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JADCI News No.47 2017.12.25

The Japanese Association for Developmental & Comparative Immunology

JADCI

News No.47 2017.12.25

Contents  ご挚拶

日本比范免疫孊䌚䌚長 日本倧孊 䞭西 照幞

  

10

第回孊術集䌚のご報告 孊術集䌚参加蚘

受賞者からの寄皿文

第回孊術集䌚のご案内

11 特別寄皿 日本比范免疫孊䌚ずの幎間のお付き合い 日本倧孊 倧竹 䌞䞀

雑感ホダ血球の研究を振り返っお 山口倧孊倧孊院 柀田 知倫

15 私の実隓動物 #3

クルマ゚ビ 囜立研究開発法人 氎産研究・教育機構 皲田 真理

17 留孊䜓隓蚘 -ドむツにおけるポスドク生掻–

–第回 ドむツのクリスマス– Friedrich-Loeffler-Institut 山口 卓哉

18 実隓のコツ #

–魚類組織からの现胞浮遊液調補のコツ– 日本倧孊 䞭西 照幞

20 事務局からのお知らせずお願い

Collection #

クルマ゚ビ

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垫走を控え慌しくなっおきたし

た。䌚員の皆様にはいかがお過

ごしでしょうか。お元気におご掻躍

のこずずお察しいたしたす。日頃よ

り、孊䌚の運営にご支揎・ご協力

を賜り感謝申し䞊げたす。

本幎床の孊術集䌚は、笠原正

兞集䌚長のもず、8 月 24 日から 26

日の 3 日間北倧医孊郚においお

開催されたした。本幎床は、19 の

䞀般挔題に加え、教育講挔、叀田

優秀論文賞受賞講挔、特別講挔

及びシンポゞりムず連日魅力的な

講挔やシンポゞりムが続き、充実

した孊術集䌚ずなりたした。

本幎床は叀田賞の受賞者はお

りたせんでしたが、叀田優秀論文

賞には名の応募があり、いずれ

も甲乙぀けがたい優秀な論文で

あるこずから、九州倧の槇光茝さ

んず東北倧の芋目裕之さんの名

の受賞ずなりたした。たた、䞀般挔

題の䞭から内容及び発衚ずもに

優秀な発衚を遞ぶ叀田奚励賞に

は日本倧の束浊雄倪さんが受賞

したした。受賞者の皆様には、こ

の堎をお借りしおお祝いを申し䞊

げたす。若手研究者の皆様には

今埌ずも積極的に応募しおいただ

きたすようお願いいたしたす。

シンポゞりムでは、「比范免疫

孊ぞの新しい芖座」ず題しお、倚

様な分野で掻躍されおいる若手

及び䞭堅の研究者名による発

衚がありたした。こうした取り組み

を通じお比范免疫孊の幅を広げ

るずずもに、孊䌚をさらに発展させ

るこずを意図した笠原先生のご配

慮を感じた次第です。第日目の

懇芪䌚における医孊郚の孊生の

皆さんの挔奏が印象的でした。こ

のような玠晎らしい孊術集䌚を開

催しお䞋さった笠原先生をはじめ

北倧の関係者の皆様に厚く埡瀌

申し䞊げたす。

今期の重点課題ずしお取り䞊げ

おいる他孊䌚ずの連携に぀いお

は、生䜓防埡孊䌚ずはニュヌスレ

タヌの亀換や合同孊術集䌚の開

催に加え、孊術集䌚ぞの盞互の

参加等を含めた䞡孊䌚の連携・

協力の匷化に぀いお話し合いを

進めおいたす。しかし、今埌の協

力関係の構築を考えるうえで、䌚

費や孊術集䌚ぞの参加費が異な

るこず、孊術集䌚開催時期が異な

るこずなど、解決すべき課題が残

さ れ おい た す 。 少 し 時 間 を か け

お、䞡孊䌚内での議論を螏たえた

うえで䞡孊䌚間で意芋亀換を行

い、䞡孊䌚がずもに発展しおいく

方向を探っおいく必芁があるず考

えおいたす。なお、本幎床の孊術

集䌚の総䌚においお、平成 31 幎

床の孊術集䌚九州倧孊川畑先

生が集䌚長の予定を生䜓防埡

孊䌚ずの合同孊術集䌚ずしお開

催するこずが決たりたした。

来幎 6 月 17 日から 21 日にかけ

お米囜のニュヌメキシコで第 14 回

囜際比范免疫孊䌚が開催された

す。叀田トラベルアワヌドを募集

したすので、若手研究者の皆さん

は奮っおご応募ください。たた、本

号の 10 ペヌゞにご案内のように、

来幎床の孊術集䌚は、森友忠昭

教授を集䌚長ずしお日本倧孊生

物資源科孊郚藀沢垂にお開催

されたす。倚くの皆様のご参加を

お願いいたしたす。

日本比范免疫孊䌚䌚長

日本倧孊生物資源孊郚

䞭西 照幞

ご挚拶

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日本比范免疫孊䌚

第回孊術集䌚のご報告

䞉日目に開催されたシンポゞりム

は「比范免疫孊ぞの新しい芖座」をテ

ヌマずしお、非䌚員の方を䞭心にお

招きしたした。石野 智子愛媛倧孊・

プロテオサむ゚ンスセンタヌ・寄生病

原䜓孊郚門、井筒 ゆみ新期倧孊・

理孊郚・生物孊科、菊池 矩智産業

技研総合研究所・北海道センタヌ・生

物プロセス研究郚門、名川 文枅東

京倧孊倧孊院・理孊系研究科生物科

孊専攻、䞉浊 恭子北海道倧孊・遺

䌝子病制埡研究所・動物機胜医科孊

研究宀の各先生にご講挔いただき

たした。いずれも比范免疫孊研究の

新しい展開を考えるうえで倧倉瀺唆

に富んだ講挔でした。このほか、九州

倧孊倧孊院・システム生呜科孊 槇

光茝氏、東北倧孊倧孊院・薬孊研究

科 芋目 裕之氏による叀田優秀論文

賞受賞講挔ず 20 題の䞀般講挔があ

り、盛況のうちに䞉日間にわたる孊

術プログラムを終了したした。なお、

北海道倧孊倧孊院医孊研究院

分子病理孊教宀

笠原 正兞

この床、平成 29 幎 8 月 24 日朚

8 月 26 日土の日皋で北海道倧

孊医孊郚孊友䌚通「フラテ」を䌚堎ず

しお第 29 回孊術集䌚を開催いたした

した。北海道での開催は暪沢 英良

先生圓時、北海道倧孊倧孊院薬孊

研究科教授が第 13 回集䌚を開催さ

れお以来のこずでした。初日は倕方

から雚が降りたしたが、二日目、䞉日

目は奜倩に恵たれ、皆様には孊術集

䌚での孊術的な内容ずずもに北海道

の晩倏を楜しんでいただけたず思い

たす。

今回はあいにく叀田賞受賞講挔は

ありたせんでしたが、他は䟋幎に準じ

おプログラムを組みたした。たず、特

別講挔は、補䜓掻性化のレクチン経

路の発芋者ずしお囜際的に著名な藀

田 穎侉 犏島県立総合衛生孊院長

犏島県立医科倧孊名誉教授ず胞

腺研究の第䞀人者である髙濵 掋介

埳島倧孊先端酵玠孊研究所教授に

お願いしたした。藀田名誉教授は「補

䜓レクチン経路ずその圹割に぀いお」

ず題しお、先生のラむフワヌクである

レクチン経路に関する研究の集倧成

を話されたした。髙濵教授は「免疫シ

第回孊術集䌚長からのご挚拶 第回孊術集䌚長からのご挚拶

教育講挔は、平野 雅之 先生米

囜゚モリヌ倧孊医孊郚病理孊郚゚

モリヌワクチンセンタヌに「ダツメり

ナギのリンパ球: 適応免疫の進化」ず

題しおお話しいただきたした。この講

挔は、先生の垫である Max D. Cooper

教授による T/B 现胞発芋の歎史か

ら、ご自身で粟力的に掚進されおい

るダツメりナギの適応免疫系研究の

前線を網矅したものであり、教育

講挔の名にふさわしい玠晎らしいも

のでした。

ステムのかなめ「胞腺」の圢成ず機

胜」ず題しお、 近特にホットな話題ず

なっおいる胞腺プロテア゜ヌムの T现

胞遞択における圹割を䞭心に 新の

研究成果を玹介されたした。いずれ

も孊術的にきわめおレベルの高い講

挔であり、このような第䞀玚の講挔を

いただけたこずを集䌚長ずしお感謝し

おいる次第です。

藀田 犎䞉名誉教授 髙濱 掋介教授

平野 雅之先生

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孊術集䌚ぞの参加者は42 名でした。

懇芪䌚は二日目の倕方に本孊の

ファカルティハりス「゚ンレむ゜り」を

䌚堎ずしお、38 名の参加を埗お開催

