Snap Inc. 徹底分析
6/25/2017
Agenda
•背景
• Snap Inc.について
• Snapchat
• Spectacles
•まとめ
背景
■カメラ会社 Snap Inc.
3/2 Snap Inc.は「カメラ会社」として上場。
日本ではまだまだだが、アメリカでは若者の間で絶大な人気を誇るSnapchat
さらにはメガネ型カメラであるSpectaclesを発表し2月下旬にはついにアメリカでオンライン発売を開始
ソニーとは全く異なる「カメラ会社」であるSnap Inc.
彼らの主張するカメラ会社とはいったい何なのか。体験し、話を聞くことで、分析、考察してみます。
Snap Inc.について
■会社
■プロダクト
・設立:2011年・創業者:Evan Spiegel (26) CEO ※パートナーはミランダカー
Bobby Murphy (28) CTO・拠点:LA (シリコンバレーではないのが残念)・歴史:スタンフォードのUndergradsだった彼らの
授業のプロジェクトが発端。Spiegelのアイデア。・3/3 IPO、時価総額は約3兆円
・Snapchat消える系メッセージングアプリ
・SpectaclesSnapchat専用に作られたメガネ型カメラ
Snapchat
■Snapchatとは
Snapchatは特にTeenから大学生の間で絶大な人気を誇るメッセージングアプリ。日本では人気がない。特徴として、「消える」ことがポイント
・Daily Active User:158 million (twitter超え)US: 68 EU:52
・2.5B Snaps created every day・Active Userの平均アプリ起動回数:18, 滞在時間:25 min/day
圧倒的若者人気
(ちなみに日本では酷似したサービスのSNOWの方が人気)
Snapchat機能概要
CameraChat Story Discover
起動画面(カメラ)(正直初めは使い方がわからない)
スワイプ スワイプ スワイプ
送った写真やテキストは一度見ると消えるのが特徴画像を保存するとその旨が通知される
Storyに保存していくと、1日に起こったことが時系列に並ぶ友達のストーリーも確認できる24時間で消える
企業がStory形式で掲載するアド機能一度見ると消える
Memory
Account
Snapchatの面白さ
■消える
手軽!!
一度見ると消えるメッセージ (Chat)
・本当に特別なことがあったわけじゃなくても、すぐに消えるから気軽に写真を送れる
・個人的には、慣れてないと、保存を忘れて送信してしまい、消えてしまって悲しい思いをした経験がある
24時間で消えるストーリー
・いいね!がもらえるようなことじゃなくても、その日のこと、みんなに共有したいことを、気軽に投稿できる
・結局、消える前に毎日友達のストーリーが見たくて、開いてしまう中毒性
Snapchatの面白さ
■カメラ機能に遊び心満載
顔に関する数多くのエフェクト(Lens)機能 Geofilter
・撮影時のみ使用できるリアルタイムエフェクト(最初はこのLensの出し方すらわからなかった)
・企業がつくるSponsored Lensもある
・場所・時間によって限定されたGeofilter・著作権に触れなければ無料でアップロードできる・イベント等に関連させられる有料のOn-demand版、広告として企業がアップロードするSponsored版もある
Community Geofilter (free) On-demand Geofilter
Snapchatの面白さ
■カメラ機能に遊び心満載Style Transfer
Stickers
・300を超えるステッカー・テキストや時間や温度を入れるフィルターもある・アバター絵文字のBitmojiとの連携も可能・3Dフィルター(AR)にも対応
元画像
画像を有名な絵のスタイル風に変換できる!
