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岩手医科大学臨床研修指導医研修@appi 臨床研修 明るい未来をデザインする 池上敬一 獨協医科大学越谷病院 141011

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141011 岩手医大FD ID実践による臨床研修の改善

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岩手医科大学臨床研修指導医研修@appi

臨床研修 明るい未来をデザインする

池上敬一 獨協医科大学越谷病院 141011

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ゴールを設定する

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2年後のパフォーマンスゴール(Generic)

❖ 医師に期待される態度・習慣・コミュケーション能力を身につける

❖ 一般的な初診・救急患者の初期診療ができる

❖ 医療全体のプランニングができる

❖ 医療チームのリーダーができる

❖ 入院患者のマネジメントができる

❖ 一人当直ができる・患者急変に対応できる

❖ 医科学で社会貢献できる基礎を作る

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発達レベル❖ レベル1

❖ 通常の業務(繰り返し、ルーチン)を遂行できる

❖ 定義・ルールが応用できる

❖ レベル2

❖ よくあるノン・ルーチンに対応できる

❖ 基本的な問題解決ができる

❖ レベル3

❖ あらゆる状況に対応できる

❖ 危機的な状況に対応できる

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レベル3❖ レベル1→レベル2→レベル3、はメタ認知能力・究極の鍛錬が必要

❖ とても長い時間がかかってしまう

❖ 効果的・効率的にレベル3を達成するには学習デザインが必要

❖ エキスパートのスクリプトを利用する

❖ 医学部・看護学部1年次から

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病院のミッションを反映

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臨床研修の評価と方法

研修医は学習内容を業務で活用できているか・パフォーマンスは向上しているか

研修医の行動変容により得られた組織貢献度・地域医療への貢献度を評価

レベル3 Behavior

レベル4 Result

学習内容 ❖ 卒前教育 ❖ 自己学習 ❖ 勉強会 ❖ カンファレンス

研修方法 ❖ 業務が方略 ❖ 評価法を共有 ❖ 自己評価 ❖ 振返り

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「初診・かかりつけ患者の救急診療ができる」

❖ 状況:救急外来・時間外診療

❖ 対象:救急患者・ウォークイン患者(初診患者、かかりつけ患者、紹介患者)

❖ チーム:研修医2名、看護師2名、放射線、薬剤師、指導医

❖ 責任範囲:一次評価、救急処置、二次評価、治療・ケア、disposition決定(帰宅、経過観察、入院、コンサルト、外科的処置、救命処置の判断)、指導医の最終チェックを受ける

❖ 評価:チェックリスト、ルーブリック、振返り

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評価法を決める

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「初診・かかりつけ患者の救急診療ができる」

❖ 状況:救急外来・時間外診療

❖ 対象:救急患者・ウォークイン患者(初診患者、かかりつけ患者、紹介患者)

❖ チーム:研修医2名、看護師2名、放射線、薬剤師、指導医

❖ 責任範囲:一次評価、救急処置、二次評価、治療・ケア、disposition決定(帰宅、経過観察、入院、コンサルト、外科的処置、救命処置の判断)、指導医の最終チェックを受ける

❖ 評価:チェックリスト、ルーブリック、振返り

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医療実践能力❖ アセスメントができる

❖ 感覚・数値・テキストとして得た情報を統合し、時間軸の変化として解釈し、将来を予測できる

❖ 状況のアセスメント・患者のアセスメントからリスクを理解

❖ 達成しうるベストなアウトカム・急変を予測できる

❖ 自己ブリーフィング(業務の段取りを確認する)ができる

❖ 業務を安全・確実な実践できる

❖ 評価→判断→決定→実行→結果の評価→(サイクル)

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業務遂行能力❖ 知的技能の最上位にある問題解決プランの立案

❖ 識別・定義・ルール、患者ごとに問題解決を生成できる

❖ 手技ができる

❖ 自分をコントロールできる(自分を整える)

❖ 感情・思考・言動のコントロール

❖ 他者をコントロールできる(他者を整える)

❖ 交渉、影響、チームワーク

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「初診・かかりつけ患者の救急診療ができる」の評価

❖ 事前情報からどのような状況・予測を行ったか?

❖ チームのブリーフィングと準備

❖ 初期観察:見て・聴いて・触って・臭って行うアセスメント(識別)

❖ 救命処置:スキーマ

❖ 一次評価:経験則、スキーマ、ルール

❖ 二次評価:情報の統合と事例ライブラリを使って問題解決を生成

❖ 鑑別診断の精度を高めるプロセスの説明:ロジカルシンキング

❖ 診断、処置・治療・ケア、disposition、コンサルトのタイミング・・・

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アウトカム基盤型のプログラム ❖ 「慢性腎疾患患者の食事指導ができる」

❖ 「できるようになった」ことを評価する方法を記載する。

❖ 例:慢性腎疾患患者3例に対し、食事指導プランが策定できる、プランの妥当性を指導医に説明できる、説明内容が合格基準に達する、実際に食事指導ができる。

❖ 「できるようになる」ための学習プロセスを記載する。

❖ 例:事前学習で食事指導の知識を獲得し指導医に説明できる→指導医の実践を見て学ぶ→自分でやってみてできた点・できない点について指導医とディスカッションする→準備ができたら合格テストを受ける。

❖ できるようになったら認定証を発行する(ポートフォリオ)。

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研修医への3つの説明❖ Where am I going?

❖ どこへ行くのか

❖ How do I know when I get there?

❖ たどりついたことをどうやって知るのか

❖ How do I get there?