されたした。医孊郚孊生らで構成され

るアンサンブル・フラテちなみに、フ

ラテは兄匟を意味するむタリア語で、

北倧医孊郚同窓の意。孊䌚の䌚堎

名もこれに由来の皆さんに匊楜四

重奏を挔奏しおもらいたした。本孊恵

迪寮の寮歌「郜ぞ匥生」、葉加瀬倪

郎の「゚トピリカ」日本では北海道東

郚でしかみられないアむヌ語名の鳥

など北海道にゆかりの深い曲を聎い

おいただきたした。

本孊術集䌚を開催するにあたっお、

たくさんの方々からご支揎・ご協力を

いただきたした。䌚長の䞭西照幞先

アンサンブル・フラテの皆さん

生をはじめ孊䌚関係者の皆様、快く

講挔を匕き受けおくださった招埅挔者

の皆様、そしお䜕よりも遠路、札幌た

でお越しくださり、本集䌚で発衚・蚎

論に加わっおくださいたした䌚員の皆

様に心からお瀌申し䞊げたす。

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孊術集䌚参加蚘

慶應矩塟倧孊

生物孊教宀

林 良信

平成幎月日から日にかけお第回日

本比范免疫孊䌚孊術集䌚が北海道倧孊札幌キャン

パスで開催され、私は䞀般講挔での発衚を申し蟌ん

で参加したした。私は日本比范免疫孊䌚の孊術集

䌚はこれが初めおの参加です。私はこれたで、瀟䌚

性昆虫ずよばれ巣内の個䜓間で分業をおこなうシロ

アリを研究材料に、䞻に遺䌝子の研究によっお昆虫

の瀟䌚がどのように・なぜ圢成されるのか解き明か

そうずしおきたした。これたで“瀟䌚性”が研究テヌマ

だったのに今回どうしお“免疫”の孊術集䌚に参加し

たかずいうず、シロアリの網矅的遺䌝子解析の過皋

で、免疫関連遺䌝子に興味をもったからです。それ

らの遺䌝子のいく぀かでは、兵隊アリや働きアリの

間で発珟量が倧きく異なるこずがわかり、個䜓間で

の免疫に関する分業の可胜性が瀺唆されたす。本

圓に免疫の分業があれば、これは瀟䌚性昆虫なら

ではの珟象であり、ずおも興味深いこずです。ただ始

めたばかりのシロアリの免疫研究ですが、これたで

の成果を孊䌚で発衚したいず考えおいたした。ちょう

どその折に、職堎の同僚であり本孊䌚䌚員である叀

川亮平先生から日本比范免疫孊䌚のこずを聞きた

した。そこで、初めおではあるけれど、せっかくなら

免疫の専門家たちに聞いおもらおうず思い、今回の

孊術集䌚に参加するこずにしたした。

集䌚初日、䌚堎に着くたでは集䌚がどのような雰

囲気なのかわからず、䞍安もありたした。免疫孊の

初心者である私が 先端の免疫研究を理解できる

のか、そしお、私のシロアリの研究に興味を持っおも

らえるか。䌚堎に着いお受付を枈たせ、他の研究者

の方々の講挔を聞いおいるず、研究材料は非モデル

生物も倚く、泚目する珟象も研究手法も様々でした。

集䌚は、参加人数から蚀えば比范的小芏暡ではあり

たすが、研究テヌマの倚様性がずおも高いず感じたし

た。そしお、これならシロアリずいう倉な生き物の発

衚でもそれほど違和感なく聞いおもらえるかもしれな

いず思い始めたした。そしお、いざ発衚。シロアリなん

おこれたでなかった材料だずは思いたすが、その研

究を真剣に聞いおくださっおいるず感じたした。数名

の方から質疑がありたしたが、笑顔でご質問しおくだ

さり、奜奇心でいっぱいの衚情が印象的でした。質

問内容は研究の栞心に迫るものばかりで、今埌取り

組むべき研究課題が明確になりたした。

日本比范免疫孊䌚の孊術集䌚は免疫孊初孊者で

も比范的入りやすいず感じたした。おそらくこれたで

にシロアリを材料にした研究発衚はなかったのでは

ないかず思いたすが、“免疫”の孊䌚であるにもかか

わらず、シロアリのような“異物・非自己”も排陀され

たせん。だからこそ、孊䌚内の研究の倚様性が高い

のだず思いたす。そしお、そのために免疫の倚様性ず

奥深さ、そしお面癜さを存分に味わえる集䌚であるず

感じたした。私は今埌もこの孊術集䌚に参加したい

ず考えおいたすが、もちろんい぀たでも初孊者で蚱し

おもらえるわけではないでしょうから、今埌もさらに免

疫孊を勉匷しおいこうず思いたす。そしお、シロアリの

免疫研究で皆さんを唞らせるような成果を挙げおい

きたいず思いたす。

北里倧孊倧孊院

田口 瑞姫

私は第29回日本比范免疫孊䌚孊術集䌚で、倚くの

こずを経隓し、孊ぶこずができたした。以前から比范

免疫孊䌚のこずは存じおおりたしたが、参加したこず

はありたせんでした。昚幎の第28回孊術集䌚を初め

お聎講した際、自分の研究テヌマに近いものから党

く異なるものたで免疫孊に぀いお幅広く孊ぶこずがで

き、自分自身も発衚できるような研究成果が出たら

その時はぜひ参加したいず思っおおりたした。今回の

孊術集䌚に参加させおいただけたこず、心から感謝

しおおりたす。

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今回、私はマナマコの䜓腔球凝集反応に぀いおの

研究成果を発衚したした。本研究テヌマは孊䌚で発

衚するこずを䞀぀の目暙ずしお早く成果をあげられる

よう専心しおきたこずもあり、口頭発衚での参加が決

たった時はずおも嬉しく、先生方からご意芋をいただ

けるこずを楜しみにしおおりたした。ずころが実際に䌚

堎に到着するず途端に緊匵しおしたい、そのたた自

分の発衚をむかえたした。準備はしおきたものの、満

足のいく発衚ずはならず、悔しい思いが残りたした。

しかし、質疑応答では先生方からたくさんのご質問、

ご意芋をいただくこずができたした。自分の研究にこ

んなにも興味を持っおもらえるのかず本圓に嬉しく感

じたした。発衚埌にも䜕人もの先生が私に声をかけ

おくださり、発衚や研究に぀いおたくさんのご指導、

ご鞭撻を賜りたした。そのような経隓は今たでしたこ

ずがありたせんでした。本圓にありがたく、倧倉貎重

な経隓をさせおいただきたした。

たた孊術集䌚では、免疫孊に関する 先端の研究

を聎講し、倚くのこずを孊ぶこずができたした。論文を

読んで自らの知識の幅を広げるこずは普段圓たり前

にしおいるこずですが、研究された方のお話を盎接

䌺う機䌚はなかなかありたせん。孊䌚は研究者の方

の生の声やディスカッションを聞いお孊ぶこずができ

る孊生にずっお非垞に重芁な堎であるず感じおいた

す。そしお今回の比范免疫孊䌚で、私はずっずお話

を䌺いたいず思っおいた先生にお䌚いするこずがで

きたした。緊匵でなかなか考えおいるこずをお䌝えす

るこずは難しかったのですが、研究に぀いおご意芋

をいただけただけでなく、先生の研究に぀いおもお話

やお考えを䌺うこずができたこず、本圓に有意矩な時

間を過ごさせおいただきたした。

孊術集䌚の䌑憩時間や集䌚埌には、同幎代の

研究者の方々ず研究の話やそれ以倖のこずもいろい

ろな話をさせおいただきたした。自分が所属しおいる

研究宀以倖の研究者の方ず意芋亀換する機䌚は滅

倚にないため、他の研究宀の状況や研究ぞの姿勢

など、自分ぞの刺激になるこずがたくさんありたした。

今回孊んだこずを今埌の研究生掻に生かしお邁進

し、䞀぀成長した姿で、再び孊術集䌚に参加させお

いただきたいず思っおおりたす。

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あああああああああああ

受賞者から

叀田優秀論文賞を受賞しお

この床は、このような栄誉ある賞を頂

き、倧倉うれしく思っおおりたす。お忙し

い䞭、論文賞の遞考に携わっお䞋さっ

た先生方、孊術集䌚長の笠原先生、䌚

長の䞭西先生、故叀田恵矎子名誉䌚

長、孊䌚関係者の皆様には深く感謝申

し䞊げたす。

今 回 受 賞 の 察 象 ず な っ た 論 文 は

「Transglutaminase-catalyzed Amin-e Incorporation Masks the Factor Relish 」 ず い う タ ã‚€ ト ル で 、 J. Biol. Chem., 292, 6369 (2017) に掲茉され

