No.

独立行政法人 国際協力機構

PROTECO（提案型技術協力） アルゼンチン国

イグアス地域自然環境保全計画

総合報告書

平成 19 年 3 月 （2007 年）

財団法人 自然環境研究センター

環境

J R

07-015

5

目 次

要 旨

略 語

写 真

第１章 プロジェクト内容 ..............................................................................................................1

１．１ プロジェクトの背景 ...........................................................................................................1

１．２ プロジェクトの実施方針...................................................................................................2

１．３ プロジェクトの範囲 ...........................................................................................................4

１．４ 自然環境管理能力 ...............................................................................................................5

１．５ プロジェクトの要約と指標...............................................................................................5

１．６ 作業計画 ...............................................................................................................................7

１．７ 実施機関の役割分担 .........................................................................................................10

１．８ カウンターパートの配置.................................................................................................12

第２章 プロジェクトの成果 ........................................................................................................13

２．１ プロジェクト実施運営体制.............................................................................................13

２．２ プロジェクト事務所 ........................................................................................................14

２．３ 関係機関の連携強化・情報共有の促進 ........................................................................15

２．４ 普及･環境教育の実施.......................................................................................................19

２．５ パイロット事業の実施.....................................................................................................29

２．６ カウンターパートの自然環境管理能力.........................................................................34

第３章 投入実績 ............................................................................................................................36

３．１ 業務従事者（ＪＩＣＡ専門家）.....................................................................................36

３．２ 要員派遣実績 .....................................................................................................................36

３．３ 業務従事者毎の分担業務概要（国内及び現地） ........................................................39

３．４ 研修員受入実績 .................................................................................................................42

３．５ 供与機材実績 .....................................................................................................................44

３．６ 現地業務費実績 .................................................................................................................47

３．７ その他の投入実績 .............................................................................................................48

第４章 プロジェクトの活動継続について................................................................................49

４．１ 終了時評価後の対応 .........................................................................................................49

４．２ 活動継続の合意事項 .........................................................................................................49

6

４．３ 提言 .....................................................................................................................................51

第５章 合同調整委員会会議等の開催記録................................................................................55

別添資料

I．基礎情報収集報告書（2004 年度） 概要 基礎情報 - 1 １． 序論 基礎情報 - 6 ２． 調査方法 基礎情報 - 9 ３． 調査結果 基礎情報 - 11 ４． 参考文献 基礎情報 - 27

II．環境教育プログラム（2005 年度）

概要 環境教育 - 1 １． 対象地域 環境教育 - 2 ２． ３つの環境教育プログラム 環境教育 - 2 ３． 目標 環境教育 - 3 ４． 環境教育プログラムと教材 環境教育 - 3 ５． 環境教育プログラムの流れ 環境教育 - 4 ６． 職員向プログラム 環境教育 - 5 ７． 教職員向プログラム 環境教育 - 5 ８． 観光客向プログラム 環境教育 - 6 ９． 環境教育アクティビティ 環境教育 - 6

III．自然環境情報管理マニュアル（2006 年度）

概要 マニュアル - 1 １． 情報収集と実地調査 マニュアル - 9 ２． 住民意見の収集 マニュアル - 16 ３． 広報活動 マニュアル - 17 添付 マニュアル - 19

IV．パイロット事業管理運営報告書（2006 年度）

概要 パイロット事業 - 1 １． パイロット事業活動記録 パイロット事業 - 6 ２． パイロット事業の経営体制 パイロット事業 - 27 ３． エコツーリズム推進計画案 パイロット事業 - 42 添付 パイロット事業 - 45

V．イグアス国立公園ジャクイ事務所設計図

VI．資料リスト

1

要 旨

世界遺産に登録されているアルゼンチン有数の観光地、イグアス国立公園とその周辺地

には、世界で最も貴重な生態系の一つ、パラナ密林（内陸大西洋岸林）が分布している。

しかし、農牧地の拡大、不適切な自然資源の利用、不十分な保護区管理体制などが原因と

なって、その豊かな生物多様性は失われつつある。

イグアス地域は、アルゼンチン国内の東北端の国境地帯に位置するが、保護区やグリー

ンコリドーの制度設定などにおいて先進的な面がある。しかし、環境管理を担当している

機関の実状は、連邦政府、州政府、地方自治体と組織を異にしているため、これまで協力

活動の経験がほとんどない。関連機関が分散し、担当職員が孤立していては、地域環境の

保全を実現することは難しい。そのためプロジェクト対象地域の国立公園局、州政府及び

アンドレシート市役所職員らの連携による自然環境管理能力の向上が実質的な課題となっ

た。

本事業「イグアス地域自然環境保全計画」は、アルゼンチン政府とＪＩＣＡとの間で 2003

年 12 月 19 日に署名・交換された協議議事録（Record of the Discussions）に基づいて開始

された。プロジェクトの目標は、イグアス国立公園及び州立保護区の管理体制の改善であ

り、特にグリーンコリドー（緑の回廊）における自然環境保全管理体制の強化を上位目標

としている。そこで本事業では、2004 年 4 月から 2007 年 3 月にかけて、短期専門家８名

を派遣し、実施機関であるミシオネス州生態・再生可能天然資源・観光省、国立公園局、

アンドレシート市役所の各職員とともに、「連携・情報共有」、「普及・環境教育」、「パイ

ロット事業（エコツーリズム）」を３基軸とする活動を展開した。

「連携・情報共有」では、国立、州立両公園レンジャーらの多面的な共同活動が展開で

きるよう、イグアス国立公園内にジャクイ事務所を新設した。カウンターパート３機関の

連携は、保護区管理等のセミナーやワークショップを共同で開催する情報共有活動によっ

て推進された。「普及・環境教育」では、実施機関職員の他に、地元で信頼の厚い教職員を

加え、プロジェクトの推進仲介者とすることによって、地域住民を巻き込んだ保全活動が

継承、発展する可能性を示した。

地域住民が特に関心をもったのが「パイロット事業」としてのエコツーリズムである。

本事業では、アンドレシート市街地周辺の森の中にキャンプ場、エコロッジを建設し、日

本からのモニタリングツアーを受け入れた。これを契機として、地域住民にガイドや観光

サービス業務など多くの研修を実施し、2006 年には観光サービス協同組合が発足した。

カウンターパート職員らは、本事業のパイロット事業から連携活動の重要性、そして機

関相互の調整機能の必要性を認識するとともに、３年間の総合的な活動を通じて、事業終

了後の自然環境保全活動の方向性を明らかにした。

- i -

2

略 語

APN Administración de Paques Nacionales 国立公園局

CA Conservación Argentina コンセルバシオン・アルヘンティーナ

CIES Centro de Investigación Ecológico Sub-Tropicales 亜熱帯生態研究センター

C/P Counterpart / Contrapartida カウンターパート

CTSA Cooprativa de Trabajadores Selva Adentro

セルバ・アデントロ観光サービス協同

組合

CV Corrdor Verde (Green Corridor) グリーンコリドー（緑の回廊）

FVSA Fundación Vida Silvestre Argentina アルゼンチン野生生物基金

IBAMA Instituto Brasileiro do Meio Ambiente e Recursos Natulais Renovabeis ブラジル環境再生可能天然資源院

JICA Japan International Cooperation Agency 独立行政法人国際協力機構

JWRC Japan Wildlife Research Center 財団法人自然環境研究センター

MCA Municipalidad de Comandante Andresito

コマンダンテ・アンドレシート市自治

体（「アンドレシート市」と略）

MERNRyT Ministerio de Ecologia y Recursos Naturales Renovables y Turismo

生態・再生可能天然資源・観光省

（「生態省」と略）

NGO Non Governmental Organization 非政府組織

PDM Project Design Matrix プロジェクト・デザイン・マトリック

ス

PNI Panrque Nacional Iguazú イグアス国立公園

PPC Parque Provincial Camettí カメティ州立公園

PPF Parque Provincial Foerster フォエステル州立公園

PPI Parque Provincial Isla Grande イスラ・グランデ州立公園

PPU Parque Provincial Urugua-í ウルグアイ州立公園

PPY Parque Provincial Yacuy ジャクイ州立公園

R/D Record of the Discussions 協議議事録

TOR Terms of Reference 委任事項又は権限・役割

- ii -

3

写 真

写真１．イグアス国立公園ビジターセンターに展示

されているグリーンコリドー紹介のパネル 写真２．イグアス国立公園東側入口にプロジェクト

で新設したジャクイ事務所

写真３．キックオフセミナー（2004 年度） 写真４．プロジェクト用ロゴマークコンクール

（2004 年度）

写真５．ブラジルにおける類似プロジェクト視察

（2004 年度） 写真６．日本人グループのモニタリングツアー

（2004 年度）

- iii -

4

写真７．日本人グループのモニタリングツアー

（2005 年度） 写真８．環境教育研修（2005 年度）

写真９．地元小学生によるエコロッジ・カブレイの

紹介（2005 年度） 写真 10．保護区管理に関する情報共有セミナー

（2006 年度）

写真 11．実施機関職員と教員の企画による環境教

育（2006 年度） 写真 12．プエルト・イグアスの観光情報センター

に掲示されたプロジェクト普及用パネル（2006 年

度）

- iv -

1

第１章 プロジェクト内容

１．１ プロジェクトの背景

豊かな生物多様性をもつ生態地域、パラナ密林は、アルゼンチン、ブラジル、パラグア

イに広がる亜熱帯林で、かつて、総面積が約 471,200km2（日本の国土面積の約 1.26 倍）に

も及んでいた。しかし、巨大ダムの建設や急速な農牧畜業開発等により大部分は消滅し、

現在は以前の森林面積のわずか 7.8％(約 37,000km2)しか残っていない。特に連続して広が

るパラナ密林は、アルゼンチン国内のイグアス国立公園や周辺の州立公園を中心としたミ

シオネス州に限られている。

ミシオネス州政府は、1984 年に生態・持続可能資源省を設置し、保護区を拡大し、1999

年には貴重な自然環境のある民有地も含め、国立公園や州立公園など様々なカテゴリーの

保護地域を繋ぐグリーンコリドー（緑の回廊）計画を設定した。それにもかかわらず保護

区内での密猟や盗伐、保護区周辺での農牧地拡大によるパラナ密林の分断化、保護区の孤

立化が進み、パラナ密林の生物多様性は失われつつある。パラナ密林は、南米大陸におい

て自然環境保全の緊急度が極めて高い生態地域なのである。

衛星画像１．森林が減少しているミシオネス州北部地域（2001 年） 赤紫や黄色の地区は農牧地の拡大等で失われたパラナ密林の跡地。赤線はグリーンコリドー境界(図

1.2 参照)。中央の青い線はアルゼンチンとブラジル国境のイグアス河。 出展：ミシオネス州生態省

2

１．２ プロジェクトの実施方針

１．２．１ プロジェクト対象地域

プロジェクト対象地域は、アルゼンチン共和国における北東端に位置するミシオネス州

のグリーンコリドー北部地域の保護区とそのバッファーゾーンである。具体的には、イグ

アス国立公園（PNI）、ウルグアイ州立公園（PPU）、ジャクイ州立公園（PPY）、カメティ

州立公園（PPC）を含むアンドレシート市で、その中でもイグアス国立公園東側のカブレ

イ地区、ペニンスラ地区、デセアード地区にまたがる約２万 ha が本プロジェクトにおける

保全の中心的なプロジェクト対象地域である。しかも、ここには国境となるイグアス河の

対岸に、ブラジル側の 18 万 ha に及ぶイグアス国立公園が存在するように、広域の保護区

の連続性を確保する観点からも重要な位置を占めている。

図 1.1 ミシオネス州及びアンドレシート市の位置

プエルト・イグアス市

アルゼンチン

パ ラ グ ア イ

ポサーダス

300

ブ　ラ　ジ　ル

60km

アンドレシート市

ブエノスアイレス

ウルグアイ

0

パラグアイ

ボリビア

アルゼンチン

ペルー

チ　リ

ブ ラ ジ ル

1,000km500

ミシオネス州

3

図 1.2 プロジェクト対象地域

注）プロジェクト対象地域は、アンドレシート市域の、特に凡例太線で囲まれたところが中心となる。

表 1.1 イグアス地域の主な自然保護区の概要

保 護 区 名 面 積 設定年 職員数

イグアス国立公園（PNI） 67,620ha 1934 年 約 50 人注１

ウルグアイ州立公園（PPU） 84,000ha 1990 年 18 人注２

ジャクイ州立公園（PPY） 347ha 1991 年 0 人

カメティ州立公園（PPC） 103ha 2000 年 0 人

注１）プエルト・イグアス市に事務所を置くAPN東北支所の職員を含まない。

注２）アンドレシート市東部のフォエステル州立公園職員６名を含む（2006年9月時点）。

１．２．２ 相手国実施機関

プロジェクト対象地域に含まれるイグアス国立公園（PNI）、ウルグアイ州立公園（PPU）、

ジャクイ州立公園（PPY）、カメティ州立公園（PPC）は、PNI が国立公園局（APN）、PPU、

PPY、PPC はミシオネス州政府の生態省（MERNRyT）が管轄する。そして保全のターゲッ

トエリアは行政上アンドレシート市（MCA）に属する。そこでプロジェクトの実施機関を

ミシオネス州政府 MERNRyT、APN、MCA とした。

しかしこれらの機関は、それぞれが連邦政府、州政府、地方自治体と組織を異にして、

本部が遠隔地にあるなどの理由から、これまで情報共有や業務の調整など協力して活動し

た経験がない。少数の環境関連機関の事務所が分散し、担当職員が孤立していては、広大

パ　ラ

グ　ア

イ

プエルト・イグアス市

保護区

グリーンコリドー

主なプロジェクト対象地域

イグアスの滝

パラナ州

イグアス国立公園 ジャクイ事務所

イグアス国立公園（ブラジル）

ブ　ラ　ジ　ル

エコロッジ

アンドレシート市

プロジェクト事務所

カブレイ地区

0 10 20km

カメティ州立公園

ジャクイ州立公園

民間自然保護区（ジャクティンガ）

Ｆ．バサルドゥア多目的利用保護区

フォエステル州立公園

マリア・ソリダ地区

ウルグアイダム湖

イグアス国立公園

ウルグアイ州立公園

4

な自然環境を保全することは難しい。イグアス地域において、環境関連機関の連携は、自

然環境保全のために必須の課題である。

そこで、MERNRyT 生態庁、PNI 管理事務所、MCA 観光・環境・スポーツ局を、プロジ

ェクト対象地域の自然環境保全における責任部署とした。

１．２．３ プロジェクト目標

プロジェクトの上位目標とプロジェクト目標は以下の通りである。

●上位目標

イグアス国立公園及び州立保護区の管理が改善され、グリーンコリドーにおける自

然環境保全が強化される。

●プロジェクト目標

プロジェクト地域における国立公園局、州政府（MERNRyT）及びアンドレシート

市自治体の職員の自然環境管理能力が向上する。

１．３ プロジェクトの範囲

本プロジェクトは 2003 年 12 月 19 日にアルゼンチン政府と署名・交換された協議議事

録に基づき実施するもので、実施期間は 2004 年 4 月から 2007 年 3 月までの 3 年間である。

プロジェクトの活動は、年度ごとに作成される「業務計画書」に基づき実施された。各

年次のプロジェクトの範囲は以下の通りである。

計画策定及び活動基

盤整備段階 社会開発・自然資源利用・保護区管理・環境教育・パイロッ

ト事業実施に必要な情報とデータの収集・蓄積および各成果

に対する具体的な計画を立案し、必要な運営体制の構築、資

機材の購入・設置、施設の建設を行う。

実施段階 各計画を実施し、その内容の記録、検証および改善を行う。

また、必要な資機材を購入・設置する。

総括段階 各計画、実施をさらに改善し、その内容を取り纏め、活動全

体を総括、評価する。

第一年次（2004 年 4 月～2005 年 3 月）

第二年次（2005 年 4 月～2006 年 3 月）

第三年次（2006 年 4 月～2007 年 3 月）

5

１．４ 自然環境管理能力

実施機関は、これまで具体的な自然環境管理活動を行うことができなかった。そこでま

ず自然環境管理能力の内容を具体的に示す必要がある。プロジェクト目標の達成度を測る

指標として定義された実施機関職員の「自然環境管理能力」は以下の 6 項目である。 表 1.2 自然環境管理能力の内容

自然環境管理能力 内 容

a) 情報・データの収集・提供能

力

· 情報・データ収集計画の作成

· 適切な情報・データ収集の実施

· 情報・データの整理

· 情報・データの提供

b) 関係機関との調整能力 · 他機関との共同企画立案（会議、セミナー、ワークシ

ョップ、講演会、研修会、視察旅行）

· 共同企画の実施の調整

c) 環境教育及び普及プログラ

ムの作成能力

· 普及プログラムの企画・作成

· 環境教育プログラムの企画・作成

d) 環境教育及び普及材料の作

成能力

· 普及教材の企画・作成

· 環境教育教材の企画・作成

e) 環境教育及び普及プログラ

ムの実施能力

· 普及プログラムの実施

· 環境教育プログラムの実施

f) 自然資源の持続的活用能力 · 自然資源（野生動植物）の知識

· 自然資源の持続的活用方法（間接的利用又は低インパ

クトな利用）の企画

· 自然資源の持続的活用の実践

１．５ プロジェクトの要約と指標

プロジェクト目標、上位目標、成果の要約と指標は以下の通りである。

表 1.3 指標

要 約 指 標 上位目標 イグアス国立公園及び州

立保護区の管理が改善さ

れ、グリーンコリドーにお

ける自然環境保全が強化

される。

1. 森林面積とその連続性が 5 年後に維持されてい

る。 2. 持続的に自然資源を活用した経済活動（エコツ

ーリズム等）件数が、プロジェクト終了時をベ

ースラインとして 5 年後に増加している。 3. 自然環境情報収集のための調査の実施と情報・

データの更新が行われている。 4. 上記調査結果に基づいた自然環境保全活動（普

及啓発、環境教育、エコツーリズムなど）が継

続されて行われている。

6

要 約 指 標 プ ロ ジ ェ

クト目標 プロジェクト地域におけ

る国立公園局、州政府

（MERNRyT）及びアンド

レシート市自治体の職員

の自然環境管理能力が向

上する。

1. 自然環境管理に関する６項目に関し、各項目に

最低２名が専門家の支援なしに実施できるよう

になる。 2. APN 職員の自然環境管理能力度（段階評価－特

に成果１） 3. MERNRyT 職員の自然環境管理能力度（段階評

価－特に成果１，２） 4. アンドレシート市職員の自然環境管理能力度

（段階評価－特に成果３）

成果 1 関係機関間においてプロ

ジェクト地域の自然環境

情報及びデータが活用可

能な形で整理・共有され

る。

1-1 プロジェクト終了後の運営計画書（責任の所在、

機関間の業務役割分担などを含むもの） 1-2 連携事業（セミナー、ワークショップ）の開催数

（12 回）・参加者数（50 人1） 1-3 実施機関で共有された情報の項目数（10 項目+リ

スト）・量（10 シーズン／ポイント）2

成果 2 住民及び観光客を対象と

した自然環境保全のため

の普及プログラム及び環

境教育プログラムに関す

る実施能力が向上する。

2-1 改善及び作成された普及・環境教育プログラムの

数（普及 2 種類、環境教育 3 種類）・質3 2-2 改善及び作成された普及・環境教育教材の数（普

及 12 種類、環境教育教材 2 種類）・質4 2-3 普及活動・環境教育プログラムの実績（実施回数、

参加者など）5 うち、 2.3.1 C/Pによる企画実績 2.3.2 C/P による実施実績

成果 3 パイロット事業の実施を 3-1 エコツーリズム推進計画（案）（プロジェクト終

1 参加者数の母数は約 470 人（内訳は MERNRyT 職員約 360 人、APN 職員約 60 人、MCA 職員約 50 人）、

参加者 50 人の内訳は MERNRyT 職員 25 人、APN 職員 15 人、MCA 職員 10 人。 2 10 項目とは、植物（木本植物・草本植物）、節足動物、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、土壌、気象、

衛星画像・航空写真、社会経済（土地所有者名及び家族構成、土地利用、生産物等）。量は、調査シー

ズンと調査ポイントのかけ数が 10 という意味。 3 普及プログラムは不特定多数の観光客向と地域住民向の２種類。 環境教育プログラムは実施機関職員向、教職員向、観光客向の３種類。

4 普及教材 12 種＝第一年次：７種類（パンフレット４種類、カレンダー２種類）、第二年次：４種類（ポ

スター１種類、パンフレット１種類、パネル１種類、ユニフォーム１種類）、第三年次：パンフレット

２種類。環境教育教材２種＝第三年次：冊子１種類、視聴覚教材１種類 5 普及７回とは、観光客向２回、地域住民向５回。環境教育 17 回とは、教職員６回、観光客６回、関係

機関職員５回。環境教育プログラム参加者数 90 人とは、教職員 20 人、観光客 60 人、関係機関職員 10人。C/P 企画による実施回数は 1 回以上。

6 ３カテゴリー：食事・宿泊、プログラム、移動手段。８機関とはアンドレシート市内においてプログラ

ムに参加する任意団体を含む組織。参加者数 90 人の内訳は、パイロット事業関連施工関連者 20 人、研

修参加者 50 人、プログラム提供者 20 人。 7 ６項目＝建設方法、管理方法、運営方法、エコツーリズムに関連する動植物情報、来訪者数、アクティ

7

要 約 指 標 通じて、自然資源の持続的

利用の知識及び経験が蓄

積される。

了後の責任の所在、機関間の業務役割分担、民間

対応の方法、現地で有効な事業案（モデル）など

を含むもの） 3-2 パイロット事業への参加機関数（3 カテゴリー・

8 機関）・参加者数（90 人）6 3-3 パイロット事業により得られたデータ項目数（6

項目）7

１．６ 作業計画

PDM の活動内容に基づく作業全体の工程を表 1.5 に示す。

ビティ

ＢＯＸ１

自然環境管理能力を向上させる「研修」について 本プロジェクトは実施機関職員の自然環境管理能力を向上することを目的としてお

り、そのための「研修」は以下の通り様々なタイプがある。 ► 会議 ► 日常的な協議を通じた指導 ► 講義、セミナー、ワークショップ ► 実習 ► 視察

そして環境保全の高い認識は実施機関職員にとどまらず、他の組織や多くの住民、観

光客に広がってこそ意味がある。そこで、これらのタイプの実施方法は、単独又は複

数を組み合わせ、以下のように分類した。 ① ＪＩＣＡ専門家→実施機関職員 ② ＪＩＣＡ専門家＋実施機関職員→他の実施機関職員、教職員、地域住民、観光客 ③ ＪＩＣＡ専門家＋外部講師→実施機関職員、教職員、地域住民、観光客 ④ ＪＩＣＡ専門家＋実施機関職員＋外部講師→他の実施機関職員、教職員、地域住民、

観光客

8

表 1.5 作業工程

2004年 2005年 2006年 2007年 年 度

フェーズ１（H16年度） フェーズ２（H17年度） フェーズ３（H18年） 期待される成果

活 動 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

1 1.1 関係機関の協力体制を形成し、プロジェ

クト地域の自然環境情報及びデータを

共有する計画を合同で作成する。

1.2 インターネット、パンフレット、セミナ

ー等を通じて、衛星画像、動物相、植物

相、エコツーリズム及び社会・経済状況

の情報を整理･共有する。

関係機関間にお

いてプロジェク

ト地域の自然環

境情報及びデー

タが活用可能な

形で整理・共有

される。

1.3 セミナー及びワークショップ形式の研

修を行い、自然環境管理に必要な情報を

共有する。

2 2.1 地域住民及び観光客向け普及材料を作

成する。

2.2 普及プログラムを計画・実施する。

2.3 環境教育プログラムを計画する。

住民及び観光客

を対象とした自

然環境保全のた

めの普及プログ

ラム及び環境教

育プログラムに

関する実施能力

が向上する。

2.4 環境教育の教材を作成する。

8

9

2004年 2005年 2006年 2007年 年 度

フェーズ１（H16年度） フェーズ２（H17年度） フェーズ３（H18年） 期待される成果

活 動 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

2.5 環境教育プログラムを実施する。

3 3.1 パイロット事業の計画を作成する。

3.2 パイロット事業の実施のための研修を

行う。

3.3 エコツーリズムのパイロット事業を実

施する。

パイロット事業

の 実 施 を 通 じ

て、自然資源の

持続的利用の知

識及び経験が蓄

積される。

3.4 パイロット事業の実施を通じて知識及

び経験が蓄積され、民間の活動に反映・

利用する。

凡例： 計画 実績

9

10

１．７ 実施機関の役割分担

連携活動を具体的に進展させるためには、関係機関が分担する役割を絞り、明確にする

必要がある。2006年度の中間評価の際に整理された各機関の役割分担を以下に示す。

表1.6 関係機関の役割分担（１）

プロジェクトの要約（成果） 主担当 副担当

１．関係機関間においてプロジェクト地域の自然環境情報及び

データが活用可能な形で整理・共有される。 APN MERNRyT

２．住民及び観光客を対象とした自然環境保全のための普及プ

ログラム、及び環境教育プログラムに関する実施能力が向

上する。

MERNRyT APN

３．パイロット事業の実施を通じて、自然資源の持続的利用の

知識及び経験が蓄積される。 MERNRyT MCA

表1.7 関係機関の役割分担（２）

成果 MERNRyT APN MCA

１ 1. プロジェクト地域の衛星画

像情報を収集、整理し関係機

関へ提供する。

2. プロジェクト地域の州立公

園及びその周辺地域の自然

環境情報（5 – 8 / 10項目）を

収集・整理し関係機関へ提供

する。

3. ポサーダス市及びアンドレ

シート市における情報共有

のためのセミナー、ワークシ

ョップ等（連携事業）を企画、

実施する（年１回以上）。

4. APNが作成する活動計画に

参画する。

1. プロジェクト地域の国立公園

及びその周辺地域の自然環境

情報（5-8 / 10項目）を収集・

整理し関係機関へ提供する。

2. プエルト・イグアス市及びア

ンドレシート市における情報

共有のための会議、セミナー、

ワークショップ等（連携事業）

を企画、実施する（年１回以

上）

3. プロジェクト地域の自然環境

情報及びデータを共有し活用

するための計画案を作成す

る。

4. 計画のうち、他の実施機関と

調整が必要な分野について合

同で計画書を作成する。

5. ジャクイ事務所（プロジェク

ト地域における自然環境保全

の拠点施設である）における

自然環境データ及び情報の共

有と利用のための計画案を作

1. アンドレシート市の社会経

済情報（1 / 10項目）を収集・

整理し関係機関へ提供する。

2. APNが作成する活動計画に

参画する。

11

成果 MERNRyT APN MCA

成する。

２ 1. 観光客（潜在的観光客含）を

対象とした普及プログラ

ム・材料を企画、作成する

（HP、パンフレット）。

2. 観光客を対象とした普及プ

ログラムを実施する（ミシオ

ネス州全域、他州）。

3. 企画・作成された環境教育プ

ログラムを実施する。

1. 住民及び観光客を対象とした

普及プログラムの企画、作成

を補佐する。

2. 環境教育プログラム・教材の

企画、作成を調整する（3種類

＝住民向、教職員向、観光客

向）。

3. 観光客を対象とした自然環境

保全のための普及プログラム

を実施する（プエルト・イグ

アス市）。

4. 企画・作成された環境教育プ

ログラムを実施する。

1. 住民を対象とした普及プロ

グラム・材料を企画、作成す

る（ラジオ、ポスター、カレ

ンダー、ユニフォーム）。

2. 観光客（潜在的観光客含）を

対象とした普及プログラ

ム・材料を企画、作成する（パ

ネル）。

3. 住民及び観光客を対象とし

た自然環境保全のための普

及プログラムを実施する（ア

ンドレシート市）。

4. 企画・作成された環境教育プ

ログラムを実施する。

３ 1. プロジェクト地域における

エコツーリズム推進計画の

提案書を作成する。

2. エコツーリズムを推進する

ための関係機関（ミシオネス

州内各地）の参加を促す。

3. エコロッジの管理・運営を行

う。

4. パイロット事業により得ら

れるデータを収集、整理し、

民間部門へ提供する（ミシオ

ネス州全域）。

1. エコツーリズムを推進するた

めの関係機関（主にプエル

ト・イグアス市内）の参加を

促す。

2. エコロッジの管理・運営を補

佐する。

1. エコツーリズム推進計画の

提案書の作成を補佐する。

2. エコツーリズムを推進する

ための関係機関（主にアンド

レシート市内）の参加を促

す。

3. エコロッジの管理・運営を補

佐する。

4. パイロット事業により得ら

れるデータを収集、整理し、

民間部門へ提供する（アンド

レシート市内）。

12

１．８ カウンターパートの配置

ＪＩＣＡ専門家と共に日常的に業務を行った評価対象カウンターパート（C/P）を表1.8

に示す。

表1.8 評価対象カウンターパートリスト

機 関 氏 名 役職（ワーキンググル

ープの担当） 本邦研修

業務期間

（2007年3月まで）

ダ・ロッサ・マベル

（女性） 州立保護区レンジャ

ー（２） なし 2005年9月より 19ヶ月 州生態省

MERNRyT シュローデル・モニ

カ（女性） 同上（２） なし 2006年3月より

13ヶ月

チャベス・ウーゴ

（男性） イグアス国立公園技

官（１、２、３） 2005年度 自然環境保全

2004年4月より 36ヶ月 国立公園局

APN ベジョニ・セシリア

（女性） イグアス国立公園レ

ンジャー（２） 2006年度 自然環境保全

2005年8月より 20ヶ月

アアプ・マルセロ

（男性） 観光・環境・スポーツ

局代表（１、２、３） 2005年度 自然環境保全

2004年4月より 36ヶ月 アンドレシ

ート市 MCA ボガード・マウリシ

オ（男性） 観光・環境・スポーツ

局職員（２、３） 2006年度 自然環境保全

2004年4月より 36ヶ月

注）ワーキンググループ（WG）の担当の番号は成果１、２、３に対応する。

13

第２章 プロジェクトの成果

２．１ プロジェクト実施運営体制

プロジェクトの実施運営体制は以下の通りである。

アルゼンチンでは、連邦、州、市レベルの実施機関による連携が極めて難しいと指摘さ

れている。その中で、プロジェクト期間中に合同調整委員会を７回（臨時会議含む）、ワー

キンググループ会議を 11 回開催した。カウンターパートの調整により、会議を計画的、継

続的に実施できたことは、職員の調整能力が向上した成果である。

ワーキンググループ（WG）

プロジェクト合同調整委員会（JCC）

・ ミシオネス州政府

・ 国立公園局

・ アンドレシート市自治体

・ ＪＩＣＡ専門家、ＪＩＣＡアルゼンチン事務所

情報共有グループ（成果１）

・ MERNRyT生態庁 ・ PNI ・ MCA ・ ＪＩＣＡ専門家

普及・環境教育グループ（成果２）

・ MERNRyT生態庁 ・ PNI ・ MCA ・ ＪＩＣＡ専門家

パイロット事業グループ（成果３）

・ CV特別ユニット ・ PNI ・ MCA ・ ＪＩＣＡ専門家

プロジェクト管理

・ ダイレクター：MERNRyT大臣 ・ マネージャー：MERNRyT生態庁長官 ・ ＪＩＣＡ専門家

図 2.1 プロジェクト実施運営体制

14

表 2.1 各ユニットの役割

ユニット 役 割

合同調整委員会（ス

テアリング・コミテ

ィ）

年間活動計画の承認

年間活動計画の結果と進捗状況のモニタリング及び評価

プロジェクト実施中の重要事項に対する検討と提案

プロジェクト管理 合同調整委員会とワーキンググループの調整

ＪＩＣＡとの協力に係る書類の準備・提出

ワーキンググループ

成果に関する計画、実施、モニタリング及びその他の活動の調整

合同調整委員会に提出する実施計画書、進捗及びモニタリング報告書

の準備

２．２ プロジェクト事務所

組織が異なる C/P 三機関の事務所は、表 2.2 のように遠く離れて分散する。中心となるプ

ロジェクト対象地は、アンドレシート市域内である。そこで、活動を推進するためにＪＩ

ＣＡ専門家が常駐するプロジェクト事務所は、アンドレシート市が市役所の隣に新設した。

ここにインターネットや国立公園、州立公園そしてエコロッジの相互連絡が可能な無線設

備が備わって、実施機関職員が頻繁にアンドレシート市内に集まるようになり、ＪＩＣＡ

専門家及び職員同士のコミュニケーションが円滑になった。

本プロジェクトで連携・情報共有事業を主目的として建設したのが、イグアス国立公園

ジャクイ事務所である。同事務所は、イグアス国立公園とウルグアイ州立公園の隣接付近

に位置し、カブレイ地区に隣接している（図 1.1、1.2 参照）。同地区は、貧しいブラジルか

らの移民農民が多く住み、環境保全活動の重要な対象地である。この事務所では、プロジ

ェクト期間中、情報共有セミナーが２回、環境教育研修会が１回開催された。また実施機

関職員が頻繁に打ち合わせを行うなど、活発に活用された。

表 2.2 プロジェクト事務所

責任機関 事務所名(所在地) ワーキンググループのメンバー

エコロッジ・カブレイ（アンド

レシート市）* ダ・ロッサ・マベル**、シュローデル・モニカ**、カマラ・ウーゴ、ベルトット・パウラ

本省（ポサーダス市）*** カタネオ・ワルテル、リナス・ミゲル、シルバ・

ダリオ他

観光庁（ポサーダス市）*** クレマール・アリエル アンドレシート支所（アンドレ

シート市） ブルエラ・ペドロ

プエルト・イグアス支所(プエ

ルト･イグアス市) アルサメンディア・エステバン

州生態省 MERNRyT

PPUウルス事務所（アンドレシ

ート市） オリベラ・オネッシモ、アビルドガルド・ガブ

リエル

15

責任機関 事務所名(所在地) ワーキンググループのメンバー

PNI管理事務所（プエルト･イグ

アス市） フェルナンデス・ダニエル 国立公園局 APN PNIジャクイ事務所*（プエル

ト･イグアス市） チャベス・ウーゴ**、ベジョニ・セシリア**

アンドレシ

ート市役所 MCA

観光・環境・スポーツ局事務所

（アンドレシート市） アアプ・マルセロ**、ボガード・マウリシオ**、

アントゥネス・アルド

JICA プロジェクト・カブレイ事務所*（アンドレシート市） JICA専門家、現地雇用職員

注１）* 主な事務所、** 評価対象 C/P、*** MERNRyT 観光庁は、本省とは別の建物。

注２）勤務先は 2006 年 12 月時点。

２．３ 関係機関の連携強化・情報共有の促進

連携・情報共有事業を主に担当するのが、イグアス国立公園（PNI）と州生態省（MERNRyT）

である。

成果１「関係機関間においてプロジェクト地域の自然環境情報及びデータが活用可能な

形で整理・共有される。」について、指標に基づき結果を述べる。

２．３．１ プロジェクト終了後の運営計画書

本運営計画書とは、プロジェクト終了後も関係機関間においてプロジェクト地域の自然

環境情報及びデータを活用可能な形で整理・共有するための計画書である。国立公園局

（APN）及び生態省（MERNRyT）の職員を中心に検討し、その結果は「自然環境情報管理

マニュアル」に纏められた。

自然環境調査の実施、マニュアルの作成を通じて、自然環境に関する情報・データの収

集・提供は、C/P だけで実施できるまでに能力は向上した。

２．３．２ 連携事業

連携事業とは、組織母体の異なる３機関が、イグアス地域の環境管理能力を高め、情報

を共有するために、共同で実施するセミナー、ワークショップおよび視察研修などである。

なお、もう一つのプロジェクトの活動である普及・環境教育については、たとえ３機関共

同で実施しても、成果を区別するため連携事業とはしていない。

連携事業の開催数目標値は６回、参加者数目標値は母数約 470 人8のうち 50 人9で、実績

は以下の通りである。このうち一回以上参加した職員数は、MERNRyT 職員 26 人、APN 職

8 内訳は MERNRyT 職員約 360 人、APN 職員約 60 人、MCA 職員約 50 人 9 内訳は MERNRyT 職員 25 人、APN 職員 15 人、MCA 職員 10 人

16

員 22 人（コルドバ州にある APN レンジャー養成センター職員５人含む）、MCA 職員７人

であった。

これらの開催を通じて C/P の関係機関との調整能力や情報・データの提供能力は向上し、

ＪＩＣＡ専門家の支援なしで開催できるようになった。

表 2.3 連携事業実績

フェーズ テーマ 開催日 参加者数

１ 実施機関セミナー・ワークショップ（環境

教育、パイロット事業） 2004 年 7 月 28 日、8 月

19 日 15

２ NGO との情報共有 2005 年 8 月 9 日 10

本邦研修報告会（日本の保護区利用につい

て） 2006 年 1 月 11 日 13

環境教育施設視察 2006 年 1 月 18 日 ４

生態コリドー 2006 年 1 月 24 日 10

マーケティング 2006 年 2 月 2 日 ５

経営 2006 年 2 月 2 日 ８

３ 衛星画像 2006 年 6 月 13 日 11

生息動物情報 2006 年 7 月 19 日 18

保護区管理 2006 年 10 月 25，26 日 32

17

表 2.4 連携事業参加者リスト 所 属 氏 名 参加回数

APN/PNI アセベド・エウヘニア 1 APN/PNI エレラ・フスト 1 APN/PNI カラドナ・アンヘル 2 APN/PNI カンポサノ・モニカ 1 APN/PNI クロスタ・ダニエル 1 APN/PNI サジェナベ・アナ 1 APN/PNI スィエスリック・ホルヘ 1 APN/PNI ダニエル・デ・ラ・トーレ 1 APN/PNI チャベス・ウーゴ 7 APN/PNI バルダスィ・フアン・クルス 1 APN/PNI フィゲレド・ロレーナ 1 APN/PNI フェルナンデス・ダニエル 1 APN/PNI ブラスィナ・アナ・パウラ 1 APN/PNI ヘオロプロス・アドリアン 1 APN/PNI ベジョニ・セシリア 3 APN/PNI ベニテス・クラウディア 1 APN/PNI ムニョス・サンドラ 1 APN/CG オチョア・フェルナンド 1 APN/CG オチョア・マルセロ 1 APN/CG キンタナ・カルロス 1 APN/CG ハイメス・マリオ 1 APN/CG ラウール・アリエル 1 MCA アアプ・アルド 2 MCA アアプ・マルセロ 6 MCA ジャンス・ディエゴ 1 MCA デ・モライス・フランシスコ 1 MCA バシリオ・ファビアン 1 MCA ボガード・マウリシオ 5 MCA（議員） バレラ・サリンド 1

所 属 氏 名 参加回数

MERNRyT アビルドガルド・ガブリエル 3 MERNRyT アラウホ・ジャゴ 4 MERNRyT アラウホ・ディエゴ 1 MERNRyT アルサメンディア・エステバン 1 MERNRyT アレハンドラ・マリン 1 MERNRyT カマラ・ウーゴ 6 MERNRyT エドゥアルド・セルヒオ 1 MERNRyT オリベイラ・オネッシモ 1 MERNRyT オルテガ・エリセオ 2 MERNRyT カタネオ・ワルテル 2 MERNRyT ガビラン・ペルラ 1 MERNRyT クレリア・デ・リマ 1 MERNRyT ゴンサレス・ダニエル 1 MERNRyT シュローデル・モニカ 2 MERNRyT セムニッチ・ビクトル 1 MERNRyT ソロウ・フェデリコ 1 MERNRyT ダ・ロッサ・マベル 4 MERNRyT チュディ・マリアノ 1 MERNRyT ド・サントス・ビクトル 1 MERNRyT ピスィオ・エステバン 1 MERNRyT フォレット・フェルナンド 2 MERNRyT ブルエラ・ペドロ 3 MERNRyT ベルトット・パウラ 2 MERNRyT ペレイラ・パトリシア・ロレーナ 2 MERNRyT ポイソン・エステラ・リンド 1 MERNRyT ボニファト・アレハンドロ 1

CG：レンジャー養成センター

17

18

２．３．３ 実施機関で共有された情報の項目数・量

各種研修及びプロジェクトで購入した資機材により、C/P の情報・データを収集、整理、

提供する能力は向上した。その結果、以下の情報（10 項目・10 シーズン・ポイント10）が

共有された。

表 2.5 共有する情報項目・量

共有する 10項目 量（内容）

植物（木本植物・

草本植物）

シーズン ポイント

2004 年 8 月（冬） · カブレイ地区 · ラ・ブランキッタ地区 · アンドレシート地区※１

2004 年 10 月（春） · カブレイ地区 · ラ・ブランキッタ地区 · アンドレシート地区

2006 年 9 月（春） · カメティ州立公園 · イスラ・グランデ州立公園

2006 年 11 月（春） · ウルグアイ州立公園 · デセアード地区※２

※１アンドレシート市の市街地と農村地区の境界線付近（エコロッジ・カブ

レイ付近） ※２ウルグアイ州立公園に隣接する民有地

節足動物 同 上

両生類 同 上

爬虫類 同 上 鳥類 同 上

哺乳類 同 上

土壌 同 上

気象 1995 年－2004 年の気温、降水量データ

衛星画像・ 航空写真

衛星画像：2001 年、2003 年、2005 年 航空写真：2004 年 8 月（カブレイ地区を含むイグアス国立公園（PNI）とア

ンドレシート市の境界、ラ・ブランキッタ地区、エコロッジ及びその周辺）

社会経済

土地利用調査 対象地：プロジェクト地域のグリーンコリドー（CV）内（約 20,000ha） 調査期間：2005 年 3 月－6 月 詳細項目：土地所有者名及び家族構成、土地利用、生産物 データ件数：約 360 件

国立公園・州立公園での違法行為件数 2003 年－2005 年までのデータ

10 10 シーズン（S）・ポイント（P）とは、調査シーズンと調査ポイントの積が 10 という意味。アルゼンチ

ンのシーズン（四季）は、暦上、春 9 月 21 日－12 月 21 日、夏 12 月 21 日－3 月 21 日、秋 3 月 21 日

－6 月 21 日、冬 6 月 21 日－9 月 21 日となっている。

19

２．４ 普及･環境教育の実施

２．４．１ 改善及び作成された普及・環境教育プログラム

（１）普及プログラム

普及プログラムとは、実施機関職員以外を含む不特定多数の住民、観光客を対象に行わ

れる活動で、観光客向と地域住民向の２種類を実施した。

ホームページについては、その有効性を C/P が認識し、情報・データを提供できるよう

になった（但し更新は、MERNRyT の専門職員又は専門業者に依存する）。FM ラジオにつ

いては、C/P が独自で企画、実施できるようになった。

表 2.6 普及プログラム

対 象 手 段 内 容

観光客 ホームページ 2006 年度バージョン www.proyectocaburei.com.ar

2004 年度、2005 年度バージョン www.misiones.gov.ar/proyectocaburei

地域住民（約 1 万人） FM ラジオ 2005 年 9 月－12 月にかけて週２回合計 30 回放送 2006 年は毎週火曜（11：00－11：30）放送 内容は環境保全全般

（２）環境教育プログラム

プロジェクト開始前、対象地域における環境教育プログラムは皆無であった。本プロジ

ェクトにおける環境教育の担い手は実施機関職員であり、それによって最終的に環境保全

のメッセージを届ける対象者は、地域住民と観光客である。そこで環境教育プログラムに

おいては、実施機関職員、教職員、観光客にターゲットを特定した活動を企画した。特に、

ここでは地元の教職員を環境教育の推進仲介者として、プロジェクトに巻き込むことによ

って活動が継承し、発展する可能性を求めた。その結果、C/P の企画又は教職員との連携の

もと、独自でプログラムを企画、作成できるようになった。

表 2.7 環境教育プログラム一覧

対 象 アクティビティ 目 標

実施機関職員 植物

・ 植物の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関

係について理解する。 ・ 植物の観察・調査方法を理解する。 ・ 植物に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術

を習得する。

昆虫

・ 昆虫の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関

係について理解する。 ・ 昆虫の観察・調査方法を理解する。 ・ 昆虫に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術

を習得する。

両生類・爬虫類 ・ 両生・爬虫類の観察を通じて、保護区や生態系、人

間との関係について理解する。

20

対 象 アクティビティ 目 標

・ 両生・爬虫類の観察・調査方法を理解する。 ・ 両生・爬虫類に関する知識を地域住民や観光客に伝

える技術を習得する。

鳥類

・ 野鳥の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関

係について理解する。 ・ 野鳥の観察・調査方法を理解する。 ・ 野鳥に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術

