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2014経営分析論Ⅰ⑨

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Page 1: 2014経営分析論Ⅰ⑨

経営分析論Ⅰ⑨損益計算書による収益力の分析

Page 2: 2014経営分析論Ⅰ⑨

• 収益(売上高)・費用・利益 利益 = 売上高 − 費用売上高:企業が一会計期間において,主たる営業活動から稼いだ    収益の合計額 →企業の本業によって獲得した収益規模そのものを示す。費用:収益を獲得するために消費した金額 →費用にはさまざまな性質のものがあるので,差し引く費用に  よって計算される利益の性格は異なる。

損益計算書による段階的利益と利益率

Page 3: 2014経営分析論Ⅰ⑨

• 利益計算の3段階①営業損益:売上高から売上原価,販売費及び一般管理費を引いた      営業活動(本業)に関わる損益計算②経常損益:営業損益に,主要な企業活動の1つである財務活動      (営業外活動)による損益を含めた損益計算③純損益 :経常損益から特別な事由で発生した損益,法人税等を      差し引いて算出されたその会計期間における企業が      生み出した最終的な利益額の計算

損益計算書による段階的利益と利益率

Page 4: 2014経営分析論Ⅰ⑨

損益計算書による段階的利益と利益率売上高

営業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価 売上総利益− 販売費及び一般管理費 営業利益+ 営業外収益− 営業外費用 経常利益+ 特別利益− 特別損失 税引前当期純利益− 法人税等 当期純利益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

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• 売上総利益:売上高から売上原価を差し引いた利益のこと。売上原価の意味商業 :仕入高のうち当期の売上に対応している分を示す金額製造業:製造原価のうち当期の売上に対応している分を示す金額→売上高から当期に販売した商品・製品の仕入・製造活動に要した 原価を差し引いたもの

売上総利益率:粗利による収益率

• 売上総利益率の計算式

売上総利益率 =売上高

売上総利益

売上総利益率が高い(低い)→利益率が高い(低い)=マークアップが高い(低い)

利益率の分析には商品・製品の特徴,業界の取引慣行,競争状況などの産業特性に配慮する必要がある。

損益計算書による段階的利益と利益率売上高 営

業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価営業損益

経常損益 純

損益

 売上総利益 売上総利益

営業損益

経常損益 純

損益

− 販売費及び一般管理費

営業損益

経常損益 純

損益

 営業利益 営業利益

営業損益

経常損益 純

損益

+ 営業外収益

経常損益 純

損益

− 営業外費用

経常損益 純

損益 経常利益 経常利益

経常損益 純

損益

+ 特別利益

純損益

− 特別損失

純損益

 税引前当期純利益 税引前当期純利益

純損益

− 法人税等

純損益

 当期純利益 当期純利益

純損益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

Page 6: 2014経営分析論Ⅰ⑨

• 営業利益:売上総利益からさらに「販売費及び一般管理費」を     差し引いた利益のこと。販売費及び一般管理費の意味本社や営業所などで消費される販売活動や管理活動によって発生した費用のこと。販売費:比例的に発生する。一般管理費:固定的に発生する。

売上高営業利益率:本業による収益力

• 売上高営業利益率の計算式

売上高営業利益率 =売上高

営業利益

売上総利益率と比較することで,販管費が効果的に売上拡大という成果に結びついているかを把握できる。

損益計算書による段階的利益と利益率売上高 営

業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価営業損益

経常損益 純

損益

 売上総利益 売上総利益

営業損益

経常損益 純

損益

− 販売費及び一般管理費

営業損益

経常損益 純

損益

 営業利益 営業利益

営業損益

経常損益 純

損益

+ 営業外収益

経常損益 純

損益

− 営業外費用

経常損益 純

損益 経常利益 経常利益

経常損益 純

損益

+ 特別利益

純損益

− 特別損失

純損益

 税引前当期純利益 税引前当期純利益

純損益

− 法人税等

純損益

 当期純利益 当期純利益

純損益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

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• 経常利益:営業利益に,営業外収益を加算して,営業外費用を控除した     利益のこと。営業外損益の内訳営業外収益:企業が保有する金融資産から受け取る利息や配当 など営業外費用:資金の借入に際して支払う利息 など

売上高経常利益率:正常な状況による会社の実力

• 売上高経常利益率の計算式

売上高経常利益率 =売上高

経常利益

正常的な状況における企業の利益獲得能力に関する総合的な収益性指標

→ 異常な項目を除いた経常的なすべての企業活動から獲得した利益損益計算書による段階的利益と利益率売上高 営

業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価営業損益

経常損益 純

損益

 売上総利益 売上総利益

営業損益

経常損益 純

損益

− 販売費及び一般管理費

営業損益

経常損益 純

損益

 営業利益 営業利益

営業損益

経常損益 純

損益

+ 営業外収益

経常損益 純

損益

− 営業外費用

経常損益 純

損益 経常利益 経常利益

経常損益 純

損益

+ 特別利益

純損益

− 特別損失

純損益

 税引前当期純利益 税引前当期純利益

純損益

− 法人税等

純損益

 当期純利益 当期純利益

純損益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

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• 当期純利益:経常利益から特別損益を加減し,さらに法人税等の金額を      控除したもので,企業が獲得した最終的な利益額特別損益の内訳臨時的に生じた利益や損失,あるいは前期までの利益計算を修正するための項目など,当期の日常的・反復的活動とは関係のない利益や損失

