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日本大学大学院 振動工学特講2
第1章 序論
1.1 はじめに
1.2 力学を学ぶための準備
第2章一自由度系の振動
2.1 振動方程式
2.2 非減衰自由振動
2.3 減衰振動
2.4 強制振動
2.5 一般の加振力に対する振動
2.6 非周期的外力による過渡応答
2.7ラグランジェの運動方程式
第3章 多自由度系の振動3.1 振動方程式3.2 二自由度系の固有振動問題3.3 二自由度系の非減衰振動3.4 二自由度系の減衰振動3.5 二自由度系の強制振動3.6 多自由度系のラグランジェの運動方程式
第4章 連続体の振動4.1 弦の振動4.2 棒の縦振動4.3 棒のねじり振動4.4 棒の曲げ振動
第5章 構造物の振動の近似解法5.1 Rayleighの方法5.2 Ritzの方法5.3 有限要素法
第6章 動的応答のシミュレーション計算法
6.1 Euler法6.2 Newmarkの法6.3 線形多自由度過程のシミュレーション
― 目次 ―
日本大学大学院 振動工学特講3
第1章 序論
日本大学大学院 振動工学特講4
1.1 はじめに
機械・構造設計のために必要な知識と関連する科目
材料力学、弾性学、構造力学、破壊力学、振動工学、材料工学、生産工学設計関係科目・・・・・・・・
知っていれば、知っているほど有利。技術力=知識の総合
力
日本大学大学院 振動工学特講5
振動現象
振動(と思われる)現象を列挙しよう例
• 振子• 乗り物でエンジンの振動• 乗り物の揺れ・・・・
• 電波? 音? 地震?
振動を発生させる物理的要因⇒ 質量と元に戻そうとする力
日本大学大学院 振動工学特講6
機械工学と振動• 振動すると性能を達成できない場合• 破壊に至る振動• 快適さに影響する振動
不快な状況の発生(騒音の発生源)心地よい振動(ゆりかご)
• 周期を利用する 時計
振動を抑制する振動を制御する
振動を理解する
7
1.2 力学を学ぶための準備
1-2-1 運動を表す位置と変位
時刻 t [s] の位置 x(t)時刻 t + t [s] の位置 x(t + t) = x + x
位置 x
A'A
変位 x位置 x+xO
速度:位置の変化率
時間t [s] 間の平均速度
txv
瞬間の速度(位置の変化率)
dtdxx
txv
t
0
lim
加速度:速度の変化率
瞬間の加速度
xva
vtva
t
0
lim
xv なので
[m/s]
[m/s2]
x
A
A
t t+t
t
x
x
t
x+x点Aでの接線
vB
t t+t
t
v
t
v+v点Bでの接線
B
v
第一法則(慣性の法則)
外力の作用を受けない限り質点は永久に静止するかまたは等速直線運動をする.
第二法則(運動の法則)
質量 m の物体に力Fを作用させた時,物体には,加えた力Fの向きに力に比例し,質量に反比例する加速度aを生じる
F=ma
運動量 mv の変化する割合は、外力の大きさに比例し、変化する方向は外力の方向と同じである.
第三法則(作用と反作用の法則)
作用と反作用は常に同じ作用線上に生じ,その大きさは互いに等しく向きは反対である.
9
1-2-3 Newtonの運動の法則
Fv mdtd
10
1-2-4 運動方程式
fdt
xdm 2
2
m tff
運動方程式
初期条件
00 , vdtdxvxx
日本大学大学院 振動工学特講 11
例題1-1 t=0でx=0,v=0の質量m kg の物体がT秒間一定の力f0 Nを受けたとする。変位履歴x(t)を求めよ。
解答
fdt
xdm 2
2
運動方程式
解は
t=0の条件より、C1=C0=0t=T での変位・速度連続なので
tTTtf
f
0
00
tTCtC
TtCtCtfmx
23
012
0 021
20
20
202
03
2023
211
21
121
Tfm
Tfm
Tfm
C
Tfm
C
Tfm
CTC
tTTtTfm
Tfm
Tttfmx
02
0
20
121
021
よって
日本大学大学院 振動工学特講 12
例題1-2 質量1kgの物体が摩擦のない水平面上に置かれている(t=0でx=0, v=0)。図に示すような力を受けたとする。変位履歴x(t)を求めよ。
T(sec)
O 2 8
2N
日本大学大学院 振動工学特講13
速度は、連続
[解答]
力の履歴は
運動方程式
1082110
822
2021
32
2
12
tCtt
tCt
tCt
x
10834615
822
2061
632
52
43
tCttt
tCtt
tCt
x
よって変位は
1081082220
ttttt
f
fx 変位は、連続
534 C
3260
27251261320
341664
6
6
C
C
1083
26034561
82322
2061
23
2
2
tttt
ttt
tt
x
日本大学大学院 振動工学特講14
0
10
20
30
40
50
0 2 4 6 8 10
x
f
日本大学大学院 振動工学特講 15
問題1-1 質量1kgの物体が摩擦のない水平面上を定速度で運動している(t=0でx=0, v=1 m/s)。図に示すような力を受けたとする。変位履歴 x(t) を求めよ。
T(sec)
O 24
5 N
- 5 N
日本大学大学院 振動工学特講16
第2章 1自由度系の振動
2.1 振動方程式下向きを正として
位置をx(t)と定義
慣性力
減衰力
(粘性減衰 )ばね力 – kx外力 F(t)
2
2
dtxdmxm
dtdxcxc
tFkxxcxm (1)
k:spring constantc : viscous damping coefficientm : mass
振動方程式(d'Alembert’s principle)
k
mx
c
F(t)
tfxxx 2002
m
tFtfmc
mk
,2, 02
0
(1')
日本大学大学院 振動工学特講17
2.2 非減衰自由振動
020 xx
振動方程式
一般解
tBtAx 00 sincos
初期条件 x=x0, v=v0 at t=0
ta
tvtxx
0
00
000
cos
sincos
ここで
00
01
2
0
020
tanx
v
vxa
0,0 tf
単振動 or 調和振動 (simple harmonic motion)
0:円振動数(circular frequency or angular frequency)
a : 振幅 (amplitude)T = 2/0 : 周期 (period)f = 1/T :振動数 (frequency):初期位相
(2)
(3’)
(3)
日本大学大学院 振動工学特講18
【 問題】振子問題をばねと質量の系で表記する
θ
mg
l
k= ?m = ?
