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QbD,デザインスペースを指向した 結晶セルロース配合処方例
-セオラスUFグレードの応用例-
旭化成ケミカルズ株式会社
セオラス技術開発部
垣澤 眞幸
第12回 医薬品添加剤セミナー
2013.02.04 東京 全電通労働会館
2013.02.07 大阪 薬業年金会館
2
本日の内容
1.はじめに 1-1 デザインスペースとは?
1-2 セオラス® UFグレードとは?
1-3 本検討の目的
2.実験及び解析 ‐UFグレードとPH-102との適用範囲比較-
2-1 セオラス® UF-711/低成形性主薬・高含量 直打
2-2 セオラス® UF-702/低成形性・低流動性主薬 直打
3.まとめ
3
1-1 デザインスペースとは?
ICH(日米EU医薬規制調和国際会議)では、製品品質の向上を図るため、製剤製造上の条件として、デザインスペースを推奨。
デザインスペース(DS): 品質を確保することが立証されている入力変数(原料の性質など)と工程パラメータの多次元的な組合せと相互作用。 ・DS内で運用することは変更とみなされない。 ・DSは申請者が提案し、規制当局が評価し、承認する。
通常の操作範囲
デザインスペース
ナレッジスペース 第1~3回
標準処方研究フォーラム資料より引用
2
4
Quality by Design (QbD)
★従来の製剤品質=「製品」で検証する
☆DSにおける製剤品質=「製品設計の段階」で作る
「製品設計によって製品に組み込まれているべきである」
第1~3回
標準処方研究フォーラム資料より引用
Quality by Design (QbD)
重要品質特性(CQA) (Critical Quality Attribute)
重要工程パラメータ(CPP) (Critical Process Parameter)
目標製品品質(QTPP)
薬物原料 含量、結晶形、 密度、粒子径等
添加剤 種類、添加量、 グレード等
造粒 機種、運転条件 製造条件等
混合・滑混 機種、速度、時間 滑沢剤量
打錠 機種、圧力 速度等
Design Space
プロセス パラメータ (PP)
5
1-2 セオラス® UFグレードの特徴
セオラス®UFグレードは、成形性を維持しながら粉体の流動性を極限まで高めた、高流動性でかつ高成形性の結晶セルロース(MCC)です。
日局、NF、EPに適合します。
処方硬度比: PH-101処方錠剤の硬度を1.0とした場合の各処方錠剤硬度の比。 処方(アセトアミノフェン/MCC=70/30) 500mgを量り取り、金型(臼の直径1.13cm)に充填し、静圧プレスにて、10MPaの圧縮圧で10秒間圧縮し、円柱状成型体を製した。製錠翌日に錠剤硬度計で各錠剤の硬度を測定し、処方硬度比を算出した。
MCCの流動性と成形性の関係
6
セオラス® UFグレードの粒子形状
KG-802 PH-102
UF-711 UF-702
丸い形状
高流動性
多孔質
高成形性
3
7
セオラス®UFグレードの配合処方例
1.UF-711/低成形性主薬(アスコルビン酸=VC)の高含量直接打錠 薬物高含量時(75%)の打錠障害を克服しながら、且つ重量バラつきを低減可能 *KG-802;重量バラつき1%超、PH-102;打錠障害(キャッピング発生)、硬度目標以下
2.UF-702/低成形性・低流動性主薬(アセトアミノフェン=APAP)の直接打錠 比較的高含量(40%)の低成形性、低流動性主薬をオープンフィードで重量バラつきなく直接打錠可能 *その他のMCC全て;主薬含量40%では重量バラつき1%超
主薬の高含量化により、錠剤の小型化が可能 ・服用性改善 ・コスト削減 (詳細はセオラスレポートVol.6等参照)
1-3 今回の目的 (1)
セオラス®UFグレードは成形性と流動性を併せ持つMCC
セオラス®UFグレードは打錠時に一定の成形性と流動性を満たすパラメータ(処方条件、打錠条件)の許容範囲が広い
パラメータ1
パラメータ
2
パラメータ1
パラメータ
2
UFグレードで幅広いデザイン スペースの構築が可能
UFグレード PHグレード
仮説
重要品質特性(CQA) (錠剤硬度、重量CV値)
重要工程パラメータ(CPP) (薬物含量、滑沢剤量、打錠速度)
薬物原料 含量、結晶形、 密度、粒子径等
添加剤 種類、添加量、 グレード等
造粒 機種、運転条件 製造条件等
混合・滑混 機種、速度、時間 滑沢剤量
打錠 機種、圧力 速度等
Design Space
プロセス パラメータ (PP)
MCC
・PHグレード ・UFグレード
1-3 今回の目的 (2)
