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日本における外国人児童生徒を取り巻く教育問題

―「日本語習得」「学習思考言語」に着目してー

慶應義塾大学 文学部

人文社会学科 教育学専攻 3年   齋藤万里子(11607231)

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目次

・序章 問題背景とテーマ設定理由及び目的

第1節 外国人児童生徒の教育問題の背景

第2節 テーマ設定の理由

第3節 テーマ設定の目的

・第1章 外交人児童生徒の学校教育問題の概要第1節 外国人児童生徒に関する基本情報

第1項 外国人児童生徒の定義第2項 外国人児童生徒をめぐる現在の状況

第2節 外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題

  第1項「学校への適応」問題  第2項「日本語習得」問題  第3項「アイデンティティ形成・母語の保持」問題  第4項「進路」問題  第5項「不就学」問題

・第2章 外国人児童生徒の「日本語習得問題」の概要  第1節「日本語習得問題」に着目する理由  第2節「日本語習得問題」の現状  第3節「日本語習得問題」の原因  第4節「学習思考言語取得」の為の提案第5節 現行の取り組みと成果・課題

     第1項「特別教育課程の編成」     第2項「JSLカリキュラムの実施」     第3項「DLAの実施」     第4項「かすたねっとの構築・運用」  第6節 今後の課題・終章 振り返り

第1節 まとめ第2節 今後の研究課題第3節 夏課題の反省点・振り返り

・参考文献リスト

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序章 問題背景とテーマの設定理由及び目的まずはじめに、今回取り上げるテーマである「外国人児童生徒の学校教育問題」の背景

を明らかにしていく。次に「何故このテーマを課題とするのか」というテーマの設定理

由を述べる。その上で「何について」「どこまで」「どのように」解明するかを明確に

する事で、本研究における目的を確認する。

 

第1節 外国人児童生徒の教育問題の背景 近年、経済の国際化の進展につれ、貿易(モノ)、投資(カネ)のみでなく労働(ヒト)の統合が進みつつある。特に国際的労働市場の中では、人々はさまざまな理由から国境を超え

るようになり、人の国際移動が盛んになった。世界では EU離脱の是非を問うたイギリスでの「移民問題」をめぐる国民投票や、アメリカのトランプ大統領が大統領選において

「移民がアメリカ国民の雇用を奪っている」と主張し、白人中間層の支持を集めたことが

記憶に新しい。ここで注意しておきたいのは、「移民」と「外国人労働者」の違いである。

日本政府は唯一の例外である日系ブラジル人を除き、原則として移民政策を取っていない。

「移民」とは一般的に当初から永住、国籍取得を前提として新たに来日する外国人の事を

指す。一方で「外国人労働者」とは、数年間の出稼ぎ目的で就労滞在する人を意味する。

日本の政策としては少子高齢化による労働力不足に対し、積極的に外国人労働者を受け入

れる姿勢を取っている。1985年のプラザ合意を皮切りに外国人労働者の流入が活発化し、

5年後の 1990年に入国管理法が改正された事で、外国人労働者の数は年々増加の一途を

辿るようになった。法務省「出入国管理をめぐる近年の状況」1によると、近年、安倍政

権が積極的な外国人の雇用政策を打ち出す中で、昨年、日本で働く外国人の数は過去最高

を更新し、128万人となった。内閣府は特に深刻な人手不足を抱える業界のために新た

な受け入れ制度を整える方針で、来年 4 月には新たな在留資格の運用が開始される予定だ。

今後日本に来日する外国人はますます増加すると見られている。2

1法務省平成 29年版「出入国管理」(取得日:2018/10/1)http://www.moj.go.jp/content/001241964.pdf2社会実情データ図録「図録外国人労働者の推移」(取得日:2018/10/1) http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3824.html

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第2節 テーマ設定の理由大学 2年生の秋に、メディアコミュニケーション研究所のゼミナール活動で「外国人

労働者への日本社会の眼差しと新聞の報道姿勢」についての三田論3を執筆した。内容と

しては 1990年から 2016年までの間に朝日新聞と読売新聞の 2社が掲載した「外国人労

働者」に関する内容の記事を内容分析、言説分析する事によって、日本社会が外国人労働

者に対してどのような目線を向けているのかについて分析するというものだった。論文

の成果として明らかになったことは、大きく 2つあった。第一にそれまで「中立」「反

対」の意見が多く注目度も高かったにも関わらず、1990年代前半をピークに両社の記事

数自体が大幅に減少したという事だ。すなわち、外国人労働者の数は増加の一途を辿るに

も関わらず、それに反比例するように外国人労働者問題についての国民の関心度は低下し

たのである。第二に、そんな関心度の低かった「外国人労働者受け入れ」に関する記事の

中でも、最も高いニュースバリューが置かれていた内容は「教育」に関する記事だった

という事だ。「外国人労働者」というよりもむしろ、「国内に暮らす外国人労働者の子供

3 メディアコミュニケーション研究所三田論文「外国人労働者への日本社会の眼差しと新聞の報道姿勢」(執筆日:2017/11/15)