日本大学大学院 振動工学特講19
【問題】放物線状(y=ax2)の床上にある物体の運動方程式を求めよ。
y=ax2
x
y
x
y=ax2
日本大学大学院 振動工学特講20
tBtAetx t 20
20 1sin1cos0 (4)
mkc
2.3 減衰振動
F=0 のとき、(1)式の解は、
mkc 2 のとき振動解
mkc 2 のとき非周期的な減衰解
tt eBeAtx 21
22
1 4112 c
mkmc
(4')
減衰係数比 (damping ratio)
係数A,Bは、初期条件により決まる定数である
日本大学大学院 振動工学特講21
一周期前後の振幅の比
2
00
0 1
2
eee
er TTt
t
一定
対数減衰率
212log
2
r
(5)
(6)
減衰率が小さい場合
日本大学大学院 振動工学特講22
減衰係数を変えて自由振動をプロットすると
-1
-0.5
0
0.5
1
0 5 10 15 20
振幅
時間 t
γ=0.02 γ=0.05 γ=0.1
tetx t 20 1cos0
指数関数的に振幅が減少
日本大学大学院 振動工学特講23
tBtBe
eCeCe
eCeCx
t
titit
tt
02
202
1
12
11
21
1sin1cos0
02
02
0
21
2階の微分方程式{ f(t)=0 の時の解を求める }支配方程式に x=etを代入する
0
22
02
1
200
2
200
2
1
1
02
02
i
i
e t
日本大学大学院 振動工学特講24
例題 初期値 x=x0, v=0 at t=0、および外力 f=0 のとき、 = 0 および= 0.01のときの振動履歴を横軸に0t をと
って図示せよ。
2201
202
10
002
202
102
02
202
10
1002
202
10
1,
1
1cos1sin1
1sin1cos00
1sin1cos0
0
0
0
BxB
BB
tBtBe
tBtBex
BtBtBexx
tt
t
tt
解答初期条件より、未定係数は
ttxx 02
202
0 1sin1
1cos
よって
日本大学大学院 振動工学特講25
tBtAe
txtxt 2
02
0
0
1sin1cos
)cos(0
(8)
2.4 強制振動
周期的な加振力
F(t)=F0cost
が作用したときの応答は
時間が十分たった後、第2項は0に近づく。
(7)
2220
21
1
stxx (9)
212tan
=/ 0, xst = F0/k
xst (= F0/k): 静的な力を受けたときの応答
x0/ xst : 振幅の拡大率
日本大学大学院 振動工学特講26
共振曲線が最大になる無次元振動数
(9)式をで微分することにより導かれる。
221 r 共振振動数
(11)
(10)
共振振幅
kFx 0
20121
問題 t =0で x=v = 0、 = 0, = 0.01としたときの振
動履歴を図示せよ。
日本大学大学院 振動工学特講27
演習問題
バネ定数k=10N/mm,質量m=1kgとする。
(1)周期と固有振動数を求めよ。
(2)加振力が
F=0.1sin(80t) (N)
のときの十分時間がたって後の振幅を求めよ。
m
k
x
日本大学大学院 振動工学特講28
共振曲線
振幅x0と静的な場合の変位xstとの比
1で振幅が非常に大きくなる
共振(resonance)
日本大学大学院 振動工学特講29
2.5 一般の加振力に対する振動
周期 T=2/の加振力は
とFourier級数で展開できる。
各成分に対する応答を前節と同様にして求め、得られた解
を足し合わせることによって求める解が得られる。共振点に近い成分が大きくなる。
(12)
1
0 sinsinn
snsn tnftnfftF
t
F
日本大学大学院 振動工学特講30
2.6 非周期的外力による過渡応答
(1) ステップ力
(1)式の一般解は、初期条件が x=dx/dt=0の場合
000
0 tFt
tF
te
kFtx
t2
020 1cos
11
0
20
1tan
kF
(13)
(14)
日本大学大学院 振動工学特講31
ステップ応答と減衰関数
0
1
2
0 2 4無次元時間 0t
無次元ステップ応答
=2
=1
=0
=0.1=0.2=0.4=0.6
=0.8
入力
日本大学大学院 振動工学特講32
(t) : ディラックのデルタ関数
(t)=0 when t0
tem
th t 202
0
1sin1
1 0
(2) 衝撃力
tCtF
1
dtt
tt
1/t(t)
t>0
(15)
(16)
C = 1 の時の解は
単位インパルス応答関数(unit impulse response function)
衝撃力の作用は、C/mの初速度が与えられた問題と等価である。
日本大学大学院 振動工学特講33
から+の間に F(t)のインパルスが作用するとすると
考えると、全応答はこれらのインパルスに対する応答の和になる。時刻tでの応答は、単位インパルス関数を用いて
(3) 任意外力
t+
F(t)
F(t)
t
dtthtx0
(17)
日本大学大学院 振動工学特講34
ー <t<で定義された関数f(t)に対して
dtetfF ti
(4) Fourier変換
をf(t)のFourier変換という。逆変換の公式は、
deFtf ti
21
数学の教科書では、演算の対称性を考えて1/2の代わりに を用いる場合が多い。2/1
(18)
(19)
日本大学大学院 振動工学特講35
H() : 周波数応答関数(frequency response function)
インパルス応答関数と周波数応答関数はFourier変換の対を成す
deHth
dtethH
ti
ti
21
(5) 単位インパルス応答関数と周波数応答関数
F(t)=eitの場合の応答は
