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小学校 第6学年 道徳科学習指導案 指導者 藤ヶ﨑 逸人 主題名 「よりよい学校づくり」 (C-16 よりよい学校生活、集団生活の充実) 教材名 「ひるがえる校章旗」 (出典:廣済堂あかつき みんなで考え、話し合う 小学生の道徳6 一部改編) 主題設定の理由 本主題は、学校や学級の集団とのかかわりに関するものであり、先生や学校の人々を敬愛し、 校を愛する心をもった子供を育てることを意図した内容項目である。学校は、取り巻くすべての人・ もの・ことがお互いに影響し合い、つくられている。長い年月をかけ、独自の個性を作り出し、そ れがよい伝統として受け継がれていき、校風となっていく。その校風がさらに発展するには、児童、 教師の絶え間ない努力が必要である。そのためには、児童一人一人が校風を担っている自分の役割 を自覚し、みんなですばらしい学校をつくっていこうとする態度を養うことができるようにしなけ ればならない。また、自分の学校には胸を張ることのできる伝統があることに気付き、その伝統を 受け継ぐことのすばらしさを感じることも校風を発展させるために必要である。 そこで本学習では、自分たちの学校には胸を張ることのできる伝統があり、その校風の中で自分 たちが育まれてきたことに気付かせたい。そして、その伝統を受け継ぎ、よりよい校風を守り育て ていこうとする意欲を高めていきたい。 研究との関連 (1)児童の課題意識をもとにした道徳プログラムについて 本研究では、児童が自分たちの課題から、道徳プログラムの内容を決定する。その際、今後の 学習をイメージさせた上で、グループで自分たちに必要なものや課題を考え、関連する道徳の内 容項目を思考ツール(ピラミッドチャート)を活用して整理し、話し合う。その結果をもとに、 プログラムを構成する道徳授業の内容項目を決定し、指導計画を教師が作成する。本時の内容項 目「よりよい学校生活、集団生活の充実」は、事前調査で○名の児童が、「こんな姿に成長して小 学校を卒業したい」「身に付けたい力」に挙げていた内容項目である(重複有り)。成長したい姿 や身に付けたい力は以下の通りである。 (2)考えを深める交換リフレクションシート「先生からあなたへの質問」について 本研究では、道徳的価値や自己の生き方、目指す姿について考えを深めることを目指し、児童 と教師の対話型の振り返りシート「交換リフレクションシート」を授業後と翌日の朝に行う。以 下は本授業での、先生からあなたへの記述(質問)である。 道徳的価値に対する考えの深まりを促す質問 ・あなたにとって、責任のある行動とは何ですか。 ・あなたにとって、仕事のやりがいとは何ですか。 自己の生き方や目指す姿への考えの深まりを促す質問 ・「面倒くさい」と思うのは、誰にでもあることです。面倒くさい気持ちからやる気へ「心のう つりかわり」をするために、あなただったらどうしますか。 ・あなたは、信二と同じようなことが起きたらどうしますか。 下学年の質問に答えられる、リーダーとして接することができる、みんなの手本になれる みんなの役に立つことができる、気付き考え行動することができる、感謝される、信頼される 20-0165

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小学校 第6学年 道徳科学習指導案

指導者 藤ヶ﨑 逸人

1 主題名 「よりよい学校づくり」 (C-16 よりよい学校生活、集団生活の充実)

2 教材名 「ひるがえる校章旗」

(出典:廣済堂あかつき みんなで考え、話し合う 小学生の道徳6 一部改編)

