20150602 岡山県総合教育センター 教育の情報化推進リーダー研修講座
校内の情報化を推進するために ~情報化推進リーダーの役割~
林向達 徳島文理大学
今日の内容
๏ 「教育の情報化」の最新動向(今何が起こっている?) ๏ 情報化推進リーダーとしての仕事とは(何をすべき?) ๏ 具体的な方法とは(どうすればいい?)
「教育の情報化」のいま (何が起こってる?)
タブレット端末とデジタル教科書の導入が盛んになっている
タブレット端末導入
先行的な導入で注目された地域 ๏ 佐賀県(高等学校の新入生必携) ๏ 佐賀県武雄市(小中学校への導入) ๏ 大阪府大阪市 ๏ 兵庫県淡路市 ๏ 東京都荒川区
➡パソコン教室の更新に伴って,タブレット端末への置き換えが一つのムーブメントになっている。
タブレット端末と無線LAN小史
๏ 1999年 無線LAN機器発売 ๏ 2002年 タブレットPC発売 ๏ 2006年 タブレットPCを利用した実証実験 ๏ 2010年 iPad発売 ๏ 2010年 フューチャースクール推進事業 ๏ 2014年 クラウド利用 ๏ 2015年 モバイル回線利用
やがて無線LANとモバイル回線のハイブリッド時代へ
20150522 http://news.mynavi.jp/articles/2015/05/22/docomo/
電子黒板とデジタル教科書小史
๏ 2002年 東京書籍「デジタル掛図」 ๏ 2004年 電子情報ボードの教育利用(e-黒板) ๏ 2005年 光村図書「デジタル教科書」 ๏ 2009年 Kindle 2発売 ๏ 2009年 スクール・ニューディール構想(学校施設のICT化) ๏ 2010年 iPad発売 ๏ 2010年 フューチャースクール推進事業 ๏ 2011年 デジタル教科書教材協議会(DiTT)発足 ๏ 2012年 日本デジタル教科書学会設立
「デジタル教科書」の位置づけについて検討が始まっている
校務の情報化もできるところから
コンピュータ教育元年からの略歴
教育と情報の略歴① 1985~
1985 臨時教育審議会 第1次答申「情報化への対応」1986 臨時教育審議会 第2次答申「情報活用能力」1987 教育課程審議会答申 …社会の情報化への主体的対応の資質1989 学習指導要領改訂1990 「情報教育に関する手引」1992 「新しい教育メディアを活用した視聴覚教育の展開について」1994 「マルチメディアの教育利用」1996 中央教育審議会 第1次答申1997 「体系的な情報教育の実施に向けて」(第1次報告)1998 「情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて」
教育と情報の略歴② 1998~
1998 「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」1999 教育課程審議会答申 …教科「情報」の新設1999 学習指導要領改訂1999 ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」2000 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)2001 e-Japan戦略2002 情報教育の実践と学校の情報化 ~新「情報教育に関する手引」2003 e-Japan戦略II2003 学習指導要領一部改正2005 教育の情報化の推進のための緊急メッセージ2005 「e-Japan戦略の目標達成に向けて」アクション・プラン
教育と情報の略歴③ 2006~
2006 IT新改革戦略2006 改正「教育基本法」成立2007 教育関連三法案可決2007 「全ての教員のICT活用指導力の向上のために」2008 「学校のICT化のサポート体制の在り方について」2008 第1期教育振興基本計画2009 「デジタル新時代に向けた新たな戦略 ~三か年緊急プラン~」2009 「教育の情報化に関する手引」(小中学校対応版)2010 「教育の情報化に関する手引」(高等学校対応版)2010 新たな情報通信技術戦略
教育と情報の略歴④ 2011~
2011 「教育の情報化ビジョン」2011 情報通信技術人材に関するロードマップ2012 新たな情報通信技術戦略工程表2013 日本再興戦略2013 世界最先端IT国家創造宣言2013 第2期教育振興基本計画2013 「創造的IT人材育成方針」2014 「ICTを活用した教育の推進に関する懇談会」(中間まとめ)2014 初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)
2014 新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)
第1期教育基本計画(2008)
IT新改革戦略に基づき ๏ 平成22年度までに校内LAN整備率100% ๏ 教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数 3.6人 ๏ 超高速インターネット接続率100% ๏ 校務用コンピュータ教員 1人1台の整備 ๏ すべての教員がICTを活用して指導できるようになること ๏ 教育委員会や小中高等学校等への学校CIOの配置
「教育の情報化ビジョン」21世紀にふさわしい学びと学校の創造をめざして ๏文部科学省 2011年4月28日
๏「学校教育の情報化に関する懇談会」(計12回:2010-2011)における審議を踏まえて策定された。
๏「指導者用デジタル教科書」と「学習者用デジタル教科書」に関する記述がなされる。
๏これを踏まえて「学びのイノベーション事業」へ。
世界最先端IT国家創造宣言①
IV.利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化
1.人材育成・教育
世界最高水準のIT利活用社会を通じて、「情報資源立国」となるためには、それをけん引する人材、それを支える人材、それを享受して豊かに生活する人材が必要であり、それぞれの年代や目的に応じて、施策を検討・整備することが必要である。