x(t)=H()eit
teim
H t 20
022
0
1sin2
1 0
(20)
(21)
(22)
日本大学大学院 振動工学特講36
2.7 一自由度系のラグランジェの運動方程式
一由度の振動系
運動エネルギー
ポテンシャルエネルギー
Lagrange関数 (Lagrangian) L=T-V
m
k
2
21 xmT
2
21 kxV
運動方程式は、
FxL
xL
dtd
FkxxmxL
xL
dtd
kxxLxm
xL
dtdkxxmL
,,21
21 22
(23)
(24)
(25)
(26)
日本大学大学院 振動工学特講37
第3章 多自由度系の振動
3.1 2自由度の振動系
質量が2個ある系(2自由度系)を考える。
振動方程式
tFxkxkxcxcxm
tFxkxkxcxcxm
222212122212122
121211121211111
ここで
k11=k1+k2, k12= k21=-k2, k22=k2c11=c1+c2, c12= c21=-c2, c22=c2
k1
m1
x1
c1
F1(t)k 2
x2
c 2
F2(t)
m2
行列を用いて表すと
2
1
2
1
2221
1211
2
1
2221
1211
2
1
2
1
00
FF
xx
kkkk
xx
cccc
xx
mm
または
Fxxx KCM
日本大学大学院 振動工学特講38
3.2 二自由度系の自由振動
振動方程式
初期条件
02211
2211
tatVxVxXxXx
角振動数で振動すると仮定
tt sincos BAx
初期条件から
0at tVxX,x
0 xx KM
tt
sin1cos VXx
本式を振動方程式に代入し整理すると
0sin1cos2
ttKM
VX
日本大学大学院 振動工学特講39
21
21122
2
22
1
11
2
22
1
112
2
212 4
21
mmkk
mk
mk
mk
mk
常に成り立つためには
したがって
tttt 222
22111
11 sin1cossin1cos
VXVXx
ここで、
12
211
122
12
22
1221
2121
,
,
mkk
c
kmkb
X
X
VVVXXX
b, cは、上式を満たすように決められる定数である。Vの成分比も同様
日本大学大学院 振動工学特講40
titi eAxeAx 2211 , を(7)式に代入する。
02
12
12221
122
111
tie
AA
mkkkmk
A1, A2がともに0でない解を持つためには
0222221
122
111
mkk
kmk
021122
2222
111 kkmkmk
3.2 2自由度系の固有振動問題外力と減衰力を0とおき(cij=Fi=0)、
固有値問題
日本大学大学院 振動工学特講41
11
21
12
kmk
ii
X
2つの固有振動モード
固有振動モードで固有振動数にしたがって振動する場合、振動させる力がなくても解が存在してもよいということを意味している。任意の多自由度系に関しても連立方程式の式数が増えるだけでほとんど同じ手順により固有振動問題を取り扱うことができる
(i =1, 2)
2つの固有振動数
21
21122
2
22
1
11
2
22
1
112
2
21 4
21
mmkk
mk
mk
mk
mk
12
112
1
kkm i
iXor
日本大学大学院 振動工学特講42
例題 k1=k2=k, m1=m2=mの場合を考えよう。このとき
この解より、一次の低い固有振動では、質量1と2は同位相で振動し、二次の固有振動では、質量1と2は逆位相で振動することが分かる。
mk532
2
21
15
1,
151
21 XX
日本大学大学院 振動工学特講43
例題 連成振子の振動図のように長さlの棒でつるされた質量mのおもりを吊るし
た振子がある。おもりがばね定数 k のばねで結合している場合を考えよう。それぞれの回転角を1,2とする。
1 2
m m
k
l l
日本大学大学院 振動工学特講44
1,2のおもりに関して水平方向の変位は、それぞれl1, l2なので、振動方程式を書くと、
0
0
21222
2
21121
2
kmgdt
dml
kmgdt
dml
1 2
m m
kl l
1=1eit, 2=2eitを代入すると
0
0
12
1
212
mlkmgk
kmlkmg
固有振動数方程式は、
0222 kmlkmg
日本大学大学院 振動工学特講45
固有振動数
mlkmg
lg 2, 21
振動履歴
tBtAtBtA
tBtAtBtA
22
222
211
211
22
22
122
111
111
11
sincossincos
sincossincos
これらの係数は、初期の条件より決まる。
日本大学大学院 振動工学特講46
0, 21021 のとき、
0, 21
21
110
11 BABA
したがって t1021 cos
0, 21021 のとき、
0,2 21
110
21
11 BBAA
したがって
tttt
tttt
00210
2
00210
1
insinscoscos2
coscoscoscos2
2,
221
021
日本大学大学院 振動工学特講47
3.3 二自由度系の固有モード展開
2つの固有振動モードは
00
0
2
1
2212
1211
2
1
2
1
xx
kkkk
xx
mm
12
211
122
12
22
1221 ,
mkk
kmk
XX
振動応答xは
2
1
21
XXx
日本大学大学院 振動工学特講48
固有振動モードのベクトルを用いると
fxx KM TT
21
22112
2121
22
21221
2122
0
0
mkmkm
mkmkm
MT
22
21
22112
2121
21
22
21221
2122
12
2112
122
12
21122
22
1222