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など、外国にルーツを持つ児童生徒の教育」に関する内容の記事が特に注目を集めた。具

体的には「増え続ける日本語教室」や「日本語習得に励む児童生徒の姿」といった見出し

で外国人児童生徒の日本での学習の実態を取り上げ、健気に努力する姿勢を応援するとい

う内容だった。この事に私は衝撃を覚えた。通常、「教育」というメディアフレームが

新聞内容分析の中で「最も高い」ニュースバリューを持つことは極めて珍しい。元々低

かった国民の関心をそれほどまでに捉えた「国内に暮らす外国人児童生徒の教育実態」が

どういった物なのか、関心を持った。これが今テーマを選択した最初のきっかけだ。

第3節 テーマ設定の目的 増加し続ける外国人労働者と、その子供である外国人児童生徒の問題は 1990年代から

顕著であった。外国人児童生徒の教育についても度々メディアで注目を集め、政府として

も受け入れ態勢の整備や制度制定といった対策を取ってきた。とは言え、いまだに外国

人児童生徒の教育に関する問題は本質的には解決されていない点ばかりが目立つのが現状

だ。本研究では、まず第 1章で前提知識となる外国人児童生徒の教育問題の概要を示し、

問題の全体像を把握する。そして第 2章以降で外国人児童生徒の教育を取り巻く諸問題に

起因する大元と言える「日本語習得問題」の現状、原因を確認する。最終的には以上を踏

まえて現行の取り組みの課題を明らかにする事を目的とし、次研究で行う「現行の取り組

みの課題を解決する提言」に繋げる。

第1章 外国人児童生徒の学校教育問題の概要第 1章では前提となる外国人児童生徒の学校教育問題の概要を示す。精読した文献を検

討し、第 1節では外国人児童生徒に関する基本情報を、第 2節では外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題を明らかにすることによって、問題の全体像を把握する事を目的

とする。

第1節 外国人児童生徒に関する基本情報第 1節では、まず第 1項で本稿の研究対象である「外国人児童生徒」の定義を明確にす

る。次に第 2項で外国人児童生徒を巡る現在の状況を明らかにする。外国人児童生徒に関

する基本情報を整理する事を目的とする。

第1項 外国人児童生徒の定義まず日本に来日した外国人の名称を区分する。1952年サンフランシスコ条約以前から

日本に来日し、住んでいる外国人とその子女を「オールドカマー(old comer)」、サンフ

ランシスコ条約以降に来日した外国人とその子女を「ニューカマー(new comer)」4と

4 総務省「多文化共生の推進に関する意見交換会 報告書」(取得日:2018/10/1)

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呼ぶ。「オールドカマー」は主に日本による朝鮮植民地支配に歴史的ルーツを持つ人、も

