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SCA kit4
上顎臼歯部で残存歯槽骨の高さが十分ではない症例があり、そのような場合には上顎洞挙上術により骨造成を行い、インプラントを埋入します。歯槽骨頂からのアプローチ法は、サイナスリフトの代わりとなる低侵襲な方法です。従来のオステオトームを用いたソケットリフトでは、槌打操作による患者への大きな負担が欠点でしたが、独自開発のドリルツールを採用した “SCA Kit” をご使用いただくことにより、シュナイダー膜に損傷を与えることなく、この方法を行うことができます。
“SCA Kit” は、皮質骨を貫通させる機能と同時に、上顎洞底を根尖方向に持ち上げ、そこにスペースを作るという機能も併せ持っています。この “SCA Kit” は多くの優れた利点があり、 1)独自開発の“S-Reamer” により迅速なドリリングを行うことができます(通常 800 ~ 1,200rpm)、 2)オステオトームテクニックを必要とせず、よりシンプルで苦痛のない手術となります、 3)特別に開発されたドリルブレードとストッパーによりシュナイダー膜に損傷を与えることなく安全に手術を行うことができます。
Introduction
SCA kit 5
SCA kit Composition
S-Reamer
Stopper
Bone Inserter Initial Drill
Bone Spreader
Depth Gauge Bone Condenser
SCA kit6
SCA kit Components
必ず、適切な長さの Stopper を装着して使用します。
Diameter (ø ) 2.0mm
1.SCA Initial Drill
S-Reamer を使う前に、ガイドホールを開けるドリルです。
Diameter
Diameter (ø )
Diameter
2.4mm 2.8mm 3.2mm 3.6mm
2.S-Reamer
S-Reamer は、シュナイダー膜に損傷を与えることなく、皮質骨に必要とするサイズのホールを開ける、SCA Kit の中では主要な器具です。
4.Depth Gauge
S-Reamer で貫通させた上顎骨の深さを測定する器具です。
Length(mm)
Length
2.0mm ~ 11.0mm
3.Stopper
この器具は、S-Reamer が上顎洞内に 1mm 以上入ることを避け、それにより “ 物理的な力 ” による上顎洞粘膜の裂開を防ぎます。*上記数値は、Stopper 自体の Length ではなく、S-Reamer や Bone Condenser を装着した
際に、Stopper から出る S-Reamer 等の Length になります(左図参照)
必ず、適切な長さの Stopper を装着して使用します。
適切な長さの Stopper を装着して使用します。
SCA kit 7
SCA kit Components
適切な長さの Stopper を装着して使用します。
適切な長さの Stopper を装着して使用します。
適切な長さの Stopper を装着して使用します。
Diameter (ø )
Diameter (ø )
1.0mm 2.2mm
2.7mm 3.1mm
6.Bone Condenser
5.Bone Inserter
7.Bone Spreader
貫通させたホールに骨や人口骨を填入する時に使用します。
Bone Inserter は、Bone Carrier で骨を骨孔に入れた後に、膜にダメージを与えることなく、骨を上顎洞に入れていくための器具です。
この器具で、填入した骨等を拡散させることにより、上顎洞粘膜を安全に持ち上げることができます。
Diameter
Diameter
SCA kit8
1.SCA Initial Drill
2.S-Reamer
S-Reamer を使う前に、ガイドホールを開けるドリルです。
正確な深さの穴を開けるために、Stopper を装着して使用します。
▶
▶
1.S-Reamer は、SCA Kit の中では最も重要な構成要素であり、上顎洞膜を裂開させずに上顎皮質骨を 貫通させるのに使用します。
2.S-Reamer の先端部は特別な刃の構造になっており、軸ずれをしたケースや中隔があるケースでも上 顎洞膜を裂開させずに使用することができます。
3.S-Reamer に Stopper を装着することにより、安全で早いドリリングができます。
4. 十分な初期固定を得るためには、適切なサイズ(直径)の S-Reamer を選択することが重要です。
SCA kit Components
ボーンチップで詰まっている S-Reamer(安全性を考慮した設計とメカニズム)
SCA kit 9
3.Stopper
1.S-Reamerに装着するStopperは、S-Reamerのドリリング深さをコントロールする重要なツールです。
