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Page 1: 市会ジャーナル特別編 市会ジャーナル 第 165 号 平 …...2018/08/09  · 1 1 改正の背景 第31次地方制度調査会における検討 第 31 次地方制度調査会は、個性を活かし自立した地方をつくる観点から、人口減少社会

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1 改正の背景

●第 31次地方制度調査会における検討

第 31 次地方制度調査会は、個性を活かし自立した地方をつくる観点から、人口減少社会に的確に対応する三大都市圏及び地方圏の地方行政体制のあり方、議会制度や監査制度等の地方公共団体のガバナンスのあり方等について調査審議を行い、「ガバナンスのあり方」や「外部資源の活用による行政サービスの提供」等について、提言や今後の方向性が示されました。

(1) ガバナンスのあり方

(2) 外部資源の活用による行政サービスの提供

市会ジャーナル特別編

法制情報 第 1 号

第1号テーマ 「地方自治法の一部改正」 はじめに

地方自治法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)は、平成29年6月2日

に参議院本会議において可決・成立し、同年6月9日に平成29年法律第54号として公布さ

れました。改正法は、第31次地方制度調査会が平成28年3月16日に内閣総理大臣に提出し

た「人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方に関する答申」

(以下「第31次答申」といいます。)の提言を踏まえて国会に提出された「地方自治法等

の一部を改正する法律案」が、可決成立したものです。

本号では、地方議会への影響も大きいと思われる、「地方公共団体の長等の損害賠償責

任の見直し等」や「監査制度の充実」などの改正がなされている地方自治法の改正をテー

マにご紹介します。

人口減少社会において、最少の経費で最

大の効果を挙げるよう、地方公共団体の事

務の適正性の確保の要請が高まる

長、監査委員等、議会、住民が、役割分

担の方向性を共有しながら、それぞれが有

する強みを活かして事務の適正性を確保す

ることが重要

人口減少社会において資源が限られる

中では、地方公共団体間の事務の共同処

理の仕組みの他に、外部資源を活用する

ことも重要

窓口業務のように、公権力の行使にわた

るものを含めた包括的な業務について、地

方独立行政法人の活用を制度上可能とする

ことも、選択肢の一つ

市会ジャーナル 第 165 号

平成 29年度 vol.4

平成 29 年 10 月 20 日発行

横浜市会議会局政策調査課

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●住民訴訟制度の見直しに関する懇談会における検討

第 31 次答申において住民訴訟制度の見直しが提言されましたが、見直しの具体的な方向性については今後の検討に委ねられました。 そこで、答申を補足し、見直しの具体的な方向性について議論するため、平成 28 年 12

月から総務省「住民訴訟制度の見直しに関する懇談会」において検討が行われ、平成 29 年1月に取りまとめが公表され、①「軽過失の場合における損害賠償責任の長や職員個人への追及のあり方の見直し」②「4号訴訟の対象となる損害賠償請求権の放棄のあり方」について今後の方向性が示されました。 ※「住民訴訟制度の見直しに関する懇談会」での検討経過の詳細については、「市会ジャーナル第 157 号」4~11 頁をご覧ください。

2 改正法の概要

改正法では、第 31 次答申での提言やその他懇談会等による検討を踏まえ、地方公共団体等における適正な事務処理等の確保並びに組織及び運営の合理化を図るため、「内部統制に関する方針の策定等」「監査制度の充実強化」「地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し」等を行うとともに、地方独立行政法人について、その業務への「窓口関連業務等の追加」及び「適正な業務を確保」するための規定の整備を行う等の措置を講じるようにと、関連する規定の改正が行われました。(※「地方自治法」とともに改正が行われた、「地方独立行政法人法」については、概要のみご紹介します。) (1) 地方自治法の改正

(2) 地方独立行政法人法の改正

●第 31次答申の「ガバナンスのあり方」を受けて

① 内部統制に関する方針の策定等

② 監査制度の充実強化

③ 決算不認定の場合における長から議会等への報告規定の整備

④ 地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等

●第 31次答申の「外部資源の活用による行政サービスの提供」を受けて

① 地方独立行政法人の業務への窓口関連業務の追加

② 地方独立行政法人における適正な業務の確保

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3 地方自治法改正の具体的内容

(1) 内部統制に関する方針の策定等

① 都道府県知事及び指定都市の市長に対する内部統制に関する方針の策定等の義務付

け(地方自治法第 150条第1項)

