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1 配布資料 目次····················································· 1 1. 実験ノートのつけ方 はじめに ································· 2 実際の例(西本君の場合) ···· 別紙 実際の例(亀井君の場合) ···· 別紙 2. 合成した試薬類のラべリング············ 3 3. work up 操作について 実験の流れ ······························ 4 水でクエンチした場合··············· 4 水でクエンチしない場合············ 4 水と混じりやすい溶媒を反応溶媒 としている場合························ 5 資料(溶媒沸点表)·············· 別紙 エバポレーターの使い方············ 6 4. TLC の扱い方について TLC とは ································ 6 キャピラリーのひき方··············· 7 反応追跡時の TLC について······· 8 crude TLC について ············· 8 カラム精製時の TLC について···· 8 参考資料(TLC プレートカッター の取り扱いについて)··········· 別紙 参考資料(発色液について) · 別紙 5. 精製方法:再結晶操作について 再結晶操作とは························ 9 「足し算法」と「引き算法」 ····· 9 単一溶媒系による再結晶操作 ····· 9 二相溶媒系による再結晶操作 ····· 9 オイルバスの温度設定············· 10 再結晶サンプルの濾取············· 10 その他の知恵··························11 6. 精製方法:再沈殿操作について 再沈殿操作とは·······················11 方法 ······································11 7. 精製方法:カラム精製について 準備するもの························· 12 溶媒検討‐TLC を使う決め方 ···13 シリカゲルの使用量の決定方法 ·13 使用するクロマト管の決定方法 ·13 シリカゲルの詰め方·················13 クルードのチャージ・シリカゲルへ の吸着の仕方··························14 流速の調製·····························14 TLC5 cm × 5 cm)を使ったス ポットの確認··························14 フラクションの集め方(綿を通して シリカゲルを除去)·················15 8. 実験活動におけるその他の事項 NMR 測定・サンプル調製について ············································15 廃液及びシリカゲルの捨て方 ····16 回収溶媒································16 安全事項について····················16 部屋の掃除について·················16 終夜反応貼り紙について ··········17 ガラス器具乾燥機の周辺事項 ····18 ドライアイスメーカの使い方 ····18 真空ポンプの使い方·················18 9. 週報と Chem Draw の使用について ·19 10. 文献セミナーについて ····················19 11. 研究成果に関する要旨及びプレゼンテ ーションについて ··························19 12. 英語演習 汎用される英単語····················20 実験ノートや実験項における知っ ておきたい英文·······················23 論文のイントロダクションにおけ る英語 ···································27 国際論文誌‐英語の研究論文につ いて ······································29 13. 追記·············································29

TLC - Ryukoku University...2 1. 実験ノートのつけ方 ① はじめに 1. コクヨB中横罫6mm×35 行(30 枚または50 枚)のキャンパスノートを使用。 2

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1

配布資料

目次 ····················································· 1

1. 実験ノートのつけ方

① はじめに ································· 2

② 実際の例(西本君の場合) ···· 別紙

③ 実際の例(亀井君の場合) ···· 別紙

2. 合成した試薬類のラべリング ············ 3

3. work up 操作について

① 実験の流れ ······························ 4

② 水でクエンチした場合 ··············· 4

③ 水でクエンチしない場合 ············ 4

④ 水と混じりやすい溶媒を反応溶媒

としている場合 ························ 5

⑤ 資料(溶媒沸点表) ·············· 別紙

⑥ エバポレーターの使い方 ············ 6

4. TLCの扱い方について

① TLCとは ································ 6

② キャピラリーのひき方 ··············· 7

③ 反応追跡時のTLCについて ······· 8

④ crude のTLC について ············· 8

⑤ カラム精製時のTLCについて ···· 8

⑥ 参考資料(TLC プレートカッター

の取り扱いについて) ··········· 別紙

⑦ 参考資料(発色液について) · 別紙

5. 精製方法:再結晶操作について

① 再結晶操作とは ························ 9

② 「足し算法」と「引き算法」 ····· 9

③ 単一溶媒系による再結晶操作 ····· 9

④ 二相溶媒系による再結晶操作 ····· 9

⑤ オイルバスの温度設定 ············· 10

⑥ 再結晶サンプルの濾取 ············· 10

⑦ その他の知恵 ·························· 11

6. 精製方法:再沈殿操作について

① 再沈殿操作とは ······················· 11

② 方法 ······································ 11

7. 精製方法:カラム精製について

① 準備するもの ························· 12

② 溶媒検討‐TLCを使う決め方 ··· 13

③ シリカゲルの使用量の決定方法 · 13

④ 使用するクロマト管の決定方法 · 13

⑤ シリカゲルの詰め方 ················· 13

⑥ クルードのチャージ・シリカゲルへ

の吸着の仕方 ·························· 14

⑦ 流速の調製 ····························· 14

⑧ TLC(5 cm × 5 cm)を使ったス

ポットの確認 ·························· 14

⑨ フラクションの集め方(綿を通して

シリカゲルを除去) ················· 15

8. 実験活動におけるその他の事項

① NMR 測定・サンプル調製について

············································ 15

② 廃液及びシリカゲルの捨て方 ···· 16

③ 回収溶媒 ································ 16

④ 安全事項について ···················· 16

⑤ 部屋の掃除について ················· 16

⑥ 終夜反応貼り紙について ·········· 17

⑦ ガラス器具乾燥機の周辺事項 ···· 18

⑧ ドライアイスメーカの使い方 ···· 18

⑨ 真空ポンプの使い方 ················· 18

9. 週報とChem Drawの使用について · 19

10. 文献セミナーについて ···················· 19

11. 研究成果に関する要旨及びプレゼンテ

ーションについて ·························· 19

12. 英語演習

① 汎用される英単語 ···················· 20

② 実験ノートや実験項における知っ

ておきたい英文 ······················· 23

③ 論文のイントロダクションにおけ

る英語 ··································· 27

④ 国際論文誌‐英語の研究論文につ

いて ······································ 29

13. 追記 ············································· 29

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1. 実験ノートのつけ方

① はじめに

1. コクヨB中横罫 6mm×35 行(30枚または 50枚)のキャンパスノートを使用。

2. 表紙には「実験ノート、使用開始年月日(例えば 2008 年 4月 1 日)、漢字氏名、巻番号(何

冊目か)、開始実験番号」の 5点を必ず記す。

3. 実験番号はイニシャル(名のイニシャルと姓のイニシャル)に番号を付ける。例えば西本

宜記(にしもとよしき)の100 番目の実験番号は「YN100」とする。

4. 見開き 2ページを1つの実験番号相当にする。TLC の図は右下にまとめる。

5. 必須記載項目の代表例は、実験番号、日付、開始時の天候、参考にした引用文献、スペク

トル ID 番号(NMR,MS,EA など)、TLC の図。別紙参照。実験番号はスペクトル生デー

タ、卒業・修士論文、週報、残保管試薬全てにおいて一対一対応させる。

スペクトルデータの処理方法:1H-, 13C-, 31P-NMR;

①. NMR データのLot番号は「実験番号-1」のように通し番号にすること。そうすればチャ

ート番号を見ただけでどの実験番号のデータかが即わかる。例えば亀井俊徳(イニシャル

TK)の実験番号TK220 における 1H NMR ならば「HMR 220-1, HMR 220-2, HMR 220-3,

やCMR 220-4」等に統一する。

②. 右下空欄にチャートのチャート番号、スキーム、定性、定量(%y、00 mg 等)、粗生成物

か精製済か等を分かりやすく記す。

③. 全てのデータについて、パソコン上に保存するだけではなく必ず印刷版をファイルに綴じ

る。

④. 原則として、化学シフト値の幅 (- 0.1 ppm ~ 9.9 ppm)は固定する。

⑤. 必ず測定直後に解析し、スペクトルデータをノートに書きつける。表記方法はACS(アメ

リカ化学会)誌投稿規程に従う。新規化合物は当然のこと、既知化合物でも実験者にとっ

て初めての化合物ならば必ず書きつける。

スペクトルデータの処理方法:MS;

①. Lot 番号(実験番号)化合物の構造式、組成式、ExactMass 値を小数点以下 4 桁まで

(ChemDraw のAnalysis 機能を使う)の4点を必ずチャートに書きつける。

②. フラグメンテーションを調べる。

③. その他、基本事項は上記NMR データに関する事項と同じ。

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2. 合成した試薬類のラべリング

研究室内で統一することに意味がある。合成試薬は「マルエムのスクリュー

管」または「空いた市販試薬瓶」に封をして収める。必ず書式に準拠し

たラベルを貼る。ラベルは研究室にあるシールを使うか、Chem Drawで

必要事項を書いた印刷物をセロテープで貼り付ける。「研究室の財産の

保管」という非常に大事な作業なので丁寧に分かるように書くこと。お

ろそかな場合は随時指導する。

記入事項は下記、5点。

1. 実験番号(例えば TI624 等)

2. 化学構造式(丁寧に書く、必要以上の略記は認めない)。

3. 氏名(漢字で姓のみ「岩澤」と書く。イニシャルは禁止)。

4. 日付(2008年 4月1日ならば 08年4月1日 と書く)。

5. 再結晶した場合「一番晶、recrystaln from ethanol」と記載

下に例を示す。

TI624

08年4月1日 岩澤

一番晶

recrystaln from EtOH

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3. work up 操作について

① 実験の流れ

実験の流れを概要すると「前日準備 → 当日仕込み → ワークアップ 操作(大雑把な精製)