1.錠剤のCQAを硬度、重量CV値と設定 2.CPPとして、硬度・重量CV値の両方に影響が大きいと思われる ①薬物含量、②滑沢剤量、③打錠速度 を選定 3.MCCグレードとしてUFグレード、PHグレードを選択
9
4
1-3 今回の目的 (3)
結晶セルロース配合処方において、一定水準以上の硬度、重量CV値を満たすパラメータの適用範囲の広さを、UFグレードとPHグレードで比較し、「UFグレードの方が①薬物含量、②滑沢剤量、③打錠速度のパラメータの適用範囲が広い」という仮説について検証する。
UFグレード PHグレード
薬物含量
or滑沢剤量
打錠速度
硬度 △N以上 且つ 重量CV値 ◇%以下
薬物含量
or滑沢剤量
打錠速度
硬度 △N以上 且つ 重量CV値 ◇%以下
10
11
2-1 セオラス® UF-711配合処方
低成形性主薬・高ドーズ(アスコルビン酸)
2-2 セオラス® UF-702配合処方
低成形性・低流動性主薬 (アセトアミノフェン)
2.実験及び解析
実験手順
アスコルビン酸(VC) MCC SD乳糖 クロスカルメロースNa
Mg-St
混合 V型混合機(有効容積5L、徳寿製作所製) 30分間混合
混合
打錠
V型混合機(有効容積5L、徳寿製作所製) 3分間混合
ロータリー打錠機:LIBRA2 (菊水製作所製) オープンフィード 36本杵中9本使用 500mg, ø 10.5mm-14.5R, 打圧: 17kN
・・・ 粉砕品(BASF製)
・・・ セオラス® PH-102、UF-711 (旭化成ケミカルズ製)
・・・ Super-Tab® (DMV Fonterra社製)
・・・ キッコレート® ND-2HS(ニチリン化学工業製、旭化成ケミカルズ販売)
合計2kg
評価・解析 評価項目:硬度 解析:Statistica(スタットソフトジャパン)使用
・・・太平化学産業製
12
5
変動条件(PP)
※1 MCC添加量は過去のdataを参照し、予備試験後決定 ※2 UF処方のVC上限を60%、PH処方のVC上限を40%とし、VC量の増減に 応じて、S-Tabの量を増減させた
※3 VC含量、Mg-St量、回転速度は3水準ずつでUF、PH処方で各27水準(3×3×3)、 合計54水準(全水準)実施 ※4 目標錠剤品質として、錠剤硬度110N以上※とした。
※φ8 mm 180 mg錠剤の50 N相当
※重量CV値は有意差なしのため省略
滑沢剤 打錠条件
UF-711[%] CCS[%] S-Tab[%] VC[%] Mg-St[%] 回転速度[rpm]
5 60 0.75 30
10 55 × 1.50 × 40
15 50 2.25 50
滑沢剤 打錠条件
PH-102 [%] CCS[%] S-Tab[%] VC[%] Mg-St[%] 回転速度[rpm]
18 40 0.75 30
23 35 × 1.50 × 40
28 30 2.25 50
40 2
33 2
処方
処方
(*外割)
*
*
13
14
実験結果
CQA CQA CQA
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
60 0.75 30 136 55 0.75 30 151 50 0.75 30 187
60 0.75 40 134 55 0.75 40 166 50 0.75 40 192
60 0.75 50 134 55 0.75 50 159 50 0.75 50 185
60 1.5 30 118 55 1.5 30 114 50 1.5 30 144
60 1.5 40 116 55 1.5 40 118 50 1.5 40 147
60 1.5 50 105 55 1.5 50 111 50 1.5 50 138
60 2.25 30 84 55 2.25 30 107 50 2.25 30 142
60 2.25 40 81 55 2.25 40 98 50 2.25 40 139
60 2.25 50 81 55 2.25 50 101 50 2.25 50 137
因子(PP)
因子(PP)
因子(PP)
UF-711系
CQA CQA CQA
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
VC[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
40 0.75 30 151 35 0.75 30 135 30 0.75 30 169
40 0.75 40 147 35 0.75 40 133 30 0.75 40 173
40 0.75 50 139 35 0.75 50 134 30 0.75 50 170