➡ 都道府県知事及び指定都市の市長は、財務に関する事務等の適正な管理及び執行を

確保するための方針を定め、これに基づき必要な体制を整備しなければならないもの

とされました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

② 市町村長(指定都市の市長を除く。)の努力義務(地方自治法第 150条第2項)

➡ 内部統制に関する方針及び内部統制体制の整備については、指定都市の市長以外の

市町村長に対しては、努力義務が課されました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

③ 内部統制に関する方針の公表(地方自治法第 150条第3項)

➡ 都道府県知事又は市町村長は、内部統制に関する方針を定め、又はこれを変更した

時は、遅滞なく、これを公表しなければならないものとされました。

<平成 32 年 4 月 1 日から施行>

④ 内部統制評価報告書の作成(地方自治法第 150条第4項)

➡ 都道府県知事、指定都市の市長及び内部統制に関する方針を定めた市町村長は、毎

会計年度少なくとも 1 回以上、当該方針及びこれに基づき整備した体制について評価

した報告書を作成しなければならないものとされました。

<平成 32 年 4 月 1 日から施行>

地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないこと、常にその組織及び運営の合理化に努めること、法令、条例に違反してその事務を処理してはならないこととされているように、その事務を適正に処理することが義務付けられています。 しかしながら、地方公共団体を取り巻く環境も変化しており、地方分権の進展による地

方公共団体の責任領域や自己決定権の拡大、行政制度の複雑・多様化等により、今後、地

⑤ 内部統制評価報告書の議会への提出及び公表(地方自治法第 150 条第5項、第6項、第8

項)

➡ 都道府県知事又は指定都市の市長及び内部統制に関する方針を定めた市町村長は、

内部統制評価報告書を監査委員の審査に付し、その意見を付けて議会に提出し、かつ、

公表しなければならないものとされました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

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方公共団体において、事務処理が適正になされないおそれもある状況にあります。 今回の改正は、こうした状況を踏まえ、事務を執行する主体である長自らが、行政サー

ビスの提供等の事務上のリスクを評価・コントロールし、事務の適正な執行を確保する「内部統制体制」を整備・運用する取組みを進めることを定めているものです。

なお、地方公共団体の長の担任する事務の適正な管理及び執行を確保するための方針並びにこれに基づき整備する体制に関して「内部統制評価報告書」などの様式等を含む必要な事項については、総務省令で定められることとなっています(地方自治法第150条第9項)。

今後、総務省において全ての地方公共団体に対し、先行的モデル事例を紹介する等、必要な情報提供や技術的助言を行い、支援していくことが想定されます。

※内部統制に関するPDCAサイクルイメージ

(2) 監査制度の充実強化

① 監査基準に従った監査等の実施等(地方自治法第 198条の3第1項、第 198 条の4第1項、第3

項、第5項)

➡ 監査委員が監査等を行うに当たっては、監査基準に従うこととし、監査基準は、各地

方公共団体の監査委員が定めることとされました(監査基準の策定について、総務大臣

が指針を示し、必要な助言を行います。)。

監査委員は、監査基準を定めたときは、直ちに、これを普通地方公共団体の議会、長、

委員会及び委員に通知するとともに、これを公表しなければならないものとされまし

た。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

・内部統制に関する方

針の策定・公表

・内部統制体制の整備

内部統制体制の運用

・内部統制体制の評価

・監査委員の審査

・報告書の議会への提出

※「内部統制体制」とは?

地方公共団体における事務が適切に実施され、住民の福祉の増進を図ることを基本とする組織目的が達成されるよう、事務を執行する主体である長自らが、行政サービスの提供等の事務上のリスクを評価及びコントロールし、事務の適正な執行を確保する体制をいいます。

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現状の監査制度においては、監査に関する共通認識が確立されておらず、どのような観点から監査を行うか、監査・審査結果に何を記載するのかなどについて統一的な考えがないため、①「監査委員各人の裁量による監査となっている」②「住民から見て客観的に評価することができない」といった課題が指摘されています。 このような課題を解決するため、監査委員は、総務大臣が示した指針を踏まえて監査基

準を策定し、監査基準に従って監査を行わなければならないとするものです。

② 監査委員の権限の強化等

ア 勧告制度の創設(地方自治法第 199 条第 11項、第 15項)

