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山下 貴大
第35回日本ロボット学会学術講演会
九州工業大学大学院工学府 機械知能工学専攻
RRTを用いて学習するニューラルネットワークによる
パスプランニング
西田 健九州工業大学大学院工学研究院 機械知能工学研究系
1. 背景と目的
障害物が存在する環境におけるロボットの軌道計画(パスプランニング)
自律走行ロボット
産業用ロボット
サービスロボット
様々なロボットにおいて重要な技術
様々な手法
一長一短あり
ダイクストラ法 RRT (Rapidly-Exploring Random Trees)ポテンシャル法
機械学習 ニューラルネットワーク(NN)
RRT +多層ニューラルネットワーク
1. 背景と目的
RRT(学習不要だが不安定) NN(安定だが学習が重い)
制約条件を伴う軌道計画が得意.平滑化処理で品質の高い軌道生成.同一の始点と終点の組に対して
生成される軌道が変動.
学習後には高速に軌道を生成.同一の始点と終点の組に対して同一の軌道が生成される.学習に多数の教師つきデータが必要.
1. 様々な組み合わせの始点と終点を与えRRTで軌道を大量に生成.
2. 多層ニューラルネットワーク(MLN: Multi Layerd Neural Network)で学習.3. 回帰的に中間点のみを想起する戦略.
提案ポイント
統合により短所を克服!
2. 提案手法
様々な組み合わせの始点と終点を与えRRTで軌道を大量に生成 (データセットの作成)1
RRTで軌道を生成(障害物を0.1 [m]大きく見積もる)
生成経路から中間の三点を抽出
望ましい軌道を選別
軌道生成の例
経路の概略図
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏(𝑛𝑛)
2. 提案手法
多層ニューラルネットワーク(MLN: Multi Layerd Neural Network)で学習2
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛) 𝒙𝒙𝑔𝑔
(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
MLNモジュール
始点と終点を入力すると中間点を想起
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
2. 提案手法
回帰的に
中間点のみを想起する戦略3
MLNモジュール 𝑁𝑁𝑏
MLNモジュール 𝑁𝑁𝑏
MLNモジュール 𝑁𝑁3
𝒙𝒙(𝑛𝑛) =𝒙𝒙𝑠𝑠
(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
�𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙3(𝑛𝑛) =
�𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)𝒙𝒙𝑏
(𝑛𝑛) =𝒙𝒙𝑠𝑠
(𝑛𝑛)
�𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
�𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏(𝑛𝑛) �𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏
(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑎𝑎(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑠𝑠(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑔𝑔(𝑛𝑛)
𝒙𝒙𝑏𝑏𝑏(𝑛𝑛)
始点と終点を入力すると軌道の中間点を回帰的に想起
単純な環境:少ないモジュール複雑な環境:モジュールを追加
ポイント!
Layered-MLN
c
3. シミュレーション環境(二次元平面)
中間層のユニット数 : 30
中間層数 : 4層ミニバッチ : 50学習回数 : 20中間層の活性化関数 : ReLU関数誤差関数 : 平均二乗誤差学習率の減衰 : Adam法フレームワーク : Chainer
構築モデル
テスト環境の例
4. 二次元平面でのシミュレーション
RRTによる経路生成結果start
goal
ランダムに生成した始点、終点の組に対して軌道生成
データセットの作成
4. 二次元平面でのシミュレーション
Layered-MLNの学習結果
生成された経路(100テストデータ)
• 学習した環境.• 始点と終点を100通り与えた.
goal
start
• 同一の始点と終点の組に対しては必ず同
じ軌道が想起されることを確認.• 衝突しない軌道が生成できることを確認.
項目 RRT MLN
平均軌道生成時間 [ms] 1.78 2.08
障害物に接触した軌道の数 0 0
4. 二次元平面でのシミュレーション
他の環境での実験結果
4. 二次元平面でのシミュレーション
他の環境での実験結果
複雑な環境に対しては L-MNLの層数を増加させる 軌道生成後に最適化手法を適用
障害物の位置が変化した場合にも再学習することで適応可能
5. 結論
経路の生成時間はRRT手法の方が優れている(二次元環境)
環境が高次元になるにつれてMLN手法の優位性が顕著になると考えられる
RRTによる生成軌道を学習するNNを構築
障害物のある空間のロボットの軌道を自動生成 学習から想起まで一連の手順を自動化可能(チューニングも可能) 同じ始点と終点に対して再現性のある経路を生成 RRTとほぼ同等の速度での軌道生成