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明快!!ゲーム音楽 クリエイターへの道しるべ!
株式会社テンペストスタジオ
代表取締役 稲毛 謙介
稲毛 謙介(いなげ けんすけ)
株式会社テンペストスタジオ 代表取締役/作編曲家・音楽プロデューサー
4歳からピアノ、14歳から作曲を始め、2001年音楽大学に進学。
大学では作曲を専攻し、冨田勲氏に師事する。
大学卒業後、株式会社コーエーテクモゲームスに入社。
『戦国無双シリーズ』をはじめとする数々の大ヒットタイトルでリードコンポーザー
を務め、多くのファンを獲得する。
現在は自身の制作スタジオである「株式会社テンペストスタジオ」を設立、
作編曲家・音楽プロデューサーとして活動する傍ら、自身のユニット「プロスペ
ロー」を率い精力的に活動を行っている。
また、業界の未来を担う優秀な若手の発掘・育成にも力を入れるなど、
ゲーム音楽業界の将来を見据えた教育活動も展開している。
講師自己紹介
・戦国無双4(株式会社コーエーテクモゲームス様)
・テレビ東京系列TVアニメ『戦国無双SP –真田の章-』
・ポポロコ(ジェムドロップ株式会社様)
・下天の華(株式会社コーエーテクもゲームス様)
・その他多数
最近手掛けた作品
講師作品 デモンストレーション
アジェンダ
① ゲーム音楽の役割について知る
② プロフェッショナルな技術力とは?
③ プロに求められる具体的な技術水準
④ まとめと質疑応答
① ゲーム音楽の 役割について知る
音楽の使用目的別分類
自立型音楽 貢献型音楽
【質問】 ゲーム音楽はどちらに 該当するでしょうか?
音楽の使用目的別分類
自立型音楽 貢献型音楽
ゲーム音楽 BGM
劇伴音楽 TVCF
ポピュラー 芸術音楽
ジャズ 民族音楽
ゲーム音楽は 貢献型音楽である
ゲームや映画等の上位コンテンツ
音楽無し だと寂しい
貢献型音楽の役割
音楽
母
体
と
な
る
上
位
コ
ン
テ
ン
ツ
を
引
き
立
て
る
こ
と
が
、貢
献
型
音
楽
の
最
大
の
役
割
で
あ
る
つまり・・・
ゲーム音楽は、ゲームという上位コンテンツを引き立ててこそ、初めてその存在意義が発揮されるのです!!
② プロフェッショナルな技術力とは?
技術力の公式
品質 早さ 貢献度 × ×
品質 = 楽曲のアレンジ面、サウンドクリエイト面全体のクォリティ
早さ = 楽曲の制作スピード
貢献度 = 上位コンテンツを引き立てている度合い
= 技術力 0〜10 0〜10 0〜10
10 10 10 × × = 1000
2 2 2 × × = 8
技術を磨くということ
プロとして求められるスキルは3つの円が重なったこの部分!!
品質 早さ
貢献度
3つのスキルが不十分な場合
(2×2×2程度)
貢献度
品質 早さ
3つのスキルが十分に身に付いている場合
(8×8×8程度)
ウデを 磨く!
貢献度について
貢献度をはかるパラメータ
サウンドコンセプトに合致しているか?
発注者が意図した通りの音楽になっているか?
場面や情動を適切に表現できているか?
貢献度とは、上位コンテンツを引き立てている度合いのこと。
平たく言うと、どんだけゲームを面白くしてるか!!
グラフィックとの整合性はとれているか?
合格!!
貢献度をはかるパラメータ
サウンドコンセプトに合致しているか?
発注者が意図した通りの音楽になっているか?
場面や情動を適切に表現できているか?
貢献度とは、上位コンテンツを引き立てている度合いのこと。
平たく言うと、どんだけゲームを面白くしてるか!!
グラフィックとの整合性はとれているか?
リテイク!!
あらゆる発注に応えられるだけの幅広い音楽力と、柔軟な対応力が貢献度を左右する!
③ プロに求められる 具体的な技術水準
その1:「品質」に関する基準
評価点 称号 基準
※商品価値=人様から正当な対価を頂くに値するレベルの品質
0 未経験者 1度も音楽を作ったことがない
10 スター 全国的にその名を知らぬ者はいないほどの高い評価
9 超一流 業界内でその名を知らぬ者はいないほどの高い評価
8 一流 不特定多数のプロと顧客が楽曲を高く評価している
7 二流 10人中10人のプロが商品価値を認めている※
6 三流 10人中8〜9人のプロが商品価値を認めている※
5 新入社員 10人中4〜5人のプロが商品価値を認めている※
4 アルバイト 楽曲制作で「バイトの時給」以上がもらえている
3 見習い 楽曲制作で「謝礼程度」がもらえている
2 趣味レベル 楽曲制作を「無償でお願い」されている
1 初心者 個人的に音楽をしているだけ
その2:「早さ」に関する基準
評価点 称号 基準
※2分尺のそこそこ大きな編成の楽曲を1日あたり6時間の作業で作ると仮定した場合
0 未経験者 時間無制限
10 スター ある種時間は問われない
9 超一流 3時間(0.5日)/ 曲
8 一流 6時間(1日)/ 曲
7 二流 9時間(1.5日)/ 曲
6 三流 12時間(2日)/ 曲
5 新入社員 18時間(3日)/ 曲
4 アルバイト 30時間(5日)/ 曲
3 見習い 60時間(10日)/ 曲
2 趣味レベル 90時間(15日)/ 曲
1 初心者 120時間(1ヶ月)/ 曲
その3:「貢献度」に関する基準
評価点 称号 基準
0 未経験者 貢献しようがない
10 スター そのクリエイターの音楽性がそのまま貢献につながる
9 超一流 ほぼ一発で発注者の期待を大きく上回る楽曲が書ける
8 一流 ほぼ一発で発注者の期待を上回る楽曲が書ける
7 二流 ほぼ一発で発注者の期待通りの楽曲が書ける
6 三流 1〜3回のトライで発注者の期待通りの楽曲が書ける
5 新入社員 1〜5回のトライで発注者の期待通りの楽曲が書ける
4 アルバイト 1〜10回のトライで発注者の期待通りの楽曲が書ける
3 見習い たまたまマグレで発注者の期待通りの曲が書ける
2 趣味レベル 貢献というより好きな音楽やりたい
1 初心者 貢献どころではない
3つのスキル全てにおいて 評価点5以上を習得できるよう日々訓練していこう!!
④ まとめと質疑応答
今日のまとめ
・ゲーム音楽は貢献型音楽に分類され、母体となるゲームをどれだけ引き立てることができるか?が大きな役割である。
・ゲーム音楽のプロとして必要な技術力は、品質、早さ、貢献度という3つのスキルの積で表すことができる。
・これら3つのスキルそれぞれを、プロに求められる最低ラインの水準(評価点5)まで引き上げることで、プロとして必要な技術を身につけることができる。
プロとしての基準を明確に持ち、日々技術の向上を目指して訓練に訓練を重ねていきましょう!
ちなみに・・・
質疑応答
ご清聴、ありがとう ございました!