57
1 UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法 ㈱アクロエッジ 中宗憲一

UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

1

UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法

㈱アクロエッジ 中宗憲一

Page 2: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

2

1.紫外線硬化樹脂の硬化原理2.生産管理上の課題(硬化確認方法)3.蛍光について

(1)蛍光とは(2)蛍光を出す樹脂、添加剤(3)紫外線硬化樹脂と蛍光

4.紫外線硬化樹脂の蛍光発光原理と実際(1)原理(2)特許について(3)実測例

5.装置構成(1)装置構成(2)ブロック図(3)測定タイミングチャート

6.測定例と検証7.今後の展開

(1)管理手法としての利用方法(2)開発における利用例

(3)ラインにおける応用展開

目次

Page 3: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

3

紫外線硬化樹脂の硬化原理

※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

名称 主な材質 機能

主剤 オリゴマー 硬化樹脂本体。分子量が樹脂の硬さ等の特性を決める

希釈剤 モノマー 初期の樹脂の硬さ(粘性)を調整

光重合開始剤 各種 分裂して主剤が重合を始めるきっかけを作る

増感剤 各種 開始剤の分裂促進のため、UV光の吸収効率を高める(物性変化無し)

その他 シリカ等 樹脂の硬さや色等の特性を決める(物性変化なし)

※UV硬化性樹脂は次のような工程を経て固まる

光重合開始剤

増感剤

UV光照射

光エネルギー

ラジカル

モノマーオリゴマー

(分裂)

polymer

(連鎖重合)

(結合)

UV光照射

Page 4: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

4

生産管理上の課題

2-1 硬化状態の確認方法

1. 物理的手法 1) エンピツ硬度

2) 硬度計(デュロメータ)

3) 剥離試験

4) ダンベル試験

2. 分析手法 1) FT-IR2) DSC

Page 5: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

5

デュロメータ(JIS K6253用)

Page 6: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

6

FT-IRでの測定例

旭化成株式会社 基盤技術センター・解析技術室

Page 7: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

7

破壊検査か分析センターか???

もし非接触、リアルタイムでの硬化状態の計測が可能になれば

破壊検査不要

照射器の照射エネルギーの管理が可能

品質向上、コストダウン

Page 8: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

8

実験装置の構成

Page 9: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

9

Page 10: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

10

蛍光について

Page 11: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

11

蛍光を出す樹脂、添加剤

蛍光増白剤

Page 12: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

12

蛍光発光要因・変動要素

※蛍光を発する要因

・蛍光はUV光を照射した時、分子の中の電子が励起状態になり、基底状態に戻る時に発せられる。即ち、分子の状態で自由に動ける電子が存在する事が蛍光を発する条件となる。

・具体的には、分子構造の中に以下のいずれかの結合が存在する時が考えられる。

①多重結合がπ結合状態で存在する。(σ結合状態では電子の移動が少ないため、蛍光は発しない)②ベンゼン環が存在する

※蛍光発光変動要素(樹脂の構成による影響)

・UV樹脂硬化反応における蛍光発光特性を変動する樹脂本体の要因として、次のことが想定される。

1)光重合開始剤種類の影響 :骨格の違いによる蛍光発光量の変動2)主剤の種類の影響 :分子量による反応速度の変化3)その他添加剤の影響 :樹脂の変色、濁化による蛍光放出効率の変動

Page 13: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

13

※蛍光発光の原理(アクリル系)

ラジカルとなった光重合開始剤が主剤と結合し、安定した物質に変化することで、蛍光を発する物質に変化する

(UV光)

光重合開始剤 分裂、ラジカルに

主剤との結合

(ラジカル) (主剤) (開始種)

(重合、ポリマー化)