しくはその子孫を指す。そのほとんどが「特別永住者」の資格を持っており、国籍とし

ては韓国や朝鮮籍の人々、さらに日本国籍を持つ人々がいる。一般的に「在日コリアン」

などと呼ばれる。これに対して「ニューカマー」は中国帰国者、インドシナ難民、アジ

アからの労働者、国際結婚者、日系出稼ぎ労働者など来日の理由も様々で、彼らの置かれ

た状況は複雑多様である。特に、1990年改正出入国管理及び難民認定法の施行から日系

人を含む外国人の滞日が増加した。以上を踏まえ、原則として外国人児童生徒とは、こう

した背景を持って来日した「オールドカマー」「ニューカマー」の子供を指す呼称と定義

できる。だが本稿で述べる外国人児童生徒の対象とは、今後増加し続ける「ニューカ

マー」の子供に限定して定義する。またその内、「公立に通う義務教育課程の子供」とい

う条件を設ける。これは第 2項以降で詳しく述べるが、教育を受ける権利を保証されて

いる等の理由から、公立の小学校、中学校に通う児童生徒は全体の 7 割以上を占め、圧倒

的多数だからである。オールドカマーとして来日した子供は成人となり教育課程を終え

ているため、議論には入れない。

第2項 外国人児童生徒を巡る現在の状況外国人児童生徒の定義が定まったところで、第 2項では外国人児童生徒を巡る現在の状

況を明らかにし、基本情報を整理する。第 2節で述べる諸問題の背景となる原因、実態を

探る事が目的である。「外国人児童生徒を巡る現在の状況」は、文部科学省「外国人児童

生徒教育の現状と課題」5、「外国人の子供の就学促進、進学・就職に関する参考資料」6、

「学校における外国人児童生徒に対する教育支援の充実方策について」7に基づき、次の

5つに特化する。①公立学校に在籍する児童生徒数②母国語となる言語③在籍分布・集住

化・散在化④教育を受ける権利⑤現行の支援施策である。

① 公立学校に在籍する児童生徒数

5 平成 28年度文部科学省「外国人児童生徒教育の現状と課題」(取得日:2018/10/1)http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/todofuken_kenshu/h28_hokoku/pdf/shisaku03.pdf6 平成 28年度文部科学省「外国人の子供の就学促進、進学・就職に関する参考資料」(取得日:2018/10/1)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/121/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/04/14/1369164_01.pdf7 平成 28年文部科学省「学校における外国人児童生徒に対する教育支援の充実方策について(取得日:2018/10/1)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/121/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/27/1373539_03.pdf

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公立学校に在籍している外国人児童生徒数は近年役 8万人で推移している。その内、平