2.1mm 毎のものをそろえており、これを適切に使い分けていくことにより、S-Reamer が上顎洞内に1mm 以上入っていくことを避けることができます。物理的な圧力による上顎洞膜の裂開を避けるためにも、Stopper は 2mm ~ 11mm までの 10 種類をそろえています。
3. この Stopper は、Bone Spreader や Bone Condenser にも装着することができ、これらの器具により上顎洞膜にダメージを与えてしまうことを避けることができます。
1mm~ 3mm の埋入:ø2.4mm 1mm~ 3mm の埋入:ø3.2mm4mm 以上の埋入 :ø2.8mm 4mm以上の埋入 :ø3.6mm
※ S-Reamer Diameter Selection(インプラントの上顎洞内への埋入深さによります。)
▶ レギュラーフィクスチャー ▶ ワイドフィクスチャー
SCA kit Components
(軸ずれをしたケース)
2mm Stopper 11mm Stopper
(中隔があるケース)
(Image 1)
11mm
SCA kit10
4.Depth Gauge
5.Bone Carrier
この器具は、S-Reamer によるドリリング後に骨高径を測定するためのツールです。この Depth Gauge の先端部は平坦に広がっている構造をしており、上顎洞底に引っ掛けられるようになっています。
注意:この Depth Gauge を、ドリリング後の骨高径より 1mm以上挿入しないこと。
Depth Gauge を注意深く挿入して、骨壁に沿わせて測定する。
Bone Carrier は、骨補填材などを骨孔から入れる時に使います。
SCA kit Components
SCA kit 11
7.Bone Condenser
6.Bone Inserter
8.Bone Spreader
Bone Condenser は、グラフト材を上顎洞底にとどめておくために使用します。適切なサイズの Stopper を装着して使用します。
Bone Inserter は、Bone Carrier で骨を骨孔に入れた後に、膜にダメージを与えることなく、骨を上顎洞に入れていくための器具です。Stopper を装着して、ハンドピースに取り付けて低速で使用します。
上顎洞底に填入された骨を、この器具を使用して横方向に拡げて、上顎洞膜を上顎洞底から自然に剝離し、上方向に拳上して骨を填入するスペースを作ります。この器具を使用する前に、上顎洞内に最低 0.3cc(高さにして 3mm)の量を填入しておき、この器具に適切な長さの Stopper を装着してから使用します。骨を 0.2 ~ 0.3cc ほど填入するたびに、1mm短い Stopper に交換します。
SCA kit Components
ø2.7mm ø3.1mm
SCA kit12
1.X 線写真(パノラマ等)、CT を撮り、残存骨の骨高径を調べておきます。
2. 最初にガイドドリル(Initial-Drill)を使用します。残存骨の骨高径より 2~3mm短くなるような Stopper を必ず装着します。
3. 次に、骨高径より 1mm 短い Stopper を装着した適切なサイズ(骨密度を考慮して)の S-Reamer でドリリングします。安全のために、Stopper は 1mm ずつ長くしていき、ドリリングを進めます。
4. フィクスチャーの径と上顎洞内への埋入深さを考慮して、S-Reamer のサイズを決めます。
5.Stopper が歯槽頂骨に当たっても、まだ上顎洞下の皮質骨壁を貫通できていない場合には、1mm長い Stopper に換えて、更にドリリングします。
6. 皮質骨を貫通した感触が得られたら、付属の Depth Gauge で残存骨の 骨高径を測定します。Depth Gauge の端を上顎洞壁にひっかけて、正確 な骨高径を測定します。
(注意:Depth Gauge を上顎洞内に 1mm以上挿入しないこと。)
Procedure
※ S-Reamer Diameter Selection(インプラントの上顎洞内への埋入深さによります。)
1mm ~ 3mm の埋入:ø2.4mm 1mm~ 3mm の埋入:ø3.2mm4mm 以上の埋入 :ø2.8mm 4mm以上の埋入 :ø3.6mm
▶ レギュラーフィクスチャー ▶ ワイドフィクスチャー
SCA kit 13
7. 貫通した際に、膜の状態をチェックするために、患者の鼻を閉じて、次に膨らませます。
8.Bone Carrierと適切な長さのStopperを装着したBone Condenserを使って、骨を填入します。
9. 膜の拳上高さに応じた骨量を填入します。膜を 1mm拳上したい場合は、0.1cc の骨量が必要と思われます。
10. より横方向に膜を拳上するには、少なくとも 0.3cc の量の骨を填入し、 その後適切な長さの Stopper を装着した Bone Spreader を使います。 Bone Spreader の小さいサイズの方は S-Reamer の ø2.4 - 2.8mm用で、大きいサイズの方は S-Reamer の ø3.2 - 3.6mm 用です。
