[AP1601]
MS 1454-J-01 1 2012/08
概 要 AP1601は、商用電源(AC)からLEDに電流を供給するLED照明用アプリケーションに適した制御ICです。対応
する回路はDCM絶縁フライバックとCCM非絶縁降圧チョッパ(Buck)で、位相制御型調光器(以下TRIAC調光
器)に対応するLED照明用アプリケーションにおいて基板の部品点数を少なく構成することができます。 30V耐圧のプリドライバー、TRIAC調光器対応回路、トランスの補助巻線を使った定電流制御やDCM時のノ
イズ低減機能、各種保護機能など、LED照明アプリケーションに必要な多くを集積しています。 また、TRIAC調光器以外の調光システムにおいても独立したアナログ調光、PWM調光端子を持っていますの
で、幅広い調光機能付きLED照明アプリケーションを低コストで実現可能です。
特 長
外付け部品を軽減したLEDドライバー ・トランス補助巻線を使ったホトカプラ不要の定電流制御
最大275VまでのAC整流電圧で直接起動可能 電流制御機能
・DCMフライバック:1次側電流ピークとLEDのVFで変化するスイッチング周波数による制御 ・CCM降圧チョッパ:1次側電流ピークとLEDのVFで変化するオフ時間による制御 ・外部DC入力によるアナログ調光(電流ピーク制御) ・外部パルス入力によるPWM調光
TRIAC調光器対応、電流供給回路内蔵 保護機能
・LEDオープン保護 ・トランス短絡時の過電流保護 ・低電圧誤動作防止(UVLO) ・IC過熱保護
パッケージ ・14ピン SOP
用 途
大40Wまでの屋内用LED照明機器
・LEDダウンライト ・LEDブラケット ・LEDシーリングライト
AP1601
調光器対応LED照明用制御IC
[AP1601]
MS 1454-J-01 2 2012/08
ブロック図
DepletionMOSFET
HV VDD
BLEED
5VRegulator
SWVDD
UVLO
BLEEDER
OVP
RESET
Driver
TSD OCP
x5
S
HOLD
CLK
ZCD
LD
VFC OSC PW M GND
CS
OUT
REF
2.5V
1.2V
LEB
SEL
--+
RQ
S
RQ
Driver
2.8uA
2uA
100kΩ
2MΩ
図1. AP1601 ブロック図
ブロック 機能
BLEEDER BLEED端子の電圧とSWVDDの状態によりHV端子からブリードもしくは
VDDチャージのON/OFFを制御する。 5V Regulator VDD端子から内部回路で使用する5Vを生成する。
SWVDD VDD端子電圧を監視し、VDD電圧が不足したとき、BLEEDERに信号を出力
する。 RESET 5V Regulatorの立ち上がりを監視し、5V系の内部回路の誤動作を防止する。
UVLO VDD端子電圧を検出し、DriverをGND出力および5V Regulatorを非動作とす
ることで、低電圧時の誤動作を防止する。 OVP VDD端子の過電圧検出回路 Driver 外付けN型MOSFETのドライバー。 TSD ICの過熱検出回路 OCP 外付けMOSFETの過電流検出回路 CLK 内部クロック/オフ時間生成回路 ZCD ボトム電圧検出回路
HOLD 出力LEDのVFに比例した電圧を補助巻線からサンプリングし、CLKの周波数
/オフ時間を補正する電圧を生成します。 LEB リーディングエッジブランク
[AP1601]
MS 1454-J-01 3 2012/08
ピン配置・端子説明
図2. AP1601ピン配置図
番号 名 称 I/O 説 明
1 LD I アナログ調光信号入力端子 プルアップ機能内蔵(2uA(typ)でプルアップされています。)
2 PWM I PWM調光信号入力端子 プルダウン抵抗内蔵(2MΩ(typ))
3,10 GND PWR ICのグラウンド端子 放熱のために内部フレームに接続されています。
4 REF O 内部レギュレータの出力端子 安定化のために、0.1uFのコンデンサを接続してください。
5 BLEED I TRIAC調光器用電流供給スレッシュ設定端子 VBLEED電圧(1.2V(typ))以下で信号を内部コントロールに出力します。 プルアップ機能内蔵(2.8uA(typ)でプルアップされています。)
6 NC - NC端子 どの端子にも接続しないでください。IC内部には接続されていません。
7 HV I
TRIAC調光器用電流供給端子 TRIAC調光器を誤動作させないよう必要な電流をGNDに流します。ま
た、電源投入時および外部からVDD端子への電力供給が不足したとき、
BLEED制御信号に優先してVDD端子に電力を供給します。
8 VDD PWR ICの電源電圧入力端子 安定化のために、1uF~10uFのコンデンサを接続してください。
9 OUT O 外付けMOSFETのゲートドライブ端子 1nFのコンデンサ負荷を50ns(typ)で充電できます。 プルダウン抵抗内蔵(100kΩ(typ))
11 CS I 外付けMOSFET電流検出用端子 ソース端子-GND間に抵抗を接続しピーク電流を設定します。 また、この端子は過電流検出も行います。
12 SEL I 固定周波数モード/固定オフ時間モード切替端子
13 VFC I スイッチング周波数/オフ時間補正用入力端子 ボトム電圧検出も行います(SEL=REFのとき)。
14 OSC O スイッチング周波数/オフ時間設定用端子 この端子とGND間に抵抗を接続します(詳細は後述)。
* I/O欄記号 I: 入力端子, O: 出力端子, PWR: 電源端子, -: 該当なし
HV VDD
REF
BLEED GND
OSC
CS
LD
PWM
OUT
SEL
VFC
GND
NC
1
2
3
4
5
6
7 8
9
10
11
12
13
14
[AP1601]
MS 1454-J-01 4 2012/08
絶対最大定格
特に指定のない項目はTa=25とします。
項目 記号 Min. Max. 単位