そのためには、教育環境自体のIT化(ソフト・ハードを含むインフラ)、国民全体のITリテラシーの向上、国際的に通用しリードする実践的な高度IT人材の育成(人材育成・教育レベル)及び教育内容の面での情報教育の推進(レベルに応じた教育内容)を検討し、必要な施策を実行する必要がある。
また、人材育成・教育における施策の推進状況や達成度については、年代層別のリテラシー向上に応じた適切な指標(KPI)を設定・確認し、それを踏まえた取組を進めていくことが重要である。
さらに、人材の育成は、社会全体で取り組む必要があり、産官学が連携して取り組むことが必要である。(後略)
「世界最先端IT国家創造宣言」(20-頁)
※KPI: Key Performance Indicator
世界最先端IT国家創造宣言②
(1)教育環境自体のIT化
学校の高速ブロードバンド接続、1人1台の情報端末配備、電子黒板や無線LAN環境の整備、デジタル教科書・教材の活用等、初等教育段階から教育環境自体のIT化を進め、児童生徒等の学力の向上とITリテラシーの向上を図る。
あわせて、教える側の教師が、児童生徒の発達段階に応じたIT教育が実施できるよう、IT活用指導モデルの構築やIT活用指導力の向上を図る。そのため、指導案や教材など教師が活用可能なデータベースを構築し、府省の既存の子供向けページも教材等として整理し、積極的に活用する。また、企業や民間団体などにも協力を呼びかけ、教育用のデジタル教材の充実を図る。
これらの取組により、2010年代中には、全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で教育環境のIT化を実現するとともに、学校と家庭がシームレスでつながる教育・学習環境を構築する。
また、新しいモノづくりであるデジタル・ファブリック(3Dプリンター等)やロボッティックス、プログラミング、情報セキュリティ、コンテンツ作成等、学生等が、将来を展望した技術を習得できる環境整備を教育環境のIT化とともに進める。
(後略) 「世界最先端IT国家創造宣言」(21頁)
第2期教育基本計画(2013)
๏ 良好で質の高い学びを実現する教育環境の整備 ‣良好で質の高い学校施設の整備 ‣教材等の教育環境の充実
世界最先端IT国家創造宣言に基づき ๏ 教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数 3.6人 ๏ 教材整備指針に基づく電子黒板・実物投影機の整備 ๏ 超高速インターネット接続率及び無線LAN整備率100%, ๏ 校務用コンピュータ教員1人1台の整備 ๏ 地方公共団体に対し教育クラウドの導入 ๏ ICT支援員・学校CIOの配置
創造的IT人材育成方針の概要創造的IT人材育成方針の概要
本方針が目指すもの (目標)
「国民全体のIT利活用力の底上げ」と「我が国の経済発展に寄与する高度なIT人材の創出」によって、さらなる経済成長の基盤を構築し、2020年までに「世界最高水準のIT利活用社会」の実現を目指す。
「世界最先端IT国家創造宣言」における人材育成・教育分野の位置付けを踏まえ、
府省横断的に取り組むための方針として、「創造的IT人材育成方針」を策定する。
目標達成に向けた本方針のアプローチ
ITの利便性を享受して生活できる社会の構築と環境の整備
(国民全体のITリテラシー向上)
● 学校現場の教育等の従来のアプローチに加え、就学前の子どもから高齢者、ITを得意とする人とそうでない人、教育・指導する人等を意識し、国民全体を分類、各層に求められる能力項目を設定● 学びの充実や安全・安心な利活用を導くための環境として、指導者の情報活用指導力向上とクラウドコンピューティングサービスやMOOC活用等の情報ネットワーク基盤構築、学習コンテンツの整備について検討
日本のIT社会をリードし、世界にも
通用するIT人材の創出
(高度IT人材の育成)
● 高度IT人材をITの枠を超えイノベーションを創造する「IT利活用社会をけん引する人材」とITを業務に活かす「IT利活用社会を支える人材」に分類し、求められる能力項目を設定● 実践的な人材育成のための産学連携や成長の機会につながる競技会等のイベントといった “チャレンジの場”を提供、高度IT人材の発掘、育成、成長支援を検討
本方針に基づき• 関係府省が取り組むべき具体的活動計画を検討• PDCAを意識したフォローアップ
(KPI達成状況評価、計画見直し等)
人材育成分科会
本方針における対象者と求められる能力の全体像
1
創造的IT人材育成方針の概要
創造的IT人材育成方針の概要
本方針が目指すもの (目標)
「国民全体のIT利活用力の底上げ」と「我が国の経済発展に寄与する高度なIT人材の創出」によって、さらなる経済成長の基盤を構築し、2020年までに「世界最高水準のIT利活用社会」の実現を目指す。
「世界最先端IT国家創造宣言」における人材育成・教育分野の位置付けを踏まえ、
府省横断的に取り組むための方針として、「創造的IT人材育成方針」を策定する。
目標達成に向けた本方針のアプローチ
ITの利便性を享受して生活できる社会の構築と環境の整備
(国民全体のITリテラシー向上)
● 学校現場の教育等の従来のアプローチに加え、就学前の子どもから高齢者、ITを得意とする人とそうでない人、教育・指導する人等を意識し、国民全体を分類、各層に求められる能力項目を設定● 学びの充実や安全・安心な利活用を導くための環境として、指導者の情報活用指導力向上とクラウドコンピューティングサービスやMOOC活用等の情報ネットワーク基盤構築、学習コンテンツの整備について検討
日本のIT社会をリードし、世界にも
通用するIT人材の創出
(高度IT人材の育成)
● 高度IT人材をITの枠を超えイノベーションを創造する「IT利活用社会をけん引する人材」とITを業務に活かす「IT利活用社会を支える人材」に分類し、求められる能力項目を設定● 実践的な人材育成のための産学連携や成長の機会につながる競技会等のイベントといった “チャレンジの場”を提供、高度IT人材の発掘、育成、成長支援を検討
本方針に基づき• 関係府省が取り組むべき具体的活動計画を検討• PDCAを意識したフォローアップ
(KPI達成状況評価、計画見直し等)
人材育成分科会
本方針における対象者と求められる能力の全体像