11. 骨を 0.2 ~ 0.3cc を填入する毎に、Stopper を装着した Bone Spreaderで骨を拡げていきます。この場合、Stopper のサイズを長いものに換えていく必要はありません。
12. 上顎洞内への骨の填入が終わったら、より大きい直径のドリルを使って、骨孔を新しくします。
13. 歯槽頂骨の骨密度により、カウンターシンクが必要とケースもあります。D1 と D2 の場合には、使用した方が良いと思われます。
14. 最後に、フィクスチャーを埋入します。
Procedure
SCA kit14
Case1. (Crestally Bone Added Case)
1.#26 と #27 の残存骨高径はそれぞれ 8.2mm と 6.4mm で、 膜を約 4 ~ 6mm 拳上する必要があり、 そこに ø5.0 x 11.5mm のフィクスチャーを埋入する。
2. 残存骨高径より 1mm短くドリリングする。
3. 上記2.でドリリングした長さより 1mm長くなる Stopper を、ø3.6mm の S-Reamer に装着する。
4.Stopper が歯槽頂骨に当たっても、まだ上顎洞下の皮質骨 壁を貫通できていない場合には、1mm 短い Stopper に換え て、更にドリリングする。
5. 十分な注水の下、800 ~ 1,200rpm のスピードでドリリン グする。
6. 膜の状態と残存骨高径は、Depth Gauge にて確認する。 Depth Gauge を上顎洞内に 1mm以上挿入しないこと。
Case Reports
SCA kit 15
Case Reports
7. 上顎洞膜が根尖方向に 4 ~ 6mm 拳上されれば、フィクス チャーのサイズはφ 5.0mm で長さ 11.5mm になる。正しい 骨量を填入し、適切な膜の高さまで拳上することを確認する。
8.Bone Carrier に骨を入れていく。
9.Bone Carrier にて、穿孔したところより骨を填入していく。 10.Stopper を装着した Bone Condenser を使い、上顎洞内に 骨を詰めていく。Stopper の長さは、残存骨高径と同じも のを使用する。
11.0.2 ~ 0.3cc 骨を填入する毎に、Stopper を装着した Bone Spreader を使用して、骨を横方向に拡げていく。
12. 一回のスプレッドで、3mm以上の膜の拳上が可能となる。
SCA kit16
13. 計画した高さまで膜が拳上された後に、ファイナルドリ リングを行う。
14. 皮質骨密度が D2 レベルであれば、カウンターシンクが必 要となる。
15. φ 5.0 x 11.5mm のフィクスチャーを埋入する。 16.X 線像にて、フィクスチャー周囲の骨の状態を確認する。
17. 上顎洞へのクレスタルアプローチを使用すれば、CT 画像からでも、填入した骨がフィクスチャー周囲に良い状態で位置していることが確認できる。
Case Reports
SCA kit 17
Case2. (Flapless surgery:Solving misread bone height on X-ray image)
1.X 線像から、#16 と #17 部の残存骨高径は 8.0mm であり、 φ 5.0mm x 10mm のフィクスチャーの植立を行う。
2. 残存骨高径より 1mm短くドリリングする。 (Flapless surgery case)
3. φ 5mm のワイドボディーフィクスチャーでは、D3 骨密度 用のφ 2.0mm までのドリルを使って、骨孔を拡げておくこ とを勧める。
4. 残存骨高径は 8.0mm なので、8mmの Stopper を S-Reamer に装着する。フィクスチャーがφ 5.0 x 10mm であること を考慮し、φ 3.2mm の S-Reamer を選択する。
5.Stopper が 8mmのものでも皮質骨を貫通できなかったため、 9mm および 10mm の Stopper に交換してドリリングを続 けた。これは残存骨高径が 10.0mm 以上あったということ で、X 線像での診断にミスがあったことになる。
6.11mm の Stopper で貫通した。X 線像での診断ミスがあっ ても、Stopper を使って、着実に上顎洞にアプローチしてい けば、安全な手術を行うことができる。
Case Reports
SCA kit18
Case Reports
7. フィクスチャー埋入のために、ファイナルドリリングを行 う。理想的な初期固定を得るために、残存骨高径が 11mm なので、1.5mm 長いフィクスチャー(φ 5.0 x 11.5mm) を使用する。
8.ボーングラフトなしで、フィクスチャーを埋入した。
9. 理想的な固定が得られた後に、ヒーリングアバットメント を取り付ける。
10.2 週間後に補綴物が完成した。 今回の症例では、X線像での診断ミスがあっても、1mm ステップで 12 種類の長さがある Stopper で対処できるこ とが分かる。
2015 HAKUHO CO., Ltd. All right reserved. HAK0271
●販売元 ●輸入販売元
C○
※本資料は、フォレスト・ワン社の監修・作成です。