122
22
12211
0
0
20
02
mkmkm
mkmkm
mkkmkk
mkkmkk
KT
22
2222
112
111~
~
fM
fM
よって
日本大学大学院 振動工学特講49
3.4 多自由度系の振動
Lagrange関数(Lagrangian) L=T-V
運動方程式
kkk
QqL
qL
dtd
nn
nn
qqqqqqqqVVqqqqqqqqTT
,,,,,,,,,,,,,,,,,,
321321
321321
(26)
(27)
ここで、Qkは、qkに対応した一般化力である。
自動的に支配運動方程式が導かれることが分かる。本式で運動方程式が与えられることはHamiltonの原理と呼ばれる変分原理から証明されるが、ここでは省略する。
日本大学大学院 振動工学特講50
例題 図に示された系のラグランジェ関数を求め、ラグランジェ関数を使って振動方程式を導出せよ
m
k
m
k
m
k
日本大学大学院 振動工学特講51
一定の張力Tで引っ張って両端を固定した弦(単位長さあたりの質量 )
x
z w
x=0T Tx=lx
z w
x=0T Tx=l
第4章 連続体の振動4.1 弦の振動
微小要素での力の釣り合い
02
2
2
2
tw
xwT
日本大学大学院 振動工学特講52
応答wをw(x,t)=W(x)q(t)のように変数分離して
22
2
2
2
2
2
2
20
qtq
Wdx
WdT
tqWq
dxWdT
2は、定数
0
0
22
2
2
2
2
qtq
WTdx
Wd
求める一般解は、
q=A1cost A2sint
x
TCx
TCW sincos 21
定数が、調和振動の円振動数を表す。
日本大学大学院 振動工学特講53
両端で固定
0sincos
0
21
1
lT
ClxT
CW
CW
自明でない解を持つための条件
nlT
固有振動数nと固有振動モード n
lxnxT
ln
nn
sin,
この結果より、弦の張力を大きくするほど高い振動数で振動する
日本大学大学院 振動工学特講54
4.2 棒の縦振動
一端固定他端自由の棒を考える。ヤング率E、密度、長さl、断面積Aとする。
微小要素に関する 釣り合いより
u dxxuu
P
x
dxxPP
xP
tuA
2
2
内力と変形の関係
xuEAEAAP
棒の振動方程式
02
2
tuA
xuEA
x
日本大学大学院 振動工学特講55
求める一般解は、u=W(x)q(t)
q=A1cost A2sint
x
ECx
ECU sincos 21
変数分離して
x=0で固定、x=lで自由
0cossin
0
21
1
lEE
ClxEE
CdxdU
CU
自明でない解を持つための条件
nlE
2
固有振動数nと固有振動モード nは
lxnxE
ln
nn
21sin,
日本大学大学院 振動工学特講56
4.3 棒の曲げ振動
xx=0
x=lz, w
両端単純支持のはりを考える。断面のモーメントをM、せん断力をQ、z方向の変位をw、ヤング率をE、密度を、長さをl、断面積をA、断面二次モーメントをIとする。
微小要素に関するz方向の運動方程式を書くと、
M dxx
MM
Q
x
dxxQQ
xQ
twA
2
2
内力と変形の関係は
2
2
xwEI
xxMQ
日本大学大学院 振動工学特講57
はりの自由振動の方程式は、
02
2
2
2
2
2
twA
xwEI
x
w=W(x)q(t)と変数分離し整理すると
22
2
2
2
2
2
qdt
qd
AWdx
WdEIdxd
0
0
22
2
22
2
2
2
qdt
qd
AWdx
WdEIdxd
q=A1cost A2sint
曲げ剛性EIが定数の場合
lxC
lxC
lxC
lxCW sincossinhcosh 4321
ここで
EIl 42
4
日本大学大学院 振動工学特講58
(1) 両端単純支持の場合(境界条件)
lxatdx
WdW ,002
2
0sincossinhcosh0sincossinhcosh
00
4321
4321
31
31
CCCCCCCC
CCCC
本式が自明でない解を持つための条件
0sin =n (n=0,1,2,・・・・)
固有振動数nと固有振動モードW n
lxnxWEI
ln
nn
sin,2
2
日本大学大学院 振動工学特講59
(2) 一様断面片持ちはりの場合
境界条件
lxatMQ
xatdx
dWW
0
00
Q:せん断力、 M:曲げモーメント
2
2
3
3
dxWdM
dxWdQ
一般解を代入すると
0cossincoshsinh0sincossinhcosh
00
4321
4321
42
31
CCCCCCCC
CCCC
日本大学大学院 振動工学特講60
01coscosh
1=1.875, 2=4.694, 1=7.855,・・・・・・・・
固有振動数nと固有振動モードW nは、
EIln
n 2
2
lx
lxK
lx
lxW nnnnn sinsinhcoscosh
nn
nn
nn
nnK
coscoshsinsinh
sinsinhcoscosh
日本大学大学院 振動工学特講61
境界条件 自明でない解を持つ条件 振動数係数
固定~固定cosh cos 1=0 4.730, 7.853, 10.996
自由~自由
固定~単純支持 cosh sin sinh cos=0 3.927, 7.069, 10.210
単純支持~単純支持 sin =0 , 2 , 3
固定~自由 cosh cos +1=0 1.875, 4.694, 7.855
一様断面はりの振動数係数と境界条件
日本大学大学院 振動工学特講62
例題1 一様断面か保ち張りの固有振動数を振動モードW(x)=W0[1-cos(x/2l)] を仮定してRayleighの方法を用いて求める。
(解答) モード関数と境界条件の関係は?