1
内閣サイバーセキュリティ センター情報セキュリティ政策会議「普及啓発・人材育成専門委員会」第11回会議 20140618 内閣官房IT総合戦略室説明資料より
小まとめ
๏ 「教育の情報化ビジョン」「世界最先端IT国家創造宣言」「教育振興基本計画」などによって教育のIT対応化は国策となっている。
๏ 整備済みパソコン教室の更新時期が到来し,タブレット端末とデジタル教科書への高い関心を背景に整備が始まりつつある。
๏ こうした状況に対応すべく指導者の情報活用能力の育成が急務となっている。
๏ 同時に,「情報教育」の教科化,プログラミング教育の必要性,情報モラル教育の強化などにも目が向けられ議論されている。
一方で学校教育的には…
教育システム改革
教育システム改革が進行中
教育制度を改革する ๏大学入試 ๏高大連携 ๏義務教育 ‣チーム学校 ‣フリースクール ‣小中一貫 ‣英語教育
๏教員免許資格 ๏教育委員会
求められる学力の移り変わり
「知っている」から「解決できる」 (「内容」から「資質・能力」)
次期学習指導要領への準備๏ 「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」 (計13回:2012-2015)
➡次期学習指導要領議論のための準備。世界的な動向を踏まえコンピテンシーベースの教育について論点整理がなされた。
๏ 文部科学大臣「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」(20141120)
➡ 新しい時代にふさわしい学習指導要領等の在り方について諮問を行なった - 教育目標・内容と学習・指導方法,学習評価の在り方を一体として捉えた,新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本的な考え方について
- 育成すべき資質・能力を確実に育むための学習・指導方法はどうあるべきか。その際,特に,現行学習指導要領で示されている言語活動や探究的な学習活動,社会とのつながりをより意識した体験的な活動等の成果や,ICTを活用した指導の現状等を踏まえつつ,今後の「アクティブ・ラーニング」の具体的な在り方についてどのように考えるか。また,そうした学びを充実させていくため,学習指導要領等において学習・指導方法をどのように教育内容と関連付けて示していくべきか。
「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」 ๏国立教育政策研究所 2013年3月
๏社会の変化の主な動向等に着目しつつ、今後求められる資質や能力を効果的に育成する観点から、将来の教育課程の編成に寄与する選択肢や基礎的な資料を調査研究した。
「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」(26頁)
21世紀型能力 (日本型資質・能力の枠組み)๏思考力 ‣問題解決発見力・創造力 ‣論理的・批判的思考力 ‣メタ認知・適応的学習力
๏基礎力 ‣言語スキル ‣数量スキル ‣情報(ICT)スキル
๏実践力 ‣自律的活動力 ‣人間関係能力 ‣社会参画力 ‣持続可能な未来への責任
20130627 「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会(第6回)配付資料」
共通認識とすべき3点
๏ 社会の変化に対応できる汎用的な資質・能力を教育目標として明確に定義する必要がある
๏ 人との関わりの中で課題を解決できる力など、社会の中で生きる力に直結する形で、教育目標を構造化する必要がある
๏ 資質・能力の育成は、教科内容の深い学びで支える必要がある
「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」(26頁)
21世紀型能力
๏ 未知の問題に答えが出せるような思考力と、教室外の現実の問題も他者との対話を通して解決できるような実践力
๏ 「生きる力」が、この21世紀を生き抜く力だと考えれば、こうした実践的な問題解決力・発見力こそが、その根幹を成すと考えられる。
๏ 21世紀型能力は、「生きる力」としての知・徳・体を構成する様々な資質・能力から、とくに教科・領域横断的に学習することが求められる能力を汎用的能力として抽出し、それらを「基礎」「思考」「実践」の観点で再構成したものである。
「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」(26頁)
21世紀に求められる日本人像
๏ これからの日本人にはだれしも、グローバルな視野をもち、社会の変化に耐えうる幅広い知識やICTリテラシー、柔軟で高度な思考力や判断力、人間関係力等に支えられながら、知識基盤社会の「21世紀を生き抜く力」が求められる。また、変化の激しい時代を生きるには日本人は、常に変化する環境に応じて、新たな知識やスキルを身につける自己学習力をもち、社会に効果的に適応できる「生涯学習者」となる必要がある。
「社会の変化に対応する資質や能力を育成する教育課程編成の基本原理」(39頁)
今後の教育課程の在り方について(これまでの議論の要点のまとめ)(案)(整理中)
(育成すべき資質・能力についての基本的な考え方等)
○教育基本法に定める教育の目的を踏まえれば、育成すべき資質・能力の上位には、常に個人一人一人の「人格の完成」が位置付けられなければならない。あわせて、教育基本法に定める教育の目的の一つとして、「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質」の育成があることを踏まえ、自立した民主主義社会の担い手として求められる資質・能力の育成は、公教育の普遍的な使命であることに留意しつつ検討を行うことが必要である。
○グローバル化や情報通信技術の進展など今後の社会の変化も見据えながら、自立した人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力を育成する観点から求められる資質・能力について検討する必要がある。 具体的には、(中略)を重視する必要がある。