→ crude の確保→ (精密な)精製操作(カラム、再結晶)」となる。

(ア) 翌日に行う実験の準備(ノートの書き付け、実験器具の用意)は前日に行う

(イ) 翌日、反応剤の仕込みや反応開始は午前中に行う。

(ウ) 反応クエンチ後に目的とする化合物を不純物なく純品として手に入れるために、有

機合成化学では「大雑把な精製」と「精密な精製」の2 段階に大別して精製操作を

行う。この大雑把な精製に相当するのが「ワークアップ操作」のこと。

(エ) ワークアップ操作が終わって得られる有機物は「crude(粗結晶、粗生成物)」と呼

ぶ。Crude には目的物も含まれるが不純物も多く含まれている。Crude の定性と

定量は必ず実験ノートに記す。また、マスバランスを記す。

(オ) 精密な精製操作(カラムや再結晶操作)に移る

② 水でクエンチ(反応停止)した場合のworkup 操作の仕方

(ア) クエンチした反応混合溶液に水と混ざらない溶媒、酸性やアルカリ性に強い溶媒加

えて(例えばトルエン、クロロホルム、塩化メチレン等)、強く撹拌。

(イ) それを分液漏斗に移して、水層と有機層の分離を待つ。クロロホルムや塩化メチレ

ンは水の比重 1 より重く 1.2 から 1.5 なので、下層が有機層、上層が水層。トル

エンや酢酸エチルは水の比重 1 より軽い 0.7-0.8 なので、下層が水層、上層が有機

層。→ 分液漏斗の組み方、スタンドを使う組み方 に注意。

(ウ) 水層と有機層を分離。水層に溶けている有機物を抽出(extraction)するために、

分離した水層に有機溶媒を加えて抽出操作を行う。抽出操作は 3 回行うのが基本。

うまくやるポイントは、抽出操作に使う有機溶媒の量を抑えること。

(エ) 元の有機溶媒と、抽出操作で扱った有機溶媒を一つの分液漏斗に集めて、brine(飽

和食塩水)を加えて洗浄。その後、brine と有機層を分離して brine を捨てる。→

brine の作り方について

(オ) 有機層に Na2SO4 を加えて、脱水乾燥(乾燥したかどうかの目安は、分液漏斗

を傾けてサラサラしていれば十分乾燥されている)。

(カ) ヒダ折りろ紙でNa2SO4を除去。受けるナスフラスコは大きめにすることがコツ。

(キ) エバポ及び真空乾燥→エバポレータの使い方マニュアル、エバポ台に貼ってある。

③ 水でクエンチしない場合のworkup 操作の仕方

(ア) 適切な処理(例えば、セライトやフロリジルによる後処理)後、反応物に対してト

ルエン・酢酸エチル・クロロホルム・塩化メチレン等の溶媒を加えて希釈。

(イ) これに適量の水で 3回洗浄。

(ウ) Brine(飽和食塩水)で 1回洗浄。

(エ) Na2SO4 で脱水乾燥。

(オ) ヒダ折りろ紙でNa2SO4 を除去。漏斗の縁や足を洗い込むのを忘れずに→図説

(カ) エバポ及び真空乾燥

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④ 水と混じりやすい溶媒を反応溶媒としている場合のworkup 操作の仕方

(ア) 反応クエンチ後、反応溶液をエバポ等で除媒(溶媒を除くこと)。または、目的物

が固まる(固体)ならば、直接再沈殿操作に持ち込む。

(イ) 固体の反応物を適切な有機溶媒に溶かし、分液漏斗へ移す。

(ウ) 適量の水(水道水)で 3回洗浄し、brine(飽和食塩水)で洗浄。

(エ) Na2SO4で脱水乾燥し、ヒダ折りろ紙等で除去後、エバポ及び真空乾燥。

⑤ 資料

有機溶媒の沸点表、二種類

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エバポレーターの使い方

1:ナスフラスコに加える溶液はナスフラスコの全量の 3分の 1にする。

【目安としては、ナスフラスコの一番膨らんでいる部分までである】

2:ウォーターバスの温度を適温に設定する。

【上手く早くエバポするには、溶媒の沸点を把握し、温度を適温に上げる】

3:ナスフラスコをエバポレーターに取り付ける。

【取り付けた後もポンプを動かすまでナスフラスコから手を離さない。】

4:ポンプのスイッチを入れて、リーク弁を閉じる。

【ポンプのスイッチを入れる前に使用しないポンプのコックを閉じておく。】

5:フラスコの回転を出来るだけ速く回転するように調節する。回転目盛は 10 が基本。

【ウォーターバスの水がこぼれない様に注意】

6:左手をリーク弁にかけて、突沸しそうになったらリーク弁を開けて吸気する。

【突沸の心配が無くなるまでエバポレーターの前に絶対にいること。】

7:除媒を確認後、水浴からナスフラスコを引き上げてリーク弁を開き吸気する。

8:回転を0に戻しポンプを止めて、ナスフラスコを取り外す。

9:リーク弁下のトラップ球に溜まった溶媒を捨てて(もしくは回収して)終了。

4. TLCの扱い方について

① TLCとは

ダイヤモンドカッターを用いてTLC板(TLCプレート、20 cm × 20 cm、シリカゲル60 F254、

Merck 製)を切る作業、ガラス面と SiO2面、発色剤、ホットプレート、実験ノートへの書

き付け、実際に実験で使うTLC(2 cm × 5 cm, 5 cm × 5 cm)

② キャピラリーのひき方

(ア) TLC 上にサンプル溶液を打つために細いガラス管を各自作成する。TLC のスポッ

トが大きすぎたり小さすぎたりして上手く打てないときは、キャピラリー管の内径

が大きすぎたり小さすぎたりしてキャピラリーに問題がある場合が多い。

(イ) 240 室のガスバーナ(ガス栓と酸素栓)を使う。安全上、二人以上で行い、入り口

扉を極力開放し、手袋をせずに行う。

(ウ) キャピラリーを引く際のもとになるガラスとして、先が折れたパスツールまたはガ

ラス管を使う。上手く引くコツは、ガスの火力を強くし、炎の温度を高くすること。

(エ) 炎に対して斜めにガラスを当てて、炎が当たるガラス表面積を増やすこと。→図説

(オ) 左手で元ガラスを回し、炎が均等にガラスに当たるようにする。この時、右手と左

手は元ガラスを引き延ばす(引っ張る)方向に軽く力を加えることがコツ。 →図

(カ) 赤く熱く柔らかくなったら、人の肩幅くらい(60センチ)に引っ張る。 初は引

っ張りすぎることが多いが、引っ張りすぎると内径が細く、しなりすぎた質の悪い

キャピラリーになってしまう。

(キ) 実際にキャピラリーを引いて作製する時間は、およそ10 秒~15 秒。

(ク) 終わったら、ヤスリやアンプルカッターでキャピラリーを切る。 →図説

(ケ) 折れたパスツール 1つあたり、2 ~ 3 本のキャピラリーを作る。

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キャピラリーの引きかた(マニュアル) ⅰ) 用意するもの 折れたパスツール(新品は極力使わない、使う際には岩澤に相談)、やすり、マイヤ

ー、ガラス捨て ⅱ) 操作方法 ① ガスの元栓を開けてから、酸素ボンベの元栓を開ける。 ② 酸素ボンベの調整ハンドルを時計回り(HI)に回し、2 次圧を 0.1 目盛りまで上げ

る。 ③ ライターの火をブンゼンバーナーに付け、ガス栓(向かって右)を少しずつ開ける。

炎の高さは 5~6 ㎝程度にすること。 (参考:炎の先端の色はオレンジ色、但し火力は強くすることがポイント)

④ 空気の栓(向かって左)を徐々に開け、うるさくない程度まで空気を入れる。 (参考:炎は青色になる)

⑤ パスツールを斜め 45 度に傾け、左手でゆっくり回す。 (参考:左手の力を加える方向・ベクトルは外側に向ける)

⑥ ある程度柔らかくなったら炎から離し肩幅まで伸ばす。コツは伸ばしすぎないこ

と。 *火力など分からないときは岩澤先生に尋ねる。

~片付け~

① バーナーの根元にあるガス栓と空気栓を同時に占める ② ガスの元栓を閉める。 ③ 酸素ボンベの元栓を閉める。 ④ 酸素ボンベの調整ハンドルを反時計回り(LOW)に回し閉める。

ⅲ)注意事項 ① 決して一人ではしない。 ② 扉は半開以上にしておく(不測の事態に対応するため)。 ③ エアコンを切る。(装置保護のため年中エアコンは入っている。) ④ 軍手はしない。 ⑤ 腕はまくる。 ⑥ 燃える物を排除する。

*キャピラリーを引いた直後のパスツールはゴミ箱に入れない。熱過ぎて、ビニー

ル等が焦げてしまう危険がある.