HV端子(*1) VHV_max -0.3 450 V VDD端子(*1) VDD_max -0.3 30 V BLEED, OUT端子(*1,*2) VMV_max -0.3 VDD_max+0.3 V REF端子(*1) VREF_max -0.3 6.0 V CS, PWM, LD, OSC, VFC, SEL端子(*1,*3) VLV_max -0.3 VREF_max+0.3 V ジャンクション温度 Tj -40 125
保存温度 Tstg -55 150
許容消費電力(*4) PD 1.5 W Note: *1 GND端子(GND)を基準とした値です。 *2 VDD_maxが29.7Vを超える場合は、 大値は30Vに制限します。 *3 VREF_maxが5.7Vを超える場合は、 大値は6Vに制限します。 *4 25.4mm×25.4mm×1.6 mmのFR4基板、銅箔領域50%のGNDパターン、Ta=25の場合。Ta=25以上
では、15mW/で減衰します。 注意: この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。絶対 大定格を超えて使
用した場合は動作保証対象外となります。
推奨動作条件
項目 記号 Min. Typ. Max. 単位
動作電圧範囲(*5,*6) VDD 10 20 V HV端子電圧(*5) VHV 400 V BLEED, CS, PWM, LD, OSC, VFC, SEL(*5) GND VREF V 動作温度 (*7) Ta -40 105 °C
*5 GND端子(GND)を基準とした値です。 *6 VDDは動作開始電源電圧(UVLOH:17.6V(typ))印加後の値。 *7 消費電力が大きなアプリケーションかパッケージ熱抵抗が高いアプリケーション、またはその両方に該
当する場合、Tjの定格温度を超えないように、 高動作温度を下げる必要があります。
[AP1601]
MS 1454-J-01 5 2012/08
電気的特性 特に指定のない項目はTa=25、HV=open, VDD=15V, REF=0.1uF, PWM=VREF, SEL=GND, R15=200kΩ, VFC=VREFとします。ただし、VDDは動作開始電源電圧(UVLOH:17.6V(typ))印加後、指定の電
圧を印加してください。 1. 消費電流
項目 記号 規格
単位 条件 MIN TYP MAX
電源電流 IDD1 2.0 3.0 mA
PWM=VREF CS=0.6V OUT=No Load (*8)
IDD2 1.4 2.1 mA PWM=0V (*8) 2. 制御特性
項目 記号 規格
単位 条件 MIN TYP MAX
動作モード
SEL電圧H VSELH 4.5 V 固定周波数モード、ボトム電
圧検知 (DCM) SEL電圧L VSELL 0.5 V 固定オフ時間モード(CCM)電流制御 CS端子制御電圧 VPEAK 475 500 525 mV LD=VREF リーディングエッジブランク TLEB 200 300 450 ns PWM=VREF, CS=0.6V
LD端子入力電圧 VLD 0.3 2.65 V
アナログ調光時 LD端子
入力電圧範囲 VLD2 3.0 V アナログ調光未使用時
PWM電圧H VPWMH 1.5 V スイッチ動作 PWM電圧L VPWML 0.5 V スイッチ停止
スイッチング周波数1 FOP1 95 100 105 kHzR15=100kΩ, VVFC=1V, SEL=VREF (DCM)
スイッチング周波数2 FOP2 135 150 165 kHzR15=100kΩ, VVFC=1.5V, SEL=VREF (DCM)
スイッチング周波数3 FOP3 40 50 60 kHzR15=100kΩ, VVFC=0.5V, SEL=VREF (DCM)
オフ時間 TOSC 9 10 11 us R15=100kΩ, VVFC=1V, SEL=GND (CCM)
VFCゼロクロス検知電圧 VTHZC 0.05 0.1 0.15 V SEL=VREF (DCM) ゲートドライブ OUT端子出力電圧H VOUTH VDD-0.3 VDD-0.18 VDD-0.05 V IOUT= -10mA (*8) OUT端子出力電圧L VOUTL 0.05 0.12 0.2 V IOUT= 10mA (*8) 立ち上がり時間 Tr 50 100 ns OUT負荷:1000pF 立ち下がり時間 Tf 50 100 ns OUT負荷:1000pF TRIAC調光器対応電流供給 電流供給スレッシュ電圧 VBLEED 1.0 1.2 1.4 V BLEED端子 HV-GND間等価抵抗1 RONH1 450 710 Ω IHV=20mA (*8) HV-GND間等価抵抗2 RONH2 900 1350 Ω IHV=10mA, Tj=125(*8)
[AP1601]
MS 1454-J-01 6 2012/08
電気的特性(続き) 特に指定のない項目はTa=25、HV=open, VDD=15V, REF=0.1uF, PWM=VREF, SEL=GND, R15=200kΩ, VFC=VREFとします。ただし、VDDは動作開始電源電圧(UVLOH:17.6V(typ))印加後、指定の電
圧を印加してください。
項目 記号 規格
単位 条件 MIN TYP MAX
起動回路 動作開始電源電圧 UVLOH 15.5 17.6 19.8 V VDD電圧上昇時 動作停止電源電圧 UVLOL 5.6 6.4 7.2 V VDD電圧降下時 起動電流供給スレッシュ
電圧1 VDDH 9.1 10.3 11.6 V VDD電圧上昇時
起動電流供給スレッシュ
電圧2 VDDL 7.8 8.8 9.9 V VDD電圧降下時
起動電流 IDDCH -12 -8.5 -5.0 mA VHV=100V, VDD=6.5V(*8)内蔵レギュレータ REF電圧 VREF 4.9 5.0 5.1 V REF電流: 0mA(*8) REF電圧降下 VDROP 20 100 mV REF電流: -7mA(*8) 保護機能 過熱保護 TSD 130 150 170 設計値 過熱保護復帰温度ヒステ