ラジカルの生成

蛍光発光物質

(注)光重合開始剤自体は安定した物質だが、それ自体にUV光を照射しても分裂・結合

を繰り返すだけであり、殆ど蛍光を発することはない。

Page 14: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

14

紫外線硬化樹脂の光吸収性

紫外線硬化樹脂の主成分であるモノマー、オリゴマーのε(分子吸収係数)は紫外領域ではそれほど大きくないため、

組成物の光吸収性は光重合開始剤に左右されることが多い。

光反応が開始されるための第一ステップは光重合開始剤による紫外線の吸収であり、光重合開始剤の化学構造により吸収波長吸収係数が大きく異なる。

Page 15: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

15

蛍光と光重合開始剤との関係

分子が光を吸収すると、その光のエネルギーに応じて分子が高エネルギー状態になる。その状態は不安定なので反応が起こり易くなる。

反応が起こらない場合は吸収したエネルギーは光や熱となって放出される。その中でもともと光重合開始剤は紫外線を吸収し易い構造に設計されており、紫外線の吸収によりラジカルが発生し連鎖反応が始まるのである。反応が終了すると反応エネルギーは蛍光となって放出される。この事は光重合開始剤と蛍光色素、蛍光増白剤の構造がともにベンゼン環を基本とした対象物(シス型)で、π電子が動き安い構造であることから、その目的からして近い構造であることも頷かれる。

Page 16: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

16

特許 紫外線硬化樹脂の状態推定方法

(11)公開番号 : 特開2007-248244 (43)公開日 : 2007年09月27日(51)Int.Cl. G01N 21/64 (2006.01) (21)出願番号 : 特願2006-071580(71)出願人 : オムロン株式会社 株式会社センテック

(22)出願日 : 2006年03月15日

(72)発明者 : 今井 清司 井上 宏之 千賀 匡 中宗 憲一 長谷部 洋治

(54) 紫外線硬化樹脂の状態推定方法

(57) 要約

【課題】 多くの紫外線硬化樹脂に適用可能な、紫外線硬化樹脂の状態に推定できる状態推定方法を提供する。

【解決手段】 CPUが蛍光検出用ヘッド部104へ照射指令を与える(ステッ4)と、蛍光検出用ヘッド部104は、検出用紫外線を対象とする紫外線硬化樹脂へ照射する。 続いて、CPUは、検出用紫外線を受けて当該紫外線硬化樹脂に含まれる光重合開始剤により放射される蛍光の蛍光強度を、蛍光検出用ヘッド部104から取得する(ステップS6)。そして、CPUは、記憶部46から所定数の過去の蛍光強度データを読出し、平均化処理(移動平均)を実行して、当該時点の蛍光強度を算出する(ステップS12)。さらに、CPUは、算出された蛍光強度に基づいて、紫外線硬化樹脂の状態推定処理を実行する(ステップS14)。

【選択図】図13

Page 17: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

17

各種樹脂の蛍光放射測定結果(特許より)

Page 18: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

18

Page 19: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

19

Page 20: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

20

蛍光波長分布

0

100

200

300

400

500

600

0 10 20 30 40 50 60

種類

蛍光

波長

(nm

)

励起波長365nmにおける各種UV接着剤の蛍光波長

島津 蛍光分光測定装置 RF540

Page 21: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

21

装置構成(全体写真)

Page 22: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

22

Page 23: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

23

Page 24: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

24

センサー部詳細

Page 25: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

25

実験装置のブロック構成

OMRON TECHNICS Vol.48 No.2(通巻158 号)2007より参照

Page 26: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

26

タイミングチャート

OMRON TECHNICS Vol.48 No.2(通巻158 号)2007より参照

Page 27: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

27

スリーボンド3056B

-10.00

0.00

10.00

20.00

30.00

40.00

50.00

1 8 15 22 29 36 43 50 57 64 71 78 85 92 99

測定時間(秒)

