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W iti M t iX C P j tWriting MaetriX Corpus Projectの予備的検討の予備的検討
⽯井卓⺒(筑波⼤学⼤学院)
外国語教育メディア学会 (LET) 外国語教育メディア学会 ( )
第54回全国研究⼤会 於福岡⼤学年 ⽉ ⽇2014年08⽉06⽇
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本予備的検討の目的
本予備的検討の目的
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本予備的検討の目的
学 熟度 ( 名) 対象• 国⽴⼤学の2つの習熟度別クラス(計74名)を対象に,WMXを⽤いて3種類のエッセイを収集,⼩規模コーパスの構築・分析
グ プ ダ グを⾏った。学習者のライティング・プロダクトとライティング・プロセスの双⽅に影響を及ぼす要因を可能な限り統制するため,本予備研究ではICNALE (Ishikawa, 2013)のライティング条件に準拠した。
• 習熟度別クラス・語彙サイズとの関係,エッセイのトピックやジャンルによる類似・差異等の分析を通じて,本プロジェクト,の狙いである学習者のライティング・プロセスの可視化の⼀端を⽰す。また,そこから⾒えてくるWMX改良・コーパス構築を⽰す。また,そ から⾒えてくる 改良 ス構築に対する⽰唆についても検討したい。
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簡潔にまとめると4点
本予備的検討の目的
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本予備的検討の目的
1. 事例の紹介2. 「可視化」の⽅法3. WMX Corpus Projectにより可能になる分析案
4. WMXの改善と対応
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事例紹介
事例紹介
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事例紹介
•協⼒者–筑波⼤学の⼀般英語受講者74名
•データ収集期間–2013年度後期
•データ収集回数–3回・ICNALE (Ishikawa, 2013)準拠
事例紹介
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事例紹介
• International Corpus Network of Asian L f E li h (ICNALE)Learners of English (ICNALE)
協力者
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協力者
•筑波⼤学の⼀般英語受講者74名–上級クラス37名(医学)–中級クラス37名(⼈⽂学)但し 最終的な分析対象者は両ク–但し、最終的な分析対象者は両クラスとも15名前後スとも15名前後•理由・対応は後述•理由 対応は後述
データ収集期間
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データ収集期間
•2013年度後期–ライティングの指導を導⼊–1回⽬:指導なし回⽬ 指導あり–2回⽬:指導あり回⽬ 期末試験の 部–3回⽬:期末試験の⼀部
データ収集回数・執筆条件
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データ収集回数・執筆条件
•執筆エッセイ–1回目:Argumentative & Topic A
–2回目:Argumentative & Topic B
–3回目:Expository & Topic A
トピ ク ジ を変更–トピック OR ジャンルを変更
データ収集回数・執筆条件
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データ収集回数・執筆条件
•Topic A– It is important for college students to h bhave a part time job.
i• Topic Bki h ld b l l b d–Smoking should be completely banned at
all the restaurants in the countryall the restaurants in the country.
データ収集回数・執筆条件
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データ収集回数・執筆条件
•執筆時間–20‐40分を⽬安
•執筆語数–200‐300語を⽬安
•辞書の使⽤–無し
データ収集回数・執筆条件
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データ収集回数・執筆条件
回⽬ 回⽬ 回⽬•語数のM & SDの表の挿⼊1回⽬ 2回⽬ 3回⽬
n M (SD) M (SD) M (SD)
上級 ( ) ( ) ( )上級 17 188.94 (32.56) 152.41 (95.10) 179.24 (32.03)
中級 13 167.92 (51.25) 125.55 (42.70) 112.53 (25.92)
データ収集回数・執筆条件
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データ収集回数・執筆条件
•語数のM & SDの表の挿⼊
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「可視化」の方法
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• txtファイル–エッセイ・プロダクトに該当
• klgファイル–エッセイ・プロセスに該当
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• txtファイルの中⾝のキャプチャ
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• klgファイルの中⾝のキャプチャ
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• klgファイルの中⾝のキャプチャ
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• klgファイルの可視化–WMX分析シート ver.1.0
草薙(川⼝・草薙, 2014a, 2014b)
W i i M iX公式サイトよりダウン–Writing MaetriX公式サイトよりダウンロード可能:ロ ド可能: https://sites.google.com/site/writingmetrix/
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
• klgファイルの可視化–klgファイルの中⾝をコピー&ペーストするだけでOKトするだけでOK
将来的にはW bアプリ版の公開も予–将来的にはWebアプリ版の公開も予定定
「可視化」の方法
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「可視化」の方法
•「可視化」 = WMX + WMX分析シート–WMXを⽤いた執筆
グ プ プ ダクト•ライティング・プロセスとプロダクトの記録の記録
–WMX分析シートへの貼り付けWMX分析シ トへの貼り付け•ライティング・プロセスの可視化