3 主題設定の理由

本主題は、学校や学級の集団とのかかわりに関するものであり、先生や学校の人々を敬愛し、 学

校を愛する心をもった子供を育てることを意図した内容項目である。学校は、取り巻くすべての人・

もの・ことがお互いに影響し合い、つくられている。長い年月をかけ、独自の個性を作り出し、そ

れがよい伝統として受け継がれていき、校風となっていく。その校風がさらに発展するには、児童、

教師の絶え間ない努力が必要である。そのためには、児童一人一人が校風を担っている自分の役割

を自覚し、みんなですばらしい学校をつくっていこうとする態度を養うことができるようにしなけ

ればならない。また、自分の学校には胸を張ることのできる伝統があることに気付き、その伝統を

受け継ぐことのすばらしさを感じることも校風を発展させるために必要である。

そこで本学習では、自分たちの学校には胸を張ることのできる伝統があり、その校風の中で自分

たちが育まれてきたことに気付かせたい。そして、その伝統を受け継ぎ、よりよい校風を守り育て

ていこうとする意欲を高めていきたい。

4 研究との関連

(1)児童の課題意識をもとにした道徳プログラムについて

本研究では、児童が自分たちの課題から、道徳プログラムの内容を決定する。その際、今後の

学習をイメージさせた上で、グループで自分たちに必要なものや課題を考え、関連する道徳の内

容項目を思考ツール(ピラミッドチャート)を活用して整理し、話し合う。その結果をもとに、

プログラムを構成する道徳授業の内容項目を決定し、指導計画を教師が作成する。本時の内容項

目「よりよい学校生活、集団生活の充実」は、事前調査で○名の児童が、「こんな姿に成長して小

学校を卒業したい」「身に付けたい力」に挙げていた内容項目である(重複有り)。成長したい姿

や身に付けたい力は以下の通りである。

(2)考えを深める交換リフレクションシート「先生からあなたへの質問」について

本研究では、道徳的価値や自己の生き方、目指す姿について考えを深めることを目指し、児童

と教師の対話型の振り返りシート「交換リフレクションシート」を授業後と翌日の朝に行う。以

下は本授業での、先生からあなたへの記述(質問)である。

ア 道徳的価値に対する考えの深まりを促す質問

・あなたにとって、責任のある行動とは何ですか。

・あなたにとって、仕事のやりがいとは何ですか。

イ 自己の生き方や目指す姿への考えの深まりを促す質問

・「面倒くさい」と思うのは、誰にでもあることです。面倒くさい気持ちからやる気へ「心のう

つりかわり」をするために、あなただったらどうしますか。

・あなたは、信二と同じようなことが起きたらどうしますか。

下学年の質問に答えられる、リーダーとして接することができる、みんなの手本になれる

みんなの役に立つことができる、気付き考え行動することができる、感謝される、信頼される

w20-0165

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ウ 努力できること・大切にしたい思い

・やる気を保ち続けるために、あなたはどんなことを大切にしたいですか。

・あなたは、信二にどんなことを伝えたいですか。

5 本時の指導

(1)ねらい

卒業生の若い男の人の話を聞いて、信二が気付いたことについて考える学習を通して、自校で

受け継がれてきた仕事に自分がどのような態度で取り組んでいるかということに気付き、自分の

役割を自覚して、よりよい学校をつくっていこうとする道徳的実践意欲を培う。

(2)展 開

過程 学習活動と主な発問 予想される児童の反応 支援及び指導上の留意点・評価

導入

5分

1 自校のよいとこ

ろを話し合う。

○自分たちの学校の

よいところはどん

なところですか。

・全校のみんなが仲良し

・校庭が広い

・友達が優しい

・校舎が新しく、きれい

・学校のよさを出し合い、そのよ

さを大切にしながら、もっと素

晴らしい学校にしていくため

に大切なことや必要なことを

学習していくことを確認する。

展開

前段

28分

2 事前読みの結果

をもとに、話し合い

たいことを確認す

る。

○教材を読んで、みん

なで話し合いたい

ことを出し合いま

しょう。

3 信二の心情を3

つの場面ごとにワ

ークシートのスケ

ールに表し、理由や

気持ちを書く。

○全体でスケールの

使い方を確認する。

○みんなで「校章旗の

当番を引き受けた

とき」の信二の心情

をスケールに表し、

その理由や気持ち

を考えましょう。

・校章旗の当番を引き受けたとき

・毎日、当番をしているとき

・寒い中、旗のひもがほどけない

とき

・卒業生と会って学校のことにつ

いて話をしたとき

・おもしろそう。

・やってみたい。

・いい思い出になりそう。

・今までの6年生もやってきたの

だから、自分にもできそう。

・事前に教材を読んで、心に残っ

たことや話し合いたいことを

もとに本時の話し合いたいこ

とを決定する。