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③ 反応追跡時のTLCについて

(ア) 反応溶液を採取してサンプルチューブに収める。無水反応や小スケール反応の場合

はキャピラリーで採取、それ以外の場合はパスツールで採取。

(イ) 要図説→TLC(サイズ 2cm X 5 cm)を使い、左からS(出発原料)、A(わかって

いれば目的物)、R(反応溶液)、Mi(出発原料と反応溶液のMixture)を打つ(ス

ポッティング)。スポッティングする箇所に鉛筆で小さく×印を書き込む(下端か

ら 7 mm の位置、ステンレス製のメモリ入り定規を胸ポケットに入れておくこと

を薦める)。 R(反応溶液) の下には何時間後の反応溶液かを記す。2時間後のサ

ンプルならば「2 h」、30 分後のサンプルならば「0.5 h」と書く。

(ウ) 適切な溶媒系を用いて、1回展開を行う。展開回数は1 回が基本。理由:反応追跡

は「手仕事のスピード」や「判断の速さ」が重要だから。

(エ) 展開槽は二種類ある。大きなタイプと小さなタイプ。どちらも背もたれと座布団を

ろ紙で作って敷いてやる。 →要図説

(オ) Rf 値(TLCにおける定量)の説明。Rf 値を把握→発色液で確認→岩澤に報告。

④ crude のTLC について

(ア) Crude の 1H NMR は取るべき場合と取らなくても良い場合がある。

(イ) 取るべき場合は、先にNMR サンプルを調製してデータを取る(NMR サンプルの

調製方法については別途説明)。このNMRサンプルをTLCサンプルとして用いる。

(ウ) NMRサンプル全量をマイクロチューブに移し、これをTLCサンプルとして使う。

(エ) TLC板には、左からS(出発原料)、A(わかっていれば目的物)、C(crude 溶液)、

Mi(出発原料と反応溶液のMixture)を打つ(スポッティング)。

(オ) Crude は 1 回展開で構わない。Rf 値を把握→発色液で確認→岩澤に報告。但し、「展

開溶媒」には細心の注意を払う。反応進行の判断に直結するため。また、次のカラ

ム溶媒検討に直結する。

⑤ カラム精製時のTLCについて

(ア) 成功の決定的要素は展開溶媒。第一に、目ぼしい良溶媒と貧溶媒の組み合わせを見

つける。その後、目的物のスポット A と分離したいスポット B について下記 3 点

を満たす展開溶媒比を探す。→図説

(イ) 3 回展開してRf 値 0.5 を境にスポットAとBがポジショニングをとっている。

(ウ) 3 回展開してRf 値 0.5 より下にスポットA とB がポジショニングをとっている。

(エ) 3回展開してRf値0.5より上にスポットAとBがポジショニングをとっていない。

(オ) 一回展開のスポットには「右線」、二回展開のスポットには「左線」、3 回展開のス

ポットには「○囲み」、を行う。実験ノートにもそのように書き記す。

(カ) 3 回展開後、TLC板にはRf 値を鉛筆で書き込む。また、「Rf値=0.5」になるライ

ンに鉛筆で線を引く。発色液につけて確認。岩澤に報告。

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5. 精製方法:再結晶操作について

① 再結晶操作とは

固体のサンプルをいったん有機溶媒中で溶解させて、再度固体にする操作。分子は同じ分子

どうしが集まって固まるという性質を持つ(正に「類は友を呼ぶ」)。これを利用するのが再

結晶操作。

② 「足し算法」と「引き算法」

(ア) 足し算法は、目的固体が入ったフラスコに少しずつ有機溶媒を足して行って「どの

くらい加えた段階で溶けるか?」と探りながら行う。短所:時間がかかる。「 小

溶媒量」とは限らない。長所:小分子や溶解度が高い分子・小スケールの再結晶操

作には適しやすい。→図説

(イ) 引き算法は、目的固体が入ったフラスコに有機溶媒を多量に入れておき、そこから

「除媒」していく方法。「ト字管」を取り付けて、「還流管」を取り付けて、「漏斗

つきのメスシリンダー」で留去溶媒を定量採取。 →図説。長所:早い。 小溶媒

量に近い。分子量が大きい化合物や、溶解度が低い分子・大スケールの再結晶操作

に適しやすい

③ 単一溶媒系による再結晶操作

(ア) 「溶媒検討」を行う。マイクロチューブ内に 5-10 mg の試料を取り、そこに 2-5

滴の数種溶媒を加える。数種溶媒は芳香族系二つ(トルエン、ベンゼン)、アルコ

ール系(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、極性系(酢酸エチ

ル、アセトン)、ハロゲン系(クロロホルム、塩化メチレン)、エーテル系(ジエチ

ルエーテル、CPME、TBME)、他ヘキサン、アセトニトリル。マイクロチューブ

には溶媒名を記したタックシールを貼り、セロテープで留める。

(イ) 各マイクロチューブの蓋をする。左手でマイクロチューブを持ち、薬指で振動させ

ながらエアドライヤーでチューブの底のみを温めて溶かす(10 秒弱程度、蓋が吹

っ飛ばないよう注意)。

(ウ) コルク台座やゴムアダプタ等に全てのチューブを立てかけて放置。出にくいなら、

「氷一粒」をチューブ底にあてがう。

(エ) もふさわしい再結晶溶媒は「サンプルが溶けやすく、結晶が出やすい」溶媒。そ

れを○、△、×等の評価で実験ノートに書きつける。→図説

(オ) 適溶媒が見つかったら、サンプル50 – 500 mgを25 – 100 mLのナスコルに収め、

その 適溶媒が何mL 必要かを調べ、適当かどうかの確信を得る。

(カ) 「再結晶溶媒の沸点 < 目的化合物の融点」が好ましい。

④ 二相溶媒系による再結晶操作(単一溶媒で効率良い再結晶操作が出来なかった場合に取る選

択肢。あくまでも、二相系溶媒で再結晶操作を行うよりは単一溶媒系で行った方が良い)

(ア) 二相系溶媒の組み合わせは溶けやすい溶媒(良溶媒)と溶け難い溶媒(貧溶媒)の

二つを組み合わせるという意味。

(イ) 固体サンプルを収めたナスコルに「貧溶媒」を先に入れて、還流させる。

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(ウ) そこに良溶媒をちょっとずつ加えていき(足し算法)、溶かす。

(エ) 溶けた段階で静置するか、または引き算法による除媒を行う。引き算法による除媒

では、フラスコ内に結晶や曇り等が認められた段階で除媒を止める。

(オ) コツは、「貧溶媒の沸点>良溶媒の沸点」を満たす組み合わせを選ぶこと。良溶媒

としては塩化メチレン(沸点 40 ℃)やアセトン(沸点 56 ℃)が適する。

⑤ オイルバスの温度設定(+25 ℃~35 ℃)

(ア) 例えば、酢酸エチルで再結晶操作を行う際のオイルバスの温度設定を考える。酢酸

エチルの沸点はおよそ 77 ℃であるが、オイルバスの温度設定を 77 度にしても沸

騰しにくい。激しく沸騰することはない。

(イ) オイルバスの温度設定が 77 ℃でも実際のオイルの温度は 70 ℃ - 74 ℃くらい

である。だからフラスコ内の溶媒に伝わるエネルギー量は沸騰に必要なエネルギー

量よりも少ない。

(ウ) 「熱効率」を考えて、オイルバスの温度設定は溶媒の沸点に 20 - 35 ℃上積みし

た温度設定にする。

(エ) 酢酸エチル(bp 77 ℃→設定 +23 ℃の100 ℃)

トルエン(bp 110 ℃→設定 +30 ℃の140 ℃)

エタノール(bp 78 ℃→設定+27 ℃の 105 ℃)等

⑥ 再結晶サンプルの濾取

(ア) 静置フラスコに積もった再結晶サンプルを濾取する。せっかくきれいにした結晶を

汚さないための、上手くやる方法がある。

(イ) 真空ポンプ(アルバック社製、MDA-015)とスタンド、吸引瓶、グラスフィルタ

ー、氷水、冷溶媒、駒込ピペットを準備。→図説

(ウ) フラスコ内の結晶をスパチュラ等で細かく砕く。撹拌子(stirrer piece)を磁石で

フラスコから取り出す。

(エ) フラスコ内の内容物をグラスフィルターに注ぐ(この時まだ減圧吸引しない)。10

秒から 20秒自重で落とし、それから一気に減圧吸引する。しっかり溶媒を落とす。

(オ) ポンプのスイッチを切り、「冷溶媒」をグラスフィルターに貯め、スパチュラでか

き混ぜる(汚れを拡散させる意識を持つ)。

(カ) ポンプのスイッチを入れて一気に洗浄溶媒を落とす。一気に落とすと汚れも落ちや

すい。

(キ) ポンプのスイッチを切る。グラスフィルターの縁際を洗い、小さい「マイヤー」ま

たは「サンプル管」を用いて結晶を良くすりつぶし乾かす。これがポイント。

(ク) 再び「冷溶媒」をグラスフィルターに貯め、スパチュラでかき混ぜる(汚れを拡散

させる意識を持つ)。ポンプのスイッチを入れて一気に洗浄溶媒を落とし、グラス

フィルターの縁際を洗い、結晶を良くすりつぶす。これをあと計 1 – 2 回行う。

(ケ) 続いて真空乾燥を行う。加熱乾燥を行って残っている溶媒を除去する。場合によっ

ては加熱しない。また、真空状態に置く前に、再結晶サンプルはスパチュラでほぐ

した状態にする(フィルターにへばりついていることがある)。グラスフィルター

を薬包紙で蓋をし、四隅をセロテープで留めて、薬包紙の上に針で適度に穴をあけ

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る。→真空乾燥へ

(コ) 後に「サンプルの保管方法」にしたがい、保管瓶に収めておく。

⑦ その他の知恵

(ア) アセトニトリル(沸点約 78 ℃)で再結晶操作を行ったが、使う溶媒量が多い場合

→1つ増炭したプロピオニトリル(沸点97 ℃)を使う

(イ) メタノール(沸点約 65 ℃)やエタノール(沸点約 78 ℃)で再結晶操作を行った

が、使う溶媒量が多い→1-プロパノール(沸点 97 ℃)