○新しい時代に求められる資質・能力としては、他者と協働しチームを編成できる人、異なる価値を統合できる人、根拠等を明確に説明できる人、深い知識と広い視野を持つ人、人間同士の関係を重視する人、グローバルな課題を地域の課題と関連付けられる人として必要な力などが考えられる。
第5回教育課程企画特別部会 資料より
学習は受動的から能動的へ
๏ 従来の教育と学習のあり方は,知識伝達を重視して,学習者が受動的になりやすかった。
๏ しかし,複雑な社会となった今日において,能動的な学習と行動ができる人間の育成が大事だと考られることが増えている。
➡ 学習科学などの学問的な知見からも,新しい考え方と方法で教育と学習を構築すべきであると考えられている。
アクティブ・ラーニング
「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。」
20120828 中央教育審議会「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)用語集」より
アクティブラーニング
「一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。」
溝上慎一『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』東信堂2014
探究的な学習における児童の学習の姿
๏ 【課題の設定】 体験活動などを通して、課題を設定し課題意識をもつ
๏ 【情報の収集】 必要な情報を取り出したり収集したりする
๏ 【整理・分析】 収集した情報を、整理したり分析したりして思考する
๏ 【まとめ・表現】気付きや発見、自分の考えなどをまとめ、判断し、表現する
文部科学省『今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』2010
小まとめ
๏ 依然として様々な教育改革が進行しているが,システム改革に着手し始めた点で,これまでとは様相が異なる。
๏ 特に長く懸案であった大学入試と高校教育を「高大連携」の射程で組み直し始めたことの行方は注視すべき出来事である。
๏ 従来,大学教育の範囲で使われてきた「アクティブ・ラーニング」というキーワードを,次期学習指導要領の在り方を問う中で用いたことで,義務教育から高等教育まで通して見直す姿勢を打ち出している点が特徴であり,議論の的でもある。
๏ ICTは,新しい教育を支援する位置づけが強くなりつつあり,学校教育の中に横断的に埋め込まれたものとして,逆に捉えづらくなってきている。
情報化を推進すること (何をすべき?)
情報化推進のために
๏ 学校のICT環境整備(学校のIT対応化)
๏ 先生のICT操作技能の習得や向上(習得機会の充実)
๏ 先生の授業でのICT利用実践の促進(指導方法の更新)
➡「教育の情報化推進リーダー研修」は,推進リーダーの学校組織マネジメント力を身に付ける機会。
➡推進リーダーは,先頭を見通す力が必要であるが,決して先頭を走ってはいけないことを留意。
学校での取り組みステップを考える
๏ ICT導入前,直後 ‣現状認識→合理化,簡略化,削減化→ICT利用の検討
๏ ICT利用 ‣代替→拡大→変更→再定義
➡こうしたステップを俯瞰するために,様々なモデルや構造図が考えられている。
教育とICTに関するモデル
๏ 教室でのICT活用の普及活用 ๏ ICT採用,利用モデル
野中陽一「教育メディアの活用の課題と展望」(『教育メディアの開発と活用』2015)を参考
๏ 教育の中のテクノロジー:SAMRモデル ๏ テクノロジーの教育利用における知識:TPACK枠組み
➡こうしたモデルが示す段階や区分をうまく使って教育とICTを取り結ぶステップを考えてみることも重要。
教室でのICT活用の普及活用
๏ 慣れ親しむ(Familiarization) ๏ 利用(Utilization) ๏ 統合(Integration) ๏ 新しい方向づけ(Reorientation) ๏ 発展(Evolution)
Hooper, S., & Rieber, L. P. (1995) “Teaching with technology”
ICT採用と利用のモデル①
๏ 導入(Emerging) ๏ 適用(Applying) ๏ 統合(Infusing) ๏ 転換(Transforming)
UNESCO 2010 “ICT TRANSFORMING EDUCATION”
ICT採用と利用のモデル②
UNESCO 2010 “ICT TRANSFORMING EDUCATION”
ICTについての学習 ICTを活用した指導
ICTを知る教科でICTをどう使うか学ぶ
ICTをいつどう使うか理解
ICT活用に精通する革新的でオープンな学習環境を創造し管理する
多様な指導方法で学習を促進する
従来の指導を拡張する
生産的道具を使う
SAMRモデル
๏ Substitution(代替) ๏ Augmentation(拡大) ๏ Modification(変更) ๏ Redefinition(再定義)
๏ Enhancement(増強) ๏ Transformation(変革)
Ruben R. Puentedura SAMR Model (http://www.hippasus.com/rrpweblog/)
TPACK 枠組み๏ Technological Knowledge (TK)テクノロジーに関する知識
๏ Content Knowledge (CK) 教育内容に関する知識
๏ Pedagogical Knowledge (PK)教授方法に関する知識
๏ Pedagogical Content Knowledge (PCK) ๏ Technological Pedagogical Knowledge (TPK) ๏ Technological Content Knowledge (TCK) ๏ Technological Pedagogical Content Knowledge (TPACK)
Mishra and Koehler (2007) “What Is Technological Pedagogical Content Knowledge?”
