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研修医の学習経験をデザインする 「究極の鍛錬」と「美学的な学習経験」モデル 獨協医科大学越谷病院救命救急センター 池上敬一、杉木大輔、上笹貫俊郎、五明佐也香、杉本一郎、速水宏樹 40回日本救急医学会総会・京都121113 シンポジウム6関連2 1 12119日金曜日

121113救急医学会・学習経験をデザインする

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第40回日本救急医学会・発表演題・スライドセット 121109版

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研修医の学習経験をデザインする「究極の鍛錬」と「美学的な学習経験」モデル

獨協医科大学越谷病院救命救急センター池上敬一、杉木大輔、上笹貫俊郎、五明佐也香、杉本一郎、速水宏樹

第40回日本救急医学会総会・京都121113シンポジウム6関連2

112年11月9日金曜日

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インストラクショナル・システムズ・デザインInstructional Systems Design: ISD

教育活動の効果・効率・魅力を高めるための手法を集大成したモデルや研究分野、またはそれらを応用して学習支援環境を実現するプロセス

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ISDモデルの変遷

3

行動主義 認知主義 構成主義

軍隊 学校

1960 1980 2000

心理学

対象

モデル

企業

学習成果の分類動機づけのデザイン

究極の鍛錬美学的経験

4段階モデル

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カークパトリック:4段階モデル

4

レベル 評価項目 データ収集ツール

1.反応学習者は教授(インストラクション)に満足したか?

・ 満足度アンケート

2.学習どのような知識とスキルが身についたか?

・ 事後テスト(筆記テスト)・ スキルチェック、実地テスト

3.行動知識とスキルを仕事に生かしたか?

・ 職場での観察・ フォローアップ調査

4.結果患者のアウトカムに期待すべき成果をもたらしたか? モラル、文化

・ 職場での観察、インタビュー・ 従業員満足度

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ISDは折衷主義

5

行動主義 認知主義 構成主義

軍隊 学校

1960 1980 2000

心理学

対象

モデル

企業

学習成果の分類動機づけのデザイン

究極の鍛錬美学的経験

4段階モデル

12年11月9日金曜日

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研修をデザインする

できるようになる

コンピテンシーの獲得:従来のISDモデル

エキスパート養成:「究極の鍛錬」モデル

長期記憶化・救急医療を選択する

美学的学習経験モデル

「選択する」「選択しない」=態度

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インストラクターのレベル「鈴木克明(2005):eラーニングの質保証レイヤーモデル」を改変

−1:研修医の精神衛生上、問題がある

0:妥当な医療を実践している

+1:よく教えてくれる

+2:教え方がうまい(ISDモデル)

+3:もっと学びたくなる(学習経験の質が高い)

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研修の質は研修医が決める

無経験・・・見学のみ

機械的繰り返し・・・やらされ感、成長なし

バラバラな活動・・・雑用に終わる、不満感

心地よい習慣・・・没入や投資あり、成果が遠い

挑戦的な企て・・・失敗しても多くを学べる、本腰を入れて取りかかる、事後の振り返りがある

美学的経験・・・日常的でない経験、忘れられない

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究極の鍛錬

インストラクターがデザインしている

何度も繰り返すことができる

結果に対し、即時かつ継続的にフィードバックを受けることができる

精神的に楽ではない(むしろ辛い)

不得手なことにしつこく取り組むことが求められる

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パリッシュのID美学第一原理

学習経験には、はじめ・中ごろ・おわり(プロット)がある

学習者は、自分の学習経験の主人公である

教科ではなく学習活動がテーマを設定する

文脈が学習場面への没入感に貢献する

インストラクター・デザイナーは、作者であり助演者であり主人公のモデルである

1012年11月9日金曜日

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ホップ・ステップ・ジャンプ・・・3ヶ月を物語化シミュレーション・経験・振り返り手技、対話・認知スキル、全人的ケア

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研修医の動向

12

18 19 20 21 22 23 24 25

28

23

1418

1612

18

28

平成18年度以降の前期研修医人数

15

10

01

5

2

希望履修の研修医数x月

18 19 20 21 22 23

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まとめ

足場掛け→挑戦的な企て→美学的経験

診療を研修医中心に展開し、デブリーフィングを繰り返す

小さな失敗はベッドサイドで修正

大きな失敗はさせない(リハーサル)

「挑戦的な企て」で成功体験を味合わせる

1312年11月9日金曜日

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学習経験のデザイン

質の高いインストラクション

学習成果の長期記憶化

時として人生を変えるような影響力

「選択する・選択しない」の理由

1412年11月9日金曜日

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ISD:問題解決法

こんなにいい研修をしているのに、研修医が来ない

研修医に選択されないのは、研修の質に問題があると考える

研修の質改善のニーズ・・・ISD15

12年11月9日金曜日

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日本医療教授システム学会

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卒前教育、卒後研修、生涯発達

サイエンス、方法論、シミュレーション

第5回総会

2013年3月7、8、9日@学術総合センター

http://www.asas.or.jp/jsish/

12年11月9日金曜日