Snapchatの面白さ
■Storyの新しさ
これまでのSNSのWall機能(facebook, Twitter, Instagram)
基本的に新しい順に見ていくことになる
古い順番に画像を見ていける
Snapchat Stories
Wall的要素
友達がその日何してたかを知るには他のSNSよりも良いらしい(若者ユーザー意見)
広告効果
・MAX10秒の動画が順番に流れていく仕様はニュースや雑誌のダイジェスト版的な要素を持っている
・気になった広告は加工、シェアも可能・見る側も雑誌を読んでいるような気分で気軽に閲覧できる
Instagram, facebookも真似し始めている(Instagramがユーザー数を超えた)
掲載企業の例
Snapchatの面白さ
■中毒性をもたせるゲーミフィケーション的工夫
Trophy機能
Snapchatを使っていくごとに集められるTrophy
10 snapをmemoryに保存
2つのフィルターを使って写真を送った
Chatのフレンド絵文字
Chatのフレンドとの関係が絵文字で示される(初めはなんだかわからない)
Streak毎日Snapを送り合うと数字で表示される若者曰く、この数字にとらわれている人が多いらしい
2週間以上お互い最もSnapを送り合っている
自分はたくさん送っているけど相手はそうではない
Snapchatの技術的要素
Lookseryというウクライナの会社を買収し、その技術がベース
ベースはDeep Learningではなく、トラディショナルな顔認識(特徴量ベース)
カメラ機能の技術には最新のComputer Visionがふんだんに使われている
Style TransferはNeural styleと呼ばれるDeep Learningの有名な技術で、ポストプロダクションとして実装
■高精度な顔認識技術と追尾 ■AR
顔だけでなく、空間を3Dで認識できるようになった
こちらはおそらくDeep Learningが使われている(2015年より特にDLを中心とした研究開発部隊を設置している)
■Style Transfer
Snapchatの技術的要素ARを中心とした熱い技術領域→各社追従の様相
Camera Effects Platform
■Facebookがガンガンぱくっている
Style transferの動画版、リアルタイム版
■AppleもARに本格参入
WWDC2017にてARKit発表
■Google Tango
■日本
Snapchatについて感想
• Geofilterが面白い• 旅行に行くと集めたくなるGeofilter。
• 写真を撮る際の加工性の充実は申し分なく楽しい
• UIが若い• スワイプを多用した操作性
• 特に説明がなく、アイコン重視のインターフェース
• ちょっと使い方がわからない自分が、少し齢を感じた
•やっぱりちょっとわからない消える機能• せっかく撮った写真、いろいろフィルタつけて面白くした写真が、送ったら消えちゃうのは、やっぱりよくわからない
• もっと、気軽に、手軽に使わないといけないけど、それができない→自分が「旧カメラ世代」と実感
Spectacles
■Spectaclesとは
2016/9 Snap Inc.が発表したサングラス型のカメラ
初めは消えるSnapchatの特徴をなぞらえてか、24時間だけ存在する自動販売機(Snapbot)の形でアメリカ中のいたるところに出現させるという、販売、マーケティング手法を取っていた。2017/2よりオンライン発売(アメリカのみ)を開始。即購入。オンライン発売となった今も、自動販売機(Snapbot)はアメリカの枠を超えて今もどこかで出現している。
Spectacles商品概要・$129 3色展開・10秒の動画撮影のみ(撮影時間延長可)、音声も録れる・115°の魚眼レンズが搭載されており、円系のイメージフレームを持つ・Snapchatにのみ連携可能、Bluetooth経由で動画がスマホに送信・撮影動画はSnapchat上でフィルター等の追加が可能・反対側にはLEDランプ:バッテリー容量と撮影中に光る用途・梱包は自動販売機で発売されているだけあって円筒型で、スタイリッシュ・メガネケースがバッテリーチャージャーを兼用
梱包状態
ケース:バッテリーチャージャーを兼用カメラ
LED
チャージポート(専用)
ダブルタップでバッテリー残量確認(タップ反応悪い)
撮影ボタン
チャージケーブル
Spectaclesで動画撮ってみたなかなか普段は撮れない動画が撮れる
Maker Fairにて。大きなシャボン玉を見つけて思わず撮影
SFの公園の滑り台にてSFの絶景と、滑り台のスリル
車でゴールデンゲートブリッジを渡る瞬間
撮れた動画の一例
あとは子どもの動画が多い
Filterも入れている
Spectacles使用してみて
■円形フレームが新しい
スマホや通常のカメラのようにカメラを回すことができない→円形フレームで撮影して、あとから縦か横か決めてらいいじゃんという発想
レンズの捉える円形の光線を無駄にしない
iFixitより
imagerLens
スマホ上ではこう見える
Spectacles使用してみて
■バッテリーの設計がうまい
ケースをモバイルバッテリー化することで、Wearableデバイスの小バッテリー問題を解消
かけている時
これでも満充電で100Snap撮れるらしい
かけていない時 ケースにしまっておけば充電できる→気づけば満充電
サングラスってずっとかけない
使っていて、バッテリーに困ったことは一度もない
Spectacles使用してみて
■アクションカムよりも気楽で日常になじむ楽しさ
この見た目の違いが物語っている日常に使えて、撮影も気軽で、簡単
Spectaclesについて感想
•ふとした瞬間の”撮りたい!”を実現できるのは素晴らしい• Spectaclesが提供したい価値は、まさにここにあると実感
•円形フレームやバッテリー、デバイスの出っ張り具合、カメラのサイズ感等、よく考えられて設計されている• プロトタイプを何度も作って最適化したのがよくわかる
•カメラ単品として考えた時、Snapchatにしか接続できないのはちょっと不便• 円形フレームでしかインポートできないのもちょっと残念
•今後の進化に期待!(得意のAR連携?)
Snap Inc.のビジネスモデル、マネタイズ
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2017Q1売上:$150M
雑誌風広告 ハード売り
Q1売上64,000 個
まとめ
Snapがもたらす価値とは・・・・とにかく写真/動画体験を楽しくしている・写真/動画体験を”会話感覚”に落とし込んでいる・記憶や作品を作り出す現行のカメラとは
全く異なる写真/動画の価値を提供している⇒若者世代をターゲットにする場合、必要な体験価値
記憶 記録 会話
EOF
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