自校の現状把握
๏ 環境のIT対応 ‣パソコン教室はどうしてる? ‣学校が所有している機材の現状は? ‣校務や授業準備にICTを組み入れられるように見直せる?
๏ 習得機会 ‣先生方自身の学習時間は十分ある? ‣全員が集合できる機会は?
๏ 指導方法の更新 ‣各教科における新しい指導方法について学ぶ機会はある? ‣授業研究や検討会は,先生方の専門性を改善できてる?
など…
現状把握に対する対応策
๏ 合理化 ‣重複していた校務や作業を一本化してみる ‣より良い結果が出る方法に変えてみる
๏ 簡略化 ‣結果や成果に影響しない範囲で作業手順を簡単にしてみる
๏ 削減化 ‣特に必要性がないのに惰性で続いているものを止めてみる
➡まず,ICTに頼らない方法で対応を考えていくことが重要。
それらが済んだら ICT利用を考える
具体的な方法とは (どうすればいい?)
現状把握のために 教育の情報化推進リーダーは先ず 聞き役に徹しなければならない
達成や失敗に対する人の傾向
๏ 達成への接近傾向 = 達成欲求 × 成功見込み × 価値 ๏ 失敗回避傾向 = 回避欲求 × 失敗見込み × 恥ずかしさ
➡「何か達成したい」という人の動機付けには,達成への接近傾向と失敗に対する回避傾向が関係している。
アトキンソン(1964)期待-価値モデル
ICT活用への接近
๏ 達成欲求 ‣その人がもともと持っている物事を成し遂げる欲求 ‣「何か取り組んで達成できたら気持ちいい…」
๏ 成功見込み(期待) ‣取り組もうとしているものに対する期待 ‣「この機器なら使えそうだし授業をより良くしてくれるかも…」
๏ 価値 ‣成功したときに感じられるであろう価値 ‣「ICT活用のもたらす特性が子供達の学びに役立つ」
ICT活用の回避
๏ 回避欲求 ‣その人がもともと持っている失敗を避けようとする欲求 ‣「ICTなんて新しいことは失敗のもとだから取り組みたくない」
๏ 失敗見込み(期待) ‣どのくらい失敗しそうかの見込み ‣「機器の操作は難しいから,きっとうまく動かせない」
๏ 恥ずかしさ(価値) ‣失敗したときに感じる恥ずかしさや悔しさ ‣「機器操作でまごつき授業が中断するのは教師として恥ずかしい」
達成の動機付けをプラスにするには
ICT機器や新しい指導方法に取り組む際には, ๏ うまくいくととても面白い取組み(欲求が高くなるもの) ๏ 確実に達成が見込める取組み(成功見込みが高くなるもの) ๏ 児童生徒の学びにとって意義深いもの(価値の高いもの)
疑わせちゃいけませんできるの?
