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114 115 調調調薄明 Twilight レンズ AF-S VRズームニッコールED70~200ミリF2.8G(換算142.5ミリ) モード 絞り優先 AE(F11) +/- +2/3EV WB 晴天 感度 ISO200 機材 三脚使用 撮影地 岐阜県白 川村 1月中旬 長時間露光で 合掌造り集落の灯りを撮る 夜の帳が降り、集落に灯が点った白川郷。空の青さを映して雪面が青白く染まり、 冬の厳しい寒さが感じられる。集落の明かりはもちろん、自動車のヘッドライトの 光跡を活かすために 15 秒の長時間露光で撮影した。氷点下での長時間露光が 続くとバッテリーの消耗が激しい。必ず予備電池を用意して撮影に臨みたい。 レンズ AF-S DXズームニッコールED12~24ミリF4G(IF) (換算33 ミリ) モード 絞り優先AE(F8) +/- なし WB 晴天 感度 ISO100 機材 三脚使用 撮影地 長野県小海町八ヶ岳山麓 11 月中旬 シルエットを 活 かして 夜明けの空を狙う 樹形の美しさが際立つカラマツ林。夜明け前の藍色の空を背 景にして、シルエットとしてとらえた。葉をすっかり落としたカラ マツからは冬に向かう寂しさが感じられる。この雰囲気は真っ 赤な朝焼けでは決して表現できない。イメージに合わせた光を 選ぶことは自然風景の撮影では大切である。 レンズ AF-S DXズームニッコールED18~70ミリF3.5~4.5G(IF) (換 算40.5ミリ) モード 絞り優先AE(F8) +/- -1EV WB 晴天 感度 ISO100 機材 三脚使用 撮影地 岐阜県北アルプス鏡平 8月上旬 紫に染まる瞬間を狙う 槍ヶ岳を湖面に映す鏡池。夜明けの空が紫色に染まる瞬間 を狙ってシャッターを切った。東側に高い山がある場合、日の 出頃には空に色付きはすでになく、太陽光もまぶしいくらいだ。 むしろ空全体が淡く色付く、夜明け前の時間帯がフォトジェ ニックである。柔らかな光によりシャドー部のディテールをうっ すらと浮かび上がらせることができた。

Twilight - 技術評論社...Twilight レンズ AF-S VRズームニッコールED70~200ミリF2.8G(換算142.5ミリ)モード 絞り優先 AE(F11)+/- +2/3EV WB 晴天

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Page 1: Twilight - 技術評論社...Twilight レンズ AF-S VRズームニッコールED70~200ミリF2.8G(換算142.5ミリ)モード 絞り優先 AE(F11)+/- +2/3EV WB 晴天

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日の出前や日没後、風景は色

を失い、柔らかな光に包まれる。

それまでのダイナミックな赤色

から、青を基調とする色へと変

化してゆくのだ。藍色に染まっ

た空色は美しく、月や金星など

を絡めると暮れゆく(または明

けゆく)雰囲気が増してくる。

 

灯が点った街明かりを狙うと

空に青みが残り、やさしい雰囲

気の夜を演出できる。太陽が見

えるときには表現できない柔ら

かな階調美が魅力だ。ただし低

照度での撮影ゆえ、露出とフレー

ミングには注意したい。うっす

らと明るさが残っていれば露出

計は働くが、モニターでの露出

確認も忘れないようにしたい。

手元が暗い状況ではモニターを

暗めに調整し、ヒストグラムを

併用しよう。

 

被写体をファインダーで視認

しづらい場合は、高感度で試し

撮りすると正確に構図を確認で

きる。同時に仕上がりの雰囲気

もつかめるだろう。現場で画像

を確認できるデジタルのメリッ

トを最大限に活用したい。

薄明Twilight

レンズ AF-S VRズームニッコールED70~200ミリF2.8G(換算142.5ミリ) モード 絞り優先

AE(F11) +/- +2/3EV WB 晴天 感度 ISO200 機材 三脚使用 撮影地 岐阜県白

川村 1月中旬

長時間露光で合掌造り集落の灯りを撮る夜の帳が降り、集落に灯が点った白川郷。空の青さを映して雪面が青白く染まり、

冬の厳しい寒さが感じられる。集落の明かりはもちろん、自動車のヘッドライトの

光跡を活かすために15 秒の長時間露光で撮影した。氷点下での長時間露光が

続くとバッテリーの消耗が激しい。必ず予備電池を用意して撮影に臨みたい。

レンズ AF-S DXズームニッコールED12~24ミリF4G(IF)(換算33

ミリ) モード 絞り優先AE(F8) +/- なし WB 晴天 感度

ISO100 機材 三脚使用 撮影地 長野県小海町八ヶ岳山麓 11

月中旬

シルエットを活かして夜明けの空を狙う樹形の美しさが際立つカラマツ林。夜明け前の藍色の空を背

景にして、シルエットとしてとらえた。葉をすっかり落としたカラ

マツからは冬に向かう寂しさが感じられる。この雰囲気は真っ

赤な朝焼けでは決して表現できない。イメージに合わせた光を

選ぶことは自然風景の撮影では大切である。

レンズ AF-S DXズームニッコールED18~70ミリF3.5~4.5G(IF)(換

算40.5ミリ) モード 絞り優先AE(F8) +/- -1EV WB 晴天 感度

ISO100 機材 三脚使用 撮影地 岐阜県北アルプス鏡平 8月上旬

紫に染まる瞬間を狙う槍ヶ岳を湖面に映す鏡池。夜明けの空が紫色に染まる瞬間

を狙ってシャッターを切った。東側に高い山がある場合、日の

出頃には空に色付きはすでになく、太陽光もまぶしいくらいだ。

むしろ空全体が淡く色付く、夜明け前の時間帯がフォトジェ

ニックである。柔らかな光によりシャドー部のディテールをうっ

すらと浮かび上がらせることができた。

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