(ウ) アセトン(沸点 56 ℃)で再結晶操作を行ったが、使う溶媒量が多い場合は 1つ増

炭したメチルエチルケトン(沸点約 80 ℃)を使う。

(エ) エタノールで再結晶操作を行ったが、いま一つ威力がない場合はニトリル系(アセ

トニトリル等)に溶媒をスイッチすると劇的にうまくいくことがある。

(オ) 油状物質を固体にしたい場合、氷水で冷やしながらスパチュラでこすったり(静電

気を発生させて固化させる)、氷水で冷やしながら「ヘキサン」をガラス壁に伝え

て加えながらこすったりすると固まりやすい。

(カ) 無理やり固化させるには、-78 ℃、-45 ℃、-20 ℃、-10 ℃等のバスにフラ

スコをつける。

(キ) なかなか結晶が出ない場合は、「種」を極少量加える。

(ク) 大きくてきれいな結晶を出したい場合は、加熱溶解後、オイルバスにフラスコを浸

したまま静置させて室温に戻す。

(ケ) 結晶は晶系(定性の一部)を必ずノートに書く。例えば、colorless cubes, yellow

needles, pale purple leaflets 等。大雑把には colorless crystalsでも可。

(コ) 虫眼鏡(小型ルーペ)で晶系を調べることも大切。

(サ) 加熱溶解後に不溶物・難溶物が認められた場合は、「ヒダ折りろ紙」に通して必ず

除去する。溶液(濁りのない澄み切った状態)を静置させて結晶を出すことがもっ

とも大事。

6. 精製方法:再沈殿操作について

① 再沈殿操作とは

再沈殿操作とは、良溶媒に溶けたサンプルを貧溶媒へ滴下していき、「固体化・粉末化」

させる操作のこと。再結晶操作ほどの精製能力は期待できないが、うまくやれば劇的に

不純物を除ける場合が多い。再結晶操作を行う前に再沈殿操作を行って、前段階できれ

いにする際にも用いられる。また、当該反応がある程度きれいに進行した場合、再沈殿

操作のみで相当程度きれいになることもある。溶媒の組み合わせとして、例えば、良溶

媒/貧溶媒=塩化メチレン/メタノール、クロロホルム/メタノール等。

② 方法

(ア) 出来るだけ少ない量の良溶媒に当該サンプルを溶かす。

(イ) 用いた良溶媒の容量の×5倍から×8倍程度の容量の貧溶媒を用意する。

(ウ) 貧溶媒を撹拌下、当該サンプルの溶けた良溶媒をゆっくりと滴下していく。初めは

一滴、一滴と落としていき、固化しているかどうか確認する(たいていは溶ける)。

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(エ) すると、ある一定量滴下したときに当該サンプルの「凝集による固化」が始まり、

溶液がうっすらと曇り始める。曇り始めたら、良溶媒の滴下を一時中断して、凝集

固化現象が落ち着くまで(plateau になるまで)待つ。

(オ) 固化現象が落ち着いたら(曇りがこれ以上大きくならない段階で)、再び良溶媒の

滴下を始める。この滴下速度は、初めゆっくりやるが、徐々に早めていけばよい。

(カ) 良溶媒を滴下し終えたら、1 時間程度撹拌して汚れを溶かす。

(キ) 続いてグラスフィルター等による濾過ろ取を行う。

(ク) グラスフィルターに流すとき、粉が非常に細かい fine powder になっていると減圧

濾過の際にフィルターがひどい「目詰まり」を起こしやすい。そのため、 初は自

重で落として吸引瓶でろ液を受ける。ある程度濾過出来たら、減圧下で吸引しなが

ら流していく。→図説

(ケ) すべて流し終えたら、溜まったサンプルを 3回程度貧溶媒で洗い、 後にグラスフ

ィルターの縁を貧溶媒で流す。十分溶媒を吸引瓶に集めたら(グラスフィルターの

足から溶媒が落ちなくなったら)、マイヤー等で粉体を上からしっかりと押さえて

扱いやすい粉体にする。

(コ) 真空乾燥させる。グラスフィルターに薬包紙で蓋をして、セロテープで薬包紙を止

める。場合によっては針で薬包紙に穴を適度に空けて通気する。

7. 精製方法:カラム精製について

① 準備するもの

(ア) フラクション(試験管、天秤台の下、1本約 20 mL 溜まる)

(イ) 二連球と二連球の先に取り付ける穴開きシリコン栓

(ウ) 適切な内径のクロマト管と綿をつめるガラス棒

(エ) クロマト管をたたく「シリコンコルク付き棒」を一つ

(オ) 綿(極少量)、海砂、中性シリカゲル(関東化学製 40-50um)

(カ) 有機溶媒をためるマイヤー、マイヤー蓋をするアルミホイル切れ端

(キ) 展開有機溶媒、駒込ピペットまたはパスツール

(ク) TLC 板(5 cm x 5 cm, 2 cm x 5 cm)

(ケ) 注意事項:

① 試験管はクロマト管の足ギリギリに立てかける。

② 試験管の下に余計なものは置かない(こぼれたら綿にしみこませて回収)。

③ こぼれた時は綿で拭き取って、漏斗に押し付けて有機溶媒で流して回収。

④ カラムは午前中に仕掛けた方がよい。失敗した時の精神的ダメージが少ない。

⑤ シリカを詰める作業は前日の夜に行い、当日の朝一でチャージをして作業開始。

② 溶媒検討‐TLCを使う決め方

(ア) 成功の決定的要素は「展開溶媒」。第一に、目ぼしい「良溶媒」と「貧溶媒」の組

み合わせを見つける。その後、目的物のスポット A と分離したいスポット B につ

いて下記 3点を満たす展開溶媒比を探す。

(イ) 3 回展開してRf 値 0.5 を境にスポットAとBがポジショニングをとっている。

(ウ) 3 回展開してRf 値 0.5 より下にスポットA とB がポジショニングをとっている。

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(エ) 3回展開してRf値0.5より上にスポットAとBがポジショニングをとっていない。

(オ) 一回展開のスポットには右線、二回展開のスポットには左線、3 回展開のスポット

には○囲み、を行う。実験ノートにもそのように書き記す。

(カ) 3 回展開後、TLC 板には Rf 値を鉛筆で書き込む。また、Rf 値=0.5 になるライン

に鉛筆で線を引く。発色液につけて確認。岩澤に報告。

③ シリカゲルの使用量の決定方法

(ア) カラム精製において目的物のみを分離するためには、用いるシリカゲルの容量も大

事な要素になる。この容量は「クルードの重さの何倍」という形で決める。

(イ) 何倍であるかどうかは経験値が重要になるが、 3回展開したTLC をもとに判断す

る( 初は岩澤に相談して指示を受けること)。たいてい 30 倍から 80 倍までの間

になる(但しケースバイケースである)。

④ 使用するクロマト管の決定方法

(ア) カラム精製において目的物のみを分離するためには、使用するクロマト管の内径も

重要な要素となる。これにも決め方がある。

(イ) うち計の決め方は次の式に従う

C (g)×B (倍数) ÷ 0.5 (g/cm3) = 3.14 × r2 (cm2)×h (cm)

C : クルードの重さ(既知)、h : シリカ高(シリカの積もる高さ、既知)

