平成29年度都臨技データ標準化精度管理調査報告
• 総ビリルビン
• 尿素窒素
• クレアチニン
• 尿酸
東京慈恵会医科大学附属第三病院
中田 瞳美
項目
試料 S-1 S-2 S-1 S-2 S-1 S-2
T-Bil ±5% ±0.10mg/dL ±5% ±0.2mg/dL ±7.5% ±0.3mg/dL
UN ±5% ±5% ±5% ±5% ±10% ±10%
Crea ±4.8% ±4.8% ±5% ±5% ±8% ±20%
UA ±5% ±5% ±5% ±5% ±7.5% ±7.5%
A評価幅 B評価幅 C評価幅
評価幅一覧
総ビリルビン
0
20
40
60
80
3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4 4.1 4.2
S-1
(mg/dL)
施設数
CA
n=197
0
20
40
60
80
100
0.6 0.7 0.8 0.9
S-2
(mg/dL)
施設数 n=197
Acc B
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-2】
B
【S-1】
C
A
3.2
3.4
3.6
3.8
4.0
4.2
S-1(mg/dL)
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
S-2(mg/dL)
★ 0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4
(mg/dL)
【S-2
】(m
g/d
L)
【S-1】
★
測定方法 C評価 D評価
酵素法 0 2
バナジン 1 0
亜硝酸法 0 0
ジアゾ法 1 0
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.2 3.4 3.6 3.8 4.0 4.2 4.4
ジアゾ法
バナジン酸酸化法
亜硝酸酸化法
酵素法
(mg/dL)
【S-2
】(m
g/d
L)
【S-1】
試薬製造販売元/名称 施設数 S-1 S-2
株式会社LSIメディエンス 35 3.81 0.74
ニプロ株式会社 22 3.84 0.75
アルフレッサ ファーマ株式会社 15 3.87 0.71
栄研化学株式会社 5 3.70 0.68
ニットーボーメディカル株式会社 2 3.75 0.70
日立化成株式会社 1 3.80 0.80
測定方法別(酵素法)
まとめ(総ビリルビン)
・S-1はCV3.1%、S-2はCV10.5%であったが
SDは0.07であり全体的に十分な収束が認められた。
・バナジン酸と酵素法で差が見られたが、試薬
メーカー別では明らかな差は認められなかった。
11
12
13
14
15
39 40 41 42 43 44 45 46 47
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
尿素窒素
0
20
40
60
80
100
120
39 40 41 42 43 44 45 46
S-1
(mg/dL)
施設数
0
50
100
150
200
11 12 13 14 15
S-2
(mg/dL)
施設数 n=200
C評価 D評価
2 0
40
41
42
43
44
45
アンモニア消去,回避法 アンモニア未消去法
【S-1】(mg/dL)
10
11
12
13
14
15
アンモニア消去,回避法 アンモニア未消去法
【S-2】(mg/dL)
11
12
13
14
15
39 40 41 42 43 44 45 46 47
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
★
★
11
12
13
14
15
39 40 41 42 43 44 45 46 47
アンモニア消去,
回避法
アンモニア未消去法
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
11
12
13
14
15
39 40 41 42 43 44 45 46 47
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
A C
シーメンス
ニットーボー
11
12
13
14
15
39 40 41 42 43 44 45 46 47
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
A C
シーメンス
ニットーボー
C評価施設(A評価1施設を含む)
使用施設数 2014 2015 2016 2017
アンモニア消去,回避法 164 166 176 188
アンモニア未消去法 30 26 13 12
(目標値)
測定方法別平均値と施設数の年次推移
(mg/dL)
まとめ(尿素窒素)
• S-1はCV1.9%、S-2はCV2.2%であり、全体的に
十分な収束が認められた。
• アンモニア未消去法は12施設5.8%(前年13施設
7.5%)であり減少傾向である。消去法と比較し
高値傾向を示しているが、脱アミノ反応などに
よりアンモニア生成の影響が考えられ、測定
までに時間を要する施設や尿検体測定では偽高値
となりやすく、注意が必要である。
クレアチニン
0
50
100
150
3.2 3.3 3.4 3.5 3.6
【S-1】
(mg/dL)
施設数n=200
0
20
40
60
80
100
120
140
0.7 0.8 0.9 1.0
S-2
(mg/dL)
施設数 n=200
0.60
0.70
0.80
0.90
1.00
3.0 3.2 3.4 3.6 3.8
【S-1】
【S-2】
(mg/dL)
(mg/dL)
C評価 D評価
2 0
積水メディカル
(n=200)
0.60
0.70
0.80
0.90
1.00
3.0 3.2 3.4 3.6 3.8
【S-1】
【S-2】
(mg/dL)
(mg/dL)
積水メディカル
0.60
0.70
0.80
0.90
1.00
3.0 3.2 3.4 3.6 3.8
【S-1】
【S-2】
(mg/dL)
(mg/dL)
(n=21)
積水メディカル社のみ
S-1 S-2 測定装置 検量 試薬製造販売元 トレーサビリティ 形態分類 施設認証
3.53 0.98
AU400,
480, 600,
640, 680,
DxC 700
AU
溶媒ベース
水溶性標準液
積水メディカル
株式会社企業の標準品 一般病院Ⅲ なし
3.42 0.96
7140,
7150,
7170,
7170S,
7180
血清ベース標
準液
積水メディカル
株式会社
ReCCS : 検査医学
標準物質機構製薬会社 なし
C評価施設
まとめ(クレアチニン)
• S-1はCV1.5%、S-2はCV4.1%であり、
全体的に十分な収束が認められた。
• 高い収束性が得られた結果は、昨年より
測定法が酵素法のみとなったことも
要因の一つであると考えられた。
尿酸
0
20
40
60
80
100
120
3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
S-1
(mg/dL)
施設数
C A
n=184
0
10
20
30
40
50
60
70
80
6.9 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 7.7 7.8
S-2
(mg/dL)
施設数
A C
n=184
6.5
6.8
7.1
7.4
7.7
8.0
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