売上高当期利益率:当期最終利益からみた収益力

• 売上高当期純利益率の計算式

売上高当期純利益率 =売上高

当期純利益

→ 当期純利益は企業の所有者である株主にとって最も重要な利益損益計算書による段階的利益と利益率売上高 営

業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価営業損益

経常損益 純

損益

 売上総利益 売上総利益

営業損益

経常損益 純

損益

− 販売費及び一般管理費

営業損益

経常損益 純

損益

 営業利益 営業利益

営業損益

経常損益 純

損益

+ 営業外収益

経常損益 純

損益

− 営業外費用

経常損益 純

損益 経常利益 経常利益

経常損益 純

損益

+ 特別利益

純損益

− 特別損失

純損益

 税引前当期純利益 税引前当期純利益

純損益

− 法人税等

純損益

 当期純利益 当期純利益

純損益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

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• インタレスト・カバレッジ・レシオとは?本業によって得られた営業利益と金融活動によって得られた受取利息・配当金で,毎期支払わねばならない利息=支払利息を賄うことができるかを示す指標

インタレスト・カバレッジ・レシオ:利払い能力を見る

• インタレスト・カバレッジ・レシオの計算式

インタレスト・カバレッジ・レシオ =

支払利息

営業利益+受取利息・配当金

→この値は高ければ高いほど,利払能力が高く, 健全経営であると言える。

損益計算書による段階的利益と利益率売上高 営

業損益

経常損益 純

損益

− 売上原価営業損益

経常損益 純

損益

 売上総利益 売上総利益

営業損益

経常損益 純

損益

− 販売費及び一般管理費

営業損益

経常損益 純

損益

 営業利益 営業利益

営業損益

経常損益 純

損益

+ 営業外収益

経常損益 純

損益

− 営業外費用

経常損益 純

損益 経常利益 経常利益

経常損益 純

損益

+ 特別利益

純損益

− 特別損失

純損益

 税引前当期純利益 税引前当期純利益

純損益

− 法人税等

純損益

 当期純利益 当期純利益

純損益

• 損益計算書による収益力分析は,売上高と各種の利益を比較するという視点が有益→売上高に,売上総利益,営業利益,経常利益,当期純利益の4種類の 利益を対応させた財務比率指標を用いて分析する。

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練習問題

  スターバックス ニトリ サイゼリヤ 西日本鉄道 任天堂 日本電産(単独)

売上高 107,754 314,291 99,860 323,891 1,014,345 146,740

売上原価 28,474 141,807 32,418 287,182 626,379 117,632

売上総利益 79,280 172,484 67,442 36,709 387,966 29,108

販売費及び一般管理費 71,484 119,818 55,889 25,726 216,889 22,309

営業利益 7,796 52,666 11,553 10,983 171,077 6,799

営業外収益 294 2,062 862 1,824 8,602 23,433

 うち受取利息・受取配当金 8 439 204 613 6,870 22,013

営業外費用 32 1,133 433 3,620 51,577 7,914

 うち支払利息 3 355 25 2,870 0 216

経常利益 8,058 53,595 11,982 9,187 128,102 22,318

特別利益 91 72 42 2,979 186 269

特別損失 335 2,053 1,803 2,889 353 291

税引前当期純利益 7,814 51,614 10,221 9,277 127,935 22,296

法人税等 3,968 20,794 5,054 3,392 50,262 313

当期純利益 3,844 30,822 5,874 5,782 77,621 21,983

• 下記の損益計算書をもとに各社の指標を計算してみよう。また,産業特性を踏まえた上で,その特徴を簡単に整理してみよう。

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練習問題• 下記の損益計算書をもとに各社の指標を計算してみよう。また,産業特性を踏まえた上で,その特徴を簡単に整理してみよう。

スターバックス ニトリ サイゼリヤ 西日本鉄道 任天堂 日本電産

売上総利益率 73.57% 54.88% 67.54% 11.33% 38.25% 19.84%

売上高営業利益率 7.23% 16.76% 11.57% 3.39% 16.87% 4.63%

売上高経常利益率 7.48% 17.05% 12.00% 2.84% 12.63% 15.21%

売上高当期利益率 3.57% 9.81% 5.88% 1.79% 7.65% 14.98%

インタレスト・カバレッジ・レシオ 2601.33 149.59 470.28 4.04 --- 133.39

非製造業(スタバ・ニトリ・サイゼリヤ)の粗利率が極めて高い。 ニトリと任天堂の売上高営業利益率が高い。 日本電産の売上高当期利益率が高い。西日本鉄道は総じて利益率が低い。