・信二の気持ちの変化に焦点を当

てて考えていくことを伝える。

・信二のような気持ちが、自分た

ちにもあったことをとらえ、卒

業生の言葉を聞いた時の気持

ちに着目させる。

・旗あげ当番の仕事をがんばろ

うと思う気持ちとやめたいと

思う気持ちを思考ツール(スケ

ール)に表し、心情の変化をつ

かむ。

・スケールは全体を 10とし、「当

番をがんばろうと思う気持ち」

は右から赤で、「当番をやめた

いと思う気持ち」は左から青で

塗る。

・信二が仕事の意味も十分に考え

ず、興味本位で引き受けたこと

に気付かせる。

当番を引き受けたときと、男の人の話を聞いたときの信二の当番に対する思いの違いは何だろう。

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展開

後段

7分

4 全体で考えを共

有する。

○それぞれの場面で

の当番に対する信

二の気持ちは、スケ

ールのどの辺りに

なりましたか。その

理由や気持ちを話

し合いましょう。

◎信二はそれぞれの

場面でどんな思い

で、当番の仕事をし

ようとしているの

でしょう。違いは何

でしょうか。

5 今までの自分の

活動を振り返る。

○6年生になってか

ら、どんな気持ちで

仕事や活動を行っ

てきましたか。 こ

れからどんな思い

で仕事や活動をし

たいですか。

寒さで旗のひもがほどけないとき

・何で引き受けたのだろう。

・寒くていやだ。やめたい。

・毎日こんなことをして何になる

のだろう。

・今までの人はどんな気持ちでや

っていたのだろうか。

男の人の話を聞いたとき

・卒業生もやってきたのだから、

ぼくもがんばろう。

・ぼくたちのあげる校章旗を見て

くれている人がいてうれしい。

・ぼくたちの仕事が、卒業生を元

気づけているなんて知らなか

った。

・全校の代表だから、これからも

続けて、よい学校にしたい。

・始めは自分のことを中心に考え

ていたけれど、最後はみんなや

卒業生のことも考えている。

・誰にでもできる簡単なものと思

っていたが、最後は全校の代表

で、重要なものと思っている。

・自分のことを優先して、みんな

のことを考えていなかった。

・学校のだけでなく、卒業生のこ

とも考えていく必要がある。

・自分たちの学校のよいところを

増やしていきたい。

・元気な挨拶や靴そろえはこの学

校のよいところなので、これか

らも続けていきたい。

・安易な気持ちで引き受けたが、

仕事の困難さから疑問を抱き、

投げ出そうとする信二の気持

ちを考え、児童自身の心の弱さ

を引き出す。

・当番の仕事が、学校の伝統を受

け継ぎ、よりよい学校を作るこ

と、当番の仕事を大事に続けて

立派な学校にしようと決意す

る信二の気持ちに共感がもて

るようにする。

・場面ごとの気持ちの変化をスケ

ールやその時の理由から、捉え

られるようにする。

・信二の当番の仕事に対する思い

に着目させ、自分の経験を想起

しながら登場人物の立場に立

って考えることで、自分との関

わりで道徳的価値について理

解ができるようにする。

・自分たちが学校のためにしてい

ることを考えさせ、自分のこと

を振り返ることができるよう

支援する。

・自分の活動に対する取り組みや

そのときの気持ちを振り返り、

今後の活動の自己の課題を把

握したり、目標をもったりす

る。

終末

5分

6 交換リフレクシ

ョンシートに授業

の振り返りをする。

○今日の授業で一番

大切だと思うこと、

授業の振り返り、プ

・自分も信二と同じような気持ち

で委員会の仕事をしていると

きがあった。これからは、みん

なの代表であるという気持ち

をもって取り組みたい。

・学校のよい部分は、今までの6

・数名の児童の振り返りを発表す

ることで、多様な考えに触れら

れるようにする。

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ログラムについて

書きましょう。

年生が作りあげてきたものだ

から、自分たちでよりよい学校

を作っていきたい。

(3)板書計画

(4)ワークシート

☆学校の伝統を受け継ぐためには、

学校がいろいろな人に見守られて

いることや一人一人が学校の伝統

を守り育てていこうとすることが

大切であることに気付き、自分の

生き方(活動)への考えを深めるこ

とができたか。

(発言、交換リフレクションシート)

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(5)児童と教師の交換リフレクションシート

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小学校 第6学年 道徳科学習指導案

指導者 藤ヶ﨑 逸人

1 主題名 「努力の尊さ」 (A-5 努力と強い意志)

2 教材名 「夢」 (出典:東京書籍 新訂 新しい道徳 6)