成 27年度時点で、義務教育課程である公立小学校に通う児童は 45,277人、公立中学校

に通う生徒は 21,437人である。

表からも見て取れるように、公立学校に通う児童、生徒数が小学校は私立の役 110 倍、

中学は約 27 倍であり、日本の外国人児童生徒の圧倒的多くが公立学校に在籍している。

日本語指導が必要な外国人児童生徒はこの 10年間で 1.5 倍にまで増加していることも考

えると、今後益々公立学校に在籍する外国人児童生徒の数は増えると言える。

②母国語となる言語児童生徒の母国語を見ると、ポルトガル語が全体の 4 分の 1を占め、最も多い。その

次に、フィリピノ語、ベトナム語および「その他」の言語(主要言語である中国語、

フィリピノ語、スペイン語、ベトナム語、英語、韓国・朝鮮語以外の言語)が近年増加傾

向にある。

③在籍分布・集住化・散在化

日本語指導が必要な児童生徒の在籍する地域の分布として、都道府県別の在籍者数の上

位 6都府県(愛知、神奈川、東京、静岡、大阪、三重)の在籍者合計が全体の 6 割を占め

ており、特定の地域への集住化の傾向が引き続き見られる。その一方で日本語指導が必要

な児童生徒が 1 名以上在籍する公立の小・中学校は全公立小中学校の 2 割に達し、これら

の児童生徒が 1 名以上在籍する市町村数は全市区町村の約 5 割と成っている。在籍数が

1〜4人の学校数が在籍学校の 75%を超えている状況であり、これらの児童生徒が全国に

散在化する状況が一層顕著になっている。

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④教育を受ける権利

そもそも日本では憲法及び教育基本法において、「国民はその保護する子女に普通教育

を受けさせる義務を負うもの」としている事から、普通教育を受けさせる義務は日本国

籍を有する者に課せられたものであり、外国人には課せられないと解される事が多々あ

る。しかし、国際人権規約の規定を踏まえ、公立の小中学校等では入学を希望する外国人

の子供を無償で受け入れるなどの措置を講じており、これらの取り組みによって外国人

児童生徒の教育を受ける権利は保証されている。とは言え、外国人児童生徒の不就学実態

も問題となっている。これについては第 1章第 2節⑤「不就学」問題の概要でも言及す

る。

⑤現行の支援施策

外国人児童生徒等への教育支援に関しては、現状として以下のような受け入れ及び教育

の為の施策が行われている。

a)「外国人児童生徒受入れの手引き」の作成・配布

    外国人児童生徒を受け入れる学校・自治体等における体制整備のために必要な情

報、知見の提供を行う。

b)「DLA6」の開発

    日本語と教科の統合的指導プログラム(JSLカリキュラム)実施のための条件

整備として、児童生徒の日本語能力を把握する。

c)「かすたねっと」の構築、運用    他言語文書や教材の情報検索サイト「かすたねっと」を普及させる事で、日本語

と教科の統合的指導を目指す。

d)「特別の教育課程」の編成、実施    「特別の教育課程」実施のための制度改正を行ったことによって、外国人児童生

徒の「日本語指導」を円滑に行う。

e)「DLA」の実施     外国人児童生徒のための対話型アセスメントとして、1番早く伸びる会話力を

用いて教科学習に必要な「読む」「書く」「話す」「聴く」の 4つの面を把握、

伸ばす。

f) 外国人児童生徒教育のための教員配置

     自治体に対する人的・予算的支援として行う。

g) 教員・管理職・指導主事等への研修実施

     教育委員会のための研修マニュアルなどを作成し、自治体の人材育成支援とし

て行う。

h) 学校への就学促進要請

     小中学校における外国人児童生徒の就学機会の確保を目的とする。

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i) NPO 等の支援

     日本語教室など、外国人児童生徒を支援する地方公共団体や NPOの取り組みを支援。

第2節 外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題外国人児童生徒の基本情報が整理できた上で、第 2節では外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題を述べる。文部科学省「外国人児童生徒の多様化への対応」8、先行研究

をもとに、次の 7つ①学校への適応②日本語習得③アイデンティティ形成、母語の保持④

進路⑤不就学という諸問題を取り上げ、概要を述べる。

第1項「学校への適応」問題 藤田(2013)9「来日外国人児童生徒の学校ストレスに関する研究」によると、日本人児

童生徒に比べ、外国人児童生徒の方が学校への適応が出来ず、感じるストレスが有意に高

い。これは否定認知の高さが大きな原因である。自分を受容してくれない学校を日本へ

のイメージと重ね、閉塞感から学校への適応に問題を抱える。

第2項「日本語習得」問題の概要外国人児童生徒は母語が日本語以外である事が大半であるため、2つの言語を学習する事になる。特に成長早期段階で第一言語(母語)そのものの習得が途上にありながら不慣

れな日本語を学ぶ為、両言語とも理解習得を追いつく事が非常に困難である。「日本語」

8 文 部 科 学 省 「 外 国 人 児 童 生 徒 の 多 様 化 へ の 対 応 」 ( 取 得 日 :2018/10/01 ) http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/15/1304668_3.pdf9 藤田恵津子「来日外国人児童生徒の学校ストレスに関する研究」(第 44回総会発表論文集, 日本教育心理学, 2013年)p.606(取得日:2018/10/01)

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は他言語と比較しても習得が難しいと言われ、この日本語の欠如が直接的に後に学力問題

にも関わって来ると言える。

第3項「アイデンティティ形成、母語の保持」問題の概要児島(2006)10は、人は社会化のプロセスにおいて、所属集団・社会・文化の諸規範

や価値体系を獲得し、自らの所属集団への帰属意識、アイデンティティを形成すると述べ

ている。しかし、外国人児童生徒の場合、学校への適応問題からアイデンティティクラ

イシスに陥る者も少なくない。梶田(1997)11は、外国人児童生徒への教育的対応を 1階「異文化理解」、2階「日本語指導」、3階「教科指導」という 3階建ての家で例えており、家の土台であるアイデンティティ形成が最も重要だと指摘している。

第4項「進路」問題の概要外国人生徒の中学卒業後の進路としては約 8 割が高校に進学しており、その内約 3 割が

定時制、通信制の高等学校に進学している。とは言え高校進学した生徒の日本語能力を調

査したところ、通常授業が理解可能な生徒は 54.8%で、残りの 45.2%は通常授業の理解

に課題がありドロップアウトする者も多い事が問題だ。高校進学の次に多いのが順に

「家事手伝い」「帰国」「就職」であり、選択肢が豊富とは言えない。

第5項「不就学」問題の概要

10 児島明『ニューカマーの子供と学校文化 日系ブラジル人生徒の教育エスのグラフィー』勁草書房,2006年11 梶田孝道・松本一子・加賀澤泰明編『外国人児童・生徒と共に学ぶ学校づくり』ナカニシヤ出版,1997年

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不就学問題は 1990年代から顕著に現れて来たが、転居者や届け出を出していない者も

多く、正確な実数データが発表されていない。その為、実態を掴むのは難しいが、佐久間

(2015)12によると「学校へ行くお金がない」「日本語がわからない」「すぐ母国に帰

る」等の理由での未収学者、中途退学者が多い。また根本的原因として「教育を受ける権

利」は保証されているものの、就学義務が課されていない事が挙げられる。

以上 5点が外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題である。本章では第 1節で外国人児童生徒に関する基本情報を、第 2節で外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題を明らかにすることによって、問題の全体像を把握した。

第2章 外国人児童生徒の「日本語習得問題」の概要本章では、外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題の内、「日本語習得問題」に着

