これがCalcだ! -Calcをコンセプトから見直す-
表計算ソフトのコンセプトから見直す
表計算ソフトの定義
● 数値データの集計・分析に用いられるアプリケーションソフトウェアである。
By Wikipedia
● 数値データの集計・分析に用いられる作表アプリケーションソフト。
By IT 用語辞典 e-Words
機能について検討してみる
● 数値データの集計や分析 → あくまで数値データ
● 作表アプリケーションソフト → あくまで表を作るアプリケーション
機能面から考える妥当な使い方
● Cellに関数を入力して計算
● 表からグラフを作成
● データのフィルタリング
機能を使う上での制約
● 1つのCellに結果は1つ。
– どんなに関数を繋げても答えは一つしか出ない。複数のセルに演算結果を出力できない。
● データはリスト形式で入力する必要がある。
– 各種機能や関数が正しく動かない。
ここまでの結論
無難と思われる使用範囲
1.リスト形式のデータを管理する。
2.集計を出す。
3.出した集計をグラフやレポートにする。
コンセプトに対する問題提起
アムロ・レイのお父さん、テム・レイ
第一話で息子にこき下ろされた謎デバイス
表計算ソフトに求められる過剰な要件
● データ処理のリアルタイム性が求められるようになってきた。
● 要求される出力が単純な計算とグラフだけでは済まなくなってきた。
● リレーションを含むデータ処理が求められる。
使われ方の問題 1
問題:
長編ドキュメント作成に使われる。(そういう用途に使うなこんにゃろう)
対応策:
● ワープロの使い方覚えろ。
● できないならワープロできる人に任せる。
使われ方の問題 2
問題:
表計算ソフトにDBソフトと同じ機能を求められる。
対応策:
● 表計算ソフトとして使いこなす方法を模索する。
● VBAやスクリプトで機能を追加してDBのように使えるようにする。
表計算ソフトとDBの出力結果の違い● 表計算ソフトの出力
– 関数による計算。
– データの絞り込みはフィルタリングに依存。
● DB(主にSQL)の出力
– 表と表でリレーションを組んで、新しい構成の表を出力できる。
無茶の無い活用方法
● データの分析は別のソフトを使う。 → 分析できる形までデータを抽出、整形しておく。
● 基本的には、1シートに表は一つ。 → 幾つも並べると、レイアウトを維持できないから。
● 長編ドキュメントの素材作成 → グラフや表をワープロソフトに貼り付ける。
理想的な連携(Libre Office)
エディタ(ドキュメントの下書き)
Base(データの計算)
Calc(表やグラフに加工)
Writer(ドキュメントの仕上げ)
Or
Impress(プレゼン資料作成)
Draw(図の作成)
の素材 作成工程
ドキュメントのげ仕上
理想的な連携(MS Office)
エディタ(ドキュメントの下書き)
Access(データの計算)
Excel(表やグラフに加工)
Word(ドキュメントの仕上げ)
Or
PowerPoint(プレゼン資料作成)
Visio(図の作成)
の素材 作成工程
ドキュメントのげ仕上
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表計算ソフトの性能を引き出す使い方
とりあえず、この3つを守れ!
● データはリスト形式で入力する
● セルに名前を付ける
● 役目毎にシートを分ける
データはリスト形式で入力する
● 1行目に見出しが入る
● セルの結合をしない
● 1行1データ
表計算ソフトの演算機能は、データがリスト形式に入力されていることを前提に
設計されている。
セルに名前を付ける
表計算ソフトはセルに名前を付けることができる。
付けた名前を関数に使用することができる。
範囲に名前を付けるメリット
● 関数の計算内容が分かりやすくなる。
● 目的のセルへの移動が楽になる。
● スクリプトの記述が分かりやすくなる。
役目ごとにシートを分ける
おおよその分け方の基準
● データ入力用のシート
● 計算用のシート
● 印刷用のシート
シートを分ける事で、それぞれの作業の影響を受けなくなり、メンテナンス性が格段に向上する。
表計算ソフトを使うときの注意点
● 自動処理は苦手。
● 長いデータはできるだけ入力しない。
● データのリレーションは苦手。
● 一つのファイルでできることは限られている。
結論
Excel と Calc の比較(独断で判断)
Excelの傾向
● 表計算ソフトとしてのコンセプトを変に覆そうとしている。
● ビジュアル系の中途半端な機能が山盛り。
● Word,Powerpointとの連携、統一感があまり取れていない。
● Microsoft製品にべったり依存。
それに対するCalcのアドバンテージ● 検索、置換で正規表現が使用できる。
● 履歴管理機能が充実
● 版管理機能が充実
● ドキュメント間の比較ができる
結論
ご静聴ありがとうございました。