x=0で明らかに W=dW/dx=0x=l で
02
sin2
02
cos2
3
03
3
2
02
2
lEIW
dxWdEIQ
lEIW
dxWdEIM
正解042.1664.3
2cos1
21
2cos
221
2
21
0
20
24
EIl
dxlx
dxlx
lEI
l
l
幾何学的境界条件は満たしているが、力学的な境界条件は満たしていない
よって
日本大学大学院 振動工学特講63
(例題 2)先端に集中質量を持つ一様断面片持ちはりの固有振動数の近似値を先端に集中荷重が作用したときのたわみ形状
W(x)= W0{2-3/3} =x/l
を用いてRayleighの方法で求める。
(解答) 集中質量の運動エネルギーを考えて
l
l
lWMdxW
dxdx
WdEI
0
22
0
2
2
2
2
)(21
21
21
140334201
2
EIl
l
M
0
=1のとき
EI
l 21558.1
正解1.557との差は0.1%程度である。
日本大学大学院 振動工学特講64
Rayleighの方法は固有振動数の近似計算法の元祖
で簡単な割には精度がよいが求まるものは再提示の固有振動数だけであり、固有振動モードに関する情報はまったく得られない。
日本大学大学院 振動工学特講65
問題 長さl、曲げ剛性EI,単位長さあたりの質量μの片持ちはりの固有振動数を
(1)変形をW(x)=Cx2と仮定してRayleighの方法で求めよ。
(2)変形をW(x)=a1x2+ a2x3と仮定してRitzの方法で求めよ。
日本大学大学院 振動工学特講66
問題 一様断面はりの固有振動係数を求める方程式を導け。
x
AB
2ll
日本大学大学院 振動工学特講67
問題 一様断面はりの固有振動係数を求める方程式を導け。
x
AB
2ll
q=A1cost A2sint
0sincossinhcosh
0sincossinhcosh
4321
4321
xlxB
lxB
lxB
lxB
xlxC
lxC
lxC
lxC
W
EIl 42
4
一般解は、
日本大学大学院 振動工学特講68
連続および境界条件は、
x=0でW=0、W’およびモーメントW’’の連続
3131
4242
31
31
00
BBCCBBCC
BBCC
0sincossinhcosh0sincossinhcosh
4321
4321
CCCCCCCC
x=lでW=W'' =0
x=lでW’’=W’’’=0
0cossincoshsinh0sincossinhcosh
4321
4321
BBBB
BBBB
日本大学大学院 振動工学特講69
この式を整理すると、
4242
1133
BBCCCBBC
0coscoshsinsinh
0sinsinhcoscosh0sinsinhcoscosh0sinsinhcoscosh
421
421
421
421
BBCBBCCCCCCC
①
②
③
④
⑤
②+③②ー③
④cos+⑤sin
④cosh+⑤sinh 14
12
14
12
cossinhsincosh1sinsinhcoscosh
cossinhsincosh1sinsinhcoscosh
cotcoth
CB
CB
CCCC
日本大学大学院 振動工学特講70
0cossinhsincosh
1coscosh2cotcoth1
C
0sinsinh2sin2sinh
0cossinhsincosh1coscoshsinsinh22
2
上記の結果を①に代入して
C10の解を持つ条件は
日本大学大学院 振動工学特講71
第5章 構造物の固有振動計算法
はりの問題を例にとる。曲げ剛性EI,単位長さあたりの質量分布などががxの関数の場合、理論的に固有振動数を得る
ことは困難である。このような場合に近似解を求めるいろい
ろな方法が提案されている。
日本大学大学院 振動工学特講72
5.1 Rayleighの方法
曲げ剛性 EI(x)、質量分布 (x)のはりを考える。
ポテンシャルエネルギーおよび運動エネルギーは、
l
l
dxtwT
dxxwEIU
0
2
0
2
2
2
21
21
(1)
自由振動の場合
w(x,t)=W(x) sin t (2)
(2)式を(1)式に代入
tTtdxWT
tUtdxdx
WdEIU
l
l
2max
2
0
22
2max
2
0
2
2
2
coscos21
sinsin21
日本大学大学院 振動工学特講73
保存系では、 Umax=Tmax なので
l
l
dxW
dxdx
WdEI
0
2
0
2
2
2
2
21
21
(3)
固有振動モードに近いW(x)を(4)式に代入すると固有振動数の近似値が得られる。W(x)は、与えられたすべての境界条件を満たすことが望ましいが、幾何学的境界条件を満たすことが必要条件である。
日本大学大学院 振動工学特講74
(定理) 仮定する振動モードとして幾何学的境界条件を満たす関数を用いるならば、式(4)は、最小固有振動数の上界を与える。
証明)固有振動数および固有振動モードの正解をI, Wi(x)とする。ただし
(normalized)
変位(幾何学的)境界条件を満たす任意の関数W (x) を、固有振動モードの無限級数で表すと、
1I
ii xWCxW
10
2 l
i dxW
この積分も直交するのでijのとき
ゼロとなる
日本大学大学院 振動工学特講75
1
2
1 10
01 1
0
2
10
2
21
21
21
21
21
ii
i j
ljiji
l
i jjiji
l
iii
l
C
dxWWCC
dxWWCC
dxWCdxW
=ij (クロネッカのデルタ)
運動エネルギー式に代入する ひずみエネルギー式に代入する
1
22
10
222
10
2
2
22
1 10 2
2
2
2
0
2
12
2
0
2
2
2
21
21
21
21
21
21
iii
i
liii
i
l ii
i j
l jiji
l
i
ii
l
CdxWC
dxdx
WdEIC
dxdx
Wd
dxWdEICC
dxdx
WdCEIdxdx
WdEI
21
1
2
1
221
1
2
1
22
2
ii
ii
ii
iii
C
C
C
C
よって
日本大学大学院 振動工学特講76
5.2 Ritzの方法
振動モードW(x)を幾何学的境界条件を満たす任意の互いに独立な有限個の関数の和として
W(x)= a1 f1 (x)+ a2 f2 (x)+・・・+ an fn(x) (4)
と与える。(4)式を(3)式に代入する。(3)式が示す固有振動数が最小になるように係数aiを決める。
0
21
21
02
0
2
2
2
l
l
i dxW
dxdx
WdEI
a (i=1,2,・・・,n) (5)
得られたaiを(3)式に代入することにより固有振動数の近似値が得られる。また固有振動モードの近似式も得られる。
日本大学大学院 振動工学特講77
(5)式を整理すると
0
022
0
0
1
2
10
2
10 2
2
2
2
1 10
2
1 10 2
2
2
2
0
22
0
2
2
2
i
n
iikik
n
i
lkii
n
i
lki
i
n
i
n
j
ljiji
k
n
i
n
j
l jiji
k
l
k
l
k
amk
dxffadxdx
fddx
fdEIa
dxffaaa
dxdx
fd
dxfdEIaa
a
dxWa
dxdx
WdEIa
自明でない解を持つ条件は、
02 ijij mk
l
jiijl ji
ij dxffmdxdx
fd
dxfdEIk
00 2
2
2
2,
ここで
日本大学大学院 振動工学特講78
解の小さいほうから、12, 2
2,・・・・, n2と書き、固有振動数の正
解を1*, 2
*,・・・・, n*とすると、
1*1, 2
*2,・・・・, n*n
Hamiltonの原理 の被積分項に(2)式を代入し、t2-t1=2/で積分すると
V = Tmax - Umax
となる。よって固有振動数を求めるHamiltonの原理はV=0となる。このVに(5)式を代入し、
により、近似解を求めようというのがRitzの法則である。
02
1
t
tdtVT
0 Vai
日本大学大学院 振動工学特講79
例題 一様断面はりの固有振動数を、振動モードを
W(x)=a1x2+ a2 x3
と仮定して求めよ。
73521
21
1212422
1
722
621
5212
0
22
322
221
210
2
2
2
lalaaladxWT
lalaalaEIdxdx
WdEIU
l
l
(解答)ひずみエネルギーおよび運動エネルギーは
よって
0
0
2
1
Va
Va
07224
3112
03112
528
21
21
laa
laa
ここで
EIl 42
日本大学大学院 振動工学特講80
前式が自明でない解を持つ条件は、
0
7224
3112
3112
528
これより、=12.48, 1211.52 がえられる。したがって固有振動数の近似解として、
EI
lEI
l 2221807.34,533.3
正解は、
EI
lEI
l 2*
22*
103.22,516.3
であり、1次の解は非常に精度がよいが、2次の解の精度はあまりよくない。一般に(n/2)次以上の解はあまり精度がよくない。
日本大学大学院 振動工学特講81
例題1 一様断面片持ち梁の固有振動数を振動モード W(x)=W0[1-cos(x/2l)] を仮定してRayleighの方法を用いて求める。
(解答) モード関数と境界条件の関係は?