3 主題設定の理由

本主題は、より高い目標を立て、希望と勇気をもち、困難があってもくじけずに努力して物事を

やり抜くことをねらいとした内容項目である。人は自分を高めるために、理想を追い求め、日々努

力する。その積み重ねにより成長していく。しかし、困難にぶつかり、自分自身に自信がもてなか

ったり、思うように結果が出なかったりして、夢と現実との違いを意識することもある。その現実

の中でも、より高い目標を立て、日々努力を重ねていくことが自分を成長させること、夢に向かう

までの過程が大切であることを学び、困難や葛藤を乗り越え、勇気と希望をもって前向きに努力し

ようという態度を養いたい。6年生は、一人一人が高い理想を追い求める時期といわれる。先人や

著名人の生き方に触れる機会が多くなり、その生き方に憧れたり、自分の夢や希望を膨らませたり

する。本時の成功体験ではない展開に対して、多様な意見を出し合うことで、自分の「夢」や「目

指す姿」について深く考えるようにさせていきたい。

4 研究との関連

(1)児童の課題意識をもとにした道徳プログラムについて

本研究では、児童が自分たちの課題から、道徳プログラムの内容を決定する。その際、今後の

学習をイメージさせた上で、グループで自分たちに必要なものや課題を考え、関連する道徳の内

容項目を思考ツール(ピラミッドチャート)を活用して整理し、話し合う。その結果をもとに、

プログラムを構成する道徳授業の内容項目を決定し、指導計画を教師が作成する。本時の内容項

目「努力と強い意志」は、事前調査で○名の児童が、「こんな姿に成長して小学校を卒業したい」

「身に付けたい力」に挙げていた内容項目であり(重複有り)、道徳プログラムの計画を立てる話

合いでは、6グループ中2グループが学級の課題として挙げたものである。成長したい姿や身に

付けたい力は以下の通りである。

(2)考えを深める交換リフレクションシート「先生からあなたへの質問」について

本研究では、道徳的価値や自己の生き方、目指す姿について考えを深めることを目指し、児童

と教師の対話型の振り返りシート「交換リフレクションシート」を授業後と翌日の朝に行う。以

下は本授業での、先生からあなたへの記述(質問)である。

ア 道徳的価値に対する考えの深まりを促す質問

・努力をしたことで、自分の成長を感じたことはありますか。

・夢のために、努力をすることで、どんな点で自分を成長させることができますか。

・どうしてあなたは、夢をもつことが大切だと思ったのですか。

イ 自己の生き方や目指す姿への考えの深まりを促す質問

・どうして、あなたは「人の役に立つ人」になりたいと思っているのですか。

・目標に向かって努力したことで、自分が成長したなと感じたことはありますか。

ウ 努力できること・大切にしたい思い

自分から進んで行動することができる、努力ができる、どんなことにもくじけない、自分の意

見を言うことができる、挑戦できる人、粘り強い人、家庭学習(自学)をきちんとやる

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・みんなを笑顔にする〇〇の仕事につきたいと書いてありましたが、そのために今できるこ

