

「ビジョナリーカンパニー2」 ジム・コリンズ 著

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フラット型組織・目的ごとにチームをつくり、役割を決める !・管理のためのルールは最低限   仕事をスムーズにするためのルール ・情報が行き渡りやすい !・出世を気にしなくて良いメリット  価値を創り出すことに集中できる デメリット  組織の管理が難しい

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フラットな組織への取り組み・社長含む役員2人以外は役職無し ・名刺には好きな肩書きを記載

←肩書き

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フラット型組織で大丈夫か?

・セルフマネジメントと信頼関係を重視 ・管理する/管理されるの関係をつくらない

組織にかかるコストを削減できる・管理するコスト ・管理されるコスト ・コミュニケーションコスト

→ 本来やるべき「価値を創り出す」ことに集中できる

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起業家精神(創造性)と規律の関係

偉大な組織

官僚的組織

階層的組織

起業家的組織

起業家精神

規律

低高低

「ビジョナリーカンパニー2」ジム・コリンズ 著

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会社の経営 = コミュニティの運営

経営者 = コミュニティ・リーダー(=役割) !

 経営者は偉い人ではない  ↓  権力ではなく役割である  ↓  リーダーにとって重要なこと   権力ではなく、良い人格をもつこと

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・フラットな組織 !

・コミュニティ評議会 !

・コミュニケーション

組織 オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう

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コミュニティ評議会(Community Council)

・コミュニティ全体を運営する役割を持つグループ !・課題がある場合に、評議会に提出される !・課題について評議会で議論し、方針を決定する

「Art of Community」 Jono Bacon 著 / 渋川よしき 訳 より

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「BP カイゼン」プロジェクト

・会社を改善することを目的 !・月2回、1時間のミーティングを開催 !・社内誰でも参加できる !・redmineで課題管理。  課題がある場合、チケットを作成する !・議事録は全社員に公開、オープンなプロセスで決定

Be Proud の取り組み

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「BP カイゼン」から生まれた制度

BPRD2.0 (BeProud Remote Day)

・週5日間、いつでもリモート勤務可能 !・制度を維持できるように、自分たちで制度を育てている (例)  ・アンケートを取り、問題点を改善する  ・Slackやbot などのツールを活用し、   皆が気持ちよく仕事ができるような仕掛けづくり

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コミュニティ評議会を会社に置くメリット

・自分たちで良い制度を提案し、育てていくことができる  → 当事者意識、参加意識が生まれる !・決定プロセスがすべてオープンなので風通しがよい  → 公正感が生まれる

Page 58: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

・フラットな組織 !

・コミュニティ評議会 !

・コミュニケーション

組織運営オープンソースコミュニティ型運営から学ぼう

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オープンソース・コミュニティ  のコミュニケーション手段・ML

・Issue Tracking System(ITS) ・チャット ・ビデオ通話 ・オフラインミーティング

時間、リソース、場所などの制約が多い・自然にさまざまな手段を使う ・隙間時間で、成果を出している

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リモートワークによるコミュニケーション

導入しているコミュニケーションツール

時間、リソース、場所などの制約が多いのは会社も同じ ↓ !リモートワークの体制づくりにより制約を超える ・時間 → 通勤時間の削減→時間を捻出する ・場所/リソース → 家庭事情などで会社に来れない人も仕事ができる

etc….

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Q. リモートワークは チームでのクリエイティブな     仕事に向かないのでは?

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リモートワークでは段取りが重要

つくるプロセスアイデアを生み出すプロセス

必ずしも全ての時間、顔をあわせて仕事をする必要はない

チームで一緒に仕事 個別に仕事

「アイデアを生み出すプロセス」と「つくるプロセス」 を区別する

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エンジニア・コミュニティ型組織運営 のまとめ会社はコミュニティである・共感による社内知識共有→会社がレベルアップ ・価値観の一致による意思決定の迅速化 !オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう ・フラットな組織により価値・目的に集中できる ・オープンな運営による当事者意識、参加意識、公正感の醸成 ・コミュニケーション手段の効率化により、        時間、リソース、場所の制約を超える

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・組織 ・エンジニア ← Next

・組織とエンジニア

知識社会の会社(未来の会社)