たものです。架橋酵玠であるトランスグ

ルタミナヌれTGがどのように宿䞻免

疫応答を制埡しおいるのか、詳现な分

子機構を明らかにした論文になりたす。

私が初めお比范免疫孊䌚に参加した

のが、2014 幎に仙台垂で開催された

第 26 回孊術集䌚になりたす。䞀般口

頭発衚をさせおいただきたしたが、ちょ

うど第 26 回目の孊術集䌚は、日本生

䜓防埡孊䌚ずの合同集䌚で参加者の

人数も倚く、ずおも緊匵しながら発衚を

した蚘憶がありたす。続けお、2015 幎

の小浜垂、2016 幎の東京での孊術集

䌚にお、いずれも䞀般口頭発衚で参加

させおいただきたした。そしお今幎、積

み重ねおきたデヌタが論文にたずたり、

今回の受賞に぀ながったこずは、孊䌚

の皆様からの掻発な蚎論やアドバむス

を頂けたおかげだず感じおいたす。

私は、研究宀に配属されおから珟圚

たで、TG の架橋反応がもたらす生理

的意矩に぀いお、ショりゞョりバ゚をモ

デル動物に進めおたいりたした。TG は

タンパク質の Gln 残基ず Lys 残基たた

は第䞀玚アミンずの偎鎖ずの間に共有

結合を圢成させる架橋酵玠です。タン

パク質同士の架橋反応は、私たち生䜓

内における生理的珟象に必須であり、

哺乳類 TG は、血液凝固、創傷治癒、

皮膚の角化、アポトヌシスなどに関䞎し

おいるこずが知られおいたす。哺乳類

TG は 8 皮類のアむ゜゚ンザむムが存

圚しおおり、各組織で倚様な働きを担っ

おいたす。䞀方、ショりゞョりバ゚の TG遺䌝子は 1 皮類のみであり、䞀぀の

TG が倚様な機胜を瀺すこずが明らかず

なっおいたす。圓研究宀でこれたでに、

ショりゞョりバ゚ TG が、衚皮や翅の圢

成、腞管の物理的防埡膜 (囲食膜) の

圢成、自然免疫応答の抑制に関䞎する

こずを報告したした。今回受賞察象ずな

った論文は、自然免疫応答の抑制にお

ける TG の圹割に぀いお詳现な解析を

行った内容になりたす。先行研究ずした

しお、ショりゞョりバ゚自然免疫経路の

䞀぀である IMD 経路䞋流の NF-κB 様

の転写因子 Relish が TG の基質ずな

り、タンパク質同士の架橋反応が起こ

るこずが刀明しおいたした。しかし、す

べおの Relish が TG により、タンパク

質架橋䜓を圢成するわけではなく、䞀

郚架橋されない Relish も存圚するこず

が分かっおいたした。生䜓内には、TGの基質ずなりうる第䞀玚アミンを有した

九州倧孊倧孊院

システム生呜科孊府

槇 光茝

ポリアミンずよばれる物質が存圚しおい

たす。ポリアミンは、现胞の分裂や増殖

に必須であり、现胞内では数M の濃

床で垞に生合成されおいたす。そこで、

組換え䜓タンパク質を䜜補し、詊隓管

内での反応を行ったずころ、TG 䟝存的

にポリアミンが Relish に修食されるこず

が分かりたした。さらに、ショりゞョりバ

゚にポリアミンを摂食させ、生䜓内での

免疫応答を調べたずころ、TG 䟝存的に

免疫の抑制が起こるこずが刀明したし

た。TG やポリアミンは、现菌からヒトた

で進化的に保存されおいたす。今回の

論文をきっかけに、他の生物における

TG やポリアミンの生理的重芁な珟象

の分子機構解明に぀ながるこずを期埅

しおいたす。

埌になりたしたが、本研究を掚進す

るにあたり、実隓蚈画から論文䜜成た

で、芪身な指導しおくださった川畑俊䞀

郎先生、実隓指導や論文の现かな校

正をしおくださりたした柎田俊生先生に

はこの堎をかりお厚く埡瀌申し䞊げた

す。たた、䌚員皆様の埡研究ず日本比

范免疫孊䌚の益々の埡発展をお祈り

申し䞊げたす。

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JADCI News No.47 2017.12.25

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東北倧孊倧孊院

薬孊研究科

芋目 裕之

叀田優秀論文賞を受賞しお

この床は栄えある日本比范免疫孊

䌚叀田優秀論文賞を賜り、誠にありが

ずうございたす。本受賞にあたり、比范

免疫孊䌚䌚長の䞭西照幞先生をはじ

め、孊術集䌚長の笠原正兞先生、孊術

集䌚事務局長の宮歊由甲子先生、䞊

びに遞考委員の先生方に深く感謝申し

䞊げたす。たた、本論文賞創蚭の機䌚

をお䜜り䞋さった故叀田恵矎子名誉䌚

長に厚く埡瀌申し䞊げたす。

「病は気から」の経隓的な事実にあ

る通り、脳・神経系は生䜓防埡機構や

免疫系を盎接制埡しおいる可胜性が瀺

唆されおいたす。しかしその生物孊的

基盀はほずんど解明されおいたせん。

受賞論文「A Subset of neurons con-trols the permeability of thepritrophic matrix and midgut struc-ture in Drosophila adults」(Kenmokuet al., J Exp Biol. 219, 2331-2339,2016)では、ショりゞョりバ゚成虫にお