を習得する。

哺乳類

・ 哺乳類（痕跡）の観察を通じて、保護区や生態系、

人間との関係について理解する。 ・ 哺乳類の観察・調査方法を理解する。 ・ 哺乳類に関する知識を地域住民や観光客に伝える技

術を習得する。

自然環境調査

・ 動植物データの収集・整理の技術を学ぶ。 ・ プロジェクト地域の自然環境情報を収集する。 ・ 調査員同士（実施機関職員）の作業方法、情報に関

する意見交換を行う。 ・ 調査継続のために実施機関同士の連携を強化する。

模型づくり

・ 身近な素材を通じて地域の模型をつくり、地域の環

境を認識する。 ・ 地域住民に自然環境保全への意識を高めるための技

術を習得する。

リサイクル ・ 身近な素材をリサイクル活用する方法を理解する。 ・ リサイクルを通じて、地域住民に自然環境保全への

意識を高めるための技術を習得する。

インタープリテー

ション ・ 自然環境に関するインタープリテーションについて

理解する。

教職員 植物

・ 植物の観察を通じて、植物と人間の関わりについて

認識する。 ・ 植物の観察方法を理解する。 ・ 植物に関する知識を生徒に伝える技術を理解する。

昆虫

・ 昆虫の観察を通じて、昆虫と人間の関わりについて

認識する。 ・ 昆虫の観察方法を理解する。 ・ 昆虫に関する知識を生徒に伝える技術を理解する。

両生類・爬虫類

・ 両生類・爬虫類の観察を通じて、両生類・爬虫類と

人間の関わりについて認識する。 ・ 両生類・爬虫類の観察方法を理解する。 ・ 両生類・爬虫類に関する知識を生徒に伝える技術を

理解する。

鳥類

・ 野鳥の観察を通じて、野鳥と人間の関わりについて

認識する。 ・ 野鳥の観察方法を理解する。 ・ 野鳥に関する知識を生徒に伝える技術を理解する。

哺乳類

・ 哺乳類（痕跡）の観察を通じて、哺乳類と人間の関

わりについて認識する。 ・ 哺乳類（痕跡）の観察方法を理解する。 ・ 哺乳類に関する知識を生徒に伝える技術を理解す

る。

21

対 象 アクティビティ 目 標

模型づくり

・ 身近な素材を通じて、地域の模型をつくり、地域の

環境を認識する。 ・ 地域住民に自然環境保全への意識を高めるための技

術を習得する。

リサイクル／リサ

イクル人形劇

・ 身近な素材をリサイクル活用する方法を理解する。 ・ リサイクルを通じて、地域住民に自然環境保全への

意識を高めるための技術を習得する。

観光客 レクチャー（環境

知識全般）

・ 保護区や CV の必要性、重要性、社会との関係（観

光、レクリエーション、水源涵養、調査研究）を認

識する。

自然観察／インタ

ープリテーション ・ 保護区内での自然観察を通じて、自然保護の重要性

を認識する。 植林 ・ パラナ密林の保全と再生の重要性を認識する。

２．４．２ 改善及び作成された普及・環境教育の教材

普及・環境教育の教材数の目標値は、普及 12 種類、環境教育２種類で、結果は以下の通

りである。これらの教材作成を通じて、C/P の環境教育及び普及教材の作成能力は向上され、

自主的に企画、作成できるようになった。

各実施機関はそれぞれの責任のもと、各機関の職員、地域住民や観光客への普及、配布

を行った。

表 2.8 普及・環境教育教材一覧

配布担当機関と部数 フェーズ 教 材 内 容

合計

部数 MERNRyT APN MCA その他

１ パンフレ

ット１

プロジェクト紹介（A4 サ

イズ二つ折り、両面カラ

ー） 2,000 800 300 700 200

パンフレ

ット２

アンドレシート紹介（A4サイズ二つ折り、両面カ

ラー） 2,000 800 300 700 200

パンフレ

ット３

カブレイ地区におけるイ

グアス国立公園（PNI）の

活動紹介（A4 サイズ二つ

折り、両面カラー）

2,000 800 300 700 200

パンフレ

ット４

ミシオネス州グリーンコ

リドー（CV）紹介（A4サイズ二つ折り、両面カ

ラー）

2,000 800 300 700 200

カレンダ

ー１ 壁掛けタイプ（プロジェ

クトの活動紹介写真付） 1,200 500 200 400 100

カレンダ

ー２ 机上タイプ（プロジェク

トの活動紹介写真付） 1,200 500 200 400 100

２ パンフレ

ット５

プロジェクト紹介改訂版

（A4 サイズ二つ折り、両

面カラー） 10,000 5,000 1,000 3,000 1,000

22

配布担当機関と部数 フェーズ 教 材 内 容

合計

部数 MERNRyT APN MCA その他

ポスター

１ アンドレシート紹介（A3サイズ、カラー） 500 100 50 200 150

ユニフォ

ーム 環境教育用Ｔシャツ（指

導者・子供向け） 100 30 10 30 30

パネル プロジェクト紹介（4 種

類） 4 1 1 1 1

３ パンフレ

ット６ 保護区紹介（A4 サイズ両

面カラー） 2,000 800 500 500 200

パンフレ

ット７

パイロット事業（エコロ

ッジ）紹介（A4 サイズ二

つ折り、両面カラー） 2,000 1,000 200 800

冊子 アンドレシートの動植物

の紹介（44 ページ） 500 100 30 20 350

視聴覚教

材

保護区や水資源の重要

性、ゴミ問題等を紹介す

る、動画・静止画・ナレ

ーションにより構成され

たもの

50 5 2 2 41

２．４．３ 普及活動・環境教育プログラムの実績

普及活動・環境教育プログラムの実績の目標値及び実績は表 2.9 から表 2.12 の通りであ

る。このうち、プロジェクトで計画された活動以外に、C/P の企画による普及活動、環境教

育プログラムの回数は目標値を大幅に上回った。その点からも明らかなように、C/P の環境

教育及び普及プログラムの実施能力は向上された。

この他、2004 年度に普及と環境教育を兼ね、アンドレシート市の小学生を対象にプロジ

ェクトのロゴマークコンクールを実施した。コンクールには約 350 人の小学生が参加し、

ロゴマークのデザイン案となるカブレイの絵を提出した。

2005 年度、研修会の参加者が主体的に環境教育グループを組織し、自主的に環境教育用

の教材（テキスト）を作成した。また、将来の環境保全の担い手を育成するため、25 歳以

下の青少年によるエコクラブの設立を支援した。同クラブの初代の会長とファシリテータ

ーは、その翌年 2006 年から MERNRyT の州立保護区レンジャーに採用され、クラブのメン

バーも、アンドレシート市内での様々な普及・環境教育を展開し、全国的な集会に参加す

るなど、活動を継続している。

23

表 2.9 普及活動・環境教育プログラムの実績

活 動 目標値 結 果

普及活動（FM ラジオプログ

ラム、ホームページの作成、

改定は含まない）

７回（観光客対象２回、

地域住民対象５回） ７回（観光客対象２回、地域住民対

象５回）

環境教育プログラム 回数：17 回（実施機関職

員５回、教職員６回、観

光客６回） 参加人数：実施機関職員

10 人、教職員 20 人、観

光客 60 人、合計 90 名

回数：26 回（実施機関職員対象 11回、教職員対象９回、観光客対象６

回）但し実施機関職員と教職員の研

修のうち、7 回は合同研修 参加人数（1 回以上）：実施機関職

員数 41 人、教職員 71 人、観光客 91人、合計 203 人

C/P の企画による普及活動 １回以上 ４回（プロジェクトの普及含む）

C/P の企画による環境教育

プログラム １回以上 ７回

表 2.10 普及活動実績

フェーズ 対象 テーマ 開催日 対象者数

１ 地域住民 イグアス地域自然環境保全セミ

ナー（キックオフセミナー） 2004 年 5 月 27 50

地域住民 州政府内部セミナー 2005 年 2 月 21 日 20

２ 観光客 エコツーリズムセミナー 2005 年 11 月 27 日 40

地域住民 環境教育セミナー 2006 年 2 月 14 日 30

地域住民 情報共有セミナー 2006 年 2 月 21 日 30

３ 観光客 国際観光フェア 2006 年 11 月 25～28 日 約 2,00011

地域住民 終了時セミナー 2007 年 2 月 1 日 約 100

11 国際観光フェアの会場でのパンフレット配布数

24

表 2.11 環境教育活動一覧

対 象 テーマ 日時（実施時間） 参加者数

模型づくり 2005 年 8 月 29 日（8 時間） １ 実施機関

職員 植物 2005 年 10 月 9、10 日（14 時間） ８

昆虫 2005 年 11 月 5 日（8 時間） ３

鳥類 2005 年 11 月 13 日（9 時間） ９

哺乳類 2005 年 11 月 26 日（6 時間） ９

両生類・爬虫類 2005 年 12 月 10、11 日（12 時間） ８

リサイクル 2005 年 11 月 20、21 日（12 時間） ２

インタープリテーション12 2005 年 10 月 1～4 日（3 泊 4 日） ５13

インタープリテーション 2006 年 7 月 4 日、5 日（16 時間） 11

自然環境調査（１） 2006 年 9 月 23～26 日（3 泊 4 日） 15

自然環境調査（２） 2006 年 11 月 9～12 日（3 泊 4 日） 15

教職員 環境教育全般 2004 年 9 月 28、29 日 2004 年 11 月 8、9 日

1914

模型づくり 2005 年 8 月 29 日（8 時間） 13

植物 2005 年 10 月 9 日（7 時間） ８

昆虫 2005 年 11 月 5 日（8 時間） ６

鳥類 2005 年 11 月 13 日（9 時間） ４

哺乳類 2005 年 11 月 26 日（6 時間） 10

両生類・爬虫類 2005 年 12 月 10、11 日（12 時間） ２

リサイクル 2005 年 11 月 20、21 日（12 時間） ６

リサイクル人形劇 2006 年 7 月 6 日（8 時間） ８

観光客 レクチャー 2005 年 2 月 16 日（1 時間） 13

自然観察 2005 年 11 月 19 日（3 時間） 25

植林 2005 年 11 月 22 日（4 時間） 25

レクチャー／インタープリテーション 2006 年 8 月 22 日、23 日（5 時間） 13

レクチャー／インタープリテーション 2006 年 11 月 25 日（5 時間） 13

レクチャー／インタープリ

テーション 2006 年 11 月 26 日（5 時間） 13

12 当初本プロジェクトにおいてインタープリテーション研修を計画していたところ、FVSA でも類似の目

的で研修を企画していたことから、MERNRyT などと共に開催に必要な費用を分担して研修を行った。 13 本研修の参加者合計数は 20 人で、そのうち MERNRyT 州立保護区レンジャー７人、アンドレシート市

職員１人、アンドレシート市内のガイド３人となっている。5 人とは、プロジェクトに直接関係する実

施機関職員の数である。 14 第一年次の環境教育セミナーは、第１回、第２回に分けて開催したが、第１回目は MERNRyT 職員を中

心に、第２回目は APN 職員を中心に企画、開催しており、この２回のセミナーを合わせて１回のプログ

ラムとしてカウントした。その参加者数は、１回目、２回目の両方に参加した教職員の人数である。

25

表 2.12 カウンターパートの主体的な企画による主な普及・環境教育

対 象 テーマ 開催日 主な企画 C/P 氏名 普 及 活

動 地域住民、

観光客 プロジェクト紹介

（農民祭） 2004 年 9 月 カマラ・ウーゴ（MERNRyT）

地域住民、

観光客 プロジェクト紹介

（農民祭） 2005 年 9 月

カマラ・ウーゴ（MERNRyT） アアプ・マルセロ、ボガード・

マウリシオ（MCA） チャベス・ウーゴ（APN）

地域住民 環境教育セミナー・

展示会出展 2005 年 11 月

17、18 日 チャベス・ウーゴ（APN）

地域住民 環境教育セミナー・

展示会出展

2006 年 11 月

30、12 月 1日

ベジョニ・セシリア（APN） ダ・ロッサ・マベル（MERNRyT）

地域住民 学校巡回講演 2005 年 11 月 チャベス･ウーゴ、ベジョニ・セ

シリア（APN） 環 境 教

育 プ ロ

グラム 地域住民 アースデイ 2006 年 4 月

22 日 ベジョニ・セシリア（APN） ダ・ロッサ・マベル（MERNRyT）

地域住民 学校巡回指導 「私たち次第」

2006 年 5 月

～9 月 シ ュ ロ ー デ ル ・ モ ニ カ

（MERNRyT）

地域住民 学校巡回指導 「私たちの手に」

2006 年 7 月

～10 月 ダ・ロッサ・マベル（MERNRyT）

地域住民 植林（農民祭） 2006 年 8 月 シュローデル・モニカ、ダ・ロ

ッサ・マベル（MERNRyT）

地域住民 小学生のイグアス国

立公園訪問、アンド

レシート訪問 2006 年 11 月 ベジョニ・セシリア（APN）

地域住民 環境教育視聴覚教材

上映 2006 年 12 月

15 日 ダ・ロッサ・マベル（MERNRyT）

26

表 2.13 環境教育研修会参加者リスト 所 属 氏 名 参加回数

APN/PNI ベジョニ・セシリア (CP) 7 APN/PNI チャベス・ウーゴ (CP) 7 APN/PNI リバス・アリシア 1 APN/PNI ジョルジョプロス・アドリアン 2 APN/PNI メルセウ・リカルド 2 APN/PNI ヘレラ・フスト 2 APN/PNI セルッティ・ハビエル 2 APN/PNI ヒメネス・ルシアノ 2 MCA ジャンス・ディエゴ 1 MCA ボガード・マウリシオ (C/P) 2 MCA アアプ・マルセロ (C/P) 2 MERNRyT ダ・ロッサ・マベル (CP) 8 MERNRyT シュローデル・モニカ (C/P) 12 MERNRyT カマラ・ウーゴ 3 MERNRyT アビルドガルド・ガブリエル 1 MERNRyT ベルトット・パウラ 3 MERNRyT アラウホ・ジャゴ 6 MERNRyT チュディ・マリアノ 3 MERNRyT ガビラン・ペルラ 2 MERNRyT ペルラ・ロレーナ 2 MERNRyT ウエルッ・セヒスムンド 2 MERNRyT フォレット・アロイスィオ 7 MERNRyT フォレット・フェルナンド 7 MERNRyT ヒメネス・ミゲル 4 MERNRyT オリベイラ・ノルベルト 4 MERNRyT オリベイラ・オネッシモ 3 MERNRyT ピッシオ・エステバン 3 MERNRyT セムニッチ・ビクトル 3 MERNRyT オルテガ・エリセオ 1

所 属 氏 名 参加回数

MERNRyT パトセル・ハビエル 2 MERNRyT アラウホ・ディエゴ 1 MERNRyT フォンセカ・フランシスコ 1 MERNRyT フェリックス・コラチェスキ 2 MERNRyT テヘダ・ファクンド 1 MERNRyT ブルエラ・ペドロ 1 MERNRyT ドリア・マルティン 1 MERNRyT ポイソン・エステラ 1 MERNRyT マルティン・アレハンドラ 1 MERNRyT フランコ・ヘクトル 1 MERNRyT ラディンス・ホセ 1 MERNRyT ブロディクス・ステジャ 1 教員 EFA アーノルド・カリーナ 4 EFA バウンクラッツ・セシリア 8 Bachillerato ブルスミンスキ・アリシア 4 C.E.P Nº 10 グラエフ・モニカ 3 Nº 707 ホロデスキ・マリアノ 7 Bachillerato ロペス・ルイス 3 Nº 707 メンディエッタ・ロドルフォ 6 Nº 846 スタウッ・マリア・イネス 4 Nº 846 ビレラ・ルベン 7 Nº 707 ウエルポビクス・ロサ・イネス 7 Nº 761 カリッソ・ゴンサロ 2 Nº 554 カスティジョ・カロリナ 2 Nº 554 分校 ダル・リ・マルレニ 3 Nº 652 フィエドレル・エリカ 1 Nº 802 フレドレック・アンヘリカ 3 EFA フレドリック・オルガ 1

26

27

所 属 氏 名 参加回数

Nº 436 ペレイラ・マルタ 4 Nº 642 ロア・ロベルト・ファビオ 1 Nº 802 セドッフ・グラディス 1 Centro Comunitario Rural Evangélico

ビバス・ノエミ 1

Nº 565 ビジェガス・マルコス 5 Nº 436 ファビアナ・ラモス 3 Nº 436 フローレス・クリスチーナ 3 Nº 436 モラエス・エロイダ 2 C.E.P Nº 10 ラレア・グラディス 2 Nº 554 パティニョ・ネリダ 2 Nº 642 グリンカ・ジェノベラ 1 Nº 642 ザレスキ・モニカ 1 Nº 642 スタショウスキ・ヒルダ 1 Nº 652 ステウレル・ロサナ 2 Nº 707 カルドーゾ・グラディス 1 Nº 707 コラレス・ワルテル 1 Nº793 コサック・ホセ 2 Nº 846 クスティディアノ・エルダ 2 Nº 707 スミアルコウスキ・ニンファ 1 Nº 753 リネンタル・ズルマ 1 Nº 753 ロドリゲス・ラウラ 1 Nº 793 マロセキ・ミリアム 1 Nº 802 ディアス・ラモン 2 Nº 802 フェラグト・エリダ 1 IPSA オスズキエヴィクス・エディス 1 Nº 802 ペターソン・ラウール 1 C.E.P Nº 10 シルベロ・エステバン 1 Bachillerato プロエンサ・マリベル 1 Nº 793 グラルテ・リリアナ 1

所 属 氏 名 参加回数

Nº 802 クラロ・アグスティン 1 Nº 757 サントゥチ・セルヒオ 1 EFA レクズィエゲル・モニカ 1 EFA ランドン・ルイス 1 Nº 707 ムバルケ・マリオ 2 Nº 793 ロハス・ルシア 1 Nº761 フェリエラ・フアン 2 Nº 436 ゴンサレス・セルヒオ 2 Instituto Belén ロハス・ヒカルド 1 Instituto Belén ズィコスキ・ズニルダ 1 C.E.P Nº 10 レタナル・ヘルナン 2 EFA スミチョウスキ・ホルヘ 1 Nº 565 ルッケ・ホセ・ルイス 1 Nº 793 ベニテス・カロリナ 1 C.E.P Nº 10 カブレラ・ダニエル 1 IPSA ベッカー・ラウラ 1 Nº 793 クロカウ・ベアトリス 1 Nº 793 ベロ・オマル 1 EFA ズィメル・エゴン 1 Nº 846 ロドリゲス・マルセロ 1 Nº 802 テラグット・マリア 1 Nº 462 ディアス・グラディス 1 Nº 554 スピエス・ルデス 1 Nº 554 コルニエスック・ロベルト 1 Nº 554 マルコビック・パトリシア 1 Nº 554 オリベラ・イルマ 1

注）講師、ＪＩＣＡ専門家、ＪＩＣＡ現地業務従事者 II、アシスタント、聴講

者（実施機関以外の所属機関職員）を除く

27

28

ＢＯＸ２

環境教育の推進仲介者としての教職員の参加について アンドレシート市には初等・中等・高等学校が合計で 31 校（うち分校 8 校）あり、

生徒総数は約 4,400 人、教員数は 193 人となっている（2005 年度）。但し実際には、家

庭の事情で学校へ通えない子供も多く、本当の数字はこれよりもやや少ないと考えられ

ている。 アンドレシート市の教育事情の特徴は、大半の初等・中等学校が農村部に点在してい

ることである。農村部の道路、交通事情は悪く、一方、教職員の大半は市街地に住んで

いるため、雨が降ると教職員が学校へ通勤できないケースも多い。車やバスなどの移動

手段にトラブルがあれば、10 数キロの道のりを歩かねばならないケースもある。 一方、本プロジェクト開始以前に実施されたアンケート調査から、地域住民の教職員

に対する信頼は厚く、特に農村部における指導者的な役割を担っている。本プロジェク

ト事前評価調査においても、環境教育の重要な担い手は教職員とする意見が実施機関職

員から多くあがっていた。 教職員は、基本的に州教育委員会に属し、州政府との関係が強い。本プロジェクトは

APN、州政府（MERNRyT）、MCA の職員の能力向上を目指すものであるが、環境教育

においては教職員の参画、実施機関職員との連携が不可欠であるとの観点から、実施機

関職員と共に教職員も各種環境教育研修のターゲットに定めている。 なおプロジェクトに参加する教職員は、グリーンコリドー内の初等・中等学校の教職

員及び、アンドレシート市内の高等学校の教職員である。

ＢＯＸ３

エコクラブ

1992 年にアルゼンチンにおいて結成された環境改善、生活向上を目指す青少年を中心と

した NGO で、その活動はアルゼンチン国内のみでなくボリビア、ブラジル、チリ、コ

スタリカ、エクアドル、スペイン、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、

パラグアイ、ペルー、ドミニカ、ウルグアイにも広がり、各国の保健省、環境省、パン

アメリカン保健機関等、公的機関の支援も受けて活動している。主な目的は、以下の通

りである。 ・ 生活の質を改善するために市民の参加を奨励する。 ・ 生態系を安定化させるに市民参加の必要性を普及する。 ・ 自然資源保全及び持続的開発に貢献する様々な活動を普及する。 ・ これらの活動の担い手となる人材育成を奨励する。

アルゼンチン事務局 Florida 253 – Piso 3 Oficina “C” – (1005) Buenos Aires – Argentina TEL : +54-11-4322-0636 WEB : http://www.ecoclubes.org

29

２．５ パイロット事業の実施

２．５．１ エコツーリズムのパイロット事業

パイロット事業には、持続的な自然資源利用のコンポーネントとして観光的なアプロー

チ、エコツーリズムを選択した。豊かな自然環境が地元経済へ観光収入をもたらし、その

利益によって地域住民が自然環境保全への関心を高める、環境と観光との良好な循環を目

指す事業である。これにより C/P がその情報を収集し、経験を蓄積し、民間へ移転できる

モデルをつくり、それによって多くの機関や地域住民を巻き込み、C/P の自然環境管理能

力の向上を図ることを目的としている。

そこでは、常設テントを用いたキャンプ場の建設及び管理運営が、事業のモデルとして

定められた。キャンプ場は、最大 20 人が宿泊、食事、集会のできるキャパシティーをもち、

プロジェクト期間中、日本人観光客グループを試験的に受け入れるモニタリングツアーが

実施された。アンドレシート市への日本人観光客の来訪は、地域住民の関心を高め、プロ

ジェクトではキャンプ場及びその周辺におけるガイドやサービスなど各種の研修会を実施

し、これによって地域住民の自然環境保全への関心を促進し、一連の作業を通じて C/P の

能力向上を企画した。

図 2.2 エコロッジ・カブレイ施設配置図

常設テント

管理棟

食堂集会棟

正門・駐車場

30

特に日本人モニタリングツアー受け入れを契機として地元に発足したのが、セルバ・ア

デントロ観光サービス協同組合（CTSA）である。CTSA は、ミシオネス州政府や連邦政府

から協同組合として正式な承認を獲得している。

キャンプ場は、2005 年 11 月に開所式が行われ、同年 12 月より州立保護区レンジャーが

常駐し、任務を開始している。2006 年 2 月の合同調整委員会会議において「エコロッジ・

カブレイ」（以後、「キャンプ場」は「エコロッジ」と表記する）と名付けられた。それ

以降、管理運営に関する仕組みづくりが行われている。2005 年 12 月下旬から 2007 年 1 月

までの約 1 年間のエコロッジ訪問客数は約 1,000 人となり、アンドレシート市の重要な観

光スポットとなっている。

２．５．２ エコツーリズム推進計画（案）

エコツーリズム推進計画（案）とは、プロジェクト終了後のエコロッジにおける責任の

所在、機関間の業務役割分担、民間委託の方法、現地で有効な事業案（モデル）などを含

むものである。

この計画案の作成過程を通じて、主に生態省（MERNRyT）とアンドレシート市役所

（MCA）の C/P は、自然資源を持続的に活用するための方法、仕組みを習得した。

（１）責任の所在と機関間の業務役割分担

エコロッジの主たる管理責任はMERNRyTで、その業務内容は施設全般の維持管理及び

安全管理に責任を持ち、州立保護区レンジャーを配置し、エコロッジの敷地とその周辺の

自然環境管理を行うことである。

エコロッジの経営の一部を受託する観光サービス協同組合（CTSA）を含む関係機関の

責任の所在と業務役割分担は以下の通りである。

表2.12 エコロッジの経営体制

役職名 機能・役割

経営審議会

構成：MERNRyT、MCA、CTSA 役割：エコロッジのダイレクターと管理者による活動に協力し、

監督すること。月例会議を開催する。 ダイレクター 代表：MERNRyT 副代表：MCA

· 全体の業務調整 · 管理者の指導 · 活動の記録とモニタリングの実施 · 民間への経験の紹介 · 生産物の開発 · 計画の策定 · 運営マニュアルの作成 · 関係機関との調整 · プロモーション及びマーケティング · 研修の実施 · 法的手続き · その他

31

役職名 機能・役割

管理者 · 承認された計画に基づくエコロッジの管理運営 · 予約の管理 · 就業時間の管理 · 旅行業者との連携 · 物品資材購入 · 雇用契約 · プロモーション及び販売

警備及び管理運営補佐 MERNRyT、MCA

· 周辺環境の監視 · エコロッジの管理運営補佐 · 施設・機材の維持管理 · 食堂集会棟及び宿泊エリアの警備 · エコロッジ宿泊者の夜間対応

サービス担当 セルバ･アデントロ観光サ

ービス協同組合（CTSA）

· 料理 · 接客サービス · 受付

アクティビティ担当 CTSA

· 交通手段 · アクティビティの調整 · グループ管理 · 特別イベント

（２）民間委託の方法

エコロッジにおける収益事業は、実施機関を代表するMERNRyTと民間セクターからな

るCTSAとの契約に基づき行う。その手続き及び委託内容は以下の通りである。

■ 手続

· MERNRyT は CTSA と業務委託に関する協定を結ぶ。

· CTSA は協定に基づき業務計画を作成し、実施する。

· 運営上の問題は、ダイレクターが検討し、解決策を経営審議会に提出する。

· 事業実施に関する計画は、すべて経営審議会に報告する。

■ 委託内容

· 宣伝・販売

· エコロッジの予約の受付と問合わせ対応

· サービスの提供（宿泊テントの清掃、ベットメーキング、公共利用場の清掃、食

事の提供、寝具・食品用品などの洗濯と管理、訪問客の受け入れと案内、観光プ

ログラムの提供）

· 料金の請求と資金管理

２．５．３ パイロット事業への参加機関数・参加者数

パイロット事業への参加機関数、参加者数を以下に示す。

参加機関については、９回のモニタリングツアーのうち、第１回（2004 年 11 月）、第

32

３回（2005 年 11 月）、第９回（2006 年 11 月－12 月）に参加した結果を示す。

このように、多くの地域住民の参加を通じて、C/P は自然資源を持続的に管理する方法

を習得し、エコツーリズムの実践又はその調整ができるようになった。

表2.13 パイロット事業への参加機関数・参加者数

目標値 カテゴリー 参加状況 第１回 第３回 第９回

８機関 サン・セバスチャン・デ・ラ・

セルバ ○ ○ ○

食事・宿泊（目標

３～４機関） サルト･エスコンディード ○

ラ・ファミリア ○ ロ・デ・ワルテル ○ ○ フェリア・フランカ ○ ロス・ロブレス ○ ○ CYA ○ ○ ○

EFA（家族農学校） ○ ○ ○

プログラム提供

（目標３～４機

関） サン・セバスチャン・デ・ラ・

セルバ ○ ○ ○

CA ○ ○ ○

CTSA ※ ○

移動手段（目標１

～２機関） イタティ ○

90人 施設施工関係者

（目標20人） 20人 パイロット事業施設の建設、維持管理において直接作

業に関わり、プロジェクトの主旨について説明を受け

た人数を示す。

研修参加者（目標

50人） 50人 2005年9月～11月の研修修了証書授与者数とその後研

修に参加した人数（1回以上参加）の合計を示す。

プログラム提供

者（目標20人） 20人 プログラムを提供した機関のオーナー、職員あるいは

各種アクティビティのガイド、引率者の合計を示す。

※ CTSAの前身となるパイロット事業研修生グループが参加した。

２．５．４ パイロット事業により得られるデータ項目数

パイロット事業により収集するデータは６項目で、項目ごとの結果を表 2.14 に記す。

これらのデータを収集するために、本プロジェクトでは日本からのモニタリングツアー

を実施した。その中で、エコロッジの管理方法、運営方法、アクティビティ等を具体的に

検討した。またツアーでは、日本人学生と地元の家族農学校（EFA）生徒らが共同でエコ

ロッジの森の生態調査を行い、その利用方法の提案を行うなど、従来型と異なるツーリズ

ムを試みた。さらに木造テントデッキの建設では、日本人大工が指導者となり、地元の多

数の青少年ボランティアが参加した。これらの経験もパイロット事業における貴重なデー

33

タとなり、C/P の自然資源の持続的活用能力向上につながった。

表 2.14 データ項目とその内容

データ項目 結 果

建設方法 エコロッジ内の施設のうち管理棟、食堂集会棟、シャワー施設、常設テン

トデッキについて設計図と報告書を作成した。

管理方法 以下の業務マニュアルが作成された。 ・ 来訪者受付・応対マニュアル ・ 施設・備品利用マニュアル ・ 点検マニュアル ・ 非常時対応マニュアル ・ 施設・備品管理マニュアル ・ 夜間警備・夜間応対マニュアル

運営方法 MERNRyT によって、プロモーション、移動手段、キャンプサイトの利用

方法、パッケージツアー開発の観点から事業計画書が作成された。その計

画をベースに、運営の一部を CTSA に委託するための議事録が作成されて

いる。（詳細については協議継続中）

エコツーリズムに

関連する動植物情

報

エコツーリズム開発の基礎情報として、プロジェクト地域内７箇所（自然

環境調査実施ポイント）の動植物情報が収集されている。 またアクティビティのために以下のテーマで情報が収集、整理された。 ・ 竹類 ・ ジェルバ・マテ（学名 llex paraguariensis） ・ 薬用植物類

来訪者数 データ収集期間：2005 年 12 月 24 日－2006 年 11 月 17 日 訪問者数：822 人（会議、研修参加者除く） 外国人来訪者：55 人（ＪＩＣＡ関係者除く） ミシオネス州居住者：454 人（アンドレシート市民含む） 州外アルゼンチン居住者：159 人 不明：154 人 （出展：MERNRyT レンジャー警備ノート）

アクティビティ パイロット事業で実施したアクティビティは以下の通りである。 ・ グアラニーの手工芸品づくり体験と集落訪問 ・ カヌー＆カヤック（イグアス川） ・ マテ茶畑とマテ工場の見学 ・ 薬用植物見学 ・ ウルグアイ州立公園（PPU）散策 ・ 地域住民との交流会 ・ 料理体験 ・ 乗馬体験 ・ 自然観察ナイトツアー ・ マウンテンバイク

34

２．６ カウンターパートの自然環境管理能力

自然環境能力の各項目を、ＪＩＣＡ専門家の支援なしで「できない（１）」から「できる

（５）」まで、終了時評価において５段階で評価した。評価対象カウンターパート（C/P）

６人の自己評価を以下に示す。プロジェクト終了時において、６項目 15 細目のうち 14 細

目において２名以上の C/P が専門家の支援なしで活動ができると自己評価した。前述の実

績からみても、評価対象 C/P を代表とする実施機関職員の自然環境管理能力は確実に向上

したと判断される。

表 2.15 評価対象 C/P の自然環境管理能力の自己評価 段階評価（1 - 5）と評点ごとの

回答者数（合計６人） 自然環境管理能力

プロジェク

トの開始前

と終了時 1 2 3 4 5

開始前 1 4 1 情報・データ収集計画の作成

終了時 1 3 2

開始前 2 2 2 適切な情報・データ収集の実

施 終了時 1 2 3

開始前 2 2 1 1 情報・データの整理

終了時 3 3

開始前 2 1 2 1

a)

情報・データの収

集・提供能力

情報・データの提供 終了時 3 3

開始前 1 4 1 他機関との共同企画立案（会

議、セミナー、ワークショッ

プ、講演会、研修会、視察旅

行） 終了時 1 5

開始前 2 3 1

b)

関係機関との調

整能力

共同企画の実施の調整 終了時 1 5

開始前 2 3 1 普及プログラムの企画・作成

終了時 2 4

開始前 3 2 1

c)

環境教育及び

普及プログラム

の作成能力 環境教育プログラムの企画・

作成 終了時 3 3

開始前 1 3 2 普及教材の企画・作成

終了時 5 1

開始前 4 2

d)

環境教育及び

普及材料の作成

能力 環境教育教材の企画・作成

終了時 1 3 2

35

段階評価（1 - 5）と評点ごとの

回答者数（合計６人） 自然環境管理能力

プロジェク

トの開始前

と終了時 1 2 3 4 5

開始前 2 2 2 普及プログラムの実施

終了時 2 4

開始前 1 3 1 1

e)

環境教育及び

普及プログラム

の実施能力 環境教育プログラムの実施

終了時 1 5

開始前 1 2 1 2 自然資源（野生動植物）の知

識 終了時 6

開始前 2 3 1 自然資源の持続的活用方法

（間接的利用又は低インパク

トな利用）の企画 終了時 1 2 3

開始前 1 3 2

f)

自然資源の持

続的活用能力

自然資源の持続的活用の実践 終了時 1 1 4

36

第３章 投入実績

３．１ 業務従事者（ＪＩＣＡ専門家）

業務従事者（派遣専門家）を以下の点に留意して表 3.1 のとおり選任した。このうち、

要員Ａ、Ｂ、Ｆの３人を評価対象業務従事者とし、要員Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｇ、Ｈの５人を評価

対象外業務従事者とした。

· 海外における自然環境関連プロジェクトの実施経験及び日本国内の環境問題に関

する豊富な知識と経験を持つ。

· 日本の自然環境保全、保護区管理、自然資源管理、環境教育、エコツーリズム等

について豊富な知識と経験を持つ。

· 中南米において保護区管理等、環境関連プロジェクト実施の経験を持つ。

· 業務遂行に必要なコミュニケーション能力及び健康管理能力がある。

表 3.1 派遣専門家一覧

要員 担 当 氏 名 所属

Ａ 社会開発／プロジェクトマネージャー 松島 昇 ＪＷＲＣ

Ｂ 自然環境保全 山瀬 一裕 ＪＷＲＣ

Ｃ エコツーリズム１ 八木 信行 ＪＷＲＣ

Ｄ エコツーリズム２ 懸樋 康雄 ＪＷＲＣ

Ｅ 同上 中島 和 ＪＷＲＣ

Ｆ 保護区管理／業務調整 渡邉 満 ＪＷＲＣ

Ｇ 環境教育 尾崎 広基 ＪＷＲＣ

Ｈ 参加型自然資源管理 佐藤 直行 ＪＷＲＣ

ＪＷＲＣ:財団法人自然環境研究センター

３．２ 要員派遣実績

要員派遣実績を表 3.2 に記す。

37

表 3.2 要員派遣実績

2004年 2005年 2006年 2007年 M/M（人/月） 年 度

フェーズ１（H16年度） フェーズ２（H17年度） フェーズ３（H18年） フェーズ

協力期間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 １ ２ ３ 合 計

計画 3.33 2.23 2.00 7.56

0.67 0.67 0.67 2.00

実績 3.33 2.23 2.00 7.56

1. 社会開発／プロジェ

クトマネージャー 松島 昇

0.67 0.67 0.67 2.00

計画 1.67 1.67 0.83 4.17

0.67 0.67 0.33 1.67

実績 1.67 1.67 0.83 4.17

2. 自然環境保全 山瀬 一裕

0.67 0.67 0.33 1.67

計画 1.67 1.67 0.00 3.33

0.67 0.33 0.00 1.00

実績 1.67 1.67 0.00 3.33

3. エコツーリズム（１） 八木 信行

0.67 0.33 0.00 1.00

計画 0.83 0.00 0.00 0.83

0.33 0.00 0.00 0.33

実績 0.83 0.00 0.00 0.83

4. エコツーリズム（２） 懸樋 康雄

0.33 0.00 0.00 0.33

計画 0.83 0.00 0.00 0.83

0.33 0.00 0.00 0.33

実績 0.83 0.00 0.00 0.83

5. エコツーリズム（２） 中島 和

0.33 0.00 0.00 0.33

5

5

5

5 5 25

5 50

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25

5 5 25 5 5 25 5 5 25

3 7 27 5 5 25

5 25 5 25

5 50

5 50

5 550

5 5 25 10

5 5 10 25

3 7 27 5 5 35 5 5 25 5 5 40

5 5 35

5 5 25 5 5 25 5 5 25

5 25 5 25

5 5 40

37

38

2004年 2005年 2006年 2007年 M/M（人/月） 年 度

フェーズ１（H16年度） フェーズ２（H17年度） フェーズ３（H18年） フェーズ

協力期間 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 １ ２ ３ 合 計

計画 8.00 6.67 7.17 21.84 6. 保護区管理/業務調整

渡邉 満 0.83 0.83 0.67 2.33

実績

8.00 6.67 7.17 21.84

0.83 0.83 0.67 2.33

計画

10.00 9.33 9.60 28.93 7. 環境教育 尾崎 広基

0.33 0.00 0.17 0.50

実績 10.00 9.33 9.60 28.93

0.33 0.00 0.17 0.50

計画 10.00 9.33 9.13 28.46 8. 参加型自然資源管理

佐藤 直行 0.33 0.00 0.17 0.50

実績 10.00 9.33 9.13 28.46

0.33 0.00 0.17 0.50

計画 36.34 30.90 28.73 95.98 現地業務小計

実績 36.34 30.90 28.73 95.98

計画 4.17 2.50 2.01 8.67 国内作業小計

実績 4.17 2.50 2.01 8.67

計画 40.51 33.40 30.74 104.65 合 計

実績 40.51 33.40 30.74 104.65

凡例： 現地業務 自社負担現地作業 国内作業

注）各数値は現地業務および国内作業に要するそれぞれの日数を示す。M/M は小数点第 3 位を四捨五入した値。

5 150 10 5 5 90

5 150 10 5 5 90

280

280 288 5

100 15 100 10 5

100 10 5

5 5 300 44

5 5 300 44

5 5 300 44

5 5 300 44

280

280

71 10 144 10

274 5

100 15

274 5

20

288 5

7

71 10 144 10

38

39

３．３ 業務従事者毎の分担業務概要（国内及び現地）

本件業務における全体の業務量、業務従事者毎の分担業務内容及び業務量は以下の通り

である。 表 3.3 業務量

フェーズ１ （2004 年度）

フェーズ２ （2005 年度）

フェーズ３ （2006 年度） 合 計

現地業務(M/M) 36.34 30.90 28.73 95.98

国内作業(M/M) 4.17 2.50 2.01 8.67

合 計(M/M) 40.51 33.40 30.74 104.65

表3.4 業務従事者毎の分担業務内容と業務量 氏 名 指導科目 国内業務 現地業務 業務量

（M/M）

国内業務

2.00

現地業務

松島 昇 社会開発／プロ

ジェクトマネー

ジャー

既存資料・情報の分析

（社会開発情報）。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。 報告書を作成する。

情報収集・整理について指導する（社

会開発情報、関係機関情報）。 プロジェクトマネージャーとして合同

調整委員会／ワーキンググループ会議

に出席し、プロジェクトの運営につい

て関係機関と協議し、助言を与える。 セミナー／ワークショップにおいて社

会開発分野の調査結果を報告し、自然

環境管理に必要な情報を共有するため

の研修を行う。 報告書を作成する。 活動全体の総括を行う。

7.56

国内業務

1.67

現地業務

山瀬一裕 自然環境保全

既存資料・情報の分析

（自然環境情報）。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。 報告書を作成する。

情報収集・整理について指導する（自

然環境分野）。 ワーキンググループ会議に出席し、自

然環境保全策について関係機関と協議

し、助言を与える。 セミナー／ワークショップにおいて自

然環境保全について必要な情報を共有

するための研修を行う。 パイロット事業のエコツーリズム研修

において、活動間の連携を指導する。 パイロット事業のプログラム開発・実

施において、活動間の連携を指導する。 4.17

八木信行 エコツーリズム

１

既存資料・情報の分析

（パイロット事業の

プログラム、運営管

情報収集・整理について指導する（パイ

ロット事業のプログラム、運営管理）。 自然環境管理に必要な情報を共有するた

国内業務

40

氏 名 指導科目 国内業務 現地業務 業務量

（M/M）

1.00

現地業務

理）。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。

めの研修を行う（エコツーリズム・プロ

グラム案作成）。 パイロット事業の施設維持管理、運営の

ための研修を行う。 エコツーリズムの研修を行う。 関係機関の間でパイロット事業のイメー

ジを共有するための指導を行う。 パイロット事業の実施を通じて、プログ

ラムや運営体制の改善を指導する。

3.33

国内業務

0.33

現地業務

懸樋康雄 エコツーリズム

２

パイロット事業のハ

ード面（施設設計、施

工管理等）に必要な情

報を収集・分析する。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。

パイロット事業のうち、ハード面の計画

に必要な情報を収集・整理することを指

導する。 自然環境管理に必要な情報を共有するた

めの研修を行う（エコツーリズム施設案

作成）。

0.83

国内業務

0.33

現地業務

中島 和 エコツーリズム

２

パイロット事業のハ

ード面（施設設計、施

工管理等）に必要な情

報を収集・分析する。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。

パイロット事業のうち、ハード面の計画

に必要な情報を収集・整理することを指

導する。 関係機関の間でパイロット事業のための

情報を共有するための指導を行う。

0.83

国内業務

2.33

渡邉 満 保護区管理／業

務調整

既存資料・情報の分析

（保護区管理、業務調

整）。 現地業務の円滑な実

施に必要な助言を与

える。 報告書を作成する。

業務に必要な資機材の購送・設置・管理

を行う。 関係機関の協力体制を形成し、プロジェ

クト地域の自然環境情報及びデータを共

有する計画を合同で作成することを指導

する。 インターネット、パンフレット、セミナ

ー等を通じて、情報を整理・共有するこ

とを指導する。 セミナー及びワークショップ形式の研修

を行い、自然環境管理に必要な情報を共

有することを指導する。

現地業務

41

氏 名 指導科目 国内業務 現地業務 業務量

（M/M） プロジェクト事務所整備を指導する。

保護区管理と関連する普及・環境教育及

びパイロット事業の実施を補佐する。 プロジェクトマネージャーを補佐し、全

体の業務調整を行う。 報告書を作成する。

21.84

国内業務

0.50

現地業務

尾崎広基 環境教育

環境教育に必要な情

報を収集・分析する。 報告書を作成する。

業務に必要な資機材の購送・設置・管理

を行う。 地域コミュニティー及び観光客を対象

に、普及材料を作成するための研修を指

導する。 普及プログラムの計画・実施を指導する。 環境教育のプログラムを計画するための

研修を行う。 環境教育の教材を作成するための研修を

行う。 環境教育プログラムの実施を指導する。 普及・環境教育に関連する関係機関の連

携強化・情報共有の促進に関する業務を

補佐する。 普及・環境教育に関連するパイロット事

業の実施を補佐する。 業務調整を補佐、代行する。

28.93

国内業務

0.50

現地業務

佐藤直行 参加型自然資源

管理

参加型自然資源管理

に必要な情報を収

集・分析する。 報告書を作成する。

業務に必要な資機材の購送・設置・管理

を行う。 パイロット事業の計画作成を指導する。 パイロット事業の実施のための研修を行

う（施設維持管理、運営のための研修、

エコツーリズム・プログラム研修、イン

タープリテーション研修）。 エコツーリズムのパイロット事業を実施

するための組織づくりを指導する。 パイロット事業の実施を通じて、プログ

ラム開発、施設の充実、改善を指導する。 パイロット事業の実施によって知識及び

経験を蓄積し、民間の活動に利用するこ

とを指導する。 パイロット事業に関連する関係機関の連

携強化・情報共有の促進に関する業務を

補佐する。

28.46

42

３．４ 研修員受入実績

３．４．１ 研修分野・人数・期間

自然公園と地域住民の共存を重視する日本の自然公園制度を理解し、自然公園の利用や

バッファーゾーン対策に有効な計画手法の習得を目的に、「自然環境保全」及び「自然資

源管理」の分野において、カウンターパート８人（MERNRyT職員３人、APN職員３人、

MCA職員２人）を視察型の本邦研修に派遣した。

研修員の情報を表3.5に示す。

表3.5 本邦研修研修員リスト

フェーズ 受入期間 研修分野 氏 名 所属先 役職（派遣当時）

リナス・ミゲル MERNRyT 生態庁・生態総局

局長 １

2004年 9月30日－ 10月15日

自然環境保

全・自然資源

管理 カルピネッティ・ブルーノ APN 理事

アルサメンディア・エステバン MERNRyT 州立保護区レンジ

ャー

チャベス・ウーゴ APN PNI技官 ２ 2005年 9月27日－ 10月11日

自然環境保全

アアプ・マルセロ MCA 観光・環境・スポ

ーツ局代表

カタネオ・ワルテル MERNRyT 生態庁長官

ベジョニ・セシリア APN PNIレンジャー ３ 2006年 8月30日－ 9月11日

自然環境保全

ボガード・マウリシオ MCA 観光・環境・スポ

ーツ局職員

（本邦到着日及び出発日を除く期間）

３．４．２ 研修内容

主な本邦研修の内容は表 3.6 の通りである。研修実施にあたり、ＪＩＣＡ専門家は以下の

業務を行った。

· カリキュラム案の策定

· 研修受入先選定、内諾取り付け支援

· 要請書取り付け支援

· 研修受入先との日程及び研修内容の調整

· 研修の随行

43

表 3.6 研修先及び研修内容一覧

研修先 研修内容 フェーズ

（財）自然環境研究センター

・ 日本の自然環境保護行政論／国立公園

制度概要 ・ アルゼンチン、日本両国の国立公園管理

運営システムの比較 ・ プロジェクト対策協議

１,２,３

磐梯朝日国立公園 ・ 地域の自然資源活用法（小野川湖レイク

ショア野外活動センター） ・ 磐梯朝日国立公園視察

１,２,３

雲仙天草国立公園 ・ 国立公園管理における県・NGO との連

携 ・ 雲仙天草国立公園視察

１,２,３

阿蘇くじゅう国立公園 ・ 国立公園管理における NGO との連携 ・ 阿蘇くじゅう国立公園視察

１

環境省 対馬野生生物保護センター ・ 希少種の保護活動 ・ センター見学

１

横浜自然観察の森 ・ 小規模保護区の管理・利用方法 ・ 環境教育プログラム

１,２

八ヶ岳自然ふれあいセンター ・ 展示方法 ・ ビジターセンターの運営 ・ 地域社会と NGO の協力

２

よこはま動物園ズーラシア ・ 傷病鳥獣保護 ・ 希少種の飼育下繁殖 ・ 野生生物保護繁殖・動物園管理

１

国立科学博物館付属 自然教育園 ・ 自然観察手法など ３

東京環境工科専門学校 ・ 海外実習に関する意見交換 ・ プロジェクト紹介

３

環境省 生物多様性センター ・ 生物多様性に係る情報の管理 ３

NPO ホールアース研究所（富士伊豆

箱根国立公園） ・ 富士山麓トレッキング ・ NGO 活動紹介

２,３

44

３．５ 供与機材実績

プロジェクトで購入した機材及びＪＩＣＡアルゼンチン事務所が調達した機材について、

プロジェクト期間中はＪＩＣＡ専門家が管理し、実施機関による活動の継続性、維持管理

能力等を考慮して、2007 年 2 月 1 日付で以下のように供与した。

なお供与した機材は、プロジェクト終了後も引き続き実施機関で共用できるよう、実施

機関の代表者によって覚書が交わされた。

表 3.7 供与機材リスト

供与先

機関 機材名 メーカー名 仕様・形式 個数 設置・管理場所

APN DVD デッキ Phillips DVDR 75 1 PNI ジャクイ事務

所 GPS（全地球測位システム） Garmin E trex Summit 2 同上

エアコン Whirlpool AF2500 1 同上

車両（4 輪駆動・ピックアッ

プタイプ） Toyota

Hilux 4x4 C/D DX 3.0 年式：2004 年 色：白 1 同上

デスクトップパソコン Hewlett Packard 本体：Compaq モニター：7540

2 同上 テレビ Phillips 29" Real Flat 1 同上 ノートブックパソコン Hewlett Packard Compaq nx 9010 1 同上 ビデオデッキ Hitachi Plus VT M886 1 同上 VHF 無線機（車両用） Motorola EM400 1 同上 VHF 無線機（ハンディー） Motorola EP 450 2 同上 携帯顕微鏡 Nikon 131333 NS 1 同上 事務用デスク Carlos Staciuk サイズ：164cm x 144cm x