C評価 D評価
1 1
3.4
3.5
3.6
3.7
3.8
3.9
4.0
ウリカーゼ・UV法 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法
S-1(mg/dL) n=184
6.8
7.0
7.2
7.4
7.6
7.8
8.0
ウリカーゼ・UV法 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法
S-2(mg/dL) n=184
6.5
6.8
7.1
7.4
7.7
8.0
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】
★
★
6.5
6.8
7.1
7.4
7.7
8.0
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
ウリカーゼ・UV法
ウリカーゼ・POD法
(mg/dL)
(mg/d
L)
【S-1】
【S-2
】n=184
-0.30
-0.20
-0.10
0.00
0.10
2014 2015 2016 2017
ウリカーゼ・UV法 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法
(mg/dL)
使用施設数 2014 2015 2016 2017
ウリカーゼ・UV法 5 6 5 4ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法 184 182 179 191
(目標値)
測定方法別平均値と施設数の年次推移
まとめ(尿酸)
• S-1はCV2.0%、S-2はCV1.5%であり、全体的に十分な収束が認められた。
• D評価の1施設は入力ミスであった。C・D評価であった3施設の内、2施設はウリカーゼ・UV法を使用していた。
• ウリカーゼ・UV法は例年と同様に、ウリカーゼ・POD法と比較し低値傾向を示した。
ドライケミストリー
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
総ビリルビン(dry)
0
1
2
3
4
5
3.23.33.43.53.63.73.83.9 4 4.14.24.3
S-1
(mg/dL)
施設数 n=13
0
2
4
6
0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
S-2
(mg/dL)
施設数 n=13
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
S-1
S-2
(mg/dL)
(mg/d
L)
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
オーソ社 富士フィルム社
S-1(mg/dL) n=13
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
オーソ社 富士フィルム社
S-2(mg/dL) n=13
★
★
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
富士フィルム
オーソ
● wet
Wetとの比較
● wet
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
3.0 3.3 3.6 3.9 4.2 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
富士フィルム
0
C評価 D評価
1
オーソ社を評価対象外
尿素窒素(dry)
0
2
4
6
8
44 45 46 47
S-1
(mg/dL)
施設数
A
n=13
0
5
10
14 15
S-2
(mg/dL)
施設数
A
n=13
12
13
14
15
16
40 42 44 46 48 50
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
12
13
14
15
16
40 42 44 46 48 50
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
43
44
45
46
47
オーソ社 富士フィルム社
S-1(mg/dL) n=13
12
13
14
15
オーソ社 富士フィルム社
S-2(mg/dL)
n=13
★
★
12
13
14
15
16
40 42 44 46 48 50
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
● wet
富士フィルム
● オーソ
Wetとの比較
クレアチニン(dry)
0
1
2
3
4
5
6
3.1 3.2 3.3 3.4
【S-1】
(mg/dL)
施設数 n=13
0
2
4
6
8
10
0.7 0.8 0.9
S-2
(mg/dL)
施設数n=13
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
3.0
3.1
3.2
3.3
3.4
オーソ社 富士フィルム社
【S-1】(mg/dL) n=13
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
オーソ社 富士フィルム社
S-2(mg/dL) n=13
★
★
● wet
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
●富士フィルム
●オーソ
Wetとの比較
尿酸(dry)
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
3.8 3.9 4 4.1 4.2
S-1施設数 n=10
0.0
1.0
2.0
3.0
7.4 7.5 7.6 7.7 7.8 7.9 8.0 8.1
S-2
(mg/dL)
施設数 n=10
6.0
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
3.7
3.8
3.9
4.0
4.1
オーソ社 富士フィルム社
S-1(mg/dL) n=10
6.0
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
7.0
7.2
7.4
7.6
7.8
8.0
オーソ社 富士フィルム社
S-2(mg/dL) n=10
★
★
● wet
6.0
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
3.5 3.7 3.9 4.1 4.3 4.5
【S-1】
【S-2
】
(mg/dL)
(mg/d
L)
●富士フィルム
●オーソ
Wetとの比較
まとめ(dry)・試料S-1、S-2ともWET法と同じ目標値を用いて評価を
行った。また、評価幅については、昨年までの評価幅をそのまま用いた。
・総ビリルビンでC評価が1施設確認されたが、尿素窒素、クレアチニン、尿酸は全てA評価でありデータの収束が認められた。
・すべての項目において富士フィルム社とオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社のデータにおいて明らかな差が確認された。
・総ビリルビンでは、試薬の反応性の違いによる影響のためオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社は評価対象外とした。