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1:玄関 2:洗面・脱衣 3:浴室 4:キッチン 5:リビング・ダイニング 6:ライブラリ 7:子供部屋 8:主寝室
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地中の棲処
都市の中心部の傾斜状の住宅地にポツリと残された地山の斜面。その地山の持つ力強さと恵まれた眺望を生かしながら、そこに穴を掘って住む住宅の計画である。この穴は、擁壁を兼ねた構造体を地中に埋め込むことができており、掘った空間がそのまま居室となっている。斜面に掘られた3つの居室は、地中の階段でつながっており、家族それぞれが斜面地のお気に入りの場所に穴を掘って棲む、そんなイメージの住宅になっている。
熱しにくく冷めにくい大地と一体化した建物は、エアコンを持たず、躯体の温度を調整することのみで室内環境を作っている。躯体表面には鉱石の粉末を混入した塗料を塗り込んでおり、同じ塗料を塗った放熱フィンから発せられる遠赤外線の共鳴効果によって躯体温度と身体の輻射環境をコントロールしている。
リビングやライブラリーなど、エントランスから庭に至る経路は、全て土間仕上げとし、土足で歩くような半屋外の設えになっており、外部と一体となった関係を作っている。また、外壁は地山と同色の土で仕上げられており、地面が隆起したような外観を作っている。
地面に掘り込まれたエントランス、井戸のようなバスルーム、半地下のベッドルーム、躯体でできた本棚や洗面台などが特徴的な建物である。
住所:福岡市中央区輝国 敷地面積:200.43m2建築面積:78.05m2延床面積:76.84m2構造規模:RC造平屋
建築設計:末光弘和+末光陽子/SUEP構造設計:鈴木啓/ASA施工 :黒木建設設計期間:2008.01-2009.10工事期間:2009.11-2010.04