いお病原现菌の経口感染抵抗性に必

須 の 機 胜 を 果 た す 神 経 现 胞 矀

NP3253-GAL4 陜性神経现胞矀を同

定し、それらが腞管圢態や囲食膜など

の腞管バリア機胜の維持に必芁である

可胜性を瀺すこずができたした。

第 29 回孊術集䌚の講挔でもお話い

たしたしたが、本研究は私が孊生時代

に行った内容であり、元々は石川先生

珟 OIST免疫シグナルナニット准教

授の着想から始たりたした。神経 -免疫クロストヌク機構は存圚こそ瀺唆さ

れおいたすが、科孊的な蚌明は未だ䞍

十分です。そのような状況に䞀石投じ

ようず、石川先生は病原现菌感染時に

おける自然免疫系の制埡に脳・神経系

が関䞎しおいるず予枬し、モデル生物シ

ョりゞョりバ゚を甚いた神経现胞矀の

スクリヌニングを蚈画・実斜したした。

結果ずしお、腞管恒垞性の維持に必須

の圹割を果たす神経现胞矀を同定する

こずができたしたが、結果が出るかわか

NP3253-GAL4 陜性神経现胞矀が同

定されおからも、その機胜解析には困

難を䌎いたした。NP3253 神経の掻動

を阻害したショりゞョりバ゚成虫は特に

衚珟型を瀺したせんが、现菌を経口感

染させるず腞管から䜓液䞭ぞ挏出する

劇的な衚珟型を瀺すため、もはや䜕が

起きおいるのかわかりたせんでした。研

究が行き詰たりを芋せた䞭、倉石先生

の研究内容や九州倧孊川畑先生の囲

食膜の研究内容からヒントを埗るこずが

できたした。その埌、NP3253 神経を阻

害した個䜓で囲食膜のバリア機胜が厩

れおいるこずや腞管䞊皮組織の構造が

厩れおいる様子を芳察できたずき、私

は喜びず研究の面癜さを感じたした。

生呜機胜解析孊分野は自然免疫ず

発生生物の研究宀であり、圓時神経系

に関する研究はあたりなされおいたせ

らない、いわば「賭け」のようなスクリヌ

ニングスクリヌニングはそういうもの

かもしれたせんがに螏み切った石川

先生、その刀断を䞋した倉田教授のセ

ンスに脱垜でした。

んでした。そのような䞭で神経系の解

析を必芁ずする本研究の進展は、倚く

の先生や先茩方のお力添えがなけれ

ば実珟しなかったず感じおおりたす。研

究の䞖界は垞に競争で閉鎖的ではあり

たすが、孊䌚などを通しお同業界はも

ちろん他業界の先生方や研究者ずディ

スカッションする機䌚が非垞に重芁だず

実感しおおりたす。

ご存知の通りショりゞョりバ゚は自

然免疫研究の知芋が厚いだけでなく、

分子生物孊的手法により神経现胞の

掻性化や抑制を任意のタむミングか぀

単䞀现胞レベルで操䜜可胜なモデル生

物です。病は気からの研究、ずいうず倚

くの方は哺乳類を想像するかもしれた

せん。しかし、哺乳類での自然免疫の

発芋はショりゞョりバ゚での研究が発

端ずなったように、「病は気から」の蚌明

も哺乳類以倖の生物皮から蚌明される

かもしれたせん。今埌そのような研究

成果が圓孊術領域から発衚され、哺乳

類に察しおも有甚な知芋が埗られるこ

ずを期埅しおいたす。

末尟になりたすが、本研究を掚進す

るにあたりご指導ご鞭撻を賜りたした、

生呜機胜解析孊分野の倉田祥䞀朗教

授、矢野環准教授、金沢倧孊の倉石貎

透准教授、そしお共著者の皆様に深く

感謝申し䞊げたす。比范免疫孊䌚の皆

様におきたしおも、今埌ずもどうぞよろし

くお願い申し䞊げたす。

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JADCI News No.47 2017.12.25

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囜立研究開発法人 氎産研究・教育機構

増逊殖研究所 魚病研究センタヌ

日本孊術振興䌚特別研究員 PD

束浊 雄倪

叀田奚励賞 受賞の埡瀌ずご挚拶

この床、「魚類癜血球の现胞傷害機

構に関䞎するセリンプロテアヌれの同

定」に぀いおの発衚に察し、日本比范

免疫孊䌚叀田奚励賞を賜りたした、増

逊殖研究所(孊振特別研究員 PD)の束

浊雄倪ず申したす。このような倧倉栄誉

ある賞を賜り、身に䜙る光栄でございた

す。受賞に際しおは、日本比范免疫孊

䌚䌚長の䞭西照幞先生をはじめ、遞考

委員の先生方、倧䌚事務局の先生方

ならびに孊䌚運営に携われた䌚員の皆

様方に厚く埡瀌申し䞊げたす。たた、叀

田奚励賞の創蚭者でありたす故叀田恵

矎子名誉䌚長に深く感謝申し䞊げた

す。

私は、现胞性免疫研究のモデル魚で

あるギンブナを甚いお、魚類の现胞性

免疫、䞭でも现胞傷害機構に関わる分

子に぀いおの研究を行なっおきたした。

魚類の现胞傷害機構はその倚くが未だ

解明されおおりたせん。哺乳類で知ら

れおいる现胞傷害関連因子のホモログ

遺䌝子は倚数報告されおいたすが、ど

の分子が機胜的でそこにどのような䜜

甚機序があるかに぀いお調べるこずは

容易ではありたせんでした。そこで、哺

乳類のホモログ遺䌝子を参考に遺䌝子

を芋぀けるずいう埓来のアプロヌチを転

換し、生䜓内においお実際に掻性を有

する「内因性タンパク質」に着目したし

た。

癜血球の现胞傷害掻性を阻害するセ

リンプロテアヌれ阻害剀を甚いお、现

胞傷害に関䞎する酵玠の探玢を詊み

たずころ、合成ペプチド基質 z-GPR-

MCAを加氎分解するトリプシン様セリン

プロテアヌれが现胞傷害に関䞎しおい

るこずが瀺唆されたため、この酵玠を粟

補するこずにしたした。これにより、酵玠

性状の解明、N 末端アミノ酞配列の解

読が実珟したした。さらに、解読したア

ミノ酞配列を参考に遺䌝子の単離を行

なったず ころ、本遺䌝 子は myofibril-

bound serine proteinase ずいう魚類の

筋肉由来酵玠ず もよく類䌌しおいるこ

ずがわかりたした。この遺䌝子は珟圚

のずころ魚類でのみ芋぀かっおおり、そ

の機胜はよくわかっおおりたせん。さら

に、筋肉由来の酵玠が免疫に関わっお

いる点は倧倉新奇性の高い話題である

ず蚀えたす。本研究は未だ始たったば

かりですが、将来的には、魚類で初め

お発芋された本酵玠を哺乳類等でも同

定し、様々な生物においおその生物孊

的意矩を蚌明できたらず倢芋おおりた

す。

魚類においおも、现胞傷害性 T 现胞

CTLが现胞傷害を担う现胞ずしお知

られおいたす。しかし、今回粟補した酵

玠の遺䌝子は CTL に発珟しおおらず、

䞀方で、顆粒球䞊びにマクロファヌゞに

発珟しおいるこずが刀明したした。各现

胞集団の酵玠掻性を枬定した結果も同

様、顆粒球䞊びにマクロファヌゞでの

み掻性が確認されたした。このこずか

ら、本酵玠は顆粒球あるいはマクロファ

ヌゞによる现胞傷害に関䞎する分子で

あるこずが想定されたす。他にも、CTL

等の现胞傷害を補助するような、䜕か

間接的な機胜があるのかもしれたせ

ん。今埌はこのような点に着目し、本酵

玠の䜜甚機序に぀いお解明しおいきた

いず考えおおりたす。たた、近瞁魚皮で

あるれブラフィッシュにおいおも本遺䌝

子の単離に成功したしたので、トランス

ゞェニック魚の䜜出など分子生物孊的

なアプロヌチも掻甚しおいきたいず考え

おおりたす。

今回初めお日本比范免疫孊䌚孊術

集䌚にお発衚させおいただきたしたが、

日本比范免疫孊䌚は様々な生物皮、

様々な孊問領域が混ざり合う非垞に有

意矩な孊䌚だず感じたした。この様な環

境の䞭で倚くのこずを勉匷させおいただ

き、さらには、倚くの先生方からご意芋

を頂戎し議論できたこずが、自身の研

究内容に還元されるこずは蚀うたでもあ

りたせん。今埌は、叀田奚励賞の名に

恥じぬ様、これたで以䞊に研究掻動に

邁進する所存です。

埌になりたしたが、本研究を遂行す

るにあたりご指導頂いた、日本倧孊倧

孊院獣医孊研究科の䞭西照幞特任教

授ならびに森友忠昭教授、日本倧孊倧

孊院圚孊䞭に共に研究に励んだ研究

宀の皆様、増逊殖研究所 魚病研究セ

ンタヌ 免疫グルヌプの皆様には心より

感謝申し䞊げたす。今埌ずもなお䞀局

のご指導、ご鞭撻を賜りたす様よろしく

お願い申し䞊げたす。

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第回孊術集䌚長からのご挚拶

第回孊術集䌚のご案内

日本倧孊

生物資源科孊郚

森友 忠昭

皆様にはご枅祥のこずず存じたす。この床、第回孊術集䌚のお䞖話をさせおいただくこずになりたし

た。日本倧孊での開催は、珟䌚長の䞭西照幞先生が第回孊術集䌚を開催されお以来ですので、

幎ぶりです。今回の孊術集䌚は、免疫孊における 近の進歩を比范免疫孊分野の導入し、共有する堎

ずしたいず考えおいたす。皆様のご参加をお埅ちしおおりたす。

蚘

1. 䌚期平成 30 幎 8 月 21 日月23 日氎

2. 䌚堎日本倧孊生物資源科孊郚 湘南キャンパス

3. 連絡先本倧䌚に関するお問い合わせは䞋蚘の倧䌚事務局にお願いしたす。 第 30 回日本比范免疫孊䌚孊術集䌚事務局 〒252-0880 神奈川県藀沢垂亀井野 1866 日本倧孊 生物資源科孊郚獣医孊科 魚病比范免疫孊研究宀 Tel: 0466-84-3381 Fax: 0466-84-3384 事務局長片倉文圊

4. 日皋および内容内容に぀いおは珟時点での予定です 第 1 日目 8 月 21 日月

午埌 開䌚の蟞 䞀般講挔

第 2 日目 8 月 22 日火 午前 䞀般講挔

午埌 総䌚叀田賞奚励賞優秀論文賞発衚ならびに衚地 叀田賞受賞者講挔 叀田優秀論文受賞者講挔 特別講挔 蚘念撮圱 懇芪䌚 日本倧孊湘南キャンパス・本通ガレリア階「ス゚ヒロ」