40 1.5 30 120 35 1.5 30 123 30 1.5 30 136
40 1.5 40 113 35 1.5 40 118 30 1.5 40 136
40 1.5 50 113 35 1.5 50 114 30 1.5 50 133
40 2.25 30 105 35 2.25 30 102 30 2.25 30 111
40 2.25 40 103 35 2.25 40 101 30 2.25 40 108
40 2.25 50 103 35 2.25 50 99 30 2.25 50 103
因子(PP)
因子(PP)
因子(PP)
PH-102系
因子名 寄与率[%]
VC添加量[%] 41.9
Mg-St添加量[%] 53.5
打錠回転速度[rpm] 0.4
因子名 寄与率[%]
VC添加量[%] 15.9
Mg-St添加量[%] 76.1
打錠回転速度[rpm] 1.0
UF-711系
PH-102系
【錠剤硬度一覧】
【硬度への各PPの寄与率】
◇UF-711 = Mg-St添加量とVC含量の両方が寄与 ⇒処方中のVC含量が大きい(=乳糖が少ない)ことから、よりVCの成形性への寄与が大
◇PH-102 = Mg-St添加量の寄与が支配的 ・打錠速度の寄与は小さい。
**
**
**
**
**1%有意
15
PH-102
解析-1 Mg-St含量とVC含量の影響(打錠速度固定)
Mg-St量が強く影響し、特にMg-St量が多い領域ではVC含量を下げても硬度は上がらない。
110 N
(打錠速度40rpm)
少
多
少
多
UF-711
Mg-St含量及び、VC含量の両方が硬度に影響し、両方ともに添加量が少ないほど硬度が高くなる。
110 N 少
多
少
多
6
16
30 32 34 36 38 40
VC含量 [%]
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
2.4
Mg-St量
[%
]
50 52 54 56 58 60
VC含量 [%]
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
2.4
Mg-St含量
[%
]
解析-2 適用範囲比較
30 40 50 60 0.6
2.4
1.5
VC含量[%]
Mg
-St量[%]
PH-102
解析範囲 UF-711
解析範囲
UF-711
推定範囲
PH-102
推定範囲
UF-711 PH-102
UF-711はPH-102よりもVC含量が20%高いにも関わらず、Mg-Stの適用範囲も同等以上である。
110N 110N
130N
150N
130N
150N
170N
90N
110N以上 110N以上
当然ながらUF-711はPH-102レベルの含量で打錠が可能
17
解析-3 Mg-Stの影響 (VC含量固定時)
UF-711 PH-102
PH-102/VC30% 高Mg-St量領域で硬度低下 UF-711/VC50% 高Mg-St量領域でも高硬度を維持 →打錠障害時の対策が容易
VC50%
全て110N以上
VC30%
110N以上
18
アルコルビン酸/MCC処方において、錠剤硬度110N以上が得られる主薬含量、滑沢剤量、打錠速度の適用範囲をPH-102と比較 1)PH-102配合処方に対してVC含量を20%以上高くしても同等以上の硬度を発現 2)主薬含量、滑沢剤量、打錠速度の適用範囲の広さは同等以上 3)UF-711/VC50%処方 高硬度、かつMg-St高含量添加(2.25%)時にも硬度低下が小さい。 ⇒打錠障害時の対策容易(Mg-St増でも硬度低下なし) ⇒他の因子(ex. 原薬物性変化による成形性低下)の変動に対しても高い頑健性(硬度維持)が期待
小括(1) UF-711配合処方
7
19
2.実験
2-1 セオラス® UF-711配合処方
低成形性主薬・高ドーズ(アスコルビン酸)
2-2 セオラス® UF-702配合処方
低成形性・低流動性主薬 (アセトアミノフェン)
20
アセトアミノフェン(APAP) MCC SD乳糖 L-HPC 軽質無水ケイ酸
実験手順
Mg-St
混合
混合
打錠
・・・ COVIDIEN製、粉末グレード
・・・ セオラス® PH-102、UF-702 (旭化成ケミカルズ製)
・・・ Super-Tab® (DMV Fonterra製)
・・・ 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH-21(信越化学工業製)
・・・ アエロジル200(日本アエロジル製)
V型混合機(有効容積5L、徳寿製作所製) 30分間混合
V型混合機(有効容積5L、徳寿製作所製) 3分間混合