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「可視化」したプロセスの見方
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「可視化」したプロセスの見方
•ライティングのサブプロセス–計画(planning)–⽂章化(formulation)執筆時間の %を占める•執筆時間の60%を占める (Manchón et al, 2009)2009)
–推敲(revising)推敲(revising)
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⽂章化計画 Time (min)計画
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「可視化」したプロセスの見方
•ライティングのサブプロセス–優れた書き⼿ほど、計画・⽂章化・推敲のサブプロセスが明確推敲のサブプロセスが明確(e g Manchón et al 2009 Roca de Larios et al(e.g., Manchón et al, 2009; Roca de Larios et al,
2008; Sasaki, 2000; Stevenson et al, 2006; ; , ; , ;
草薙・⾼橋・菊池, 2012)
「可視化」したプロセスの見方
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「可視化」したプロセスの見方
•ライティングのサブプロセス–各サブプロセスの時間配分に関する⽅略的知識が重要⽅略的知識が重要(e g Flo er & Ha es 1981 Roca de Lario s(e.g., Flower & Hayes, 1981; Roca de Larious
et al., 2008; Stevenson, Schoonen, & de , ; , ,Glopper, 2006)
「可視化」したプロセスの見方
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「可視化」したプロセスの見方
•優れた書き⼿はメタ認知能⼒が発達–サブプロセスに関する⽅略の選択
グ–執筆活動のモニタリング etc.((e.g., Cotterall & Murray, 2009; Schoonen et
al 2007; Victori 1992 1999; Victori &al., 2007; Victori, 1992, 1999; Victori & Lockhart, 1995)
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「可視化」したプロセスの見方
•「可視化」したプロセスを通じて–書き⼿のサブプロセス、各サブプロセスの時間配分 語数の増減などを把握スの時間配分、語数の増減などを把握サブプロセスに関する⽅略 執筆活動–サブプロセスに関する⽅略・執筆活動のモニタリングに対する、サポートやのモニタリングに対する、サポ トやフィードバック
「可視化」したプロセスの見方
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「可視化」したプロセスの見方
•「可視化」したプロセスを通じて–書き⼿⾃⾝のサブプロセス、各サブプロセスに関する⽅略 執筆活動のモニロセスに関する⽅略、執筆活動のモニタリングの把握タリングの把握
–メタ認知的能⼒の発達や⾃律学習(⾃メタ認知的能⼒の発達や⾃律学習(⾃⼰調整学習)の促進
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「可視化」したプロセスの分析案
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•ライティングのサブプロセス–⽂章化が執筆時間の60%を占める(M hó l 2009)Manchón et al, 2009)学習者のレベルが上がるに連れて–学習者のレベルが上がるに連れて•計画の時間:⻑くなる•計画の時間:⻑くなる•⽂章化の時間:短くなる⽂章化の時間:短くなる
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•予期される語数の時系列推移–計画:増加または増減(ほぼ無し)–⽂章化:増加または増減(多い)推敲 増加または増減(少な )–推敲:増加または増減(少ない)
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•語数の時系列推移のモデル化–ポアソン分布(Poisson distribution)
定期間 間 起 得 事•⼀定期間・区間において、起こり得る事象の頻度を⽰す分布象の頻度を⽰す分布
•λ (lambda)という値で定義・算出( ) う値で定義 算出–e.g., 勤務時間中のメールの受信数・特定の道路で起こる交通事故の件数
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
• Lambdaの値を変化した図の挿⼊
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•ポアソン分布への適合–「可視化」した学習者のライティングプロセスは ポアソン分布に適合す・プロセスは、ポアソン分布に適合す
ることが予期されるることが予期される–適合度が最も⾼いλの値=プロセスに適合度が最も⾼いλの値=プロセスに焦点を当てた、ライティングの評価指標?
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•サブプロセスを⽰さない学習者–ライティング開始〜終了の間、⼀貫して語数が増加または増減て語数が増加または増減線形プロセス(線形回帰モデル)–線形プロセス(線形回帰モデル) vs. ポアソン分布ポアソン分布
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「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
推敲
⽂章化?
計画?計画?
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「可視化」したプロセスの分析案
•ライティング・プロセスのモデル化–学習者のライティング・プロセスは、線形回帰モデルとポアソン分布のどち線形回帰モデルとポアソン分布のどちらにより適合するのか?らにより適合するのか?
–熟達度、指導の有無、トピック、ジャ熟達度、指導の有無、トピック、ジャンル、個⼈と集団の差 etc.
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習熟度別クラス
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上級クラス
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個人と集団
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個⼈(例) 集団個⼈(例) 集団
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平均
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「可視化」したプロセスの分析案
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•学習者のライティング・プロセス–線形回帰モデルに適合?
ピ–熟達度、指導の有無、トピック、ジャンル 個⼈と集団の差 tンル、個⼈と集団の差 etc.