 = エンジニア(ナレッジワーカー)が伸び伸びと   創造性を発揮し価値を創り出せる会社 !→ エンジニア・コミュニティにヒントがある

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創造的なエンジニアになろう

組織貢献

エンジニア

<創造的>

価値

アイデア

創造的なエンジニア  = 主体的に価値を創り出そうとするエンジニアのこと

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オープンソースのコントリビューター

コミュニティ自発的に参加

エンジニア

価値に目を向け、アイデアを持っている ・どのようなソフトウェアが世界に役立つのか? ・どのような機能が便利なのか?

価値

・社会にもたらされる価値に目を向けている・アイデアを持っている ・自発的に参加している

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・不安を乗り越え、主体的になる !

・技術に感動する習慣をもつ !

・価値を創り出すプロセスを学ぶ

創造的なエンジニアになる方法

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創造的なエンジニアになる方法

・不安を乗り越え、主体的になる !

・技術に感動する習慣をもつ !

・価値を創り出すプロセスを学ぶ

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創造性を失わせる最大の敵・不安   “できなかったらどうしよう”

!・恐怖   “できなかったらクビになる”

自分の外のことに怯え、主体性を失い、ディフェンシブな思考になる ↓ 創造性を失う

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未来

不安・恐怖

サバイバルモードと創造モード

ベータ波

アルファ波

シータ波

デルタ波

リラックス

催眠(うたた寝)

睡眠

サバイバルモード

体を守る 環境を守る

創造モード発想・ひらめき

「あなたという習慣を断つ」より

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創造的なエンジニアになるために 不安を乗り越える方法

その1. 技術を身につける !

その2. 今を生きる

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その1:技術を身につける

技術を身につける ↓ 自信がつき、心が安定し、不安が少なくなる

創造的なエンジニアになるために 不安を乗り越える方法

体 → 技 → 心 の順で身につける

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その2:今を生きる

完成したプログラム

プログラミング 不安恐怖

<欲しい結果>

不安・恐怖をもとに頑張る(外発的動機) ↓ 集中できず、結果がでない

「できなかったらどうしよう」納期、品質、満足度 etc…

創造的なエンジニアになるために 不安を乗り越える方法

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完成したプログラム

打ち込む/楽しむ

一旦忘れる(頭の片隅に置く程度にする)

プログラミングそのものを楽しむ(内発的動機) ↓集中できて、結果につながる(フロー状態)

プログラミング

<欲しい結果>

創造的なエンジニアになるために 不安を乗り越える方法その2:今を生きる

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ゾーンに入る技術

認知脳

・ものごと ・環境 ・他人

とらわれる

ライフスキル脳

認知

・仕事 ・やるべきこと

集中

子供は認知脳が育っていないので、遊びに集中できる

自ら集中状態に入るための思考・考え方

「ゾーンに入る技術」 辻秀一 著 より

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ゾーンに入る技術(ライフスキル脳)その1①内発的動機をもとに仕事をする ・得意よりも好きを大事にする ・自らやると決める !②自分に自信を持つ  「結果が出たら自信を持つ」は認知脳の働き !③一生懸命取り組む  →楽しさと充実感を得ることができる  →大人になると「一生懸命取り組むことはしんどいことだ」となる !④「今を生きる」  →過去を後悔する、未来を不安に思うととらわれる

「ゾーンに入る技術」 辻秀一 著 より

Page 77: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

ゾーンに入る技術(ライフスキル脳)その2!⑤ウォッシュアウト思考(コントロールできないことは考えない)

!⑥プリペアリング思考(準備をしておくと、集中できる) !⑦ディファレント思考(多様性、相違点を容認する)  →あれは正しい、あれは間違いとする正誤思考は認知脳の働き !⑧周りに与える(周りを喜ばせると、自分も元気になる)

「ゾーンに入る技術」 辻秀一 著 より

Page 78: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

ゾーンに入る技術(ライフスキル脳)その3

⑨リスペクト思考(周りに敬意を持つ)  →尊敬に値するから尊敬するというのは認知脳の働き !⑩周りに感謝する  →感謝に値するから感謝するというのは認知脳の働き !⑪人を応援する →スポーツチームを応援すると元気が出るのと同じ  (チアリーダー的な元気さ)

「ゾーンに入る技術」 辻秀一 著 より

Page 79: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

・不安を乗り越え、主体的になる !