➡ 監査委員は、監査の結果に関する報告のうち、普通地方公共団体の議会、長又は委員

会若しくは委員において特に措置を講ずる必要があると認める事項については、その者

に対し、理由を付して、必要な措置を講ずべきことを勧告することができることになり

ました。この場合において、監査委員は、当該勧告の内容を公表しなければならないも

のとされました。

監査委員から、勧告を受けた普通地方公共団体の議会、長又は委員会若しくは委員は、

当該勧告に基づき必要な措置を講ずるとともに、当該措置の内容を監査委員に通知しな

ければならないものとされました。この場合において、監査委員は、当該措置の内容を

公表しなければならないものとされました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

現行制度では、監査を受けた者が監査の結果を参考として措置を講じた場合には、監査委員に通知する義務が課されていますが、措置を講じなかった場合には何らの義務もありません。

そのため、今回の改正により、監査の結果に関する報告のうち、特に措置を講じる必要があると認めるものについては、監査委員は尊重義務のある勧告を行うことができることとし、勧告を受けた長等は勧告に基づき講じた措置について監査委員に通知することとされました。

② 監査委員の権限の強化等

イ 合議不調時における各監査委員の意見の公表等(地方自治法第 75条第5項、第 199条第 13

項)

➡ 監査委員は、監査の結果に関する報告の決定について、各監査委員の意見が一致しな

いことにより、合議により決定することができない事項がある場合には、その旨及び当

該事項についての各監査委員の意見を普通地方公共団体の議会及び長並びに関係のある

委員会又は委員に提出するとともに、これらを公表しなければならないものとされまし

た。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

現行制度では、監査委員による監査の結果に関する報告等の決定は、監査委員の合議によるとされていますが、合議により決定することができない事項がある場合に、その部分については、監査委員は監査の結果に関する報告等をすることができないため、どのよう

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な議論がなされたか不透明になり、また、報告等に向けて積み重ねてきた監査委員の審議等は無駄になってしまいます。 今回の改正により、合議により決定することができた場合についてのみ監査結果報告と

して対外的に明らかになる現状に比べて、監査の透明性を高めることが可能となります。

③ 監査体制の見直し(地方自治法第 196条第1項、第 200条の2第1項から第3項まで)

➡ 条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができるものとされました。

また、監査委員に常設又は臨時の監査専門委員を置くことができるものとし、監査専

門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、代表監査委員が、代表監査委員以外の

監査委員の意見を聴いて、これを選任するものとされました。

監査専門委員は、監査委員の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を

調査するものとされました。 <平成 30 年 4 月 1 日から施行>

現行制度では、全ての地方公共団体において「議選監査委員」を選任することが必要とされているところ、第 31 次地方制度調査会においては、「監査委員はより独立性や専門性を発揮した監査を実施するとともに、議会は議会としての監視機能に特化していくべき」との議論もありましたが、一方で「議選監査委員は実行性ある監査を行うため有効である」との議論もあり、地方公共団体の判断により、議選監査委員を選任しないことも選択肢として認めることとするものです。 また、「監査専門委員」は、監査委員が監査の対象となる事務全てについて対応でき

る専門性を有しているとは限らないことから、このような改正を行うことにより、監査に必要な専門性を補完できるようにするものです。

④ 条例により包括外部監査を実施する地方公共団体の実施頻度の緩和(地方自治法第252条

の36第2項)

➡ 政令で定める市以外の市又は町村で、契約に基づく監査を受けることを条例により定

めたものの長は、条例で定める会計年度において、当該会計年度に係る包括外部監査契

約を、速やかに、一の者と締結しなければならないものとされました。この場合におい

ては、あらかじめ監査委員の意見を聴くとともに、議会の議決を経なければならないも

のとされました。 <平成30年4月1日から施行>

包括外部監査制度については、全ての都道府県、指定都市、中核市に導入が義務付けられていますが、その他の市町村については、条例で任意に導入することができることとされています。その他の市町村が包括外部監査を導入することとした場合、毎会計年度包括外部監査契約を締結しなければなりませんが、これが財政面で負担が大きく、導入の支障となっているとの指摘があります。 このため、条例で任意に導入できる地方公共団体に対し、毎会計年度必ず実施するこ

とを義務付けず、条例で実施頻度を定めることができるようにするものです。

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(3) 決算不認定の場合における長から議会等への報告規定の整備

●決算不認定の場合における長から議会等への報告規定の整備(地方自治法第 233 条第7項)