目する。「日本語習得問題」に着目する理由と、この問題を解明する目的を明確にする。

その上で先行研究の検討に基づいて「日本語習得問題」の現状、原因、現行の取り組みの

成果、今後の課題を検討する。

第1節 「日本語習得問題」に着目する理由外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題の内、2つの理由から今研究では「日本語習得問題」に着目したい。1点目は「日本語習得問題」が他の全ての問題の基盤となって

いると考えるからだ。「学校への適応」「アイデンティティ形成、母語の保持」「進路」

という 3つの諸問題も「日本語取得問題」が大元の原因として挙げられており、全ては

ここに起因する。2点目は実数データが存在する事から、具体的な解決策を提案出来るか

らだ。教育内容に着目する前に、そもそも全ての外国人児童生徒が教育を受ける権利を保

障されているにも関わらず、学校教育にすらアクセス出来ていないという不就学問題を

解決すべきと主張する先行研究も多々ある。だが来日する外国人自体に不法入国者が存在

し、届け出すら出されていない者が多数いるという現状の為、正確な外国人児童生徒数を

把握した上で不就学者の正確な実態を明確にし、引いては行政的提案をする事は不可能で

ある。以上の理由から第 2章では「日本語習得問題」に着目して研究を進めて行く。

第2節「日本語習得問題」の現状現状として、第一に、公立学校に在籍する外国人児童生徒の 4 割が日本語指導を必要と

している事が挙げられる。文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況に関

12 佐久間孝正『多国籍化する日本の学校』勁草書房,2015年

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する調査」13によると、公立学校に在籍する外国人児童生徒の 4 割が日本語指導を必要と

しており、その人数も 10年間で 1.6 倍にまで増えるなど、年々増加の一途を辿っている。

また、「日本語指導が必要」な生徒のうち、「日常生活に困っている」者は全体の 3 割程

度、「学習に困っている」と答えた者は全体の 8 割を占める。加えて、高校進学をした外

国人児童生徒の 45.2%は通常授業の理解が及ばないという事から、真の課題は「日本語

習得」の中でも特に「学習の為の日本語習得」と言える。

第3節「日本語習得問題」の原因日本語習得の中でも特に学習の為の日本語習得が課題である理由として、「社会生活言

語」「学習思考言語」の違いが挙げられる。太田(2000)14は日常会話能力である「社

会生活言語」よりも、「授業についていくために必要となる日本語能力」である「学習思

考言語」は、はるかに習得が難しいと述べている。この考え方はカナダの言語教育学者

であるカミンズ(Jim Cummins)の主張に基づいている。カミンズによると言語には 2種類ある。1つは文脈依存度の高い物で、個人間の会話は顔の表情やジェスチャーなど言

語内容を理解するのに役立つ「非言語的要素」を多く含んでいる。子ども同士が遊ぶ際に

は単なる言葉のやり取りだけでなく、行動で示すなどして言語の意味が相互に伝えられ

る。このような言語の意味理解の助けとなる多くの「非言語的要素」を含む状況において

用いられる言語をカミンズは、‘context-embedded language’と呼び、これこそが先ほ

ど述べた「社会生活言語」である。この社会生活言語は日常生活で級友や先生との関係の

中で 1,2年あれば習得可能な能力と捉えられている。一方でカミンズは 2つ目として‘context-reduced language’、「学習思考言語」を挙げている。「学習思考言語」は、言語それ自体のほかに、言語の意味内容を理解する手がかりとなる「非言語的要素」がな

い状況で用いられる。例えばイラストや写真が掲載されていない書物を読む場合、テキ

13 文部科学省平成 26年度「日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況に関する調査」(取得日:2018/10/01)14 太田晴雄『ニューカマーの子どもと日本の学校』国際書院,2000年

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ストそれ自体を理解する以外に内容を理解する為の手がかりとなるものはない。この

「学習思考言語」こそ、抽象的思考に必要な言語能力が求められる為、学習理解に必要な

言語能力であると言える。「学習思考言語」は「社会生活言語」に比べてより抽象的かつ

複雑で、高いレベルの認知能力が必要となるため、習得期間も 5年程度は要する。

第4節「学習思考言語取得」の為の提案 日本語習得の中でも特に習得が難しい「学習思考言語」の取得が重要である事は分かっ

た。では、どうしたら学習思考言語を取得できるのか。1つの解決策として「母語教育の

並行」が提案できる。太田(2000)によると、極めて珍しいパターンで、学習思考言語

としての日本語を習得し、学級で上位の成績評価を受けた児童 A、Bが存在する。児童A、Bに共通するのは、日本の学校への編入時での年齢相当学年が 4年生という比較的高