73cm 1 同上 事務用チェア Carlos Staciuk 回転式 1 同上 フリップチャート Fernández Garrido サイズ：88cm x 60cm 1 同上 双眼鏡 Nikon 211765 BF 2 同上 発電機（小型） Gamma 4500 1 同上 UPS（無停電電源装置） APC RS 800 2 同上

MCA コピー機 Canon IR 1600 1 MCA プロジェク

ト事務所 三脚式スクリーン Mardelli G4Y17202PAN 1 同上

車両（4 輪駆動・ピックアッ

プタイプ） Toyota

Hilux 4x4 C/D DX 3.0 年式：2004 年 色：ベージュ

1 同上

デジタルビデオカメラ Sony MVC-FD88 1 同上 デジタルプロジェクター Sanyo PLC-XU40 1 同上

デスクトップパソコン１ Hewlett Packard

本体：Compaq モニター：5500 プリンター：5650 スキャナー：2400

2 同上

デスクトップパソコン２ Hewlett Packard 本体：Compaq モニター：7540

1 同上 ノートブックパソコン Hewlett Packard Compaq nx 9010 1 同上 ファクシミリ Samsung SCX-4216F 1 同上 プロジェクターワゴン Carlos Staciuk サイズ：90cm x 40cm x

70cm 1 同上

45

供与先

機関 機材名 メーカー名 仕様・形式 個数 設置・管理場所

VHF 無線機（車両用） Motorola EM400 1 同上 VHF 無線機（事務所用） Motorola EM400

(LAM50KQF9AA1AN) 1 同上 ラミネーター Renz HT 320L 1 同上 会議テーブル Carlos Staciuk サイズ：

240cm x 110cm 1 MCA 会議室

フリップチャート Fernández Garrido サイズ：88cm x 60cm 1 同上

事務用チェア Carlos Staciuk 回転式 4 MCA プロジェク

ト事務所

事務用デスク Carlos Staciuk サイズ：164cm x 144cm x 73cm 4 同上

保管庫 Carlos Staciuk サイズ： 200cm x 237cm x 38cm

2 同上 UPS（無停電電源装置）1 TRC excel 700 2 同上 UPS（無停電電源装置）２ APC RS 800 1 同上

MERNRyT DVD デッキ Phillips DVDR 75 1 PPU ウルス事務

所

GPS（全地球測位システム） Garmin E trex Summit 2 PPU ウルス事務

所(1) エコロッジ(1)

インパクトレンチ National Power cosmo 2 エコロッジ

エアコン Kelvinator 2250 Frigorías Split 1 同上 カヌー Náutica Magri Cachalote 480 5 同上

カヤック Ocean Kayak Malibu Two XL, Venus 3 同上 コンロ・焼き釜 MORELLI NOVA 1100 1 同上

車両（4 輪駆動・ピックアッ

プタイプ） Toyota Hilux 4x4 C/D DX 3.0 年式：2004 年 色：白 1 同上

チェーンソー Stihll 08-SE 2 同上

デジタルカメラ１ Kodak Easyshare DX6340 3

PPU ウルス事務

所(1)、イグアス支

所(1)、エコロッジ(1)

デジタルカメラ２ Sony Cyber Shot 7.2m (NS 8396438) 1 エコロッジ

デスクトップパソコン１ Hewlett Packard

本体：Compaq モニター：5500 プリンター：5650 スキャナー：2400

2 エコロッジ(1)、ポ

サーダス本部(1)

デスクトップパソコン２ Hewlett Packard 本体：Compaq モニター：7540

2 PPU ウルス事務

所(1)、エコロッジ(1)

テレビ Phillips 29" Real Flat 1 PPU ウルス事務

所

テントセット Anchor 白色フライシート付 5 エコロッジ

ドリルドライバー Makita AP-1500 2 同上 ノートブックパソコン Hewlett Packard Compaq nx 9010 2 同上 ビデオデッキ Hitachi Plus VT M886 1 PPU ウルス事務

所 フリップチャート Fernández Garrido サイズ：88cm x 60cm 1 エコロッジ

VHF 無線機（エコロッジ用） Motorola EM400 1 同上 VHF 無線機（車両用） Motorola EM400 1 同上 VHF 無線機（ハンディー） Motorola EP 450 5 同上

46

供与先

機関 機材名 メーカー名 仕様・形式 個数 設置・管理場所

携帯用小型テント Water dog Iglu モデル 2 同上 刈払機 Stihll FS 160 2 同上 丸のこ DeWalt DW 352-AR 2 同上 給水器 Ushuaia SN 29483 1 同上 携帯顕微鏡 Nikon 131304 1 同上 事務用チェア Carlos Staciuk 回転式 1 同上 事務用デスク Carlos Staciuk サイズ：164 cm x 144 cm x

73 cm 1 同上

消火器（厨房用） Yukon / Fistoray 10 Kg. 2 同上 消火器 Fistoray 5 Kg. 1 同上 照明器具 YLX XS-78A 6 同上 薪ストーブ El Colono 鉄製、煙突付 1 同上 双眼鏡 Nikon Action EX

(SN 209422BE) 1 同上 発電機（大型） Toyma T6000 1 同上

本棚 Carlos Staciuk サイズ：200cm x 79cm x 38cm

2 同上

UPS（無停電電源装置）1 TRC excel 700 1 ポサーダス本部

UPS（無停電電源装置）２ APC RS 800 3 PPU ウルス事務

所(1)、エコロッジ(2)

冷蔵・冷凍庫 冷蔵庫 : FRIDER 冷凍庫 : BAMBI

1 エコロッジ

47

３．６ 現地業務費実績

年度毎の現地業務費は以下の通りである。 表 3.8 現地業務費実績

項 目 2004 年度 $1(ペソ)=37.333(円)

2005 年度 $1(ペソ)=39.184(円)

2006 年度（計画） $1(ペソ)=37.773(円) 合計

1 一般業務費 ¥10,605,000 $284,065.04 ¥8,975,000 $229,047.57 ¥7,357,000 $194,768.75 ¥26,937,000 $707,881.36

2 機材費 ¥17,754,000 $475,557.82 ¥1,759,000 $44,890.77 $0.00 ¥19,513,000 $520,448.59

3 工事費 ¥5,013,000 $134,277.98 ¥3,049,000 $77,812.37 $0.00 ¥8,062,000 $212,090.36

合計 ¥33,372,000 $893,900.84 ¥13,783,000 $351,750.71 ¥7,357,000 $194,768.75 ¥54,512,000 $1,390,399.43

注）ＪＩＣＡ専門家人件費・派遣費は除く。

47

48

３．７ その他の投入実績

本プロジェクトの参考として、近隣国で実施されている環境教育及びエコツーリズムに

ついて学ぶため、2004 年度に類似プロジェクト研修を実施した。

· 実施日：2004 年 8 月 8 日－8 月 15 日

· プロジェクト名：セラード生態コリドー保全計画（ＪＩＣＡブラジル事務所管内）

· 受入機関：ブラジル環境再生可能天然資源院（IBAMA）

· 訪問先：ブラジル連邦共和国ブラジリア連邦区、ゴイアス州

· 参加者：

ＪＩＣＡ専門家

・ 渡邉 満（保護区管理、業務調整）

・ 尾崎広基（環境教育）

カウンターパート

・ カタネオ・ワルテル（MERNRyT 生態庁長官）

・ アアプ・マルセロ（MCA 観光・環境・スポーツ局代表）

・ ボガード・マウリシオ（MCA 観光・環境・スポーツ局職員）

日程：

日付 内 容 宿泊地

8 日 移動（プエルト・イグアス市発→フォス･ド･イグアス市経由

ブラジリア連邦区着） ブラジリア連邦区

9 月 ＪＩＣＡブラジル事務所表敬訪問 IBAMA 技術交換 ブラジリア連邦区

10 火 移動（ブラジリア→ゴイアス州アウトパライーゾ市） 環境 NGO 事務所、シャパーダ・ドス・ベアデイロス国立公

園管理事務所訪問

ゴイアス州アウト

パライーゾ市

11 水 シャパーダ・ドス・ベアデイロス国立公園（世界自然遺産）

訪問、地元 NGO 訪問 ゴイアス州アウト

パライーゾ市

12 木 カボカンチ市環境観光局訪問 移動（カボカンチ市→ブラジリア連邦区） ブラジリア連邦区

13 金 環境省、IBAMA 訪問（打合せ、情報収集） ブラジリア連邦区

14 土 セラード・エコミュージアム、民有地自然保護区視察 ブラジリア連邦区

15 日 移動（ブラジリア連邦区発→フォス・ド・イグアス市着→プ

エルト･イグアス市着）

49

第４章 プロジェクトの活動継続について

４．１ 終了時評価後の対応

2006 年 12 月の終了時評価において、合同評価委員より活動継続に関する提言が出された

ことを受け、同年 12 月下旬から 2007 年 2 月 1 日にかけて以下の通り対処した。

表 4.1 終了時評価後の対応 対 応 日 付 内 容 場 所

会議の開催 2006 年 12 月 27 日

· 終了時評価の結果とプロジェクト終

了までの課題に関する協議 エコロッジ・カブ

レイ（アンドレシ

ート市） セミナー 2007 年

1 月 23 日、24日

· 各機関からの 2007 年度活動計画の紹

介 · 計画内容の審議と実施機関による役

割分担の合意形成

サイン・ジョージ

ホテル会議室（プ

エルト・イグアス

市） ワーキンググル

ープ会議 2007 年 1 月 24 日

· セミナーの結果承認 · 活動継続に対する合意形成

同上

合同調整委員会 2007 年 2 月 1 日

· 前回会議議事録の承認 · 活動成果・今後の方向性の紹介 · 活動継続（ワーキンググループ会議

結果）の承認 · 資機材共用の承認 · 機材供与

ロス・ロブレス会

議室（アンドレシ

ート市）

４．２ 活動継続の合意事項

４．２．１ 終了時評価の提言に対する対応

終了時評価における提言を受けた一連の会議、セミナーの結果は以下の通りである。

表4.2 提言に対する対応 提 言 対 応

1-1. ３機関により合

意された「活動計画」

を用意する。

各機関は 2007 年度の年間活動計画案を作成し、2007年 1 月 23 日に実施されたセミナーにおいて紹介した。 各年間計画は各実施機関が責任を持ち、他の実施機関

はその支援や共同実施することで合意された。

1. プロジェク

ト後のために、

実施３機関の

協力関係を明

確にする。 1-2. プロジェクト管

理のための連携にお

ける役割を明確にす

る。

提案された年間活動計画に基づき、成果単位ではなく、

活動単位で実施調整機関、参加機関（支援機関）を明

確にした。

50

提 言 対 応 1-3. 合同調整委員会

のような調整会議の

開催を継続する。

最終のワーキンググループ会議及び合同調整委員会会

議において、プロジェクト終了後も新たな合同調整委

員会を設置することが合意された。 第 1 回目の開催は MERNRyT が召集することとし、そ

のメンバー、役割の詳細は、第 1 回会合で決定するこ

ととした。

2-1. 審議会メンバー

の意思決定の仕組み

と義務を明確にする。

エコロッジの審議会はMERNRyTとMCAで構成され、

収益事業を担う CTSA は、MERNRyT との契約に基づ

き必要な業務を遂行する。

2. エコロッジ

の管理システ

ムを明確にす

る 2-2. プロジェクト終

了前に活動計画の詳

細に合意する。

エコロッジをベースにした活動計画の詳細は、

MERNRyT が立案した年間計画に記載され、APN と

MCA もその計画に合意した。

3-1. プロジェクトの

効率的、効果的な実施

のために、資機材の利

用について合意する。

最終合同調整委員会において、資機材の共用につき、

実施機関と JICA 事務所の代表者の間で覚書を交わし

た。

3. 日本側から

の機材供与の

利用

3-2. 具体的に、日本側

から供与される資機

材の管理方法と責任

を明確にする。

資機材を実施機関に供与し、その管理責任を明確にし

た。管理方法は、各機関が規約を定めることとした。

４．２．２ その他

プロジェクトの活動を継続するために、以下のことが合意された。

· アンドレシート市のプロジェクト事務所は、MCAの責任のもと、引き続き実

施機関（MCA、MERNRyT、APN）が共用できるようにする。

· 事務所の電話番号、インターネット契約は、MCAが引き継ぐ。

· プロジェクトのホームページ（www.proyectocaburei.com.ar）は、MERNRyTが

管理責任者となる。

· エコロッジ・カブレイのインターネット契約はMERNRyTが引き継ぐ。

51

４．３ 提言

４．３．１ 関係機関の連携強化・情報共有の促進

「関係機関の連携強化」については、最終合同調整委員会においてプロジェクトの活動

の継続、連携の維持が合意された。しかし、2007年にプロジェクト地域の州知事及び市長

選挙があり、2008年には新政権に交代する。これによって、これまでに構築・合意した３

機関の連携が無効とならないよう、職員レベルから積極的に活動することが必要である。 「情報共有」はプロジェクト期間を通じて大幅に改善されたものの、その調整において

一部の職員に負担となるものもあった。今後は、職員レベルで適切に業務及び役割分担を

明確にし、実態に即した計画立案、活動することが必要である。 「連携・情報共有」の枠組みは今回のプロジェクトが概ね構築した。今後は、実施３機

関が中心となって活動を継続・発展させていくことが大切であり、必要に応じて関連機関、

民間企業、NGOらの積極的な参加・協力を求めていく必要がある。さらに、対象地域が国

境地帯でもあり、近隣国の政府機関、環境NGO等との連携、情報交換も一層緊密に行う必

要がある。

４．３．２ 普及・環境教育の実施

カウンターパートらはプロジェクトを通じて、「普及・環境教育の実施」能力が計画当初

より数段向上した。さらにその波及的効果として、地域の教職員の関心も高まり、彼らの

能力も向上した。 しかし、上位目標を達成するためには、保全対象地域の土地所有者らの協力が必要不可

欠であり、彼らに対するアプローチは細心の配慮が要求される。そのため、本プロジェク

トの実施機関職員だけでなく、連邦政府、州政府の関連機関や大学、環境NGO等との連携

を強化すべきである。その上で、地域住民の意見も取り入れ、プロジェクトで作成した教

材等を改善し、積極的に機会を設けて、プログラムを実施していく必要がある。

４．３．３ パイロット事業の実施

「パイロット事業」としてのエコロッジは、基本的に「連携強化」や「普及・環境教育」

と密接に結びつけて企画したものである。エコロッジの具体的な運営の中から、地元に住

民が参加する観光サービス協同組合（CTSA）が新たに設立された。このような組合組織は

ミシオネス州内には他にないため、組織強化を目指して生態省（MERNRyT）とアンドレシ

ート市（MCA）とで今後とも育成していく必要がある。

エコロッジ運営はMERNRyTとMCAの合意のもとで、まずは利用実績を維持、拡大する

ことを主要な議題として、経営審議会を定期的に開催することである。そのためにもエコ

ロッジ経営の重要な位置にある専任の管理者を、MERNRyTとMCAとで協力して早急に配

置するべきである。

52

表 4.3 2007 年活動計画案（その１）

2007年度計画案（成果１関係）

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

APN １．連携・情報共有 1-1 情報共有計画 1-1-1 情報共有方法に関するセミナー1回、会議3回 C X

1-2 CDによる情報共有 1-2-1 実施機関職員による情報収集、整理、配布 C X X

1-3 保護区に関するセミナー 1-3-1 保護区管理に関する情報共有のための、講演を含むイベントの開催 A C X

1-4 動物情報システム 1-4-1 動物情報票の印刷 C X

1-4-2 年間報告書の作成 C X

1-5 プロジェクト・ホームページ 1-5-1 既存ホームページへの、ダウンロード可能な情報（文章、写真、データ）の掲載

C X X X

1-6 プロジェクト情報の電子チラシ 1-6-1 電子メールを利用した電子チラシを作成する。 C X X

1-7 自然環境情報マニュアル 1-7-1 動植物等の情報を収集する。 C C X

1-8 画像バンク 1-8-1 写真を整理し、CD及びDVDにより配布する。 C X

1-9 イグアス国立公園東側境界線の地図作成

1-9-1 土地所有者名、区画番号を記載した地図を作成する。 A C X X

1-10 環境図書館 1-10-1 ジャクイ事務所用の図書、雑誌、ビデオ等を収集する。 A C X X

MERNRyT １．環境情報の収集・利用

1-1 情報管理の研修 1-1-1 最新の環境保全政策（州、国、世界レベル）に関するワークショップを開催する（2回）

C A A X X

1-1-2 バッファーゾーン管理に関するワークショップを開催する（1回） C C A X

1-1-3 GPS利用による簡易地図作成のためのワークショップを開催する（1回） A C X

1-1-4 2006年自然環境マニュアルの情報整理とデジタル情報を配布する C C A X

1-1-5 テーマに関係した各種イベントへ参加する A X X X X X X X X X X X

1-2 情報の収集とシステム化 1-2-1 プロジェクトによる航空写真と土地利用情報を活用するための方法を開発する

C C A X X X X X X X

1-2-2 ペニンスラ地区で選定された生物コリドーのモニタリングのための調査を開始する

C A A X X X X X X X X X

1-2-3 既存情報を処理し、情報を集中化する C A A X X X X X X X X

1-2-4 アンドレシートの人口・経済情報を更新する A C X X X

1-2-5 GPSを利用して認定されたコリドーの詳細地図を作成・更新する C C A X X X X X X X

1-2-6 関係機関との協力による対象地域の森林面積を継続的にモニタリングする方法を開発する

C C X X X X X X X

1-3 環境情報の普及 1-3-1 対象地域で活動する関係機関職員、個人との協力による計画策定及び交流のための会議を開催する

C C A X X X X X X X

1-3-2 対象地域の保護区に関するパンフレットを計画的に配布する C C C X X X

1-3-3 ラジオ、テレビ番組へ参加する（基準の統一含む） C C X X X X X X X X

２．民有地における自然環境保全の促進

2-1 民有地の自然環境保全のための法的枠組みを調査し、普及する C A C X X X

2-2 ペニンスラ地区における土地所有者の組織化を促進する C A C X X

2-3 民間自然保護区の創設促進キャンペーンを実施する C A C X X X X

2-4 アンドレシート市レベルにおける民有地の自然環境保全のための、法的枠組みの作成を提案する

C A C X

2-5 関連する情報を3ヵ月ごとに作成、配布する（電子情報、コピー、インターネット、ラジオ、ローカルテレビ）

C A C X X X

提案機関 APN MCA月

プログラム サブプログラム 活動 MERNRyT

注）C:コーディネーター、A:アシスタント

52

53

表 4.4 2007 年活動計画案（その２）

2007年度計画案（成果２関係）

提案機関

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

MCA １．環境教育 C X X X X X X X X

２．市営苗畑 C X X X X X X X X X

３．普及 農民祭 A C X

APN ２．環境教育 2-1 イグアス国立公園・対象地域州立公園の教育的訪問の実施

2-1-1 ジャクイ事務所、イグアスの滝、イグアス国立公園管理事務所等を訪問する。（ゲーム等の実施）

A C A X X

2-2 教育ビデオの作成 2-2-1 イグアス国立公園に関する教育的なビデオを作成する。 A C X

2-2-2 学校、重要な関係機関へ配布する。 A C X

2-3 プレゼンテーションの作成 2-3-1 イグアス国立公園に関するプレゼンテーションを作成する（密猟、パルミットの盗伐、動物、植物）

C C X

2-4 ジャクイ付近の学校向環境教育プログラムの作成

2-4-1 州立第436、554、565初等学校、第10高等学校との環境教育に関する年間活動を計画する。

A C X

2-5 IBAMA公園学校との環境教育研修 2-5-1 2007年度研修生を募集・選考する。 A C X

2-6 FEAとの環境教育研修 2-6-1 2007年度研修生を募集・選考する。 A C X

2-7 討議用ビデオ 2-7-1 イグアス国立公園とその周辺の保護区における問題を関連した討論用ビデオを収集・整理する。

A C A X X X X

３．普及 3-1 ラジオ番組 3-1-1 様々な時間帯と放送局におけるラジオ番組に参加する。 C C X X X X

3-2 自然保護区の重要性に関するパンフレット 3-2-1 パンフレットをデザイン、印刷し、東側境界の地域住民へ配布する。 C C X X

MERNRyT ３．普及・環境教育 3-1 “環境教育者グループ（GEA）” 3-1-1 教員及び一般住民向けの環境教育に関する内容と技術の研修を、５（２）回以上実施する。

C A X X X X X

3-1-2 活動の一環として、環境教育用冊子を活用する。 C A X X X

3-1-3 普及・研修用の小冊子を3ヶ月ごとに作成する（合計4冊） C A X X X

3-2 カブレイ研修・環境教育センターの創設 3-2-1 環境教育と保護区の利用に関する研修を3回以上実施する。 C A A X X X

3-2-2 環境教育と保護区利用に関する書類を集成、印刷し、そのテーマに関する相談センターを開発する。

C A A X X X X X X X X X X X

3-3 “私たちの保護区” 3-3-1 学校及び隣接する地域において、エコロッジとカブレイ保護区の目的と活動を普及する。

C A X X X X X X X X X X

3-3-2 カブレイ保護区への学校、一般訪問客に対する環境教育活動を実施する。

C A X X X X X X X X X X

3-4 “ビバ・アグア” 3-4-1 興味深い自然環境のある場所からのカヌー研修の実施。 C A A X X X

3-4-2 水源の保護に関するポスターのデザインと印刷、配布。対象は地域住民、特に対象地域の土地所有者。

C A A X X

3-4-3 プログラムに関連したテーマのラジオ番組（収録） C A A X X X X X X X X X X

3-4-4 テーマに関連した短編ラジオ番組（５回）。 C A A X X X X X X X X X X

3-4-5 テーマに関連した短編テレビ番組（５回） C A A X X X X X X X X

3-4-6 “泉の収集家（コレクター）”プログラム。土地所有者に、その土地にある泉を保全する意識を高め、同時に泉の場所を確認し、泉保全の証

C A A X X X X X X X X

3-5 サン・フランシスコ・エコクラブへの協力 3-5-1 エコクラブからの要請に基づき、昨年度からの活動の継続と支援を行う。

C A A X X X X X X X X X X X

人間による水の利用に基づき、水生態系の保全の重要性について意識を高めるためのプログラム。

MCA月

APNプログラム サブプログラム 活動 MERNRyT

注）C:コーディネーター、A:アシスタント

53

54

表 4.5 2007 年活動計画案（その３）

2007年度計画案（成果３関係、その他）

提案機関

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12MCA ４．持続的開発 4-1 カヌーツアー C C X

4-2 公園縦断自転車ツアー A C X4-3 エコツーリズムフェスティバル C C X4-4 観光プロモーション C A C X X X

APN ４．持続的開発 4-1 エコロッジ・カブレイ 4-1-1 会議へ参加し、経営審議会を支援する。 A

4-2 カブレイ地区におけるエコツーリズムのツアー

4-2-1 デザインを完成させ、実施計画を作成し、近隣住民とのワークショップを開催する。

A C C X X X X X

4-3 森林の持続的利用 4-3-1 研修のためのワークショップを開催する。 C C X X５．インフラ 5-1 ジャクイ事務所の維持管理 5-1-1 家具、家電製品を購入し設置する。 C X X X X X６．調査・モニタリング 6-1 調査の支援 6-1-1 施設の利用を登録する。調査活動に施設を提供し、その活動を支援する。 C X X X X X X X X X X X

MERNRyT ４．エコツーリズム開発 4-1 アンドレシートのエコツーリズム開発のための、参加型計画策定

4-1-1 計画のための重要なデータを収集する。 C A C X X X X X

4-1-2 事前評価（診断）を実施する。 C A C X X X4-1-3 計画策定のための会議を実施する。 C A C X X X X4-1-4 計画案を策定する。 C A C X X4-1-5 計画を検討するためのワークショップを開催する。 C A C X4-1-6 計画を実施し、モニタリングを行う。 C A C X X X X

4-2 観光への意識向上（企業家、職員、一般住民対象）

4-2-1 短編ラジオ番組（５回） C C X X X X X X X X X X

4-2-2 短編テレビ番組（５回） C C X X X X X X X X X X4-2-3 普及用小冊子（年４回） C C4-2-4 観光意識向上のための巡回講演（年４回） C C X X X X

4-3アンドレシートへの投資と誘致の支援（様々なメディアを活用し、観光客と投資家を対象としたもの）

4-3-1 パンフレット（１種類） C C X X

(セルバ・アデントロ観光サービス共同組

合との協働作業)4-3-2 テレビ及びラジオ番組への参加 C C X X

4-3-3 インターネットサイトの充実(www.ecoandresito.com.ar) C C X X X X X X X X X

4-4 保護区境界付近への観光投資の促進 4-4-1 興味深い農地、事業、個人を調査し登録する。 C A C X X X X

（対象地域において事業家に利益を与える仕組みを開発する）

4-4-2 事業のための必要な情報にアクセスできることを容易にする（信用融資、助成金、促進、戦略的分析等）

C A C X X X X X X X X X X

4-4-3 インターネットサイトへのアクセスを容易にする。 C A C X X X X X X X X X X4-4-4 対象地域の保護区の観光利用計画を提案する。 C A C X X X X X X X

4-5 人材育成・研修 4-5-1 料理法研修 C A A X(セルバ・アデントロ観光サービス共同組

合との協働作業)4-5-2 環境インタープリテーション研修 C A A X X X

4-5-3 野鳥観察研修（第２弾） C A A X4-5-4 救急法研修 C A A X4-5-5 カヌー及び救助法の研修 C A A X4-5-6 エコロッジの管理運営マニュアルの作成 C A A X X X X X4-5-7 自然保護区における観光管理に関するワークショップ C A A X

4-6 ボランティア・研修員 4-6-1 技術的能力の向上と人員確保の観点から、ボランティアと研修員を受け入れるプログラムを実施する。

C X X X X X X X X X X

５．エコロッジ・カブレイの事業化と管理運営

事業計画と管理運営マニュアルに基づき、次の活動を実施する。

5-1 宿泊、食事、ツアーの販売 C A X X X X X X X X X X X

（通年）(セルバ・アデントロ観光サービス共同組

合との協働作業)5-2 特別イベントの実施（会議、セミナー） C A X X X X X X X X X X X

5-3 エコツーリズム旅行者との連帯プログラム C A X X X X X X X X X X X5-4 活動に関連した生物多様性情報の調査活動 C A X X X X X X X X X X X5-5 管理運営の規約とマニュアルの作成 C A X X X X X X X X X X X5-6 経験の系統的な登録 C A X X X X X X X X X X X5-7 プロモーションと販売活動 C A X X X X X X X X X X X5-8 選択的なエコツーリズムの生産品の開発支援 C A X X X X X X X X X X X5-9 観光活動による環境への影響調査 C A X X X X X X X X X X X5-10 プロジェクトによる航空写真と土地利用情報を活用する方法の開発 C A X X X X X X X X X X X5-11 維持管理計画と投入 C A X X X X X X X X X X X

６．施設・機材管理 6-1 機材と車両の利用に関するシステマティックな登録

6-1-1 機材と車両の利用に関する規約の作成と適用 C X X X X X X X X X X X

6-1-2 機材と車両の維持管理計画の作成と適用 C X X X X X X X X X X X

APN MCA月

プログラム 活動サブプログラム MERNRyT

注）C:コーディネーター、A:アシスタント

54

55

第５章 合同調整委員会会議等の開催記録

合同調整委員会、ワーキンググループの会議一覧及びメンバーとその参加記録は以下の

通りである。

表 5.1 合同調整委員会会議一覧

会議名 日 付 場 所 主な議題

第１回 2004 年 6 月

23 日 ポサーダス · 合同調整委員会の内部規定の承認

· 2004 年度年間計画の承認 · その他（プロジェクトの情報管理、プロジェクト

の愛称、本邦研修・ブラジル研修、プロジェクト

用事務所の位置等）

第２回 2005 年 3 月

4 日 プエルト・イグ

アス

· 2004 年度進捗状況の報告 · 2005 年度活動計画案紹介 · パイロット事業運営体制について · その他

第３回 2005 年 8 月

4 日 アンドレシート · 前回合同調整委員会会議議事録の承認

· パイロット事業のための調査の中間報告 · プロジェクトの合同評価の結果報告

臨時 2005 年 8 月

16 日 ポサーダス · PDM の変更

· カウンターパート機関の役割分担の変更

第４回 2006 年 2 月

16 日 PNI ジャクイ事

務所

· パイロット事業キャンプサイトの名称 · パイロット事業の管理運営

第５回 2006 年 12月 14 日

プエルト・イグ

アス

· プロジェクト進捗報告 · 終了時評価結果の報告

第６回 2007 年 2 月

1 日 アンドレシート · 前回会議議事録の承認

· 活動成果・今後の方向性の紹介 · 活動継続（ワーキンググループ会議結果）の承認 · 資機材共用の承認 · 機材供与

表 5.2 ワーキンググループ会議一覧

開催数 日 付 場 所 主な議題

第１回 2004 年 7 月

15 日 プエルト・イ

グアス

· ワーキンググループ内部規定の承認 · 2004 年度年間計画の紹介 · プロジェクトの愛称について · 成果別グループ討論

第２回 2004 年 8 月

30 日 アンドレシ

ート

· ワーキンググループの内部規定変更について · プロジェクトのロゴマークのコンクールの結果 · 活動報告（全体会） · 成果別グループ討論

第３回 2004 年 11 ポサーダス · 上半期のプロジェクト運営状況の分析 · 普及教材の紹介

56

開催数 日 付 場 所 主な議題

月 19 日 · 各種活動報告 · ブラジル及び日本における研修報告 · 日本人グループ受入れについて

第４回 2005 年 3 月

4 日 プエルト・イ

グアス

· 2004 年度進捗状況の報告 · 2005 年度活動計画案紹介 · パイロット事業運営体制について

第５回 2005 年 7 月

8 日 アンドレシ

ート

· 各機関の役割、責任について · 投入について · プロジェクト終了後の方向性

第６回 2005 年 8 月

31 日 プエルト・イ

グアス

· PDM 及びカウンターパート機関の役割分担（TOR）の改定

· プロジェクト予算及びカウンターパート機関の予

算割当の可能性について

第７回 2006 年 1 月

17 日 プエルト・イ

グアス

· 情報共有 · 普及・環境教育 · エコツーリズムのパイロット事業 · プロジェクトの投入 · エコロッジの安全対策 · ジャクイ事務所の開所式

第８回 2006 年 5 月

31 日 アンドレシ

ート

· 2006 年度計画のポイント · 成果別グループ会議

第９回 2006 年 7 月

11 日 アンドレシ

ート

· ワーキンググループの新メンバー承認 · ラテンアメリカ・レンジャー研修員グループの訪問 · 終了時評価の準備について · 成果別グループ会議

第 10 回 2006 年 10月 5 日

アンドレシ

ート

· プロジェクト終了時評価 · プロジェクト機材の供与 · プロジェクトの継続

第 11 回 2007 年 1 月

24 日 プエルト・イ

グアス

· プロジェクト終了後の活動計画 · 機材配分

57

表 5.3 合同調整委員会メンバー及び出席状況

合同調整員会会議開催回

2004 年度 2005 年度 2006 年度 機関名 C/P 氏名 役 職 担当分野 在任期間

1 2 3 臨時 4 5 6

ロビラ・カルロス ミシオネス州知事 議長 2004.6 ～ ○

ハコボ・ルイス MERNRyT 大臣 プロジェクトダイレクター 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ワルテル・カタネオ MERNRyT 生態庁長官 プロジェクトマネージャー 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○

カマラ・ウーゴ MERNRyT 大臣補佐 事務局長 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

リナス・ミゲル MERNRyT 生態庁生態総局長 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○

ミシオネ

ス州政府

シルバ・ダリオ MERNRyT グリーンコリドー

特別代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○

カルピネッティ・ブルーノ 理事 APN 代表 2004.6 ～2006.7 ○ ○ ○

ロメロ・ラウル PNI 公共利用部長 APN 代表 2006.12 ～ ○

サントス・ゲデ 理事 APN 代表臨時代理 ○

デ・ラ・トッヘ・ダニエル PNI 所長 APN 副代表 2004.6 ～2005.8

APN

クロスタ・ダニエル PNI 所長 APN 副代表 2005.8 ～ ○ ○ ○ ○ ○

アアプ・アニバル アンドレシート市市長 MCA 代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

アルゼンチン側

MCA アアプ・マルセロ 観光・環境・スポーツ局代表 MCA 副代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

高井正夫 アルゼンチン事務所所長 ○

古屋年章 アルゼンチン事務所所長 ○

佐藤保雄 アルゼンチン事務所次長 ○

永田健 アルゼンチン事務所次長 ○ ○ ○ ○ ○

JICA

山本パトリシア アルゼンチン事務所職員 ○ ○ ○ ○

日本側

JWRC 松島 昇 社会開発 プロジェクトマネージャー ○ ○ ○ ○ ○ ○

57

58

合同調整員会会議開催回

2004 年度 2005 年度 2006 年度 機関名 C/P 氏名 役 職 担当分野 在任期間

1 2 3 臨時 4 5 6

山瀬一裕 自然環境保全 ○ ○

渡邉 満 保護区管理 業務調整 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

尾崎広基 環境教育 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 佐藤直行 参加型自然資源管理 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

藤園大悟 業務調整補佐 事務局次長 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

表 5.4 ワーキンググループ会議メンバー及び出席状況

ワーキンググループ会議開催回

2004 年度 2005 年度 2006 年度 機関名 C/P 氏名 役 職 在任期間

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

ワルテル・カタネオ※ 生態庁 長官 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ブルエラ・ペドロ アンドレシート支所技官 2004.6 ～

リバス・メルセデス プエルト・イグアス支所職員 2004.6 ～2005.08 ○ ○

クラウシウック・エルネスト 生態庁動植物部 部長 2004.6 ～ ○ ○ ○

アルサメンディア・エステバン 州立保護区レンジャー 2005.9 ～

MERNRyT

アビルドガアルド・ガブリエル 州立保護区レンジャー 2006.5 ～ ○ ○

デ・ラ・トッヘ・ダニエル※ PNI 所長 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○

ジョルジョプロス・アドリアン PNI レンジャー 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○ ○

チャベス・ウーゴ PNI 技官 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

成果１コンポーネント

APN

フェルナンデス・ダニエル※ PNI 地域開発部 部長 2005.8 ～ ○ ○ ○ ○

58

59

ワーキンググループ会議開催回

2004 年度 2005 年度 2006 年度 機関名 C/P 氏名 役 職 在任期間

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

アアプ・マルセロ※ 観光・環境・スポーツ局代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

バシリオ・ファビアン 政務局長 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○

MCA

ラセッティ・ハビエル 技術者 2004.6 ～2005.8

リナス・ミゲル※ 生態庁生態総局 局長 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ポイソン・エステラ 生態庁環境教区担当 2004.6 ～ ○

オリベラ・オネッシモ 州立保護区レンジャー 2004.6 ～

シュローデル・モニカ 州立保護区レンジャー 2006.5 ～ ○ ○ ○ ○

ダ・ロッサ・マベル 州立保護区レンジャー 2005.9 ～ ○ ○ ○

MERNRyT

カマラ・ウーゴ 大臣補佐 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

デ・ラ・トッヘ・ダニエル※ PNI 建設部長 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○

ジョルジョプロス・アドリアン PNI レンジャー 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○ ○

チャベス・ウーゴ※ PNI 技官 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ APN

ベジョニ・セシリア PNI レンジャー 2005.8 ～ ○ ○ ○ ○

アアプ・マルセロ※ 観光・環境・スポーツ局代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ベニテス・シルビア 教員 2004.6 ～2005.8

ボヘゲン・エミリオ 職員 2004.6 ～2005.8

成果２コンポーネント

MCA

ボガード・マウリシオ 観光・環境・スポーツ局職員 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

シルバ・ダリオ※ グリーンコリドー特別ユニット

代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○

カマラ・ウーゴ 大臣補佐 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

MERNRyT

サンチェス・オマル グリーンコリドー特別ユニット

職員 2004.6 ～ ○

59

60

ワーキンググループ会議開催回

2004 年度 2005 年度 2006 年度 機関名 C/P 氏名 役 職 在任期間

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

ベニテス・マリア グリーンコリドー特別ユニット

職員 2004.6 ～

クレマール・アリエル 観光庁職員 2005.8 ～ ○ ○ ○

ベルトット・パウラ 研修員 2006.7 ～ ○ ○ ○ ○

デ・ラ・トッヘ・ダニエル※ PNI 所長／建設部長 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○

ジョルジョプロス・アドリアン PNI レンジャー 2004.6 ～2005.08 ○ ○ ○ ○

APN

チャベス・ウーゴ PNI 技官 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

アアプ・マルセロ※ 観光・環境・スポーツ局代表 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ボガード・マウリシオ 観光・環境・スポーツ局職員 2004.6 ～ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

アルド・アントゥネス 観光・環境・スポーツ局職員 2006.7 ～ ○

MCA

ランドン・ルイス 職員 2004.6 ～2005.8 ○

渡邉 満 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 尾崎広基 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 佐藤直行 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

JICA

藤園大悟 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

注１）太字は評価対象 C/P, イタリック体で表示してあるのは、複数のコンポーネントで重複するメンバーである。

注２）※各機関の代表者

成果３コンポーネント

60

61

表 5.5 会議オブザーバー参加者リスト

合同調整委員会 ワーキンググループ会議

2004 年度 2005 年度 2006 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 氏 名 所 属

1 2 3 臨時 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

1 ハコボ・ルイス MERNRyT ○ ○

2 ステジャ・マリス・ブロドシックス MERNRyT ○ ○ ○ ○

3 マリア・アレハンドラ・マリン MERNRyT ○ ○ ○

4 ラディンス・ホセ MERNRyT ○ ○

5 セヒスムンド・ウェルッ MERNRyT ○

6 アルサメンディア・エステバン MERNRyT ○ ○

7 クレマール・アリエル MERNRyT ○

8 エスピナ・ヘクトル APN ○

9 ガンディニ・パトリシア APN ○

10 アルマタ・クリスティーナ APN ○

11 クロスタ・ダニエル APN/PNI ○ ○ ○ ○ ○

12 ロメロ・ラウル APN/PNI ○

13 フェルナンデス・ダニエル APN/PNI ○ ○ ○

14 チャベス・ウーゴ APN/PNI ○ ○ ○ ○ ○ ○

15 ジョルジョプロス・アドリアン APN/PNI ○ ○

16 トメ・マリオ・フランシスコ APN ○

17 アアプ・アルド MCA ○ ○ ○

18 ボガード・マウリシオ MCA ○ ○ ○ ○

19 カフィエロ・アナ 外務省 ○

20 トリビオ・アリシア 環境庁 ○

21 コスタ・アルベス・ヴィクトリア JICA 現地業務

従事者 II ○ ○

○ ○ ○ ○

61

62

合同調整委員会 ワーキンググループ会議

2004 年度 2005 年度 2006 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 氏 名 所 属

1 2 3 臨時 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

22 チョウレット・マルセロ 同上 ○ ○ ○ ○ ○

23 ベック・リリアン 同上 ○ ○ ○ ○ ○

24 パト・マリア・セシリア 同上 ○

25 ラ・バルバラ・フェルナンダ 同上 ○

26 ブルエラ・フアナ・アンヘラ 教員 ○ ○

27 ゴニ・アルベルト・ガブリエル BPVA ○

28 イリアニ・オスカル MERNRyT/コンサルタント

○

29 渡邉 優 日本大使館 ○

30 長野正嗣 同上 ○

31 辻川亜季 同上 ○

32 伊藤将宏 JICA ○ ○

33 渡辺亜矢子 JICA/コンサル

タント ○

34 高野憲一 JICA ○

35 三島光恵 JICA/コンサル

タント ○

36 浅野剛史 JICA/専門家

（ブラジル） ○ ○

37 池田健太郎 JICA/専門家

（ブラジル） ○ ○

38 メスキタ・エヂッチ IBAMA ○ ○

39 レオン・マウラ IBAMA ○ ○

62

I．基礎情報収集調査報告書

2004 年度

基礎情報 - 1

カブレイ地区

イグアス国立公園 ジャクイ事務所

ブ　ラ　ジ　ルパラナ州

イグアスの滝

ウルグアイダム湖

パ

ラ

グ

ア

イ

プエルト・イグアス市

アンドレシート市

カメティ州立公園

ジャクイ州立公園

民間自然保護区（ジャクティンガ）

イグアス国立公園

Ｆ．バサルドゥア多目的利用保護区

ウルグアイ州立公園

マリア・ソリダ地区

フォステル州立公園

　

保護区グリーン・コリドー

概 要

本書は、イグアス地域自然環境保全プロジェクトにおける関係機関職員（国立公園局、

生態・再生可能・天然資源・観光省、アンドレシート市役所）が、プロジェクト地域にお

ける自然環境管理、環境教育、アグロ・エコツーリズム等に活用できるよう、基礎情報を

調査、収集したものである。

調査は、ＪＩＣＡ専門家と関係機関職員の指導のもと、ローカルＮＧＯとの契約によっ

て実施された。ローカルＮＧＯは、必要な調査項目に準じた調査員を組織し、調査全体の

コーディネート及び作業管理を行った。

調査対象地区は、保護区を除く公有地又は民有地で、本プロジェクトにおいて環境教育

及びアグロ・エコツーリズムに関するプログラムの実施が予定されていることを基準とし、

アンドレシート市内のカブレイ、ラ・ブランキッタ、アンドレシートの３地区を選定した。

野外における生物データの収集は、生物相の季節変化を確認するため、冬季～春季にあ

たる８月及び春季～夏季にあたる 10 月に実施した。生物データは、動物群（哺乳類動物、

鳥類、爬虫類、両生類、節足動物門（無脊髄動物）および植物群の各調査グループが、上

記対象地区において収集した。作業時間は、調査対象の動物の習性や、調査員相互の活動

の妨害にならないように配慮した。

本調査において記録された植物群は 61 科、172 種で、これはミシオネス州で記録されて

いる科に対し 34 ％、種では 11 ％である。動物群では、哺乳類 12 科、19 種、爬虫類５科、

５種、両生類５科、13 種が記録された。また鳥類では８月に 26 科、55 種、10 月は 38 科、

79 種を記録し、種数の多い節足動物は、８月の調査で 33 科、10 月は 53 科を記録した。

本書は、プロジェクト地域において今後の自然環境基礎情報を収集、整理する上での基

礎的な情報を提供するもので、これらの調査をベースに基礎情報の蓄積が望まれる。

図１. 調査地点 カブレイ地区、 ラ・ブランキッタ地区、 アンドレシート地区 １ １

基礎情報 - 2

調査対象区の概要（航空写真は本調査で撮影したもの）

イグアス国立公園の東境界線に位

置し国道 101 号線に隣接する地区

で、国立公園、州立公園のような自

然保護区と農園地域の境界である

ことを特徴とする。

写真１：カブレイ地区

イグアス川沿いの民有地で、すでに

農園として自然環境が大きく改変

された地区である。人手の入った２

次的な自然とイグアス川に隣接し

た開放的な景観、さらにイグアス川

を挟んでブラジル側イグアス国立

公園とも隣接していることを特徴

とする。

写真２：ラ・ブランキッタ地区

アルミランテ・ブラウンにある州

住宅開発公社（IPRODHA）の土地

で、総面積は 57 ha、そのうち約５

ha の土地が IPRODHA から生態省

に委譲され、パイロット事業が実

施される計画である。市街化地域

と農園地域の境界であることを特

徴とする。

写真３：アンドレシート地区

イグアス国立公園境界

国道 101 号線

イグアス川

住宅街

住宅街

パイロット事業施設建設地

製材工場・マテ

茶製茶工場

基礎情報 - 3

カブレイ地区

写真４：A；イグアス国立公園とカブレイ地区を結ぶ国道 101 号線 B；ジャクイ川

と河畔林 C；イグアス国立公園とカブレイの境界地域では、パラナマツ（Araucaria

angustifolia）のような樹木が森林の樹冠を構成する。 D；調査対象区は高木が多く、

林床には広いスペースがあり、散策するのに適している。

基礎情報 - 4

ラ・ブランキッタ地区

写真５：調査対象区は人間により改変されており、農耕地、牧畜用地がある。

A＆B；家畜用地（現地では parquizado と呼ばれている）（写真: HACH） C；イグ

アス川沿岸（写真: HACH） D；地区の全景。家畜用地がみられる。（写真: HACH）

E；川辺（写真: HACH）F；調査対象区の日没（写真: REB）.