x=0で明らかに W=dW/dx=0x=l で
02
sin2
02
cos2
3
03
3
2
02
2
lEIW
dxWdEIQ
lEIW
dxWdEIM
正解042.1664.3
2cos1
21
2cos
221
2
21
0
20
24
EIl
dxlx
dxlx
lEI
l
l
幾何学的境界条件は満たしているが、力学的な境界条件は満たしていない
日本大学大学院 振動工学特講82
(例題 2)先端に集中質量を持つ一様断面片持ちはりの固有振動数の近似値を先端に集中荷重が作用したときのたわみ形状
W(x)= W0{2-3/3} =x/l
を用いてRayleighの方法で求める。
(解答) 集中質量の運動エネルギーを考えて
l
l
lWMdxW
dxdx
WdEI
0
22
0
2
2
2
2
)(21
21
21
140334201
2
EIl
l
M
0
=1のとき
EI
l 21558.1
正解1.557との差は0.1%程度である。
日本大学大学院 振動工学特講83
5.3 有限要素法
最近固有振動問題は、コンピュータを使うことを前提として有限要素法によって計算される。これは構造物を有限個の要素に分割して構造応答を近似的に求める手法である。理論的にはRayleigh-Ritz 法と等価な手法であり、変分原理に従って構築されたものである。Rayleigh-Ritz法では、系全体にわたるモード関数を用いるのに対し有限要素法では要素ごとに定義したモード関数を用いることが大きな違いである。ここでは説明は省略する。
日本大学大学院 振動工学特講84
Rayleighの方法は固有振動数の近似計算法の
元祖で簡単な割には精度がよいが求まるものは再提示の固有振動数だけであり、固有振動モードに関する情報はまったく得られない。
日本大学大学院 振動工学特講85
第6章 構造物の振動減衰性と減衰率増加法
6.1構造減衰
はりや弦を空気中で自由振動させると、時間の経過とともに振幅はだんだん小さくなって止まる。このような現象を振動減衰という。
減衰の要因• 構造材料内部で失われるエネルギー
(内部減衰 internal damping)• 各部材の鋲・ボルトによる結合部および構造物の支持 部などで
失われるエネルギー• 空気抵抗によるもの
最初の2つをあわせて構造減衰と呼ぶ。
日本大学大学院 振動工学特講86
背沢の構造減衰の理論
実験的な研究の結果、「構造減衰は、振幅に比例し、振動数に無関係で位相は速度と同じ。したがって
txFtw
xwEI
xxwEI
x,2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
第2項が減衰項。無次元量を構造減衰係数
減衰項が剛性項と同じ形の式なので、非減衰の固有振動モードWn(x)を用いて展開し、Galerkin法またはRayleigh-Ritz法を用いると、
tQqkdt
dqkdt
qdm nnnn
nn
n
2
2
粘性減衰項と異なるのは減衰力の項の分母に振動数が入っていることである。
日本大学大学院 振動工学特講87
6.2 複素弾性定数
前節のような構造減衰特性は、
dtdEE xr
xrx
とあらわせるような粘弾性(viscoelastic)特性を持つと考えると説明できる。
周期的加振力と応答ひずみを
tt
xx
xx
coscos
0
0
200 1 xrx E
とおくと、
tan=
日本大学大学院 振動工学特講88
(4)式のかわりに、
ti
xx
tixx
e
e
0
0
iEEE
r
xx
1
とおくと、
このときを損失係数(loss factor)という。
txFtw
xwIE
x,2
2
2
2
2
2
ここでw, Fともに複素数であり、またこの式の実数部のみが物理的に意味を持つ量である。
日本大学大学院 振動工学特講89
6.3 減衰特性の表現
粘性減衰cの場合と構造減衰を比較
c=kn/,n= nn mk
222
nn
nn
nn kmk
kmc
が小さいとき、対数減衰率 =2=
共振振幅拡大率
1
21
静的応答
共振時の振幅A
日本大学大学院 振動工学特講90
応力ひずみ関係式は、
この曲線が囲む面積は(一周期あたりのエネルギー消費)
xx0ーx0
ーx0
x0
xx0ーx0
ーx0
x0
200
00
2
0002
0
1sin
sincos
xx
xx
xxx
xxx dtttdtdt
dd
日本大学大学院 振動工学特講91
6.4 実際例
構造材料および構造の構造減衰係数の実測値の例
(小林繁夫著「振動論」丸善より)材料または構造 構造減衰係数 Al合金板(2024-T4)の曲げ振動 0.0021航空機の金属製または木製翼の曲げおよびねじれ振動
0.02~0.05
FRP板の曲げ振動 0.021FRP製グライダー胴体の左右曲げ振動 0.023NAL-STOL 0.006~0.04Jestar 0.014~0.042Cessna 0.018~0.036FA-200X 0.008~0.036F 16 0.012~0.040Mirage F-1 0.010~0.056Shuttle Orbiter 0.018~0.040
日本大学大学院 振動工学特講92
第7章 動的応答のシミュレーション計算法
コンピュータの出現により振動方程式を数値積分により解いて動的応答を計算することが可能になった。コンピュータにより実際の応答を数値的に求めることをシミュレーションという。
日本大学大学院 振動工学特講93
7.1 Euler法
一自由度の振動系
tfkudtduc
dtudm 2
2
時刻tでのu(t),が既知のとき、
ttututtu
ttututtu
ここで
tuctkutfm
tu 1
この形でシミュレーションするにはtを十分小さくする必要がある。
日本大学大学院 振動工学特講94
7.2 Newmarkの法
時刻tでのu(t), が既知のとき、
時刻t+tでの応答
tutu ,
ttuttututtu
tt
tuttuttuttututtu
2
23
2
ここで=1/6と1/4がよく用いられる。
=1/6とすると、tからt+tまでの間, 加速度が線形的に変化すると仮定