い学年だった事、そして母語は会話、読み書き能力が十分に備わっていた事である。こ

れは宮崎(2016)15の「最大エクスポージャー仮説」を用いて説明出来る。「最大エク

スポージャー仮説」とは、「接する時間に比例して言語が発達する」という浸透した考え

方は勘違いであり、人は言語の第 1言語と第 2言語の相互作用によってそれぞれの言語に対する理解を深めるという主張である。実際に実験をしてみたところ、外国人児童生

徒の内、成績優秀者は 2言語(日本語と母語)で授業を受けた生徒であり、最低点の生徒

はほぼ第二言語の日本語のみで授業を受けていた生徒であった。つまり、母語と第二言語

である日本語の二語は相互に依存し合い、相互発達する事を証明しているのである。た

だ相互作用は必ずしも約束されたものではなく、相互作用が期待出来るのは学習者の学力

や認知力がある程度発展してからという条件はある。つまり、「接する時間に比例して

言語が発達するから、日本語学習思考言語を伸ばすには日本語だけに特化した指導が必

要」という勘違いの元で教育は改めるべきである。日本語と母語教育の並行を重視する事

が、結果的に日本語学習思考言語と学習思考能力そのものを高めることに繋がる。

第5節 現行の取り組みと成果・課題 文部科学省「日本語能力が十分でない子供たちへの教育について」 16によると、制度でなく「教育内容」に着目した場合、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対して国指導の現行の日本語教育への取り組みは大きく 4つある。「特別教育課程の編成・実施」「 JSLカリキュラムの実施」「DLAの実施」「かすたねっとの構築・運用」である。それぞれの取り組み内容と成果、課題を検証していく。

第1項「特別教育課程の編成・実施」

15 宮崎幸江『日本に住む多文化の子どもと教育 言葉と文化のはざまで生きる』上智大学出版,2016年16 文部科学省「日本語能力が十分でない子供たちへの教育について」(取得日:2018/10/01)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai35/sankou1.pdf

Page 14: matsusemi.saloon.jpmatsusemi.saloon.jp/.../2018/10/3329e760106265c65d… · Web viewは日常会話能力である「社会生活言語」よりも、「授業についていくために必要となる日本語能力」である「学習思考言語」は、はるかに習得が難しいと述べている。この考え方はカナダの言語教育学者であるカミンズ(Jim