様々な要因が影響を及ぼしている 複–様々な要因が影響を及ぼしている、複雑なプロセス雑なプロセス
「可視化」したプロセスの分析案
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「可視化」したプロセスの分析案
•川⼝勇作・室⽥⼤介・後藤亜希 (2014, August).『エッセイライティングにおける増加語数の『エッセイライティングにおける増加語数の時系列推移傾向はエッセイ評価を予測するか:線形回帰モデルおよびポアソン分布へのフ
テ ングを⽤ て』全国英語教育学会ィッティングを⽤いて』全国英語教育学会(JASELE)第40回徳島研究⼤会(JASELE)第40回徳島研究⼤会.
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WMXの改善と対応
WMXの改善と対応
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WMXの改善と対応
•協⼒者74名 > 分析対象者30名–Wordで書いてWMXへ貼り付け–授業アンケートの中で理由を質問「 ドカウ トがな 語数が–「ワードカウントがないので、語数がわからずWordを使った」わからずWordを使った」
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WMXの改善と対応
•WMX version 1.1のリリース–記録開始直前のカウントダウンの表⽰–現在時刻の表⽰記録開始から 経過時間 表–記録開始からの経過時間の表⽰語数の表⽰(ワ ドカウント)–語数の表⽰(ワードカウント)アイコンの変更–アイコンの変更
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WMXの改善と対応
•WMXの改善–迅速な改善・対応–異なるバージョンは併存旧版も使⽤可能•旧版も使⽤可能
インタ ナショナル版も開発中–インターナショナル版も開発中フィ ドバックは随時募集–フィードバックは随時募集
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参考文献参考文献
• Flower, L., & Hayes, J. R. (1981). A cognitive process theory of writing. Collegecomposition and communication, 32, 365–387. Retrieved from http://www.jstor.org/stable/356600stable/356600
• Ishikawa, S. (2013). The ICNALE and sophisticated contrastive interlanguage analysisof Asian learners of English. Learner Corpus Studies in Asia and the World, 1, 91–118.
• Manchon, R. M., Roca de Larios, J., & Murphy, L. (2009). The temporal dimension andproblem‐solving nature of foreign language composing processes: Implications forth I R M M h (Ed ) W iti i f i l t t L itheory. In R. M. Manchon (Ed.) Writing in foreign language context: Learning,teaching, and research (pp. 102–129). Bristol, UK: Multilingual Matters.
• Roca de Larios, J., Manchon, R., Murphy, L., & Marin, J. (2008). The foreign language, , , , p y, , , ( ) g g gwriter's strategic behaviour in the allocation of time to writing processes. Journal ofSecond Language Writing, 17, 30–47. doi:10.1016/j.jslw.2007.08.005
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参考文献参考文献
• Sasaki, M. (2000). Toward an empirical model of EFL writing processes: Anexploratory study. Journal of Second Language Writing, 9, 259–291.doi:10 1016/S1060‐3743(00)00028‐Xdoi:10.1016/S1060‐3743(00)00028‐X
• Stevenson, M., Schoonen, R., & de Glopper, K. (2006). Revising in two languages: Amulti‐dimensional comparison of online writing revision in L1 and FL. Journal ofSecond Language Writing, 15, 201–233. doi:10.1016/j.jslw.2006.06.002
• 川⼝勇作・草薙邦広 (2014).「WritingMaetriXによるライティングプロセス研究の⼿引き:デ タの収集・表計算ソフトを援⽤した分析・今後の展望」『外の⼿引き:データの収集・表計算ソフトを援⽤した分析・今後の展望」『外国語教育メディア学会中部⽀部外国語教育基礎研究部会 2013年度報告論集』,43–52.
• 川⼝勇作・草薙邦広 (2014, February).『WritingMaetriXと表計算ソフトを⽤いたライティングプロセスの分析⽅法』外国語教育メディア学会 (LET)中部⽀部外国語教育基礎研究部会第 回年次例会 名古屋⼤学国語教育基礎研究部会第1回年次例会,名古屋⼤学.
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参考文献参考文献
川 勇作 室 ⼤介 後藤亜希 『 セイ イ グ お• 川⼝勇作・室⽥⼤介・後藤亜希 (2014, August).『エッセイライティングにおける増加語数の時系列推移傾向はエッセイ評価を予測するか:線形回帰モデルおよびポアソン分布へのフィッティングを⽤いて』 全国英語教育学会およびポアソン分布へのフィッティングを⽤いて』 全国英語教育学会(JASELE)第40回徳島研究⼤会,徳島⼤学.
• 草薙邦広・⾼橋改太・菊池優希 (2012, August).『キー⼊⼒記録システムを⽤いた英語学習者のライティングプロセス分析:語数・推敲回数・正確さの時系列推移』外国語教育メディア学会 (LET)第52回全国研究⼤会,甲南⼤学.
石井卓巳 (E‐mail: [email protected])