(ウ) 0.5 の意味:シリカゲルは溶媒に浸潤すると、密度がおよそ 0.5 になると言われる。

この値のこと。

(エ) h とは:積もったシリカゲルの高さのこと(「シリカ高」と呼ぶ)。これは岩澤と相

談して決める。たいてい 11 cm ~ 15 cm を指定する。内径の値によって実際の高

さは多少変化するが、気にしない。

(オ) こうして r (クロマト管の内径) を決める。

(カ) 電卓(100 円ショップの商品で十分)をポケットに入れておくと便利。

⑤ シリカゲルの詰め方

(ア) カラム精製において目的物のみを分離するためには、シリカゲルの詰め方も重要

(イ) 研究内容や研究室によってやり方は異なるが、我々のグループは「しっかり詰める」

方針で行く。

(ウ) クロマト管の先に極小量の綿を詰める→図説。綿は必ずほぐして入れる。詰めると

きは先のとがったガラス棒を使う。

(エ) その上に海砂を少量載せる→図説。界面を乱さないためと言われる。

(オ) C (g)×B (倍数)のシリカゲル(関東化学製 40-50um)を目方の荒いほうの秤(A and E

2000i)で「ビーカー」に秤取る。

(カ) 展開溶媒を用意する。200, 300, 500mL または 1000mL のマイヤーに正確な比の良

貧溶媒を秤取り、駒込ピペットで十分に混ぜ合わせる。この溶媒に口に合うアルミ

ホイルを切り取り蓋として扱う。

(キ) 調製した比の溶媒をシリカの入ったビーカーに加える。この時ビーカ―の縁からゆ

っくり入れる。十分濡らしてから、真ん中部位のシリカに溶媒を加えていき、浸潤

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させる。→図説

(ク) 十分浸潤させたシリカゲルをスプーンで少量ずつクロマト管へ注いでいく。

(ケ) 注意することは 2点。①クロマト管の上にプラスチック製漏斗を取り付けて、注ぎ

やすくする。②先に詰めた海砂を乱さないように、ゆっくりクロマト管の壁に伝え

て浸潤シリカを注ぐ。

(コ) ある程度入れたらあとは気兼ねすることなくどんどん入れていく。

(サ) 入れ終わったら、「シリコンコルク付き棒」でクロマト管を叩いてシリカゲルを詰

めていく。前面 10 回叩いたらバランスをとるため後ろ面 10 回叩く。右面 10回叩

いたらバランスをとるために左面も 10 回叩く。およそ 10 分~15 分しっかりと叩

いて詰める。この間注意すべきことは次の 2点。①溶媒を枯らさない。②詰めてい

る 中はコックは開けておいて、溶媒が枯れそうになったらコックを閉じる。

⑥ クルードのチャージ・シリカゲルへの吸着の仕方

(ア) クルードをカラムの展開溶媒に溶かす。クルードがオイルの場合や、クルードが固

体で展開溶媒に溶けやすい場合は、展開溶媒をそのままクルードに加えて良い。但

し、溶媒を入れすぎないこと。少量に抑えることがとても重要。多く入れすぎると

分離しなくなる。

(イ) クルードが固体で展開溶媒に溶け難いことが予想される場合、まずクルードに対し

て良溶媒を加える。その様子を見た後、溶解が遅い場合はソニケータ(超音波洗浄

装置、239室入ってスグ右下)にかけて溶かす。それからクルードが入ったフラス

コを揺らしながら展開溶媒の比に合った貧溶媒を加える。コツは溶媒の入れすぎに

注意する点。

(ウ) シリカゲルへのチャージはクルードの溶液をクロマト管の壁に伝えることを通し

て行う。こうすればシリカゲル表面を乱すこともない→図説。チャージする量が多

い場合、シリカの上に3-5mm 程度以上は貯めず、小分けしてチャージする。ま

た、チャージする際は自重で行う。二連球で加速させないことがポイント。

(エ) 全てチャージしたら、展開溶媒でクロマト管の壁面を流してきれいに洗い込む。こ

の際も少量の展開溶媒で小分けして洗い込む。

(オ) 以上が終わったら、展開溶媒を徐々にクロマト管に流し込み、積み上げていく。

⑦ 流速の調製

(ア) クロマト管から展開溶媒を押し流す「流速の調整」もカラム成功のための重要な要

素。早すぎてもダメで、遅すぎてもダメ。「適度な液滴の速度設定」が大事。流速

は「綿及びシリカの詰め具合」及び「二連球の押し具合」でほぼ決まる。→図説

(イ) ポタポタポタポタという液滴になるように二連球を押す。二連球を押しすぎると圧

力に負けて飛び出すので注意。また、押す程度はごく小さめで十分。

(ウ) 流速はできるだけカラムの初めから終わりまでを一定にする。化合物のシリカゲル

への吸着にムラができてしまい、上手く分かれないことがある。

⑧ TLC(5 cm × 5 cm)を使ったスポットの確認

(ア) カラムを始めたら、TLCによるスポットの確認作業を行う。この際のTLCは 5 cm

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x 5 cm のサイズを使う。

(イ) TLC板の左端に必ずクルードのスポットを打つ→図説。

(ウ) カラム TLC の展開溶媒は、カラムと同じ展開溶媒をほとんどの場合使用する。但

し、もっとわかりやすい溶媒やRf値が上がる溶媒系を用いても良い。

(エ) 大雑把に3,6,9,12,15番のフラクションを打ち、どのあたりにどのスポ

ットが出ているかを確認する→図説。この際に、必ずゼロ番のマイヤー等に入った

サンプルも打つ。

(オ) そのあとで、スポットが出た番号付近を1 番刻みでスポッティングしていく。

⑨ フラクションの集め方(綿を通してシリカゲルを除去)

(ア) 目的物のスポットがシングルスポットとして存在するフラクションを把握できた

ら、該当するフラクションの溶液を集める。一つのフラクションは九部目迄いれた

らおよそ20 mL 入るようにできている。そこから換算して合計で何 mL あるか

見当をつける。

(イ) その量の約3倍から5倍のナスフラスコにグラス漏斗を差して内容液を集める。そ

の際大事なことは、グラス漏斗にほぐした綿をつめて漏れ出たシリカゲルを除く→

図説。その後、エバポレータで除媒。

(ウ) 小さいフラスコに移し替える。この際には、できるだけクロロホルム溶媒で集める

(NMR 測定時に展開溶媒の残留ピークを防ぐため)。クロロホルムに溶かした溶液

にシリカゲルが浮いていたり埃が浮いていたりしたら、綿をつめたパスツールや綿

栓した漏斗でそれらを除去する→図説。

(エ) エバポレータで除媒→真空乾燥。化合物によっては加熱真空乾燥機にかける。

(オ) 精製後は即時NMR 測定→このサンプルを使ってTLC で純度を確認する。

8. 実験活動におけるその他の事項

① NMR 測定・サンプル調製について

(ア) 汎用する CDCl3 の脱酸・脱水・蒸留:新品の CDCl3(100mL)は岩澤の居室にある

冷蔵庫に保管してある(その他重溶媒も同様)。これを取り出してデシケータ内で

室温に戻す→ガラス漏斗に「綿 と アルミナシリカ と 硫酸ナトリウム」をこ

の順に詰め、 CDCl3を流す→図説。受器は 15/25 口の 100 mL ナスフラスコ。→

ト字管+リービッヒ冷却管付きの素蒸留、目安は初留3 mL、残渣 3 mL。受器は

きれいな瓶に集める。瓶には「ガラス漏斗」を載せて集める。

(イ) サンプルをNMR チューブに収める際は、液高 4.0 -4.5 cm になるようCDCl3を加える(定規を胸ポケットに用意しておく)。1H NMR 測定サンプル量は分子量

500以下ならば 6 mg, 分子量500-1000ならば 10 mgを目安にする。積算回数(ns;

number of scan)は 8回で十分。

(ウ) 13C NMR 測定は必ず積算回数 256 または 512 で S/N を良くする。そのため、

測定散布量は分子量 500 以下ならば >50 mg、分子量500-1000 ならば >80 mg を

目安にする。とにかく大量のサンプルを使い、30分以内の測定で完結させる。

(エ) 解析ソフトで解析し、必ず印刷版をファイルで綴じる。表示化学シフト値幅は基本

的に-0.1 ~ 9.9 ppm に設定。右下空欄には「定性と定量」を必ず記載。

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(オ) 他は測定マニュアルを参照すること。

(カ) 他種類の重溶媒が必要な時は岩澤に尋ねること。

② 廃液及びシリカゲルの捨て方

(ア) 有機廃液は研究室内の廃液ポリタンクに捨てる。満タンになったら、3枚複写の「廃

液捨て届け用紙(簡単、入ってすぐの青色ボックスに所在)」に必要事項を記入し

て倉庫まで捨てに行く。 初のころは先輩についてきてもらえば良い。決して貯め

置きしない、危険回避のため。

(イ) 各自実験台に廃液捨て瓶を用意しておく。コーヒーの空瓶等を使う。

(ウ) 使用済みシリカゲルは専用の捨て箱(一斗缶をくりぬいて、中にゴミ袋を詰めてあ

る)に捨てる。。

(エ) シリカゲルを吸うことは危険なので、できるだけ飛散しないように中袋をしぼめて

捨てる。

③ 回収溶媒

(ア) 有機溶媒の有効利用及び経費節減のため、カラム展開溶媒の残りやエバポ球に溜ま

ったきれいな混合有機溶媒を「回収溶媒」としてガロン瓶や 500mL 瓶に詰めて洗

浄用・洗い物用溶媒として再利用する。→ ガロン瓶、一斗缶の説明をする

(イ) 回収溶媒瓶には必ず「回収溶媒」と書いたシールを貼る。各自回収溶媒用の 500mL

瓶を持つこと。また、それがいっぱいになれば、回収溶媒用のガロン瓶に収める。

④ 安全事項について

(ア) ガラス乾燥オーブンの電源オフ

(イ) エバポレーター類の電源オフ

(ウ) ドラフトの電源オフ

(エ) アルゴンボンベの元栓を閉める

(オ) 冷蔵庫が開けっ放しになっていないか、確認

(カ) 水道の止栓、確認

(キ) 窓が閉まっていることを、確認

(ク) 真空ポンプの電源オフ

(ケ) 終夜反応の安全確認、貼紙確認

(コ) 実験台上に溶媒瓶が放置されていないか、確認

(サ) 耳を澄ませて、異常音等が無いか、確認

(シ) エアコンの電源オフ

(ス) 換気扇と部屋電気のスイッチオフ

(セ) 239 部屋の施錠と鍵保管

追記:夜遅くに 1 人で実験しない、そのためには 920am スタート、キャピラリーで目を傷

めないよう、239 室の電話機前にある緊急時連絡先を控えておく、お互いに日ごろから声を

かけあうコミュニケーションを取りあう

⑤ 部屋の掃除について

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(ア) 業務用掃除機で床を清掃。椅子やゴミ箱はベンチ上に載せるか、または外に出して

掃除をしやすいようにしておく。

(イ) 他のメンバーは雑巾を用いて拭き掃除。真空ポンプ、ガラス乾燥器の上部、ドラフ

ト内、エバポ架台を含むエバポ装置類一式、小物入れボックスの上部、中央実験台

の真ん中部分、加熱真空乾燥機の内外部位、デシケータの上部、カーテンレース付

きガラス置き場の上部、冷蔵庫の上部、ボンベ類の上部・肩部・レギュレータ部、

ガラスを入れてある本棚の上部(埃がたまりやすい)

(ウ) 真空ポンプのオイル交換、オイル点検

(エ) 「窒素/真空ガラスライン」のオイル拭き塗り

⑥ 終夜反応貼り紙について

(ア) 「終夜反応は基本的に怖いもの」という認識を持つ。無人環境での実験は万一事故

が起きた際に対応が遅れることは必至だから。

(イ) 終夜反応を行う時には必ず「終夜反応シート→配布」に書き込み、スターラー前面

に貼りつける。239室入ってスグのブルーボックスに入ってある。

(ウ) 終夜反応には、「氏名・緊急時連絡先・化学反応式と反応条件(non-chemists)・毒

性可燃性腐食性等に関する連絡事項(for non-chemists)」などの重要な事項を記載

する。翌朝、岩澤が見回った際にスグ理解できるようにして置く。

終夜反応の貼り紙をここに貼りつける

終夜反応シート(安全で見やすい場所に貼り付けること)