蛍光

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

ショア

ーD硬

スリーボンド3056B硬度変化

0.00

10.00

20.00

30.00

40.00

50.00

1 22 43 64 85 106127148169190211232253274295

ショア

ーD硬

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

4.00

蛍光

最高硬度到達点

Page 28: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

28

ケミテックU-1582硬度変化

-40

-20

0

20

40

60

80

100

1 6 11 16 21 26 31 36 41 46 51 56 61 66 71 76 81 86 91

ショ

アー

D硬

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

蛍光

カタログ硬度 90

Page 29: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

29

ケミテックU1455B

-10.00

0.00

10.00

20.00

30.00

40.00

50.00

60.00

1 8 15 22 29 36 43 50 57 64 71 78 85 92 99

ショ

アー

D硬

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

蛍光

カタログ硬度 45

Page 30: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

30

ケミテックU-406B硬度変化

0

10

20

30

40

50

60

70

80

1 6 11 16 21 26 31 3641 46 51 56 6166 71 76 81 86 91

ショア

ーD

硬度

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

蛍光

カタログ硬度 80

蛍光ピーク時62

Page 31: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

31

選択された光重合開始剤

アルキルフェノン系

IRGACURE651 IRGACURE184 IRGACURE907

アシルフォスフィン

オキサイド系

IRGACURE819

ブレンド系 IRGACURE1800 IRGACURE1870

Page 32: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

32

使用したオリゴマーの種類

オリゴマー種類 分子量 溶解量からの分子量率 官能基

TMP-3EO-A 3

UX-2201 7200 3733 2

UX-2301 7000 3633 2

UX-0937 4000 2133 2

UX-5003D 7400 3066 5

UX-6101 7000 2338 2

UX-5001T 6200 1961 8

UX-3204 11500 1994 2

Page 33: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

33

モノマー:1.6-hexanediol diacrylate

オリゴマー オリゴマー (g) モノマー (g) 全量 (g)

TMP-3EO-A 12 3 15

UX-2201 12 3 15

UX-22301 12 3 15

UX-0937 12 5 17

UX-5003D 6 9 15

UX-6101 4 9 13

UX-5001T 4 10 14

UX-3204 2 11 13

Page 34: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

34

品名 系列 特性

UX-50011 エステル系 硬い

↑↓

柔らかい

UX-50030 エステル系

UX-6101 エーテル系

UX-0937 エーテル系

UX-3204 エステル系

UX-2201 エーテル系

(メーカ:日本化薬)

(オリゴマ)

(モノマー)

品名 官能基数 特徴

イソボニルアクリレート 1 低揮発性

トリプロピレングリコールアクリレート

2 低揮発性

低刺激性

トリメチロールプロパン3EOトリアクリレート

フェノキシエチルアクリレート:有害性を指摘されているため除外。

エステル系が剛直・強靭エーテル系が柔軟・脆弱という傾向

脂肪族系?

芳香族系?

おそらくイソシアネートの骨格と分子量で制御

②②

②②

②②②

②②

⑤④

⑤ ⑧

※丸印内の数字は官能基数

エステル系

エーテル系

混合系

(日本化薬製品特性マップ)

Page 35: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

35

IRGACURE184

0

1

2

3

4

5

6

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

UX5001T

UX3204

UX6101

TMP

UX5003D

UX0937

UX2201

UX2301

Page 36: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

36

0

1

2

3

4

5

6

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

UX5001T

UX3204

UX6101

TMP

UX5003D

UX0937

UX2201

UX2301

IRGACURE651

Page 37: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

37

IRGACURE907

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

UX5001T

UX3204

UX6101

TMP

UX5003D

UX0937

UX2201

UX2301

Page 38: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

38

IRGACURE1800

0

1

2

3

4

5

6

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

UX5001T

UX3204

UX6101

TMP

UX5003D

UX0937

UX2201

IRGACURE1800

Page 39: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

39

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

1.6

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

UX5001T

UX3204

UX6101

TMP

UX5003D

UX0937

UX2201

UX2301

DETX-S

Page 40: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

40

0

1

2

3

4

5

6

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRGACURE651

IRGACURE184

IRGACURE907

IRGACURE819

LucirnTPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

UX3201

Page 41: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

41

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRGACURE651

IRGACURE184

IRGACURE907

IRGACURE819

Lucirn TPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

UX5001T

Page 42: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

42

UX6101

0

1

2

3

4

5

6

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRGACURE651

IRGACURE184

IRGACURE907

IRGACURE819

LucirnTPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

Page 43: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

43

TMP-3EO-A

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRACRE651

IGACURE184

IRGACURE907

LucirnTPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

Page 44: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

44

UX2030

0

1

2

3

4

5

6

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRGACURE651

IRGACURE184

IRGACURE907

LucirnTPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

Page 45: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

45

UX2201

0

1

2

3

4

5

6

0 200 400 600 800

時間(s)

