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2019年10月31日
一般財団法人日本海事協会 再生可能エネルギー部
帆走型 風力発電船 (OEHV)
2019/10/26 01
風力
波力
1. 風力発電設備の認証サービス 風車の型式認証(大型・小型) ウィンドファーム認証
3. 浮体式洋上風力発電設備の検査
4. 海洋エネルギー発電設備の認証
5. 洋上工事に係わる認証(MWS)
6. 関連研究開発等 風車/浮体連成解析プログラムの開発 風車スマートメンテナンス技術開発(状態監視・予防保全) 異常着雷(レセプター外着雷)検知システム 帆走型洋上風力発電船
潮流・海流
海洋温度差
2.風力発電設備の定期安全管理審査
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《水中浮遊式海流発電システム》
《ふくしま未来》
再生可能エネルギー部の業務
《ウインドファーム》
洋上風力利用の新しい可能性
形態 静止系 運動系
形式 着床式 浮体式 浮遊式 帆走式
適用水深 5~60m 50~(数百m) 200~ N・A
風車形式 AIST-RIG WIND-HUNTER
エネルギー 変換方式
利用形態 系統電力 ガス火力発電・燃料電池
電気分解 水素貯蔵,運搬
発送電 (系統連系)
水平軸風車
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Q1.大型の風車ブレードと比べて、はるかに小さなプロペラで十分 発電できるのか? A1.水の密度は空気の800倍。 同じ速さの流れであれば、同出力の風車ブレードと比べて、プロ ペラ長さは28分の1。 Cf. 出力(P)=1/2ρAV3Cp
Q2.風力だけでは行きたい方向に航 行出来ず、戻って来れないのでは? A2.ヨット(揚力型帆)の場合、風上に 向かって右図のように帆走。 ジグザグ走行により、風上に向か って移動することも可能。
Q3.風力発電船はエンジンによる推 進力の一部を発電に使うのでは? A3.完全に風力のみで推進し、風力 エネルギーを電気に変換。
帆走式風力発電とは
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NKが検討中の 小型船のケース
左方向も同様(本図では略)
1991 年、第一回地球環境論文コンペティションにて地球産業文化研究所賞受賞 (洋上風力利用によるメタネーション)
Ⅰ.基本コンセプト「第一回地球環境論文」
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論文の主旨;再生可能エネルギー利用拡大の方策
*自然エネルギー利用のための面を確保する. 海洋進出 *安価で高効率な畜エネルギー技術. 電気化学反応利用 *既存インフラとの適合性. 液およびガスの形態 *寄与率の戦略的向上 システムの規模と数量 の段階的拡大
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2018 年3月、日本エネルギー学会誌“えねるみくす”に投稿論文として掲載 (直近のデータに基づくフィージビリティースタディー)
メタネーション方式のフィージビリティー
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[AIST-Rigの採用] ・大容量化可能 ・操船の自動化可能 ・高度な設備利用率
[電気化学技術の応用]
・海水の電気分解 ・メタノール製造 ・循環型システムの実現
[水車による発電] ・コンパクト ・制御の自動化可能 ・大容量化可能
洋上風力 エネルギー
船体の運動 エネルギー
水車の運動 エネルギー
電気 エネルギー
化学 エネルギー
OEHVによるメタネーション
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CO2 を媒体とするエネルギー循環システム
CO2; 11.9万トン
CH3OH; 8.7万トン
<CCS>
H2O
CO2; 11.9万トン
OEHV 走行11カ月
O2 O2 H2O
メタノールGT による発電
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OEHVの想定走行海域
<冬季のパターン> 海面上高さ100mで Vave ≥ 14 m/s Vave ≥ 12 m/s
→ 九州西方の東シナ海、東北北海道西方の日本海では海面付近(10m高)でVave ≥ 7 m/s の賦存量がある. この海域ではうねりがなく中小型発電船の運用が可能. →北太平洋海面上100m では 冬季 Vave ≥ 14 m/s年間を通して Vave ≥ 12 m/s の 風況を三陸沿岸から 5000 kmのエリアで利用することが出来る. → うねりと風波で厳しい海域であるが大型発電船の運航は可能.