ロータリー打錠機:LIBRA2 (菊水製作所製) オープンフィード 36本杵中9本使用 500mg, ø 10.5mm-14.5R, 打圧: 14kN
評価・解析 評価項目:錠剤(硬度、重量CV値)、粉体(嵩密度、安息角) 解析:Statistica(スタットソフトジャパン)使用
合計2kg
・・・太平化学産業製
21
変動条件(PP)
滑沢剤 打錠条件
UF-702[%] L-HPC[%] S-Tab[%] SiO2[%] APAP[%] Mg-St[%] 回転速度[rpm]
20 0.675 45 0.75 30
25 0.600 40 × 1.00 × 40
30 0.525 35 1.50 50
35 0.450 30 2.25
滑沢剤 打錠条件
PH-102 [%] L-HPC[%] S-Tab[%] SiO2[%] APAP[%] Mg-St[%] 回転速度[rpm]
25 0.600 40 0.75 30
30 0.525 35 × 1.00 × 40
35 0.450 30 1.50 50
2.25
処方
処方
30 5
30 5
※1 UF処方のAPAP上限を45%、PH処方のAPAP上限を40%(一部45%データ
あり)とし、さらにAPAP量の増減に応じて、S-Tabの量を増減させた ※2 APAP含量、Mg-St量、回転速度はUF-702処方が(4×4×3水準)、 PH-102処方が(3×4×3水準)であり、各48、36水準打錠試験を実施。 ※3 目標錠剤品質として、錠剤硬度110N以上*、重量CV値(RSD)1%以下 とした。
*φ8mm180mg錠剤の50N相当
(*2 外割)
*1 APAPに対して
1.5%外割
*1 *2
*1 *2
8
22
実験結果
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
45 0.75 30 123 0.50 40 0.75 30 134 0.39 35 0.75 30 139 0.34 30 0.75 30 157 0.2145 0.75 40 121 0.47 40 0.75 40 132 0.32 35 0.75 40 139 0.36 30 0.75 40 148 0.4045 0.75 50 116 0.94 40 0.75 50 127 0.54 35 0.75 50 134 0.35 30 0.75 50 142 0.6545 1.00 30 106 0.43 40 1.00 30 112 0.51 35 1.00 30 124 0.27 30 1.00 30 133 0.3045 1.00 40 100 0.35 40 1.00 40 107 0.51 35 1.00 40 119 0.37 30 1.00 40 131 0.3145 1.00 50 98 0.54 40 1.00 50 107 0.39 35 1.00 50 118 0.51 30 1.00 50 141 0.3445 1.50 30 94 0.68 40 1.50 30 91 0.24 35 1.50 30 109 0.44 30 1.50 30 113 0.3845 1.50 40 88 0.38 40 1.50 40 89 0.51 35 1.50 40 108 0.48 30 1.50 40 119 0.3645 1.50 50 89 0.83 40 1.50 50 97 0.56 35 1.50 50 106 0.39 30 1.50 50 112 0.5445 2.25 30 81 0.37 40 2.25 30 88 0.72 35 2.25 30 93 0.51 30 2.25 30 114 0.3245 2.25 40 78 0.68 40 2.25 40 81 0.55 35 2.25 40 88 0.45 30 2.25 40 98 0.5345 2.25 50 76 1.87 40 2.25 50 78 0.57 35 2.25 50 83 0.73 30 2.25 50 98 0.67
因子(PP) CQA
UF-702系
因子(PP) 因子(PP) 因子(PP)CQA CQA CQA
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
APAP[%]
MgSt[%]
打錠速度[rpm]
硬度[N]
重量CV[%]