外国人児童生徒に対する「取り出し」指導の制度の事である。具体的には児童生徒が学

校生活を送る上や教科等の授業を理解する上で必要な日本語の指導を、在籍学級の教育課

程の一部の時間に替えて,在籍学級以外の教室で行う。日本語で行われる在籍学級での授

業に参加し、周囲の支援や様々な関わりを通して支障なく学習に取り組むことが出来る事

が主な目的である。基礎的な力としての発音、文字・表記、語彙、文型に関する指導や、

例えば「書く」事に焦点を絞って段階的な指導を行うなど、児童生徒の日本語の習得状況

や、学習の進捗状況に合わせて指導計画を立てている。とは言え、平成 26年度の施行か

ら、日本語指導を受けている者の内、特別の教育課程による日本語指導を受けている割合

は 2 割にとどまり、この指導内容・指導方法が十分浸透し、成果を出しているとは言えな

い。これは教員の配置や体制整備に加え、日本語と教科の統合的指導のノウハウが十分に

ない学校・教員における制度の導入を支援する取り組みが必要である。また、「日本語で

の学校生活」と明記し、母語については一切触れていない事から、母語教育の並行を視野

にすら入れていない事が分かる。第 2章第 3節第 2項を踏まえると、この日本語のみに

よる教科指導である特別教科過程では、授業理解に必要な思考力を十分に養い、成果を出

す事に繋がるとは言えない。

第2項「JSLカリキュラムの実施」「特別教育課程」の 1つに JSLカリキュラムという、日本語を学ぶ事と教科内容を学ぶ

事を統合させ、構成するカリキュラムが存在する。具体的には子どもの「学ぶ力」に応

じて参加可能な学習活動を設定し、直接体験や活動に応じた様々な日本語表現のバリエー

ションを用意する事によって子どもの学習活動への参加と理解を促進させている。だが

特別教育課程の実践と同様、この教育制度・内容の浸透率は極めて低く、成果を出してい

るとは言えない。加えて、日本語を初めて学ぶ外国人児童生徒への初期日本語指導のあり

方など、従来の JSL一方カリキュラムの枠組みを超えた対応が求められる事例が生じてお

り、多様化する児童生徒の状況に応じた指導のあり方にも課題があり、改善が必要である

第3項「DLAの実施」平成 26年に策定された外国人児童生徒の日本語能力の把握の為の評価ツールを用いた

指導体制を指す。1番早く伸びる会話力を用いて 1 対 1の対話によって教科学習に必要な

言語能力を「話す」「読む」「書く」「聴く」の 4つの面から把握する事を目的としてい

る。しかしながら実態としては社会生活言語から学習思考言語への変換に教師、児童生徒

ともに苦しみ、生活上必要な会話レベルに終始している為、授業理解に必要な学習や思考

を伴う言語能力の取得に関してはほぼ手付かずという課題がある。

第4項「かすたねっとの構築・運用」

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 他言語の学校文書や教材の情報検索サイト「かすたねっと」を普及させる事で、日本語

と強化の統合指導を目指す。帰国・外国人児童生徒の受入実績が豊富な地域で作成・公開

された、外国人児童生徒教育の為の教材を検索出来る。平成 24年度から施行され、年間

ページビュー数は伸びているが、「年間ページビュー数」は必ずしも「年間利用人数では

なく、」1 利用者の重複利用の可能性もあり、正確なデータおよび成果は発表されておら

ず、実態把握が困難である。

第6節  今後の課題第 5節で確認した、「学習の為の日本語習得」に対する現行の取り組みにおける課題を

検討する。教員の配置や体制整備といった、「制度」以外で特に注目すべきは「特別教育

過程の編成・実施」「DLAの実施」から見えた課題である。つまり第 2章第 4節の「学習思考言語取得の為の提案」をなぞるようだが、現行の日本語指導では、①日本語のみの

教科指導によって母語教育の並行を視野に入れていない事②指導が「社会生活言語」にと

どまり、授業理解に必要な学習や思考を伴う言語能力である「学習思考言語」の習得が出

来ていない状況が課題である。

終章 振り返り第1節 まとめ第 1章では前提となる外国人児童生徒の学校教育問題の概要を示し、外国人児童生徒に

関する基本情報と、彼らの学校教育を取り巻く諸問題を明らかにすることによって、問題

の全体像を把握した。また第 2章では外国人児童生徒の学校教育を取り巻く諸問題の内、

「日本語習得問題」、更には「学習の為の日本語習得」に着目し、先行研究の検討から既

に明らかになっている現状、原因、現行の取り組みの成果について確認した。

第2節 今後の研究課題今後の研究課題として、①日本語のみの教科指導によって母語教育の並行を視野に入れ

ていない②指導が「社会生活言語」にとどまり、授業理解に必要な学習や思考を伴う言語

能力である「学習思考言語」の習得が出来ていない という学校現場での実態をどの様に

解決していくべきかという具体的な解決策を提言している研究は少ない。その研究も、

国による制度導入や、極めて少数の学校ごとの草の根運動的取り組みに関する物が主であ

り、問題を本質的に解決する様な提言は見られない。また、「学校」側の視点の先行研究

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ばかりであり、実際に外国人児童生徒が「実際は学習思考言語としての日本語習得におい

てどの様な事に困っているか」という具体的且つ細かい粒度まで分析されていない。今

後は「スーパー・ダイバーシティー」とまで呼ばれ、多文化主義のを招引したイギリス

の学校教育を海外比較として参考にしながら、また学校、国の政策という視点だけでな

く当本人である外国人児童生徒の視点を大事にする為に実際に彼らへのインタビューを行

う事によって、外国人児童生外国人児童生徒の学習思考言語を本質的に解決する教育内容

を検討したい。

第3節 夏課題の反省点・振り返り・「外国人児童生徒」に関する概要、彼らの教育をめぐる諸問題についての分析を広くし

過ぎてしまい、本質としての「学習の為の日本語習得」問題についての検討が薄くなっ

てしまった。

・テーマ的に多文化共生や多文化社会といったキーワードが大事になってくるが、今回は

特に焦点を置かなかった。

・テーマの設定理由が、「元々低かった国民の関心をそれほどまでに捉えた国内に暮ら

す外国人児童生徒の教育実態」がどういったものなのか知りたい」という物だったが、

実際に論文を進めて行くとなかなか最初の意図とは違う事を分析していた。

・「課題」の特定までは出来ても、具体的な「解決策の提言」は出来ていない。

参考文献雑誌論文・藤田恵津子「来日外国人児童生徒の学校ストレスに関する研究」(第 44回総会発表論文集, 日本教育心理学)p.606,2013(取得日:2018/10/01)・小澤亘「外国にルーツを持つ児童生徒の学習権保障とデジタル教科書政策」(立命館人