基礎情報 - 5

アンドレシート地区

写真６：A；調査対象区の南境界線にあたる「チリ大通り」 B；チリ大通りから南方

の展望（写真: HACH） C；ホーライチク（森林構成植物の一つ） （写真: HACH）

D；パロ・ロッサ（Aspidosperma polyneuron）（森林の上部層を構成している）（写真: HO）

E；パロ・ロッサのそばに生育するパルミットヤシ（Euterpe edulis）の実生（写真:

HACH）.

基礎情報 - 6

１．序論

ミシオネス州の面積は 29,801 ㎢で、国土のわずか 1.1 ％、アルゼンチンでは２番目に小

さい州である。しかしこの州の生物多様性は豊かで、種数でみると、維管束植物の 29 ％（177

科、903 属、2805 種）、同じく脊椎動物の 50 ％を占め、鳥類も、全国の約 50 ％がこの州

に生息している（Giraudo、2003、Zuloaga 他、1999）。

ミシオネス森林又はパラナ密林は、亜熱帯地域に属する。植物地理学的には“Provincia

Paranaense（パラナ区）”と呼ばれる地域に位置し（Cabrera、1971）、大西洋岸林生物相（Bioma

Mata Atlántica）の一部を構成している（Di Bitette et al., 2003）。ミシオネス州は保全地域と

しても重要であり、“Alto Parana 林”の生態地域にある保護地の約 35 ％を有している。

ミシオネス北部は、“Selvas Mixtas（混合林）”地区であり、２つのタイプの樹林が特徴と

なっている。一つは、“Laurel、Guatambú、Palo Rosa 森林”と呼ばれ、これらの樹種が多い地

域はイグアス国立公園全体とミシオネス州北西部である。もう一つは、“Laurel、Guatambú、

Pino 森林”と呼ばれるミシオネス州北東部で、比較的寒い地域で標高が高いのが特徴で、パ

ラナマツ（Araucaria angustifolia）がある。（Cabrera、1971）

パラナ密林は一般に異なった高さの植物層をもつのが特徴で、それぞれの層に特定な植

物種が繁茂している。上部層は、Estrato Emergente と呼ばれ、パロ・ロッサ、パラナマツ、

Timbó 等の 40 ｍの高さに達する樹木により構成されている。その下に２番目の Dosel と呼

ばれる層（亜高木層）があり、Lapachos、Laureles、Guatambú、Cedro、Cañafistula、Guayubira、

Cansharana、Aguaí、Camboatá、パルミット等のヤシの木、Pindó 等の高さ 10～20 ｍの樹木

により構成されている。Dosel の下に Estrato Intermedio 又は Arbustivo（中木層・低木層）と

呼ばれる層があり、シダ（樹木上）または Chachíes、（Alsophila sp.）、潅木、竹、ツタ等の

３～10 ｍの植物で構成されている。最低部の層は Estrato Herbáceo（草本層）と呼ばれ、

umbrófila（日陰に生育する植物）植物、イネ科植物、シダ、地面に生育するラン等がある。

その他、高さに関係なく、蔓性植物および着生植物で構成されている層がある。異なった

高さの層間を通っている蔓性植物の種類は多様であり、主要な種は、Aristoloquiáceas 科、

Bignoniáceas 科、Convolvuláceas 科、Pasifloráceas 科、 Sapindáceas 科等である。着生植物に

も多様な種類（寄生している生物グループ）があり、シダ、ラン、サボテン、パイナップ

ル科等があって、Güenbé の様に非常に大きなものから樹皮の表面に着くシダの様に微小な

ものまである。

基礎情報 - 7

図２. パラナ密林の構成

パラナ密林は日当たりが良く、温度幅も広いため、高木層から薄暗い低木層に至るまで、

多数の動物相の生息地が存在する。年間を通して様々な花類、果実、新芽、各種の植物等

が豊富にあり、そのため多様な動物種が生息し、それぞれ特別な役割を果たしている。例

えば、受粉媒介をしているのは昆虫類ばかりか、ハチドリ、コウモリ等もその役割を果た

す。その他に、花の蜜や果実を餌にしている動物もいる。各種の植物が１年を通して異な

った様々な季節に開花および結実している。また、色彩の鮮やかな動物も多数生息してい

る。例えば、Aguilas Crestadas（アカエリクマタカ類）、Pavas de Monte（シャクケイ類）、Tucanes

（オオハシ類）、Loros（オウム類）、Cotorras（インコ類）、Yaguareté（ジャガー）、Margay

（マーゲイ）、Ocelote（オセロット）、Perro Vinagre、Pecarí de Collar（ベッカリー）、Ardilla Gris

（リスの仲間）、Mono Aullador（ホエザル）等が挙げられる。

ミシオネス州における自然環境は、国、州、民間保護地等の自然保護地域のおかげで維

持されており、農村部でも相当伐採されずに残っている地域もある。しかし、農林畜産業

開発による圧迫により、それらの残った地域も大きな危機に直面しており、様々な地域で

人為的活動により生態系分断化現象が進行し森林が細分化されている。（Giraudo-Abramson、

1998）

森林減少によるインパクトは非常に高く、予測が困難なほど深刻であるが、もう既に当

該地域の経済に影響が見え始めている。原生の動植物群の損失だけではなく、流域の水文

学的インパクト（堆積物が増大し多量に移動するため、水力発電用ダムが機能低下し、魚

類が大量に死に、洪水または水量減少がおこる。）、土壌が植物でカバーされないため発生

する土壌の侵食等も進んでいる。

アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ各国は、この生態系を保護するための共通した目

的に基づいて保護地域を設定しているが、現状は農業、工業又は都市化により広大な森林

亜高木層

低木層

草本層

上部層

基礎情報 - 8

の分断や細分化が進んでいる。そのため、現在パラナ密林は、ＩＵＣＮ（国際自然保護連

盟）の注目を浴びるようになっている。1994 年以来、ＩＵＣＮおよびＷＷＦの支援により、

ワークショップを開催し３ヵ国の関係諸機関が参加して、保全活動に取組んでいる。

パラグアイのヘルナンダリアスで行われたワークショップでは、パラグアイのムバラカ

ジュ森林自然保護地およびモイセス・ベルトニ科学モニュメントから、ブラジル／アルゼ

ンチンのイグアス国立公園、アルゼンチンのモコナ州立公園、ブラジルのトゥルヴォ州立

公園までをカバーする“Corredor Biológico Trinacional（３ヵ国生物ベルト地帯）”を設定する

必要性について合意した。その後、パラナ密林の自然資源の関係諸分野が共同で体制を整

備し取組む方針で、複数の国際会議が行われた。

ミシオネス州ではこのプロセスの成果として、1999 年７月、州政府が、“Corredor Verde

（グリーンベルト）”と呼ばれる“統合的保全および持続的開発地区”の設定に関する法案を

提出した。州議会に提出された本法案は、法律第 3631 号、政令 218／99 号として発効され

た。（Giraudo、2003）

この法案には、住民が保護地から得られる直接的な利益について認識できるよう、堅実

で効果的な環境教育の必要性が述べられている。住民が一番の受益者ではあるが、将来の

世代および他の広い範囲の共同体の権利を侵さないような条件を考慮するべきである旨も

述べられている。

住民と保護地区の関係として一番よく知られているコンセプトの１つが “ バッファーゾ

ーン ” である。このゾーンを新しいタイプの保護区と解釈する場合もあり、生産活動と保

護地区近隣住民の生活の中で、それぞれの共生を促進する目的を持っている。

解釈は多様にあるが、実際面では、バッファーゾーンとしてポテンシャルのある地域は

既にかなりの速度で開発されている。他の問題は、これらの地域は公園または保護地管轄

外に位置しており、これらの地域を統制する担当機関がないことである。

基礎情報 - 9

２．調査方法

２．１ 植物

各調査対象地区に 200 ｍ×６ｍ単位の調査区を設定した。この単位区およびその周辺を

調査し、観察した植物種を記録して行った。

分類学的に疑問が生じた場合は、採集してイグアス国立公園内にある“亜熱帯生態研究セ

ンター（CIES）”の植物館に保管した。保管には植物採集に従来から使用している押し葉標

本とした。（Laguerenne、1978）

植物種の確認には、専門書（Hunziler、1984；Lorenzi、2002；Zuloaga＆Morrone、1999）

を利用し、解説および図解を参考とした。また、インターネットでも、例えば、ミズーリ

植物園（www.mobot.org） およびニューヨーク植物園（www.nybg.org）等を参考とした。

２．２ 節足動物

作業は、各調査地区において、まず長さ 200 ｍに分区した調査区を探索し、各区とも同

じ採集時間帯および採集時間であるように計画した。その後、その調査区に隣接した区域

を調査して、より充実した本地域の昆虫調査を試みた。

調査方法は、全昆虫について記録し写真を撮った。現場で種類が確認できなかった昆虫

に関しては、それを捕獲した。現場では、様々な植物相を丹念に見て回り、葉の裏側、落

木/落ち葉/石などを動かし、樹皮や木の穴の中も観察して昆虫を探した。採集には昆虫用ピ

ンセットまたは昆虫網を使用した。鱗翅目（蝶類）の場合は、三角形の紙の袋に保存した。

カ科（蚊）の場合は、ガラス製の吸入器を使用し、ホルマリンの気体を入れた殺虫容器で

殺し、乾いた密閉容器に保存した。Euglossina（ランにつくミツバチ）は、エッセンス油（オ

イカリプトール、オイゲノール）を浸したティッシュで作った球型のわなで、このグルー

プの雄を引き寄せた。その他の昆虫、例えば、鞘翅目（カブトムシ）、半翅目（ナンキンム

シ）、同翅目（セミ）、双翅目（ハエ、アブ）、膜翅目（ミツバチ、スズメバチ、アリ）等は、

アルコール 70 ％を入れたプラスティックの密閉した蓋付きの容器に保存した。

採集したサンプルは光学機器（実体鏡）を使用し、各分類学的キィーポイントに沿って

文献等を参考にしながら同定した。

採集場所の気候条件をデータのため、温度および湿度を記録した。

２．３ 両生類・爬虫類

両生類および爬虫類の調査は、水環境（常時・一時的）および陸環境で不規則に昼夜実

施、岩、落木を動かして探し、繁殖場所で無尾目の雄の声を Sennheiser ＬＲ６の指向性マ

イクと SONY WM-D6C レコーダーで録音した。

国の保全規則は、Lavilla et al.（2000）、Lavilla et al.（2002）、Lavilla et al.（2001）を参考

にした。採集した動物は国立ミシオネス大学（UnaM）大学化学/自然精密科学部遺伝進化分

基礎情報 - 10

子研究所に保存した。

英語名は Frank & Ramus、1995 を参考にし、ポルトガル語名は Di Bernardo（com.pers）を

参考にした。

２．４ 鳥類

ミシオネス州には、全国で確認されている鳥類（985 種）の約 50 ％の種が生息しており、

イグアス国立公園では 438 種が確認されている。

鳥類を同定するための調査は、長さ 200 ｍ、幅６ｍのトランセクタを設定し、直接双眼

鏡（倍率７倍使用）で観察する方法と、鳴声で同定する方法の二つの方法で行われた。

２．５ 哺乳類

本調査は、直接観察する方法と仕掛けおよび足跡の型から推定する方法で行われた。前

者は、各調査地区内に設定した 200 ｍ×60 ｍの調査区において実施し、デジタルカメラで

記録し、可能な場合はビデオで撮影した。後者は、動物の道等から判断して、動物がいそ

うな場所に設置した。

後者の方法は以下の通りである。

仕掛け準備：落木、落葉等のために足跡がつかなくなっている場所を選んで 100 cm

×40 cm の地面をきれいにし、土をほぐして水をまいた。この理由は、当地は旱魃の

ため地面の乾燥がひどく、足跡が残らないからである。

代案として、この上に土ではなく小麦粉を撒いた。手順は簡単であるが、哺乳動物

は毎日同じ場所を通るわけではないので、時間と忍耐が必要で、数日間待たされる

こともあった。

石膏の準備：容器に足跡全体をカバーできる量の粉末石膏を入れ、適度な濃度にな

るまで水を入れよく混ぜる。堅すぎると扱いにくく、ゆる過ぎると乾きにくい。地

面に石膏を置く前に、石膏が拡散しないようにリングのような円形の枠を使用する

と良い。（プラスティック、ゴム製等）また、石膏が乾いた後地面から剥がしやすい

ようにタルカムパウダーを撒いてから石膏を入れる。乾燥させてから、足跡の型を

取る。これは石膏の中に保管する。きれいな足型が観察できる足跡を見つけるのは

難しく、この方法のおかげで寸法も確認でき、現場作業で行き会う可能性のある動

物のサイズを知ることが出きた。

基礎情報 - 11

３．調査結果

３．１ 植物

（１）カブレイ地区

同地区は、イグアス国立公園に隣接した東部境界線に位置しており、イグアス国立公園

と農園地域の間であり、ミシオネス森林と農園地域の間に位置する。

上層樹木に属するパロ・ロッサやパラナマツはあまり見られないが、中間層には、木材

に使われる数種の樹木が豊富にある。この層に属する樹種には、Pindó、Laurel、Guabirá、

Ibiporoití、Alecrín、Cedro 等がある。

中木層又は低木層では、Ñandipá、Paríparoba、Catiguá、Ortiga Brava、Ingá、Ambay、Jaborandí、

Cocú 等の植物の間に生育する chachíes が観察できる。また、Tacuapí、Tacuarembó、Yatevó

等のホウライチク類もあり、これらの植物は何年間か成長した後 開花するが、一回結実性

の植物で（一生に一度だけ花をつけた後枯れる。）ある。この地域には Tacuapí（Merostachys

claussenil）の花が観察でき、ミツバチ等の受粉媒介体が多数集まってくる。

この地域を構成している重要な植物には、つる性植物があり、Bignoniaceae 科（Peine de

mono、San Juan、Uña de gato）、Convolvulaceae 科（Dama de noche、Campanillas）、Cucurbitaceae

科（Tayuya）、Fabaceae 科（Escalera de mono）、Passifloraceae 科（Mburucuyá）、Sapindaceae

科（Isipó timbó）等の複数のつる性植物が登録されている。

草木層には地上シダ、三つ葉、イネ科植物、サトイモ科植物等が多く、森林の境界線に

多い Escobadras、Hierba Cerraja 等の典型的な侵入植物と一緒に生育しており、これらは開墾

地等で良く知られている植物である。

樹木層と関係して多様な着生植物（他の植物に着いて育つ植物であるが栄養はそれに依

存していない）があり、Güenbé 等非常に大きい種もある。その他の着生植物では、シダ、

サボテン、ラン、パイナップル科等がある。

（２）ラ・ブランキッタ地区

ラ・ブランキッタ地区は、イグアス国立公園（ブラジル）の正面のイグアス河に沿って

ある民有地である。

この地域の植物群は地域の典型的特徴である上層樹木はなく、河川流域の植物群であり

独特な生態系を形成している。

前項の調査区と同様に、中間層の樹木は多くの種類に恵まれており、例えば、Azota Caballo、

Guatambú Blanco、Loro Negro、Loro Blanco、Anchico Colorado、 Rabo Itá、Laurel Amarillo、

Cedro Misionero、Ambay、Camboatá、Seibo 等がある。

低木層で代表的なのが、Ingá、Catguá、Jaborandí、Palo pólvora、Paríparoba、Ñandipá、Cocú、

Cancharana、Tala 等であり、この層には Yatevó、Tacuarembó、Tacuapí 等のタケの種類も生

育している。

基礎情報 - 12

この山林を構成している植物でやはり重要なのがつる性植物であり、異なった層の植物

間を結んでいる。観察されたつる性植物には、Peine de Mono、Campanilla、Escalera de Mono、

Mburucuyá、数種の Timbó 等がある。

草木層もまた、このシステムを構成している重要な層で、暗い場所を好む植物種には、

Camará、Treboles、Gallina Gorda、Paríparoba、イネ科植物、シダ科植物等がある。この土地

の周辺から入って来る侵入植物も観察でき、これらは普通馬飼育場または栽培地で見られ

る種である（Bandera española、Trébol Amarillo、Tutiá）。

樹木がある場所には着生植物が多く、その例として、Güembé、claveles del aire、ラン、パ

イナップル科植物、サボテン、シダ等がある。また、樹皮に着いて生息する藻類とキノコ

等の複雑な相互関係を持つ地衣類も観察できる。

（３）アンドレシート地区

エコツーリズムのパイロット事業実施予定地にある約 5 ヘクタールの土地である。アン

ドレシート市街地に隣接した場所で、現在のミシオネス森林の重要なサンプルである。こ

の場所に、この地域の代表的な樹木パロ・ロッサが多数生育しており、幼木もかなり多い。

同様に、パルメットヤシの幼木も多く、パロ・ロッサとともに保全戦略を適用するのにポ

テンシャルのある土地と言える。上層樹木はパロ・ロッサに代表されかなり大きく、直径

１．５ｍの木もある。中間層または Dosel 層の木として一番多く観察できたのが、Rabo Molle、

Incienso、Alecrín、Loro Negro、Laurel Negro、Guatambú Amarillo、Cedro Misioneo、Camboatá、

Pindó 等である。低木層には、Ñandipá、Pariparoba、Palmito、Yacaratiá、Pacurí、Yuquerí、

Catiguá、Guabirá、Jaborandí、Tala 等の樹種があり、その間に、Tacuarembó、Tacuapí 等のタ

ケの仲間が密生している。

つる性植物では、Uña de Gato、Enredadera de San Juan、Campanilla、Escalera de Mono、Isipo

Timbó 等が観察できた。草木層では、シダ類、クローバー、Pariparoba 等があり、鑑賞用と

してポテンシャルの高い Achira Roja、Aráceas 等がある。

この地域の高い樹木には多様な着生植物が観察でき、ベゴニア、ラン、シダ類、サボテ

ン、パイナップル科植物、claveles del aire、Güembé 等に代表される。

（４）木材以外の森林資源に関するデータ

薬用植物

本調査で採集した薬草リストは以下の通りである（Amat，2000 を参考）。

Adiantum raddianum （Culandrillo）

Allophyllus edulis （Cocú）

Anemia sp. （Doradilla）

Anemia tomentosa （Doradilla）

基礎情報 - 13

Apuleia leiocarpa （Grapia）

Araucaria angustifolia （Pino Paraná）

Aristolochia triangularis （Mil hombres）

Aspidosperma australe （Guatambú amarillo）

Bahuinia forficata （Pata de vaca）

Bahuinia microstachya （Escalera de mono）

Bambusa trinii （Yatevó）

Begonia sp. （Begonia）

Campomanesia xanthocarpa （Guavirá）

Casearia sylvestris （Burro kaá）

Cayaponia bonariensis （Tayuyá）

Cecropia pachystachya （Ambay）

Cedrela fissilis （Cedro misionero）

Celtis spinosa （Tala）

Chorisia speciosa （Samohú）

Chusquea ramosissima （Tacuarembó）

Conyza bonariensis （Yerba carnicera）

Cordia trichotoma （Peteribí）

Cordyline dracaenoides （Varana）

Didymopanax morototoni （Ambay guasú）

Eugenia involucrata （Cerella）

Eugenia uniflora （Pitanga）

Ficus carica （Higuera）

Guarea spiciflora （Cedrillo）

Hydrocotyle sp.

Jacaratia dodecaphylla （Jacaratiá）

Lantana camara （Cambará）

Luehea divaricata （Azota caballo）

Myrocarpus frondosus （Incienso）

Nectandra lanceolata （Laurel amarillo）

Nectandra saligna （Laurel negro）

Ocotea puberula （Laurel guaiká）

Parapiptadenia rigida （Anchico colorado）

Patagonula americana （Guayubira）

Peltophorum dubium （Caña fístola）

基礎情報 - 14

Pilocarpus pennatifolius （Jaborandí）

Piper sp. （Parí parova）

Plantago tomentosa （Llantén）

Rhipsalis lumbricoides （Pëngue poá）

Sebastiania brasiliensis （Lecherón）

Solanum granuloso-leprosum （Fumo bravo）

Solanum sisymbriifolium （Tutiá）

Syagrus romanzoffiana （Pindó）

Tabernaemontana catharinensis （Horquetero）

Urera baccifera （Ortiga brava）

芳香植物

木材以外の森林派生品には芳香植物があり、油を抽出して化粧品に利用する。油エッセ

ンスは植物の中で作られた揮発性化学成分（炭化水素、テルペン）の混合物で、受粉媒介

を誘うため植物と昆虫の関係を持たせる役目を果し、また、食べられないための防護にも

役立つ。

本調査で観察された芳香植物リストは以下の通りである。

Allophylus edulis （Cocú）

Aspidosperma polyneuron （Palo rosa）

Cedrela fissilis （Cedro misionero）

Cordia trichotoma （Peteribí）

Eugenia uniflora （Perilla）

Fagara hyemalis （Tembetare）

Lantana camara （Lantana）

Myrocarpus frondosus （Incienso）

Nectandra saligna （Laurel negro）

Ocotea puberula （Laurel guaica）

Pilocarpus pennatifolius （Jaborandí）

Ruprechtia laxiflora （Marmelero）

染色植物

染色成分を持つ植物も重要である。例えば、Cabralea oblongifolia（Cancharana：樹皮使用、

赤）、Inga sp.（Ingá：樹皮使用、赤）、Rapanea lorentziana（Canelón：樹皮使用、オレンジ色）、

Trichilia catigua（Catiguá：樹皮使用、赤）。また、タンニンが取れる樹木もある－Acacia

polyphylla（Yaquerí-guazú：果実、樹皮）、Allophylus edulis（Cocú：樹皮）、Cupania vernalis

基礎情報 - 15

（Camboatá：枝・樹皮）、Parapiptadenia rigida（Anchico Colorado：樹皮）、Patagonula americana

（Guayabira：葉）。

鑑賞用植物

鑑賞用植物としてポテンシャルのある植物種も多数あることは特筆に価する。その中で

もランは一番価値があるであろう。本調査では、この用途になる可能性のある陸上植物種

および着生植物等を観察し、Miltonia flavescens の開花を見ることができた。草木層には多

数のシダ類があり、その外観、形状は非常にバラエティーに富んでいる。

写真７：着生植物（樹木）及び地上に生育するランの仲間。A、B、C は地上に生育する

ラン。D、E、F、G は着生植物のラン。

基礎情報 - 16

写真８：森林の草本層には多様な種のシダが生育している。（A；Dryopteris sp. B；

Adiantopsis radiata C；Dryopteris sp. D；Doryopteris pedata E；Sellaginella sp. F；Polypodium

sp. G；Anemia sp. H；Asplenium sp.）

基礎情報 - 17

３．２ 節足動物

記録された節足動物は、クモ形網（鋏角亜門）、昆虫網、多足類の３タイプである。クモ

形網は更に４つのグループに分類され、多足類は倍脚網、唇脚網に分類された。昆虫網は

一番詳細に分類され、13 グループとなった。この中でも、鞘翅目、双翅目、膜翅目、鱗翅

目は一番多くの種が記録されているが、これは種類により多様性が異なっていることを示

している。同じ種類・科であっても、各調査区には異なった種の動物が生息していること

が確認できた。

８月（冬期）の調査と比較して、10 月の調査では、未成虫期の昆虫（タマゴ、幼虫、若

虫、蛹）が多数観察され、異なった種もあり、また、それぞれの集団個体数も増大してい

るのが観察された。このことから、昆虫観察のための現場作業に一番適している時期は、

この時期から秋の初期までであることが確認できた。

未成虫段階の昆虫の記録は写真を撮ったが、分類学的な特徴は殆ど成虫に関するもので

あるため、種の同定は不可能であった。この種を確認するには、かごに入れて昆虫サイク

ルを観察し成虫になるのを待つ必要がある。

各調査区において記録した種の数およびタイプが異なっているのは、各所の生態系の違

いも原因しているが、作業日の気候条件も影響している。（雨、風、温度、湿度）

３ヵ所の調査区において、多様な観点から判断してポテンシャルのある種類が記録され

ている（ツーリズム-商業、教育、衛生、保全）。それぞれ場所によって異なった特徴を持っ

ており、異なった利用が可能である。

人間の健康、動物、植物に害する原因となるために調査対象となった動物グループを「衛

生上重要な動物」と呼んでいる。このグループに関しては、本調査で記録された種、また

は、今回の調査では観察できなかったが存在することは確かである種について、本地域の

住民および訪問する人々のために、衛生上の予防データとして特筆する必要があると思わ

れる。

基礎情報 - 18

写真９：節足動物: A；Arachnida（Aranae） B；Miriapoda（Diplopoda） C；Ortoptera

D；Blattariae E；Mantoidea F；Lepidoptera（Doxocopa serafina） G；Homoptera

（Cicadidae） H；Hemiptera（Reduviidae）I；Coleoptera J；Diptera K；Hymenoptera.

基礎情報 - 19

写真 10：パラナ密林にはカラフルで多様な鞘翅目が生息している。農作物に被害を

与える種もある（例えば、Picudo Algodonero は綿花の栽培に被害を与える）。

基礎情報 - 20

写真 11：衛生上重要な節足動物

A, B, C, D；クモ類（Aranae）; E, F, G, H；人間に病気を感染させるもの（E；Lutzomyia sp.

Phlebotominae F；Haemagogus sp. G；Aedes albopictus（Culicidae） H；Ceratopogonidae）

ある種のチョウの幼虫はジンマシンを発生させ、あるものは出血死させるものもある

（I-K, Lepidoptera; L, Vespidae; M, Apidae; Vespidae）。

基礎情報 - 21

３．３ 両生類・爬虫類

（１）カブレイ地区

両生類無尾目はヒキガエル科１種、ユビナガカエル科２種、アマガエル科４種の計７種

類、爬虫類は２種（ミミズトカゲ科、ヘビクビガメ科）が記録された。これらはすべて“絶

滅の危険無し”とされているが、国レベルの保全規則はまだ制定されていない。（Lavilla et

al.op.cit）

観察できた爬虫類の中で、Phrynops hilarii（カメの仲間）は特筆に価する。このカメはア

ルゼンチン領土の広い範囲の水環境に生息し、パラナ河、ウルグアイ河等流域、南部はブ

エノスアイレス州北部でも観察できる。この種はウルグアイ東方共和国全土、ブラジル南

部、パラグアイにも生息している。

餌は肉食の傾向がある。魚類、両生類、カタツムリ、昆虫等、生きた動物を餌食にし、

また死骸も食べる。人間に感染する多くの寄生虫病の宿主媒体になっている種もある。こ

の動物をコントロールすることは人間に感染するある特定の寄生虫病を撲滅するために非

常に重要なことである。

（２）ラ・ブランキッタ地区

両生類無尾目は７種類（ユビナガカエル科２種、小アマガエル２種、アマガエル科４種）、

爬虫類は３種類（ヘビ科、テグートカゲ科、ホソメクラヘビ科）が記録された。両生類２

種がリスクありとされ、他の種類は“絶滅の危険なし”とされているが、国レベルの保全規則

はまだ制定されていない。（Lavilla et al.op.cit）。

観察した爬虫類の代表的なのが Lagarto overo（トカゲの仲間）（Tupinambis merianae）で

ある。ラ・プラタ河のような湿度が高い温暖および亜熱帯気候の地域に分布している。開

けた土地に生息し、一般には草の背が高い牧草地にいる。パンパ大草原から森林など広い

範囲に生息している。陸上動物であるが、泳ぎ、登り、穴を掘る。気候の変化に抵抗力が

ある。

長さ１．４ｍ位の動物もいる。雄は雌と比べると、首が頑丈でたるみを持っており、尾

も幅が広くずっと大きい。この種の経済的重要性は、食肉（先住民は数千年前から食料と

しており、最近は農民も食料として利用している。）、皮（高級品）、脂肪（医学的利用）等

がある。また、ペットにしている場合もあるが、野生のトカゲはかなり狂暴性を持ってい

るので注意しておきたい。

（３）アンドレシート地区

３種の両生類無尾目（アマガエル科１種、ユビナガカエル科２種）が記録できた。記録

した種類のうち、２種は国の保全規則で扱われていないが、１種は商業的リスクありとさ

れている。（Lavilla et al.op.cit）

基礎情報 - 22

記録した両生類の中で、Leptodactylus ocellatus は商業的に重要である。外観もよく、肉も

おいしいので食用にもなる。背中の色は緑のオリーブ色で、濃い斑点がある。背には光沢

がある皮上に 10 個位の起状の折り目がついている。腹は白味をおびていて、模様はついて

いない。前足は短く、雄の場合繁殖期には前脚が異常に発達する。

両生類（ラ・ブランキッタ地区）

写真 12：A；Elachistocleis bicolor B；Hyla minuta C；Physalaemus cuvier D；Phrynoyas

venulosa E＆F；両生類の幼生（写真: DA＆MP）

基礎情報 - 23

３．４ 鳥類

（１）カブレイ地区

８月の第１回調査では 37 種、第２回調査では 40 種が確認された。

イグアス国立公園と国立公園に隣接した農園地域の境界や、国道 101 号線など、鳥類観

察には適切な場所である。しかし飛行機の雑音が聞こえ、ときどき通過する数少ない車は、

かなりのスピードを出しており、観察の妨げになると思われる。

（２）ラ・ブランキッタ地区

第１回調査では 30 種類の鳥類が確認され、そのひとつ Pato Real（Cairina moschata）は、

アルゼンチンの絶滅危惧哺乳類・鳥類レッドデータブックに、危惧種のカテゴリーで記載

されている。

この場所はいくつかの異なった環境で構成されている。川辺りなので水鳥がおり、山林

にいない牧草地独特の鳥類（Sturnella superciliaris 等）もいる。

日出も日没も多数の鳥類が飛びまわっているのが観察される。この場所は静かで、数キ

ロメートルまで視野が広がっているので、プリズム双眼鏡、10×10 以上の望遠鏡を使用す

ることが可能である。

（３）アンドレシート地区

調査地は丘状の高台にあり、森林には種々の果実など鳥類の餌が豊富にあり、鳥には魅

力的な場所である。アンドレシート中心街に近いため、区域は小規模（57 ヘクタール）で

あるが、多数の森林性鳥類が生息している。しかし、製材所等および住宅街が近いため、

かなりの雑音があり、野鳥観察は容易ではない。

第１回調査では、18 種類の鳥類が確認された。この少ない数は、季節的な要因と調査日

の天候（降雨、寒さ）によるものと思われる。なお、第２回調査では、33 種類が確認され

た。

３.５ 哺乳類

この地域に生息する主な哺乳類は以下の通りである。

Mono Caí （Cebus apella）：

アルゼンチンおよび南米全土で一番有名なサルで、規則では禁じられているがペッ

トとして好まれている。この種には、11 の亜種があり、その内の２亜種がアルゼンチ

ンに生息し、１亜種（Cibus apella vellerosus）はミシオネス森林、もう１つは（Cebus apella

paraguayanus）フフイ・サルタの山林に生息している。（Fauna Argentina, 1983）

昼行性の動物で、落ち着きがなく、活動的、好奇心が強く、手を器用に使う。主に

森林の中高層が活動範囲であるが、餌を探しに地上まで降りることもよくある。雑食

基礎情報 - 24

動物で、主な餌は、種々の植物の果実・種、昆虫の成虫・幼虫、クモ、小さいコウモ

リ、鳥類のタマゴ・ヒナ、小トカゲ、カエル等も食べる。（Fauna Argentina, 1983）ミシ

オネスでは、冬期には果実・昆虫が少なくなるので、主な餌は竹の芽となり（Chusquea

ramosissima）、この資源量は多大である。（Di Bitette M.S.）

SAREM（アルゼンチン哺乳類研究協会）では、絶滅の危険ありとしている。動物群

保全法、法律第 22421 号：および附則政令第 666/97 号により保護されている。

Zorro de Monte ヤマギツネ（Cerdocyon thous） Linnaeus, 1776:

体型は犬に似ている、鼻口部の先はとがっていて、耳は大きく、鋭い目を持つ。ア

ルゼンチンの農村地域ではキツネは典型的な動物の１つである。殆ど全土にわたって

様々な種のキツネがいるが、同地域に数種いる場合もある。アルゼンチンの北部、北

東部等の植物多様性が特徴の地域、サルタ・トクマン森林、チャコのサバンナ・森林、

メソポタミア地域の牧草地、パラナの大きな島々等に多数生息している。夜行性動物

であるが、昼間観察できることもある。山林およびその周辺に生息し、雑食性で、齧

歯目、鳥類の他、植物も餌にする。

CITESⅡ：CITES＿A 附属書Ⅱ

SAREM では、絶滅の危険ありとしている。

バク科 （Tapir-Anta） Danta Tapir （Tapirus terrestris）, Linnaeus, 1758：

アルゼンチンに生息する陸上哺乳動物では一番大きく、サルタ、フフイ、トクマン、

フォルモッサ、コリエンテス、チャコ、ミシオネス等の州に分布しており、湿度の高

い森林の水環境周辺に生息する。夜行性があり単独行動をとる。植物の芽、果実、葉

等を餌にしている。

CITESⅡ：CITES＿A 附属書Ⅱ

SAREM では、絶滅の危険ありとしている。

Carayá Negro または Aullador ホエザル （Alouatta caraya）:

サルタ、フォルモッサ、チャコ、コリエンテス、ミシオネス州、サンタ・フェ州北部

に生息する霊長類の一種である。本大陸に生息するサルの中では一番大きい種の１つ

で、体長 90 cm に尾も同じくらい長くて巻き尾（尾を手のように使える）である。

あまり活発な動物ではない。このサルの特徴はグループで吠えることで、通称名の語

源はここから来ている。ほえるのは、縄張りマークの意味もあるようたが、雄がほえ

始めた後次々と他の雄がほえる。危険を感じると、雌と若いサルは樹木の一番高い枝

に避難し、雄は敵に攻撃的態度をとる。（Fauna Argentina,1983）

現在、生息地減少のため生息数は減少傾向にある。母親ザルを殺して子ザルを捕獲し、

道端で売っていることがよくある。殆どの場合、悪い待遇を受けたり、檻の生活に慣

れずに早死にする。（Pérez Jimeno,G.2003）

動物群保全法、法律第 22421 号、その附則政令第 666/67 号により保護されている。

基礎情報 - 25

哺乳類

写真 13：A；Carayá（Alouatta caraya）（写真: AGG） B；Agutí（Dasyprocta azarae）

の足跡 （写真: AGG） C；Venado（Mazama sp）の足跡 （写真: AGG） D；Tatú

（Dasypodidae sp）のほら穴（写真: AGG）

基礎情報 - 26

哺乳類

写真 14：A；イグアス川沿いの哺乳類のほら穴（写真: AGG） B；Aguará popé （Procyon

cancrivorus）の足跡 C；哺乳類が使っている倒木のほら穴 D；Comadreja（Didelphis

albiventris）の皮 E；Agutí（Dasyprocta azarae）の足跡 F；tatú の足跡, 掘り起こし

跡（写真: AGG）

基礎情報 - 27

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【航空写真】

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【写真】

JAB: Juana Angela Bruera （いくつかの写真は Sebastián と Juan による）

REB: Rosana Elizabeth Bubillo.

AGG:Alberto Gabriel Goñi.

HACH: Hugo A. Chaves.

DA: Diego Andino.

MP: Martín Pereyra.

HO: Hiromoto Ozaki.

