スマートフォン・タブレット市場の現状について
~APPLEとGoogleの戦略を軸として~
2012年4月
荒川 巧也
1.KayのDynabook構想
2.スマートフォン・タブレットPCが今人気になった背景
3.スマートフォン・タブレットPCのソフトウェアに関して
4.APPLE について
5.Google について
6.Microsoft について
7.スマートフォン・タブレットPC ビジネス戦略各社のまとめ
本日の発表内容
0.はじめに・・・(荒川所有の書籍)内容がAPPLE寄りになるかもしれませんがお許しください。
APPLE Google Microsoft
Alan Kay(通称:パソコンの父)
KayのDynabook構想
論文:”A personal computer for children of all ages” (1972)
⇒Kayは論文の中で、理想のパソコンを”Dynabook”と呼んだ。
1.KayのDynabook構想
Kayのアイデアが示すように、簡単に使え、簡単に持ち運べ
るデバイスは、コンセプトとして昔からあるものであり、最近生まれたものではない。
1972 2010
1.KayのDynabook構想
2.スマートフォン・タブレットPCが今人気になった背景
1 ) 半導体の進化 (CPU, メモリ)2 ) 通信環境の進化 (3G環境,Wifi環境,通信料定額制導入 )3 ) 購入しやすい価格
スマートフォン・タブレットは”オタク向け”デバイス
1 ) 動作がキビキビではない。2 ) 通信環境は、3G回線定額制の
普及前3 ) 高価
W-Zero 3 (2005年)vaio TYPE U (2006年)20万円
3.スマートフォンとタブレットPCの違い
1) .スマートフォンとは
“Phone”を出発点としてノートPCの便利さを求めた”Phone”
“PC”を出発点として携帯電話の手軽さを求めた”PC”
2) .タブレットPC とは
ノートPC
タブレットPC
ネットブックスマートフォン
携帯ゲーム機電子書籍リーダー音楽
プレーヤー
ハイエンド(高価格)
ローエンド(低価格)
汎用的専門的
アップル、アマゾン、グーグルの競争戦略 雨宮寛二 P123 引用
3.スマートフォンとタブレットPCの違い
各種デバイスの位置付け
3.スマートフォンとタブレットPCの違い
スマートフォンとタブレットPC共にApple Inc.のiOS, Google Inc.のAndroidOSなどが使われておりできることは同じ。(OSは同じであり同じソフトが動きます。)
1)スマートフォンの強みコンパクトで持ち運びしやすい。
2)スマートフォンの弱み画面が小さい。タブレットPCより性能が低い。
1)タブレットPCの強み画面が大きく見やすい。スマートフォンより性能高い。
2)タブレットPCの弱み(スマートフォンと比較して)大きく重い。
2.タブレットPC
1.スマートフォン
4.スマートフォンとタブレットPCを取り巻くIT環境
データ管理について⇒ 全てのデータの中心はPCになる。(オフライン環境) 2001年
⇒ 2001年 APPLE Inc. デジタルハブ構想発表
クラウドコンピュータ⇒ データ オフライン環境からオンラインへの移行
4.スマートフォン・タブレットPCを取り巻くIT環境
⇒ 2011年 APPLE Inc. デジタルハブ構想の再定義
4.スマートフォンとタブレットPCを取り巻くIT環境
<これまで>①クラウド(サーバー側)に
データを置くことで、様々なデバイスからアクセス可能。
②万が一、デバイスを無くした場合も同じ環境に戻せる。
<これから>
Camera
Video Camera
MusicCamera
Video Camera
Music
データはPC管理が中心 データはクラウド管理へ
10年後
⇒ 物理的メディアの終わり?
4.スマートフォンとタブレットPCを取り巻くIT環境最近、クラウド(Cloud)という言葉をよく聞きます。
アマゾンで検索すると821件の本がヒット
しかし、我々は以前よりクラウドサービスを利用してました。
例えば、Web上でのフリーメールサービス
例えば、ブログサービス
通信環境が整い、いつでも、どこからでも、
情報がアクセスできる時代!
