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MotionSolveを用いたソーラーカーの
サスペンション最適設計
金沢工業大学 工学部 機械工学科
教授 山部 昌
機械工学専攻 修士課程
内山 翔太
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本日の内容
◎ 金沢工業大学の教育ビジョン
◎ 金沢工業大学の夢考房プロジェクト
◎ ソーラーカのサスペンション設計最適化
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昭和40年に開学 工学部 機械工学科 電気工学科を設置
(現在は4学部14学科 定員1480名)
三大建学綱領 「人間形成」「技術革新」「産学協同」
① 教育の卓越性: 人間形成を目的とする「教育付加価値
日本一の学園」 を目指します
② 研究の卓越性: 「共同と共創による技術革新と産学協同の
実現」を目指します
③ サービスの卓越性: 「自己点検評価システムの成熟」を図り、
学生を始めとする学園に関係する方々
(顧客)の満足度の向上を目指します。
金沢工業大学(KIT)のビジョン
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KIT産学連携教育プロジェクト
正課教育
課外教育
教育プロジェクト
学生
教員 職員
正課教育と課外教育の両面から「教育プロジェクト」という独自の学習機会の中で、学生、教員、職員が共に学びあう環境を構築
プラットホームの場(共同と共創の場)として
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KITにおける主な産学連携教育プロジェクト
学生が自主的にものづくりができる「夢考房」
夢考房プロジェクト
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KITにおける主な産学連携教育プロジェクト
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全長×全幅×全高 4450×1760×1212 mm タイプ 単結晶シリコン太陽電池
ホイールベース 1800 mm 面積 5.4 m2
トレッド 1350 mm 変換効率 19.2 %車両重量(ドライバーを除く) 132 kg 出力 1050 W乗員 1名 タイプ リチウムイオンポリマー電池ボディ 容量 5221 Whフレーム タイプ DCブラシレスモータサスペンション 前後:ダブルウィッシュボーン 出力 1 kW (効率98%)ブレーキ 前後:油圧ディスク モータコントローラ(自作) PWM制御・電流制御ステアリング ラック アンド ピニオン MPPT(自作) 昇圧型・ダイオード整流方式
駆動方式インホイールモータによる直接駆動(前輪駆動)
ホイール(TAN-EI-SYA製) マグネシウム鍛造ホイールタイヤ(MICHELIN製) Michelin Tire 95/80 R16 (16インチ用)
太陽電池 (KIS製)
CFRPアラミドハニカムサンドイッチバッテリ
モータ(自作)
Specifications -車両仕様-
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ソーラーカーの設計コンセプト
カウル
空力性能
約7deg
約3deg
発電性能
空力性能と発電性能は相反する関係にあるが、 偏ることなく両立を目指した設計
数値シミュレーションにより最適形状を提案
太陽光を太陽電池に できるだけ垂直に当てる
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ソーラーカーの設計コンセプト
軽量化と高剛性の両立
フレーム
軽量化と高剛性は相反する関係にあるが、 CFRPハニカムサンドイッチ板を使用した モノコックフレームを採用し、両立を目指す
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走行抵抗R=Ra+Ri+Rr+Rs+Rc
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ソーラーカーの設計コンセプト
サスペンション
高い操縦安定性と低い走行抵抗の両立
操縦安定性 走行抵抗
O
S
N
S
US
安定性を示すスタビリティファクタを0.001s2/m2とするとともに、 コーナリング抵抗を低減させることで高い操縦安定性と
低い走行抵抗の両立を図る
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ソーラーカーの設計コンセプト
サスペンション
z
y
x
22 21
20
4
8
T
N
Lower arm
Upper arm
Knuckle
: pin connection
Tie rod
○高い設計自由度がある ○走行抵抗低減のためには イニシャルトー、キャンバが重要 であるため、整備性が良い ダブルウィッシュボーン式を採用
前後共にダブルウィッシュボーン
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サスペンションの課題 大きなアンダーステア特性
を有する車両 ステアリング操舵に対して
車両の応答性が悪い
スタビリティファクタは0.7G時に
0.008[s2/m2]
設計値は0.001[s2/m2]
一般的に市販車は弱アンダーステア(0.001~0.004[s2/m2])で設定
操舵に対するヨーレートの応答が悪い
操舵に対するヨーレートが大きい
(車両の回頭角が大きい)
これらの課題を解決し、実験により評価を行うには 長い期間が必要になる
シミュレーションにより傾向を把握する
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大きなアンダーステア特性
路面追従性 と乗り心地 を重視 ばねが柔らかすぎた ○ 走行風などによる外力 ○ コーナリング・ブレーキング時の加重移動
に対し大きな車両姿勢変化を伴う 過剰なロール、ピッチ
解決のために ◎車両の姿勢変化 抑制 ショックアブソーバ・バネ特性の再設計 荷重移動量に対するロールを抑制