II．環境教育プログラム

2005 年度

環境教育 - 1

概 要

ミシオネス州北部の亜熱帯地域には、イグアス国立公園や州立公園、民有地自然保護区

など多くの自然保護区があり、それらは豊かな生物多様性をもつパラナ密林の保全に重要

な役割を果たしている。しかし、農業開発や森林伐採によりそれら保護区周辺のパラナ密

林は荒廃が進み、保護区と保護区をつなぐ自然林が分断化されている。保護区内において

も密猟や盗伐、ロードキル（動物の交通事故）が発生している。さらに、農薬の大量使用

による環境汚染、それに伴う生態系への悪影響が懸念されている。その結果、現在、パラ

ナ密林の持つ多様な価値（経済的、学術的、遺産的）が失われつつある。

このような原因の一つとして、地域住民や観光客が保護区や自然資源について関心が薄

く、自然環境保全に対する意識が低いことが指摘されている。従って、自然環境保全に責

任を持つ機関の担当者は、地域住民や観光客による保護区や自然資源への関心を高め、パ

ラナ密林の保全や持続的な活用へ積極的に参加できるよう、働きかけていくことが必要で

ある。その一つの手段が環境教育である。

環境教育の目的は、国や組織、個人によって様々であるが、ベオグラード憲章（1975 年）

によると「環境とそれに関連する諸問題を認識し、関心を持つとともに、現在の問題解決

と新しい問題の未然防止にむけて、個人および集団で活動するための知識、技能、態度、

意欲、実行力を身につけた人々を世界中で育成すること」をその目的としている。

イグアス地域自然環境保全計画（カブレイ・プロジェクト）のプロジェクト目標は「プ

ロジェクト地域における国立公園局（APN）、州政府（MERNRｙT）及びアンドレシート市

の職員の自然環境管理能力が向上する」ことである。そこで環境教育を職員の自然環境管

理に必須の要素として、上述の問題の解決と新しい問題の未然防止にむけて、関係機関職

員を中心に環境教育プログラムを展開するものである。

環境教育 - 2

１．対象地域 環境教育の主な業務対象地域は、イグアス国立公園、ウルグアイ州立公園、ジャクイ州

立公園、カメティ州立公園、イスラ・グランデ州立公園に隣接するグリーンコリドー内非

保護区（19,625.08ha）である。

このうち非保護区の対象地域は、土地区画数 433、土地所有者数 364 名、初等学校（9 年

生、小学校及び中学校）の学区数は７となっている。しかし土地所有者や関係者は必ずし

も対象地域内に居住していないため、実際の環境教育活動は、対象地域内のみでなく、ア

ンドレシート市内の幅広い地域で実施される。

２．３つの環境教育プログラム 本プロジェクトにおける環境教育の担い手は関係機関職員（カウンターパート）である

が、それによって最終的に環境保全のメッセージを届ける対象者は地域住民と観光客であ

る。そこで本プロジェクトの環境教育は、対象者別に３つのプログラムを設定する。

地域住民とは、対象地域の土地所有者及びその関係者（家族、友人、利害関係者）、対象

地域の環境保全に影響力のある関係者（政治家、教職員、宗教関係者など）、及び近い将来

それらの活動や意思決定に参加する子供たちである。しかし、対象者があまりにも多様で

あることから、地域住民へメッセージを伝えるパイプ役として、関係機関職員と教職員（主

にグリーンコリドー内の学校に勤務する教職員）を対象にプログラムを作成する。教職員

は、本プロジェクトのカウンターパートである州政府の職員であり、日常的に教育活動を

職務とすることから、環境教育の担い手として相応しい。

パ　ラ

グ　ア

イ

プエルト・イグアス市

保護区

グリーンコリドー

主なプロジェクト対象地域

イグアスの滝

パラナ州

イグアス国立公園 ジャクイ事務所

イグアス国立公園（ブラジル）

ブ　ラ　ジ　ル

エコロッジ

アンドレシート市

プロジェクト事務所

カブレイ地区

0 10 20km

カメティ州立公園

ジャクイ州立公園

民間自然保護区（ジャクティンガ）

Ｆ．バサルドゥア多目的利用保護区

フォエステル州立公園

マリア・ソリダ地区

ウルグアイダム湖

イグアス国立公園

ウルグアイ州立公園

環境教育 - 3

観光客とは、対象地域を訪問する人で、アルゼンチン人及び外国人である。観光客への

環境教育の担い手は、関係機関の職員であり、彼らが観光客向けに実施できるプログラム

を作成する。 ● 職員向プログラム ● 教職員向プログラム ● 観光客向プログラム

３．目標 環境教育の目的を達成するため、ベオグラード憲章では環境教育の段階的な目標として

①認識（Awareness）、②知識（Knowledge）、③態度（Attitude）、④技能（Skills）、⑤評価能

力（Evaluation ability）、⑥参加（Participation）という 6 つを挙げている。 本プロジェクトの環境教育では、3 年間という限られたプロジェクト期間に鑑み、対象地

域における保護区の管理（保護・利用）、グリーンコリドー（保護区以外）における自然環

境保全について、（１）認識、（２）知識、（３）技能の 3 段階を目標として整理し、目標別

に環境教育プログラムを作成する。

対象 段階目標 前提条件 認識 知識 技能

職員 認識あり ○ ○ 教職員 関心あり ○ ○ 観光客 関心なし ○

４．環境教育プログラムと教材 本環境教育プログラムが目標とする技能とは、具体的なプログラムや教材の計画、作成、

実施ができることである。

環境教育プログラムとは、自然や環境について関心をもったり理解を深めたりする活動

と位置づけることができる。手法としては、展示の説明文のように直接には人を介さない

もの、「関心」「理解」「行動」のような段階的目標に対応したもの、自然環境だけでなく生

活環境などの社会的環境をテーマにしたもの、地域や指導者の個性を活かしたものなどが

含まれる。

本プロジェクトにおける環境教育プログラムとは、前述の目標を達成するため、個別目

標、対象者、所要時間、内容などが予め設定された活動（アクティビティ）の集まりを意

味し、関係機関職員、教職員、観光客の 3 グループを対象に実施できるよう作成、改善す

る。各プログラムは、地域住民や観光客の、保護区や自然資源への関心を高め、理解を促

し、パラナ密林の持続的な保全へ参加していくことを目的とする。

環境教育教材とは、環境教育プログラムの実施に必要な資料、材料のことである。プロ

グラムの実施に必要な教材として、第３フェーズ（2006 年度）において視聴覚教材（ビデ

環境教育 - 4

オ、スライド）及び冊子を作成する。視聴覚教材は、関係機関職員が地域住民や観光客を

対象に活用できるタイプと、教職員が学校教育において子供向けに活用できるタイプの 2種類を作成する。冊子は、主に観光客に対して活用できるタイプとする。補助教材として、

植物標本、哺乳類足跡石膏ボード、写真パネル、人形、パンフレットなど、各種プログラ

ムの実施に必要なものを作成する。

５．環境教育プログラムの流れ 環境教育のメッセージの伝達を確実に行うため、カウンターパートとなる関係機関職員

を中心に、環境教育は以下の流れに留意して実施する。このうち、矢印①は「知識」と「技

能」、矢印②は「認識」、矢印③は「認識」と「知識」が段階的な目標となる。 観光客への環境教育については、観光客と地域住民は相互に環境保全への意識が高まる

という関係に配慮する。例えば、保護区内や保護区周辺のゴミや衛生状態について、一般

的に観光客の関心は高いが、地域住民の関心は低い。一方、観光客による騒音や交通事故、

ロードキル、粉塵について観光客の関心は低い。これらは両者の交流によって相互に意識

を高めることが期待される。 なお、地域住民への環境教育の実施を補助するため、エコクラブとの協力を行う。

関係機関職員（カウンターパート）

関係機関職員 （非カウンターパート）

教職員

観光客

地域住民

相互に環境保

全意識を高め

合う作用

JICA 専門家 協力

生徒

保護者 エコクラブ

① 知識・技能 ② 認識 ③ 認識・知識

環境教育 - 5

６．職員向プログラム 職員向環境教育プログラムは、３つのサブ・プログラムで構成される。職員向とは、地

域住民向あるは保護区を訪問する観光客向に実施できるものである。

６．１ 自然観察サブ・プログラム

主に保護区内の散策路等において実施可能なアクティビティから構成される。これらの

アクティビティは、目的に応じて単独又は組み合わせて実施する。 ► 植物研修（アクティビティ１参照） ► 昆虫研修（アクティビティ２参照） ► 両生類・爬虫類研修（アクティビティ３参照） ► 野鳥研修（アクティビティ４参照） ► 哺乳類研修（アクティビティ５参照）

６．２ 意識啓発サブ・プログラム

主に学校（カリキュラム外）や公共施設において実施可能なアクティビティから構成さ

れる。 ► リサイクル研修（アクティビティ６参照） ► その他

６．３ 環境知識サブ・プログラム

地域住民や観光客に対して、保護区内や公共施設において、保護区管理や自然環境保全

に必要な知識を提供するためのアクティビティから構成される。 ► 環境知識全般（講義・講演形式） ► 保護区とその役割（講義・講演形式）

７．教職員向プログラム 教職員向環境教育プログラムは、３つのサブ・プログラムで構成される。教職員向とは、

学校内及び学校行事の一環として公共施設において、地域住民（主に生徒とその保護者）

向に実施できるものである。

７．１ 自然観察サブ・プログラム

学校内及び学校行事の一環として保護区を訪問する場合の散策路等において実施可能な

アクティビティから構成される。これらのアクティビティは、目的に応じて単独又は組み

合わせて実施する。 ► 植物研修（アクティビティ７参照）

► 昆虫研修（アクティビティ８参照）

► 両生類・爬虫類研修（アクティビティ９参照）

環境教育 - 6

► 野鳥研修（アクティビティ 10 参照）

► 哺乳類研修（アクティビティ 11 参照）

７．２ 意識啓発サブ・プログラム

学校内及び学校行事の一環として公共施設等において実施可能なアクティビティから構

成される。 ► リサイクル研修（アクティビティ 12 参照）

► 人形劇 ► その他

７．３ 環境知識サブ・プログラム

学校内及び学校行事の一環として公共施設等において、地域住民（生徒とその保護者）

に対し、保護区管理や自然環境保全に必要な知識を提供するためのアクティビティ（活動）

から構成される。 ► 環境知識全般（講義・講演形式）（アクティビティ 13 参照）

► 保護区とその役割（講義・講演形式） ８．観光客向プログラム 観光客向環境教育プログラムは、２つのサブ・プログラムで構成される。観光客向とは、

観光客を受け入れることの出来る保護区や施設において、観光客向に実施できるものであ

る。その担い手は関係機関職員と環境教育の指導的な役割を果たす地域住民である。 １．１ 自然観察サブ・プログラム

主に保護区内の散策路等において実施するアクティビティから構成される。 ► 自然観察（アクティビティ 14 参照）

８．２ 環境知識サブ・プログラム

保護区内や公共施設において、自然資源の価値を認識するために必要な知識を提供する

ためのアクティビティから構成される。 ► 環境知識全般（アクティビティ 15 参照）

► その他（植林等）（アクティビティ 16 参照）

９．環境教育アクティビティ 本プロジェクトの第 1、第 2 フェーズにおいて実施した環境教育アクティビティを紹介す

る。

環境教育 - 7

アクティビティ１

プログラム 職員向

活動名 植物研修

ねらい ・ 植物の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関係について理解する

・ 植物の観察・調査方法を理解する

時間／時期 14 時間／2005 年 10 月 9、10 日

場所 ウルグアイ州立公園及びパイロット事業キャンプサイト

研修対象 国立公園及び州立公園レンジャー

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ ミシオネス密林（パラナ密林）の植物の概要について説明を受ける

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の案内のもと、植物を観察する

・ 観察できた植物は、記入シートに種類や数などを記入する

準備物 双眼鏡、ルーペ、図鑑、筆記用具、デジタルカメラ、携帯顕微鏡など

発展 ・ 植物に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術を習得する

・ トゲや毒性のある植物に関する知識、対処方法を研修する

・ 採取可能な葉や種子は、簡易標本にしてから展示する

・ 採取可能な葉や種子と廃材を利用して、木工細工や樹木の看板を作成す

る

・ デジタルカメラで撮影したものを利用して、「解説シート」や「植物図

鑑」を作成する

環境教育 - 8

アクティビティ２

プログラム 職員向

活動名 昆虫研修

ねらい ・ 昆虫の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関係について理解する

・ 昆虫の観察・調査方法を理解する

時間／時期 8 時間／2005 年 11 月 5 日

場所 パイロット事業キャンプサイト

研修対象 州立公園レンジャー

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 節足動物、昆虫の概要（分類、採集方法）について説明を受ける

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の指導のもと、昆虫を観察する

・ 必要に応じて昆虫を採集する

・ 採集した昆虫を標本にする

準備物 ルーペ、図鑑、筆記用具、デジタルカメラ、携帯顕微鏡など

発展 ・ 昆虫に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術を習得する

・ ハチ等の危険な昆虫に関する知識、対処方法を研修する

・ 観察したエリアの昆虫を地図に記入し分布図を作成する

・ デジタルカメラで撮影したものを利用して、「昆虫解説シート」や「昆

虫図鑑」を作成する

環境教育 - 9

アクティビティ３

プログラム 職員向

活動名 両生・爬虫類研修

ねらい ・ 両生・爬虫類の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関係について

理解する

・ 両生・爬虫類の観察・調査方法を理解する

時間／時期 2～3 時間、夜間（夕方以降が最適）／冬季（5～7 月）以外

場所 ウルグアイ州立公園周辺

研修対象 国立公園及び州立公園レンジャー

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の指導もと、両爬を観察する

・ 観察できた両爬は、記入シートに種類や数などを記入する

・ 観察したエリアの両爬を地図に記入する

準備物 懐中電灯、長靴、図鑑、記入シート、筆記用具、デジタルカメラ、地図な

ど

発展 ・ 両生・爬虫類に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術を習得する

・ 毒ヘビに関する知識・対処方法を研修する

・ デジタルカメラで撮影したものを利用して、「両爬解説シート」や「両

爬図鑑」を作成する

環境教育 - 10

アクティビティ４

プログラム 職員向

活動名 野鳥研修

ねらい ・ 野鳥の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関係について理解する

・ 野鳥の観察・調査方法を理解する

時間／時期 8 時間 30 分／2005 年 11 月 13 日

場所 ウルグアイ州立公園

研修対象 州立公園レンジャー

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 鳥類の概要（起源、形態、生理、分類など）について説明を受ける

・ かすみ網の使用方法、野鳥への標識の付け方を学ぶ

・ 双眼鏡、記入シートなどの道具の使い方を習得する

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の指導のもと、野鳥を観察する

準備物 双眼鏡、図鑑、記入シート、筆記用具、デジタルカメラ、地図など

発展 ・ 野鳥に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術を習得する

・ 観察できた野鳥は、記入シートに種類や数などを記入する

・ 観察したエリアの野鳥を地図に記入し分布図を作成する

・ デジタルカメラで撮影したものを利用して、「野鳥解説シート」や「野

鳥図鑑」を作成する

環境教育 - 11

アクティビティ５

プログラム 職員向

活動名 哺乳類研修（動物の痕跡探し&足跡石膏ボード取り）

ねらい ・ 哺乳類（痕跡）の観察を通じて、保護区や生態系、人間との関係につい

て理解する

・ 哺乳類の観察・調査方法を理解する

時間／時期 6 時間／2005 年 11 月 26 日

場所 ウルグアイ州立公園周辺

研修対象 国立公園及び州立公園レンジャー

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ ミシオネス州の哺乳類の概要（分類、生息状況等）について学ぶ

・ 哺乳類の調査研究方法について学ぶ

・ 哺乳類の調査方法の一つとして足跡石膏ボード取りの方法を学ぶ

・ それぞれ足型を取る

準備物 GPS、石膏、ビニール袋、型枠、水、図鑑、デジタルカメラなど

発展 ・ 哺乳類に関する知識を地域住民や観光客に伝える技術を習得する

・ 足跡石膏ボードに解説文を加えて、展示する

・ 「足跡解説シート」、「足跡図鑑」、「足跡ブロック」等を作成する

環境教育 - 12

アクティビティ６

プログラム 職員向

活動名 リサイクル研修

ねらい ・ 身近な素材をリサイクル活用する方法を理解する

時間／時期 12 時間／2005 年 11 月 20、21 日

場所 市民図書館

研修対象 国立公園レンジャー、州立公園レンジャー、技官

内容 ・ リサイクル工作について説明

・ 段ボール箱を使った工作（カエルの指人形）

・ ペットボトルを使った工作（人形）

・ ストーリー作り

・ 共同作業の可能性について

準備物 簡易舞台、人形、楽器、リサイクル用品（布、ダンボール、ペットボトル、

スポンジ、棒など）、文房具（のり、はさみ、カッター、絵の具、ペンキ、

接着剤など）

発展 ・ 作成した人形を通じて、地域住民に自然環境保全への意識を高めるため

の技術を習得する

・ ストーリーに応じて様々な人形（動植物含む）や舞台を作成する

・ 作品の展示会を行う

環境教育 - 13

アクティビティ７

プログラム 教職員向

活動名 植物研修

ねらい ・ 植物の観察を通じて、植物と人間の関わりについて認識する

・ 植物の観察方法を理解する

時間／時期 ７時間／2005 年 10 月 9 日

場所 パイロット事業キャンプサイト

研修対象 保護区近隣の小中学校教職員

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ ミシオネス密林（パラナ密林）の植物の概要について説明を受ける

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の案内のもと、植物を観察する

・ 観察できた植物は、記入シートに種類や数などを記入する

準備物 双眼鏡、ルーペ、図鑑、筆記用具、デジタルカメラ、携帯顕微鏡など

発展 ・ 植物に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ トゲや毒のある危険な植物の知識や対処方法については研修する

・ 興味のある植物をスケッチする

・ 採取可能な葉や種子と廃材とを利用して、木工細工や樹木の看板を作成

する

環境教育 - 14

アクティビティ８

プログラム 教職員向

活動名 昆虫研修

ねらい ・ 昆虫の観察を通じて、昆虫と人間の関わりについて認識する

・ 昆虫の観察方法を理解する

時間／時期 8 時間／2005 年 11 月 5 日

場所 パイロット事業キャンプサイト

研修対象 保護区近隣の小中学校教職員

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 節足動物、昆虫の概要（分類、採集方法）について説明を受ける

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の指導のもと、昆虫を観察する

・ 必要に応じて昆虫を採集する

・ 採集した昆虫を標本にする

準備物 ルーペ、図鑑、筆記用具、デジタルカメラ、携帯顕微鏡など

発展 ・ 昆虫に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ 興味のある昆虫をスケッチする

・ 昆虫をモチーフにした工作物を製作する

環境教育 - 15

アクティビティ９

プログラム 教職員向

活動名 両生・爬虫類研修

ねらい ・ 両生・爬虫類の観察を通じて、両生・爬虫類と人間の関わりについて認

識する

・ 両生・爬虫類の観察方法を理解する

時間／時期 2～3 時間、夜間（夕方以降が最適）／冬季（5～7 月）以外

場所 ウルグアイ州立公園周辺

研修対象 保護区近隣の小中学校教職員

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の案内のもと、両生・爬虫類を観察す

る

・ 観察できた両生・爬虫類は、記入シートに種類や数などを記入する

・ 観察できた両爬は、記入シートに種類や数などを記入する

・ 観察したエリアの両爬を地図に記入する

準備物 懐中電灯、長靴、図鑑、記入シート、筆記用具、デジタルカメラなど

実施ポイント ・ 観察する対象範囲、場所を決める

・ 指導員は事前調査をすること

発展 ・ 両生・爬虫類に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ 興味のある両生類・爬虫類をスケッチする

・ 両生類・爬虫類をモチーフにした工作物を製作する

環境教育 - 16

アクティビティ 10

プログラム 教職員向

活動名 野鳥研修

ねらい ・ 野鳥の観察を通じて、野鳥と周囲の自然環境との関わりについて認識す

る

・ 野鳥の観察方法を理解する

時間／時期 8 時間 30 分／2005 年 11 月 13 日

場所 ウルグアイ州立公園

研修対象 保護区近隣の小中学校教員

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 鳥類の概要（起源、形態、生理、分類など）について説明を受ける

・ かすみ網の使用方法、野鳥への標識の付け方を学ぶ

・ 双眼鏡、記入シートなどの道具の使い方を習得する

・ 観察ポイントに出かけて、指導員の指導のもと、野鳥を観察する

準備物 双眼鏡、図鑑、記入シート、筆記用具、デジタルカメラ、地図など

発展 ・ 野鳥に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ 興味のある野鳥の絵を描く

・ デジタルカメラで撮影した写真を使って簡単な「野鳥図鑑」を作成する

環境教育 - 17

アクティビティ 11

プログラム 教職員向

活動名 哺乳類研修

ねらい ・ 地域に野生哺乳類が生息していることを認識する

・ 哺乳類の観察・調査方法を理解する

時間／時期 6 時間／2005 年 11 月 26 日

場所 ウルグアイ州立公園周辺

研修対象 保護区近隣の小中学校教員

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ ミシオネス州の哺乳類の概要（分類、生息状況等）について学ぶ

・ 哺乳類の調査研究方法について学ぶ

・ 哺乳類の調査方法の一つとして足跡石膏ボード取りの方法を学ぶ

・ それぞれ足型を取る

準備物 石膏、ビニール袋、型枠、水、図鑑、デジタルカメラ、地図など

発展 ・ 哺乳類に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ 興味のある哺乳類の絵を描く

・ 足跡石膏ボードに解説文を加えて、展示する

環境教育 - 18

アクティビティ 12

プログラム 教職員向

活動名 リサイクル研修

ねらい ・ 身近な素材をリサイクル活用する方法を理解する

時間／時期 12 時間／2005 年 11 月 20、21 日

場所 市民図書館

研修対象 教職員

内容 ・ リサイクル工作について説明

・ 段ボール箱を使った工作（カエルの指人形）

・ ペットボトルを使った工作（人形）

・ ストーリー作り

・ 共同作業の可能性について

準備物 リサイクル用品（布、ダンボール、ペットボトル、スポンジ、棒など）、身

近な自然素材（小枝、葉、石など）、文房具（のり、はさみ、カッター、絵

の具、ペンキ、接着剤など）

発展 ・ リサイクルを通じて、生徒に自然環境保全への意識を高めるための技術

を理解する

・ ストーリーに応じて様々な作品を制作する

・ 作品を活用して人形劇、展示会を行う

環境教育 - 19

アクティビティ 13

プログラム 教職員向

活動名 環境研修会

ねらい ・ 環境問題、関連法令等に関する知識を学ぶ

・ 環境問題を認識するための手法を理解する

時間／時期 32 時間／2004 年 9 月 28、29 日、11 月 8、9 日

場所 アンドレシート市会議室、保護区近隣の学校

研修対象 教職員

内容 ・ 導入、問題提起、問題解決、結論

準備物 パワーポイント、冊子、地図等

発展 ・ 自然環境保全に関する知識を生徒に伝える技術を理解する

・ 知識を伝えるための補助教材を作成、活用する

環境教育 - 20

アクティビティ 14

プログラム 観光客向

活動名 自然観察

ねらい ・ 保護区内での自然観察を通じて、自然保護の重要性を認識する

時間／時期 2～3 時間／年間を通じて可能

場所 ウルグアイ州立公園

対象 観光客

内容 ・ 保護区内の自然観察路にそって、州立公園レンジャーの案内のもと、動

植物を観察する

準備物 双眼鏡、ルーペ、図鑑、筆記用具、デジタルカメラ、地図など

発展 ・ レンジャーは、観察できた動植物を記入シートに種類や数などを記入す

る

・ 自然観察路に対する観光客の反応を記録し、改善に役立てる

環境教育 - 21

アクティビティ 15

プログラム 観光客向

活動名 環境知識全般（講演・説明）

ねらい ・ 保護区やグリーンコリドーの必要性、重要性、社会との関係（観光、レ

クリエーション、水源涵養、調査研究）を認識する

時間／時期 1 時間程度／年間を通じて可能

場所 ウルグアイ州立公園ウルス事務所、イグアス国立公園ジャクイ事務所、パ

イロット事業キャンプサイト

対象 観光客

内容 ・ パワーポイントによる説明（環境教育プログラム啓発資料参照）

・ 導入、問題提起、問題解決への取り組み、結論

準備物 地図、スライド、ビデオ、パワーポイント、冊子、パンフレット

発展 ・ 観光客の情報を収集・整理する

・ 観光客からの情報を展示し、他の観光客に伝える

・ 観光客とのネットワークをつくる

環境教育 - 22

アクティビティ 16

プログラム 観光客向

活動名 植林

ねらい ・ パラナ密林の保全と再生の重要性を認識する

時間／時期 3～4 時間／2005 年 11 月 22 日

場所 ウルグアイ州立公園周辺

対象 観光客

内容 ・ パラナ密林の現状、自生樹について説明を受ける

・ 植栽する苗木を選ぶ

・ 保護区と保護区をつなぐため、その間の民有地において植林活動する

準備物 植林用道具など

発展 ・ 樹木オーナー制度との組合せ検討する

・ 民有地自然保護区制度との組合せを検討する

III．自然環境情報管理マニュアル

2006 年度

マニュアル - 1

概 要 世界的に最も重要な生態系の一つであるイグアス地域のパラナ密林を保全するため、本

プロジェクトのカウンターパートである国立公園局、生態・再生可能天然資源省、そして

アンドレシート市の３機関は、保護区の創設と管理、環境教育、エコツーリズムの推進な

ど様々な活動を行っている。各機関は、その活動に必要な情報・データをそれぞれ独自に

収集、整理、発信してきた。しかしそれらの機関間において、それらが活用可能な形で整

理・共有されていないことから、効率的な活動の実施が困難となっていた。

そこで「イグアス地域自然環境保全計画」では、関係機関においてプロジェクト地域の

自然環境情報及びデータが活用可能な形で整理・共有されることを目標の一つに定め、そ

のために必要な業務をマニュアルとしてまとめることとした。

マニュアルの作成にあたっては、実際の自然環境調査等を基に経験を蓄積し、その中で

役割分担を明確にし、継続できるもの、実現可能性が高いものを提案した。本マニュアル

の作成に先立って、プロジェクトは 2004 年度に自然環境情報マニュアルを英語とスペイン

語で作成し、また 2005 年度に土地利用調査報告書をスペイン語で作成した。

本マニュアルは、情報収集と実地調査、住民意見の収集、広報活動の３つの章で構成さ

れており、あらゆる段階で実施機関による連携が行われることを想定している。また各段

階での活動は、それぞれ報告書としてまとめられることによって、「活用可能な形で整理・

共有される」という目標を達成するものである。

なお自然環境情報の収集、整理は、専門性が高いもの、常に最新情報に更新することが

必要なものがあり、定型的な活動を求めるマニュアルには馴染まない活動が多い。従って

本マニュアルでは、その管理運営の原則的な活動のみを述べることとした。

マニュアル - 2

衛星画像・航空写真

衛星画像１ ミシオネス州全体（2001 年）

出展：ミシオネス州生態再生可能天然資源省

ポサーダス市（州都）

アンドレシート市

パラグアイ

ブラジル

マニュアル - 3

衛星画像２ ミシオネス州北部地域（2001 年）（赤線はグリーンコリドー境界）

出展：ミシオネス州生態再生可能天然資源省

航空写真１ アンドレシート市 市街地付近（2004 年 8 月）

エコロッジ・カブレイ

80 番住宅地

工業地区

グリーンコリドー境界

アンドレシート市

イグアス国立公園

（ブラジル）

イグアス国立公園

（アルゼンチン）

ウルグアイ州立公園

プエルト・イグアス市

フォス・ド・イグアス市

（ブラジル）

イグアスの滝

マニュアル - 4

航空写真２ イグアス国立公園東側境界とカブレイ地区（2004 年 8 月）

航空写真３ アンドレシート市ペニンスラ地区（2004 年 8 月）

カメティ州立公園

イスラ・グランデ州立公園

ジャクイ事務所

イグアス国立公園東側境界

アンドレシート市カブレイ地区

イグアス川

国道 101号線

マニュアル - 5

活動写真 2004 年度自然環境調査

2004 年度自然環調査メンバー カブレイ地区（イグアス国立公園境界線）

アンドレシート地区（市街地付近） アンドレシート地区（市街地付近）

ラ・ブランキッタ地区 ラ・ブランキッタ地区

マニュアル - 6

2006 年度自然環境調査（9 月）

鳥類グループ 両生類・爬虫類グループ

節足動物グループ イスラ・グランデ州立公園への移動（イグアス川）

キャンプサイトでの打合せ イスラ・グランデ州立公園

マニュアル - 7

2006 年度自然環境調査（11 月）

節足動物グループ 鳥類グループ

哺乳類グループ キャンプサイト

調査作業の打合せ 2006 年度自然環境調査メンバー

マニュアル - 8

動物情報システム

土地利用情報調査

マニュアル - 9

１．情報収集と実地調査 自然環境、特に生態系を保全するためには、広い分野に渡って存在する既存の情報を収

集・整理する必要がある。対象地の基本的な情報である地図、気象、自然保護区、経済統

計などに関しては、担当部局から収集する。その上で、野生生物の分布や自然林存続の比

率など保全にとって必要なデータは、調査手法を具体的に検討した上で、実地調査を企画

し、実施する。 １．１ 調査対象地 本プロジェクトでは、保護区制度及び保護区の連続性を確保などから、中心的な調査対

象地を決定する。

（１） プロジェクト対象地域の基礎情報

正確な地域情報を公的機関から収集するためにはポサーダスの州政府に依拠する必要が

ある。そのためにはアンドレシートとポサーダス間の 350km 余に及ぶ往復の移動が不可欠

である。

図 1.1 ミシオネス州及びアンドレシート市位置図

マニュアル - 10

· アンドレシート市面積：93,337 ha

· アンドレシート市の人口：14,268 人

· 人口密度：15.3 人／km2

· 対象地域面積：19,625 ha

· 対象地域内の土地区画数1：441

· 対象地域内の土地区画所有者数2：364

注）調査対象地域は、アンドレシート市域の、特に凡例太線で囲まれたところが中心となる。

（２）関係する自然保護区

国立公園が連邦政府の国立公園局の管轄下にあるのに対して、州立公園はミシオネス州

生態省の下に位置する。小規模の民間自然保護区は、生態省の認可と NGO の支援を得て土

地所有者個人が管理している。本調査に関係する自然保護区は以下の通りである。

表 1.1 関係する自然保護区リスト

名称 面積(ha) 設立年

イグアス国立公園（PNI） 67,000 1934

イグアス国立公園（ブラジル連邦共和国） 180,000 1939

1 州立公園 2 区画及び不法定住者による係争中の区画を含む。 2 複数の土地区画所有者がいるため、区画数より少ない。

図 1.2 調査対象地域図

パ　ラ

グ　ア

イ

プエルト・イグアス市

保護区

グリーンコリドー

主なプロジェクト対象地域

イグアスの滝

パラナ州

イグアス国立公園 ジャクイ事務所

イグアス国立公園（ブラジル）

ブ　ラ　ジ　ル

エコロッジ

アンドレシート市

プロジェクト事務所

カブレイ地区

0 10 20km

カメティ州立公園

ジャクイ州立公園

民間自然保護区（ジャクティンガ）

Ｆ．バサルドゥア多目的利用保護区

フォエステル州立公園

マリア・ソリダ地区

ウルグアイダム湖

イグアス国立公園

ウルグアイ州立公園

マニュアル - 11

名称 面積(ha) 設立年

ウルグアイ州立公園（PPU） 84,000 1982

ジャクイ州立公園（PPY） 347 1989

カメティ州立公園（PPC） 136 2001

イスラ・グランデ州立公園（PPI） 約 300 2004

ジャクティンガ民間自然保護区（RPVS） 550 1996

アリライ民間自然保護区 180 2004

ジャガレテ民間自然保護区 133 2002

カア・ポラ民間自然保護区 41 1990

民間自然保護区（RPVS）：アルゼンチン野生生物財団（FVSA）との協定による

出展：MERNRyT, Guía de las Reserva Naturales de la Argentina

１．２ 調査の種類と目的 （１）自然環境調査（植物相、動物相、森林面積、気象、土壌等）

目的：対象地域のモニタリング及び対象地域における環境教育プログラム、エコ

ツーリズムの開発に役立つための自然環境情報に関するデータバンクを作

成する。

（２）動物情報システム

目的：対象地域のモニタリングのための動物相に関するデータバンクを作成する

（動物リスト－哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類）。 （３）土地利用情報調査

目的：イグアス国立公園及び州立公園のバッファーゾーン管理のための、土地利

用及び地域住民に関する情報のデータバンクを作成する。

１．３ 自然環境調査 （１） 調査内容

· 森林面積：GIS（地理情報システム）、土地所有者へのアンケート · 植物：植物リスト、主要樹種（法律による保護種、巨木等） · 動物：動物リスト（哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、節足動物） · その他：気象データ、土壌データ（植物情報と合わせて）

（２） 調査場所

· ミシオネス州グリーンコリドー北部地域 ・ 民有地：面積 19,625ha、土地区画数 441、土地所有者数 364 人

マニュアル - 12

・ 公有地：ウルグアイ州立公園（PPU）の北－北東部境界、カメティ州立公園

（PPC）、ジャクイ州立公園（PPY）、イスラ・グランデ州立公園（PPI）、イグ

アス国立公園（PNI）東側境界

（３） 調査年（提案）

· 森林面積調査（アンドレシート市のペニンスラ地区）：５年ごと · 動物・植物調査：1 ポイント／年 · 気象データ：毎年

（４） 調査の担当

· イグアス国立公園所長又はその代理 （５） 調査の実施方法

· APN の調整によって、APN、MERNRyT の職員（アンドレシート市及びジャクイ

事務所職員を含む）からなる作業チームを構成する。

· 調査員には、必要に応じて他機関（大学、NGO 等）の専門家を加える。

· 調査の事務局は、PNI ジャクイ事務所とする。

· 調査方法は「自然環境情報マニュアル」参照。

· 森林面積の調査対象地はアンドレシートのペニンスラ地区（D 地区、VII 北地区の

一部）の 62 区画とする（州立公園含む）。→別添３参照

· 調査等手続きは以下の通りである。

表 1.2 調査等手続

調査地 申請方法 結果の提出等

イグアス国立公園 調査申請書を国立公園局東北支局

（DRNEA）又は同局の亜熱帯生態

研究センター（CIES）へ提出する。

調査終了後、調査計画に基づき、

報告書を DRNEA及び CIESに提出

する。

州立保護区 調査申請書をポサーダスの生態省

本省又はレンジャー事務所に提出

する。

調査終了後、調査計画に基づき、

報告書をポサーダスの生態省本省

又はレンジャー事務所に提出す

る。

民有地 採集活動を伴う場合は、申請書を

生態省本省又はレンジャー事務所

に提出する。

調査終了後、調査計画に基づき、

報告書をポサーダスの生態省本省

又はレンジャー事務所に提出す

る。

マニュアル - 13

（６） 調査報告書

· すべての調査結果は PNI ジャクイ事務所のコンピューターに記録する。

· 報告書は、調査の翌年度に関係機関の代表者へ提出する。

· 報告書は、A４サイズの紙に印刷し、簡易製本（環状のもので止める）する。電子

ファイルは PDF フォーマットで CD に記録する。

· 報告書の著作権は、国立公園局と生態省の共同とする。写真、オリジナルデータ

は、撮影者、調査報告者に帰属する。

· 情報を一般利用する場合は、出展を明記する。

マニュアル - 14

１．４ 動物情報システム （１） 調査内容

このシステムは、APN の CIES 及び PNI で利用されているもので、動物を目撃した

際にその情報を「動物の目撃及び／又は痕跡票」（FAF）に記載し、市販のデータ集計

ソフトを使いデータベース化するものである。

図 1.3 FAF3

3 票の和訳は以下の通り。

表番号 動物の目撃及び／又は痕跡 票 学名 俗名 日付：

時間： 場所： GPS：

目視量（性別、年齢別） コメント オス メス 不明 成獣（成鳥） 亜成獣（亜成鳥） 幼獣（幼鳥）

活動 痕跡 採餌（捕食）中 足跡 死亡個体 排泄物 備考 通行中 巣 休憩中 卵 その他 その他

マニュアル - 15

（２） 調査回数・時期

調査は、日常的に通年実施される。 （３） 調査責任者

APN / PNI ジャクイ事務所担当技官

（４） 調査の実施

· 調査参加者は FAF を携行し、動物（特にミシオネス州の保護対象種－別添５）を

目撃した場合に必要事項を記載する。

· 記載された FAF は、各機関の責任者（PPU ウルス事務所及びエコロッジ・カブレ

イに勤務する州立保護区レンジャー、PNI ジャクイ事務所担当技官）へ提出する。

· PNI ジャクイ事務所担当技官は、調査結果を検討し、報告書を作成する。

（５） 調査責任者の役割

· 各機関からの参加職員及びボランティアの参加者を召集する。 · FAF を作成し、調査参加者へ説明する。 · その他、調査に必要な準備を行なう。

（６） 調査報告書

調査報告書は調査責任者が取り纏め、PNI 所長の承認を得て公表される。 １．５ 土地利用情報調査 （１）調査内容

対象地域において次の情報を調査する：人口（性別、年齢）、世帯（家族構成）、経

済状況、土地利用（自然林、植林地、作付面積、家畜頭数等）、その他。 （２）調査回数・時期

· 3 年ごと

· 調査時期：3 月～6 月のうち 20～25 日間程度（現地調査班が２班編成の場合）

（３）調査責任者

· APN / PNI ジャクイ事務所担当技官

（４）調査の計画・実施

· 責任者の調整により、MERNRyT 及び MCA の職員を含む作業チームを編成する。

· 作業チームは、調査件数、設問、実施計画を策定する。

· 責任者は、天候や訪問先の状況等を見極めながら、調査を指揮する。

マニュアル - 16

（５）調査報告書

調査報告書は調査責任者が取り纏め、PNI 所長の承認を得て公表される。 ２．住民意見の収集

自然環境保全を実現するためには地域住民の協力が必要である。住民を「環境保全のパ

ートナー」として重視する考え方が、カウンターパート機関の中でも広がっている。 ２．１ 目的 自然環境情報のデータベース及び収集された情報を活用するために、地域住民や観光客

から情報、データ、意見、苦情等を受け付け、それによって地域住民や観光客と協力した

自然保護区の管理運営に寄与することを目的とする。 ２．２ 住民意見の収集の種類

· 意見受付：意見箱等

· 各種イベントにおけるアンケート

· 運営協議会等

２．３ 内容 （１） 住民意見の収集にかかる日常業務

· 担当：APN / PNI ジャクイ事務所、エコロッジ州立保護区レンジャー事務所

· 組織内部の事務処理、手続きに基づく対応

· 関係団体からの情報収集

· 収集した情報の整理

· 収集した情報の分析

（２） 運営協議会

APN と MERNRyT の職員と地域住民との情報交換を改善するため、PNI のバッファーゾ

ーン（カブレイ地区）及びエコロッジの近隣（80 番住宅地及び工業地区）の住民からなる

運営協議会を設ける。

· 事務局：APN / PNI ジャクイ事務所、エコロッジ州立保護区レンジャー事務所

· 構成委員：隣接住民、隣接地土地所有者、MCA 職員等

· 責任者：APN 及び MERNRyT 職員

· 開催時期：年２回以上

マニュアル - 17

２．４ 住民意見の収集の実施 （１） 意見箱等の設置

· 担当：APN / PNI ジャクイ事務所、エコロッジ州立保護区レンジャー事務所

· 活動：

・ 意見箱等の設置計画及び設置 ・ 定期的な意見の集計

・ 報告書のまとめ

・ 結果の定期報告 （２） アンケート

· 担当：APN / PNI ジャクイ事務所、エコロッジ州立保護区レンジャー事務所

· 活動： ・ 調査計画（日時、場所、調査規模、要員等）の作成 ・ 調査の実施（必要に応じて、補佐としてボランティアを依頼）

・ 結果の集計及び報告書の作成 （３） 密猟、盗伐、野生動物による被害等の告発

· 担当：APN / PNI ジャクイ事務所、エコロッジ州立保護区レンジャー事務所

· 活動：

・ 各機関の内部規則に従い対処する。

・ 密猟、盗伐、野生動物による被害等の告発に関する地域住民への研修（説

明会等）を実施する。

・ 告発に関する情報を記録する。 ３．広報活動

限られた予算や人材の中で、自然環境保全の成果を上げることは容易ではない。ただし、

自然環境保全の必要性や生物情報などを積極的に広報することは、地域社会に環境保全を

定着させ、深化させる上で重要な活動である。

３．１ 目的 自然環境の情報を実施機関の職員間及び地域住民と共有するため、広報の方法を定める

ことを目的とする。 ３．２ 広報の種類 （１）自主媒体の利用

マニュアル - 18

広報誌、報告書類、ポスター、パンフレット、ホームページ、ニュースレター

（２）パブリシティ活動

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ

（３）媒体スペースの購入

テレビ、ラジオの番組、新聞、雑誌の紙面、交通広告スペース（バス、タクシー等） ３．３ 広報の実施 広報は各実施機関（APN、MERNRyT、MCA）の責任のもと、以下の手順で行うこととす

る。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどの取材に応じて広報する場合は、実施機関の協議に

より適任者を選出し対応する。

広報計画の作成

広報内容の決定

広報材料の準備（写真、書類等）

広報

結果の記録

図 3.1 広報の実施

マニュアル - 19

添 付

添付１．国立公園局（APN）管轄区域における調査実施のための許可申請様式

添付２．生態再生可能天然資源観光省（MERNRyT）申請書

添付３．自然林面積のモニタリング対象区画（ペニンスラ地区）

添付４．自然環境調査の実施例

添付５．ミシオネス州の保護対象種

添付６．グリーンコリドーの土地利用調査票（2005 年度モデル）

添付７．土地利用調査の結果例（2005 年度マテ茶、タバコ、自然林、植林地、牧畜の分布）

マニュアル - 20

添付１．国立公園局（APN）管轄区域における調査実施のための許可申請様式

国立公園局 法律第 22351 号

申請書 N˚１

国立公園局管轄区域における調査実施許可申請書 日付： 氏名： 職業： 住所： 電話番号： 機関名： 国立公園（単数又は複数）： 作業期間： プロジェクトタイトル： 調査理由（国立公園内で調査する理由を明確にする）： 調査方法： 標本収集：有・無

植物、動物、考古学的資料、その他（具体的に記す） 個体、個体の一部、サンプル（具体的に記す）

種名（単数又は複数）： 種数： 種ごとの標本数： 標本合計数： 搬出先： 標本採集又は捕獲の理由：

マニュアル - 21

添付２．生態再生可能天然資源観光省（MERNRyT）申請書

ミシオネス州内で自然環境調査を実施する場合は、以下の項目を記載して MERNRyT へ

提出する。

申請書記載事項 · プロジェクト名 · 表題（資格） · 機関名 · 導入・背景 · 目的 · 調査地 · 標本抽出場所 · 手法 · 関係者（事務所要員、調査要員） · 工程（日程） · 抽出標本の使用目的（遺伝資源、標本等） · 参考文献 · プロジェクト責任者の自筆署名 添付資料： · 推薦証書 · NGO の場合は信用承認された設立定款のコピー

マニュアル - 22

添付３．自然林面積のモニタリング対象区画（ペニンスラ地区）

番号 セクション 区画 所有者の居住地 区画面積（ha） 自然林面積

（ha）

1 D 1-A アンドレシート市街地 50.06 42.06

2 D 1-ByC PPC 130.00 130.00

3 D 1-D 区画内 33.15 28.15

4 D 2 ドイツ（民有地自然保護区） 171.80 94.29

5 D 3 区画内 164.24 131.24

6 D 4-A ブエノスアイレス州 51.98 33.95

7 D 4-B 区画内 52.80 15.97

8 D 4-C アンドレシート市街地 54.35 32.32

9 D 4-D 区画内 56.70 24.67

10 D 5 アンドレシート市街地 183.33 133.83

11 D 6 アンドレシート市街地 158.28 118.03

12 D 7-A 区画内 20.66 10.66

13 D 7-B Subdiv. D 区画内 9.00 7.00

14 D 7-B Subdiv. E 区画内 10.00 8.24

15 D 7-B Subdiv. F 区画内 10.00 9.00

16 D 7-B Subdiv. G 区画内 10.00 10.00

17 D 7-B Subdiv. H アンドレシート市街地 10.00 9.50

18 D 7-B Subdiv. I ブエノスアイレス州 50.36 43.40

19 D 7-C 区画内 33.64 22.64

20 D 8 アンドレシート市街地 198.27 153.27

21 D 9 ミシオネス州オベラ市 159.18 100.25

22 D 10-A アンドレシート市街地 100.00 76.50

23 D 10-B アンドレシート市街地 76.19 40.49

24 D 11 アンドレシート市街地 130.05 46.80

25 D 12 区画内 163.92 110.50

26 D 13-A ブエノスアイレス州 58.01 58.01

27 D 13-B アンドレシート市街地 100.75 50.05

28 D 14-A 区画内 47.38 10.00

29 D 14-B 区画内 88.34 34.34

30 D 15 サンタフェ州 135.76 70.00

31 D 16-A アンドレシート市街地 33.80 21.80

32 D 16-B 区画内 31.11 8.41

33 D 16-C アンドレシート市街地 30.29 24.00

マニュアル - 23

番号 セクション 区画 所有者の居住地 区画面積（ha） 自然林面積

（ha）

34 D 16-D 区画内 30.23 19.55

35 D 16-E アンドレシート市街地 31.53 23.13

36 D 25 アンドレシート市街地 188.42 113.42

37 D 26-A ブエノスアイレス州 31.11 10.74

38 D 26-B アンドレシート市街地 30.17 8.80

39 D 26-C アンドレシート市街地 30.37 7.55

40 D 27-AyB PPY 347.86 347.86

41 D 28-A 区画内 59.97 26.97

42 D 28-C 区画内 31.97 28.81

43 D 28-E ブエノスアイレス州 20.58 20.58

44 D 28-F 区画内 51.23 28.65

45 D 29 区画内（民間自然保護区） 133.11 80.61

46 D 30 アンドレシート市街地 193.51 138.51

47 D 31-A 区画内 49.27 49.27

48 D 31-B ミシオネス州オベラ市 115.43 110.52

49 VII N 128 アンドレシート市街地 3.00 1.00

50 VII N 129 区画内 31.00 8.25

51 VII N 130 区画内 71.29 28.54

52 VII N 131 区画内 99.84 29.09

53 VII N 132 区画内 73.07 13.32

54 VII N 133 区画内 92.39 38.04

55 VII N 134 区画内 90.27 12.77

56 VII N 135 y 136 アンドレシート市街地 151.01 101.01

57 VII N 137 アンドレシート市街地 61.83 27.83

58 VII N 138 アンドレシート市街地 126.95 79.95

59 VII N 139A アンドレシート市街地 10.00 6.50

60 VII N 139B アンドレシート市街地 100.19 100.19

61 VII N 139C ミシオネス州ポサーダス市 35.00 34.00

62 VII N 140 y 141 アンドレシート市街地 177.07 97.57

5081.07 3302.40

州立公園 477.86 477.86

民間自然保護区 304.91 174.90

出展：土地利用調査報告書（Proyecto Cabure-í, 2005）

マニュアル - 24

添付４．自然環境調査の実施例

2006 年度に実施された自然環境調査の実施例を以下に示す。

１．調査目的

· 動植物データの収集・整理の技術を学ぶ。

· プロジェクト地域の自然環境情報を収集する。

· 調査員同士（実施機関職員）の作業方法、情報に関する意見交換を行う。

· 将来の調査のための実施機関同士の連携を強化する。

２．場所

ペニンスラ地区：カメティ州立公園、イスラ・グランデ州立公園

デセアード地区：ウルグアイ州立公園、隣接する民有地（カア・ポラ民間自然保護区等）

３．日程

（１）ペニンスラ地区

月日 時間 活動内容

9 月 22 日 事前会議（作業の紹介、参加者による意見交換）

7:00 調査地へ移動（ペニンスラ地区）

8:00 ペニンスラ地区到着 作業調整会議

9:00 PPC におけるグループ別作業開始

12:00 昼食 キャンプサイト設営等.