リシス ΔTSD 29 65 101 設計値
CS過電流検出 OCP 720 800 880 mV LATCH停止 VDD過電圧検出 OVP 23 26 29 V LATCH停止
Note: *8 電流は、規定の端子への流れ込みを正、流れ出しを負とします。
[AP1601]
MS 1454-J-01 7 2012/08
動作説明 1)動作概要 AP1601は商用電源(交流100~240V)を整流した電圧から直接起動します。選択可能な2つの動作モードを持
ち、それぞれDCMフライバック型とCCM降圧チョッパ型の定電流ドライバーとして動作します。外部抵抗で
設定可能なスイッチング周波数はLEDのVF値に応じて自動的に調整可能であり、LED電流に対するLEDのVF
ばらつきの影響を 小限に抑えます。さらに降圧チョッパ型では、入力電圧変動に対してもLED電流が一定
に制御されます。 調光は、ピーク電流制御、PWMパルス電流制御、およびスイッチング周波数調整を独立もしくは併用して行
うことができます。 (説明中、外付け部品の記号・番号は、特に記載のない場合、アプリケーション回路例の絶縁フライバック
回路(図22)を参照しています)。 2)各機能説明 2-1)動作モード AP1601は、2種類の動作モードより選択可能です。SEL端子の電圧に従い、ICの動作モードが決まります。
動作モード SEL
端子電圧 外付けMOSFET制御
OUT端子H→L OUT端子L→H 固定周波数モード VREF CS端子によるピーク検出でOUT
端子H→Lにする。 OSC端子電圧で決まる内部CLK信号
立ち上がり後、VFC端子がボトム電
圧検知以下(<VTHZC)になったとき、
OUT端子L→Hにする。 固定オフ時間モード GND CS端子によるピーク検出でOUT
端子H→Lにする。 OSC端子電圧で決まるオフ時間経過
後、OUT端子L→Hにする。
固定周波数モードは、図3に示すフライバック型回路における電流不連続モードでの動作に適しています。一
方、固定オフ時間モードは図4に示す降圧チョッパ型回路における電流連続モードでの動作に適しています。
各モードの全体回路は、アプリケーション回路例の図22、と図23をご参照ください。
CS
OUT
D5T1
Q1
R13
Q1 On state current route Q1 Off state current route
Vin
VF
OSC
R15
D2
VFC
R12 R11
Lp
LbU1
C4R4D3 C6+
R14
Ls
SELREF
OUT
CS
ton toff
VPeak
Lp, Ls Current
ILp_Peak
0Ls Voltage
VF
-Vin/N
CLK(Internal)
ZCDInternal)
VFC
LED Current
D5 Current
Ls CurrentLp Current
図3 固定周波数モードでのフライバック型回路動作
[AP1601]
MS 1454-J-01 8 2012/08
CS
OUT
D5
T1
Q1
R13
Q1 On state current route
Q1 Off state current route
Vin
VF
OSC
R15
D2
VFC
C8
R12 R11
Lp
Lb
U1
SEL
OUT
CS
ton toff
VPeak
Lp Current
ILp_Peak
OffTime
0Lp Voltage
VF
Vin - VF
CLK(Internal)
Reset CLK(Internal)
VFC
LED Current
図4 固定オフ時間モードでの降圧チョッパ型回路動作
2-2)電流制御 AP1601は、ピーク電流を検知して外付けのN型MOSFETをオフステートに移行し、VFC電圧(*1)とOSC-GND間の抵抗R15で決定される内部クロック(CLK)を使って、オンステートに移行します(*2)。この動作を繰り返
すPWMスイッチングにより、LED電流を制御します。LEDのVF変動やばらつきに対するLED電流は、トラン
スT1の補助巻線の電圧をVFC端子でサンプリングし、内部クロック(CLK)の動作周期を自動的に可変すること
で一定になるように補正します。
Note: *1 OUT端子をVOUTL出力にしてから700ns(設計値)後のVFC電圧をサンプリングした電圧(VVFC)を示します。 *2 固定周波数モードの場合は、CLKの立ち上がり後のVFC電圧がVTHZC以下(0.1V(typ))になるのを待ってか
らオンステートに移行します。
2-2-1)固定周波数モード AP1601のフライバック型回路におけるLED電流は、トランス(T1)1次側巻線の自己インダクタンス(Lp)と、ピ
ーク電流(ILp_peak)、およびスイッチング周波数(Fsw)で設定します。トランスの1次巻線と2次巻線の巻数比
Nps(0.2≦Nps≦1)は所望のスイッチング周波数から求めます。 LEDの概略平均電流ILED_aveは、
5
2_
_ 2
1
FDF
swpeakLppaveLED VV
FILI
ここで、ηはトランスT1の1次巻線から2次巻線へのエネルギー伝達効率(η=0.85~0.95)、VFは直列接続した
トータルのLEDの順方向電圧、VFD5はダイオードの順方向電圧を表します。 ピーク電流はQ1のソース端子-GND間の抵抗R13で設定し、スイッチング周波数は、前述の抵抗R15および
VVFC電圧で設定します。ただし、DCMフライバック動作における、スイッチング周波数には上限があります。
内部CLK信号をこれ以上に設定しても、この上限周波数で制限されます。 図5にDCMフライバック動作における、OUT端子電圧、Q1のドレイン-ソース間電圧(VDS)、トランス1次側電
流(ILP)、ならびにトランス2次側電流(ILs)のイメージ時間波形を示します。
[AP1601]
MS 1454-J-01 9 2012/08
Ts
tON tOFF1 tOFF2(A)
OUT
VDS
(B)
ILp
ILs
(C)
tON tOFF2
OUT ON OFFD5 OFF OFF
ILp 0
ILs 0 0