友情出演:姪っ子
ICT機器の活用やメリットを 具体的にイメージさせる
教員によるICT活用
๏ 課題/資料/問題の提示 ๏ 手本の表示 ๏ 教材の配布 ๏ 活動の確認 ๏ 書き込み説明
中尾教子ほか「児童生徒一人1台PCを前提とした学習環境に関する観察調査」(日本教育工学会研究報告JSET13-2)より抜粋
ICTによる授業の変化
できなかったことができる学外との交流
デジタルツールとしての利用
より高度なことができる学習活動の視覚化
高度な視覚支援
より素早くできる学習成果の確認・共有
教材掲示や配布・回収
より簡単にできる低学年児童等の試行錯誤
情報の共有と利用
フューチャースクール推進事業の取組みから
できなかったことができる
学外の人々との交流(社会や総合など)
๏従来:来校してもらうか、自分たちが学外に出かけて話を聞く。あるいは手紙などでやり取りを行なう。
๏ICT:カメラ内蔵タブレットPCに通話ソフトを導入すると教室に居ながら学外の人とリアルタイムにやり取りができる。遠隔地の学校との交流学習にも活用できる。
手本や実技を再生(音楽や体育)
๏従来:あらかじめ用意したCDを再生したり、備品の楽器を生演奏して奏でる。演技を他人に見てもらう。
๏ICT: パソコンの音符データをもとに、学校に備えの無い楽器の音色に換えたり、テンポやアレンジを変え奏でられる。タブレットで録画した運動や演技の様子を再生し自分自身で確認する。
より高度なことができる
学習成果の表示 (視覚化)
๏従来:理科実験の結果を各自がグラフに記録したものを平面に並べて比較し、結果の読み取りを共有する。
๏ICT:タブレットPC上に各自が記録したグラフは、自動的に並んで表示されるだけでなく、重ねて表示したり、色や組み合わせを変えて表示できる。
視覚支援
๏従来:算数の問題を理解するために、たくさんの図を描くことがある。補足の書き込みが増えると見難くなることもある。
๏ICT:描画ツールの助けを借りて、図を容易に描くことができ、描いたものを一時的に消したり、部分を切り取って移動させながら説明できる。アニメーション機能によって問題の理解を視覚支援できる。
より素早くできる
学習成果の確認・共有
๏従来:各自が練習帳やノートに問題を解いた後、指名された児童が黒板に自分の解き方を再度板書してクラスで確認する。
๏ICT:各自がタブレットPC上のワークシートに問題を解いた後、指名された児童の画面がすぐにIWBに表示され、クラスで確認することができる。
教材の掲示や配布と回収
๏従来:前時で学んだ内容の確認や本時のめあての明確化など掲示物の提示が頻繁にある。ワークシートを配布したり回収したりする時間も必要になる。
๏ICT:パソコンに保管された前時の記録や本時のためのスライドや動画教材などをIWBにすぐ表示できる。児童のタブレットPCにワークシートを素早く配布でき、回収は保存操作だけで済む。
より簡単にできる
低学年児童の試行錯誤
๏従来:物語の登場人物の気持ちや自分の感想を鉛筆でワークシートに書いたものを書き直すとき、消しゴムでもきれいに消えず、時間のロスだけでなくシートを傷めて破いてしまうこともある。内容に集中できない。
๏ICT:タブレットPC上にスタイラスペンで文を書いた場合、文字を消すには線をなぞればよく効率的であり、消しあともきれいで書き直しやすい。内容に集中しやすくなる。
情報の共有と利用
๏従来:調べ学習のために図書資料を図書室探しに行ったり、グループの共同制作物で個別の作業成果を紙ベースで突き合わせたりするときに手間があった。
๏ICT:ネットに接続された手もとの端末から電子教材やネット検索で調べ作業ができ、個別に作業した成果物もコラボレーション機能で簡単に組み合わせることができる。入力された文字や図形の扱いも簡単である。
実物投影機で発表(@足代小学校)
電子ノートでポスターづくり(@上勝小学校)
英語スピーチの録画(@むくのき学園)
理科実験の録画(@哲西中学校)
理科実験の手本参照と記録(@本田小学校)
天体運動の再現(@足代小学校)
ビデオ会議アプリで即交流(@足代小と紅南小)
手作り天体ドーム(@足代小学校)
http://ashiro.edufolder.jp/
電子参考資料(@むくのき学園)
小まとめ
๏ (欲求×期待×価値)の3つの関係をうまく利用する
๏ 欲求を高めるには,新しい試みでわくわくする雰囲気や楽しい課題に取り組む機会をつくることが大事。
๏ 「私にもできる」という期待を抱かせるには,簡単な確実な取組みから積み重ねていくことが大事。
๏ 「やって意味ある」という価値を感じるには,効果が目に見えて分かりやすいものから取り組ませることが大事。
互いを褒めましょう
よくできました!