・技術に感動する習慣をもつ !

・価値を創り出すプロセスを学ぶ

創造的なエンジニアになる方法

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技術に感動する習慣をもつ

(エンジニアを始めた当初)「おー、動いた!」 「この技術は便利だ!」

↓(経験を積んでくると)

「動いて当たり前」 「その技術は想定の範囲内。目新しくない」

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感動すると創造的になれる

感動が少ない人は好奇心が薄れ、記憶も弱まる。→ 結果、退化していく

感動 好奇心 探求心 創造

記憶 アイデア

「感動する脳」 茂木 健一郎 著 より

子供のような好奇心、あるいは冒険心があって初めて、新しいものを生み出す力が生まれてくるのです。

ジェフ・ベゾス(amazon.com創業者)

Page 82: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

・不安を乗り越え、主体的になる !

・技術に感動する !

・価値を創り出すプロセスを学ぶ

創造的なエンジニアになる方法

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価値を創り出すプロセスを学ぶ

・要求開発 ・U理論 ・リーンスタートアップ etc…

価値を創り出すプロセス・考え方、イノベーションについて体系的に学ぶ ↓ 創造的視点が生まれる ↓ アイデアが生まれる

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①ダウンローディング

②観る(Seeing)

③感じ取る(Sensing)

④プレゼンシング

⑤結晶化

⑥プロトタイピング

⑦実践(Performing)

U理論

実現イメージ

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要求開発(匠メソッド)

戦略要求

業務要求

IT 要求

システム開発

<経営者の視点> <現場の視点>

<ITの視点> <開発の視点>

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リーンスタートアップ

アイデア 構築要求 提供

計測

フィードバック

学習

・インタビュー・ブログ反応

・プロトタイプ

使用

MVP(Minimum Viable Product)

MVPをなるべく早くユーザーに提供し、フィードバック・計測を繰り返しながら、より良い製品に近づいていく方法

リーンキャンバス

ユーザー

開発者

Page 87: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

視点→思考→言葉→行為→結果(入力) (出力)

創造の3つのプロセス

→人は自分の視点をなかなか変えられない

アイデア 価値価値創造活動

価値を創り出すプロセスを学ぶ

価値創造プロセスを学ぶと創造の視点が生まれる

Page 88: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

・組織 ・エンジニア ・組織とエンジニア ← Next

知識社会の会社(未来の会社)  = エンジニア(ナレッジワーカー)が伸び伸びと   創造性を発揮し価値を創り出せる会社

Page 89: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

Open Source のContributorのように仕事をしよう

会社貢献

自分の強み(興味)を活かして役割を探し、貢献する

会社仕事

労働契約で決められたことをする

役割 役割

役割 役割

Page 90: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

役割に対して報酬を支払う

会社貢献

報酬 果たした役割 に対して報酬を支払う

重要:役職に対して支払うのではない

Page 91: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

シナジーで社会に価値を生み出す

会社貢献

役割 役割

役割 役割

強み

・自発的に参加したくなる組織づくり  ・組織の目的  ・組織運営

価値創造エンジニア

<創造的>

アイデア

<価値創造インフラ>

シナジー

Page 92: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

まとめ

知識創造化社会の会社

 =「エンジニア・コミュニティ」のような会社

→ エンジニア(ナレッジワーカー)が活躍する会社

Page 93: エンジニアコミュニティで組織は動き出す 2nd Edition(BPStudy#98)

組織運営  ・会社=コミュニティである  ・オープンソース・コミュニティ型運営から学ぼう エンジニア  ・創造的なエンジニアになろう  ①不安を乗り越え、主体的になる   ②技術に感動する習慣をもつ   ③価値を創り出すプロセスを学ぶ

エンジニアと組織の関係  ・オープンソース・コントリビューターのように仕事をしよう  ・エンジニアと会社はシナジーで価値を生み出す

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ご清聴ありがとうございました!

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