=1/4とすると、tからt+tまでの間加速度がで一定と仮定
日本大学大学院 振動工学特講95
振動方程式に代入して整理すると、時刻t+tでの加速度が、
2
2
2
21
2
tktcm
ttuttutukttutucttf
ttu
この加速度を用いてt+tでの速度と変位を導くことになる。これを繰り返していくことにより時系列u(t)の実際の履歴を推定することになる。
日本大学大学院 振動工学特講96
例題 Newmarkの法を用いて以下に示す系の与えられた外力に対する応答X(t)をシミュレートするプログラムを書け。
tFXdtdX
dtXd
22
2
tttF 1.0sin
日本大学大学院 振動工学特講97
7.3 線形多自由度過程のシミュレーション
多自由度過程の振動方程式
tKCM fuuu
ここで
Tn
Tn
fff
uuu
,,,
,,,
21
21
f
u
時刻tでのu(t), が既知のとき、時刻 t+t での加速度ベクトルは、
tt uu ,
tttttKtttCtt
ttKtCtM
uuuuuf
u
2
2
21
2
2
連立方程式の解を求めるプログラムを用いて解く。
日本大学大学院 振動工学特講98
時刻t+tでの応答u(t+t), を
ttttttt
tt
tttttttttt
2
23
2
uuuu
uuuuuu
tt u
このプロセスを繰り返すことにより、時間応答を求める。
日本大学大学院 振動工学特講99
7.4 数値計算法の安定に関して(1)式でc=0、f(t)=0の場合を考える。
022
2 u
dtud
この場合の解は単振動解となる。
時間刻みtで応答を求め、第nステップの解を添え字nをつけて表すと
nn
nn
uu
uu2
12
1
整理すると
ここで
012 11 nnn uuu
2
2
12
日本大学大学院 振動工学特講100
ここでun =etとおいて代入すると、
この二次方程式の解は、
xが単振動解であるためには=iの形の場合に限るので
<2
ここで e=rei を考えると、
rcos=1-, rsin=
これより、常にr=1となり、 <2であれば、Newmarkの法で正解が得られる。
01122
ee
21 e
2
日本大学大学院 振動工学特講101
よって安定条件は、 <2、すなわち、
0141 2
41
2
これより、により解の安定となる時間増分があることがわかる。ただし=1/4の時には系は時間増分にかかわらず安定になることがわかる。
日本大学大学院 振動工学特講102
問題 一次元の振動問題を計算するプログラムを作る
tFkxdtdxc
dtxdm 2
2
F(t)=f0sint
日本大学大学院 振動工学特講103
7.4 数値計算法の安定に関して(1)式でc=0、f(t)=0の場合を考える。
022
2
udt
ud
この場合の解は単振動解となる。
時間刻みtで応答を求め、第nステップの解を添え字nをつけて表す。
n+1ステップの加速度応答は、
2
22
1 121
t
tutuuu
nnn
n
日本大学大学院 振動工学特講104
nn
nn
uu
uu2
12
1
を代入し、整理すると
tuttuut nnn
221
2
2111
nを1減らすと、
tuttuut nnn
1
221
2
2111
①
②
①-②より
tuu
ttuttu
utut
nn
nn
nn
1
221
22
21
2
211
211
11
日本大学大学院 振動工学特講105
12
1
12
111
2
22
nnnn
nnnnnnn
uutuu
uutuuutuu
nステップの速度は、
21
22
21
221
221
2
12112
21
211
21221
tuttu
tuuttu
ttuut
nn
nnn
nn
この関係を先の式に代入して
日本大学大学院 振動工学特講106
012 11 nnn uuu
2
2
12
とおくと、
ここでun =enとおいて代入すると、
01122
ee
この二次方程式の解は、
unが単振動解 ⇒ eは複素数 ⇒ <2
eが複素数の場合
|e |2 =(1-)2+ (2) =1
21 e
日本大学大学院 振動工学特講107
これより、<2であれば、振幅一定となり安定となる。<2 ならばNewmarkの法で振幅一定の解が得られる。
よって安定条件は、 <2、すなわち、
0141 2
411
412
T
これより、により解の安定となる時間増分があることがわかる。ただし=1/4の時には系は時間増分にかかわらず安定になることがわかる。
日本大学大学院 振動工学特講108
7.5 非線形問題の一解法
tfdtduug
dtudm
,2
2
の形で表せる非線型方程式にNewmarkのβ法の適用を考える。
時刻t+tでの加速度が与えられたとき、変位と速度は
ttfttuttugttum ,
また振動方程式より
tttuttututtu
ttuttutttututtu
21
21
21 22
①
日本大学大学院 振動工学特講109
tttuUUugttutUU
ugUUg
tttuUttutUg
21,,,
21,
2
2
tuttuU
tutttutuU
21
21 2
t+tでの非線形項は、分からないので以下のようにテーラー展開して近似する。
ここで
②式を①式に代入して整理すると
②
UU
UgtUU
Ugtm
ttfUUgttu
,21,
,2
日本大学大学院 振動工学特講110
*第8章 実験的モード解析法
高速フーリエ変換法のアルゴリズムが考案されてこれを用いた振動測定機器が開発され広く用いられるようになった。これにコンピュータの発展も大いに寄与している。
本章ではフーリエ変換法を用いた振動特性測定装置の考え方に関して説明する。
日本大学大学院 振動工学特講111
6.1 はりの曲げ振動の周波数応答関数
l
AB
Fj(t)j
図のように=jの点に集中外力が作用するはりを考える。速度比例型の減衰力を考えると振動方程式は、
jj tftwA
twEIwEI
2
2
2
3
2
2
2
2
2
2
日本大学大学院 振動工学特講112
応答は固有振動モードで展開でき、