tOFF1
OFFON
0tL
V
p
in
tL
VV
N
I
S
FDFPeakLp
5_
図5 DCMフライバックモード波形 AP1601の固定周波数モードは、T1の補助巻線を使い、2次側電流が終了するとQ1のドレイン電圧が下がって
くるのを待って次のサイクルに移行します。図5中のtON, tOFF1の概略必要時間は、それぞれ
PeakLPin
pON I
V
Lt _
NIVV
L
VV
L
N
It PeakLP
FDF
P
FDF
SPeakLPOFF
_
55
_1
で表されます。 次に、tOFF2期間は、LEDのVFばらつきに対する補正用時間になります。VTHZCによるボトム電圧検知により、
tOFF2は例えば図5中の(B)と(C)の様に、とびとびの時間をとりますが、内部CLKはVVFCが一定である間、一定
の周期で動作していますので、十分に長い時間(例えばスイッチング周波数100kHzに対して10ms)を平均する
と、とびとびではないリニアな値になっています。
短のtOFF2時間は、図5中の(A)-(B)点間となります。これは、2次側電流がゼロになっても、トランスの1次側インダクタンス(Lp)とQ1のドレイン-GND間の寄生容量(Clump)による共振により、ドレイン電圧がすぐに
落ちてこないことによります。tOFF2の 短時間(tOFF2_min)は、およそ
lumppOFF CLt min_2
で表されます。LEDのVFばらつきに対する補正を±Corr%とすると、tOFF2の概略設定値は、
%)( min_212 Corrtttt OFFOFFONOFF
で計算します。 例えば、Vin=100V, Lp=680uH, ILp=0.7A, VF=30V, VFD5=0.7V, N=0.4, Clump=100pF, ±Corr%=±30%とする
と、tON=4.76us, tOFF1=6.2us, tOFF2_min=0.82usとなり、tOFF2は3.53usが算出されます。 これより、設定周波数は、約69kHz、トランス効率ηを0.9とするとLEDの平均電流ILED_aveはおよそ337mAが得られます。 他のパラメータに影響を与えずに、周波数をこれよりも上げたい場合は、巻数比Nを下げtOFF1時間を短くし
ます。ただし、巻数比Nを下げるとトランス伝達効率ηが下がる傾向にあること、およびAP1601はtOFF1の
短時間を2usとしていますので、安定状態ではそれ以下にならないようにしてください。 実際の商用電源入力では、Vinは正弦波の絶対値、ピーク電流はある電圧レベルまではVinに比例する値とし
ますので、入力のライン周波数(50Hz/60Hz)の半周期分の時間平均で計算してください。
[AP1601]
MS 1454-J-01 10 2012/08
AP1601の固定周波数モードにおけるスイッチング周波数は、OSC-GND間抵抗R15と定常時VFC端子におけ
るサンプリング電圧(VVFC)で概略以下の式で決まります。
kRkVVV
kHzR
VVF
VFC
VFCSW
400205.15.0
10][
][
15
7
51
、ただし、
図6にVFC端子電圧波形と電圧サンプリングポイントVVFC、およびVVFC電圧とR15=100kΩの時の内部CLK周波数との関係を示します。
Waveform of VFC terminal
delayVFCT ,
Sampling Point(VVFC)
0 1 2 3 4 5
50
100
150
200
250
FC
LK(k
Hz)
GNDandpinOSCbetween
connedtedkaofcasein 100
VVFC(V)
toff
図6 VVFCサンプリングポイントおよびR15=100kΩ時のVVFC電圧と内部CLK周波数との関係
また、図7に、LEDのVFのばらつきに比例したVFC端子波形変化によるLED電流補正のイメージを示します。
左側の波形群はLEDのVFが高い場合で、右側が低い場合を示しています。
ILS
VFC
Average Current
expand toff
図7 VVFC電圧変化によるスイッチング周波数での平均電流補正 LEDのVFが上がると、2次巻線と補助巻線の巻数比に比例した電圧がMOSFETをオフした直後の補助巻
線電圧から出力されます。この電圧を抵抗分圧しサンプリングした電圧(VVFC)にしたがってOSC端子電
圧が変化し内部クロック周波数が変化します。これにより、電力を変化させています。VVFCは概略、以
下の式で求められます。
2651211
12DCD
S
BVFC VVV
N
N
RR
RV
[AP1601]
MS 1454-J-01 11 2012/08
ここで、NS、NBはトランスT1におけるそれぞれ2次、補助の巻数です。 VVFC電圧がOSC端子電圧に反映するのは0.2V(typ)~2V(typ)の範囲で、0.2V(typ)以下の場合、OSC端子は
0.2V(typ)、逆に2V(typ)以上の場合のOSC端子電圧は2V(typ)となります(図6参照)。 なお、図6のグラフからもわかるとおり、LEDのVFばらつきを補正するには、VFばらつきの中心値のVVFC電
圧を1Vにしてください。VVFC電圧を1Vとする場合のR11,R12の抵抗比は概略次式で表せます。
126512
11 DCDS
B VVVN
N
R
R
ただし、R11の選択範囲は、5kΩ~100kΩです。また、トランス補助巻線の巻数NBは、VDD電圧の設定で決
まります。 安定動作時のVDD端子電圧VDDは、およそ
3465 RIVVVN
NV DDDCD
S
BDD
となります。 LEDのVFばらつきが±30%のとき、VDD動作電圧範囲を超えないよう、VFばらつきの中心値のVDD電圧はお
よそ15Vとなるように設定してください。 ボトム電圧検出(VTHZC) 図8は、VFC端子のボトム電圧検出の概略図を示します。図で示すとおり、内部CLKの立ち上がりは定間隔
(=Ts)となっています。しかし、ボトム電圧検出機能により、図中Aの波線内のようにVTHZC以下になるまで