とはどんなことですか。

・あなたの夢は〇〇と書いてありましたが、その夢のために努力していることは何ですか。

5 本時の指導

(1)ねらい

夢は叶わなかったけれど、困難に向かいながら成長した「ぼく」の内面を深く考え、話し合う

活動を通して、夢や目標をもって努力することの素晴らしさを知り、夢に向かって努力していこ

うとする心情を育てる。

(2)展 開

過程 学習活動と主な発問 予想される児童の反応 支援及び指導上の留意点・評価

導入

3分

1 教材の一行目「こ

れは、夢に向かって

進んだ、ぼくの物

語」を提示し、夢や

目標をもって進ん

でいくことの大切

さを話し合うこと

を確認する。

・「夢があるから今のぼくがある」

というところから、夢を持つこ

とは大事で、将来につながって

いると思う。

・夢がかなわなくても、やってい

ること、やってきたことは、必

ず報われると思う。

・前時で学習した「人間はすばら

しい」を振り返り、苦手なこと

や上手くいかないことでも努

力を続けたりあきらめたりせ

ずに取り組むことの大切さを

想起させる。

展開

前段

17分

2 教材を読み、事前

読みの結果をもと

に、話し合うことを

決定する。

○教材を読んで、心に

残ったことを確認

し、話し合うことを

決めましょう。

3 「ぼくの思い」に

ついて、クラゲチャ

ートを使い、考え

る。

・練習ができなくても、チームの

ために目立たない仕事をした

のがすごい。

・だれもしない仕事を本気でやる

と心に決め、毎日続けて、心が

強いなと思う。

・夢は叶わなかったけれど、心が

清々しかったのは、努力を続け

て、やりきったからだと思う。

・夢をあきらめよう。

・やりきった充実感。

・夢はかなわなかったけれど、努

力を続けたことで、成長するこ

とができた。

・努力をしたことで、自分の力も

高まり、前向きに生きることが

できた。

・努力はむだにはならない。

・範読を聞き、内容を捉える。

・黒板に場面絵と短冊(セリフや

キーワード)掲示し、事前読み

の結果と関連させながら確認

することで、話し合いたいこと

へつながるようにする。

・事前に教材を読んで、考えた話

し合いたいことをもとに本時

の話し合うことを決定する。

・「ぼくの思い」について、クラゲ

チャートを用いて様々な視点か

ら考えられるように声をかけ

る。

・人生の様々な場面において、夢

に向かって困難にくじけず、努

力をしてきたことに気付かせ

る。

夢がかなわなかったぼくは、どんな思いで球場を見つめているのだろう。

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展開

後段

20分

4 グループで、「ぼ

くの思い」について

考えたことを交流

し合う。

5 話し合ったこと

を学級で交流する。

○夢が叶わなかった

のに、すがすがしい

気持ちになったの

はなぜですか。

◎「ぼく」にとって夢

はどのようなもの

か。

○目標に向かって努

力したことで、自分

の成長を感じたこ

とはありますか。そ

の時、どんな気持ち

でしたか。

・たくさんの苦労をしても、夢は

叶わなかったけれど、努力を続

けたことで、身に付けたことた

くさんある。

・人間として成長することができ

た。

・努力したことに対する達成感や

充実感

・努力をするために必要なもの

・生きるために必要なもの

・エネルギー

・自分を成長させてくれるもの

・苦しかったけれど、あきらめず

に続けたらできるようになり、

うれしかった。

・難しいなと思っていたことも、

簡単にできるようになり、成長

を感じた。

・「あいうえお」リアクションを確認

し、友達に自分のワークシート

を見せながら、交流するように

声をかける。

・友達の考えを聞き、自分のチャ

ートに書き加えても良いこと

を伝える。

・多面的・多角的に考え、議論が

活性化し、考えを整理すること

ができるように、ウェビングを

活用して板書をする。

・問い返しの発問により、「努力を

続けることの素晴らしさと意

味」について考えを深めさせ

る。

・積み重ねた努力が自信となり、

自分の成長につながったこと

を捉えさせる。

・夢や目標を持ち、努力を続ける

ことで、身に付ける力や成長で

きる力に気付くようにする。

・自分たちのもっていた「夢」の

意味と教材文(後半)から受け

取る「夢」の意味を比較するこ

とで、夢をもって努力すること

のよさや大切さに気付くよう

にする。

・自身が夢や目標に向かって努力

していることを振り返り、成長

していることを実感する。

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終末

5分

6 交換リフレクシ

ョンシートに授業

の振り返りをする。

○今日の授業で学ん

だこと、考えたこと

について書きまし

ょう。

・夢や目標をもち、努力を続ける

ことは、無駄にはならない。そ

して、目に見える成果以外に、

身に付ける力や成長できる力

がある。

・半数以上の児童が書き終わった

のを確認後、振り返りについて

交流する時間を設ける。

・数名の児童の振り返りを発表す

ることで、多様な考えに触れら

れるようにする。

(3)板書計画

☆夢や目標をもち、困難があっても

くじけずに努力することのよさを

知り、前向きに努力しようとする

ことができたか。

(発言、交換リフレクションシート)

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(4)ワークシート

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(5)児童と教師の交換リフレクションシート

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(6)「あいうえお」リアクション

「あいうえお」リアクション

○あ あ~なるほど!

○い いいね!

○う うんうん!

(うなずく)

○え ええっ!

(おどろき)

○お おおぉー!