氏名:

緊急時連絡先:

化学反応式と反応条件(for chemists):

毒性・可燃性・腐食性等に関する連絡事項(for non-chemists、略称

等は使わない):

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⑦ ガラス器具乾燥機の周辺事項

(ア) ガラス器具を乾燥するときはステンレス籠に収めて乾燥機に入れる。アルミホイル

で名札(マジックで名字を記載)を掛ける。

(イ) 朝、研究室に来たら、乾燥機から自分のガラス器具の籠(親切心があれば他人の籠

も)を取りだす。ガラス類は所定の場所等に丁寧に収める。割らないように。

(ウ) 239 室の乾燥機は「排風式」といって、乾燥機内部の湿った熱風が排気される乾燥

効率の高いシステム器になっているので早く乾く。また、内部温度が 80 ℃上限に

なっている。過上昇すると自動的にスイッチが落ちる。

(エ) 使わない場合は極力スイッチを入れないようにする。

⑧ ドライアイスメーカの使い方

(ア) 当研究室ではサイホン式ボンベを使ってドライアイスを作っている。外注はしない。

サイホン式ボンベに直付けした集冷器(青色)を使う。

(イ) 使う時は必ず「今からドライアイスのボンベを開けます」と声をかける(大きな音

がでるので一声かけないと皆ビックリして迷惑となる)。

(ウ) 備え付けの耐寒性手袋を着用後、少しずつ栓を開け、大きい音がいきなり出ないよ

うにする。備え付けの青い集荷布袋に液体CO2を集める。

(エ) ある程度集まったら、集荷布袋をギュッギュッと押さえてドライアイスを固める。

コツはドライアイスは少量でも十分冷却能力があるので、作り過ぎないように注意

すること。せいぜい 3、4分。

(オ) 作ったドライアイスを保管したい場合は、専用の発泡スチロール箱に収める。これ

は冷蔵庫の上に置いてある。

(カ) ボンベ使用後は閉栓し、T字バーを隣のアルゴンボンベへ移す(二酸化炭素ボンベ

は直付けのため、間違って開栓すると危険だから)。

(キ) 低温バスを作るときは、実験台上ではなく出来るだけ、床またはドラフトで行う(冷

気が漏れてベンチの大事な有機化合物に水がつくのを防ぐため)。

(ク) 初めのころは先輩等に必ず尋ねること。

⑨ 真空ポンプの使い方

(ア) 当研究室の真空ポンプは 3種類。窒素/真空ライン用、真空乾燥用、減圧蒸留用の3

種類。いずれもアルバック機工製の高真空ポンプ。モーターの回転音の熟知がポイ

ント、音で異常か正常かを見極める。

(イ) 使用開始時の注意:真空にしたい系が閉じているか確認する。オイル窓を覗いて、

max ラインや min ラインを超えていないかどうか確認。それからスイッチ ON。

低 5分間の「暖気運転」を行う。音に注意。

(ウ) 使用中の注意:器械の「腹部分(モーター)内蔵部」が熱くなる。ここが異常に暑

くなっていないか時々触って確認を行う。

(エ) 使用終了時の注意:オイルの逆流に注意!必ず真空ラインの系をどこか一つ開けて

1 気圧外気に通じさせたうえで(=リークさせたうえで)「1,2,3」と声を出し

た後に、本体のスイッチを切る。開けたコックは開けっ放しにして置く。

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9. 週報(Chem Draw 使用)→別紙参照、上級生の週報会に参加見学します

① 報告の実例をうまい上級生に見せてもらい必ず参考にすること。

② 別紙のChem Draw ファイルを使用(左20mm、右 20mm、上 35mm、下 15mm 余白

を既につけてある)。Chem Draw ファイルのテンプレートを既に岩澤が作成している

ので、それを上級生に譲り受けること。日付(2008 年 4月 1日なら 080401)、学年(4

回生ならば B4、修士ならM1、M2)、名前(岩澤哲郎ならば Tetsuo IWASAWA)。各

項目はアンダーバーでつなぐ。表記スタイルは「スタイル Arial, フォントサイズ 10,

ACS Document 1996, ページサイズA4」で統一。必ずNext Plan を入れて、次に行う

予定の実験を2 つほど記入。

③ 一週間または二週間内に行った実験データを実験番号とともに、原則全て箇条書きにし

て記す。項目ごとにスキーム、定性、定量(収率や絶対量)、テーブル等でまとめる。

冗長な文言は原則不要。特記事項は紙面にボールペン等で直に書きつけるか、言葉で伝

える。データの比較等必要ならば前回のデータをテーブル等に組み込む。

④ 用意するものは次の6点。実験ノート、サブノート、スペクトルデータ(NMR,MS)、

筆記用具、今までの週報を綴じたファイル、週報 2部以上(岩澤と実験者の分)。

⑤ 報告スタイルとして、報告者がまず一通り読み合わせを行い、リードする。

10. Chem Draw の使用について

① Chem Draw: 分子の化学構造を作図するソフト。化学系、特に有機化学系の研究

室では常用する著名なソフト。Cambridge Soft 社の製品。簡単な英語で各タグは

示されており、また、直感的に操作できるように工夫されている。 1 号館 612 室

(パソコンルーム)に新しい版のChemDraw ソフトがインストールされている。

② 我々の研究室では見栄えを統一するために、実際の論文投稿でも汎用される ACS

スタイルを用いる。 次の③と④をまず第一に必ず設定する。

③ Click ‘File’ →‘Apply document settings from’ → ‘ACS document 1996’ を選択。

④ Click ‘File’ →‘page setup’ → 用紙サイズを「A4」に設定 → 印刷の向きを「横」

に設定 (A4にすることで印刷する場合に対応、横向きにすることでモニタに全

範囲が入るように対応)

⑤ 今後ChemDraw を開いたら、第一にこの設定を行ってください。

⑥ 別紙「ChemDraw講習」へ。

11. 文献セミナーについて→別紙参照、上級生のセミナーに参加見学します

① 【ネタ探しのポイント①~⑤】質の高いセミナーにして、我々の実験結果の質向上に直

結させたい。セミナー実施の意図はこの一点。質の低いセミナーは時間の無駄。

② Nature (30), Science (30), JACS (8), Angewandte Chemie (10), Chemical

Communications (5-6), Organic Letters (5-6), Joural of Organic Chemistry (3-4),

Tetrahedron (2-3), Tetrahedron Letters (2-3) をメインに調べる。但し大事なのは内容

だからこの限りではない。

③ 「自分の実験をうまくいかせるためのヒントが具体的に所在する」と(本気で)感じる

ペーパーを引っ張ってくる。

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④ 合成上のヒントがある論文。この視点も重要。

⑤ 常日頃からジャーナルをチェックし、よいと思うペーパーはその都度、自分の PC に

PDF 保存する→IF 値の高い Journal のURL 集を渡すので欲しい人は岩澤か先輩に言

って譲り受けてください。

⑥ 【A4 用紙のまとめ方のポイント⑥~⑧】化学式、構造式、を効果的にうまくまとめる。

⑦ 合成法、合成ルートを丁寧に書く。反応式→の上下にa,b,c..等の表記は厳禁。

⑧ 自分の仕事と関連付けて、自分の実験をうまくいかせるためにはどうすればいいか、を

記す。これは非常にレベルの高いまとめ方の点。

⑨ 別紙「セミナー講習」へ。

12. 研究成果に関する要旨及びプレゼンテーションについて(対デザイン演習発表、卒論発表)