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OEHV 展開戦略
Step 1-1 AIST-RIG による 帆走電動化
小型船舶 省力化
Step 2 自動走行 による無人化
小型船舶 自動走行化
Step 1-2 水中ロータ による発電
小型船舶 環境対応
Step 3 蓄電コスト低減
中型 OEHV
Step4 プラント化
大型 OEHV
・操作用電力を自己生産 ・入出港時の補機用電力 ・温水器,エアコンなど船内 設備用電力
・Week-day, 冬期の無人運転 による発電量増大
・水素システムへの移行 ・大規模供給によるCO2削減
・近海, 遠洋への領域拡張 と規模拡大
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小形風力発電船(OEHV) in 猪苗代湖 13
Ⅱ. 小型風力発電船のフィージビリティ―
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想定マーケット;OEHVによるモバイル用蓄電
養殖・遊漁業 (電動船外機)
海苔養殖 こんぶ養殖 真珠養殖
猪苗代湖 浜名湖 琵琶湖
愛媛県 長崎県 岩手県
宮城県 愛知県
猪苗代湖 いわき 湘南・三浦 小豆島
遊漁船
浜名湖
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AIST-RIG による帆走自動化(モデルベースデザイン)
動的挙動解析シミュレーションモデル
[座標の定義] [基礎方程式]
帆走自動化アルゴリズム開発
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水中ロータによる発電
ピッチ変換により → プロペラ状態 → フェザーリング → 発電用水車状態 の切り替えを行う
[走行速度と発電性能の関係]
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System block diagram
電圧 48V 電力量 100~150kWh/日
主蓄電池 30kWh 出力端 AC 100/200 V
AC DC
AC DC
DC DC DC-BUS
OCEAN VOLT
AC DC
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自動走行による無人化
[離着岸および港湾モード]
[航路走行モード]
[発電モード] <安全性・衝突予防>
<経済性・安全性>
<収量最大>
地上波による遠隔制御 (車でのレベル3 相当)
オートパイロット+ 衛星通信によるモニタリング (車でのレベル3 相当)
衛星通信により航路を指定 する自律走行 (車でのレベル4 相当)
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Ⅲ. Case Study ;ヨットクラブレスキュー艇の電化-1
02468
101214
5kt 10kt 15kt 20kt
Mercury Ocean Runner 430 走行特性
E;S+S E;S+T E;T+T T;S+S T;S+TT;T+T L;S+S L;S+T L;T+T
Case Study ;ヨットクラブレスキュー艇の電化-2
航続距離(10km) 消費エネルギー (10kWh/hr)
航続時間(hr)
→現仕様は40Hpエンジン船外機+携行 缶24l で最大速度は約20kt、航続距離 は36km で一日のレース対応に十分 ゆとりが有る。 →S+T(シングルモータ +ツインバッテ リー)で最大速度は15kt に落ちるが 航続距離は30km レベルを達成する ことが出来る。 →T+T(ツインモータ+ツインバッテリー では最大速度、航続距離共に十分で あるが価格がかなり高い。
*OEHV の平均充電容量をバッテリー容量と同じ3.5kWh/hr とすると正味2hr でバッテリー2set を充電することができ、レースに並行して充電するという概念が成立する。
艇速
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E:消費エネルギー T:航続時間 L:航続距離
小型風力発電船(まとめ)
*小容量充電システムとして(社会性) ・AIを用い利便性、経済性を実現 ・蓄電池充電需要に対応(2030予測) →電動アシスト自転車;70万台 →業務用ドローン ;8200台 ・RE100として完結するシステム構成
*再生可能エネルギーとして(環境対応) ・国土保全 ・地域環境問題回避 →騒音問題 →振動問題 →景観問題 →対人事故リスク
*太陽光、風力発電との比較(出力特性) ・廻航システムによる高利用率 ・船体質量による速度変動緩和 →出力変動の大幅な緩和 ・生成エネルギーの自航による搬送
*ビジネスモデルとして ・広範な需要に対応 (電動アシスト自転車、電動バイク、電動 車いす、ドローン、EV、電動船外機etc.) →充電事業 →レンタル事業 →マイクログリッド ・水素システムへの布石
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