14:00 PPC におけるグループ別作業継続

18:00 野外作業終了 グループ別調査データの整理

20:30 夕食

21:30 作業調整会議

9 月 23 日

23:00 消灯

6:00 PPC におけるグループ別作業開始

7:00 朝食

12:00 昼食

18:00 野外作業終了 グループ別調査データの整理

20:30 夕食

9 月 24 日

21:30 作業調整会議 （特に河川航行上の注意）

マニュアル - 25

月日 時間 活動内容

23:00 消灯

6:00 第 1 グループ作業開始（PPI への渡航）

6:30 朝食

7:30 第 2 グループ作業開始

17:30 野外作業終了 グループ別調査データの整理

20:30 夕食

21:30 作業調整会議

9 月 25 日

23:00 消灯

6:00 第 1 グループ作業開始（PPI への渡航）

6:30 朝食

7:30 第 2 グループ作業開始

16:00 野外作業終了

9 月 26 日

18:00 撤収・解散

（２）デセアード地区

月日 時間 活動内容

11 月 8 日 事前会議（作業の紹介、参加者による意見交換）

7:00 調査地へ移動（デセアード地区）

7:30 デセアード地区到着 作業調整会議

9:00 PPU におけるグループ別作業開始

12:00 昼食 キャンプサイト設営等

14:00 PPU におけるグループ別作業継続

18:00 野外作業終了 グループ別調査データの整理

20:30 夕食

21:30 作業調整会議

11 月 9 日

23:00 消灯

6:00 PPU におけるグループ別作業開始

7:00 朝食

12:00 昼食

14:00 PPU におけるグループ別作業継続

18:00 野外作業終了 グループ別調査データの整理

11 月 10 日

20:30 夕食

マニュアル - 26

月日 時間 活動内容

21:30 作業調整会議

23:00 消灯

6:00 PPU に隣接する民有地における作業開始

6:30 朝食

12:00 昼食

14:00 PPU に隣接する民有地における作業継続

18:00 野外作業終了 グループ別調査データの整理

20:30 夕食

21:30 作業調整会議

11 月 11 日

23:00 消灯

6:00 PPU に隣接する民有地における作業開始

6:30 朝食

12:00 野外活動終了 昼食

11 月 12 日

16:00 撤収・解散

４．参加者

（１）ペニンスラ地区

グループ名 名前 役割 機関

ウーゴ・チャベス APN. PNI 調整

モニカ・シュローデル 野外調査及び報告書取り纏めの全体調整 MERNRyT

フスト・エレイラ 代表 APN. CIES. 植物

マベル・ダ・ロッサ 補佐 MERNRyT

ファクンド・テヘダ 代表 MERNRyT 節足動物

ガブリエル・アビルドガルド 補佐 MERNRyT フェリックス・コラチェスキ 代表 MERNRyT

両生類・爬虫類 セシリア・ベジョニ 補佐 APN. PNI

ハビエル・セルティ 代表 APN. PNI 鳥類

ノルベルト・オリベラ 補佐 MERNRyT リカルド・メルセウ 代表 APN. PNI

哺乳類 アダイルド・ポリセナ 補佐 IBAMA

後方支援 ルシアノ・ヒメネス 代表 APN. PNI

マニュアル - 27

（２）デセアード地区

グループ名 名前 役割 機関

ウーゴ・チャベス APN 調整

モニカ・シュローデル 野外調査及び報告書取り纏めの全体調整 MERNRyT

フスト・エレイラ 代表 APN 植物

フェルナンド・フォレット 補佐 MERNRyT マルティン・ドリア 代表 MERNRyT

節足動物 ジャゴ・アラウホ 補佐 MERNRyT フェリックス・コラチェスキ 代表 MERNRyT

両生類・爬虫類 ミゲル・ロメロ 補佐

国境警備隊・環境警備グループ

ハビエル・セルティ 代表 APN 鳥類

マリアノ・ホロデスキ 補佐 州立第 707 学校

リカルド・メルセウ 代表 APN 哺乳類

エステバン・ピッスィオ 補佐 MERNRyT

ペドロ・ブルエラ 代表 MERNRyT 土壌

パウラ・ベルトット 補佐 MERNRyT

後方支援 ルシアノ・ヒメネス 代表 APN

５．調査用資機材

自然環境調査参加者の持ち物：

1. 服装・寝具等 · 森林内を歩くに適した服装。特に虫対策用に長袖・長ズボン · 長靴又はブーツ（キャンプサイト用の靴） · 帽子 · 各自必要な寝具（毛布、シーツ、枕） · 防虫剤 · 個人的衛生用品

2. キャンプ用品 · 寝袋、マット（貸出が必要な人は 15 日前までに調整員へ連絡） · テント（貸出が必要な人は 15 日前までに調整員へ連絡。他の調査

参加者と共用することも可能） 3. 食事用品 · 皿（割れ難いもの）

· スプーン、ナイフ、フォーク · コップ（割れ難いもの）

4. 調査用品 · 筆記用具 · 双眼鏡 · 参考図書 · 各グループの責任者は、15 日前までに、調整員へ必要な資機材を申

請すること。

マニュアル - 28

６．調査参加者登録票

氏名：

職業と業務場所：

ID 番号（DNI）： 住所：

電子メールアドレス： 電話番号：

在宅時間（連絡が容易な時間帯）：

野外調査に参加する月（×マークを印す）：

９月： _____ 11 月：______

参加分野（×マークを印す） 植物：_____ 哺乳類：_____ 鳥類：_____

両生類・爬虫類： _____ 節足動物：_____

後方支援：_____

作業に必要な機材（別添Ｉ参照）

機材がない場合は、不足するものを記載すること：

昆虫又は薬のアレルギー（処置方法を記載すること）：

血液型： 緊急連絡先：

マニュアル - 29

添付５．ミシオネス州の保護対象種

保護対象動物種

法 律 俗 名 学 名

法律 2589 ジャガー（Yaguareté） Leo onca palustris,

アメリカバク（Tapir） Tapirus terrestris

オオアリクイ（Oso Hormiguero） Myrmecophaga tridactyla

知事令 2874 哺乳類

オオカワウソ（Lobo gargantilla o Ariraí） Pteronura brasiliensis

ヤブイヌ（Perro vinagre o Yaguá-tuí-ñeé） Speothos venaticus

グリソン（Hurón grande） Galictis vittata brasiliensis

ホエザル（Mono aullador rojo o Guariba） Alouatta guariba

オセロット（Gato onza u Ocelote） Felis pardalis

マーゲイ（Gato tigre grande） Felis wiedii wiedii

ジャガーネコ（Gato tigre chico o tirica） Felis tigrina guttula

ヤガランデ（Gato moro o Yaguarundí） Felis yaguaroundi

オオアリクイ（Oso hormiguero o Yurumí） Myrmecophaga tridactyla

オナガカワウソ（Lobito de río） Lontra longicaudis

鳥類

ヒメオウギワシ（Aguila monera） Morphnus guianensis

カオグロナキシャクケイ（Yacutinga） Aburria jacutinga

アカソデボウシインコ（Loro cabecirrojo o Charao） Amazona pretrei

クロアイサ（Pato serrucho） Mergus octosetaceus

爬虫類

クチヒロカイマン（Yacaré de hocico ancho） Caimán latirostris

保護対象植物種

法 律 俗 名 学 名

法律 2380 ピノ・パラナ（Pino paraná） Araucaria angustifolia

パロ・ロッサ（Palo rosa） Aspidosperma polyneuron

知事令 2914 ピンドシト（Pindocito） Allagoptera campestris – Diplothemium campestre y Allagoptera arenaria

ジャタイ・ポニ又はミニ（Yatay-poñí o Miní） Butia Yatay var. Paraguariensis

パルミット（Palmito） Euterpe edulis

知事令 557 木性シダの仲間（Chachíes） Helechos arborescentes gigantes

知事令 686 シャシ・ブラボ（Chachí bravo） Alsophila atrovirens

シャシ・マンソ（Chachí manso） Alsophila plagiopteris, Alsophila procera, Hemitolis sp., Dicksonia sellowiana

マニュアル - 30

添付６．グリーンコリドーの土地利用調査票（2005 年度モデル）

ENCUESTA DE LOTES DEL CORREDOR VERDE - PROYECTO CABURE-Í

TOTAL

Pino Y. Mate Tabaco

Cedro Té Caña

Paraíso Citrus Mandioca

Frutas Maíz

Palta Soja

Otros Otros

Subt. Subt. Subt. Subt. Subt. Subt. Subt.

10. ¿QUÉ PLANTABA ANTES DE LA SOJA? 11. ¿CUÁNTAS CABEZAS DE GANADO TIENE?

CULTIVO ANUAL

HA.

BOSQUE NATIVO FORESTACIÓN CULTIVO PERENNE POTRERO BAÑADO OTROS (Capuera, etc.)

OBSERVACIONES 1. SECCIÓN: ______________

2. LOTE: LLLLLL

3. NOMBRE Y EDAD: ____________________________________

4. ¿EN QUÉ AÑO VINO? ________________

5. ¿DESDE DÓNDE VINO?

A. Andresito B. Prov. de Misiones C. Argentina D. Extranjero

6. GRUPO FAMILIAR: ____ personas Conviven ahora: ____ personas

7. ¿POSEE TÍTULO O PERMISO DE PROPIEDAD? Sí No

8. TOTAL DE HECTÁREAS: _________________

9. ¿CUÁNTAS HA. DE?

マニュアル

- 30

マニュアル - 31

添付７．土地利用調査の結果例（2005 年度マテ茶、タバコ、自然林、植林地、牧畜の分布）

１．マテ茶

0 2 4km

Proporción de Yerba Mate(%) 30 - (127) 20 - 30 (90) 5 - 20 (103) 0 - 5 (111)

Proyecto de Conservación del Ambiente Natural en la Región de Iguazú de la República Argentina

Gráfico: Distribución de la proporción del cultivo de Yerba Mate dentro del Corredor Verde en Comandante Andresito

Nota: JICA Proyecto Cabure-í 09/MARZO/2005 al 25/JUNIO/2005. La información catastral fue tomada de la Dirección Provincial de Catastro el 22/FEBRERO/2005

TOTAL (431)

図：アンドレシート市のグリーンコリドー内におけるマテ茶栽培地分布図 出展：JICA カブレイ・プロジェクト（イグアス地域自然環境保全計画） 2005年 3 月 9 日－2005 年 6 月 25 日。土地区分情報は州土地局より（2005 年 2 月

22 日）

マテ茶面積割合 ％

マニュアル - 32

２．タバコ

0 2 4km

Proporción del Tabaco (％）

20 - (28) 10 - 20 (76) 3 - 10 (86) 0 - 3 (28) 0 (213)

Proyecto de Conservación del Ambiente Natural en la Región de Iguazú de la República Argentina

Gráfico: Distribución de la proporción del cultivo de Tabaco dentro del Corredor Verde en Comandante Andresito

Nota: JICA Proyecto Cabure-í 09/MARZO/2005 al 25/JUNIO/2005. La información catastral fue tomada de la Dirección Provincial de Catastro el 22/FEBRERO/2005

TOTAL (431)

図：アンドレシート市のグリーンコリドー内におけるタバコ栽培地分布図 出展：JICA カブレイ・プロジェクト（イグアス地域自然環境保全計画） 2005年 3 月 9 日－2005 年 6 月 25 日。土地区分情報は州土地局より（2005 年 2 月

22 日）

タバコ栽培面積割合 ％

マニュアル - 33

３．自然林

0 2 4km

Proporción de Selva Nativa (%)

50 - (136) 35 - 50 (76) 20 - 35 (110) 0 - 20 (109)

Proyecto de Conservación del Ambiente Natural en la Región de Iguazú de la República Argentina

Gráfico: Distribución de la proporción de Selva Nativa dentro del Corredor Verde en Comandante Andresito

Nota: JICA Proyecto Cabure-í 09/MARZO/2005 al 25/JUNIO/2005. La información catastral fue tomada de la Dirección Provincial de Catastro el 22/FEBRERO/2005

TOTAL (431)

図：アンドレシート市のグリーンコリドー内における自然林分布図 出展：JICA カブレイ・プロジェクト（イグアス地域自然環境保全計画） 2005年 3 月 9 日－2005 年 6 月 25 日。土地区分情報は州土地局より（2005 年 2月 22 日）

自然林面積割合％

マニュアル - 34

４．植林地

0 2 4km

Proporción de Forestación (%)

30 - (22) 10 - 30 (56) 5 - 10 (71) 2 - 5 (71) 0 - 2 (50) 0 (161)

Proyecto de Conservación del Ambiente Natural en la Región de Iguazú de la República Argentina

Gráfico: Distribución de la proporción de Forestación dentro del Corredor Verde en Comandante Andresito

Nota: JICA Proyecto Cabure-í 09/MARZO/2005 al 25/JUNIO/2005. La información catastral fue tomada de la Dirección Provincial de Catastro el 22/FEBRERO/2005

TOTAL (431)

図：アンドレシート市のグリーンコリドー内における植林地分布図 出展：JICA カブレイ・プロジェクト（イグアス地域自然環境保全計画） 2005年 3 月 9 日－2005 年 6 月 25 日。土地区分情報は州土地局より（2005 年 2月 22 日）

植林面積割合％

マニュアル - 35

５．牧畜

0 2 4km

Cantidad de Ganado 30 - (66) 20 - 30 (42) 10 - 20 (80) 1 - 10 (105) 0 (138)

Proyecto de Conservación del Ambiente Natural en la Región de Iguazú de la República Argentina

Gráfico: Distribución de la cantidad de ganado dentro del Corredor Verde en Comandante Andresito

Nota: JICA Proyecto Cabure-í 09/MARZO/2005 al 25/JUNIO/2005. La información catastral fue tomada de la Dirección Provincial de Catastro el 22/FEBRERO/2005

TOTAL (431)

図：アンドレシート市のグリーンコリドー内における牧畜分布図 出展：JICA カブレイ・プロジェクト（イグアス地域自然環境保全計画） 2005年 3 月 9 日－2005 年 6 月 25 日。土地区分情報は州土地局より（2005 年 2月 22 日）

家畜頭数

IV．パイロット事業管理運営報告書

2006 年度

パイロット事業 - 1

概 要

イグアス地域自然環境保全計画（通称「プロジェクト・カブレイ」。以下「本プロジェク

ト」）におけるパイロット事業は、アンドレシートの豊かな自然資源を観光資源として利用

することによって、カウンターパート機関職員（以下「C/P」）がその情報を収集するとと

もに、経験を蓄積し、かつ、それらを民間へ移転できるモデルをつくることによって地域

住民による自然環境保全の推進を目的とする。

パイロット事業は、本プロジェクトにおける持続的な自然資源の利用のための経済及び

社会開発のためのコンポーネントである。そのために、近年、経済的な活動として成長著

しい観光的なアプローチ（エコツーリズム）が選択された。そこでは、常設テントを用い

たキャンプ場の建設及び管理運営が、開発のモデルとして定められた。

キャンプ場は、20 人程度が宿泊、食事、集会のできるキャパシティーをもち、プロジェ

クト期間中、主に日本人観光客グループを試験的に受け入れることが提案された。そして

キャンプ場及びその周辺におけるガイドやサービス、あるいは各種研修会を通じて地域住

民の能力向上を図り、さらに観光客と地域社会との良好な関係を模索し、それら一連の作

業を通じて C/P の能力向上を図ることとした。

キャンプ場は、2005 年 11 月に開所式が行われ、同年 12 月より州立公園レンジャーが着

任した。そして 2006 年 2 月の合同調整委員会会議において「エコロッジ・カブレイ」と名

付けられた。それ以降、管理運営に関する仕組みづくりが行われている。一方、2005 年 12

月下旬から 2007 年 1 月までの約 1 年間のエコロッジ訪問客数は約 1,000 名となり、アンド

レシート市の重要な観光スポットになっている。

本報告書は、パイロット事業の中でも、主にエコロッジ・カブレイの建設から管理運営

に関する記録を報告するものである。

パイロット事業 - 2

エコロッジ・カブレイの概要

施設名称：エコロッジ・カブレイ

施設住所：AVE CHILE, Municipio de Comandante Andresito, Departamento de Gran Manuel

Belgrano - Provincia de Misiones（郵便番号 3385）

管理機関：ミシオネス州生態・再生可能天然資源・観光省、アンドレシート市自治体

設立年月日：2005 年 11 月 29 日（開所式）

敷地面積:総面積：6.5ha（内訳：施設建設面積１ha、多目的保護区 5.5ha）

施設：

· 管理棟：州立公園レンジャー事務所及び倉庫、施設の維持管理室

· 食堂集会棟： 大 20 名を収容できる食堂棟（セミナー会場としても使用可能）、

調理室、共同シャワー（男女各２基）、共同トイレ（男女各２基）、事務所、集合

デッキ

· 常設テント：４名収容の宿泊用テントを５張り設置、 大 20 名宿泊可能

· シャワー施設：室内シャワー（男女各１基）、室外シャワー（男女各１基）、トイ

レ（男女各１基）

· 駐車場：来客用駐車場（乗用車５台分）、管理用駐車場（乗用車４台分）

· 木道：管理等から食堂集会棟、食堂集会棟から各常設テントおよび各施設に接続

· 散策路：約１km（パラナ密林）

名称由来

「エコロッジ・カブレイ」は、外国人観光客にも理解されやすい「エコロッジ」の名称と、

本プロジェクトの通称「プロジェクト・カブレイ」に因む「カブレイ」（アカスズメフクロ

ウ）の名称に由来する。プロジェクトの合同調整委員会臨時会議（2006 年 2 月）において

決定された。

施設までのアクセス

アンドレシート市役所より西に約 2,500ｍ、州道 25 号線から東に約 400ｍ、アンドレシート・

マテ茶組合から南に約 800ｍ、 も近い住宅地からは西に約 600ｍ。市中心街からの公共交

通機関はない。

問合せ先

セルバ・アデントロ観光サービス協同組合

住所：Calle Canadá S/N casi Avenida Corrientes, Comandante Andresito, Prov. de Misiones

電話（携帯）：03757-15-43-9609

E-mail: ecoturismoselvaadentro@yahoo.com.ar

パイロット事業 - 3

写 真

写真１．エコロッジ・カブレイ入口

写真２．食堂集会棟

写真３．宿泊用常設テント

写真４．管理棟

写真５．食堂集会棟厨房 写真６．食堂集会棟での研修

パイロット事業 - 4

写真７．自然環境調査研修

（2004 年度モニタリングツアー）

写真８．キャンプサイトの地図作成

（2004 年度モニタリングツアー）

写真９．地元料理体験

（2005 年度モニタリングツアー）

写真 10．エコツーリズム開発への提案

（2005 年度モニタリングツアー）

写真 11．エコロッジ看板づくり

（2006 年度モニタリングツアー）

写真 12．植物標本づくり

（2006 年度モニタリングツアー）

パイロット事業 - 5

エコロッジ・カブレイ

80 番住宅地

工業地区

グリーンコリドー境界

エコロッジ・カブレイ施設配置図

常設テント

管理棟

食堂集会棟

正門・駐車場

航空写真 アンドレシート市 市街地付近（2004 年 8 月）

パイロット事業 - 6

１．パイロット事業活動記録 １．１ エコツーリズムに関するパイロット事業の構成

パイロット事業は、その経験の蓄積と民間活動への移転を考慮し、プログラム及びサブ・

プログラムとして以下の通り区分された。

キャンプ場の設計・建設プログラム

キャンプ場の管理運営（オペレーション）プログラム

地域との連携プログラム（関係機関や民間セクター、および既存観光ポイントと

の関係性に関すること）

これらのプログラムは、モニタリングツアーの実施を通じて評価、改善が図られた。

表 1.1 全体の流れ

フェーズ 年 月 活 動

１ 2004 年 5-6 月

パイロット事業キャンプサイト候補地の調査、決定（第 1 回合同調整

委員会にて） 7 月 キャンプサイトのコンセプト及び建設方針の決定（第１回ワーキング

グループ会議にて） 9 月 IPRODHA から MERNRyT への土地譲渡確定＝キャンプサイトの確定

（6.5ha） 建設範囲（約 1ha）の確定

10 月 基本設計図作成 測量及び環境調査（州天然記念物パロ・ロッサの実生を保全対象種と

する。） 11 月 日本人グループモニタリングツアー実施

・ 日本人観光客の協力による保全対象種の移植作業 ・ キャンプサイト将来構想図の作成・提案

12 月 電気工事（近隣住宅地より配電） キャンプサイト敷地内で井戸掘削工事

2005 年 1 月 管理棟工事 2 月 食堂集会棟工事

日本人グループモニタリングツアー実施 常設テントデッキの建設講習会開催

3 月 常設テントデッキ工事開始（4 月完了） ２ 4 月 管理棟から食堂集会棟、各常設テントをつなぐ木道の設計・施工

8 月 パイロット事業のための研修開始（2005 年 11 月まで） 9 月 シャワー施設工事 11 月 日本人グループモニタリングツアー実施

キャンプサイト開所式 2006 年 2 月 臨時合同調整委員会にてキャンプサイトの名称決定「エコロッジ・カ

ブレイ」 3 月 臨時合同調整委員会にてエコロッジ経営方針決定

３ 6 月 観光の経営に関する研修実施 7 月 自然観察に関する研修実施

パイロット事業 - 7

フェーズ 年 月 活 動

8 月 セルバ・アデントロ観光サービス協同組合（CTSA）設立（連邦政府の

認可） 9 月 エコロッジにおける MERNRyT と CTSA の業務に関する協定締結 10 月 建設、農産物（マテ茶）に関する研修実施

APN-JICA 協力による中南米レンジャー養成コースの研修員受入れ 11 月 日本人グループモニタリングツアー実施

国際観光フェアにてエコロッジ紹介

１．２ キャンプ場の設計・建設プログラム

（１）留意事項

キャンプ場の場所の選定、情報収集、設計・建設においては、以下の項目に留意した。

表 1.2 留意事項

プロセス 留意事項

場所の選定 · 生態系の重要性／価値

· 教育的な重要性／価値

· 試験的な重要性／価値

· 社会･文化的な重要性／価値

· エコツーリズムのマーケティングへの重要性／価値

情報収集 · 建設作業の労働者に関するデータ

· デザイン及び建設過程の情報（予算含む）

· 自然環境への影響を抑えるために講じられた措置（手法）に関する情報

設計 · 地域の環境保全に配慮した活動を維持、促進すること

· 地域住民の参加を重視すること

· 可能な限り自然資源の損傷と経費を抑えること

建設 · 労働者に対して、プロジェクトの目的や活動、キャンプ場に生息する動植

物の価値、自然環境に配慮した建設方法を説明すること

（２）パイロット事業地と建設地の選定

１）調査方法

パイロット事業地の選定は、以下の観点から現地調査を踏まえたうえで決定した。

· 視覚

· アクセス

· 周辺状況

· 環境条件（騒音、土地改変状況）

表 1.3 主なキャンプ場建設候補地

候補地 土地所有形態 現況（調査時点）

ラ・ブランキッタ地区 民有地 農地

ジャクイ州立公園付近 民有地 キャンプ場

パイロット事業 - 8

候補地 土地所有形態 現況（調査時点）

カブレイ地区 民有地 キャンプ場跡地

IPRODHA 住宅用地 州有地 森林

２）建設地（ミクロな観点から見た場所）の選定

建設地は、以下の点を考慮して選定した。

· 視覚

· 地域とその周辺の景観的価値

· 人間による土地の改変

· 地形

· 市の計画

· アクセス

· 周辺状況

· その他の環境要素

３）建設地の調査

基本計画の作成にあたり、以下の点に留意して建設地の地形と環境を調査した。

表 1.4 調査の留意点

地 形 環 境

· 土地登記に基づく市道の調査

· 市の計画に基づく現況及び将来的な予測

· 建設地及び車輌通行地の測量

· 樹木の調査（樹高、直径、ベース）

· 重要な植物又は特殊な樹木の視覚的

な認識

· 観察ポイント

調査の従事者は、既存の細道を使って 低限の下草刈りをマチェテ（山刀）で行った。

測量機器の設置および測量は、測量技師により 低限の草木を除去して行われた。そして

建設物の位置が特定され、境界標が杭打された。また、建設により影響が出ると思われる

大の面積を決定し、マチェテと人手による計測及び直接の観察によって、固定ポイント

と柔軟性のあるポイントをマークした。

建設地の概要は以下の通りである。

表 1.5 建設地の概要

項 目 概 要

位 置 パイロット事業用地は州政府機関である住宅開発公社（IPRODHA）の所有地 57 ha

の敷地内（森林）にある。アンドレシート市街地の西端にあり、市街地から約 2.5k

ｍ、州道 25 号線から約 400ｍ、アンドレシート・マテ茶組合（CYA）から約 800

ｍ、 も近い住宅地からは約 600ｍに位置する。

土 壌 土壌は複合的な赤土で、粘土質、浸透性、酸性又は弱酸性、栄養素は低又は中程

度、玄武岩の派生物とその風化の段階。

地 形 形態地区５（サンペドロ台地）。ビクトリア山地の西とサンペドロの東北にかけて

広がる侵食台地にあり、地形は凹凸のある波状。

パイロット事業 - 9

項 目 概 要

気 候 乾季のない亜熱帯性気候。平均気温は 暖月で 25.4℃（１月）、 寒月で 16.6℃（６

月）、年間平均降水量は 1,999mm である。（1995 年～2002 年の平均値）

風･雨･雷 も多い風向は南西で、 も多い強風は南西、西、北西から来る。旋風現象もあ

り、森林破壊の一因にもなる。その場合は巨木ですらなぎ倒されることがある。

（３）パイロット事業地について収集された情報

パイロット事業地について収集された情報は以下の通りである。

表 1.6 収集された情報

調査項目 情 報

資料 · 衛星画像

· 航空写真

· 土壌図

· 土地登記の見取図

· パイロット事業地の計測図

電気 土地の境界線における電線はリベルタドール大通沿いと、

も近い住宅地「80番住宅地」まで配線されている。

交通 対象地に周回できる道路は整備されていない。州道 25号線と

近隣の道は舗装されていない。リベルタドール大通は石畳で

一部舗装されている。

上水道 80 番住宅地まで上水道が整備されている。

下水設備 下水設備はない。

インフラと設備

ごみ収集 対象地周辺の住宅地、墓地、産業（工業）地でごみの収集は

実施されている。

市の計画 80 番住宅地の未開墾地と 55Ｎ区画は住宅供給用に計画されている。

自然資源と景観 対象区画は、市街地と農地にはさまれた森林で、着生植物、つる性植物、

ヤシやシダの仲間などで構成されている。ミシオネス州の天然記念物であ

るパロ・ロッサやパルミットのような価値ある種、サル、ハナグマなどの

哺乳類が生息している。土壌は、腐植土と根元が露出した森林土壌を特徴

とする。

景観的には、ウルグアイ州立公園が食堂集会棟エリアから遠望でき、その

手前に茶畑が広がる農村的な景観と山地地形と関連した様々な緑のトー

ンがみられる。

敷地内にはヌエベ・デ・フリオ川（小川）があり、それはイグアス川の支

流であるサンフランシスコ川に流れ込んでいる。

人為的活動による

影響

周辺地域の住民は、通勤用の近道として対象地区内を横切る歩道を設けて

いる。

境界線の南側、西側はゴミが投棄されている。

資材 製材所 法人登録されている製材所は市内に 20件（2006 年現在）あり、

様々な種の天然木材、マツ材を扱っている。木造建築に必要な

ほとんどの木材は市内で調達可能であるが、防腐加工されたも

の等、一部は市外から調達する。

パイロット事業 - 10

調査項目 情 報

建築に使用された主な木材

木材名 用途

パラナマツ 塗料を施して外壁・内壁に、あるいは

丸太の状態で垂木などに利用された。

アンチーコ 湿気に強く、腐食しにくい特性を持つ。

柄柱、床材などに利用された。

カンチャラーナ 湿気に強く、床材、支柱などに利用さ

れた。

ラウレル 加工しやすく、間柱、補強材として利

用された。

ロロネグロ 上質で変形し難く、窓枠や建具などの

枠に利用された。

資材店 建設のために必要な一般的な資材はアンドレシート市内で調

達できる。但し在庫不足が頻繁に起こるため、州都ポサーダス

市や近隣の町から取り寄せが必要になる。

人的資源（大工、

建設作業員、手工

芸職人）

一般住宅レベルの建設工事は、市役所への届出によって誰でも建築可能

で、特に資格は必要ない。しかし実際に建設を指揮できる大工（棟梁）は

アンドレシート市内では極めて少ない。また市内の建設関係者は法人格を

有しておらず、棟梁を中心に作業チームを組むのみである。手工芸職人も、

特に資格はないが、実際に商売ベースで作業可能な職人はアンドレシート

市内に２名いる。

（４）土地のゾーニング（提案）

土地のゾーニングは、地形及び環境の調査、基礎的なインフラの必要性、設置、土地の

潜在力を考慮して行われた。全体の施設配置計画は日本の磐梯朝日国立公園における民間

キャンプ場の事例を参考とした。その結果、対象地域において以下のような基準を伴うゾ

ーニングが提案された。

なお提案された内容について、プロジェクトの進捗に応じて一部変更が加えられた。変

更後の現況は（６）建設結果に記す。

表 1.7 ゾーニング案

エリア 内 容

集中利用エリア ビジターセンター（食堂集会棟）：受付、管理事務所、食堂（テラス）、

調理室（食糧貯蔵室）、トイレ、救護室

管理棟（作業用設備）：倉庫、管理者室、ガレージ、駐車場

中間利用エリア キャンプ施設：常設テント及びテントデッキ（４人用×５体）

集会エリア キャンプファイアースペース

グループ向け東屋とパリージャ（バーベキュー）設備

利用制限エリア パロ・ロッサとパルミットゾーン（高床式の散策道／グループ用散

パイロット事業 - 11

エリア 内 容

策道）

（５）建設工程

建設は単年度計画にあわせて３つのフェーズで実施された。

建設方法は、有識者、地域住民、日本人専門家のアドバイス等に基づき、地域の資源や

価格及び資機材の比較を通じて採択された。

管理棟と食堂集会棟の基本的な工法は、木材と積レンガをミックスさせた工法とした。

建設においては環境への影響を 小限に抑えるよう細心の注意を払い、樹高２ｍ未満の

パロ・ロッサの実生は保全対象として移植した。樹高２ｍ以上のパロ・ロッサは、印をつ

け、建設における損傷を防いだ。

表 1.8 フェーズ別建設工程

フェーズ 活 動

１

（１）建設の実施計画 · 設計図の作成 · 見積審査 · 建設物工事入札 · 契約の締結

（２）電気の供給：ミシオネス州電力公社（EMSA）に対して、10KVA の電力供

給を申請し、電線、電柱の設置、配電盤の取り付け工事を行った。 （３）管理棟：資機材を保管するための施設を建設。施設には、管理者用の宿泊

室、トイレ／シャワー、台所を備えた。 （４）食堂集会棟：食堂、調理室、トイレ／シャワー、救護室、受付、テラスを

建設した。 （５）駐車場：訪問者用と業務用の２箇所の駐車場を整備した。 （６）テントデッキ：日本から大工を派遣し、地元のボランティアの協力を得て

２デッキを組み立てた。 （７）周回路：高床式（木道）の散策路を設置した。

２ （１）テントデッキ：３デッキを組み立てた。 （２）周回路・散策路：パイロット事業地内に散策路を設置した。 （３）集会場所：人が集まり焚き火のできる集会場所（フリースペース）を建設

した。 （４）通信：食堂集会棟でインターネットに接続できるよう整備した。管理棟の

隣に無線用アンテナを設置し、MCA プロジェクト事務所、イグアス国立公

園（PNI）ジャクイ事務所、ウルグアイ州立公園（PPU）の各事務所等との

通信網を確保した。 （５）消火設備：キャンプ場内の消火対策のために消火器を設置した。 （６）給水設備（給水タンク）：キャンプ場内各所への給水を行うため、2,500 リ

ットル貯水できるタンクを設置した。 （７）シャワー施設：シャワー４基、トイレ２基を増設した。 （８）改善：利用を通じて発生する各種不具合に対処し、改善を図った。

パイロット事業 - 12

フェーズ 活 動

３ （１）評価：利用状況と敷地内への負荷、影響を評価した。

（２）改善・補修：必要に応じて改善・補修を行った。

· 管理棟の屋根裏改善・補修

· 常設テントの屋根の日除け

· 食堂集会棟トイレの網戸

· 入口アクセス用の木道延長

· 受付用の東屋建設

（３）周回路・散策路：パイロット事業地内に散策路を増設した。

（６）建設結果

プロジェクトで建設した施設の概要は以下の通りである。

表 1.9 施設概要

施設名 概 要 水道 · 水源：井戸（敷地内、深さ 130ｍ）

· 給水方法：電気モーター（１馬力、1,000 ㍑／時間）で汲み上げ、貯水タ

ンクより各施設へ配水。 · 井戸－貯水タンク給水管：径１インチ及び 1.25 インチ · 貯水タンク－各施設配水管：径 0.75 インチ

電気 · 電源：80 番住宅地より電線をチリ通り南側に沿って管理棟前面まで延長

し（約 1,000ｍ）、チリ通りを地下配線で横切り、出入門支柱に設置された

配電盤を経て管理棟に接続されている。 · 電流：220v · 変圧器：10 KVA · 電気代：ＪＩＣＡの免税特権があるため、電気工事費総額のうち税額相当

分の電力代支払が免除された。 · 停電対策：発電機（3.7 KVA 仕様、2 KVA 仕様）を設置。

管理棟 · 用途：キャンプ場全体の運営管理、資機材管理。 · 仕様：木造・一部レンガの平屋建て（総床面積 60 ㎡）。事務室１、居室１、

倉庫（屋根裏）１、車庫１、トイレ・シャワー各１ · 現況：資機材管理の都合上、居室を施設維持管理用の資機材保管室として、

車庫をカヌー、カヤック等プログラム用備品保管室として使用し、倉庫（屋

根裏）を居室として使用中。 食堂集会棟 · 用途：調理、食事提供、研修会等の集会に利用。

· 仕様：木造・一部レンガの平屋建て（総床面積 250 ㎡）。共同シャワー室

２、共同トイレ２、救護室１、調理室１、食堂１、集会デッキ１。食堂・

集会デッキの屋根には天幕を使用。 · 現況：管理棟事務室に州立公園レンジャーが配置されたため、救護室をエ

コロッジ管理専用事務室として使用中。 常設テント · 用途：宿泊サービスを提供すること。

· 仕様：木造テントデッキ５棟（各棟床面積 40 ㎡）、常設テント・フライシ

ート５張（テント部床面積 20 ㎡）。各テントには木道に沿って電気配線さ

れており、電気器具の使用が可能。

パイロット事業 - 13

施設名 概 要 · 工法の工夫：環境への影響を 小限にするため、基礎はコンクリートブロ

ックを敷くのみで、地面の掘削、柱の埋設はない。周辺からの倒木、落枝

対策として、角材により強度を高めた。 · テント：米国製（綿布） · フライシート：日本製（塩化ビニール布）

シャワー施設 · 用途：野外活動後のシャワー、入浴等の需要に対応すること。 · 仕様：木造、室内シャワー２基、室外シャワー２基、トイレ２基、脱衣所

２。 木道 · 用途：環境への影響を 小限に抑え、毒ヘビ等からキャンプ場の利用者と

従業員の安全を確保すること。 · 仕様：木造、管理棟－食堂集会棟間、食堂集会棟－各常設テント・シャワ

ー施設間までの総延長約 200ｍ、幅 120 ㎝、高さ 20～40 ㎝。木道下に水

道管・電気配線が設置されている。 · 施工の工夫：キャンプサイト内の倒木を活用した。

来客用駐車場 · 乗用車５台駐車可能。

（７）その他

キャンプ場の備品であるテーブル、イスなどの家具類は、アンドレシートの特徴、木材

資源の有効活用、地元の人材雇用、デザインの統一という観点から地元の職人に制作を発

注した。特注家具は以下の通りである。

表 1.10 主な備品一覧

施設名 備品名 数量

食堂集会棟用 円形のテーブル・イス（３人用） ２セット

食事用テーブル・イス（６人用） ４セット

カウンターバー・イス １セット（イス３脚）

サイドテーブル ３基

長椅子（２人用） ２基

陳列棚 １基

シャワー室用衣装がけ ２基

トイレ・シャワー室用小棚 ８基

常設テント用 シングルベット 20 基（各テント４基）

衣装収納棚 20 基（各テント４基）

小型テーブル 10 基（各テント２基）

キャンプ場正門入口に「エコロッジ・カブレイ」の看板１枚（関係４機関のロゴマーク

入り）と、キャンプ場敷地周辺に木製の看板５枚を設置した。

なお正門上部には、地元の人より寄贈された木製看板１枚（日本語で「プロジェクト・

カブレイ」の文字が刻まれている）を設置した。

パイロット事業 - 14

１．３ キャンプ場の管理運営（オペレーション）プログラム

（１）概要と留意事項

キャンプ場の管理運営の方向性と計画は、以下の基準に配慮した。

· 管理運営コストは、スタッフの研修によって低減する。

· 訪問者の満足度は、サービスと全体的な質によって向上させる。

· 資機材及び施設の維持管理作業は、既存の資源（人的資源、投入品など）を

適に利用する。

· 必要な物品（清掃用具、食品、文房具、燃料等）の購入と管理は、環境に配

慮して決定する。

· 可能な限り環境にやさしい商品を購入する（リサイクル用品又はリサイクル

可能なもの、有機商品、低公害商品など）

· 管理上障害となる動植物は、環境にやさしい対策によってコントロールする。

管理運営プログラムには、以下のサブ･プログラムを計画した。

Ａ．人材の管理と研修 Ｂ．経営 Ｃ．プロモーション及び販売 Ｄ．ビジター対応 Ｅ．アクティビティ Ｆ．食事に関する調査、開発、実施 Ｇ．維持管理 Ｈ．環境影響に関するコントロールとモニタリング