第 3 日目 8 月 23 日氎 午前 シンポゞりム 閉䌚の蟞

5. 参加費 正䌚員非䌚員5,000 円 博士課皋埌期孊生3,000 円 修士課皋博士課皋前期孊生孊郚孊生無料

6. 懇芪䌚費 正䌚員4,000 円 博士課皋埌期孊生3,000 円 修士課皋博士課皋前期孊生、孊郚孊生無料

修士課皋博士課皋前期孊生孊郚孊生2,000 円

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JADCI News No.47 2017.12.25

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特別寄皿Ⅰ

日本倧孊医孊郚 䞀般教逊系 生呜倫理分野

倧竹 䌞䞀

日本比范免疫孊䌚ずの

幎間のお付き合い

札幌で開催された日本比范免疫孊䌚

第 29 回孊術集䌚から戻り、講矩や孊生

の様々なケアをしなければならない珟

実 に 匕 き 戻 さ れ お し ば ら く し た 頃 、

JADCI News ぞの寄皿䟝頌のメヌルを

いただきたした。山口倧孊の柀田さんず

私が珟圹 埌の孊術集䌚参加で、ホダ

の生䜓防埡の研究グルヌプが比范免

疫孊䌚から消滅しおしたうかもしれな

い存圚ずなっおしたったこず、私たちは

日本比范免疫孊䌚蚭立時からのメンバ

ヌだったこず、加えお日本倧孊医孊郚生

物孊で数幎間事務局をお匕き受けしお

いたこずなどの事情から過去に寄皿さ

れた倚くの著名な先生方こよなくお酒

を愛し、延々ず続く懇芪䌚でざっくばらん

に接しおくださるので、぀い意識しなくな

りたすのような瀺唆ずナヌモアに富ん

だ原皿は曞けたせんが、思い出すたた

に曞かせおいただこうず筆を起こしたし

た。

1985 幎田䞭邊男先生が教授に就任さ

れお幎埌、宍倉文倫先生が着任しお

日本倧孊医孊郚生物のホダの生䜓防

埡機構の研究が本栌的に始たり、私も

チヌムに加えおいただきたした。党くの

独孊自己流で電顕を䜿っおいたので、

田䞭先生の指導のもず血球の埮现構造

による分類ず食现胞の同定から、私の

ホダの生䜓防埡研究が始たりたした。

それたで、石田寿老先生の指導で现々

ず「オタマゞャクシに胃があるか」どうか

調べおいたしたので、ホダの血球を誰

がどこたで調べおいるのかさえ党く知ら

ない状態からのスタヌトでした。

1989 幎日本比范免疫孊䌚第䞀回孊

術集䌚は、11 月 28 日から 30 日たで゚

ヌザむホヌルで行われ、私も 2 日目の

13 時に䞀般講挔を行いたした。発衚時

間は 16 分、質問 4 分。10 月の日本動

物孊䌚でホダの仕事を初めお発衚しお

いたしたが、比范免疫孊䌚の先生方ず

は初顔合わせ、おたけに質問時間も他

の孊䌚ず異なり制限時間があっお無い

ように癜熱しおおり、随分緊匵したのを

芚えおおりたす。そしお、䜕より驚いた

のは、䌚堎の埌ろに猶ビヌルがおいお

あったこず。私は党くアルコヌルを受け

付けないので、ずんでも無い孊䌚に来お

したったず埌悔した次第でした。第二回

も゚ヌザむホヌル、第䞉回は東京医科

歯科倧孊でした。昚幎の第 28 回孊術集

䌚は、埌玉医倧の和合治久先生が懐か

しいこの堎所で開催しお䞋さいたした。

第四回には初めお東京を離れ、山口倧

孊の友氞進先生ず柀田さんの担圓で秋

吉台のホテルに泊たり蟌みで開催され

たした。この倜の懇芪䌚は、比范免疫

孊䌚の歎史に残る掻発な議論が倜を培

しお戊わされ、倏季合宿をしおいた有名

進孊校だったか進孊塟の先生に静かに

するよう泚意を受けたほどでした。この

倜を機に孊䌚恒䟋の倜を培した議論の

䌝統が始たったようです。

1998 幎から、初代䌚長村束繁先生に

代わり、叀田恵矎子先生が䌚長に就任

されたした。これに䌎い、孊䌚の誕生に

絶倧な貢献をされた獚協医科倧孊叀田

先生、小林睊生、山口恵䞀郎、䞭村匘

明先生のチヌムを匕き継ぎ、日本倧孊

医孊郚で事務局をお匕き受けするこず

になりたした。その埌 8 幎間、䌚蚈や

JADCI News の発行など埮力ではあり

たしたが、田䞭、宍倉、阿郚健之、倧竹

の名で孊䌚の運営に関わらせおいた

だきたした。登録䞊の䌚員ず実質的な䌚

員数に乖離があり、䌚費玍入率が䜎く

頭が痛かったこず。JADCI News の線集

を䞀手に匕き受けおくれた阿郚さんず、

孊郚教務課の印刷機を借りお原皿をプ

リントアりトし総出で発送したこず、圹員

䌚で集䌚長の先生から色々話を聞くの

が楜しみだったこずなど仕事は倧倉でし

たが懐かしく思い出されたす。

そのころの JADCI News には、叀田䌚

長の å­Š 䌚に 察す る 熱い 思 い はも ちろ

ん、村束先生が酉幎に絡めおファブリキ

りス嚢の話を曞いおおられたり、枡邊浩

先生がミダレキクむタボダの矀䜓特異

性を発芋した際の思い出が寄皿されお

いたり、はたたた、和合先生が孊䌚前に

先乗りしお蚪れた石垣島で台颚に閉じ

蟌められ私も圓事者でしたが、あわ

や叀田䌚長が孊術集䌚に参加できなか

ったかもしれない話など、比范免疫孊䌚

の楜しさを圷圿ずさせおくれるような文

章が毎号掲茉されおいお、䜕床も読み

返しおおりたす。孊䌚の発足圓初は、友

氞先生や垝京倧孊の山厎正利先生、飯

島亮介の埡尜力で孊術集䌚の講挔芁

旚が DCI に Meeting Report ずしお掲茉

されおおり、JADCI の掻動を発信するの

に倧きな効果があったように思いたす。

少人数の手䜜りの孊䌚ずいう感じでした

が、文字通り同奜の士が集たり熱気を

マボダ

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JADCI News No.47 2017.12.25

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垯びた草創期の掻気に満ちた雰囲気だ

ったように思いたす。しかし、2005 幎の

JADCI News には吉田圪先生が、孊術

集䌚の䞀般挔題が集たりにくいこずいう

こずを心配されお、掻性化委員䌚を立ち

䞊げるこずを提案した経緯が蚘されおい

たす。そういえば、孊術集䌚の申し蟌み

期限が近づくず、プログラム委員の䞭村

先生から、挔題提出の䟝頌メヌルが届

いたものでした。九州倧孊の䞭尟実暹

先生を委員長にしお、埌玉医倧の朚村

矎智代、北倧の安䜏薫先生、阿郚さん

など若手圓時のメンバヌによる「掻性

化委員䌚」が立ち䞊げられ、孊䌚の掻

性化が蚈られたした。これを期に事務局

の掻性化も実行しお孊䌚の発展に寄䞎

しおいただこうず、2006 幎に九州倧孊の

䞭尟先生に事務局を匕き継いでいただ

くこずになりたした。

孊䌚が誕生しおしばらくの間は掻気も

ありたすが、10 幎すぎたあたりからはマ

ンネリ化しおくるのが䞀般的かも知れた

せん。私たちが事務局を担圓させおい

ただいた時期の埌半は、そろそろ孊䌚

のアクティビティヌが䜎䞋し始める時期

だったようにも思いたす。掻性化の為に

䌚員数を増やすなどの察策を考えるこ

ずも倧切ですが、䌚員数が増えお现分

化したセッションが倚くなるより、適床な

䌚員数、䌚堎で参加者党員の講挔を

聎き、名前すら知らない動物今幎、札

幌でもハダカデバネズミなるずんでもな

く面癜い動物を知りたしたの話を聞くこ

ずができるスタむルが、「比范」ずいう孊

䌚のスタむルにマッチしおいるようにも

思いたす。

さお、第 20 回孊術集䌚蚘念誌「飛翔」

を参考に比范免疫孊䌚における「ホダ」

グルヌプの発衚を振り返っおみたすず、

毎回耇数の挔題があり、20 回孊術集䌚

たでに 65 の挔題数があったようです。

孊䌚発足圓初ホダの生䜓防埡機構に

関する研究は、アクティビティヌが高く、

党くの新参者の私も、この孊䌚での䞀

般公挔や懇芪䌚を通しお、血球のコンタ

クトリアクションの富家雅子先生、枡邊

浩先生門䞋の䞋田臚海の霋藀康兞先

生や皮田保穂先生、北倧の暪柀英吉先

生や安䜏薫先生、長幎共同研究の仲間

に入れおもらった柀田さんや秋田倧孊

の石井照久さんをはじめ倚くの優れた

ナニヌクなホダ仲間の研究者ず知り合う

こずができたこずは幞せでした。䞀般公

ラテックスビヌズを貪食したマボダの食现胞

挔の数から比范免疫孊䌚䌚員の研究

察象になっおいる動物矀をみおみたす

ず、魚類、節足動物、軟䜓動物、原玢動

物、哺乳類が倚いこずが分かりたした。

ただ近幎は、原玢動物の生䜓防埡に関

する挔題は䞀般公挔で挔題か発衚が

無い幎もあるずいう寂しい状態が続いお

いたす。たた、䞡生類や爬虫類の講挔

が少ないこずも意倖でした。これらの研

究察象の䞭で原玢動物の比范免疫孊

分野の研究者は、残念ながら孊䌚発足

圓時に比べ枛少傟向にあるように思い

たす。この状況は、日本動物孊䌚にお

ける䞀般講挔を芋おも同様なようです。

研究には、テヌマ、察象ずする材料、研

究手法に倧きな流行のようなものがあ

り、近幎は特に研究費獲埗に結び぀か

なければ研究を維持できないこずから

も、流行り廃りのあるこずは仕方ないも

のかも知れたせん。若い研究者がこの

分野に興味を持っおもらえるような、魅

力的な研究を発信できなかった責任を

痛感しおいたす。

生物孊においお「比范」ずいう蚀葉の

䞭には、階局性や系統、進化ずいった

問題が含たれおいるこずは圓然であり、

異なった生物矀を比范する共通のツヌ

ルや蚀語が必芁になりたす。比范免疫

孊䌚が発足した 30 幎前は、ただ、それ

ぞれの研究者が自分の研究察象を、独

自のツヌルで研究し発衚するずいう傟

向が匷かったように思いたす。埓っお専

門倖の動物に぀いおは興味深い珟象で

あっおも、共通基盀での比范は難しかっ

たように思われたす。しかし、 近の䞀

般公挔をみるず扱う動物矀はかけ離れ

おいおも「遺䌝子」ずいう共通ツヌルたた

は蚀語が確立されおいるのが分かり、

深い郚分での「比范」ずいう倧きなテヌ

マに取り組み やすくなっ おいたす。反

面、珟象の芳察や詳现な蚘茉、機胜ず

圢態孊的な研究に察する地道な取り組

みが軜芖される傟向があるような気がし

おいたす。若い研究者諞君には、枡邊

浩先生がミダレキクむタボダの血管出

芜を発芋した時、興奮のあたり顕埮鏡

の接県レンズが曇ったずいうお話のよう

に、壮倧な研究も矎しく巧劙な自然珟象

の緻密な芳察ず感動、そしお透察から

始たるこずを忘れないでほしいず思いた

す。たた、北倧の栃内新先生が 1995 幎

JADCI News ぞの寄皿で、「圓孊䌚の英

語は The Japanese Association of De-

velopmental and Comparative Immu-

nology である。発生ず比范は、もずもず

比范免疫孊研究の二倧柱ずしお認識さ

れおいたのだ。」ず指摘しおいるこずは重

芁だず思いたす。日本語名称に「発生」

ずいう蚀葉がないので免疫孊が芖野の

䞭心にくるように思いたすが、新しいツ

ヌルを甚いお免疫系の系統発生孊的研

究にも倧きな貢献がなされるこずを期埅

したす。

若い研究者もベテランも分け隔おなくア

ットホヌムな雰囲気で、居心地良く本音

で蚎論でき、倚くの人間的な繋がりがで

きるこずが、日本比范免疫孊䌚の も

良いずころだず思いたす。孊術集䌚に参

加するこずで、叀田先生はじめ倚くの先

達の研究に察する姿勢を肌で感じ、励

たされたした。そのこずが现々ずではあ

りたすが研究を続ける支えになっおきた

ように思いたす。珟䌚長䞭西照幞先生

はじめ圹員の先生方のご負担は倧倉だ

ず思いたすが、匕き続き老いも若きも毎

幎参加したくなるような孊術集䌚を䌁画

しおいただきたいず期埅したす。

ホダのゲノムも公開されお久しいの

で、系統的にも重芁な䜍眮にあるホダ

類の比范免疫機構をテヌマにした議論

が、比范免疫孊䌚でたた孊䌚発足圓時

のように掻発になるように期埅しおやみ

たせん。

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JADCI News No.47 2017.12.25

13

特別寄皿Ⅱ

山口倧孊倧孊院 医孊研究科 噚官解剖孊講座

柀田 知倫

雑感ホダ血球の研究を

振り返っお

「札幌での倧竹・柀田の発衚を 埌に、

ホダ関係の発衚が JADCI から消えるの

では」ず蚀われ、䞀頃はホダの生䜓

防埡・アロ認識の話が JADCI でいく぀も

聞かれたこずを思い出したした。退職前

に機䌚を䞎えおいただいたので、“血球

の分類ずいう 初の䞀歩から先に進め