蛍光

強度

IRGACURE651

IRGACURE184

IRGACURE907

LucirnTPO

IRGACURE1870

IRGACURE1800

DETX-S

Page 46: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

46

アクリルモノマー

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

0.30

0 50 100 150 200 250 300 350

sec

蛍光

MMA単独の蛍光測定結果

Page 47: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

47

IRGACURE184

0.000.10

0.200.300.40

0.500.600.70

0.800.90

0 50 100 150 200 250 300 350

sec

蛍光

開始剤単独の蛍光測定結果(1)

Page 48: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

48

IRGACURE369

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

0 50 100 150 200 250 300 350

sec

蛍光

開始剤単独の蛍光測定結果(2)

Page 49: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

49

ラジカル系UV硬化樹脂のIR・蛍光測定結果

蛍光測定結果積算光量(mJ) 1410cm-1 1463cm-1 1410/1463 反応率(%) 蛍光強度(mJ)

0 0.0238 0.0079 3.00 0.0 0.020 0.0161 0.0110 1.46 51.3 19.050 0.0159 0.0111 1.44 52.1 26.5100 0.0157 0.0113 1.38 54.0 23.0200 0.0128 0.0118 1.08 64.0 26.8400 0.0074 0.0113 0.65 78.2 32.0600 0.0061 0.0107 0.57 81.1 34.21000 0.0064 0.0108 0.59 80.4 40.5

IR測定結果

表1 アクリル樹脂のIR・蛍光測定による硬化度計算結果

ラジカル系UV硬化樹脂

0

20

40

60

80

100

0 200 400 600 800 1000

積算光量(mJ)

反応

率(%

)

0

10

20

30

40

蛍光

強度

(mJ)

IRデータ

蛍光データ

Page 50: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

50

今後の展開

7-1 管理手法としての利用方法

1) UV硬化樹脂の貯蔵安定性(暗反応の程度)

2) 受け入れ検査(樹脂粘度管理)

3) 反応速度管理(開発時)

Page 51: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

51

U-1542J温度変化と蛍光値

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

0 100 200 300 400 500 600 700

U1542J 5

U1542J 30

U1542J 45

U1542J 60

Page 52: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

52

樹脂加熱促進劣化試験 50℃

4. 樹脂劣化モードの推定 50℃

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000

蛍光値

時間

(分)

3030

3064

3113B

3114B

3115B

U483B

U1455B

U1542J

Page 53: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

53

樹脂加熱促進劣化試験 30℃

4. 樹脂劣化モードの推定 30℃

-5

0

5

10

15

20

25

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000

時間(ふん)

蛍光

値 3030

3042

3056B

3064

3113B

3114B

U401

U1542J

Page 54: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

54

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

3%"

5%

10%

主剤UX2201 IRGACURE184開始剤濃度比較

Page 55: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

55

0.00

1.00

2.00

3.00

4.00

5.00

6.00

0 100 200 300 400 500 600 700

時間(s)

蛍光

強度

3%

5%

10%

主剤UX2201 開始剤IRGACURE184 蛍光量比較

Page 56: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

56

照射器とのフィードバック

UV-LED照射器

リアルタイムに照射エネルギーのコントロール可能

蛍光センサー

Page 57: UV硬化樹脂の新しい硬化度推定方法...3 紫外線硬化樹脂の硬化原理 ※UV硬化性樹脂は主に次のようなもので構成されている(アクリル系樹脂例)

57

まとめ

蛍光と言う手法を用いることにより、実質的な重合開始剤の反応率を

簡便にアバウトではあるが観察する事ができるようになった。

非接触で測定できる。

照射中に連続的に測定も可能。

樹脂開発における開始剤の反応効率、また暗反応等の貯蔵安定性などの開発におけるツールとしても有効である。

製造ラインにおいては硬化度測定はもとより、過剰照射による内部応力緩和も観察できるので、適正照射量を管理でき、合理的な品質管理手段を提供できる。

現在の管理手法(FT-IR,硬度計、破壊検査)とのデータ相関の必要性

モニターできる蛍光量確保の樹脂設計の必要