（２）サブ・プログラム

Ａ．人材の管理と研修

Ａ－１．人材管理

エコロッジで業務を行うスタッフの人材管理に関する計画及び結果を以下に示す。

表 1.11 人材管理

項 目 計 画 結 果

選考、配属、研

修 作業チームの形成は、スタ

ッフの選考、研修、契約の

ときに明確にする。 各スタッフの作業、責任を

明確にする。

中間評価以後、エコロッジ管理の主責任機関、

副責任機関を明確にし、実施関係職員の責任を

明確にした。また、民間が提供できるサービス

は、CTSA に委託することにした。実施機関職

員以外のスタッフについては、研修を受けるこ

と又は明確な契約を締結することを条件とし

た。配属は、研修を通じての適正から定めた。 動機付け 快適な作業環境と創造力

を高めるため、スタッフへ

CTSA スタッフについては、研修及びモニタリ

ングツアーによる実践を通じて、創造力とイン

パイロット事業 - 15

項 目 計 画 結 果

のインセンティブと意思

決定の参加機会を提供す

る。

センティブを高めた。MERNRyT は CTSA の設

立、計画へ助言を行い、実施に協力し、MCA は、

CTSA へ事務所利用に便宜を図ることで、スタ

ッフの動機付けを行った。 リーダーシップ 適切なリーダーを選考す

る。 MERNRyT よりダイレクター、MCA より副ダイ

レクターを選出した。CTSA では、エコツーリ

ズムに経験が豊富な人材が代表に選出された。 コミュニケーシ

ョン 上司と部下の双方向の明

確な伝達経路を確立する。 スタッフと外部者（訪問

者、業者、その他観光活動

をする代表者など）とのコ

ミュニケーション能力を

高める。

実施機関職員同士の間では、明確な伝達経路を

確立した。また外部者とのコミュニケーション

能力は、研修や実践を通じて向上された。 但し、合意形成については、実施機関職員同士

でいくつかの障害があり、決定を遅らせる原因

となった。

研修 作業の改善と 新の情報

を学ぶこと。インセンティ

ブを高めること考慮する。

2005 年度は幅広い地域住民に対し研修機会を

提供し、2006 年度はその中でも特にモチベーシ

ョンの高い地域住民（主に実践者）及び CTSAスタッフに対して研修を行った。

エコロッジで管理運営業務に携わったスタッフは以下の通りである（ＪＩＣＡ専門家を

除く）。

表 1.12 主なスタッフ一覧

所 属 氏 名 業 務（業務期間）

MERNRyT カマラ・ウーゴ 総合管理（12 ヵ月）

ベルトット・パウラ 総合管理補佐（9 ヶ月）

ダ・ロサ・マベル 州有地管理、訪問者案内（12 ヵ月）

シュローデル・モニカ 同上（9 ヶ月）

アビルドガルド・ガブリエル 同上（6 ヶ月）

アルサメンディア・エステバン 同上（5 ヶ月）

MCA アアプ・マルセロ 総合管理補佐（12 ヵ月）

ボガード・マウリシオ 研修企画、訪問者案内（12 ヵ月）

スアレス・レジナルド 夜間警備（7 ヶ月）

ゴメス・ミゲル 夜間警備（2 ヶ月）

JICA 藤園大悟 総合管理補佐（12 ヵ月）

クルトゥリ・マルセロ 自然資源管理・資器材管理（12 ヵ月）

サムディオ・バシリオ 環境教育補佐（1 ヶ月）

CTSA ポナ・アンドレア 施設維持管理、食事提供（12 ヵ月）

バレラ・サンドラ 調理（イベント毎）

パイロット事業 - 16

所 属 氏 名 業 務（業務期間）

ゴンサレス・リカルド 夜間警備（3 ヶ月）

ラダエリ・サンドラ 清掃（3 ヶ月）

注）業務期間は、キャンプ場開所式が行われた翌月の 2005 年 12 月から 2006 年 12 月現在までの在任月数。

Ａ－２．研修

研修は以下の点に留意して実施した。

· 必要性に基づく現状分析により企画する。

· 公的な教育機関による認定を重視する。

· 参加型プロセスと学際的な要素を考慮する。

· ビジネスマインドを強化する。

· フォーマル、インフォーマルな教育を考慮する。

· 実践的な研修を重視する。

初年度に提案された研修の構成と結果の概要を表1.13に示す。但し実際の研修は、計画時

におけるタイトルと一致していないため、ここでは○、△、×の三段階で結果を示し、そ

の詳細は表1.14に示す。計画されたものは、部分的なものも含めすべて実施された。

表 1.13 研修コース

研修コース案 計 画 結果

地域の自然及び文化的な遺産に関する概論 ○

環境教育とインタープリテーション技術に関する概論 ○

パラナ密林に関する概論（環境、動植物相） ○

地域のガイド／イ

ンタープリター養

成のための研修コ

ース グループ管理、安全対策、応急措置に関する技術 △

ホテル及び観光のマーケティングと経営の基本原則（購入、

保管、コスト管理含む

△

共同利用スペースと個別スペースの維持管理と準備 ○

テーブルサービス ○

サービスと経営に

関する人材育成の

ための研修コース

調理（食材の取り扱いを含む） ○

接客 ○

サービスの質 ○

観光の概論 ○

共通科目

英語及び（又は）その他の言語 △

注）○：実施、△：部分的に実施、×：未実施

パイロット事業 - 17

表 1.14 パイロット事業の研修一覧 タイトル

講師／担当職員

年度 月 日

参加者数

（人） 内 容 場 所

マウンテンバイク研修 ゴンザレス・グスタボ／ボガード・

マウリシオ

2005 7 月 1～3 日 18 マウンテンバイクの理論・事例 マウンテンバイク実習他

アンドレシート市会議

室、アンドレシート市

内各地

8 月 25 日 54 パイロット事業及び環境教育の概要と環境インタープリテ

ーションに必要な要素

市民図書館

8 月 27 日 40 インタープリテーションの理論と技術、地域資源理解のため

の実習

エコロッジ

環境インタープリテーション研修

講師兼担当職員カマラ・ウーゴ

9 月１日 45 コミュニケーションとインタープリテーションのテーマ設

定について 市民図書館

9 月 3 日 39 プレゼンテーションの方法について エコロッジ

9 月 8 日 45 インタープリテーションで解説するための情報収集と整理

方法について 市民図書館

9 月 15 日 26 看板づくりと観光客受入のプログラムづくりについて 同上

9 月 17 日 10 プログラム実施予定地の紹介 同上

9 月 22 日 24 アイデアのまとめ方 同上

9 月 24 日 ９ アイデアのまとめ（グループワーク） 同上

9 月 29 日 24 アイデアのまとめ（グループワーク） 同上

10 月 6 日 20 散策路の計画とグループワーク 同上

10 月 8 日 20 散策路の計画 同上

10 月 13 日 24 散策路の計画とグループワーク 同上

パイロット事業

- 17

パイロット事業 - 18

タイトル

講師／担当職員

年度 月 日

参加者数

（人） 内 容 場 所

10 月 15 日 20 看板作成方法 エコロッジ

10 月 20 日 24 グループワーク 市民図書館

10 月 22 日 23 グループワーク 同上

10 月 27 日 24 グループワーク 同上

10 月 29 日 24 ガイド案提出・紹介 同上

11 月 10 日 24 モニタリングツアープログラム検討 同上

11 月 12 日 23 同上 同上

11 月 29 日 21 修了証書授与 エコロッジ

経営・サービス（食事関連）研修 ベンハミン・ホス／ボガード・マウ

リシオ

2006 年 2 月 17、18 日

31 食品衛生、食品の取扱い 飲食店経営、接客対応 他

同上

2006 5 月 13 日 ７ マテ茶に関するインタープリテーション実習 エコロッジ、CYA インタープリテーション研修 講師兼担当ベルトット・パウラ

5 月 21 日 ４ 同上 同上

6 月 4 日 ３ ウルグアイ州立公園におけるインタープリテーション実習 PPU

6 月 17 日 ２ 薬用植物に関するインタープリテーション実習 ラス・ビーニャス

6 月 21 日 １ マテ茶に関するインタープリテーション実習 同上

観光業経営と組織について

講師兼担当クレマール・アリエル

（MERNRyT）

6 月 26、27 日 20 観光業の事例紹介

観光経営と組織の作り方 市場リサーチとマーケティング 他

市民図書館

自然観察研修（主に野鳥観察につい

て） 7 月 7、8 日 16 エコツーリズムについて

野外活動、道具の使い方 エコロッジ

パイロット事業

- 18

パイロット事業 - 19

タイトル

講師／担当職員

年度 月 日

参加者数

（人） 内 容 場 所

カステリーノ・ミゲール／カマラ・

ウーゴ エコツーリズムに活用できる野鳥リストの作成 他

サービス研修１（食事関係）

リオス・ウーゴ／カマラ・ウーゴ

8 月 6、7 日 12 接客の品質

ホールにおけるテーブルの設置方法について ホールにおける従業員の配置、および統制方法について 他

エコロッジ、市民図書

館

サービス研修２（宿泊関係） カブラル・カルメン／カマラ・ウー

ゴ

8 月 6、7 日 9 宿泊施設内のサービス 接客マナーと運営について

ベットメーキング 他

同上

薬用植物研修

講師兼職員エレラ・フスト（APN）

8 月 11、12 日 17 植物の同定に必要な基礎知識

薬用植物について イグアス地域に見られる代表的な植物リストの作成 他

エコロッジ

施設維持管理研修 ベック・リリアン／カマラ・ウーゴ

10 月７日 10 エコロッジの建築方法、日本の事例紹介 同上

農産物研修

講師兼職員ベルトット・パウラ

10 月 28 日 15 アンドレシート市の代表的農産物であるマテ茶の解説と

CYA の工場見学

エコロッジ、CYA

パイロット事業

- 19

パイロット事業 - 20

Ｂ．経営

エコロッジの経営（収入と支出の管理、購入方針、スタッフの給料、電話や電気などの

定期的な支出等）及びその他のエコロッジの機能について取り扱う。結果の概要は以下の

通りである。

表1.15 経営に関する結果

項 目 結 果

収入と支出の管理 エコロッジの収入は、州立公園レンジャーが常駐する管理棟に係る経費

（政府予算）を除き、ＪＩＣＡ現地業務費における消耗品費、施設維持管

理費、現地研修費（食事提供時）及び日本人のモニタリングツアー実施に

おける収入により賄われた。支出は、必要に応じて実施機関と協議のうえ

決定された。 購入方針 地元の資源を有効活用し、経済効果を高めるため、原則としてアンドレシ

ート市内の業者から購入した。 スタッフの給料 実施機関職員以外のスタッフの給料、諸手当は、モニタリングツアー実施

による収入及びＪＩＣＡ現地業務費の傭人費、施設維持管理費により支給

された。 通信費 エコロッジに設置されているパソコンのインターネット使用料はＪＩＣ

Ａ現地業務費の通信運搬費により支出された。 電話代（携帯電話）は、各スタッフがそれぞれ負担した。

水光熱費 飲料水は、モニタリングツアー実施における収入より支出された。プロジ

ェクト期間中の電気代は、EMSAより無償提供された。 施設維持管理費 施設の維持、補修等に必要な経費は、モニタリングツアー実施における収

入とＪＩＣＡ現地業務の施設維持管理費より支出された。 税金 エコロッジはMERNRyTの敷地内にあり、固定資産税は免除されている。

エコロッジで働く実施機関職員以外のスタッフは、個人事業登録してお

り、収益事業に対する税金は、収入のある人が直接納税した。 保険 エコロッジで働くすべてのスタッフには、保険への加入が義務付けられて

いる。

Ｃ．プロモーション及び販売

エコロッジのプロモーション計画、予約管理、販売前後の対応を含む顧客（個人及び法

人）とエコロッジの関係について取り扱う。また、エコロッジのプロモーション用パンフ

レットの準備と発送や、提供されるサービスに対する顧客の満足度調査も行う。

表1.16 プロモーション及び販売の結果

項 目 結 果

プロモーション計画と

実施 エコロッジを紹介するために、プエルト・イグアス市で発行される観

光雑誌の2005年7月版（10,000部発行）に広告Ａ５版１ページを掲載し

た。デザインはMERNRyT職員が担当し、経費はＪＩＣＡが負担した。 2006年2月に、アンドレシート市と同様の課題（自然環境保全と地域開

発）を抱える自治体職員をエコロッジに招待し、モニタリングツアー

及びそれら自治体へのプロモーション活動を実施した。

パイロット事業 - 21

項 目 結 果

予約管理 エコロッジの宿泊予約は、電子メールによりエコロッジのダイレクタ

ー（MERNRyT職員）を通じて行われた。 顧客との関係 モニタリングツアーによって訪問した顧客の氏名・電子メールアドレ

ス等の個人情報（約100人分）は、エコロッジのダイレクターによって

管理されている。 プロモーション用パン

フレットの準備と発送 2006年度にエコロッジのプロモーション用パンフレット2000部を作成

した。そのうち１／３は国際観光フェア（2006年11月25-28日）にて

MCAとMERNRyTの職員が配布し、２／３は実施機関職員とCTSAメン

バーが配布した。 顧客の満足度 顧客の満足度はモニタリングツアーにおけるアンケートによって調査

された。 このうちエコロッジの宿泊に関して回答した人数は約50人である。そ

れによる満足度は概ね良好であるが、利用規則の明確化、安全対策な

どに不満や不安の意見があり、今後に改善が必要とされる。

Ｄ．ビジター対応

ビジター対応とは、情報提供（概要、動植物、各種時間帯、規則、その他）、清掃、食堂

集会棟の利用の調整、常設テントの利用等、エコロッジに滞在する訪問客（ビジター）に

対するサービスを扱う。結果は以下の通りである。

表1.17 ビジター対応実績

項 目 結 果

情報提供 一般訪問者に対する日常的な情報提供（エコロッジ内の案内）は、主に

エコロッジに駐在する州立公園レンジャー等のMERNRyT職員が行った。

2005年12月下旬から2007年1月までの約1年間におけるエコロッジ訪問客

数は約1,000名で、日本やアルゼンチン国内各地だけでなく、他の中南米

諸国、ヨーロッパからのビジターに対しても情報提供を行った。 清掃 清掃は、日常的には2006年12月までＪＩＣＡ現地業務従事者が行い、ツ

アー客の受入れ時など、収入のある場合はCTSAメンバーが行った。また

MCAが特別に宿泊客を招待する場合は、MCAが清掃を行った。 食堂集会棟の調整 利用者の要請に応じて、ダイレクター及び駐在する州立公園レンジャー

が利用の調整を行った。 常設テントの利用 宿泊客の要請に応じて、ダイレクターが宿泊するテントの割り振りを行

った。

Ｅ．アクティビティ

主にMERNRyTとMCAが中心となり、観光、レクリエーション、その他の特別活動（研修、

環境教育など）に関する企画と各種アクティビティを提供した。さらに外部機関により提

供される活動や、安全対策、事前準備、活動に使用される機材の保管と管理を行った。

パイロット事業を通じて実現可能性が検討されたアクティビティ数は 10 である。このう

ち、プロジェクト対象地域内（約２万 ha の民有地及び州立保護区）で商品化されているプ

パイロット事業 - 22

ログラムは１～４である。

1. グアラニーの手工芸品製作体験と集落訪問（エコロッジ及ぶカグイ・ポラ）

2. マテ茶畑とマテ工場の見学（CYA）

3. ウルグアイ州立公園（PPU）散策

4. マウンテンバイク（ペニンスラ地区他）

5. カヌー＆カヤック（イグアス川）

6. 薬用植物見学（ラス・ビーニャス）

7. 乗馬体験（サン・セバスチャン・デ・ラ・セルバ）

8. 自然観察ナイトツアー（同上）

9. 料理体験（エコロッジ）

10. 地域住民との交流会（EFA）

エコロッジを拠点として実施を検討しているアクティビティは以下の通りである。これ

らの活動は雨天時に中止されることがあるため、代替アクティビティとして、エコロッジ

におけるグアラニーの手工芸品製作体験、料理体験が検討されている。

表 1.18 アクティビティリスト

マテ茶 ミシオネス密林の巨

大な草 森の中の薬局 イグアス川カヌー

目的 アンドレシート市

の主要産業である

マテ茶の歴史や生

成過程を通じて、自

然環境に適した産

業と文化を知る。

竹についての生態を

知り、竹が自然環境に

果たす役割とその活

用方法を知る。

パラナ密林に自生す

る薬草について学ぶ。 イグアス川、その河

畔や中州の自然環

境を知る。

内容 マテ茶の飲み方、生

産方法、歴史やその

効用について解説。 エ コ ロ ッ ジ か ら

CYA までの散策、マ

テ茶園の見学、マテ

の収穫体験、CYA 見

学、生産品の試飲。

ウルグアイ州立公園

内の散策路（3,250ｍ）

沿いに自生する竹を

テーマに、その生態や

活用方法などを解説

するもの。

個人農家が経営する

観光農園ラス・ビーニ

ャスにおいて、そこで

栽培されている薬草

やその商品を解説す

るもの。

ラ・ブランキッタ地

区からペニンスラ

地区までのイグア

ス川約20km間をカ

ヌーで航行する。 途中、水上からの自

然観察を行う。

実施場所 エコロッジ、CYA ウルグアイ州立公園 ラス･ビーニャス イグアス川（ラ・ブ

ランキッタ地区か

らペニンスラ地区

まで）

所要時間（移

動時間除く）

２時間 30 分 ３時間 50 分 ２時間 40 分 ４時間 30 分

ガイド料金 国内＄50

外国人＄70

国内＄50

外国人＄70

国内＄50

外国人＄70

国内＄50

外国人＄70

パイロット事業 - 23

マテ茶 ミシオネス密林の巨

大な草 森の中の薬局 イグアス川カヌー

実施日 月曜日～土曜日（午

前）

09:00 – 12:00、15:00 – 19:00

無休 08:00 – 19:00

要予約 08:00 – 11:00、15:00 –

19:00

要予約

特記事項 マテ茶の収穫、乾燥

その他、季節的な製

造過程により工場

内で見学できる内

容は異なる。 エコロッジより徒

歩 30 分。

エコロッジより車で

約 40 分。 エコロッジより車で

約 15 分。 エコロッジより車

で約 15 分。

出典：CTSA提供の資料より作成

Ｆ．食事に関する調査、開発、実施

地域の料理と訪問者の好みに基づいたメニューの調査と開発を取り扱う。食事提供は、

観光客にとって重要なモチベーションになるため、サブ･プログラムとして実施した。

モニタリングツアーにより提供された主なメニューは以下の通りである。

表1.19 エコロッジにおける主なメニューリスト

メニュー名 食材

アサード・クリオージョ・アル・エスペト（クリオー

ジョ風串焼） 牛肉、キャッサバ、レタス、ビート、

ニンジン ポジョ・アル・オルノ（鶏肉のオーブン焼）（野菜サラ

ダ付） 鶏肉、ジャガイモ、レタス、トマト、

タマネギ、キュウリ サパジトス・レジェノス（かぼちゃの肉詰め）（野菜サ

ラダ付） カボチャ、牛肉、レタス、トマト、タ

マネギ ペスカド・ア・ラ・パリージャ（焼き魚） 魚、ジャガイモ、緑黄野菜

カルネ・デ・セドロ・アル・エスペト（豚肉の串焼き） 豚肉、キャッサバ、キャベツ、トマト、

ニンジン カネロネス・デ・ベルドゥラ（野菜パスタ）（ホワイト

ソース又はクリオージョソース）（野菜サラダ付） パスタ、レタス、トマト

ラザニア 牛肉、トウモロコシ他

ポジョ・アル・エスペト（鶏肉の串焼き）（野菜サラダ

付） 鶏肉、キャベツ、キュウリ、ビート

Ｇ．維持管理

このサブ・プログラムは、施設と機材の維持管理を取り扱う。エコロッジ完成後に発生

した施設維持管理上の課題とその対策は以下の通りである。

パイロット事業 - 24

表1.20 主なエコロッジ維持管理対策記録

維持管理上の課題 講じられた対策

管理棟の役割 2005年12月まで管理棟は、施設維持管理を目的として工事関係者及び

業務従事者が常駐していた。しかし中間評価における役割分担の提言

を受け、州立公園レンジャー２名が常駐することになった。また、エ

コロッジ全般の管理に必要な機材の保管場所、施設維持のための作業

場として一部を利用している。 食堂集会棟における壁

面の歪み 食堂集会棟に吹きつける強風及び木材の乾燥過程における歪みの影響

で、壁面の一部が歪んだため、2006年5月に補強工事を行った。 給水設備 2005年11月に実施したモニタリングツアーによって、エコロッジの給

水設備に異常が確認された。これは、2005年度工事のシャワー施設建

設時の貯水タンク設置に伴う水の供給管と配水管の混同が原因であ

る。そこで2006年7月に補修工事を行った。 配電 食堂集会棟と常設テントをつなぐ木道に設置された照明が頻繁に消え

た。これは木道を歩行する際に生じる揺れが原因だったため、木道と

照明器具を分けるための工事を行った（2006年8月）。 トイレ・シャワー室に

おける虫対策 食堂集会棟のトイレ・シャワー室（男女用各１）に昆虫が入り込み毎

日の清掃作業が困難になったため、2006年6月、網戸を設置した。これ

により昆虫の侵入は大幅に減少した。 食堂集会棟デッキの屋

根 食堂集会棟の南側に設置されたデッキの屋根が、強風及び豪雨の影響

で壊れたため、2006年6月、補修工事を行った。

Ｈ．環境影響に関するコントロールとモニタリング

エコロッジのオペレーションによって起こる環境への影響について、予測し、コントロ

ール及びモニタリングすることが提案された。

表1.21 環境対策一覧

環境上の課題 講じられた対策

常設テントの暑さ対策 夏期の日中における常設テント内の室温が30～35℃と高温になった。

特に開放的空間に設置された３棟は、森林内に設置された２棟に比べ

３℃ほど室温が高かった。そこで、室温の高い３棟の屋根に、2006年1月～5月にかけて、ヤシ科植物の葉を利用した覆いをかけた。この手法

は先住民グアラニーの技術による。しかし2006年11月、素材の腐食と

強風により覆いが壊れたため、その後撤去した。 工事による地表面の露

出とその回復 工事に伴いエコロッジ内の地表面が露出したため、2005年11月に在来

種を植林した。一部は立入りを規制して自然回復させた。 生ゴミ処理 エコロッジで発生する生ゴミを肥料に活用できるよう、2006年2月、生

ゴミコンポストを設置した。 エコロッジ周辺の密

猟、盗伐 エコロッジの敷地周辺の森林で、盗伐や密猟の形跡があったため、州

立公園レンジャーにより巡回が行われた。

パイロット事業 - 25

１．４ 地域との連携のプログラム

このプログラムでは、本プロジェクトと、地域の観光業界、ＮＧＯ、公共機関などとの

連携方法について取り扱う。研修会やモニタリングツアーの実施を通じて地域との連携方

法について検討した。

（１）モニタリングツアーを通じた地域との連携

モニタリングツアーのうち、計画的に日本人を招聘した第１回（2004年11月）、第３回（2005

年11月）、第９回（2006年11月－12月）において、パイロット事業における地域との連携方

法を検討した。モニタリングツアーに参加した機関とその内容は以下の通りである。各機

関の詳細な情報は別添に記す。

表 1.22 パイロット事業参加状況

目標値 カテゴリー 参加状況 第１回 第３回 第９回

８機関 サン･セバスチャン・デ・ラ・セ

ルバ ○ ○ ○

食事・宿泊（目標

３～４機関） サルト･エスコンディード ○

ラ・ファミリア ○ ロ・デ・ワルテル ○ ○ フェリア・フランカ ○ ロス・ロブレス ○ ○

アンドレシート・マテ茶組合

（CYA） ○ ○ ○

家族農学校（EFA） ○ ○ ○

プログラム提供

（目標３～４機

関） サン･セバスチャン・デ・ラ・セ

ルバ ○ ○ ○

コンセルバシオン・アルヘンティ

ーナ（CA） ○ ○ ○

CTSA ※ ○

移動手段（目標１

～２機関） イタティ ○

90 名 施設施工関係者

（目標 20 名） 20 名

パイロット事業施設の建設、維持管理において直接作業

に関わり、プロジェクトの主旨について説明を受けた人

数を示す。

研修参加者（目標

50 名） 50 名

2005 年 9 月～11 月の研修修了証書授与者数とその後第

三年次までの研修に参加した人数（1 回以上参加）の合

計を示す。

プログラム提供

者（目標 20 名） 20 名

プログラムを提供した機関のオーナー、職員あるいは各

種アクティビティのガイド、引率者の合計を示す。

※ CTSAの前身となるパイロット事業研修生グループが参加した。

パイロット事業 - 26

（２）地域との連携のメカニズム

地域との連携は、透明性、公平性、持続性、裨益効果等の観点から、モニタリングツア

ー等を通じて検討した。その結果、エコロッジの運営管理、地域との連携を図るためには、

実施機関が法的資格を有する公共団体と契約することが 良であるとの結論に至った

（2006 年 2 月臨時合同調整委員会にて）。

そこで本プロジェクトでは、アンドレシート市内在住者でエコツーリズム開発に関心の

ある人たちによる観光サービス協同組合の形成を促し、そこと契約することでエコロッジ

の運管管理および地域との連携を促進する仕組を提案した。

協同組合の概要は以下の通りである。

表1.23 協同組合の概要

正式名称 セルバ・アデントロ観光サービス協同組合（CTSA）

設立年月日 2006年2月26日

目的 · 団体旅行、個人旅行、観光活動、余暇活動のコーディネート及び観光客

の誘致。 · 国内、国外における交通手段（自動車）の提供。 · 観光用手工芸品の製作と宣伝。 · 観光関係者の研修。 · 環境保全活動の促進。 · 地域社会の持続的な開発に対する提案の作成。 · その他

組合員数 11人 代表：ラプチュック・マリオ 会計：ポナ・アンドレア 書記：ビレラ・ルベン

提供する主なサ

ービス · インタープリテーション、ガイド · 交通手段（自動車） · エコロッジにおける食事 · エコロッジの清掃・整理整頓 · 施設・設備の維持管理

パイロット事業 - 27

２．パイロット事業の経営体制 ２．１ エコロッジの経営システム

（１）組織と役割

エコロッジ・カブレイを経営するための組織と役割は以下の通りとした。

表2.1 エコロッジの経営体制

役職名 機能・役割

経営審議会

構成：MERNRyT、MCA、CTSA 役割：エコロッジのダイレクターと管理者による活動に協力し、

監督すること。月例会議を開催する。 ダイレクター 代表：MERNRyT 副代表：MCA

· 全体の業務調整 · 管理者の指導 · 活動の記録とモニタリングの実施 · 民間への経験の紹介 · 生産物の開発 · 計画の策定 · 運営マニュアルの作成 · 関係機関との調整 · プロモーション及びマーケティング · 研修の実施 · 法的手続き · その他

管理者 · 承認された計画に基づくエコロッジの管理運営 · 予約の管理 · 就業時間の管理 · 旅行業者との連携 · 物品資材購入 · 雇用契約 · プロモーション及び販売

警備及び管理運営補佐 MERNRyT、MCA

· 周辺環境の監視 · エコロッジの管理運営補佐 · 施設・機材の維持管理 · 食堂集会棟及び宿泊エリアの警備 · エコロッジ宿泊者の夜間対応

サービス担当 · 料理 · 接客サービス · 受付

アクティビティ担当 · 交通手段 · アクティビティの調整 · グループ管理 · 特別イベント

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（２）実施機関と民間セクターとの関係

エコロッジにおける収益事業は、実施機関を代表するMERNRyTと民間セクターからなる

CTSAとの契約に基づき行う。その手続き及び委託内容は以下の通りである。

■ 手続

· MERNRyT は CTSA と業務委託に関する協定を結ぶ。

· CTSA は協定に基づき業務計画を作成し、実施する。

· 運営上の問題は、ダイレクターが検討し、解決策を経営審議会に提出する。

· 事業実施に関する計画は、すべて経営審議会に報告する。

表 2.2 委託内容

委託項目 内 容

１．宣伝・販売

管理者は、宣伝用パンフレットの発行、HP 管理、アクティビティ担当

者と連携し、定期的にエコロッジの宣伝を行う。 ２．エコロッジの予約の受付と問い合わせ対応

A 予約の種類 予約とは、観光客からの事前の連絡で、日程とサービスが決まってい

ることをいう。 ダイレクターと CTSA は、両者によって構成される予約受付部門を設

置する。この部門は、予約受付、確認、予約されたサービスに連絡す

る唯一の部門となる。 仮予約：依頼したサービスに対する支払がなされていない状態。 本予約：前払がされている状態。

B 予約の方法 電子メール：責任者によって常に確認されるメールアドレスを開設し、

これを唯一の予約受付の窓口とする。 メールアドレス(informes@ecolodgecaburei.com.ar)

C 問合せ対応 観光客からの問合せは、基本的に HP からのメールで対応する。 返答には、雛形をつくり、すぐに返答する。

３．サービスの提供

A 宿泊テントの清

掃、ベットメーキ

ング

管理者は予約状況を確認し、準備すべきテントの清掃をサービス担当

に指示する。基本的な労働時間はチェックアウトから 12:00 まで。清

掃の確認は管理者が行う。 B 公共利用場の清掃 管理者はサービス担当に清掃時間を指示する。基本的な労働時間はチ

ェックアウトから 12:00 まで。特別な場合は調整する。 C 食事の提供 管理者はサービス担当に、人数、時間を指示する。サービス担当は、

人数に合わせて、食材の購入、アシスタントの手配を行う。 D 寝具・食品用品な

どの洗濯と管理 管理者は、テントの清掃が終了した時点で、リネンをまとめ、洗濯に

出す。洗濯をする人は、CTSA に所属するものとする。担当者は、エ

コロッジにあるリネンを 13:00 に回収し、48 時間以内にエコロッジへ

返す。 E 訪問客の受け入れ

と案内 管理者とアクティビティ担当は、パッケージを購入する観光客の受け

入れを行う。アクティビティ担当は、CTSA 所属の車両提供者と連絡

を取り、エコロッジ到着時間を確認する。エコロッジ着後、アクティ

ビティ担当が案内する。

パイロット事業 - 29

委託項目 内 容

予定されていない観光客への対応は管理者が行い、宿泊エリアの利用

状況・予約状況に配慮し、決定する。観光客が活動を希望する場合は、

アクティビティ担当に連絡し、調整する。食事サービス等を希望する

場合は、サービス担当に連絡する。 F 観光プログラムの

提供 アクティビティ担当が責任を持ち、以下のアクティビティの調整を行

う（時間の確認、各種手配等）。 １． ウルグアイ州立公園（PPU）散策 ２． カヌー＆カヤック体験（イグアス川） ３． グアラニー集落訪問 ４． マテ茶畑とマテ茶工場の見学 ５． 薬用植物見学

４．料金の請求と資金管理

A 料金の設定 料金は以下の 4 つのカテゴリーで設定する。 １． ガイド・貸出：アクティビティに必要なガイド、機材の貸出。 ２． 交通：事前に決められた２区間の観光客を輸送するサービス。

料金はキロメートル単位で算出される。 ３． 宿泊：エコロッジでの宿泊、トイレ・入浴施設、公共広場の

利用、駐車場などの施設使用、寝具およびタオル等リネンの使

用を含む。料金は、チェック・インから翌日の 10 時半までとす

る。 ４． 食堂：エコロッジで提供される食事、朝食・昼食・夕食、ま

た、エコロッジ内での飲料品、プログラムのために携帯される

食事を含む。請求書は、サービス担当が翌日の 9 時半までに管

理者へ提出する。 各サービス提供者は、自分のサービスのコストを算出し、料金を設定

する。管理者は各サービスの料金を把握し、パッケージの料金を設定

する。その際以下の点を考慮し、利益率を設定する。 シーズン：国立公園の観光シーズンの基準を採用する。観光シーズン

には、来訪客の数をコントロールする意味を含め、割り増しに設定す

る。

販売ルートの分類：観光客への直接販売と、観光会社を通じて行われ

る販売とに分けられる。観光会社による販売は、各観光会社との契約

に従って決められたパーセンテージを手数料として支払う。

観光客の分類：次のように分類する。 １．メルコスール地域以外の国外旅行者 ２．近隣国と州以外の国内旅行者 ３．州内の旅行者

予約の際に国籍や居住地などを確認する。

パイロット事業 - 30

委託項目 内 容

観光客の種類：学生、研究者もしくはプロジェクト参加機関の関係者

などに対しては、特別な料金を設定する。その際、サービスの内容に

ついても変更する。学生や研究者などには、予約時に自分達の関心を

証明することを義務付ける。

マスコミ対応：個人事業の宣伝を目的とする場合を除き、アンドレシ

ート観光の宣伝を目的とする観光会社又はマスコミ等に対して、その

費用をエコロッジが負担する場合もある。その際、その観光会社・マ

スコミはその旨を証明しなければならない。 B 料金の請求 支払は、予約時に発生する前払、および退所時に発生する後払いの２

種類とする。支払方法は、現金、小切手、銀行振込とする。 前払は基本的に銀行振込とする。エコロッジでの支払いは基本的に現

金もしくは小切手とする。将来的にはカードでの支払を可能にする。 終的な精算は、各サービス提供者が管理者に請求書を提出し、管理

者又はその代理が、観光客へ一括請求する。 C 資金管理 支払われた金額は、管理者が一時管理する。その後、提供されたサー

ビスのリストと共に CTSA の会計に渡される。この作業は、現金の受

け取りから８時間以内に行うものとする。

表 2.3 MERNRyT の業務

業務項目 内 容

業務の管理 MERNRyT より管理責任者を任命し、CTSA と共に観光業務を行う。

施設の維持管理 施設全般の維持管理及び安全管理を行う。

保護区の管理 州立公園レンジャーを配置し、エコロッジ敷地とその周辺の自然環境管

理を行う。

２．２ 業務マニュアル

担当ごとの業務内容を明確にするため、業務マニュアルを作成する。

表 2.4 業務マニュアル

担当者 業務マニュアル名 目 的

管理者 A. 来訪者受付・応対マニ

ュアル 来訪者を４つに区分し、区分ごとの受付・応対業務

を定める。区分に当てはまらない場合は、

MERNRyT 責任者と適宜協議の上対応を決める。

B. 施設・備品利用（管理）

マニュアル 施設・備品を２つに区分し、区分ごとの利用（管理）

業務を定める。

C. 点検マニュアル 毎日行うべき点検を２つに区分し、区分ごとの点検

業務を定める。

D. 非常時対応マニュアル 管理者が非常時対応の責任者となり、レンジャーを

含むすべての業務従事者の対応方法を定める。

パイロット事業 - 31

担当者 業務マニュアル名 目 的

施設担当者 E. 施設・備品管理マニュ

アル 日常点検、定期点検、補修について、施設担当者の

業務を定める。 警備担当者 F. 夜間警備・夜間応対マ

ニュアル 夜間における警備および応対の業務について定め

る。

Ａ．来訪者受付・応対マニュアル

区 分 定 義

１．一般訪問者 宿泊を伴わない一般訪問者（見学希望者含む）。

２．研修・会議出席者 実施機関及び許可を与えられた組織による会議、研修、イベント

への参加者。

３．宿泊・観光客 宿泊客およびエコロッジ主催のエコツーリズムプログラムへの

参加者（観光客）。

４．報道関係者 新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどの取材を目的とする者。

区 分 受付・応対方法

１．一般訪問者 日時：月曜日～金曜日、09:00 – 18:00（祝祭日を除く）

責任者：管理者

方法：

· 訪問者受け入れの原則（注意事項）を確認する。

· 訪問者の氏名・住所等を来訪者帳簿に記入してもらう。

· 訪問者が施設の案内を希望する場合は同行し、以下の項目を

説明する。

・ エコロッジの目的、経緯

・ 常設テントの構造

・ 食堂集会棟

・ シャワー施設および入浴施設

・ 木道からの簡単なインタープリテーション

・ その他

· 食堂集会棟のトイレは使用を許可する。ただしシャワー施

設、調理室、休息を目的とした常設テントの使用は許可しな

い。

· 写真撮影は、営業目的の場合を除き許可する。

· 忘れ物、施設の破損等の確認を行い、発見した場合は規約に

沿って対処する。

パイロット事業 - 32

区 分 受付・応対方法

２．研修・会議出席者 日時：月曜日～金曜日、09:00 – 18:00（祝祭日を除く）。土日、祝

祭日、時間外使用の場合は、MERNRyT 担当者の許可を得る。

責任者：管理者

方法：

· 事前に提出された申請内容を確認し、入園、施設および備品

の使用を許可する。(施設・備品管理マニュアル参照)

· 施設、備品の使用上の注意を確認し、提供する。

· 利用者の活動中はエコロッジ内で待機し、利用者の要望やト

ラブルに対処する。止むを得ず管理者が不在になる場合は、

他の担当者に代理を依頼する。

· 利用終了後は、貸出し備品の回収、利用施設の状態を利用者

と確認する。

· 活動終了後、様式「エコロッジ利用記録」に必要事項を記入

する。

３．宿泊・観光客 日時：原則として以下の期間を除き無休

· 施設の改修時

· 実施機関主催の公的行事が予定されているとき

· 責任機関が定める定休日

責任者：管理者

方法：

· 委託業者と日程、利用施設、備品等の確認を行う。

· 観光業務の基準に従い、必要な措置を講ずる。

· 利用終了後は、貸出し備品の回収、利用施設の状態を委託業

者と確認する。

· 利用終了後、様式「エコロッジ利用記録」に必要事項を記入

する。

４．報道関係者 日時：事前相談により決める。

責任者：管理者

方法：

· 事前の相談、計画に基づき対処する。

· 報道される情報を統一するため、予め準備されたエコロッジ

に関する基本データを提供する。

· 事前相談のない報道関係者の取材は、連絡先、目的を記入し

てもらい、MERNRyT 担当者と確認した上で対処する。

· 報道記事、報道記録を入手し、事務所に保管する。

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Ｂ．施設・備品利用マニュアル

区 分 定 義

１．施設 管理者が管理する施設は、食堂集会棟、シャワー施設、常設テント、駐車場

で、設置されている家具類、台所機材を含む。管理棟は、MERNRyT の基準

に従い管理される。

２．備品 備品とは、会議用備品、什器備品、プログラム用品で、一般貸出しが可能な

もの。それ以外の備品は MERNRyT の基準に従い管理される。

区 分 利用方法

１．施設 原則：

· 施設の利用方法は「エコロッジ利用規約」に定める。

· 利用申請は｢施設利用許可申請書｣により行われる。

責任者：管理者

方法：

· 申請書は電子メールで送受信する。

· 申請書を受理したら以下の手続きを行う。

・ ５日以内に利用の許可・不可を通知する。

・ 許可の場合、使用許可書を発行する。調整が必要な場合は相談に応

じる。

・ 利用予定施設を施設担当者とともに準備する。

・ 下見等は来訪者受付・応対マニュアルに準ずる。

· 施設の利用・利用終了時は、来訪者受付・応対マニュアルに準ずる。

２．備品 原則：

· 備品の利用は｢備品利用規約｣に定める。

· 備品の借用申請は｢備品借用申請書｣により行われる。

責任者：管理者

· 申請書は電子メールで送受信する。

· 申請書を受理したら以下の手続きを行う。

・ ５日以内に利用の許可・不可を通知する。

・ 調整が必要な場合は相談に応じる。

· 貸出備品の準備は、施設担当者と共に以下の通り行う。

・ 借用希望備品の種類･数の確認。

・ 破損状況の確認。

・ 「貸出書」の作成。

· 貸出は、利用者と共に以下の通り行う。

・ 借用備品の数・状態を確認する。

パイロット事業 - 34

区 分 利用方法

・ 「貸出書」（貸出リスト明記）にサインする。

・ 備品利用規約を確認する。

· 返却は、利用者と共に以下の通り行う。

・ 「貸出書」に基づき借用備品の数を確認する。

・ 備品の状態を確認する。

· 破損・紛失の場合は備品利用規約に基づき修復・賠償を求める。

· 確認後は、施設担当者と共に備品を所定の場所に収納する。

貸出可能施設・備品一覧（リスト）

区 分 名 称 付属設備（括弧内数字は個数）

１．施設 食堂集会棟 食堂（食事用テーブル、イス 計 24 人分）、集会スペー

ス（テーブル、イス）、トイレ（４）、シャワー（４）、調

理室（ガステーブル１、冷蔵庫１、冷凍庫１等）

シャワー施設 トイレ（２）、シャワー（４）

常設テント 常設テント（５）、ベッド（20）、照明用机（10）、衣装棚

（10）、折畳み式テーブル（５）、折畳み式イス（10）

駐車場 駐車場スペース（乗用車５台分）

２．備品 会議用備品 延長コード、フィリップチャート（１）、ペン

食事用備品 食器類（皿、コップ、スプーン、フォーク等）

プログラム用品 カヌー（５）、カヤック（３）、救命胴衣（15）、長靴（６）、

ランタン（６）、調理用ガスバーナー（３）、小型テント

（２）、懐中電灯（10）

Ｃ．点検マニュアル

区 分 定 義

１．施設・設備点検 利用頻度の高い施設・設備について点検するもの。

２．衛生点検 衛生状態を確認するために点検するもの。

区 分 点検方法

１．施設・設備

点検

· 「施設・設備点検シート」を用いて点検する。

· 点検は、1 日 1 回、午前中に行う。

· 点検により発見された異常箇所は、施設担当者に対応を指示する。

· 施設担当者が修理できない場合は、業者の見積を取得し、責任機関

の許可を得た上で対応する。

· 施設担当者に｢破損箇所修繕記録表｣の記入を指示し、記入後、それ

パイロット事業 - 35

区 分 点検方法

を受け取って確認し、保管する。

· 責任機関の許可を得て行った修理については、修理後速やかに責任

者へ報告し、請求書、確認書等の必要な書類を提出する。

２．衛生点検 · 「衛生点検シート」を用いて点検する。

· 以下の点検を行う。

・ 床、壁面、天井、天幕、窓枠、窓ガラス

・ 家具

・ ゴミ集荷

・ 清掃用品、トイレ用品の確認と補充

・ トイレ、シャワー、洗面台等の水周り

· 点検は、清掃作業終了後および業務終了時間前の 1 日２回とする。

· 点検で発見した汚損箇所は、施設担当者（清掃担当者）に指示して

対処する。

Ｄ 非常時対応マニュアル

区 分 緊急連絡先

１．暴風雨 プロジェクト事務所、管理者自宅

２．火災 MCA、プロジェクト事務所、管理者自宅

３．不審者侵入 警察、プロジェクト事務所、管理者自宅

４．盗難 警察、プロジェクト事務所、管理者自宅

５．強盗 警察、プロジェクト事務所、管理者自宅

６．滞在者急患 病院、プロジェクト事務所、管理者自宅

区 分 対応方法

１．暴風雨 初期対応 滞在者がいる場合：

· 滞在者を安全な場所に避難させる。

・ 避難場所：食堂集会棟

・ 従事者携行品：携帯電話、ハンディ無線機

· 負傷者がいる場合はその対応を優先させる。

状 況 確

認・通報

· 電話又は無線連絡により以下の内容を伝える。

・ 被害の第一報

・ 負傷者の有無（必要な場合は救急車を手配す

る。）

・ 現状（避難状況、人数、破損箇所等）

パイロット事業 - 36

区 分 対応方法

通報後の

対処

· 避難場所で人数確認したのち、暴風雨の沈静化又は

支援者の到着まで待機する。

· 倒壊の危機がある場合は、避難場所を変更する。

沈静化後

の対処

· 被害の詳細を管理者に報告する。管理者は

MERNRyT 及び MCA に報告する。

· 報告内容は以下の通りとする。

・ 緊急連絡方法、連絡先

・ 被害発生場所、発生状況

・ 発生日時

・ 対処活動

・ 滞在者の避難状況

・ けが人の有無

２．火災 初期対応 滞在者がいる場合：

· 滞在者を安全な場所に避難させる。

・ 避難場所：エコロッジ前チリ通り脇

・ 従事者携行品：携帯電話、ハンディ無線機

· 負傷者がいる場合はその対応を優先させる。

· 負傷者がいない場合は、火災発生場所を視覚で確認

した後、消火器により初期消火を行う。

・ 消火器設置場所：各常設テント、食堂、管理棟

· 消火器による消火が無理と判断した場合は、従事者

も避難し、携帯電話又は無線にて緊急連絡する。

滞在者がいない場合：

· 火災発生場所を視覚で確認した後、消火器により初

期消火を行う。

· 消火器による消火が無理と判断した場合は、従事者

も避難し、携帯電話又は無線にて緊急連絡する。

状 況 確

認・通報

· 電話又は無線連絡による緊急連絡は以下の内容を

冷静に伝える。

・ 火災発生の第一報

・ 火災の規模

・ 負傷者の有無（必要な場合は救急車を手配す

る。）

・ 現状（避難状況、人数、火災の広がり）

パイロット事業 - 37

区 分 対応方法

通報後の

対処

· 避難場所で人数確認したのち、応援の到着まで待機

する。

· 延火の危機がある場合は、避難場所を市街地方面へ

移動する。

消火後の

対処

· 火災の詳細を管理者に報告する。管理者は

MERNRyT 及び MCA に報告する。

· 報告内容は以下の通りとする。

・ 緊急連絡方法、連絡先

・ 火災発生場所、発生状況

・ 発生日時、消火時間

・ 初期消火活動

・ その他の対応

・ 滞在者の避難状況

・ けが人の有無

３．不審者侵入 初期対応 許可なくエコロッジ内へ侵入した不審者を見かけた場合

は以下のように対応する。

· 訪問目的を質問する。

· 以下の点を説明し、氏名、連絡先を記録した後、正

門又は管理用門から退去させる。

・ エコロッジ内へは無許可で入場できないこと。

・ 敷地内で禁止されている行為。

状 況 確

認・通報

· 泥酔者や明らかに不審と思われる侵入者について

は、必ず２名以上で対応する。２名以上で対応でき

ない場合は、携帯電話、無線で応援を要請し、その

到着を待って応対する。

· 身の危険を感じる場合は、安全の確保を優先し、警

察等へ連絡する。

事後処理 · 侵入者退去後、上記事実を業務日誌等に記入し、管

理者に提出する。

４．盗難 初期対処 · 発見者は、第一に滞在者の安全、身の安全を優先す

る。

· 現場を保存する。

状 況 確

認・通報

· 携帯電話および無線で盗難発生を警察へ伝え、出動

を要請する。

· 滞在者安否確認。

パイロット事業 - 38

区 分 対応方法

事後処理 · 警察による事情聴取に応じる（侵入者の特徴、人数、

逃走方向、被害状況など）。

· 警察、滞在者と共にエコロッジ内の客の荷物、施設、

備品等を点検する。

· 被害状況を業務日誌などに記入し、管理者に提出す

る。

・ 発生日時、発生状況

・ 侵入者の人数

・ 被害状況

・ その後の対応等

５．強盗 初期対処 · 発見者は、第一に滞在者の安全、身の安全を優先す

る。

· 強盗目的の侵入者に対しては、抵抗しない。

状 況 確

認・通報

· 強盗が去った後は携帯電話および無線で強盗発生を

警察へ伝え、出動を要請する。

· 無線を通じて国境警備隊、レンジャー等に警戒を要

請する。

· 滞在者安否確認。負傷者がいる場合は、病院へ連絡

し救急車を要請するか、必要に応じて搬送する。

· 滞在者の安全の確保。再来を警戒し、滞在者を街中

等安全な場所へ移動する。

事後処理 · 警察による事情聴取に応じる（侵入者の特徴、人数、

逃走方向、被害状況など）。

· 警察、滞在者と共にエコロッジ内の客の荷物、施設、

備品等を点検する。

· 被害状況を業務日誌などに記入し、管理者に提出す

る。

・ 発生日時、発生状況

・ 侵入者の人数

・ 被害状況

・ その後の対応等

６．滞在者急患 初期対処 すべての施設内滞在者の負傷・病気には以下のように対

応する。

· 負傷・病状を確認する。

· 以下の症状で薬を求めたれた際には対応する。

パイロット事業 - 39

区 分 対応方法

・ 軽い切り傷、擦り傷

・ 軽い腹痛、頭痛

状 況 確

認・通報

· 意識不明など自分で移動できないなどの重い症状の

場合は病院へ連絡し救急車を要請する。

· 意識があり自分で移動でき、病院へ行くことを希望

する場合はタクシー等を手配する。

事後処理 · 状況を業務日誌などに記入し、管理者に提出する。

・ 負傷・病気になった人の氏名・連絡先

・ 発生日時、発生状況

・ 症状

· その後の対応等

Ｅ 施設・備品管理マニュアル

区 分 定 義

１．日常点検 利用頻度の高い施設・設備について点検するもの。

２．定期点検 特定の施設、備品を対象に、定期的に点検するもの。

３．補修 点検により明らかになった破損箇所等について、管理者の指示に従い補

修するもの。

区 分 管理方法

１．日常点検 · 「施設・設備点検シート」「プログラム用備品シート」「施設メンテ

ナンス用備品シート」を用いて点検する。

· 点検は、１日１回、午後に行う。

· 点検により発見された異常箇所は、管理者に報告し、対応の指示を

受ける。

· 各種シートは、整理した上で週１回管理者へ提出する。

２．定期点検 · 「定期点検シート」を用いて点検する。

· 点検は、特定施設、設備、備品によって１週間から１ヶ月間隔で行

う。

· 点検により発見された異常箇所は、管理者に報告し、対応の指示を

受ける。

· 「定期点検シート」は、点検を行った日の業務終了時間前に管理者

に提出する。

３．補修 · 管理者の指示に従い修理する。

· 緊急の修復で経費が発生しないもの（既存の材料で対処可能なも

パイロット事業 - 40

区 分 管理方法

の）は、管理者の指示を待たずに修理することができる。

· 施設担当者が修理できない場合は、業者の見積を取得し、管理者に

報告する（管理者は責任機関の許可を得た上で対応する。）

· 業者が補修する場合は、それに同行し監督する。

· ｢破損箇所修繕記録表｣を記入し、管理者に提出する。

Ｆ 夜間警備・夜間応対マニュアル

区 分 定 義

１．夜間警備 21:00 から翌日 06:00 までのエコロッジ全体を警備するもの。

２．夜間応対 上記時間帯における来訪者、滞在者からの要望に応対するもの。

区 分 業務方法

１．夜間警備 · 「巡回点検シート」に従い、所定のコースを巡回して異常の有無を

確認する。

· 巡回は 1 時間から１時間 30 分程度の間隔で行い、巡回行動を察知

されないよう、ルーチンワークを避ける。

· 欠勤又は勤務時間中一時的に不在となる場合は、必ず駐在レンジャ

ーに連絡する。

· 以下のような異常に気付いたときは、必ず駐在レンジャーに連絡

し、「非常時応対マニュアル」に従い共同で対処する。

・ 火災発見時

・ 不審者発見時

・ 侵入者発見時

・ 器物破損発見時

・ その他異常事態発生時

· 「巡回点検シート」は駐在レンジャーに提出する。

２．夜間応対 · 来訪者には原則として以下の通り応対する。

・ 事前連絡のある宿泊者、滞在予定者、物品搬入業者、その他管

理者の許可のある者は、駐在レンジャーに報告した後に開門し

て、「来訪者受付・応対マニュアル」に従い案内する。

・ 事前連絡のない宿泊希望者等は、駐在レンジャーまたは管理者

に相談した上で指示を仰ぐ。

· 滞在者には原則として以下の通り応対する。

・ 夜間外出希望者には「一時外出券」を発行し、これを許可する。

戻った際には「一時外出券」を受け取り、所定の方法で管理者

パイロット事業 - 41

区 分 業務方法

に提出する。

・ 滞在者が急患のときは、必ず駐在レンジャーに連絡し、「非常

時応対マニュアル」に従い共同で対処する。

・ 施設の利用許可、販売代理など、各担当責任者から許可された

権限の範囲内で応対する。応対後は所定の用紙に必要事項を記

入し、所定の方法でこれを担当者に提出する。

パイロット事業 - 42

３．エコツーリズム推進計画案 ３．１ アンドレシートのエコツーリズムの特徴

アンドレシートにおけるエコツーリズムを取り巻く状況を把握するため、2006 年 6 月 26、

27 日の研修会「観光業経営と組織について」において、MERNRyT 観光庁職員の指導のも

と SWOT 分析を行った。SWOT 分析とは、自己の分析と自己を取り囲む環境を分析すると

きの４つの切り口、強み（Strength）、弱み（Weakness）、機会（Opportunity）、脅威（Threat）

の全体的な評価を行う際に活用される。SWOT 分析は外部環境分析（機会／脅威の分析）

と内部環境分析（強み／弱みの分析）に分けることができる。外部環境分析とは、事業単

位が自らの利益をあげる能力に影響を与えるマクロ環境要因（経済、技術、政治、法規制、

社会、文化）とミクロ環境要因（顧客、競合他社、流通業者、供給業者）の変化を観察し、

関連する機会と脅威を見極めることをいい、内部環境分析とは、魅力的な機会において成

功する能力、権限が自己の内部にあるかどうかを強み、弱みとして評価することをいう。

下表は、地域住民が参加して行ったアンドレシート市の SWOT 分析の結果である。

表 3.1 SWOT 分析結果

内部環境 外部環境

弱み 脅威

マ

イ

ナ

ス

要

因

・ 異なるセクター間での組織・調整不足 ・ 土地利用・計画的な政策の不足 ・ 観光用交通機関の不足 ・ 人材 ・ 環境の悪化 ・ 観光に対する商業的・文化的な認識の不足 ・ 全体的な専門家の不足 ・ 良い状態の道の不足 ・ サイン（看板）の不足 ・ 観光情報の不足 ・ 言葉（外国語）の知識の不足