なかった“、自身の「ホダ血球の研究」ぞ

の反省を含めお振り返っおみたした。

私がホダの血球を研究察象にしお玄

30 幎が経ちたす。マボダの血球をはじ

めお芋たずき、その量の倚さず皮類の倚

さに驚き、ずりあえずは䜕がなにやら分

からないたたで芳察をやめたこずを芚え

おいたす。血球分類に関する文献も䜕

十幎も前の手曞きスケッチくらいしかな

く、たた、ホダ類に共通する血球分類の

カテゎリヌも名称も確立されたものが無

いこずも知りたした。私は生きた状態で

血球の反応を芋たいず思っおいたので、

たず光孊顕埮鏡䞋で生きたたたの血球

の識別を考えたした。ショ糖密床募配で

血球を分けるのも詊みたしたが、かなり

収率が悪い䞊に玔床も䜎くお諊め、結

局、採取したたたの䜓液をスラむドグラ

スに茉せお芳察する原始的方法を遞び

たした。䜍盞差やノマルスキヌ芳察で血

球を睚み続け、䜕ずか 10 皮類くらいに

分けるこずにしたわけです。

盞前埌しお、マボダ血球のアロ接觊反

応を芋぀けた金沢倧の富家先生、電顕

でマボダ血球を芳察した日倧の倧竹さ

んもそれぞれ血球分類を発衚されたし

た。それぞれで䞀臎する凊ず食い違う凊

が出お来る状況ずなり、ホダの発生孊

研 究 者の 方 々 から 、 䜕故 食 い 違 うの

か䞀臎させお共通芋解を出しお欲し

いずの芁望も出おきたした。倧阪垂倧の

団先生の呌びかけで皆が集たったこず

もありたしたが、「芳察法や分類基準を

統䞀できなければ、研究者の数だけ分

類法が生たれる」ずいう珟実を実感した

した。その解決には、耇数の分類衚を

付き合わせお䞀臎させるよりも、先ず共

通理解を持おる特城や珟象機胜を通し

お䞀぀ず぀確認しおいく必芁を考えさせ

られる結果ずなりたした。その埌、液胞

现胞には UV 照射で匷く蛍光を発するも

のずそうでないものが居る写真、塩化

アンモニりム凊理で液胞が顆粒化する

ものもある、phagocytes の䞀぀柀田

p1、倧竹SGは现胞質融合によっお

巚倧なシヌトを䜜る、fibroblastic cells 柀田sg、倧竹LGが同皮现胞だけ

の倧きな凝集塊を䜜るなどいく぀かの

特城を芋぀けたものの、それらを機胜

的偎面ず合䜓させた仕事に成熟させら

れないたたになっおしたいたした。

血球分類に぀いおは、UCLA で゚ボダ

血球を扱った時にも、以前に切片芳察

などで分類された血球分類ずは別に、

生きた状態ず in vitro での染色・識別を

基にしお新たに分類し盎すこずから始め

たした。私は䞻な血球グルヌプだけに

泚目しお 4 皮類に簡略化しおしたったの

ですが、その埌の研究者は再び 10 çš®

類近くに増やしおいたす。こんな状況を

他分野から芋るず、䜕か自分勝手に䞍

毛な“分類のための分類 ”を繰り返しお

いるようにしか芋えないず思いたすし、

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JADCI News No.47 2017.12.25

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か぀お私も自分で分類を始める前には

同じ感想を抱いたこずがありたす。マボ

ダ血球を 10 皮類に分けたずき、発生を

研究するホダグルヌプの方々に「ヒトに

は数皮類の血球しかないのに、䜕故ホ

ダにはそんなに倚くの皮類が必芁なの

か 现かな違いにこだわり過ぎじゃな

いのか」ず蚀われたこずもありたす。し

か し 免 疫  生 䜓 防 埡 の 研 究 者 であ れ

ば、ヒトの血球血球系现胞が 10 皮類

どころではなく、さらに现分化され続け

おいるこずをご承知ず思いたす。問題は

皮類の倚さではなく、分かりやすい機胜

や圢態的特城ず、分ける意矩機胜的

分化の明確化にあるのだず考えおいた

す。

無脊怎動物での血球分類は、よく哺乳

類の血球分類ず比范されおしたいたす。

しかし珟圚では倚分、哺乳類の“血球分

類”の方が、はるかに现かく耇雑で倚皮

類です。ヒトの血球は赀血球、血小板、

぀の顆粒球、リンパ球、単球だけず䞀

芋単玔に芋えるのかもしれないけれど、

肥満现胞や暹状现胞のような血管倖の

“血球”、組織に遊走したマクロファヌゞ、

B 现胞の倉化した圢質现胞などを入れ

れば数は増えたす。開攟血管系のホダ

では血球の居堎所に組織・血管の区別

がないず考えれば、皮類数はほが同じ。

ホダ血球の䞀぀に「fibroblastic cells 」ず名付けお怪蚝な顔をされたこずもあり

たすが、90 幎代に哺乳類・埪環血䞭で

芋 ぀ か っ た 骚 髄 由 来 の 「 circulating

fibrocytes  CD45+ collagen I+ CXCR4+ cells」が組織修埩に動員され

るずいう報告からすれば、組織修埩の

為の“線維芜现胞っぜい血球”がホ

ダ䜓液䞭にあっお圓然ずも思われたす。

た た 、 现 胞 質 に 乏 し い 小 さ な 现 胞 が

hemoblasts ず lymphocyte-like cells (LLCs) のどちらなのかずいう議論もあ

りたしたが、どちらにしおもそれぞれを

確認できる識別法を確立するたでは䟿

宜䞊の名称に過ぎないず思いたす。通

垞の血液怜査や組織孊実習にしおも、

“リンパ球 ”の項目には圢状で識別でき

ない少数の造血幹现胞や circulating fibrocytes が含たれおいるし、私が医

孊郚に来お珟圚たでに衚面抗原で識別

可胜ずなった NK 现胞、B 现胞、NK 现

胞や数皮の Th 现胞・CTL 现胞などに

は分けられおいないのですから。

医孊郚に来るたでは受粟珟象を扱い

卵ず粟子だけの識別でよかった私は、

孊生院生時代を通しお哺乳類の血球

すらたずもに知らず、解剖組織孊の教

宀でホダ血球ず同時にヒト血球の分類

も勉匷するこずになりたした。圓初は「哺

乳類では既に血球の分類や機胜が刀

明しおいるが、ホダでは䜕も分かっおい

ないので、早く分類も機胜も分かるよう

にしたい・・・」ずいう思いがありたした。

でもその埌哺乳類・血球を知るに぀れ、

哺乳類でもそうでもなかったかず思うよ

うになりたした。未だに良く分からない奜

塩基球の必芁性や、“リンパ球系 ”由来のマクロファヌゞの可胜性などに぀い

お孊生に講矩しおいるず、哺乳類もマボ

ダも「ずかく血球自由现胞の研究はな

かなか難しい」ず感じるようになりたし

た。そしお、免疫孊䌚などでマりスヒト

の研究者の倚さを芋るず、「片手の指く

らいしか研究者が居ないマボダ血球の

研究は、たあこんな凊かも」ずも感じおし

たいたす。

䜕故か、ホダのゲノム情報が明らかに

なる䞀方でホダ血球やホダの生䜓防埡

の研究者が枛っおしたい、遂に、マボダ

血球を䜿った遺䌝子レベルでの解析を

JADCI で聞かないたた、ずりあえず私も

倧竹さんも珟圹を終えるこずになったの

は残念な気がしたす。しかし、ホダが脊

怎動物の祖先であるこず、マボダが手

に入りやすく倧量の血球现胞を埗られ

るこず、ゲノ ム情報 が解読 され おいる

事、ホダの発生孊では遺䌝子導入など

遺䌝子レベルで実隓的解析が行われお

いる事に期埅し、遠からず新時代のホ

ダ血球研究者が珟れるこずを信じおい

たす。できれば、血球の圢態を芋おきた

研究者が消え去る前に・・・でないず、

たた、血球分類の䞀から始めなくおはい

けない。

広報では、䌚員の皆様からの JADCI News ぞのご寄皿を募集しおおりたす

実隓動物の玹介や、実隓手法のちょっずしたコツの玹介は、レギュラヌコンテンツずしお継続䞭で

す。皆さたのご寄皿をお埅ちいたしおおりたす。

その他、゚ッセむ、JADCI ぞのご意芋・ご提蚀をはじめ、曞評や曞籍の玹介、論文玹介なども歓迎

いたしたす。たた、䌚員のナニヌクな取組み研究だけでなく教育も含めに぀いおも玹介しおいきた

いず考えおいたす。自薊・他薊問いたせんので、どうぞよろしくお願いいたしたす。

ご寄皿の際は、事務局 [email protected]たでお寄せ䞋さい。

広報からのお願い

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JADCI News No.47 2017.12.25

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クルマ゚ビは、日本で も盛んに

逊殖されおいる倧型の゚ビです。ク

ルマ゚ビの特城に぀いおは「ガむド

ブック クルマ゚ビ類の成熟・産卵ず

採卵技術奥村ら平成 26 幎 2 月

蟲林氎産省委蚗事業」に詳しい蚘

茉があり、この曞物から生物ずしお

の基本的な情報や個人的に面癜い

ず思った内容を玹介させお頂きたい

ず思いたす。

◆生物ずしおの特城

ラむフサむクルに぀いお、メスが

脱皮盎埌で殻が柔らかい状態のず

き亀尟が行われるこずから、産卵に

関しおオスは関䞎しないず考えられ

おいる。産卵は倜間、䞻に灘海域

の氎深 20100m においお行わ

れ、海氎䞭に攟出された受粟卵は

1314 時間かけおふ化しおノヌプ

リりス幌生になり、その埌、ゟ゚ア

→ ミシス → ポストラヌバ私たちが

目にするクルマ゚ビの圢態ぞ成長

し、ポストラヌバ期になりたおの頃

は浮遊生掻を送る図。クルマ゚

ビは倜行性の生物であり、浮遊生

掻を終えたのちに干期ぞ移動しお

私の実隓動物 #

クルマ゚ビ 囜立研究開発法人 氎産研究・教育機構

増逊殖研究所 魚病蚺断・研修センタヌ

皲田 真理

シロアシ゚ビ、ブラックタむガヌ

りシ゚ビなどずずもにクルマ゚ビ

も Penaeus 属Penaeus 属6 亜

属、28 皮に分類されおいた。しか

し、海域や気候等の生息環境や亀

接噚、額角、肝隆起等の圢態的特

城、日呚掻動、朜砂習性、亀尟行

動等の生態的特城の違いから以前

は亜属ずしお扱われおいたものが

属 に æ Œ 侊 げ さ れ た 。 そ の 結 果 、

Penaeus 属 は 6 属 に 现 分 さ れ

 Marsupenaeus 属 、Litpenaeus属 、 Penaeus 属 、 Farfantepe-naeus 属、Fenneropenaeus 属、

Melicertus 属、属名に぀いおクル

マ゚ビは Marsupenaeus 属、バナ

メむ゚ビは Litopenaeus 属、ブラッ

クタむガヌは Penaeus 属に改めら

れた。

分垃ず皮類に぀いお、自然界に

おいおクルマ゚ビは、日本呚蟺では

倪平掋偎は束島湟、日本海偎は陞

奥湟たで分垃しおいるこずから、日

本はクルマ゚ビ分垃の北限ず考え

られおいる。日本呚蟺以倖にも、む

ンド掋、地䞭海東郚玅海、倪平

掋西岞域に分垃しおいるず考えら

日䞭は朜砂し、倜、掻動するずいう

皚゚ビ時代を過ごす。その埌、成長

するに䌎っお沖合ぞず生息堎を移

し、深堎に移動する過皋で性成熟

が進み、410 月に耇数回、産卵

する寿呜は 3 幎皋床。

食性に぀いお、゚ビ類は小型甲殻

類、二枚貝、倚毛類など様々なもの

を食するこずから海の掃陀屋ずしお

知られおいるが、それはポストラヌ

バ期成䜓の食性を指しおおり、

浮遊 生掻 を 送 る幌 生期 に おい お

は、ゟ゚ア期では珪藻などの怍物

性プランクトンを、ミシス期ではブラ

むンシュリンプなどの動物性プラン

クトンを捕食するノヌプリりス期は

摂食しない。

◆クルマ゚ビ類の分類、クルマ゚ビ

の生息域ず遺䌝的集団の関係

クルマ゚ビMarsupenaeus ja-ponicus  は 、 珟 圚 、 Marsupe-naeus 属に 1 属 1 皮ずしお䜍眮づ

けられおいる。以前は、クルマ゚ビ

ず近瞁皮であり䞻に東南アゞアで

盛んに逊殖されおいるバナメむ゚ビ

図クルマ゚ビの幌生期

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JADCI News No.47 2017.12.25

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参考文献 1. Tzeng TD, Yeh SY, Hui CH. Population genetic structure of the kuruma shrimp (Pe-

naeus japonicus) in East Asia inferred from mitochondrial DNA sequences. ICES J Mar Sci. 2004; 61: 913-920

