キリンホールディングス株式会社CSV戦略部 シニアアドバイザー藤原 啓一郎
キリングループのTCFDの取り組みについて環境省「脱炭素経営フォーラム」2019年11月20日
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各リスク調査からTCFDシナリオ分析へ
生物資源リスク調査(2011~2012年)
水リスク調査(2014年、2017年)
シナリオ分析(2017~2018年)
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2018年 把握はしていたが発現すると思っていなかったリスク
出所:国土交通省太線が被災路線出所:共同通信
2018年7月西日本豪雨により鉄道網が破壊され、モーダルシフト(鉄道輸送)が寸断された。
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シナリオ分析による新しいリスクマネジメント
従来の考え方のリスク評価では「保持」扱いのリスクが実際に発現し、事業に大きな影響を与えた。「起こる可能性は分からないが、起きた場合に事業に極めて大きな影響を与えるリスクについて、シナリオを設定して評価する新しいリスクマネジメントシステムの経営マネジメントへの定着が必要。
起こってから復旧までの期間
再生プラスチックの利用不可
起こるまでの時間
長期
短期短期 長期/復旧不能
農産物の収量減
モーダルシフトの寸断
再生可能エネルギーの需要逼迫
キリン固有課題 一般的課題被害の大きさ=円の大きさ (不明な場合は破線)
「起こる可能性が分からない」=「発生の可能性が低い」 となり、2018年発生した事象などが、点数の掛け算などで評価する従来の考え方のリスク評価では、リストアップしても「保持」になる。
影響度
発生の可能性
モーダルシフトの寸断
再生可能エネルギーの需要逼迫
農産物の収量減
再生プラスチックの利用不可
シナリオに基づくリスクマネジメントのイメージ
ブラックアウト
ブラックアウト
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農産物収量へのインパクト(環境報告書2019)
シナリオ3
物理的リスク
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農産物生産地の水ストレス(環境報告書2019)
シナリオ3 物理的リスク
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戦略のレジリエンス評価(環境報告書2019)
主要農産物の収量/栽培産地水リスクに対する気候変動インパクト• 発泡酒・新ジャンルなど大麦を使わない醸造技術が完成しており、大麦の
代替の糖類を使用する製品の展開が可能。• 気候変動対応の農産物が開発された場合、独自の植物増殖技術の応
用が可能。• 持続可能な農園認証制度取得支援の活動などの
知見の活用。• 分散調達の知見の活用。
国内製造拠点・物流経路への水リスク評価• 西日本豪雨を教訓とした物流体制の再構築。
カーボンプライシングが電力価格に与える影響評価• GHG削減目標の見直し。