現状よりオーバーステア傾向へ改善 高い速度域で安定したコーナリング走行 走行中の加減速も少なく …etc
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20[m]
○ 走行条件
○ ばねの硬さの違いによるステア特性への影響
○ 評価項目
■ 試験コース ■
※ 右旋回のみ
2014/10/6 17
▶ スタビリティファクタ
𝐾 = 𝛿𝑠𝜔 𝑉 / 𝛾 ℓ 𝑁 − 1 / 𝑉2
V:車速[m/s] γ:ヨーレイト[deg/s] ℓ:ホイールベース[m]
N:オーバーオールステアリング比[ - ] δsω:ハンドル角[deg]
スタビリティファクタ : K
○定常円旋回試験
横加速度 G 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
速度 Km/h 16 23 28 32 36 39 42
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定常円旋回試験・車両試験結果
-0.006
-0.004
-0.002
0.000
0.002
0.004
0.006
0.008
0.010
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
Sta
bil
ity
Fa
cter
[s2/m
2]
Lateral Accelation[G]
Stability Facter - Lateral Accelation
2012 2011スタビリティファクタ
車両の姿勢変化を抑制
ばね定数 ▶ “柔” → “硬”
スタビリティファクタは
大きなUS特性(0.7G時で0.008[s2/m2])
弱US特性(0.7G時で0.004[s2/m2])
大きなUS特性からOS傾向へと改善できることを確認
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車両の応答性が悪い
ショックアブソーバ減衰特性が原因だと考えられる ばねに対して減衰特性のバランスが悪い 減衰特性に関して、詳細な理論設計は行っていなかった…
解決のために ◎車両の応答性向上 ショックアブソーバ・減衰特性の再設計
ヨーレートの応答性を向上させる 車両回頭角を減少 車両の安定性を向上 …etc
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速度 km/h 40 60
減衰特性 基準 圧側強 伸側強
圧側弱 伸側弱
圧側弱伸側強
圧側強伸側弱
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コース図
単位:[m]
○ダブルレーンチェンジ試験
○ 走行条件
○ 減衰特性の違いによる車両の応答性への影響
MotionSolveを用いた車両運動解析と ソーラーカーを用いた車両性能試験により評価
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解析モデル
○ すべてのモデルは剛体で定義
○ ショックアブソーバ減衰特性はcurveで定義
-2,500
-2,000
-1,500
-1,000
-500
0
500
1,000
-400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400
減衰
力 [
N]
ピストン速度 [mm/s]
圧側強・伸側強
圧側強・伸側弱
基準
圧側弱・伸側強
圧側弱・伸側弱
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ダブルレーンチェンジ試験・解析結果
ステアリング操舵をした直後のヨーレート位相差を算出することで 応答性を評価する
ヨーレート位相差は位相遅れが小さいほどステアリング操舵に対して車両が俊敏
に応答する
⇒解析上ほとんど差が見られないが、圧側減衰弱く、伸側減衰を強くすることで
車両ヨーレートの応答性が良くなる
減衰特性 ヨーレート位相差 [deg]基準 -1.1008
圧側強伸側強 -1.1112圧側弱伸側弱 -1.1999圧側強伸側弱 -1.1060圧側弱伸側強 -1.0903
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ダブルレーンチェンジ試験・車両試験結果
ステアリング操舵に対する ヨーレート・横加速度の発生
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ステアリング操舵に対するヨーレート・横加速度の発生
圧側強・伸側弱
圧側強・伸側強
圧側弱・伸側強
圧側弱・伸側弱 ステアリング操舵時のヨーレート、横加速度の 位相遅れを算出することで応答性を評価
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応答性○ 距離
基準 14.23圧側強・伸側強 13.33圧側弱・伸側弱 13.60圧側強・伸側弱 14.80圧側弱・伸側強 12.01
原点0に近ければ近いほど操舵に対する応答性が良く、安定感の
高い運動性能となる
圧側が弱く、伸側が強ければ 応答性が良く、運動性能が良い
シミュレーションと車両試験ではヨーレート位相差の大きさは異なるが最適な減衰特性は同じであった
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まとめ
○ MotionSolveを用いたシミュレーションと車両試験ではステアリング操舵に対する 車両ヨーレートの大きさは異なるが最適な減衰特性は同じであった。 ○ 今回のシミュレーションではモデルは全て剛体モデルを用いている。 今後弾性体モデルで計算を行い、計算精度の向上を図る。 ○ 2017年WSCに向け、現在設計中の6号車(2人乗りソーラーカー)のフレーム・ サスペンション設計に活用し、最適設計を行う。
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本研究を進めるにあたり、アルティアエンジニアリングの
星野様に多大なご支援をいただきました。
ここに謝意を表します。
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ご清聴ありがとうございました。