CLKがハイレベルで保持され、VOUTHにするタイミングを遅らせます。内部CLK立ち上がりのときにVFC端
子が既にVTHZC以下であればそのままOUT端子をVOUTHレベルにします。 ただし、誤動作を防止するため、以下の例外動作があります。 ① OUT端子をVOUTHにしている期間に内部CLK立ち上がりがあった場合は、CLKは保持されません。 ② OUT端子をVOUTLにした直後のTBLANK期間(700ns,設計値)は、図8中のZCD(Internal)はローに固定され、VFC端子のVTHZC検知をマスクします。
OUT
VDS
VFC
CLK(Internal)
VTHZC
ATs Ts Ts
ZCD(Internal)
図8 ボトム電圧検出(VTHZC)
このボトム電圧検出機能により、電流、電圧共に低いレベルで外付けMOSFETをオンすることができるため、
ノイズ低減効果が期待できます。さらに、スイッチングロスを低減でき、電源効率が向上します。
[AP1601]
MS 1454-J-01 12 2012/08
2-2-2)固定オフ時間モード AP1601の固定オフ時間モードを使ったCCM降圧チョッパ回路では、コイル電流のピーク電流とボトム電流
が一定になるように制御します(定リップル制御)。この制御により、入力電圧とLEDのVFのばらつきに対し、
スイッチング周波数が変化します。 図4は、降圧チョッパの電流経路、および各部の電圧ないし電流波形を示します。トランス1次側電流(ILp)は、
OUT端子の出力によるMOSFET(Q1)のオン・オフにより制御されます。OUT端子がオン(VOUTH)のときの電
流経路は、Vin-LED-Lp-Q1-R13-GNDです。一方、OUT端子がオフ(VOUTL)のときの電流経路はLp-D5
-LEDです。Lpのピーク電流(ILp_peak)はOUT端子がオンしているとき、CS端子電圧で検知して、OUT端子を
オフして制御します。一方ボトム電流は、トランス(T1)の1次側巻線の自己インダクタンス(Lp)、LEDのVF、
オフ時間(tOFF)で設定します。 ダイオードD5のVFが無視できる場合(VFD5<<VF)、MOSFET(Q1)がオフしたときのトランス1次側電流ILpは、
時間とともに OFFp
F tL
V で減少します。ここで、tOFFはQ1をオフしてからの時間を示します。
例えば、VF、LpおよびtOFFが一定の場合、ILpのボトム電流は一定となります。VFが変動した場合は、トラン
スの補助巻線に変化が反映し、それによって変化するVVFC電圧にしたがって、オフタイムが逆比例して変化
するため、ボトム電流値が一定になるように制御されます。 なお、固定オフ時間制御では、VFC端子のボトム電圧検知(VTHZC)がされませんので、VFC端子に入力する電
圧はDCレベルが可能です(図4参照)。 LEDの平均電流ILED_aveは、
p
OFFFpeakLpaveLED L
tVII
2
1__
ここで、ILp_peakはトランス1次側のピーク電流です。 VVFCが1Vの時のOSC端子-GND間の抵抗R15(kΩ)とオフ時間tOFF(us)の関係は、
][10
1][ 15 kRstOFF
であり、さらにVVFCを考慮すると、
][
][
10
1][ 15
VV
kRst
VFCOFF
で表されます。VVFCはVFと比例していますので、VFが変動してもtOFFで相殺され、LEDの平均電流は一定に
保たれます。 ただし、オフ時間tOFFが長く、ボトム電流値がゼロになった (CCMからDCMになった) 場合は、LEDの平均
電流はオン時間の影響を受けますのでVVFCによってLED電流の補正ができなくなります。したがって、オフ
時間tOFFの設定は、概略次式で制限されます。
peakLpF
pOFF I
V
Lt _
定リップル電流制御は、ピーク電流とボトム電流は一定に保たれますので、入力電圧変動やLEDのVFばらつ
きに影響されない電流制御を行うことができる一方、全ての変化に対し、スイッチング周波数が変化します。
図9に入力電圧が変化した場合、LED直列灯数(VF)が変化した場合の周波数変化の例を示します。この例のよ
うに変化させる範囲についてスイッチング周波数が所望の範囲に収まるようにトランス1次側インダクタン
ス(Lp)や、ピーク電流とボトム電流の差(リップル幅)を選択する必要があります。
[AP1601]
MS 1454-J-01 13 2012/08
入力電圧とスイッチング周波数の関係例
94
98
102
106
110
85 105 125 145 165 185 205 225 245 265
入力電圧(VAC)
周波
数(k
Hz)
LED灯数と周波数の関係例
90
110
130
150
170
5 6 7 8 9
LED灯数
周波
数(k
Hz)
図9. 入力電圧、出力LED灯数の変化によるスイッチング周波数の変化の例
スイッチング周波数 swF は、概略以下の式で求められます。
in
F
bottomLppeakLpp
Finsw V
V
IIL
VVF
__
ここで、ILp_bottomはボトム電流で、オフ時間 tOFF後のトランス1次側電流です。
2-2-3)アナログ調光 LD端子を使って、LEDのアナログ調光が可能です。アナログ調光は、トランス1次側のピーク電流を下げる
ことでLEDを調光します。アナログ調光するには外部からLD端子とGND端子間へ電圧を入力します。LDへ
の入力電圧範囲は0~VREF(5V (typ))で、CS端子のピーク検出電圧は図10に示すとおり、2.65V(typ)以下で変化
します。 なお、LD端子をGNDとしてもスイッチングは停止しません。
0 1 2 3 4 5
50
100
No
rma
lize
d I L
p_
Pe
ak
Cu
rre
nt (
%)
LD (V) 図10 LD端子電圧とトランス1次側電流(ILp_peak)の関係
[AP1601]
MS 1454-J-01 14 2012/08
2-2-4)PWM調光 PWM端子を使って、LEDのPWM調光が可能です。PWM調光するには外部からPWM端子とGND端子間へパ