友情出演:姪っ子
情報化推進のために(再掲)
๏ 学校のICT環境整備(学校のIT対応化)
๏ 先生のICT操作技能の習得や向上(習得機会の充実)
๏ 先生の授業でのICT利用実践の促進(指導方法の更新)
➡「教育の情報化推進リーダー研修」は,推進リーダーの学校組織マネジメント力を身に付ける機会。
➡推進リーダーは,先頭を見通す力が必要であるが,決して先頭を走ってはいけないことを留意。
学校のIT対応
ICT機器やシステム
๏ 機器常設化の重要性 ‣教室パソコン/教員の指導用パソコンやタブレット ‣天井釣りの液晶プロジェクタ
๏ あるものを活かす ‣撮るもの:カメラ,実物投影機,手持ちスマートフォン ‣映すもの:液晶プロジェクタ,テレビ
๏ 情報を集約する手段 ‣ネットワークドライブ ‣クラウドストレージ ‣グループウェア
学習者用ICTの環境
๏ パソコン教室 ‣パソコン教室の現状を考える
-端末保管充電庫 -利用制限や実態 -学習・活動環境としてデザイン
๏ 普通教室における利用 ‣端末や周辺機器の常設状態
-端末保管充電庫の置き場 -部材の取出や片づけの実態 -掲示物
習得機会の充実
リーダーが研修の在り方を決定する
リーダーの3タイプ(社会心理学者レビン) ๏ 専制型リーダー ‣リーダーが活動指針を細かく指示する。
๏ 民主型リーダー ‣方針は参加者が話し合って決め,リーダーは全体の見通しを伝えつつ,一緒に作業していく。
๏ 放任型リーダー ‣リーダーは活動方針の決定に関与せず,すべてを参加者に任せる。参加者に問われたときのみ作業の全体像を伝える。作業は一緒にしない。
参考図書:齋藤勇『職場の心理学』西東社2013
難題 場づくり・機会づくり
考えられる方法
๏ 集合研修 ‣まとまった時間を決めて全員が集まり研修や勉強会をする
๏ 隙間時間方式 ‣休み時間などの不連続な隙間時間を積み重ねて勉強していく
๏ スタンプ方式(自動車教習所方式) ‣用意された題材や教材を各自で勉強していく
๏ サロン方式 ‣談話空間をつくって,そこでは寛ぎながらも情報交換する
๏ 立ち話方式 ‣日常の中での雑談に知識や情報を織り交ぜて浸透させる
YouTubeで活用解説を動画提供する(佐野日大高等学校 教育推進室)
iTunes Uなどサービスで教材提供する (淡路市教育委員会など)
何を情報交換するのか
๏ 素朴にやってみたことの報告 ๏ 雑誌やネットで見つけた面白そうなアプリの話題 ๏ やってしまった失敗告白と顛末や改善方法 ๏ ICT機器の操作方法やコツ ๏ 外部の催事や研究会の話題と参加の誘い
人への配慮と集団思考の問題
๏ 学校教育のIT対応には「環境整備」と「人材育成」がある。どちらも人が関わることであり,新しいモノやコトにとらわれる前に,人に対する配慮もを重視することが肝要。
๏ しかし,職場は「円滑な人間関係を維持しようという集団規範に支配され,反対意見が言えない」集団思考に陥りやすい。
๏ 心理学者ジャニスは,集団が危険な方向に傾く「リスキー・シフト」と,意見の対立を避けるために結論を先送りして何も決められない「コーシャス・シフト」が起こると指摘している。また,結束の強さを集団のもつ強さと錯覚する「不敗幻想」が起こると自分たちを過大評価し,解決すべき問題を過小評価する事態が起こることもあるという。
参考図書:齋藤勇『職場の心理学』西東社2013
集団思考への対策
๏ 反対意見も言えるようにする。 ๏ リーダー自身の意見は言わない。 ๏ 複数の集団に同じ課題を考えさせて多様な意見を尊重する。
➡情報化推進リーダーが聞き役に徹する必要性は,周りの教職員の多様な意見や考えを聞き出していく必要があるから。
参考図書:齋藤勇『職場の心理学』西東社2013
先生たちの協同的な学びをどう確保し,どう個に返していくか
指導方法の更新
グループ学習≠協同学習๏ 協同学習の定義 (Johnsonほか 1984, 2002)
① 生徒たちが互いの学びに責任をもち,各自の努力が自分だけでなくメンバー全員の役に立つと感じている,互恵的な協力関係がある。
② グループとしての責任と同時に,個人の責任を果たすことが求められる。 ③ 対面しての活発な相互交流が行われる。情報を共有し,議論を交わし,助け合
い,励まし合い,互いの学びへの貢献をたたえ合う。 ③ グループの一員として役目を果たすのに必要な対人的技能,小集団技能を学習す
る機会も組み込まれている。 ④ グループ活動の最後に,個人として,またグループとして,適切な活動ができた
かを振り返り改善する手続きが組み込まれている。
➡「グループ学習」とは複数の児童生徒が集団を構成しているという学習形態であり,これに対して「協同学習」とは,グループ学習の有効性を高め効果的な協同を実現することを企図した学習活動と定義できる。
佐藤浩一 編著『学習の支援と教育評価 -理論と実践の協同-』北大路書房2013,60頁 (※下線はスライド作成者)
教材に関する前提の変化
๏ 「児童生徒が同一教材を使って学ぶ」から「児童生徒個別の教材を使って学ぶ」へ
➡ 「デジタル化されることにより,教科書・教材のコンテンツ量,バリエーションは増えていきますから,その中でうまく取り合わせて,一人一人に合うようにカスタマイズすることが可能になるわけです。もちろん,何をチョイスしてどういうふうにカスタマイズするかは教師が行います。その前提として,まず教科書・教材がデジタル化されていることが望ましいのです。」 (鈴木寛/「デジタル教科書が目指すもの」総合教育技術2010年12月号)