「例えば、この国が農業国だったころは、車はすべてトラックだった。農場で必要なものだったからだ。都市部が広がるにつれて乗用車が普及した。PCはトラックのようなものになるだろう。PCはすぐにはなくならないが、PCを必要とする人は何人かに1人だけになる。」
All Things Digital(D8)カンファレンス 2010年6月
Steve Jobs氏 発言
2004年 APPLE 特許申請書より
4.スマートフォン・タブレットPCを取り巻くIT環境クラウドの時代の特徴とは、個人が全ての情報(個人情報含む)をクラウドベースで管理
すること。仕事面では、全ての情報をクラウドに上げることでメンバー全員で共有して編集
も行う。
IT企業が抱える義務と課題
1 ) 個人情報の保護 (セキュリティ)2 ) 増え続けるデータ処理と活用
(ビックデータへの対応)
スマートフォンの特徴(携帯電話と比較して)
アプリケーションをダウンロードして追加できる。
OSのアップデート可能。
フルブラウザでインターネットにアクセス可能。
HTC EVO 3D ISW12HT
5.スマートフォンと携帯電話の違い
電話会社への影響Skypeなどで24時間通話無料環境
カメラ市場への影響1.デジカメと違いそのままSNSへ投稿可能。2.4000万画素のカメラを持ったスマートフォン
もあり十分綺麗に撮影できる。3.アプリケーションで写真の修正作業ができる。
カーナビ市場への影響定期的に地図情報を更新して最新の地図情報を表示することができる。
脅威
脅威
脅威
チャンス
・・外出先で検索
・・思い付いた時購入
・・観光先から投稿iPhone 3G
6.スマートフォンが与える影響について
7.スマートフォンOS別シェア
http://japan.internet.com/allnet/20120404/6.htmlより引用
*2012年2月の米国スマートフォンOS別シェアSony,東芝,シャープsamsung,LG,HTC,ASUS・・・
APPLE 1社
Samsung : bada
8.タブレットPC OS別シェア
(2011年日本国内シェア)
http://i.impressrd.jp/e/2012/02/02/1184引用
APPLE 1社
Sony,東芝,シャープsamsung,LG,HTC,ASUS・・・
1.iOSアプリ1 ) Objective-Cは(Javaと比べて)マニアック。2 ) アプリができて配信されるまで1ヶ月とかかかる。
2.Androidアプリ1 ) ソフト動作を実機全てで検証することが不可能。2 ) ディスプレイ解像度が違うので端が映らない場合有。3 ) センサーを使ったアプリが作りにくい。
9.スマートフォン・タブレットPCのアプリ開発
10. について
PC・PC soft business
Smart Phone BusinessMusic Business tablet Business
entertainment Business
TV Business ?
10. について 取り扱い製品
Pippin@ (ゲーム機)1996Quick take (デジカメ)1994Newton (PDA)1992
Steve Jobs 復帰後姿を消しました。
10. について 今は消えた製品達・・
10. について ブランド力日経BPコンサルティング調べ
http://www.macrumors.com/2012/01/24/apple-reports-best-quarter-ever-in-q1-2012-13-06-billion-profit-on-46-33-billion-in-revenue/ から引用
53%
21%
14%
5%
4%
3%
10. について 製品別売り上げ比率
http://www.google.com/finance?cid=22144引用
iPhone発表 iPhone発売
iPhone3G発表・発売
iPhone3GS 発表・発売
iPhone 4発表・発売
iPhone 4S発表・発売
iPad発売
iPad2発売
10. について 株価の推移
ジョブズは、(iPhone以前の)携帯電話をどう見ていたか?
売られている携帯電話はひどいものばかりで、かつてのポータブル音楽プレイヤーと似たような状
態にあるとジョブズは考えていた、
「携帯電話のあそこがイヤだ、ここがきらいだという話をずいぶんした。とにかく複雑すぎるんだ。
電話帳のように、こんなの使い方がわかる人なんているはずがないと思うような機能がたくさんあ
るわけがわからないよ。」
Steve Jobs II ウォルター・アイザックソン P281
11. のスマートフォンビジネス戦略
⇒不満点1: スマートフォンに入っている機能はいろいろあるのに、ボタンはプラスチックで固定さ
れていてどれも同じ使い方しかできない。使いにくい。ボタンは機能別に変わるべき。
keynote by steve jobs @ macworld 2007
ジョブズは、iPhone以前の携帯電話をどう見ていたか?
11. のスマートフォンビジネス戦略
⇒不満点2: 誰がスタイラスなんて使いたんだ?我々は指という最高のポインティングデバイスを
持ってるじゃないか。
keynote by steve jobs @ macworld 2007
11. のスマートフォンビジネス戦略
ジョブズは、iPhone以前の携帯電話をどう見ていたか?
スマートフォン市場へ参入した背景 1
⇒iPodが携帯電話に飲まれてしまう恐怖があった。
ジョブズが達した結論は、「徹底的にやられる可能性のある機器は携帯」だった。デジタルカメ
ラの市場はカメラ付き携帯電話の普及で食い荒らされていた。携帯に音楽プレイヤー機能が搭
載されればiPodも同じようになりかねない-そう取締役会へ説明した。
Steve Jobs II ウォルター・アイザックソン P278
11. のスマートフォンビジネス戦略
スマートフォン市場へ参入した背景 2
⇒Mobile Phone の魅力的な市場
keynote by steve jobs @ macworld 2007
11. のスマートフォンビジネス戦略
12. について
12. について
*主要検索サービスを抜粋
映像
本 ニュース
地図
検索ビジネス
会長Eric Schmidt
創業者Larry Page (左)Sergey Brin (右)
2006年8月~2008年8月:Apple 取締役
12. について
検索エンジンの特徴
Google 誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター デビッド・ヴァイス 2006年 P62
⇒ウェブサイトにも同様なことが言えると判断。リンクが貼られるなど紹介されている数が多ければ多いほどそのサイトは重要=価値がある。
「ノーベル賞を受賞するような人たちの論文は、1万もの論文に引用されているんだよ。」ある論文が科学文献にたくさん引用されていたら、「その論文が重要だからだ。」
12. について
95%
5%
http://www.zdnet.com/blog/bott/microsoft-apple-and-google-where-does-the-money-come-from/4469より引用
12. について
収入のほとんどが広告ビジネス。
13. のスマートフォンビジネス戦略
なぜ、スマートフォンビジネスに参入したのか?