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小学校 第6学年 道徳科学習指導案

指導者 藤ヶ﨑 逸人

1 主題名 「支え合う喜び」(親切と思いやりの心をもつ) (B-7 親切、思いやり)

2 教材名 「思いやりの花がさくとき」

(出典:「千葉県道徳教育映像教材」千葉県教育委員会)

3 主題設定の理由

本主題は千葉県道徳教育の指針『「支え合う喜び」-親切と思いやりの心をもつ』から設定したも

のである。人間は互いに助け合いながら生き、自分が生きているのも家族や周りの人の支えがあっ

てこそである。そして、人間がよりよく生きていく上で「思いやり」は欠かすことのできないもの

である。そこでは、単に相手に優しくするだけでなく、相手の気持ちや立場を自分に置き換えて考

え行動していくことが大切である。

高学年の児童は、活動範囲が広がり、相手の立場になって考えることもできるようになる。しか

し、自分の利害関係が優先され、一面的に考えてしまうことなどもある。そこで、集団のいろいろ

な人の立場に立って思いやることの難しさを感じ取らせながら、それでも集団のみんなのためにど

うしたらよいか考えさせることにより、いろいろな人の立場を思いやることの大切さを気付かせて

いきたい。児童は、「思いやりはよいこと、大切なこと」と認識している。そこで、「思いやりはな

ぜよいこと、大切なのか。」と問いかける。児童は教材を通して、健介の言動により相手のことを思

い、わかろうとする気持ちや自分の行動を反省する気持ちへと繋がることを理解し、思いやりは優

しさだけではないことに気付く。そして、相手への思いやりの行動が他の人の行動や考え方に変化

を与え、これからも受け継がれていくことを学ぶことで、自分たちも健介のような、みんなの心を

一つにできる6年生になりたいと意欲を高めることができるようにする。

4 研究との関連

(1)児童の課題意識をもとにした道徳プログラムについて

本研究では、児童が自分たちの課題から、道徳プログラムの内容を決定する。その際、今後の

学習をイメージさせた上で、グループで自分たちに必要なものや課題を考え、関連する道徳の内

容項目を思考ツール(ピラミッドチャート)を活用して整理し、話し合う。その結果をもとに、

プログラムを構成する道徳授業の内容項目を決定し、指導計画を教師が作成する。本時の内容項

目「親切、思いやり」は、事前調査で○名の児童が、「こんな姿に成長して小学校を卒業したい」

「身に付けたい力」に挙げていた内容項目であり(重複有り)、道徳プログラムの計画を立てる話

合いでは、6グループ中1グループが学級の課題として挙げたものである。成長したい姿や身に

付けたい力は以下の通りである。

(2)考えを深める交換リフレクションシート「先生からあなたへの質問」について

本研究では、道徳的価値や自己の生き方、目指す姿について考えを深めることを目指し、児童

と教師の対話型の振り返りシート「交換リフレクションシート」を授業後と翌日の朝に行う。以

下は本授業での、先生からあなたへの記述(質問)である。

ア 道徳的価値に対する考えの深まりを促す質問

・今までの6年生から、思いやりを感じた経験はありますか。

相手の気持ちを考えて行動することができる、周りの人に気配りができる、誰にでも優しくで

きる(優しい人)、困っている人を助けることができる、その時にあった行動ができる

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・陽太が途中から、自分で歩いてゴールを目指したのは、どうしてだと思いますか。