学習場面の類型
A 一斉学習挿絵や写真等を拡大・縮小、画面への書き込み等を活用して分かりやすく説明することにより、子供たちの興味・関心を高めることが可能となる。
B 個別学習デジタル教材などの活用により、自らの疑問について深く調べることや、自分に合った進度で学習することが容易となる。 また、一人一人の学習履歴を把握することにより、個々の理解や関心の程度に応じた学びを構築することが可能となる。
C 協働学習タブレットPCや電子黒板等を活用し、教室内の授業や他地域・海外の学校との交流学習において子供同士による意見交換、 発表などお互いを高めあう学びを通じて、思考力、判断力、表現力などを育成することが可能となる。
画像の拡大提示や書き込み、 音声、動画などの活用
▲ A1 教員による教材の提示 ▲ B1 個に応じる学習
一人一人の 習熟の程度等に応じた学習
インターネットを用いた情報収集、 写真や動画等による記録
▲ B2 調査活動
▲ B3 思考を深める学習
シミュレーションなどの デジタル教材を用いた思考を深める学習
▲ B4 表現・制作
マルチメディアを用いた資料、 作品の制作
情報端末の持ち帰りによる 家庭学習
▲ B5 家庭学習
グループや学級全体での 発表・話合い
▲ C1 発表や話合い
複数の意見・考えを 議論して整理
▲ C2 協働での意見整理
▲ C3 協働制作
グループでの分担、協働による 作品の制作
▲ C4 学校の壁を越えた学習
遠隔地や海外の学校等との 交流授業
『ICTを活用した指導方法~学びのイノベーション事業 実証研究報告書より~ 』2015
学習場面の類型
A 一斉学習挿絵や写真等を拡大・縮小、画面への書き込み等を活用して分かりやすく説明することにより、子供たちの興味・関心を高めることが可能となる。
B 個別学習デジタル教材などの活用により、自らの疑問について深く調べることや、自分に合った進度で学習することが容易となる。 また、一人一人の学習履歴を把握することにより、個々の理解や関心の程度に応じた学びを構築することが可能となる。
C 協働学習タブレットPCや電子黒板等を活用し、教室内の授業や他地域・海外の学校との交流学習において子供同士による意見交換、 発表などお互いを高めあう学びを通じて、思考力、判断力、表現力などを育成することが可能となる。
画像の拡大提示や書き込み、 音声、動画などの活用
▲ A1 教員による教材の提示
▲
B1 個に応じる学習
一人一人の 習熟の程度等に応じた学習
インターネットを用いた情報収集、 写真や動画等による記録
▲ B2 調査活動
▲ B3 思考を深める学習
シミュレーションなどの デジタル教材を用いた思考を深め
る学習
▲ B4 表現・制作
マルチメディアを用いた資料、 作品の制作情報端末の持ち帰りによる 家庭学習
▲ B5 家庭学習
グループや学級全体での
発表・話合い
▲ C1 発表や話合い
複数の意見・考えを 議論して整理
▲ C2 協働での意見整理
▲ C3 協働制作
グループでの分担、協働による 作品の制作
▲ C4 学校の壁を越
えた学習
遠隔地や海外の学
校等との
交流授業
場面の組み合わせパターン①
導入 展開 まとめ
画像の拡大提示や書き込み、 音声、動画などの活用
▲ A1 教員による教材の提示 ▲ B1 個に応じる学習
一人一人の 習熟の程度等に応じた学習
▲ B1 個に応じる学習
一人一人の 習熟の程度等に応じた学習
グループや学級全体での 発表・話合い
▲ C1 発表や話合い
学びのイノベーション事業・実証研究報告書概要(20140411)指導の展開例より
場面の組み合わせパターン②
導入 展開 まとめ
画像の拡大提示や書き込み、 音声、動画などの活用
▲ A1 教員による教材の提示
インターネットを用いた情報収集、 写真や動画等による記録
▲ B2 調査活動
グループや学級全体での 発表・話合い
▲ C1 発表や話合い▲ C3 協働制作
グループでの分担、協働による 作品の制作
学びのイノベーション事業・実証研究報告書概要(20140411)指導の展開例より
場面の組み合わせパターン③
導入 展開 まとめ
画像の拡大提示や書き込み、 音声、動画などの活用
▲ A1 教員による教材の提示
複数の意見・考えを 議論して整理
▲ C2 協働での意見整理▲ C3 協働制作
グループでの分担、協働による 作品の制作
学びのイノベーション事業・実証研究報告書概要(20140411)指導の展開例より
授業づくりや指導方法に活かすために
๏ 個々の学習場面の奥行きを考える ‣ ICT利用を描いたイラストに引っ張られることなく,
๏ 組み合わせのパターンを吟味する ‣よりよい協働学習が展開するためには,前段の一斉学習が強く影響することを踏まえる。 ‣学習者同士の相互活動の成果が「個に返る」ように設計することも忘れてはならない。
๏ 組み合わせる場面間についても配慮する ‣場面と場面を接続する部分にこそ,ICTを活用する意義が潜んでいることがある。
情報化推進は短距離走ではなく終わりのない持久走である
だから 欲張っちゃいけません
かぷ!
友情出演:姪っ子
林向達
ありがとうございました