40 0.75 30 128 0.66 35 0.75 30 139 0.27 30 0.75 30 141 0.3640 0.75 40 124 0.36 35 0.75 40 128 0.47 30 0.75 40 138 0.3640 0.75 50 120 1.03 35 0.75 50 126 0.51 30 0.75 50 127 0.3740 1.00 30 94 0.39 35 1.00 30 112 0.33 30 1.00 30 136 0.4140 1.00 40 96 0.47 35 1.00 40 106 0.46 30 1.00 40 120 0.4940 1.00 50 97 1.20 35 1.00 50 101 0.60 30 1.00 50 115 0.3240 1.50 30 94 1.00 35 1.50 30 108 0.35 30 1.50 30 114 0.5040 1.50 40 96 1.01 35 1.50 40 102 0.47 30 1.50 40 119 0.3340 1.50 50 61 3.76 35 1.50 50 102 0.46 30 1.50 50 108 0.3940 2.25 30 84 0.39 35 2.25 30 90 0.37 30 2.25 30 105 0.3540 2.25 40 78 0.47 35 2.25 40 84 0.38 30 2.25 40 93 0.6940 2.25 50 72 3.00 35 2.25 50 81 1.40 30 2.25 50 95 1.25
CQA
PH-102系
因子(PP) 因子(PP) 因子(PP)CQA CQA
UF-702
因子名 硬度 重量CV値APAP添加量[%] 26.4 26.0Mg-St添加量[%] 71.2 24.6打錠回転速度[rpm] 2.1 43.2
PH-102
因子名 硬度 重量CV値APAP添加量[%] 30.3 36.6Mg-St添加量[%] 60.2 11.4打錠回転速度[rpm] 8.6 44.9
寄与率[%]
寄与率[%]
錠剤硬度、重量CV値一覧
【各PPの寄与率】
**
**
**
**
**
**
*
*
**
*
**
**1%有意、*5%有意
23
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spe
ed [
rpm
]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
適用範囲解析2-1 重量CV値 APAP含量固定
APAP30% APAP40% APAP35% UF-702
PH-102
UF-702: APAP高含量でもバラつき小 PH-102: APAP高含量時に打錠速度UPによりバラつき 発生。Mg-St高含量で顕著。
UF-702 広い適用範囲
24
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
APAP30% APAP40% APAP35% UF-702
PH-102
適用範囲解析2-2 硬度 APAP含量固定
UF-702: APAP高含量時もMg-St許容範囲広い PH-102: Mg-St許容範囲が狭い 打錠速度UPによる硬度低下が見られる
UF-702 広い適用範囲
9
25
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spe
ed [
rpm
]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
0.75 1.00 1.25 1.50
Mg-St [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
APAP30% APAP40% APAP35% UF-702
PH-102
適用範囲解析2-3 重量CV値と硬度 APAP含量固定
硬度110N以上且つ重量CV値1%以下
硬度110N以上
重量CV値1%以下 UF-702が広い適用範囲を持つ
26
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Speed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Speed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spe
ed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spe
ed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
適用範囲解析1-1 重量CV値
Mg-St 1.0 % Mg-St 0.75 % Mg-St 1.5 % Mg-St 2.25 %
UF-702
PH-102