1 ) 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
2 ) 発展途上国ではまだまだPCは高く、情報を触れる手段とし て携帯電話がメインの国々がたくさんある。
⇒Googleとしては、モバイル端末に検索需要=広告を出すチャ
ンスが魅力的であった。
⇒2005年GoogleがAndroid Inc.を買収。
グーグルとしては、iPhone経由だろうが、Android経由だろうが、自
社のサービスを利用してくれれば良い。iPhoneには、YoutubeやGoogle Mapなどのアプリを標準搭載され
ている。
から見たiPhone
Macworld 2007 2007年1月
13. のスマートフォンビジネス戦略
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120419-00006264-techcr-sci 引用
13. のスマートフォンビジネス戦略
13. のスマートフォンビジネス戦略
Googleは、Android OSを無償でスマートフォンメーカーに配布。条件としてGoogleのサービスを標準搭載することが条件となっ
ている。
各メーカーは無償でGoogleからOSとサポートを受けられるが、どのメーカーも同じOSを使っており、差別化難しい。(OSの改良や独自のアプリを入れることは認められている。)
13. のスマートフォンビジネス戦略
共通プラットホームを手に入れられる代償として、差別化が難しい。
http://ggsoku.com/2012/03/galaxy-original/から引用
*一部の端末(Samsung)は、iPhoneと良く似ており裁判になっている。
13. のスマートフォンビジネス戦略
http://ggsoku.com/2012/03/galaxy-original/から引用
13. のスマートフォンビジネス戦略
13. のスマートフォンビジネス戦略
⇒これらをパクリを感じるかどうかはあなた次第・・・
13. のスマートフォンビジネス戦略
ASUS padfone
⇒Androidの端末でありながら差別化を図るモデルも出てきてる
14. のスマートフォンビジネス戦略
マイクロソフトの強み
⇒ 圧倒的なPCのOSシェア+OFFICE Soft (Word,Excel, Powerpointなど)
マイクロソフトのスマートフォン戦略マイクロソフトのスマートフォン=Windows Phone
1. OFFICE softで作ったドキュメントの確認・編集
2. マイクロソフトが提供するクラウドサービスの利用
14. のスマートフォンビジネス戦略
マイクロソフトのタブレットPC戦略 ~Windows8~
1. OFFICE softで作ったドキュメントの確認・編集2. マイクロソフトが提供するクラウドサービスの利用
14. のスマートフォンビジネス戦略
パートナー 主要活動 価値提案 顧客との関係
チャンネル
顧客セグメント
リソース
① 通信会社② アプリ提供会社
③ OEM企業
① ハードデザイン② ソフトデザイン③ マーケティング
① 従業員② Appleブランド③ itunes (管理ソフト)
① 快適なweb体験② 豊富なアプリ③ 快適な音楽体験
① 家電量販店② Apple store③ apple.com
① 従業員② OEM先に払う製造コスト③ マーケティング・研究開発④ 販売
マス市場
コスト構造 収益の流れ① ハードウェア収益② アプリ・音楽の販売収益
15.スマートフォン・タブレットPC ビジネス戦略 まとめ
コスト構造 収益の流れ① 広告収入② サービス収入
パートナー 主要活動
リソース
顧客との関係価値提案
チャンネル
顧客セグメント
① 通信会社② 携帯電話メーカー③ アプリ開発会社
(個人含む)
マス市場① ウェブ閲覧者② 広告主
① 検索エンジン② 検索エンジン
以外のサービス
① 情報検索を中心とした快適なweb体験
② 豊富なアプリ
① 家電量販店② web
① 従業員② サービス研究開発・維持③ マーケティング
15.スマートフォン・タブレットPC ビジネス戦略 まとめ
① 従業員② 無料
コスト構造 収益の流れ① ソフトウェア収入② サービス収入
パートナー 主要活動
リソース
顧客との関係価値提案
チャンネル
顧客セグメント
① タブレットPCメーカー② 携帯電話メーカー③ アプリ開発会社
(個人含む)
マス市場① ソフト開発② Webサービス ① 快適なPC体験
② 快適なWebサービス
① 家電量販店② web
① 従業員② サービス研究開発・維持③ マーケティング
15.スマートフォン・タブレットPC ビジネス戦略 まとめ
① 従業員② Windows