ルス電圧を入力します。PWMへの入力電圧範囲は0~VREF(5V(typ))で、2kHzまでのPWMパルス調光信号に対
応します。なお、PWM端子をVPWML以下(0.5V以下)とすることで、OUT端子の出力をオフ(VOUTL)に固定す
ることができます。
2-2-5)リーディングエッジブランクとOUT端子の最短オン時間 AP1601はN型MOSFET(Q1)がオンしたときから一定時間、マスクして電流の検出を行いません。これをリー
ディングエッジブランク(TLEB)といいます。つまりこの時間のCS端子の電圧は無視されます。これは、Q1が
オンしたときのダイオードD5の逆方向回復電流や寄生容量からの放電が大きいときに、瞬時にOUTがオフ状
態になったり、過電流保護機能が働いてスイッチング動作が止まったりするのを避けるために必要な時間で
す。 ただし、CS端子による全ての電流検出はTLEB後から始まりますので、Q1の 短オン時間もリーディングエ
ッジブランクで制限されます。TLEBの25のときのワーストケースは450nsです。
OUT
CS
Mask area
ton toff
TLEB TLEB
図11. CS端子電圧のリーディングエッジブランク
したがいまして、動作中、常にオン時間(ton)がTLEB以上になるように、入力電圧範囲、出力電圧範囲、リッ
プル幅やトランス1次側インダクタンスを選定してください。オン時間(ton)はおよそ次式で求まり、TLEBで制
限されます。
フライバック回路の場合 MOSdLEBMOSdin
peakLppon tTt
V
ILt __
_
降圧チョッパ回路の場合 MOSdLEBMOSdoutin
bottomLppeakLppon tTt
VV
IILt __
__ )(
ここで、Td_MOSはOUT端子をオフ(VOUTL)にしてからMOSFET(Q1)がオフするまでの遅延時間を表します。
この時間以下のオン時間が必要な動作条件になると、ピーク電流が設定値よりも高くなり、平均電流が上側
にシフトします。さらに、TLEB後のCS端子電圧が過電流保護(OCP)スレッシュ電圧以上になると、スイッチ
ングは停止します。
2-3)ゲートドライブ OUT端子は、VDD電圧で1000pFの容量を50ns(typ)で立ち上げ、立ち下げ可能なゲートドライバー出力です。
2-4)TRIAC式調光 AP1601は既存のTRIAC調光器(以下、TRIAC調光器)との互換性のための回路を内蔵しています。
[AP1601]
MS 1454-J-01 15 2012/08
AC 入力
白熱電球
負荷 RL
TRIAC
DIAC
VR
C
TRIAC 調光回路
BLEED区間
LATCH区間
HOLD区間
RESET区間
TRIAC調光器で位相制御されたRL(電球)の両端電圧
図12 TRIAC調光器
図12のように、TRIAC調光器は、白熱電球のような抵抗負荷に対し、入力正弦波の位相を任意の角度でカッ
トすることで、入力電力を変化させて調光を行っています。ボリューム抵抗(VR)で設定した時定数になると、
調光器内部のTRIAC(双方向サイリスタ)がオンし、AC入力と負荷を接続します。TRIACは一度オンすると、
HOLD電流以下になるまで導通を維持します。 一方、スイッチング電源の入力電流は、入力コンデンサ(C1)の電圧以下のときはダイオードブリッジ(DB1)がオフするため、不連続になります。したがって、このTRIAC調光器による位相制御に対応するには、スイッ
チング電源でありながら、調光器から見て、必要なところで抵抗負荷としなければなりません(図12のBLEED区間とRESET区間)。 AP1601では効率を考慮して、TRIAC調光器が抵抗負荷を必要としている区間のみDB1のプラス端子からマイ
ナス端子にIC内の抵抗を介して電流を流すBLEED電流供給機能を持っています。この機能によって、TRIAC調光器の動作が正常になるようサポートします。 TRIAC調光器の補助電流であるBLEED電流の設定を以下に示します。 BLEED電流を流すタイミングを決定するVBLEEDは1.2V(typ)、BLEED電流を流し込むHV端子のオン抵抗は
450Ω(typ)、BLEED電流のMaxを20mAとすると、BLEED端子/HV端子に接続する抵抗は、概略それぞれ以
下の式より算出できます。 BLEED電流の流すタイミングを決定するための抵抗R5,R6は、BLEED電流を流すタイミングVrf_thを35V、R5=510kΩとすると、R6は、
][182.135
5102.1
2.1
52.16
_
kVV
RVR
thrf
またHV端子に接続する電流制限抵抗R2は、
][3.120
204502 _
k
mA
mAVR thrf
となります。
2-5)起動回路 AP1601は高電圧端子HVからの起動回路を内蔵していますので、起動に関連した外付け部品点数を削減でき、
さらにトランスの補助巻線(Lb)を利用することで起動後のIC供給電力における損失を大幅に低減することが
できます。この内部起動用回路はVDD端子に接続されており、電圧をHV端子に印加するとVDD端子電圧を上
昇させます。VDD端子電圧が動作開始電源電圧(UVLOH=17.6V(typ))に達すると内部回路が動作し、スイッチ
ングを開始します。 この状態で起動用回路はHV端子から切り離されますので、スイッチングによるフライバックトランス(T1)の補助巻線(Lb)からの電力供給など、効率の良い外部入力に切り替えて使用します。
[AP1601]
MS 1454-J-01 16 2012/08
BLEED
Current Limit
C2
VDD
HV
EN
Lb
DB1
Vline
R2
R3 D4
T1
図13 起動回路
図14 起動時の波形
赤:VDD端子電圧(左軸) 緑:LEDアノード電圧(左軸) 青:入力電圧(Vrf:右軸)
図14はAC100Vアプリケーション回路に電圧を入力した瞬間からの時間(ms)に対するVDD端子電圧(赤)、1次側入力コンデンサ(C1)電圧(青)、および出力側電解コンデンサ(C6)電圧(緑)の時間-電圧波形です。ここで、