nn
n tqtw
1
,
各モードの一般座標qn(t)に関して方程式を展開でき
tfqkdt
dqcdt
qdm jjnnnn
nn
n 2
2
両辺のFourier変換を取ると
jjnnn FHQ
ここでQn,Fjはそれぞれqn,fjのFourier変換、 Hnは、n次のモードの周波数応答関数である。
w(i)のFourier変換は、
inn
ni QW
1
,
日本大学大学院 振動工学特講113
1
1
,
,
ninjnn
j
iij
ninjnjni
HF
WH
FHW
jjnnn FHQ を代入すると、
本式Hij()をw(i,t)とf(j,t)に関する周波数応答関数という。
入力と出力のFourier 変換を求めてその商をとることにより、Hn()や振動モードn()の形が推定できることが分かる。
日本大学大学院 振動工学特講114
周波数応答関数の図示の方法
前節で求めた周波数応答関数は複素数である。
Bode線図 ⇒絶対値と位相で表現
コクアド線図⇒実数部と虚数部で表現
日本大学大学院 振動工学特講115
Bode線図(=0.05)
-180
-150
-120
-90
-60
-30
0
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
Normalized frequency
φ
|Hij()|
0
2
4
6
8
10
12
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
日本大学大学院 振動工学特講116
-2
-1
0
1
2
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3Normalized Frequency
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
Re[Hij]
Im[Hij]
日本大学大学院 振動工学特講117
第7章 非線系振動論
7.1 復元力に非線形性のある系振り子の運動方程式は、
0sin2
2 mg
dtdml に関して非線形な問題
しかし、が1に比べて小さい場合、
線形の微分方程式として表される。
一般の問題の場合何らかの非線形因子を含んでいる。しかし、振幅が小さい場合など非線形因子の影響が小さく線形問題として近似できる場合も少なくないことも事実である。
sin
日本大学大学院 振動工学特講118
変位 x
復元力
f
線形
hardening
softening
振り子の振動でがあまり大きくない場合、方程式は
061 32
02
02
2
dtd
両端で軸方向変位を拘束されたはりの振動方程式は、
復元力がW+W3の形で表される非線型方程式をDuffingの方程式という。
復元力と変位の関係で、
hardening型: 変形大⇒傾き 大
softening型;変形大⇒傾き小。
03 WWW
日本大学大学院 振動工学特講119
x
f
O
復元力と変形の関係が図2のようにガタがある系や、ば
ね係数が不連続に変わるような系も非線形問題の系である。
x
f
O
(a) ガタのある系 (b) 組み合わせ非線形ばね
日本大学大学院 振動工学特講120
例題 両端単純支持で軸方向変位を拘束されたはりの振動方程式を求める。
w
xdx
ds
EI,
はりがたわんだことにより軸への射影がdxの要素の長さdsは、
22
2111
xwdx
xwdxdsdxds cos
はり全体にわたって軸方向の力は働かない⇒応力は一定
ldxxw
ll
x 0
2
2111
日本大学大学院 振動工学特講121
02
2
2
2
4
4
tw
xwA
xwEI x
有限変形の場合のはりの振動方程式
変形を
lxthWw sin
ここで
AIh 2
このとき、
22
22
4W
lEh
x
日本大学大学院 振動工学特講122
これを振動方程式に代入すると
04 2
2
2
22
2
22
4
4
tWhW
lhW
lEhAW
lhEI
無次元化して整理すると、
03 WWW
ここで、()は無次元時間=0tによる微分
EIl 2
2
0
日本大学大学院 振動工学特講123
7.2 自由振動の厳密解
非線形振動方程式
03 xxx
初期条件
0,0 dtdxxx at t=0
両式にdx/dtをかけて積分する。
40
20
422
22xxxxx
本式を変形する
424
02
0 22xxxx
dxdt
日本大学大学院 振動工学特講124
両辺を積分すると
x
xxxxx
dxt0 22
022
0 21
このような式は楕円積分で表される。2
0
2 1
xxz
z
zkzdxxt
0 2222
011
1
とおくと
ここで
20
202
12 xxk
日本大学大学院 振動工学特講125
この式の解は 、
201sn xtz
ここで関数snは、Jacobiの楕円関数のひとつである。
2
0 22 sin144
kdK
なる周期を持つ。
zに関する式をxに関して表すと、
cn()は周期関数でcosと似た性質を有している。
200 1cn xtxx
日本大学大学院 振動工学特講126
もし非線形性の小さい場合(x02<<1)、周期は、
20
20
2
2
0
222
0 22
1812
412
sin2114
sin144
xxk
dkkdK
実時間の周期で表すと
2
00
200
8312
1
4 xx
KT
03 WWW
日本大学大学院 振動工学特講127
Newmarkの法を用いて
をシミュレートするプログラムのアルゴリズムを作成せよ。
日本大学大学院 振動工学特講128
レポート
図のような曲げ剛性分布EI(x)の片持ちはりがある。
(1)第1次と2次の固有振動数と固有振動モードを近似的に求めよ。
(2) 平均ゼロの、パワースペクトル密度のホワイトノイズの集
中加振力がはりの先端にかかるときの先端の応答の二乗平均を第一次の基本モードのみを考慮して求めよ。
日本大学大学院 振動工学特講129
振動の知識も機械工学エンジニアにとって貴重な知識である。
この知識を含めて、大学で習った経験を生かしてほしい