2. Tsoi KH, Wang ZY, Chu KH. Genetic divergence between two morphologically similar varieties of the kuruma shrimp Marsupenaeus japonicas. Mar Bilo. 2005; 147: 367-379

3. Tsoi KH, Ma KY, Wu TH, Fennessy ST, Chu KH, Chan TY, Verification of the cryptic species Penaeus pulchricaudatus in the commercially important kuruma shrimp P. japonicus (Decapoda : Penaeidae) using molecular taxonomy. Invertebr Syst. 2014; 28(5): 476-490

4. 特定疟病蚺断マニュアル 平成 28 幎 10 月、公益瀟団法人 日本氎産資源保護協䌚、

http://www.fish-jfrca.jp/02/pdf/H28diagnosticmanual.pdf

造雄腺の抑制に働いおいる可胜性

が瀺唆されおいるが、県柄因子は

䞍明である。

゚ビ類の生䜓防埡機構に関する

知芋はショりゞョりバ゚をはじめず

する昆虫類の知芋ず比范しお圧倒

的に少なく、゚ビ類の内分泌や生䜓

防埡機構を研究する䞊で昆虫の知

芋は非垞に圹立぀。゚ビ類は無脊

怎動物の䞭でも、分子系統解析で

は比范的昆虫類に近瞁であるこず

が知られおいるが、昆虫ず゚ビ類ず

では䜓の構造は倧きく異なり、生䜓

内においおも共通の分子が保存さ

れおいないこずがある。昆虫だけで

なく゚ビ類の研究を行うこずで生物

の進化の理解に貢献できるのでは

ないかず考えおいる。

が他の地域のクルマ゚ビず別皮ず

するず、他囜のクルマ゚ビず日本の

クルマ゚ビの病原䜓に察する感受

性に違いがあるのか気になる所存

である。

◆性成熟ずホルモン

甲殻類の県柄を陀去するず成熟

が進むこずが知られおおり、この基

瀎的知芋を応甚しお、県柄陀去に

よっお゚ビ類の性成熟を人工的に

促進させる技術が開発された。県

柄の䞭にある内分泌噚官によっお

成熟を調節するホルモンが分泌さ

れるため、県柄を切断するこずで卵

黄圢成抑制ホルモンの分泌を抑え

るこずができる。その結果、メスでは

卵巣が発達し、オスでは造雄腺の

肥倧ず粟巣の発達が生じる。オスに

぀いお、卵黄圢成抑制ホルモンが

れおいたが、2004 幎、Tzeng らに

よっお日本、東シナ海、南シナ海、

台湟海峡に生息するクルマ゚ビの

ミトコンドリア DNA の塩基配列の解

析が行われ、日本のクルマ゚ビは

他の海域に生息するクルマ゚ビず

異なる地域集団を構成しおいる可

胜性 が瀺 唆 された   。2005 幎 、

Tsoi らによるず、頭胞甲の王様によ

っおクルマ゚ビを I 型ず II 型に区別

するこずができた。遺䌝子倚型解析

の結果においお I 型ず II 型間では

明らかな遺䌝組成の差が認められ

たこずからクルマ゚ビは䞀皮でなく

二皮に分けられ、日本には I 型、シ

ンガポヌルには II 型、銙枯には䞡

方が生息しおいるず考えられた。

さらなる解析の結果、クルマ゚ビの

II 型 が 別 çš®  Penaeus pul-chricaudatusであり、東南アゞア

やむンド掋、地䞭海、オヌストラリア

に生息しおいたのは日本呚蟺のク

ルマ゚ ビではなく、Penaeus pul-chricaudatus であるず、2014 幎に

Tsoi らは報告しおいる。

私はこれたで゚ビ類の疟病や生

䜓防埡因子に関する研究を行っお

おり、病原䜓の宿䞻特異性ず宿䞻

の生䜓防埡機構に倧倉興味を持っ

おいる。クルマ゚ビ類は倚くの疟病

に眹るこずが知られおいるが、海倖

で発生しおいる疟病のほずんどが

日本に未䟵入である。様々な゚ビ

類の疟病の䞭でも、我が囜の氎産

業に倧きな被害をもたらすおそれ

のある疟病を蟲林氎産省が「茞入

防疫察象疟病」たたは「特定疟病」

ずしお定めおおり、゚ビ類に぀いお

は珟圚 10 皮類の疟病がその察象

ずなっおいる。クルマ゚ビ類の䞭

でも、゚ビの皮類によっお病原䜓に

察する感受性が異なるこずがこれた

での研究で報告されおおり、䟋えば

む゚ロヌヘッド病YHDは、クルマ

゚ビ類に病原性を瀺すが、特にブラ

ックタむガヌに察しお高い病原性を

発揮する。もし日本のクルマ゚ビ

皲田 真理Inada Mari

2013 幎 3 月、宮厎倧孊倧孊院蟲孊工孊総合研究科で孊䜍蟲孊を取埗埌、日本孊

術振興䌚特別研究員PDを経お 2014 幎 9 月、氎産研究・教育機構増逊殖研究所 ä»»

期付研究員に採甚され珟圚に至る。孊生時代から珟圚たで、クルマ゚ビの殺菌・殺りむ

ルス胜を持぀フリヌラゞカル生成酵玠や现胞間の情報䌝達分子であるサむトカむン现

胞増殖因子の研究を行っおいる。珟職に぀いおからぱビ類だけでなくマガキやアワビ

等の貝類を含めた氎産無脊怎動物党般の病原䜓の特性解明や疟病迅速蚺断技術の開

発、现胞株䜜補等に取り組んでいる。

著者プロフィヌル

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JADCI News No.47 2017.12.25

17

留孊䜓隓蚘 ‒ドむツにおけるポスドク生掻‒

Friedrich-Loeffler-Institut

山口 卓哉

第回 ドむツのクリスマス

早いもので今幎も残すずころあず

僅かずなりたした。こちらドむツでは

寒さが厳しさを増し、日照時間も日

に日に短くなり日の出は朝 8 時

頃、日の入は倕方 4 時前、たさに

冬本番を迎え぀぀ありた す。今回

は、ドむツにおけるクリスマス期間の

過ごし方にフォヌカスしおみたいず

思いたす。ドむツでは宗教的・歎史

的背景から、日本ずは異なり、お正

月よりもクリスマスが重芁芖されお

いたす。お正月はカレンダヌ次第で

は 2 日から仕事始めであるのに察

し、クリスマスは囜民の祝日である

12 月 25 日・26 日の前埌に有絊䌑

暇を䜵せお 1 週間ほどの䌑みを取

り、日本のお正月のように家族で集

たっお過ごすずいうのが䞀般的なよ

うです。ですから、クリスマス期間は

ほずんどのお店は閉たり、普段静か

な小さな町がさらにしヌんず静たり

返りたす。FLI も同様でほが無人に

なりたすが、もちろん仕事をしにいく

こずはできたすし、実隓動物等に぀

いおも担圓の職員の方が幎䞭無䌑

で毎日ケアをしおくれたす。たた、ク

リスマスの前、12 月䞊旬から䞭旬

にかけおは、職堎やスポヌツクラブ

等それぞれのコミュニティヌ単䜍で

クリスマスパヌティヌが開催された

す。この時期のレストランはどこも満

垭で、さながら、日本の忘幎䌚シヌ

ズンのようです。私の所属するバレ

ヌボヌルチヌムのクリスマスパヌテ

ィヌでは、各家庭に眠っおいる䞀品

をラッピングしお亀換する“プレれン

ト亀換”が恒䟋ずなっおいたす。お酒

や食噚などが䞻ですが、今幎はな

んず自動車のりォッシャヌ液䞍凍

を匕き圓おおしたしたした・・・。

さお、ドむツのクリスマスを語る䞊

で 倖 せ な い の は 、 や は

り ”Weihnachtsmarkt  ノ ァ ã‚€ ナ ハ

ツ・マルクトクリスマスマヌケット”でしょう。近幎、日本でも目にする機

䌚が増えおきたクリスマスマヌケット

ですが、もずもずは 400 幎以䞊の歎

史を持぀ドむツ発祥の䌝統的なむベ

ントです。圓初は、䜏民たちがクリス

マスを祝う準備をするための垂堎ず

しお始たったずのこずですが、今日で

は飲 食 物や 雑 貚を 売 る 屋台 に 加

え、子䟛たち向けの芳芧車やメリヌ

ゎヌランドなどのアトラクションも蚭

眮され、倜が長く倩気の悪いドむツ

の厳しい冬を楜しく過ごすためのむ

ベント・お祭りずしおの色合いが匷い

ようです。氷点䞋に迫ろうかずいう暗

い寒空の䞋でも、屋台の暖かな明

かりの䞭で GlÃŒhweinグリュヌノァ

むンワむンず銙蟛料などを枩めお

䜜るホット・カクテルの䞀皮などで

䜓を枩め、おなじみの炭火焌き゜ヌ

セヌゞを頬匵っおいるず、なんずなく

心も䜓も枩かくなっおくる・・・ような

気がしたす。私自身にずっおも、クリ

スマスマヌケットの暖かい雰囲気は

長く厳しい冬を過ごすための心の支

えのひず぀であり、研究を遂行する

掻力ずなっおいたす。続く

ラボメンバヌでのクリスマスパヌティヌ

クリスマスマヌケットの様子

食欲をそそる暖かな屋台

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実隓のコツ #2 魚類組織からの

现胞浮遊液調補のコツ 日本倧孊 生物資源科孊郚

䞭西 照幞

现胞浮遊液の䜜補は単玔な䜜業ですが、ちょっずした

工倫で现胞の生存率や収率が向䞊したす。䟋幎経隓す

るこずですが、研究宀に入宀したばかりの卒論生が調補

した现胞の生存率は 60ぐらいですが、経隓を重ねるに

぀れ向䞊し倧孊院博士課皋の院生やポスドクが調補す

るず 90以䞊になりたす。现胞の生存率が 90以䞊な

いず正垞な现胞の機胜を枬定したずは蚀い難く、論文を

投皿しおも受理しおもらえたせん。

今回は、各皮现胞調補法に぀いお玹介するずずもに、

生存率や回収率においお優れた现胞浮遊液を調補する

コツをお䌝えしたす。なお、魚類の組織ずあえお断ったの

は、以前アコダガむの組織や䜓液から现胞浮遊液を調

補する際に、生䜓から取り出した組織や䜓液からの现胞

が瞬く間にシャヌレに付着し倧倉苊劎したこずから、無脊

怎動物の方は別途専門家に玹介しおもらった方が良い

ず思うからです。

1 金属メッシュ䞊で組織を磚砕する方法 この方法には 2 ぀の方法がありたす。

A

① 箄 5 ml の培地Hanks 液などを入れたプラスチックシャヌレに組織を入

れる。 ② 2 cm 四方の金属メッシュメッシュ数 4060䞊で先曲がりピンセットを

甚いお組織を磚砕したす写真 1。 ③ 組織の断片や凝集塊が含たれおいるので、さらに目の现かい金属メッシ

ュメッシュ数 80100あるいはプランクトンネットを甚いおろ過したす。

これで倧きな凝集塊を陀いた现胞浮遊液ができたす。 ④ さらに、现かい凝集塊を陀く必芁がある堎合には、䜎速回転200 rpm,

3 minで遠心しお凝集塊を遠沈し䞊枅を採取したす。

B:

① 50 ml あるいは 15 ml チュヌブ䞊に、目の现かいスチヌルメッシュを茉

せる写真。 ② 5 ml あるいは 10 ml シリンゞの内筒の黒いゎムの郚分を甚いおメッシュ

䞊で組織を磚砕したす写真。

B 法の利点は、磚砕ずろ過を同時に行えるので、䜿甚する噚具や手間が省けた

す。しかも、チュヌブやシリンゞはガス滅菌されおいるので無菌操䜜が容易です。金

属メッシュに぀いおもオヌトクレヌブをしたものがない堎合には、アルコヌルでスプ

レヌした埌にバヌナヌで炙れば即座に滅菌できたす。

この方法で重芁なこずは、メッシュ䞊の組織をシリンゞの内筒の黒いゎムの郚分

で、軜くポンポンず叩くようにするこずです。免疫现胞は組織ず匷く結合しおいないの

で、軜く衝撃を加えるだけで組織から遊離しおきたす。決しお、シリンゞの内筒を擂

粉朚の様に動かしお现胞を抌し぀ぶさないこずです。ゎマをすったように现胞も壊れ

おしたいたす。

各皮现胞調補法

写真金属メッシュ法 A 法

写真金属メッシュ法 B 法磚砕前

写真金属メッシュ法 B 法磚砕埌

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2) ツベルクリン甚シリンゞを甚いる方法

この方法は、医孊分野でもよく甚いられる方法ですので、ご存知の方も倚いず思

いたす。

① プラスチックシャヌレに組織を入れ、県科甚ハサミで組織を现かく切り刻

みたす。 ② ツベルクリン甚の 1 ml シリンゞを甚いお、培地ずずもに现かく刻んだ組織

片を吞匕し、その埌吐出ず吞匕を繰り返したす写真。これで凝集塊を

含む现胞浮遊液ができたす写真。 ③ あずは、1)の方法ず同様に、目の现かいスチヌルメッシュあるいはプラン

クトンネットを甚いお凝集塊を陀きたす。

この方法においお重芁なポむントは、シャヌレの底ずシリンゞの先端ずの隙間を適

切にずるこずです。隙間が狭いず䜙分な圧力が必芁で、時には暎発しおせっかくの

サンプルを無駄にする危険性がありたす。 3) スラむドグラスを甚いる方法

この方法は、ダりンスのホモゞナむザヌの原理ず同様です。

① プラスチックシャヌレに組織を入れる。 ② 2 枚のスラむドグラスのすりガラスの間に組織を挟んで、こすり合わせた

す写真。

組織塊が小さくなるに぀れ䞁寧に集めお凊理する必芁があり、シリンゞを甚いる

方法に比べ時間を芁したす。䞊蚘のツベルクリン甚シリンゞを甚いる堎合ず同様に

無菌操䜜が容易で、新しいシャヌレを䜿甚すれば滅菌枈みで、スラむドグラスはア

ルコヌルでスプレヌした埌にバヌナヌで炙れば即座に滅菌できたす。

写真シリンゞ法

写真シリンゞ法磚砕埌

写真スラむドグラス 现胞浮遊液䜜補のポむント

①先ず、现胞の凊理は氷䞊で䜜業を実斜するなど遠心操

䜜も含めお䜎枩䞋で行いたす。②マクロファヌゞや顆粒球は

噚具に付着しやすいので、䜿甚する噚具メッシュ、チュヌブ、

ピペットチップなどはすべおシリコン凊理を斜しおおきたす。

③実隓条件により现胞の状態が良くないずきは、死现胞の栞

由来の高分子 DNA により、正垞な现胞も巻き蟌たれお凝集塊

を圢成しアグリ、遠心しおも现胞が沈殿しない堎合がありた

す。このアグリを防ぐために、事前に Hanks 液や PBS に

Heparin(10 IU)を加えおおきたす。アグリが深刻な堎合には、

DNase(0.1 mg/ml)を䜿甚するず解決したす。ただし、その埌

DNA を抜出する堎合にはもちろん䜿えたせん。④现胞の生存

率の向䞊のためには、现胞調補甚の Hanks 液や PBS に予め

0.5%2%皋床の牛胎児血枅(FBS)を加えおおくこずも有効で

す。⑀遠心埌の现胞のペレットを再浮遊させる堎合には、ボ

ルテックスミキサヌを䜿うこずは厳犁です。軜く遠心チュヌブの

底をタッピングし、ペレットを攪拌し再浮遊させたす。ずにかく、

现胞をやさしく取り扱うこずが重芁です。

リンパ噚官以倖の組織からの现胞浮遊液調補法

リンパ組織の堎合は、容易に现胞を遊離させるこずができた

すが、通垞の組織から免疫现胞を遊離させるには特別な操䜜

が必芁です。䟋えば、肝臓、腞、鰓などから免疫现胞を遊離さ

せるには、以䞋の操䜜を行いたす。なお、腞管の堎合は事前

に PBS を甚いおピペッティングにより内容物を陀去しおおきた

す。たた、鰓の堎合には Heparin(10 IU)を含んだ PBS にお朅

流により鰓の血管内の赀血球を出来るだけ陀きたす。

① 先ず、PBS + 1mM DTT + 1mM EDTA を甚いお 15 分

間むンキュベヌトしたす。 ② 組織片をシャヌレに入れ、県科甚ハサミで现切したす。 ③ 次に、䞋蚘の溶液に組織を入れ、シェむカヌに茉せ時

間宀枩で振ずうしたす。 CMF-Hanks + 5%FBS + Collagenase (0.1mg/ ml) + DNase (0.1mg/ml)

④ 組織が十分柔らかくなった時点で、䞊蚘 1)3)に述べた

方法で組織を磚砕し现胞浮遊液を䜜補したす。

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• 第回孊術集䌚の開催予定 䌚期平成幎 8 月 21月-23 日氎 䌚堎日本倧孊生物資源科孊郚 湘南キャンパス 孊術集䌚長森友忠昭先生 日本倧孊生物資源科孊郚

• 次期䌚長遞挙に぀いお

䌚則に埓いたしお、次期䌚長遞挙を行うこずずなりたした。

投祚甚玙など詳现はメヌル䟿にお、幎䌚費などの曞類ず䞀

緒に春頃にお送りいたしたす。ご協力をお願い申し䞊げた

す。

• 叀田トラベルアワヌドの募集 2018 幎床は囜際比范免疫孊䌚ISDCIの孊術集䌚が開

催されたすアメリカ合衆囜、ニュヌメキシコ州サンタフェ、

6/17-21。それに䌎い、若手研究者の参加支揎ずしお叀田ト

ラベルアワヌドの応募者を募集いたしたす。締め切りなど詳

现な情報は、叀田賞、叀田優秀論文賞の情報ず䜵せお、幎

䌚費などの曞類ず䞀緒に春頃にメヌル䟿でお送りいたした

す。 • 所属・䜏所が倉わったらご連絡を

所属や䜏所に倉曎が生じた堎合には、事務局たで至急ご

連絡䞋さい。メヌルか Fax でお願いいたしたす。曞匏は特に

ありたせんので、「氏名、䜏所、所属、電話Fax 番号、メヌ

ルアドレス」をご連絡䞋さい。

• 退䌚に぀いおもご連絡を 今幎床で卒業、修了する孊生さんなど、今幎床で退䌚を予

定の方は、孊䌚事務局たで至急ご連絡ください。E-mail か

Fax でお願いいたしたす。遅くずも 2018 幎 2 月末日たでにご

連絡いただけるず助かりたす。

• 新䌚員の入䌚を歓迎いたしたす 皆様のお近くに、比范免疫孊にご興味の方がおられたした

ら、本孊䌚ぞの入䌚をぜひずもお勧めいただけたすようお願

い申し䞊げたす。メヌルで䞋蚘の情報を事務局たでお知らせ

䞋さい。 幎 䌚 è²»(侀 般 の 個 人 䌚 員:5,000 円 、 博 士 埌 期 課 繋 院

生:3,000 円、入䌚金なし)の振替甚玙を郵送いたしたす。

1. 氏名 2. 氏名(ロヌマ字) 3. 所属 4. 連絡先(所属先か自宅かを明蚘しお䞋さい)

郵䟿番号・䜏所・電話/Fax 番号 5. E-mail アドレス 6. 専門分野 7. 孊生䌚員の堎合は、指導教員の名前ず孊生蚌のコピ

ヌあるいはスキャン画像

発行者

日本比范免疫孊䌚長 䞭西 照幞

事務局

庶務担圓 末歊 匘章

䜏所 〒917-0003

犏井県小浜垂孊園町−

犏井県立倧孊 海掋生物資源孊郚

海掋生物工孊研究宀内

電話 0770-52-9600

Fax 0770-52-6003

E-mail [email protected]

Web http://plaza.unim.ac.jp/~jadci

線集

広報担圓 叀川 亮平慶應矩塟倧孊

事務局からのお知らせずお願い


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