❖ どうやってそこへ行くのか

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ゴールとのギャップを常に評価し、改善し、学習法を修正する

Check-Action-Plan-Doサイクル

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記述的理論・学校教育

方略

入口状態

出口状態

方略を先に決める 方略は定数 出口状態が変数 ↓ 学習者の特性により 出口状態はバラつく

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処方的理論・臨床研修

方略

入口状態

出口状態

出口状態を先に決める 出口状態が定数 方略は変数 ↓ 方略を学習者ごとに 修正し、一定の結果を 達成する

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処方的理論 研修医との対話は全てインストラクションになる

評価であり指導

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処方的であるためには

❖ 職場がゴール、評価、学習方法を共有している

❖ 入口の状態が整っている

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「初診・かかりつけ患者の救急診療ができる」

❖ 状況:救急外来・時間外診療

❖ 対象:救急患者・ウォークイン患者(初診患者、かかりつけ患者、紹介患者)

❖ チーム:研修医2名、看護師2名、放射線、薬剤師、指導医

❖ 責任範囲:一次評価、救急処置、二次評価、治療・ケア、disposition決定(帰宅、経過観察、入院、コンサルト、外科的処置、救命処置の判断)、指導医の最終チェックを受ける

❖ 評価:チェックリスト、ルーブリック、振返り

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事前学習(前提条件)❖ パフォーマンスゴールを達成するために必要な前提を整える

❖ インストラクショナルゴールを達成する

❖ 二次救命講習:ACLS

❖ コースのチェックリストを臨床でジョブ・エイドとして使う

❖ 内科救急臨床講習:AMLS

❖ 講習のチェックリストをジョブ・エイドとして使う

❖ 外傷初期診療講習

❖ PHTLS/ITLS(救急/外傷医でなくても指導が可能)

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心停止の初動❖ 突然の卒倒・・・感覚(視覚による識別)

❖ 心停止の認識・・・知的技能

❖ 心停止の定義:反応がない、呼吸がない、脈が触れない(思い出して説明できる:理解)

❖ 心停止と宣言したら・・・知的技能

❖ 心停止の初動を開始する(応用)・・・ルール

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定義・ルールの学習❖ ペーパー、eラーニング、サイボウズライブなどを活用した独習で習得可能

❖ 事前学習に最適

❖ 業務で使えるかどうかを診断

❖ 使えるように処方的に指導

❖ 使えたら「できるようになった」と明確に伝える

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心停止の初動ができる

❖ 態度(I can & I will, I can BUT I will notを分ける)

❖ 知的技能(ルールを組み合わせて問題解決ができる)

❖ 手技(運動技能)

❖ 自己制御(自分の感情をコントロールできる)

❖ 他者制御(対人スキル)

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心停止の初動の評価❖ 態度:しようとしたか

❖ 知的技能

❖ なぜそうするのか:理解、記憶

❖ どうすればよいのか:応用

❖ What If(ルールを組み合わせて問題解決ができる):応用

❖ 評価させる:分析

❖ 手技(運動技能):AEDの使い方、質の高いCPR

❖ 自己制御:かっとなる、手が出せない、頭が真っ白になる

❖ 他者制御:影響力、交渉力、チームワーク

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臨床研修❖ インストラクショナルゴールを達成したからといって、パフォーマンスゴールが達成できるわけではない

❖ 英文が読めることと、英会話ができることは違う

❖ 英文読解能力を、英会話ができる能力に転換する

❖ コーチング

❖ 足場掛け

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方略を使わける

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指導医グループのアビリティ

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GIO/SBOの発展型

❖ GIO/SBO:網羅的で煩雑

❖ コンピテンシー/目標行動:同定に手間がかかる

❖ 組織/部署のコンピテンシー:簡単

❖ 組織/部署のスタッフのアビリティー:もっと簡単

❖ できてもらわないと困る業務

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楽々、臨床研修の秘訣

❖ 研修医を医療チームの正式メンバーに任命する

❖ ミッションを与える

❖ ゴールを示す=評価基準を示す、マップを示す

❖ 教授方略を処方的に応用する

❖ ゴールを達成する=ポートフォリオ

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楽々、臨床研修の秘訣❖ 業務を教材化する=業務に意味を見いだせる

❖ 深いレベルで業務の手順を標準化する

❖ 状況と患者のアセスメント

❖ 段取り(セルフ・ブリーフィング)

❖ 評価→判断→決定→実行→結果の評価

❖ 実行:知識、手技、自己制御、他者制御

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まとめ❖ 教育テクノロジーは進化している

❖ 1980年代・・・第一世代 学校教育

❖ 1990年代・・・第二世代 構成主義・高等教育

❖ 2000年移行・・第三世代 パフォーマンス向上

❖ テクノロジーは指導医を楽にする・生活の質をあげる

❖ 使わない手はない

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臨床研修の評価と方法

研修医は学習内容を業務で活用できているか・パフォーマンスは向上しているか

研修医の行動変容により得られた組織貢献度・地域医療への貢献度を評価

レベル3 Behavior

レベル4 Result

評価 ❖ レベル4:応需率、クレーム・感謝レター ❖ レベル3:仕事への自信、一皮むけたか

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卒前教育・卒後研修の評価

研修医は勉強会・カンファレンスで寝ていないか・満足しているか

研修医は勉強会で知識やスキルを習得できているか

研修医は学習内容を業務で活用できているか・パフォーマンスは向上しているか

研修医の行動変容により得られた組織貢献度・地域医療への貢献度を評価

レベル1 Reaction

レベル2 Learning

レベル3 Behavior

レベル4 Result

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足場掛けを要する場合

研修医は勉強会・カンファレンスで寝ていないか・満足しているか

研修医は勉強会で知識やスキルを習得できているか

研修医は学習内容を業務で活用できているか・パフォーマンスは向上しているか

研修医の行動変容により得られた組織貢献度・地域医療への貢献度を評価

レベル1 Reaction

レベル2 Learning

レベル3 Behavior

レベル4 Result