間科学研究)p.65,2016(取得日:2018/10/1)・松宮朝「ニューカマーの子どもたちへの地域教育支援 : 愛知県西尾市の事例から」(愛知県立大学文学部論集. 社会福祉学科編)p.169-186,2005(取得日:2018/10/1)・南かおり「外国籍・外国にルーツをもつ子どもたちをめぐる課題と地域社会で育む学びのシステムづくりの考察 : 近江八幡市のワールドアミーゴクラブの活動から」(龍谷大学大学院法学研究 9)p.215-244, 2007(取得日:2018/9/21)・清水睦美, 家上幸子, 角替弘規, 児島 明「ニューカマー生徒の就学を支える諸要因 : 国際教室をめぐる資源の編み直しに注目して」 ( 日本教育社会学会大会発表要旨集録) p.10-80,2008 (取得日:2018/9/21)・小内透「日系ブラジル人のトランスナショナルな生活世界:第 4章 出稼ぎと帰国にともなう子どもの教育問題と解決の視点」(『調査と社会理論』・研究報告書, (21)p.55-78,2006(取得日:2018/10/1)

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・小島祥美, 中村安秀, 横尾明親 「外国人の子どもと初等教育の保障 : 岐阜県可児市における就学・不就学の実態(国際化と教育) 」(日本教育社会学会大会発表要旨集録 56) p.40-41, 2004(取得日:2018/10/1)・佐久間孝正「東京都の外国人の子どもの教育 世界都市東京の受け入れの現実」(立教大学応用社会学研究)p.1-14,2012(取得日:2018/10/1)

書籍・NHK取材班『外国人労働者をどう受け入れるか』安い労働力から戦力へ』NHK 出版,2017年・太田晴雄『ニューカマーの子どもと日本の学校』国際書院,2000年・井口奉『外国人労働者新時代』ちくま新書,2001年・宮島喬・鈴木江理子『外国人労働者受け入れを問う』岩波文庫,2014年・芦沢健介『コンビニ外国人』新潮文庫,2018年・児島明『ニューカマーの子供と学校文化 日系ブラジル人生徒の教育エスのグラフィー』勁草書房,2006年・梶田孝道・松本一子・加賀澤泰明編『外国人児童・生徒と共に学ぶ学校づくり』ナカニシヤ出版,1997年・佐久間孝正『多国籍化する日本の学校』勁草書房,2015年・佐久間孝正『外国人の子どもの教育問題』勁草書房,2011年・宮崎幸江『日本に住む多文化の子どもと教育 言葉と文化のはざまで生きる』上智大学出版,2016年・齋藤ひろみ,池上摩希子,近田由紀子『ことばと教科の力を育む浜松の取り組み』くろ

しお出版,2015年・佐久間孝正『多文化教育の充実に向けて:イギリスの経験、これからの日本』勁草書

房,2014年・南浦涼介『外国人児童生徒のための社会科教育』明石書店,2013年・宮島喬『外国人の子どもの教育』東京大学出版,2014年・福山文子『移動する子どもたちの異文化適応と教師の教育戦略』八千代出版,2016年・佐藤郡衛『国際化と教育 異文化間教育学の視点から』放送大学教育振興会,2003年・新海英行、加藤良治、松本一子編『在日外国人の教育保障』大学教育出版,2002年・梶田孝道・松本一子・加賀澤泰明編『外国人児童・生徒と共に学ぶ学校づくり』ナカニシヤ出版,1997年・宮島喬,加納弘勝編『国際社会 2 変容する日本社会と文化』-3志水宏吉「学校世界の多文化化」東京大学出版会,2002年・宮島喬・太田春雄『外国人の子どもと日本の教育-不就学問題と多文化共生の課題』東京大学出版会,2005年・佐久間孝正『外国人の子どもの不就学 異文化に開かれた教育とは』勁草書房,2006年・清水睦美『ニューカマーの子どもたち 学校と家族の間の日常世界』,勁草書房、2006年・鈴木陽子,井坂行男,東風安生『特別支援教育への扉』八千代出版,2004年・小島勝,白土悟,齋藤ひろみ『文化間に学ぶ「ひと」の教育』明石書店、2016年・松尾知明『多文化教育をデザインする : 移民時代のモデル構築』勁草書房,2013年

・赤司英一郎,荻野文隆,松岡榮志『多言語・多文化社会へのまなざし : 新しい共生への視点と教育』 白帝社, 2008年

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