UF-702: Mg-St量によらず重量CV値は安定 PH-102: 打錠速度、主薬量UPで重量CV値増大 Mg-St増加により低主薬含量でも重量CV値増大
UF-702 広い適用範囲
Mg-St含量固定
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Speed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
適用範囲解析1-2 硬度
Mg-St 1.0 % Mg-St 0.75 % Mg-St 1.5 % Mg-St 2.25 % UF-702
PH-102
UF-702: Mg-St量1.0%以下で高硬度を示す PH-102: Mg-St添加による硬度低下が 低添加域(1.0%)から発生
UF-702 広い適用範囲
※適用範囲なし
Mg-St含量固定
10
28
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Speed [
rpm
]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
30 32 34 36 38 40 42
APAP [%]
30
35
40
45
50
Tab
leting
Spee
d [r
pm]
Mg-St 1.0 % Mg-St 0.75 % Mg-St 1.5 % Mg-St 2.25 %
UF-702
※適用範囲なし
適用範囲解析1-3 重量CV値と硬度
PH-102 硬度110N以上且つ重量CV値1%以下
硬度110N以上
重量CV値1%以下 UF-702が広い適用範囲を持つ
Mg-St含量固定
29
UF-702 PH-102
30 32 34 36 38 40
APAP [%]
0.50
0.75
1.00
1.25
1.50
1.75
2.00
2.25
2.50
Mg-
St
[%]
30 32 34 36 38 40
APAP [%]
0.50
0.75
1.00
1.25
1.50
1.75
2.00
2.25
2.50
Mg-
St
[%]
30 32 34 36 38 40
APAP [%]
0.50
0.75
1.00
1.25
1.50
1.75
2.00
2.25
2.50
Mg-
St
[%]
30 32 34 36 38 40
APAP [%]
0.50
0.75
1.00
1.25
1.50
1.75
2.00
2.25
2.50
Mg-
St
[%]
粉体物性解析
嵩密度
安息角 44°
44°
45°
PH-102処方 嵩密度、安息角ともにMg-Stの影響大 UF-702処方 Mg-Stの影響を受けにくく、嵩密度、安息角の変化が小さい
0.45g/cm3 0.45g/cm3
30
小括(2) UF-702配合処方
①錠剤硬度110N以上、②重量CV値1%以下が得られる主薬含量、Mg-St量、打錠速度の適用範囲をPH-102と比較 1)UF-702配合処方は一定の硬度、重量CV値を満たす主薬含量、滑沢剤量、打錠速度の適用範囲が広い 2) UF-702配合処方粉体は、Mg-Stに対して嵩密度、安息角が影響を受けにくい ⇒容易な処方設計、コスト削減 ⇒他の因子の変動(ex. 原薬の成形性、流動性の変化)に対しても高い頑健性(硬度、重量CV値維持)が期待
11
3.まとめ (1)
結晶セルロース配合処方において、一定水準以上の硬度、重量CV値を満たすパラメータの適用範囲の広さを、UFグレードとPHグレードで比較し、UFグレードの方が①薬物含量、②滑沢剤量、③打錠速度のパラメータの適用範囲が広いという仮説を検証する
背景1 ICQトリオ→QbD・デザインスペースの推奨 背景2 セオラス®UFグレード 高成形性・高流動性MCCグレード 仮説 セオラス®UFグレードは打錠時に一定の硬度と重量CV値を満たすパラメータの適用範囲が広い(デザインスペースが広い)
検証:デザインスペースを指向した結晶セルロース処方例
結論: セオラス®UF-711、UF-702いずれもPHグレードに比べて、硬度と重量CV値を満たす①薬物含量、②滑沢剤量、③打錠速度のパラメータの適用範囲を広く取ることが可能
31
3.まとめ (2)
◇高成形性と高流動性を併せ持つセオラス®UFグレードは、成形性や流動性に影響を与えるパラメータに対して適合領域を広く取ることが可能 ◇QbD・デザインスペースを指向した設計を行う場合には、セオラス®UFグレードを処方に組みこむことで、広いデザインスペースの取得、頑健なデザインスペースの取得が期待できる
セオラス®UFグレードはQbDに適したMCC
32
33
ご清聴ありがとうございました
今後の各位の製剤開発設計、QbD・デザイン スペース検討の際の一助になれば幸いです