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SILENT WORLD ~透明標本~ ▼目的 ・骨格の特徴を比較する ・なぜ透明化するのか? ▼透明標本とは? 生物の骨格を観察するために様々な染色法を 用いて軟骨はに、硬骨はに染色して作る標 本のこと。 ▼手順 ①解剖 ノロゲンゲ以外のサンプルの腹部を切開し、 内臓を取り出す。このとき、皮や毛も剥ぐ。 ②固定 解剖したサンプルを10%ホルマリンに5日間 置換し固定する。 ③エタノール置換 50%エタノール⇒100%エタノール ④軟骨染色 100%エタノール:99%酢酸=4:13v/v%アルシアンブルーを混ぜた軟骨染色液に サンプルを1週間つける。 ⑤再水和 100%エタノールを20%づつ濃度 を下げていき、最終的に蒸留水に置換する。 この作業は一日おきに行う。 ホタルイカ Watasenia scintillans ハタハタ Arctoscopus japonicus ノロゲンゲ Bothrocara hollandi アユ Plecoglossus altivelis アマエビ Pandalus eous マアジ Trachurus japonicus ワカサギ Hypomesus nipponensis ハタネズミ Microtus montebelli ブタの足 Sus scrofa domesticus 自分たちでやってみよう! ▼使用したサンプル ⑥タンパク質の透明化 0.5%1%の水酸化カリウムにつける。 ⑦硬骨染色 水酸化カリウムとアリザリンレッドSを 混ぜた硬骨染色液に数時間から一日 つけました。 ⑧脱色 サンプルの余分な色を抜くために16 日間水酸化カリウム水溶液につける。 ⑨グリセリン置換 組織を20%グリセリンに置換し、濃度 20%づつあげていき、最終的に100% グリセリンに置換する。 ☆完成 富山県立入善高等学校 自然科学コース3

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SILENT WORLD

~透明標本~

▼目的 ・骨格の特徴を比較する ・なぜ透明化するのか?

▼透明標本とは? 生物の骨格を観察するために様々な染色法を用いて軟骨は青に、硬骨は赤に染色して作る標本のこと。

▼手順 ①解剖 ノロゲンゲ以外のサンプルの腹部を切開し、 内臓を取り出す。このとき、皮や毛も剥ぐ。 ②固定 解剖したサンプルを10%ホルマリンに5日間 置換し固定する。 ③エタノール置換 50%エタノール⇒100%エタノール ④軟骨染色 100%エタノール:99%酢酸=4:1と 3v/v%アルシアンブルーを混ぜた軟骨染色液にサンプルを1週間つける。 ⑤再水和 100%エタノールを20%づつ濃度 を下げていき、最終的に蒸留水に置換する。 この作業は一日おきに行う。

ホタルイカ Watasenia scintillans

ハタハタ Arctoscopus japonicus

ノロゲンゲ Bothrocara hollandi

アユ Plecoglossus altivelis

アマエビ Pandalus eous

マアジ Trachurus japonicus

ワカサギ Hypomesus nipponensis

ハタネズミ Microtus montebelli

ブタの足 Sus scrofa domesticus

自分たちでやってみよう!

▼使用したサンプル

⑥タンパク質の透明化 0.5%、1%の水酸化カリウムにつける。 ⑦硬骨染色 水酸化カリウムとアリザリンレッドSを混ぜた硬骨染色液に数時間から一日つけました。 ⑧脱色 サンプルの余分な色を抜くために16日間水酸化カリウム水溶液につける。 ⑨グリセリン置換 組織を20%グリセリンに置換し、濃度を20%づつあげていき、最終的に100%グリセリンに置換する。 ☆完成

富山県立入善高等学校 自然科学コース3年

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▼考察

②サンプルについて

~ブタの足~ ・身が分厚い ・期間が短い

失敗!

~透明化の失敗~ ・固定が不完全だった ・透明化の時間が長かった

サンプルの損壊

~タンパク質の透明化~ <水酸化カリウム> ⇒アミノ酸のペプチド結合が 強塩基性条件下で加水分解する

組織を溶解し透明化する

~エビの骨格~

・魚 骨の周りに 身が付いている

・エビ

身が殻に

囲まれている

身 身 身 身

~アマエビについて~ アマエビは外骨格をもつ

~ホタルイカについて~

イカには、コンドロイチンが多く 含まれるため、全体的に青く 染まった。

▼感想

三ヶ月間この実験をしてきて、毎日観察を続けるのがとても大変でした。実験の手順通りに進めていくのではなく自分たちで考えながらやるのも難しかったです。とくにタンパク質の透明化の段階でもともと使用する予定のトリプシンが高額のため使用できず、代わりの薬品はなにがよいか調べるのが大変でした。また、本で見た透明標本を成功させるには長い時間と高い技術、費用がかかることがわかりました。実験が行きづまることもありましたが、メンバーで協力して完成まで持っていくことができ、良い経験になりました。

結合 結合

~硬骨染色~ アリザリンレッドS カルシウムイオン ⇒硬骨が赤く染まる

▼溶液の反応 ~軟骨染色~ アルシアンブルー コンドロイチン硫酸基 ⇒軟骨が青く染まる

▼参考文献

[1] ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83 %A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83 %9A%E3%83%BC%E3%82%B8 [2] 富山大学生による実験レポート →染色液の混合方法

▼最後に…

◆ハタネズミの肋骨 ◆アマエビの外骨格 ◆ハタハタ、ノロゲンゲ マアジ、ワカサギの脊椎骨 が、確認できた!!

改善点

・固定や透明化させる段階で、 サンプルを種類別に分けて、十分になるまで行う。 ・トリプシンを用いて、サンプルの 透明化を行う。 ・小さな変化を見逃さないように 毎日しっかり観察する。

透明標本 成功!!

中が赤く 染まる

外が赤く染まる