縦軸左はVDD端子電圧およびC6端子電圧、縦軸右はC1電圧となっています。 この例では、LEDは電源投入後、約50msで点灯しています(ただし、入力電圧100Vac, C1=0.47uF, C2=10uF, C6=100uF, VF=33Vの場合)。
2-5-1)電源投入からICの動作開始まで 電源を投入すると、HV端子から内蔵の起動回路を通してVDD端子に取り付けた外部コンデンサC2の充電を開
始します。この充電パスは動作開始電源電圧(UVLOH)に達すると閉じるようになっています。この間、起動
に必要な一部の回路を除きIC内部の回路は停止しています。
2-5-2)ICの動作開始から安定動作まで VDD端子電圧がUVLOHになると、まず、VDD端子からREFに電力を供給します(C7の充電)。REFが立ち上が
ると、リセットが立ち上がり、ICの全ての回路が動作し、スイッチング動作を開始します。ただし、通常、
スイッチング開始直後は、2次側の電解コンデンサ(C6)の電圧がVDDより低いため、補助巻線からVDD端子へ
の電力供給はされず、充電されたコンデンサ(C2)の電力を消費しながらスイッチング動作を行います。
[AP1601]
MS 1454-J-01 17 2012/08
2次側の電解コンデンサ(C6)の電圧が上がってくると、トランス補助巻線からVDD端子への電力供給が十分に
なり、VDDは安定します。 補助巻線からの電力供給が十分でない場合、VDD端子電圧がUVLOLに下がってしまうのを防ぐために、VDD端子電圧監視用のSWVDDでVDD電圧を一定の電圧範囲に維持させるよう、HV端子から適宜VDD端子へ定電
流充電が行われます。SWVDDは下限電圧(VDDL: 8.8V(typ))で、HV端子からVDD端子へ起動回路を接続し(スイッチングは継続)、上限電圧(VDDH: 10.3V(typ))で起動回路を切り離します。 補助巻線からなどの電力供給がなく、HV端子からVDD端子に電力を断続的に供給し続ける場合、入力電圧か
らVDD電圧(8.8V(typ)~10.3V(typ))まで電圧をドロップさせますので、ICが発熱します。HV端子電圧が120VRMS
を超える場合は、HV端子とVrf間の抵抗R2でHV端子電圧が120VRMS以下になるようにしてください。 起動回路に関するタイムチャートを図15に示します。
VDD
SWVDD(内部)
UVLO(内部)
REF
RESET(内部)
OUT
UVLOH
VDDL
VDDH
補助巻線からの電力供給によりVDD安定
電源OFF
図15 起動回路の動作イメージ(タイムチャート)
2-6)内蔵レギュレータ AP1601はVDD端子電圧から内部回路の電源電圧として利用するための5Vレギュレータを内蔵しています。
また、熱的条件を満たしていればREF端子から外部へ 大7mAの電流供給が可能です。 安定化のために、REF端子とGND間に0.1μFのコンデンサ(B特性)を接続してください。
[AP1601]
MS 1454-J-01 18 2012/08
3)保護機能説明
内蔵保護 機能
動作概要 検出期間 停止状態
検出条件 復帰条件
過熱保護 ICの温度が規定値を超えた場合
に、OUT端子をGND出力する Driver停止 自動復帰
ICのジャンクション
温度が150(typ)以上 停止温度から
65(typ)低下
過電流 外付けMOSFETに過電流が流れた
ときにOUT端子をGND出力する Driver停止 ラッチ停止
TLEB後のCS端子電圧
が0.8V(typ)以上 *1
過電圧 LEDがオープンしたときやLEDの
VFが高いときに、OUT端子をGND出力する
Driver停止 ラッチ停止
VDD 端子電圧が
26V(typ)以上 *1
UVLO ICの誤動作を防止するために、
OUT端子をGNDに固定し、5V Regulatorを停止する
全停止 自動復帰
VDD端子電圧降下時6.4V(typ) 以下
17.6V(typ) 以上
Note: *1. ラッチ停止を解除するためには、VDD端子電圧を、10ms以上UVLOL電圧以下にして下さい。 ※ REF端子がGNDにショートした場合、ICは内蔵レギュレータの 大負荷電流を40mA(設計値)に制限する
ことで、ICの異常発熱を防止します。ただし、周囲温度が高いとき、もしくはHV端子電圧が高いとき、
またはその両方のときジャンクション温度が定格温度を超える場合があります。定格温度を超えた場合
は、動作保証対象外となります。 3-1)過熱保護 IC本体の熱暴走防止のために、常時ICジャンクション温度(Tj)を監視して動作を制御します。内部温度が上昇
し、ジャンクション温度がTSD(150(typ)(設計値))を超えた場合にスイッチングを停止させます。ジャンクシ
ョン温度がTSD温度よりヒステリシス温度ΔTSD以下(65(typ))になると、再びスイッチングを開始します。
なお、過熱保護が働いた場合は、動作保証対象外となります。
3-2)過電流保護 MOSFETをオンしてリーディングエッジブランク時間(TLEB:300ns,(typ))経過後からCS端子電圧を監視し、CS端子電圧がOCP(0.8V(typ))ならば、ラッチしてスイッチングを停止します。例えば、CS端子電圧が0.5V時の
電流が500mAとしたときの、OCPレベルは800mAとなります。この機能により、1次巻、2次巻、補助巻各巻
線のショート時の保護を可能にします。過電流保護の解除は、VDD端子電圧を10ms以上UVLOL電圧以下に
して下さい。
3-3)過電圧保護 VDD端子電圧を監視し、OVP(26V(typ))を超えたらラッチしてスイッチングを停止します。補助巻線使用時は、
2次側LEDのオープン保護回路として機能します。過電圧保護の解除は、VDD端子電圧を10ms以上UVLOL電圧以下にして下さい。
3-4)UVLO 低電源電圧時誤動作防止回路。内部回路に対して、VDD端子電圧がUVLOH(17.6V(typ))以上でON、
UVLOL(6.4V(typ))以下でOFFとする信号を生成します。VDD端子電圧がUVLOL以下となった場合、ICはすぐ