→上級生や学会でのプレゼンを見本に

① 要旨に関しては別紙テンプレートを参考にする。

② スライドの作り方:我々の研究室専用のパワーポイントテンプレートに従う。冗長な文

章や文言はスライドに書かない。基本的には次の手順; Chem Draw で作図 → TIFF

ファイルに変換 → パワーポイントに挿入タグから図を貼り付け → ノート機能に話

す事項を箇条書き

③ 発表の仕方の注意点: も大事なことは自分の仕事内容を理解すること。

④ 大きな声でゆっくり話す。スライド 1枚につき 1分間喋ることが目安。また、本番まで

に 30 回は読み合わせの練習をする。1 回終わるごとに「正」の字を書き足していく。

レジメを見て話すことは厳禁。

⑤ スライド上で指し示す内容の順は「左から右、上から下」が基本。聴衆が注目しやすい

よう、字面を読む順と同じにする。

⑥ レーザーポインタを持つ手はしっかりと腰にあて、スライド画面上でポインタ印がむや

みに動かないようにする。

⑦ 質問に対する答え方:質問内容が解りにくい時は必ず「すいませんが、もう一度言って

いただけますか?」と聴き直す。また、やすやすと「わかりません」と言わないように

する。回答を素直に考えて、話すように心掛ければ案外上手くいくことが多い。

13. 英語演習

① 汎用される英単語

低限知っておくべき英単語を記す。

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有機溶媒等試薬

アセトン acetone メタノール methanol

トルエン toluene エタノール ethanol

プロパノール propanol クロロホルム chloroform

塩化メチレン dichloromethane ヘキサン hexane

ジエチルエーテル diethyl ether アセトニトリル acetonitrile

プロピオニトリル propionitrile 石油エーテル petroleum ether

エチレングリコール ethylene glycol ベンゼン benzene

酢酸 acetic acid 塩酸 hydrochloric acid

硫酸 sulfuric acid 重曹 sodium hydrogen carbonate

水酸化ナトリウム sodium hydroxide 1,4-ジオキサン 1,4-dioxane

アニリン aniline ピリジン pyridine

フェノール phenol キシレン xylene

クメン cumene メシチレン mesitylene

塩化ナトリウム sodium chloride 炭酸カリウム potassium carbonate

薄層クロマトグラフィー thin-layer chromatography 硝酸 nitric acid

トリエチルアミン triethylamine リン phosphorus

水素 hydrogen アルゴン argon

リチウム lithium ホウ素 boron

炭素 carbon 窒素 nitrogen

酸素 oxygen フッ素 fluorine

硫黄 sulfur 塩素 chlorine

カリウム potassium 周期表 periodic table

化合物 chemical compound 目的物 target molecules

出発原料 starting material 触媒 catalyst

粗生成物 crude 再結晶 recrystallization

再沈殿 reprecipitation 反応停止 quench

飽和食塩水 brine 終夜反応 overnight reaction

元素分析 elemental analysis カルボン酸 carboxylic acid

アルデヒド aldehyde アルコール alcohol

酸化 oxidation 還元 reduction

基質 substrate 触媒回転数 turnover number

不斉反応 asymmetric reaction 遷移金属 transition metal

有機化学 organic chemistry スキーム scheme

合成 synthesis 研究室 laboratory

三つ口フラスコ three neck flask 分液ロート a separatory funnel

吸引瓶 suction flask 三方コック 3-way cock

油浴 oil bath 水浴 water bath

エバポレータ evaporator シリンジ syringe

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無色針状結晶 colorless needle crystal 沸点 boiling point

融点 melting point 密度 density

二酸化炭素 carbon dioxide 一酸化炭素 carbon monoxide

カラムクトマトグラフィー column chromatography 精製 purification

半径 radius 高さ hight

エナンチオマー enantiomer 異性体 isomer

鏡像 mirror image ジアステレオマー diastereomer

キラル chiral オレフィン olefin

アルキン alkyne アルケン alkene

ケトン ketone エステル ester

酢酸エチル ethyl acetate エポキシド epoxide

縮合 condensation 反応時間 reaction time

テトラヒドロフラン tetrahydrofuran カルボニル基 carbonyl group

エノラート enolate 付加反応 addition reaction

ロビンソン環化 robinson annulation 6員環 six-membered ring

5員環 five-membered ring 銅 copper

パラジウム palladium ニッケル nickel

カルボアニオン carbanion カルボカチオン carbocation

求電子剤 electrophile 孤立電子対 lone pair

求核剤 nucleophile 置換基 substituent

ジオール diol ベンジル基 benzyl group

ベンゾイル基 benzoyl group 1 級アルコール primary alcohol

2 級アルコール secondary alcohol 3 級アルコール tertiary alcohol

ペプチド peptide 核酸 nucleic acid

糖 sugar, glyco- チオール thiol

チオフェン thiophene ピロール pyrrole

均一系反応 homogeneous reaction 不均一系反応 heterogeneous reaction

実験ノート experiment notebook 保護基 protective group

脱保護 deprotection 脱離基 leaving group

全合成 total synthesis 二重結合 double bond

三重結合 triple bond 無水溶媒 anhydrous solvent

ラジカル反応 radical reaction 量論反応 stoichiometric reaction

酵素 enzyme シュレンク反応管 schlenck tube

収率 yield 配位子 ligand

当量 equivalent 有機溶媒 organic solvent

原子効率 atom economy 学会 congress

要旨 abstract 超分子化学 supramolecular chemistry

反応機構 mechanism 反応中間体 reaction intermediate

共役 conjugation 遷移状態 transition state

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② 実験ノートや実験項における知っておきたい英文(8編)

1.

To a solution of 1 (136 mg, 0.20 mmol) in THF (3 mL) at –78 °C was added n-BuLi (0.21 mmol, 1.59

M in hexane) dropwise over 3 min and the mixture was stirred for 2 h. PCl3 (29 mg, 0.21 mmol) was

slowly added over 2 min, and the reaction was allowed to warm to room temperature. After stirring

for 4.5 h, the solvent was thoroughly removed in vacuo, and to the residue was added THF (2 mL) and

(R)-(+)-1,1’-bi-2-naphthol (69 mg, 0.24 mmol), and then Et3N (42 mg, 0.42 mmol). After stirring for

8 h at ambient temperature, all the volatiles were evaporated. The mixture was dissolved in benzene

(30 mL), and washed with water (30 mL x 2), and brine (30 mL), and dried over Na2SO4.

Purification by silica gel column chromatography (hexane/benzene = 2/1) gave 2 as white solid

materials (79 mg, 43%) of []25D - 158.5 (c 1.04, C6H6). 1H NMR (400 MHz, C6D6) δ 7.78-7.67 (m,

4H), ...

2.

KF (87 mg, 1.5 mmol) was dried in vacuo in a Schlenk flask with heating (heat gun), then

2-(2-chloro-3-methoxyphenyl)-1,3-dioxolane (107 mg, 0.5 mmol), o-tolylboronic acid (102 mg, 0.75

mmol), Pd2(dba)3·CHCl3 (2.6 mg, 0.0025 mmol), and phosphonite 2 (5.5 mg, 0.006 mmol) were added.

The whole system was evacuated and backfilled with argon three times, and 1 mL of THF was added.

The reaction mixture was stirred at room temperature for 10 min, and then conducted in refluxing THF

(bath temp. 75 ºC) for 5 h. After the reaction, the mixture was diluted with 10 mL of EtOAc, and

filtered through a pad of celite and florisil. Purification by silica gel column chromatography

(hexane/EtOAc/C6H6 = 8/1/1) gave a desired biaryl19 (129 mg, 96%) as white needles. The ee was

determined by HPLC analysis to be 33% with Daicel Chiralcel OJ (eluted with hexane-iPrOH 75/25,

270 nm, flow rate 0.5 mL/min, column temperature 298 K, retention times: 14.24 min for R with

33.7 %; 18.95 min for S with 66.3 %). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.37 (m, 1H), ...

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3.

The mixture of 2 (2.70 g, 1.68 mmol) and cesium fluoride (5.14 g, 33.8 mmol) in DMF (160 mL) was

stirred at 80 ºC for 5 min, and followed by the addition of a DMF solution (20 mL) of catechol (592 mg,

5.38 mmol) over 15 min. After vigorous stirring for 90 min, the reaction mixture was allowed to cool

to ambient temperature, and quenched by pouring into 1N HCl aq. (720 mL), and stirred for 25 min.

The resultant precipitations were filtered, and washed with water (350 mL), and then completely

dissolved in CHCl3 (250 mL). The mixture was transferred into a separatory funnel, and the organic

phase was dried over Na2SO4, and filtered, and concentrated in vacuo to give crude products as brown

solid materials (3.85 g). Purification by column chromatography (CH2Cl2/EtOAc = 92/8) afforded

pale yellow solid materials, which were recrystallized from EtOH (23 mL) to give 3 as white powders

of 1.11 g in 49% yield. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 7.98 (brs, 4H), …

4. 3 (136 mg, 0.1 mmol) in a 20 mL Schlenk flask was evacuated

and backfilled with argon three times, and the degassed toluene

(2 ml) solution was added and the mixture was stirred at 75°C for

6 min. The mixture was added Et3N (49 mg, 0.48 mmol), and

stirred for 11 min, and followed by the addition of [(CH3)2N]3P

(39 mg, 0.24 mmol). After stirring for 70 min, the reaction

mixture was filterd, and washed with toluene (10 mL), and then

the filtrate was concentrated in vacuo to give crude products as

pale yellowish colorless oil (189 mg). Purification by

short-plug column chromatography (CH2Cl2 only) afforded white solid materials, which were

reprecipitated from MeOH (10 mL) to give 13 as white powders of 64 mg in 43% yield. 1H NMR

(400 MHz, CDCl3) 7.81 (dd, J = 3.2 Hz, 6.4 Hz, 4H), 7.53 (dd, J = 3.2 Hz, 6.4 Hz, 4H), 7.31 (s, 4H),

7.21 (s, 4H), 5.69 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 4.60 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 2.85 (d, 4JPH = 11 Hz, 12H), 2.31 – 2.20

(m, 8H), 1.50 – 1.22 (m, 72H), 0.90 (t, J = 5.5 Hz, 6H), 0.89 (t, J = 5.5 Hz, 6H). 1H NMR (400 MHz,

toluene–d8) 7.74 (s, 4H), …

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5. To the 200 mL of one-neck flask charged with 7 (2.5 g,

7.9 mmol) was added bromine (0.8 mL, 16.6 mmol) in

CCl4 (48 mL), and the mixture was stirred for 2.5 h at

room temperature. The reaction was quenched with

MeOH (40 mL) at 0 °C, and allowed to warm to room

temperature. The resultant precipitates were added

MeOH, filtered off, concentrated in vacuo to give a crude as a pale brown powders. Purification by

recrystallization from benzene (26 mL) affored 8 (2.9 g, 80%) as pale yellow needls. 1H NMR (400

MHz, CDCl3) δ 8.44 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 8.26 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 8.13 (s, 2H), 3.30 (t, J = 8.2 Hz, 4H),

1.83 (tt, J = 8.2 Hz, 8.2 Hz, 4H), 1.59 – 1.47 (m, 4H), 1.01 (t, J = 7.3 Hz, 6H). EI-MS m/z : 472 (M+).