➡ 普通地方公共団体の長は、決算の認定に関する議案が否決された場合において、当該

議決を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容を議会に

報告するとともに、これを公表しなければならないものとされました。

<平成 30 年 4 月 1 日から施行>

現行制度において、決算の認定については、議会の議決を要するものとされていますが、議会が決算を認定しない場合(不認定と議決した場合)、すでに行われた収入・支出についての効力に不認定の影響はなく、単に認定しないというだけでは、特段に法的効果は生じないこととされています。 今回の改正により、長の講じた措置の内容の適否について議会での議論の 俎

そ上に載せ

ることが可能になるなど、決算審議を通じて議会の監視機能がより適切に発揮され、議会と長との関係が活性化することが期待されます。

(4) 地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等

① 地方公共団体の長等の損害賠償責任の一部免責(地方自治法新第 243条の2)

➡ 条例において、長や職員等の地方公共団体に対する損害賠償責任について、その職務

を行うにつき善意で重大な過失がないときは、賠償責任額を限定してそれ以上の額を

免責する旨を定めることが可能となりました(条例で定める場合の免責に関する参酌

基準及び責任の下限額は、政令で定められます。)。

議会は、この条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監

査委員の意見を聴かなければならず、この監査委員による意見の決定は、監査委員の合

議によるものとされました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

② 住民監査請求の要旨の議会等への通知(地方自治法第 242条第3項)

➡ 住民監査請求があったときは、監査委員は、直ちに当該請求の要旨を当該普通地方公

共団体の議会及び長に通知しなければならないものとされました。

<平成 29 年 6 月 9 日以後になされた住民監査請求から適用>

※「職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない」とは?

一般的には、長等の違法な職務行為によって、地方公共団体に損害を及ぼすことを認識しておらず、かつ、認識していなかったことについて著しい不注意がない場合を指すものとされています。

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現行の住民訴訟制度では、長や職員等は地方公共団体に損害を生じさせた場合、軽過失であっても、全損害について責任を追及されるため、個人として多額で過酷な損害賠償責任を負うこととなり、長や職員等の萎縮を招き、円滑な行政運営に弊害が生じるとの見方があります。 また、長や職員等への損害賠償請求権等を議会の議決により放棄することについて、平

成 24 年の最高裁判所の判決によれば、「権利放棄の判断が政治的関係に影響を受けて客観性や合理性が失われ、裁量権の逸脱・濫用となることのないよう」求められています。

今回の改正は、ガバナンス全体の見直しを行う中で、個人への責任追及のあり方の見直しを行うものです。

(参考)住民訴訟(4号訴訟)と損害賠償請求権の放棄の議決

③ 住民監査請求後の権利放棄における監査委員からの意見聴取(地方自治法第 242 条第 10 項

、第 11項)

➡ 議会は、住民監査請求があった後に、当該請求に係る行為又は怠る事実に関する損害

賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決をしようとするとき

は、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならず、この監査委員による意見の決定

は、監査委員の合議によるものとされました。 <平成 32 年 4 月 1 日から施行>

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4 施行期日

今回の改正に係る施行期日は、次のとおりです。

(1) 内部統制に関する方針の策定等 平成 32年4月1日

(2)

監査制度の充実強化

・監査体制の見直し

・条例により包括外部監査を実施する地方公共団体の実

施頻度の緩和

平成 30年4月1日

上記以外 平成 32年4月1日

(3) 決算不認定の場合における地方公共団体の長から議会への

報告規定の整備 平成 30年4月1日

(4)

地方公共団体の長等の損害賠償責任の見直し等

※「住民監査請求の要旨の議会等への通知」については、改正法の

公布日以後(平成 29 年6月9日以後)にあった住民監査請求につい

て適用されます。

平成 32年4月1日

[参考資料・文献]

・ 『自治実務セミナ― 2017 8月、9月』 (第一法規)

・ 『地方自治 NO.838、NO.839(2017年)』(地方自治制度研究会)

・ 『地方議会人 2017 8月号』 (中央文化社)

・ 『議員NAVI』 (第一法規)

・ 『立法と調査 2017.5 No.388』 (参議院常任委員会調査室・特別調査室)

・ 『地方自治法等の一部を改正する法律の概要』(総務省)

・ 『住民訴訟制度の見直しに関する懇談会 取りまとめ(概要)』(総務省)

「法制情報」は、「市会ジャーナル」の特別編として、議会活動を法制面でも

積極的にサポートすることを目的として、議会局政策調査課(法制等担当)

が編集・発行しているものです。


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