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日本学術会議公開シンポジウム「学校教育にもとめられるオープンデータを活用できる人材育成」(2014年8月20日 東京:日本学術会議講堂)
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オープンデータと地理 / 防災教育
2014.8.20 日本学術会議シンポジウム
「オープンデータと学校教育」伊藤 智章(静岡県立裾野高等学校)
概要1.はじめに
2.事例紹介
3.まとめと提言
1.はじめに
平成26年度 科研費奨励研究
オープンデータを活用した
汎用性の高い防災教育教材の開発と実践
想定浸水区域(福知山市)
国土数値情報⇒KMLマニュアル
http://itochiriback.seesaa.net/article/403894440.html
なぜ今、オープンデータなのか?
オープンデータを活用する人材とは何か?
・地理情報はオープンであることが大前提
・地名や位置は、誰のものでもない
(1)なぜ今(今さら?)、「オープンデータ」なのか?
地理情報の整備・提供は国レベルで先行
自治体レベルで独占一般市民へはアレンジしようのない一方的な提供が続いてきた
典型例=ハザードマップ(含:Web-GIS)
素材(データ)
それ自体はまずくない
腕によりをかけて料理した結果
藤子不二雄(1977)『ドラえもん 13巻』44p.
「ジャイアンシチュー」を量産して来た
・限られたスペース(地図・なべ)に大量の具材(情報)を入れている・好みに関わらず全員(強制)配布
「ジャイアンシチュー」と「ハザードマップ」の共通点
新学習指導要領は
「ハザードマップの活用」を謳っているが
「ジャイアンシチュー」で行われる地理・防災教育。
危険か?住まない方がいいか?どっちだ?・・・・極めて一面的な解釈に終始
ま、滅多に使うもんじゃないし
批判しても角が立つし・・・。黙っておこう
「オープンデータ化」素材そのものを提供すること
ただし、使いづらい
シチュー 刺身定食
冷たいものは冷たく、熱いものは熱く
味付けはシンプルに
地理教育・防災教育は劇的に変わるはず
「スマホアプリ」「Webアプリ」作りが全盛だが
日々の授業にはちょっと不向き。「デパ地下の惣菜」を学校給食で出すようなもの)
2.事例紹介
キーワードは「アプリ化」
原材料を手に入れ
自分で地図を作る
既にあるマップを
美味しくアレンジする
仕入れは「ネットから」とは限らない
食器はパソコン/スマホだけではない。→“アナログアプリ”の威力
【事例1】 ビッグマップ
A4 50枚にプリントアウト
(勤務校の文化祭展示)2014.6.1
GISソフト「地図太郎Plus」普通のPCとA4プリンタが
あれば、ビッグマップが作れる
国土交通大臣賞受賞(2011)(標高区分図のビッグマップ)
「オープンデータ」の充実で、より多様なアレンジが可能に
沼津付近の標高と元禄東海地震(1703.12.31)の津波到達範囲(静岡県オープンデータ)
裾野市の町内会区割りと避難所の分布(裾野市オープンデータ)
裾野市内の土石流警戒斜面(国土数値情報)
・防災訓練・防災イベント用の
オーダーメイド・ハザードマップ
利用シーンを考えて地図を作り、一緒に使い(解説し)、フィードバックを受けて改善する経験→教育効果
•町内会の合意事項を
書き込んでおく白地図が欲しい
•妊産婦、幼児を連れた母親向けに情報提供できる地図が欲しい。
危険個所探しの地図
→解決策(ソリューション)ファーストの地図へ
【事例2】
災害に対応するための既存資料の“オープンデータ化”
公開はされている資料にひと手間かけて二次利用しやすくする
→おいしくする→過程で学ぶ
(1)ハザードマップに位置情報を与えてGoogle Earthへ
フリーGISソフト“QGIS”
ハザードマップに位置情報を与えピタッと合うように自動変形する機能あり
http://itochiriback.seesaa.net/article/223297951.html
(2)災害情報の可視化(2014年2月山梨豪雪)
甲府市125cm(2/14-15)
国土数値情報「気象平年値メッシュ」より山梨県の降雪量(積算値)
データ加工のためのマニュアル作成・公開
http://itochiriback.seesaa.net/article/389586828.html
県が発表する孤立集落の一覧集落名と世帯数がただ並ぶだけ⇒ニュースは読み上げるだけ
住所を調べて緯度経度を振り、データ化
更に使いやすく
できればこのプロセスを生徒にやらせたい
孤立集落の地理的分布
×水系
孤立集落の地理的分布
×地形図
東京都
山梨県
孤立集落の地理的分布
×水系+土石流警戒斜面
東京都
山梨県
(3)iPadアプリ「震災記憶地図」
3.まとめと提言
・地理情報はオープンであることが大前提
・地名や位置は、誰のものでもない
地理教育・防災教育から見た「オープンデータ」
我々、教員の役割は
藤子不二雄(1977)『ドラえもん 13巻』44p.
「ジャイアンシチュー」(とその礼賛)から脱却すること
どう?危険か?
住まない方がいいか?どっちだ?
素晴らしい実践が!!!高まる防災意識!!!
「素材」に立ち戻りちゃんと料理しなおすチャンスが到来!
シチュー 刺身定食へ
味付けは、各自でどうぞ
素材をもっと使いやすく!
アプリケーション
スマホのソフトを作り、既存データを利用することだけが
「オープンデータの活用」とは限らない
より良い素材をよりおいしく
•地理に限らずすべての教師の本能です