Anal. Calcd. For C24H24Br2: C, 61.04; H, 5.12. Found: C, 60.97; H, 5.06.

6.

To the solution of well-dried 8 (300 mg, 0.64 mmol) in anhydrous toluene (3 mL) and N, N, N’,

N’-tetramethylethylenediamine (0.38 mL, 2.56 mmol) at -20 °C was added n-butyllithium (1.92 mmol,

1.65 M in hexane) dropwise over 5 min, and the solution was stirred for 1 h (yellow solution). To the

yellow solution was bubbled gaseous CO2 for 10 min at -20 °C, and added anhydrous toluene (3 mL),

and allowed to room temperature with bubbling CO2 for 30 min. The reaction was quenched with

MeOH (30 mL) at 0 °C, and allowed to warm to room temperature. To the resultant precipitates and

lithium carbonate (473 mg, 6.4 mmol) in DMF (8.1 mL) was added iodomethane (0.40 mL, 6.4 mmol)

dropwise over 3 min. After stirring at room temperature for 16 h, the mixture was added to 1 N HCl

aq. (24.3 mL) at 0 °C, and allowed to room temperature. The resultant precipitates were filtered off,

and washed with water, dissolved in dichloromethane (50 mL), and the solution was transferred into a

separatory funnel. The aqueous layer was extracted with dichloromethane (10 mL × 2, 5 mL × 1),

and combined organic phases were washed with brine (50 mL), dried over Na2SO4, filtered, and

concentrated in vacuo to give a crude as a yellow solid materials. Purification by column

chromatography (hexane/dichloromethane = 2/1) afforded 10 (220 mg, 80%) as yellow solid materials. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.26 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 8.49 (s, 2 H), 8.38 (d, J = 9.6 Hz, 2 H), 4.11 (s,

6 H), 3.37 (t, J = 7.3 Hz, 4 H), 1.85 (tt, J = 7.3 Hz, 7.3 Hz, 4 H), 1.52 (qt, J = 7.3 Hz, 7.3 Hz, 4 H), 1.01

(t, J = 7.3 Hz, 6 H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 168.6, 137.4, 131.3, 129.8, 129.1, 126.6, 125.4,

124.12, 124.05, 52.5, 34.1, 33.6, 23.1, 14.2. EI-MS m/z : 430 (M+). Anal. Calcd. For C28H30O4: C,

78.11; H, 7.02. Found: C, 78.33; H, 7.31.

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7.

Preaparation of 1: To the suspension of anthracene-1,8-diyldimethanol (250 mg, 1.1 mmol) in

dichloromethane (25 mL) was added MnO2 (383 mg, 4.4 mmol). After stirring for 1 h at room

temperature, 44 equivalent of MnO2 (3.8 g, 44 mmol) was added. After additional stirring for

overnight, the reaction mixture was filtered through a pad of silica gel and celite to afford a yellow

solution. The solution was evaporated off to give 1 as a pure form in 220 mg (85% yields). 1H

NMR (CDCl3, 600 MHz) 11.2 (s, 1H), 10.6 (s, 2H, CHO), 8.56 (s, 1H), 8.30 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.11

(dd, J = 6.6 Hz, 1.8 Hz, 2H), 7.69 (dd, J = 8.4 Hz, 1,8 Hz, 2H). All the other analytical data are

identical to the literature.

8. Synthesis of 3:

To the 50 mL sealed tube charged with the diamine 27 (174 mg, 0.094 mmol) and the dialdehyde 1 (22

mg, 0.094 mmol) was added 1,4-dioxane (0.8 mL). Immediately, the tube was soaked into pre-heated

oil-bath (100 ºC). After stirring for 24 h, the reaction mixture was allowed to cool to ambient

temperature and the volatiles were evaporated off. The residue was purified by silica gel column

chromatography (CH2Cl2/EtOAc = 20/1 ~ 9/1) to afford 3 in 124 mg (64% yield).

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③ 論文のイントロダクションにおける英語

1. 論文の構成は次の 8つくらいの部分から成り立つ。

タイトル → 所属・氏名 → アブストラクト → イントロダクション → Experimental

→ Results → Discussion → Summary

2. イントロダクション部の内容構成はしばしば次のような三段階の言い回しになる。

1段階「○○はとても大事である」→2段階「しかしながら、△△という問題を抱えて

いる」→3段階「この問題に対して我々は◎◎なやり方で取り組んだので、これについ

て今回報告する」

3. 下記イントロダクションのどこが1段階、2段階、3段階の部分でしょうか。

ref.) Atsumi, S.; Hanai, T.; Liao, J. C. Nature 2008, 451, 86.

Global energy and environmental problems have stimulated increased efforts towards

synthesizing biofuels from renewable resources. Compared to the traditional biofuel, ethanol,

higher alcohols offer advantages as gasoline substitutes because of their higher energy density and

lower hygroscopicity. In addition, branched-chain alcohols have higher octane numbers

compared with their straight-chain counterparts. However, these alcohols cannot be synthesized

economically using native organisms. Here we present a metabolic engineering approach using

Escherichia coli to produce higher alcohols including isobutanol, 1-butanol, 2-methyl-1-butanol,

3-methyl-1-butanol and 2-phenylethanol from glucose, a renewable carbon source. This

strategy uses the host's highly active amino acid biosynthetic pathway and diverts its 2-keto acid

intermediates for alcohol synthesis. In particular, we have achieved high-yield, high-specificity

production of isobutanol from glucose. The strategy enables the exploration of biofuels beyond

those naturally accumulated to high quantities in microbial fermentation.

4. 下記イントロダクションのどこが1段階、2段階、3段階の部分でしょうか。

ref.) Sammis, G. M. et al., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 4442-4443.

While significant advances have been made in the development of catalyst systems for

enantioselective 1,2-cyanations of aldehydes, ketones, and imines, no asymmetric catalysts for 1,

4-additions to , -unsaturated carbonyl compounds have been identified to date. Such

methodology would provide access to difunctional intermediates that are readily converted to a

variety of useful chiral building blocks, including -substituted- -aminobutyric acids and

-substituted- -amino acids (Scheme 1). We describe here the application of readily available

(salen)AlIII catalysts to the conjugate addition of hydrogen cyanide to , -unsaturated imides

with high enantioselectivity.

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5. 下記イントロダクションのどこが1段階、2段階、3段階の部分でしょうか。

ref.) Loy, R. N. et al., J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 2786-2787.

Oxetanes are receiving increased attention as

intermediates in organic synthesis and drug

discovery, thanks in part to the development of

new methods for their preparation. At this

stage, few enantioselective reactions of

oxetanes have been realized; these include ring

expansions catalyzed by chiral copper

complexes and ring openings with

organolithium reagents promoted by a chiral boron reagent. We became intrigued by the

possibility of activating oxetanes with (salen)Co(III) complexes for enantioselective ring opening

(e.g., eq 1), given the successful application of these catalysts in the asymmetric ring-opening of

epoxides. Herein, we describe intramolecular openings of oxetanes catalyzed by (salen)Co(III)

complexes 1 and 2 to afford functionalized tetrahydrofurans in high yields and enantioselectivities.

6. 下記イントロダクションのどこが1段階、2段階、3段階の部分でしょうか。

ref.) Movassaghi, M. et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 2456-2457.

Ring-opening of epoxides, particularly with carbon-based nucleophiles, is a highly valuable

synthetic strategy for the stereospecific elaboration of organic compounds. Despite the

venerable place held by enolates as carbon-based nucleophiles for organic synthesis, γ-hydroxy

carboxylic acid derivatives are rarely accessed via epoxide ring opening by acetate enolates,

largely because of the paucity of reliable and efficient methodology for such transformations.

Herein we describe a new and efficient route toγ-butanolides in a single step and under mild

reaction conditions from terminal epoxides (Scheme 1). Coupled with existing highly effective

methods for the asymmetric synthesis of terminal epoxides, this procedure provides ready access

to a wide variety ofγ-lactone derivatives in enantiopure form.

7. 下記イントロダクションのどこが1段階、2段階、3段階の部分でしょうか。

ref.) Rebek, J., Jr. et al.,Science 2007, 317, 493-496.

Products of unfavorable chemical equilibria are not readily observed because their high energy

and increased reactivity result in low concentrations. Biological macromolecules use binding

forces to access unfavorable equilibria and stabilize reactive intermediates by isolating them from

the medium. In a similar vein, we describe here a synthetic receptor that allows direct observation

of labile tetrahedral intermediates: hemiaminals formed in the reaction of an aldehyde carbonyl

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group with amines. The receptor encapsulates alkyl-substituted primary amines, then orients them

toward a covalently tethered aldehyde function. The hemiaminal intermediates appear at high

concentration, confined from the bulk solution and observable at ambient temperature by

conventional nuclear magnetic resonance spectroscopy.

④ 国際論文誌‐英語の研究論文について

* インパクトファクター = A / (B+C)

A: 対象雑誌の 2008 年と 2009年に掲載した論文が2010年に引用された延べ回数

B: 対象雑誌が 2008 年に掲載した論文数

C: 対象雑誌が 2009 年に掲載した論文数

* ジャーナルランキング、被引用回数、

* アメリカ化学会誌、Wiley-VCH、RSC、Elsevier、

13. 追記、メモ

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表題 : 副題 : 作成者 : 岩澤 哲郎 キーワード : 説明 : 作成日時 : 2010/02/06 15:34:00 変更回数 : 88 終保存日時 : 2010/02/06 17:34:00 終保存者 : 岩澤 哲郎

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