にスイッチングを停止します。HV端子電圧が十分な場合には内蔵の起動回路を通じてUVLOHまでVDD端子
を上昇させ再起動を行います。
[AP1601]
MS 1454-J-01 19 2012/08
代表的特性カーブ例 1) 温度依存性
0
5
10
15
20
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
UV
LO
[V
]
UVLH
UVLL4.8
4.9
5
5.1
5.2
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
VR
EF
[V]
図16. UVLO電圧 図17. VREF電圧
0.45
0.475
0.5
0.525
0.55
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
VPE
AK
[V]
200
250
300
350
400
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
TL
EB
[ns]
図18. ピーク電流検出電圧 (LD=REF) 図19. リーディングエッジブランク
R15=100kΩ,VVFC=1V
80
90
100
110
120
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
Fsw
[kH
z]
200
400
600
800
1000
-40 -20 0 20 40 60 80 100Ta []
RO
NH
[Ω
]
図20. スイッチング周波数 (SEL=VREF) 図21. HV-GND間等価抵抗 (IHV=20mA)
[AP1601]
MS 1454-J-01 20 2012/08
外部回路接続例
図22 TRIAC調光器対応、絶縁フライバック回路
図23 TRIAC調光器対応、非絶縁降圧チョッパ回路
* これらの回路図は参考例であり、量産設計に際しては、十分な評価を行ってください。また、工業所有権の使用の許諾を行うものではありません。
* サージ吸収のためのバリスタ、ノイズ除去のためのコモンモード、Xコンデンサ等は記載していません。 * 誤配線、異常パルスノイズなどによりICが故障した場合に大電流が流れ続けないように、適切な規格のヒ
ューズを回路の適切な場所に挿入してください。
L
N
DIMMER
V1
F1
DB1
D1 R1C1
C2
C4 C6
D2
D3
D4
D5
R3
R4
R13R11
R12
R14
+OUT
-OUT
T1
Lp
Lb
Ls
LD
PWM
GND
REF
BLEED
HV VDD
OUT
GND
CS
SEL
OSC
VFC
V1
R2 R5
R6
R8
R7 R9
R10
R15
REF
C7
VF
Vrf Vin
U1
Q1C9
L
N
DIMMER
V1
F1
DB1
D1 R1C1
C2
D2
D5
D4
R3
R13R11
R12
+OUT
-OUTT1
Lp
Lb
LD
PWM
GND
REF
BLEED
HV VDD
OUT
GND
CS
SEL
OSC
VFCV1
R2 R5
R6
R8
R7 R9
R10
R15
C7
C8
Q1
U1
Vin Vrf
C9
[AP1601]
MS 1454-J-01 21 2012/08
パッケージ 及び マーキング
1) 外形寸法図(14ピンSOP) [単位:mm]
図24 パッケージ外形寸法図
[AP1601]
MS 1454-J-01 22 2012/08
2)マーキング
図25 マーキング図
上段捺印 品名捺印:AP1601
下段捺印 デートコード 7桁 西暦年下2桁、週2桁、生産コード3桁
重要な注意事項 本書に記載された製品、および、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更すること
があります。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が 新のものであることを弊社営
業担当、あるいは弊社特約店営業担当にご確認ください。 本書に記載された周辺回路、応用回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報は、半導体製品の動
作例、応用例を説明するものです。お客様の機器設計において本書に記載された周辺回路、応用回路、ソ
フトウェアおよびこれらに関連する情報を使用される場合は、お客様の責任において行ってください。本
書に記載された周辺回路、応用回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報の使用に起因してお客様
または第三者に生じた損害に対し、弊社はその責任を負うものではありません。また、当該使用に起因す
る、工業所有権その他の第三者の所有する権利に対する侵害につきましても同様です。 本書記載製品が、外国為替および、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、
輸出する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不良が、
直接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想されるような極めて
高い信頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表取締役の書面による同
意をお取りください。 この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害等の
責任を一切負うものではありませんのでご了承ください。 お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用から損
害等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。