・健介はなぜ、陽太をおぶって探しに行ったと思いますか。

イ 自己の生き方や目指す姿への考えの深まりを促す質問

・今日の学習を残りの小学校生活で、どう生かしていきたいですか。

ウ 努力できること・大切にしたい思い

・あなたは、在校生にどんな姿を伝えたり、残したりしたいですか。

5 本時の指導

(1)ねらい

健介の言動を考えることを通して、様々な人の立場を考え、相手の気持ちを思いやった行動を

とることのすばらしさやよさに気付き、思いやりをもって生活をしようとする心情を育てる。

(2)展 開【50分授業】

過程 学習活動と主な発問 予想される児童の反応 支援及び指導上の留意点・評価

導入

5分

1 「思いやり」につ

いて考える。

〇「思いやり」とは、

どんなことですか。

2 映像資料に出て

くる人物や内容を

確認する。

○健介の立場に立っ

てみましょう。

・相手の立場や考えを大切にして

いる。

・相手に優しくする。

・他の人を助ける。

・思いやりをもって相手に接した

時のことを思い出し、どんな時

だったかを振り返る。

・写真と短冊を提示しながら、簡

単な導入を図り、場面や人物を

把握する。

展開

前段

30分

3 教材「思いやりの

花がさくとき」を視

聴し、問題は何かを

話し合う。

○健介はどんなこと

で困っていますか。

4 健介はどうした

らよいかをワーク

シートに書き、ペア

で話し合う。

・ゴールを目指すか、髪飾りを探

しに戻るか。

・悩む健介のその後の行動を考え

させるため、問題場面までを視

聴する。

・場面絵と短冊を用いて、場面状

況の把握を行い、問題を確認す

る。

・フローチャートに①選んだ行

動、②理由、③結果を書き、大

切にしたい気持ちは何かを明

確にさせる。

・同じ行動でも様々な理由があ

り、どの行動を選んでも、納得

できる理由があることをフロ

ーチャートから気付くように

する。

このあと、健介はどうしたらよいのだろう。

髪飾りを探しに戻る

・綾香がかわいそう

・陽太のせいで髪飾りがなくなった

・綾香にとって大切なものだから

・後悔したくない

・探しに行くことは、時間内でゴールする

ことよりも大切だから

・このままゴールしても笑顔にはなれな

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展開

後段

10分

5 ペアで話し合っ

て、どんな考えが出

たかを発表し合う。

○みんなのために健

介はどうしたらよ

いでしょうか。

6 教材の続きを視

聴し、笑顔でゴール

できたのはなぜか、

話し合う。

◎最後、全員が笑顔で

ゴールすることが

できたのは、どうし

てだろう。

7 「思いやり」につ

いて考える。

〇思いやりはなぜ大

切なのでしょう。

・陽太のことも考えて納得をさ

せ、綾香さんのために探しに行

く。

・時間を守ることや迷惑をかけな

いことも大切だけど、見つから

なくても探しにいくことの方

がもっと大切。

・髪飾りが見つかり、嬉しかった

し、探してくれたみんなに感謝

をしている。(綾香)

・おぶってもらったり、けがの手

当てをしてもらったりして、自

分のわがままを反省した。

(陽太)

・健介のようなリーダーになりた

い。(菜摘)

・バラバラだったグループが一つ

になることができた。(健太)

・自分や相手、周りの人にも影響

し、みんなを笑顔にさせる。

・思いやりはその時だけではな

く、ずっとつながっていく。

・友達の考えを聞き、自分のワー

クシートに書き加えたり、考え

が変わったりしても良いこと

を伝える。

・フローチャートを用いて、対比

的に板書し、多面的に捉えられ

るようにする。

・方法論の話し合いにならないよ

うに、大切にしたいことや思い

は何かを考えながら話し合う

ように声をかける。

・ゆさぶりの発問や問い返しの発

問により、髪飾りの大切さや目

標時間があること、陽太がもう

動けないことなどを捉えさせ

た上で話し合いをする。

・登場人物の立場を変えて健介の

決断について考えさせる。

・健介の過去の経験から決断した

行動によってグループが一つ

にまとまることができたとと

もに、陽太の気持ちの変化や綾

香の優しさ、菜摘の健介へのあ

こがれなど、思いやりがつなが

っていることに板書を通して

気付くようにする。

・思いやりのよさやどんなところ

に思いやりを感じるかについ

ても、触れられるようにする。

ゴールを目指す

・制限時間があり、遅れてはいけない

・綾香が悪者になってしまう

・先生や他の班に迷惑をかけてしまう

・陽太が言うことを聞いてくれない

その他

・一度ゴールを目指し、ゴールをしてから

探しに戻る

・チェックポイントの先生に言って、許可

が出たら探しに戻り、許可が出なかっ

たらゴールを目指す

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終末

5分

8 交換リフレクシ

ョンシートに授業

の振り返りをする。

○今日の授業で学ん

だことを6年生と

してどのように生

かしていきたいか

書きましょう。

・みんなのことに気を配って行動

できるようにしていきたい。

・その人だけでなく、周りの人や

今の状況を考えて行動してい

きたい。

・相手の立場に立って考えること

が大切だと思った。

・授業で学んだことと、自分たち

の生活を重ね合わせて考える

ように声をかける。

・数名の児童の振り返りを発表す

ることで、多様な考えに触れら

れるようにする。

(3)板書計画

☆相手の立場に立って考えて行動す

ることのよさに気付くことがで

き、思いやりについての考えを深

めることができたか。

(発言、交換リフレクションシート)

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(4)ワークシート

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(5)児童と教師の交換リフレクションシート