・ 大規模な観光オペレーター ・ 低頻度で質の低い交通機関 ・ 為替レートの変化 ・ 川の可変性 ・ イグアスにおける供給体制のシステム ・ 無統制な農地の拡大 ・ 森林伐採 ・ ブラジル人、地域住民による密猟

強み 機会

プ

ラ

ス

要

因

・ 自然資源 ・ 文化的資源（先住民、移住者の子孫） ・ 治安の良さ、閑静さ ・ 自然生産物の自給の可能性 ・ 学校との協働作業 ・ イグアスの近く ・ マテ茶の生産 ・ 国境 ・ ホスピタリティ ・ 健康に良さそうな環境

・ 自然災害の発生し難い地域 ・ イグアスの近く ・ NGO の組織的な支援 ・ 舗装路の完成 ・ エコツーリズムへの関心 ・ 為替レート ・ 経済状態の回復 ・ 通信手段 ・ 学校を通じた普及 ・ 自然環境保全への関心 ・ 観光に対する国、州の支援 ・ 投資に有利な状況 ・ 観光ツアーへの挿入

パイロット事業 - 43

３．２ アンドレシートのエコツーリズム開発

アンドレシート市のエコツーリズム開発のため、MERNRyT より提案された 2007 年度の

計画を以下に示す。これに対して MCA、APN は、活動のよって共同で調整・企画・実施（A）

又は参加・協力（B）する計画である。

表 3.2 エコツーリズム開発の役割分担

プログラム名 活 動 MCA APN

計画のための重要なデータを収集する。 A B

事前評価（診断）を実施する。 A B

計画策定のための会議を開催する。 A B

計画案を策定する。 A B

計画を検討するためのワークショップを開催する。 A B

参加型計画の策定

計画を実施し、モニタリングを行う。 A B

短編ラジオ番組を放送する（５回）。 A －

短編テレビ番組を放送する（５回）。 A －

普及用小冊子を作成する（年４回）。 A －

観光への意識向上

（企業家、職員、一

般住民対象） 観光意識向上のための巡回講演を行う（年４回）。 A －

パンフレットを作成する（１種類）。 A －

テレビ及びラジオ番組へ参加する。 A －

アンドレシートへ

の投資と誘致の支

援 インターネットサイトを充実する。 A －

興味深い農地、事業、個人を調査し登録する。 A B

事業のための必要な情報にアクセスできることを容易

にする（信用融資、助成金、促進、戦略的分析等）。 A B

インターネットサイトへのアクセスを容易にする。 A B

保護区境界付近へ

の観光投資の促進

対象地域の保護区の観光利用計画を提案する。 A B

料理法研修 B B

環境インタープリテーション研修 B B

野鳥観察研修 B B

救急法研修 B B

カヌー及び救助法の研修 B B

エコロッジの管理運営マニュアルの作成 B B

人材育成・研修

自然保護区における観光管理に関するワークショップ B B

ボランティア・研修

員

技術的能力の向上と人員確保の観点から、ボランティ

アと研修員を受け入れる。 － －

パイロット事業 - 44

３．３ エコロッジ・カブレイの事業化と管理運営

エコロッジの事業化と管理運営は、MERNRyT が責任機関となり、MCA の参加・協力の

もと、2007 年に以下の活動を行う計画である。なお MERNRyT は活動の実施において CTSA

と契約を締結し、エコロッジ宿泊料収入の 40％を管理運営及び各種研修に活用する予定で

ある。

· 宿泊、食事、ツアーの販売

· 特別イベントの実施（会議、セミナー）

· エコツーリズム旅行者との連帯プログラム

· 活動に関連した生物多様性情報の調査活動

· 管理運営の規約とマニュアルの作成

· 経験の系統的な登録

· プロモーションと販売活動

· 選択的なエコツーリズムの生産品の開発支援

· 観光活動による環境への影響調査

· プロジェクトによる航空写真と土地利用情報を活用する方法の開発

· 維持管理計画と投入

パイロット事業 - 45

添 付

添付１．エコロッジ・カブレイの規約

Ａ．エコロッジの利用規約

Ｂ．エコロッジの備品借用規約

添付２．モニタリングツアー実績

添付３．パイロット事業参加者・参加機関

添付４．エコロッジ・カブレイ設計図

パイロット事業 - 46

添付１．エコロッジ・カブレイの規約

Ａ．エコロッジの利用規約

本規約は、ミシオネス州政府 MERNRyT が管理する施設エコロッジ・カブレイの利用につ

いて定めるものである。利用に際しては、本規約の内容を十分に理解し、厳守するものと

する。

また、エコロッジの管理運営担当者を｢管理者｣、利用希望者、もしくは予約完了者を｢利用

者｣、MERNRyT が管理する施設｢エコロッジ・カブレイ｣は｢エコロッジ｣と表記する。

１． 利用対象者

本利用規約における、施設利用は、以下の目的を持った活動のみとする。

「環境教育を目的とした活動」

「公的な機関の会議もしくは研修」

「営利を目的としない活動」

２． 利用申し込み

受付開始

利用の申請は、「エコロッジ利用申請書」に基づいて行う。利用者は、申請書に必

要事項を記入のうえ、管理者に申し込む。但し、申請書の記入不備、１に該当し

ない場合等は、申請を受け付けることはできない。

エコロッジの営業日及び基本営業時間

９：００～２１：００（年中無休）

※ ただし、点検・修理、その他管理者が指定する日、時間は除く。

３． 利用申請許可

利用者に対する申請の承諾は、管理者より利用者に対して「利用申請許可書」の発

行にて行う。許可証の発行を「予約の完了」とする。

「利用申請許可証」は、原則として利用希望者より申請が行われた日から 5 日間以

内に発行されるものとする。

「利用申請許可証」は、施設利用終了まで保管すること。

４． 利用にかかる権利の譲渡の禁止

（１） 利用者は、本施設を利用する権利を、その名目いかんを問わず当該権利を第三

者に譲渡する、または、当該権利に質権等の担保を設定する等、一切の処分行

為をすることはできない。

パイロット事業 - 47

（２） 利用者は、｢申請許可｣後、管理者の文章による承諾を得ずに本施設を賃貸、使

用賃借、同居、その他名目のいかんを問わず第三者に利用させることはできな

い。

５． 利用の制限

次の項目に当てはまる場合は、利用申請を断ることとする。

（１） 本施設の設置目的を逸脱または本施設の品位を損なう恐れがあると認められる

とき。

（２） 公の秩序、または善良なる風俗に反する恐れがあると認められたとき。

（３） 集団的にまたは常習的に暴力的行為を行う恐れがあると認められたとき。

（４） 本施設のほかの利用者に不都合、または障害が生じる恐れがあると認められる

とき。

（５） 本施設、または設備･備品に損害が生じる恐れが認められるとき。

（６） 本施設の運営管理上、支障をきたすと認められるとき。

（７） その他、管理者が不適切であると認めたとき。

６． 予約の解除・利用の中止・解除等

次の項目に当てはまる場合は、予約完了、または本施設利用中であっても予約の解除、

利用の中止、利用の解除等を行うことがある。その結果、利用者に損害が生じる場合

があっても、エコロッジは一切の責任を負わないものとする。

（１） 前述５．利用の制限に該当した場合。

（２） 「利用申請書」に虚偽あった場合。または、利用目的・内容が、管理者の許可

した内容と異なっていると認められた場合。

（３） 「利用申請書」で許可された施設以外での施設内での会議、作業を行った場合。

（４） 施設利用にあたり、利用規約もしくは申請許可内容を厳守しなかった場合。

（５） 天災、その他の不可抗力によって施設が利用できなくなった場合。

（６） 本施設の運営管理上、やむを得ない事由が生じた場合。

（７） その他規約に違反した場合。

７． 利用者の責務

利用者は、次の項目を厳守しなくてはいけない。

（１） 施設利用は、利用責任者が注意を持って利用する。

（２） 利用者は、管理者と連絡・調整を図りながら、利用施設とその周辺に対する秩

序維持管理、作業員等関係者の管理･調整、盗難・事故防止などを行う。

（３） 不測の災害や事故等に備え、管理者から緊急時の指示を施設利用前に受けるこ

と。

（４） 利用者は、利用者の責任と負担において必要な損害賠償保険、傷害保険などに

パイロット事業 - 48

加入すること。

（５） 利用者は、管理者が定める本施設内の運営管理上危険な行為とその他利用禁止

区域には侵入しないこと。

（６） その他、本施設利用に関しては、管理者と相談の上その指示に従うこと。

８． 施設内の配置換え等における注意

本施設内に設置されている備品・設備に関し、利用に際し配置換えを希望する場合

は、工事が必要としない場合のみ、管理と相談の上、行うことができる。

物品の搬出入時等の事前の施設利用は管理者と相談すること。またはこの際に施設

への破損などが予想される場合は、利用者の責任において施設の保護をすること。

９． 原状回復

利用終了後、利用者は管理者が定める原状に回復する。また利用者は、管理者または

管理者が任命する従事者の点検を受けた後に退出できるものとする。原状を損なった

場合は、利用者の責任の範囲で、回復させること。

１０． 損害賠償および免責について

（１） 利用者は、利用関係者が施設、備品、設備、その他関連施設を破損、汚損、紛

失した場合、直ちに管理者に報告する。その場合利用者は、損害を賠償しなけ

ればならない。

（２） 前述５．もしくは６．において予約、利用が解除され、そのことによって利用

者が損害を被ったとしても、エコロッジには責任がないものとする。

（３） 不測の事故、天災事変、官公省からの通達によって施設利用ができない状況が

発生し、利用者が損害を受けた場合においても、エコロッジはその損害を賠償

する責を負わないものとする。

（４） エコロッジは、管理者の故意または重大な過失によらない火災、盗難、諸設備

の故障等による利用者の損害について、その責を負わないものとする。

パイロット事業 - 49

Ｂ．エコロッジ備品借用規約

この規約はエコロッジの備品を利用するための規約であり、借用希望者は本規約の内容を

十分に理解し、厳守するものとする。

借用者希望者を「借用者」、エコロッジの運営管理担当者を｢管理者｣、借用備品を｢備品｣、

MERNRyT が管理する「エコロッジ・カブレイ」を｢エコロッジ｣と表記する。

１． 管理者は、借用者からの「借用申請書」に基づいた申請が合った場合、これを許

可し、賃借し、借用者はこれを借用する。

２． 借用申請者区分

以下の資格、目的を持った借用希望者に、エコロッジは備品の賃借を行う。

（１） エコロッジ運営に携わる関係機関（APN、MERNRyT、MCA）。

（２） 環境教育などを目的とした活動。

（３） 自然環境調査や非営利の活動。

（４） 観光プログラムの実践。

３． 借用料金

上記区分（１）～（３）は、無料で備品を使用することができる。（４）に該当するもの

は、エコロッジの運営管理を委託される民間業者の示す料金に準ずるものとする。

４． 借用申請方法と許可の取得

借用者は、「借用申請書」に必要事項を記入し、管理者に提出する。管理者は、申請書を

受け取り次第、許可の有無を決定し、5日以内に借用者に「借用許可書」を発行する。借

用者に借用許可書が発行された状態を、予約の完了とする。

借用者は、備品、物品の受け取りなどを管理者と相談し、その指示に従う。

５． 賃借における責任

管理者は借用者に対して、貸し出される物品が正常に利用できることを保証する。

６． 借用者義務

（１） 借用者は物品使用中、 善の注意をもってこれを保管する。

（２） 借用者は、借用される備品を分解、修理、調整などを管理者の許可なしで行う

ことはできない。

（３） 借用者の責における物品の損傷または紛失は、借用者はこれを賠償しなければ

ならない。

パイロット事業 - 50

７． 借用権利の譲渡の禁止

借用者は、管理者の書面による許可なしに、物権の譲渡、転借はできない。ただし使用

者区分（４）に該当する場合は別とする。

８． 物品の返却

物品の返却時には、管理者もしくは任命された従事者の立会いのもと返却する。

借用者は借用された物品の、原状回復に努めなければならない。

９． 賠償

借用者は、物品が借用者の管理下にあり、借用者の責によって紛失、盗難、故障、破

損した場合には、借用者の責においてこれを賠償しなければならない。

パイロット事業 - 51

添付２．モニタリングツアー実績

第１回モニタリングツアー

目的 · 日本人観光客を誘致し、パイロット事業に関するデータを収集すること。

· エコロッジ建設予定地において自然環境調査を実施し、C/P に対して散

策路を提案すること。

· 観光客と地域との連携について経験を蓄積すること。

受入態勢 C/P MERNRyT：２名、APN：２名、MCA：２名

その他 CA：２名、EFA：20 名

参加者 学校法人東京環境工科専門学校学生 10 名、引率職員２名

2004 年 11 月 24 日アルゼンチン着、12 月 5 日発（11 泊 12 日）

月 日 日程

11 24 アルゼンチン到着

国立公園局訪問、JICA アルゼンチン事務所訪問

25 プエルト・イグアス市へ空路にて移動

プエルト・イグアス市内見学

26 イグアス国立公園（PNI）訪問

ギラ・オガ野鳥保護センター訪問

27 アンドレシート市へ車両にて移動

アンドレシート市内見学

市長表敬訪問

28 エコロッジ建設予定地自然環境調査（１）

ペニンスラ地区視察

29 EFA 生徒との交流会（学校見学、植林作業等）

30 エコロッジ建設予定地自然環境調査（２）

先住民居留地（カグイ・ポラ）訪問（歌・踊りの見学）

12 1 自然環境調査の纏め（１）

環境 NGO（CA）の活動視察

SS・デ・ラ・セルバにて足跡石膏ボート・墨汁足跡トラップ実習

2 自然環境調査の纏め（２）

自然環境調査結果及び散策路案のプレゼンテーション

3 CYA・工場見学

プエルト・イグアス市へ車両にて移動

ブエノス・アイレスへ長距離バスにて移動

4 ブエノス・アイレス到着

日程

5 帰国

パイロット事業 - 52

第１回モニタリングツアー

結果 · 自然環境調査に基づく散策路案を C/Pに提案した。

· 環境教育活動の一環として、エコロッジ建設予定地内におけるパロ・ロッ

サの移植作業を地元住民と行った。

· アンドレシート市内の様々な場所を訪問し、エコツーリズム実施の可能性

について経験を蓄積した。

第２回モニタリングツアー

目的 · 特定のテーマ（両生類・爬虫類）によるスタディーツアーを実施し、パ

イロット事業に関するデータを収集すること。

· 一般観光客を対象とした自然観察、環境教育の経験を蓄積すること。

· 観光客と地域との連携について経験を蓄積すること。

受入態勢 C/P MERNRyT：３名

その他 UNaM：１名

参加者 学校法人東京環境工科専門学校職員１名、一般参加者 10 名（10 歳代～40 歳代）

2005 年 2 月 12 日アルゼンチン着、2 月 18 日発（6 泊 7 日）

月 日 日程

2 12 アルゼンチン到着

アルゼンチン JICA 事務所訪問

13 イグアスへ空路にて移動

ギラ・オガ野鳥保護センター視察

14 PNI 訪問

アンドレシート市へ移動

両生・爬虫類鑑賞会

15 第１回両生・爬虫類観察会

両生･爬虫類、魚類捕獲トラップづくり

スライドショー

第２回両生･爬虫類観察会

16 ウルグアイ州立公園（PPU）訪問

第３回両生･爬虫類観察会

17 エコロッジ建設現場視察

CYA・工場見学

日程

18 ブエノス・アイレスへ空路にて移動

帰国

結果 · 両生類・爬虫類の観察方法を C/P に提案した。

· PPU にて観光客向けの環境教育（レクチャー）を実施した。

パイロット事業 - 53

第２回モニタリングツアー

· 自然観察によるエコツーリズム実施の可能性について経験を蓄積した。

· アンドレシート市内の様々な施設を利用し、地域との連携について経験を

蓄積した。

第３回モニタリングツアー

目的 · 日本人観光客を誘致し、パイロット事業に関するデータを収集すること。

· 収集したデータを C/P に提供すること（セミナー形式）。

· 観光客をエコロッジに宿泊させ、エコロッジの運営、維持管理の改善に

必要なデータを収集し、経験を蓄積すること。

· 観光客と地域との連携について経験を蓄積すること。

受入態勢 C/P MERNRyT：３名、MCA：２名

その他 CA：２名、EFA：20 名

参加者 学校法人東京環境工科専門学校学生 24 名、引率職員１名

2005 年 11 月 16 日アルゼンチン着、11 月 30 日発（14 泊 15 日）

月 日 日程

11 16 ブエノス・アイレス到着

JICA アルゼンチン事務所訪問

17 プエルト・イグアスへ空路で移動

18 アンドレシート市へバスで移動

市民との交流会

19 パイロット事業研修生によるプログラム（１）

エコロッジ周辺自然環境調査

20 イグアス川カヌー体験（ラ・ブランキッタ地区～ペニンスラ地区ま

で約 20km）

21 ブラジル国パラナ州カパネマ市訪問（アンドレシート市との自然環

境、社会環境の違いを体験する）

SS・デ・ラ・セルバ訪問

22 環境 NGO（CA）と植林プログラム

自然観察プログラム

23 パイロット事業研修生によるプログラム（２）（３）

24 EFA 生徒との交流会

25 休日

26 グアラニー族の手工芸品作り体験

先住民居留地訪問（散策路視察等）

日程

27 サイクリングプログラム

パイロット事業 - 54

第３回モニタリングツアー

サルト・エスコンディード訪問

セミナー形式による調査結果の発表

28 プエルト･イグアス市へバスで移動

PNI 見学

29 ブラジル側イグアス国立公園見学

30 ブラジル国パラナ州フォス･ド･イグアス市内見学

帰国

結果 · エコツーリズムの活動について、その魅力と改善点を C/P に提案した。

· エコロッジの事業計画作成に必要な基礎データを収集した。

· 環境教育活動の一環として、C/P 及び環境 NGO 職員と共に植林活動を行

った。

· アンドレシート市内の様々な場所を訪問し、エコツーリズム実施の可能性

について経験を蓄積した。

備考 研修生によるプログラム提供

（１） PPU 訪問：同公園に自生する竹をテーマにした自然解説。生態系にお

ける竹の役割や、竹の活用法などを解説するもの。

（２） マテ茶畑、マテ茶工場見学：マテ茶の栽培、収穫、加工の行程を見学

し、マテ茶を試飲する。

（３） 薬用植物見学：ラス・ビーニャスにて、薬用植物の生成方法、効用な

どを解説するもの。

第４回モニタリングツアー

目的 · 短期滞在型観光客を受け入れることで、そのプログラムの可能性、観光

客との適合性を検討し、プログラム開発の参考とする。

受入態勢 C/P MERNRyT：２名、MCA：２名、APN：１名

参加者 JICA 日系社会青年ボランティア１名、日本人観光客１名

2005 年 2 月 8 日プエルト・イグアス市着、2 月 10 日発（2 泊 3 日）

月 日 日程

2 8 プエルト・イグアス市到着

PNI 訪問

プロジェクト概要の説明

日程

9 アンドレシート市へ移動

プロジェクトサイト視察（PNI ジャクイ事務所、ペニンスラ地区、

ブラジル国境付近他）

エコロッジ宿泊

パイロット事業 - 55

第４回モニタリングツアー

10 ウルグアイ州立公園訪問

ウルス事務所とその周辺での自然解説、散策路での自然観察

プエルト・イグアス市へ移動（解散）

結果 · C/P に対して少人数、ショートステイのコース例を提案した。

· １泊２日ツアーのコスト計算を行った。

· 外国人対象のツアーにおける課題（事前説明、通訳ガイド、解説用小道具

の必要性等）を抽出した。

· 観光利用で想定される様々なポイントを短時間で訪問し、プログラム開発

について経験を蓄積した。

第５回モニタリングツアー

目的 · 短期滞在型観光客を受け入れることで、そのプログラムの可能性、観光

客との適合性を検討し、プログラム開発の参考とする。

· エコロッジの生ゴミ処理（コンポストづくり）を通じて、エコロッジに

おける環境教育の仕組みを検討する。

受入態勢 C/P MERNRyT：１名

参加者 日本人観光客２名

プエルト・イグアス市 2005 年 2 月 9 日着、2 月 14 日発（5 泊 6 日）

月 日 日程

2 9 プエルト・イグアス市到着

10 PNI 訪問

アンドレシート市へ移動

11 イグアス川カヌー体験

12 SS・デ・ラ・セルバ訪問

13 エコロッジでのコンポストづくり

日程

14 ブラジル国境見学

プエルト・イグアス市へ移動（解散）

結果 · 生ゴミ処理の見本とするため、JICA 専門家の指導と観光客、C/P の協働作

業により、コンポストづくりの装置をエコロッジ内に設置した。

· プログラム提供を通じて、地域との連携について経験を蓄積した。

第６回モニタリングツアー

目的 · ミシオネス州内の他の自治体観光局および観光業関係者を招いてプログ

ラムとエコロッジを体験させ、開発の参考とする。

受入態勢 C/P MERNRyT：１名、MCA：２名

パイロット事業 - 56

第６回モニタリングツアー

参加者 ミシオネス州各地より計 35 名

アンドレシート市 2005 年 2 月 20 日着、2 月 21 日発（1 泊 2 日）

月 日 日程

2 20 アンドレシート市到着

プロジェクト概要の説明

エコロッジ宿泊（10 名）

日程

21 イグアス川カヌー体験

サルト・エスコンディード訪問

意見交換会

解散

結果 · 日本人以外の初のモニタリングツアーで、C/P が中心となり企画、実施を

行った。

· C/P 及び参加者により、ミシオネス州各地のエコツーリズムの取り組みに

ついて意見交換を行い、情報を共有した。

第 7回モニタリングツアー

目的 · 観光客に対する環境教育プログラムを改善する。

受入態勢 C/P MERNRyT：６名、MCA：１名

参加者 UNaM 教員、学生、CTSA メンバー 計 16 名

アンドレシート市 2006 年 8 月 22 日着、8 月 23 日発（1 泊 2 日）

月 日 日程

8 22 アンドレシート市紹介

プロジェクト紹介

日程

23 ミシオネス州北部の保護区紹介

散策路での自然観察インタープリテーション

各活動についての討論、評価

結果 · 観光客向けのプレゼンテーション資料（パワーポイント）を改善した。

第８回モニタリングツアー

目的 · 観光客に対する農産物紹介の技術を向上させ、地域との連携の経験を蓄

積する。

受入態勢 C/P MERNRyT：４名、MCA：１名

参加者 UNaM 学生、CTSA メンバー、地域住民他 計 10 名

アンドレシート市 2006 年 10 月 28 日 日程

月 日 日程

パイロット事業 - 57

第８回モニタリングツアー

10 28 研修の趣旨説明

農産物（マテ茶）紹介

CYA 見学

プログラムについての意見交換

結果 · 観光客向けのプレゼンテーション技術を改善した。

· 観光客と地域との連携について経験を蓄積した。

第９回モニタリングツアー

目的 · 日本人観光客を誘致し、パイロット事業に関するデータを収集すること。

· 収集したデータを C/P に提供すること。

· 観光客をエコロッジに宿泊させ、エコロッジの運営、維持管理の改善に必

要なデータを収集し、経験を蓄積すること。

· 観光客と地域との連携について経験を蓄積すること。

受入態勢 C/P MERNRyT：９名、MCA：１名、APN：２名

その他 CA：２名、EFA：９名、CTSA：７名

参加者 学校法人東京環境工科専門学校学生８名、引率職員２名、早稲田大学ボランテ

ィアセンター職員１名

2006 年 11 月 22 日アルゼンチン着、12 月 5 日発（13 泊 14 日）

月 日 日程

11 22 ブエノス・アイレス到着

JICA アルゼンチン事務所訪問

23

プエルト・イグアス市へ空路で移動

市内視察

24

PNI 視察

アンドレシート市へバスで移動

25

PNI ジャクイ事務所訪問 プロジェクト、アンドレシート紹介

26

PPU 訪問 ブラジル国境見学

27 EFA（家族農業学校）訪問 28 植物標本展示物／看板づくり（１） 29 植物標本展示物／看板づくり（２）

30 植物標本展示物／看板づくり（３）

日程

12 01 EFA にて発表会 CYA 見学

パイロット事業 - 58

第９回モニタリングツアー

02

SS・デ・ラ・セルバ訪問 環境 NGO（CA）活動の紹介

03 自由行動

04 ブエノス・アイレスへバスで移動（プエルト・イグアス市経由）

05 日本へ出発

結果 エコツーリズムの活動について、その魅力と改善点を C/P に提案した。

観光客（日本人学生）と地域住民（EFA 学生）の参加により、エコロッジ

内の植物標本展示物や看板が作成された。

アンドレシート市内の様々な場所を訪問し、エコツーリズム実施の可能性

について経験を蓄積した。

パイロット事業 - 59

添付３．パイロット事業参加者・参加機関

１．施設施工関係者（20 名）

氏 名 役割／所属

1 イエス・エルネスト 施工責任者

2 ホセ・アルチテェ 施工従事者

3 トット・セバスチャン 施工従事者・施設維持管理従事者

4 コール・ラウル 電気配線施工担当者

5 イエス・レオ 施工従事者

6 セルソ・ピエカ 施工従事者

7 イエス・オスカル 施工従事者

8 オベラル・マルセロ 施工従事者

9 オベラル・マニュエル 施工従事者

10 サントス・ホルヘ 施工従事者

11 フィゲロラ・リカルド 施工従事者

12 パンスーキ・ファビオ 施工従事者・施設維持管理従事者

13 テミンスキ・ルベン 施工従事者・電気施工者

14 マルセロ・クルックリ 施設維持管理従事者

15 ラックチュップ・マリオ CTSA

16 ルベン・ビレーラ CTSA 17 インベルノン・ロヘリオ CTSA 18 ゴンザレス・リカルド 維持管理助手

19 サントス・ホセ 設計助手

20 パレデス・グラシエラ 施工助手

パイロット事業 - 60

２．研修参加者（50 名）

2005 年度研修 2006 年度研修

A B C D E F G H I J 氏 名 所 属

7 月 8-11 月 2 月 6 月 7 月 8 月 8 月 8 月 10 月 10 月

1 カマラ・ウーゴ MERNRyT ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 シュローデル・モニカ MERNRyT ○ ○ ○ ○ ○ ○ 3 ダ・ロッサ・マベール MERNRyT ○ ○ ○

4 ゴンザレス・クララ MERNRyT ○

5 ベルトット・パウラ MERNRyT ○ ○ ○ ○ ○

6 オルテガ・エリセオ MERNRyT ○

7 アラウホ・ジャゴ MERNRyT ○

8 クレマール・アリエル MERNRyT ○ ○

9 ボガード・マウリシオ MCA ○ ○ ○ ○ ○

10 ソルヘ・エリサ MCA ○ ○

11 デ・モライス・フランシスコ MCA ○

12 ラップチュック・マリオ CTSA ○ ○ ○ ○ ○ ○ 13 ビレラ・ルベン CTSA（教員） ○ ○ ○ ○ ○ ○ 14 バレラ・サンドラ CTSA ○ ○

15 ダ・シルバ・マリセル CTSA ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 16 ポナ・アンドレア CTSA ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 17 インベルノン・ロヘリオ CTSA ○ ○ ○ ○

18 ビアナ・ミルトン サン・セバスチャン・デ・ラ・セル

バ

○

パイロット事業

- 60

パイロット事業 - 61

2005 年度研修 2006 年度研修

A B C D E F G H I J 氏 名 所 属

7 月 8-11 月 2 月 6 月 7 月 8 月 8 月 8 月 10 月 10 月

19 カミーロ・スレマ サン･セバスチャン・デ・ラ・セルバ ○

20 アスーラ・フェルナンド サルト・エスコンディード ○ ○

21 デ・オリベイラ・アリ イタティ（交通業） ○

22 デ・ラ・トーレ・ホルヘ エル・リンコン（飲食店） ○ ○ ○

23 ラカバ・フェリックス パナンビ・ロッジ（宿泊施設） ○

24 セッテルンド・イネス パナンビ・ロッジ（宿泊施設） ○

25 シェッグ・イネス ロス・ロブレス（宿泊施設） ○ ○

26 マルティネス・ネリダ フェリア・フランカ ○

27 オット・マルガリータ ラ・ファミリア（飲食店） ○ ○

28 ダ・コンセイソン・アドリアナ ラ・ファミリア（飲食店） ○

29 ロペス・カルメン マカレナ（飲食店） ○ ○

30 マルケス・マリオ リチャード（飲食店） ○

31 シェッグ・アリシア リチャード（飲食店） ○

32 ブルス・カリーナ エル・ブエン・グスト（飲食店） ○

33 ディアス・ナタリア ルータ 19（飲食店） ○ ○

34 サンドバル・ガスパル ジャクティンガ・ロッジ（エコツー

リズム施設） ○

35 チョウレッテ・マルセロ 個人ガイド ○ ○ ○ ○

36 カルデナス・アレハンドロ 個人ガイド ○ ○

パイロット事業

- 61

パイロット事業 - 62

2005 年度研修 2006 年度研修

A B C D E F G H I J 氏 名 所 属

7 月 8-11 月 2 月 6 月 7 月 8 月 8 月 8 月 10 月 10 月

37 ロドリゲス・フリオ 民芸品職人 ○

38 ラダエリ・サンドラ 無所属 ○ ○ ○ ○

39 ラモス・エリザベス 無所属 ○ ○

40 シミット・ポトリシア 無所蔵 ○ ○

41 バルセロ・ハビエル 無所属 ○

42 ゴンザレス・ネリダ 無所属 ○ ○

43 カラブレセ・マルティン 無所属 ○ ○

44 セドゥレル・タティアナ 無所属 ○ ○

45 ダルリー・マルレナ 教員 ○

46 マルキエビッチュ・マリア 教員 ○ ○

47 スタウッド・マリア 教員 ○

48 スチヘルメイエル・カルロス 学校調理師 ○

49 テイセン・レオノル 学校調理師 ○

50 ウェルテポヴィッチ・ロサ 学校調理師 ○

A: マウンテンバイク研修（C/P 機関職員及びアンドレシート市在住者のみ）、B: 環境インタープリテーション研修（修了証書を授与された人のみ）

C: 経営・サービス（食事関連）研修、D: 観光業経営と組織について、E: 自然観察研修（主に野鳥観察について）、F: サービス研修１（食事関係）

G: サービス研修２（宿泊関係）、H: 薬用植物研修、I: 施設維持管理研修、J: 農産物研修

パイロット事業

- 62

パイロット事業 - 63

３．プログラム提供者（20 名）

プロジェクト期間中にモニタリングツアー等を通じてプログラムを提供した機関のオー

ナー、職員あるいは各種アクティビティのガイド、引率者を示す。

氏 名 役割／所属 提供するプログラム

1 ベルトット・パウラ MERNRyT マテ茶解説

2 シュローデル・モニカ MERNRyT 州立公園自然解説

3 ダ・ロサ・マベル MERNRyT 州立公園自然解説

4 カマラ・ウーゴ MERNRyT カヌー

5 ラックチュップ・マリオ CTSA カヌー、州立公園自然解説

6 ルベン・ビレーラ CTSA 州立公園自然解説

7 ダ・シルバ・マリセル CTSA 薬用植物解説

8 バレラ・サンドラ CTSA 地元料理紹介

9 ポナ・アンドレア CTSA 地元料理紹介

10 インベルノン・ロヘリオ CTSA 自然解説

11 チョウレッテ・マルセロ 個人ガイド 自然解説

12 カミロ・アントニオ サン・セバスチャン・デ・

ラ・セルバ 乗馬、釣り他

13 ビアナ・ミルトン サン・セバスチャン・デ・

ラ・セルバ 自然解説

14 アスーラ・フェルナンド サルト・エスコンディード ボート、キャンプ

15 ドゥアルテ・フアン カグイ・ポラ 民芸品づくり、自然解説

16 フェルナンデス・カルロス カグイ・ポラ 民芸品づくり、自然解説

17 チャモロ・エルビオ カグイ・ポラ 民芸品づくり、自然解説

18 シスック・アントニア 無所属 マテ茶解説

19 マリエラ・ペテルソン 無所属 サイクリング

20 セドゥレル・タティアナ 無所属 薬用植物解説

パイロット事業 - 64

４．参加機関

主な参加機関のデータは以下の通りである（2006 年 6 月時点）。

１．家族農業学校（EFA）

代表者名 セリ・バルミル

設立年月日 1989 年

組織の目的 環境保全の意識をもった農業生産向上に資する農村地域の青少年の育

成と機会の提供。民間経営による公共教育機関。

会員数 経営評議員 16 名（代表、副代表、秘書、秘書代理、経理、経理代理＋

委員 10 名）

教員 専従教員 10 名、外部講師 14 名

生徒数 124 人

観光客受入 公式には観光客を受け入れてないが、希望者には対応可能。

敷地面積 学校敷地面積：２ha、実習農園面積：86ha

農園土地利用 自然林 40ha、単年度作物５ha、マテ茶栽培地 20ha、牧場 21ha

販売品 鶏肉を生徒の保護者に販売（年間行事、農民祭）

２．サルト・エスコンディード（Salto Escondido）

代表者名 アスーラ・フェルナンド

設立年月日 2004 年

来訪者数 年間約 2000 人（クリスマスと新年に多い）

従業者数 ３名（来客応対 1 名、維持管理 1 名、農業担当 1 名）

案内時間 無休 午前 8 時～午後 9 時

面積 160ha

土地利用状況 キャンプ場３ha、植林地５ha、牧場 15ha、マテ栽培地 40ha、自然林 97ha

販売品 滝（Salto）をモチーフにした手工芸品

施設 キャンプ場、バレーコート、サッカー場、焼肉用設備、バンガロー

敷地内に川と滝があり、水遊びができる。

３．ラス・ビーニャス（Las Viñas）

代表者名 バレラ・マリオ

設立年月日 1995 年

来訪者数 記録なし（年間平均 50 人程度）

従業者数 4 名（家族経営） 雇用従業員なし。

現在の活動 薬草栽培、抽出液の販売、薬草解説用の散策路

パイロット事業 - 65

３．ラス・ビーニャス（Las Viñas）

案内時間 定時なし。予約制。

面積 25ha

土地利用状況 マテ茶 12ha、植林地１ha、ブドウ１ha、サトウキビ１ha、自然林 10ha

販売品 自家製ワイン、リキュール、蒸留酒、ジャム、ジャテイ（Yatei）の蜂蜜、

薬草の抽出液

提供サービス 食事、訪問者に対する案内

４．ロス・ロブレス（Los Robles）

代表者名 イネス・シェッグ

設立年月日 1983 年

施設の目的 アンドレシート訪問者への宿泊施設の提供（アンドレシート第１号の宿泊

施設）。

来訪者数 年間約 600 名

従業者数 受付１名、清掃、ベットメーキング３名 合計４名

現在の活動 宿泊施設の提供（朝食、洗濯サービス、サロン貸出し等）

1998 年：サロン（食堂）の貸出しサービス開始

2000 年：洗濯サービス開始

2001 年：朝食サービス開始

部屋数・ベッド

数

18 部屋、合計 44 ベッド

面積 約１ha（半分は宿泊施設用地、半分は個人用地）

販売品 ジェルバマテ、地元民芸品（灰皿、首飾り、他）

提供サービス 朝食、洗濯、焼肉用設備（パリージャ）の提供（屋外･室内）

イベント用サロン（食堂）の貸し出し

５．ラ・ファミリア（La Familia）

代表者名 オット・マルガリータ

設立年月日 2005 年（前身の Lo de Walter は 2003 年）

施設の目的 食事・飲物の提供（アンドレシート市におけるレストラン第 1 号）

来客者数 月平均 900 名前後

従業者数 合計６名（調理３名、ホール２名、清掃１名）

営業時間 月曜日から土曜日の午前 10 時～午後 3 時、午後 7 時～深夜 1 時まで

メニュー 日替わり昼食及び注文料理

提供サービス 出前、イベント料理のコーディネート可能

パイロット事業 - 66

６．フェリア・フランカ（Feria Franca）

代表者名 ビアナ・ネリー

設立年月日 1996 年

設立の目的 小規模農家の農産物の販売促進。州認定フェリア・フランカ（自由市場）

組合

参加者数 18 家族

来訪客 月平均約 800 人

活動 2002 年よりバスターミナル内に施設（屋根付き広場）を設置し、週２

回の市場を開催。

営業時間 火曜日と金曜日の午前 7 時～12 時半まで

販売品 パン、果物、野菜、自家製チーズ、鶏肉、豚肉など（すべて自家製）

提供サービス 食材の提供と注文に応じた食事の準備

７．アンドレシート・マテ茶組合（CYA）

代表者名 アマン・フェデリコ

設立年月日 1985 年

設立の目的 アンドレシートのマテ茶の商品化。

会員数 84 名

従業者数 100 名（マテの収穫期）

訪問者数 記録なし

活動実績 1997 年よりマテ茶の加工とパッケージでの販売を行う（それまでは単に

乾燥させたマテ茶の販売のみ）。

敷地面積 9.5ha（薪炭林２ha 含む）

販売品 乾燥マテ茶、精製マテ茶（３種類のパッケージで販売－薄味、普通、厳

選）、インスタント用マテ茶

販売先 ブラジル（南部）、パラグアイ（全域）、アルゼンチン（コルドバ州、サ

ンタフェ州、北西部全域、ブエノス・アイレス市及びその近郊等）

観光サービス 工場の無料見学（要予約）

８．イタティ（Empresa Itatí）

代表者 デ・オリベイラ・アリ

設立年月日 1996 年

設立目的 アンドレシートの必要に応じた交通網を網羅すること。

従業者数 ７名（運転手３名、添乗員／監視員４名）

車数・路線数 バス５台・４路線

パイロット事業 - 67

８．イタティ（Empresa Itatí）

路線 便数（出発時間）

サン・アントニオ線 ２（午前 5 時、午後 12 時）

インテグラシオン線 ２（午前 6 時 30 分、午後 12 時）

サン・ペドロ線 １（午前 5 時）

路線名・便数

サン・ビセンテ線 １（午後 5 時 15 分）

利用者数 ４路線の 1 日平均合計利用客数約 450 人（概算で月平均約 13,500 人、年

間約 162,000 人）

提供サービス 運転手付きバスの貸出し

９．サン・セバスチャン・デ・ラ・セルバ（San Sebastián de la selva）

代表者名 カミロ・アントニオ・アルビノ

設立年月日 2000 年

設立目的 パラナ密林の保全と観光開発

従業者数 4 名（調理２名、ガイド兼受付１名、雑務１名）

活動実績 2002 年 宿泊用小屋２棟建設

2001 年 ４輪駆動車用道路設置

2001 年 ラン観察用散策路設置

案内時間 24 時間、年中無休

面積 185ha（内訳：自然林 90ha、牧場 80ha、キャンプサイト 11ha、施設用地

４ha）

販売商品 ジャム、果実酒、リキュール、自家製ワイン、自家製チーズ

提供サービス 宿泊、食事、釣堀、乗馬、ガイド付ジープ、トレッキングなど

パイロット事業 - 68

添付４．エコロッジ・カブレイ設計図

図１．テントデッキ設計図

パイロット事業 - 69

図２．管理棟設計図

パイロット事業 - 70

図３．食堂集会棟設計図（１）

パイロット事業 - 71

図４．食堂集会棟設計図（２）

V．イグアス国立公園

ジャクイ事務所設計図

V．イグアス国立公園ジャクイ事務所設計図

ジャクイ事務所

イグアス国立公園東側境界

アンドレシート市カブレイ地区

国道 101号線

航空写真：イグアス国立公園東側境界ジャクイ事務所周辺

イグアス国立公園レンジャー住宅

ジャクイ事務所

配置図

立面図（１）

立面図（２）

平面図

断面図

VI．資料リスト

様式第１号（記第２関係） （収集／作成資料）

資 料 リ ス ト 平成１９年３月１５日作成

主管チーム長 図書館

受入日

小川登志男

プロジェクトＩＤ 0603318 実施番号 - - -

地域 南米 調査団名 （財）自然環境研究センター 調 査の種 類

又は指導科目

提案型技術協力 担 当 部署 地球環境部第 1 グルー

プ 森林・自然環境保

全第 2 チーム

国名 アルゼンチン国 配属機関名 ミシオネス州生態・再生可能天然

資源・観光省

現地調査期間

又は派遣期間

2004 年 4月 1日〜

2007 年 3月 31 日

担当者氏名 伊藤将宏

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

1 100 Mamiferos Albatros 図書 ○ JR・CR( )・SC

2 A mata atlantica e voce Apremavi 図書 ○ JR・CR( )・SC

3 APA IBAMA 図書 ○ JR・CR( )・SC

4 Agua medio ambiente y vida Global 図書 ○ JR・CR( )・SC

5 Anfibios L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

6 Anfibios, Reptiles, Aves y Mamiferos del Paraguay Natura vita 図書 ○ JR・CR( )・SC

7 Animales de la selva Sigmar 図書 ○ JR・CR( )・SC

8 Argentina natural Maizal 図書 ○ JR・CR( )・SC

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

9 Árvores Brasileiras Inst. Plant. de estudos da flora 図書 ○ JR・CR( )・SC

10 Aves de Argentina y Uruguay Vazquez Mazzini 図書 ○ JR・CR( )・SC

11 BIRDS Harper Collins Publisbers 図書 ○ JR・CR( )・SC

12 Bosques en extinción Sigmar 図書 ○ JR・CR( )・SC

13 Canto de las aves de las serranias centrales L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

14 Canto de las aves Misiones 1 L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

15 Canto de las aves Misiones 2 L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

16 Casa y Campo Globus 図書 ○ JR・CR( )・SC

17 Catalogo de plantas medicinales Litocolor SRL 図書 ○ JR・CR( )・SC

18 Cataratas del Iguazú Clarin 図書 ○ JR・CR( )・SC

19 Ciencias naturales 6/7 UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

20 Como interpretar recursos naturales e historicos WWF 図書 ○ JR・CR( )・SC

21 Como ser un experto en clima Lumen 図書 ○ JR・CR( )・SC

22 Conociendo las mariposas Autóctonas Fundación Temaikén 図書 ○ JR・CR( )・SC

23 Conservación de la naturaleza en tierras de prop. Privada ARCA FARN 図書 ○ JR・CR( )・SC

24 Corredores Ecologicos IBAMA 図書 ○ JR・CR( )・SC

25 De la expulsión al comanejo APN 図書 ○ JR・CR( )・SC

26 Diseño, const. y mantenimiento de senderos en areas naturales APN 図書 ○ JR・CR( )・SC

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

27 Eco percepsion GAIA 図書 ○ JR・CR( )・SC

28 Ecociencia Albatros 図書 ○ JR・CR( )・SC

29 Ecoclubes Red internac. de Ecoclub 図書 ○ JR・CR( )・SC

30 Economia de Misiones UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

31 Ecoturismo SENAC 図書 ○ JR・CR( )・SC

32 El agua en peligro Sigmar 図書 ○ JR・CR( )・SC

33 El aire contaminado Sigmar 図書 ○ JR・CR( )・SC

34 El árbol que queria viajar Primera sudamericana 図書 ○ JR・CR( )・SC

35 El investigador verde Sigmar 図書 ○ JR・CR( )・SC

36 El programa social agropecuario 1993 - 1998 Secrt. Agric., ganaderia y pesca 図書 ○ JR・CR( )・SC

37 Enciclopedia mega Larousse 図書 ○ JR・CR( )・SC

38 Enredaderas Ornamentales nativas de Misiones UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

39 Escola Parque IBAMA 図書 ○ JR・CR( )・SC

40 Especie de vertebrados CIES 図書 ○ JR・CR( )・SC

41 Expanción del cultivo de soja de Brasil WWF 図書 ○ JR・CR( )・SC

42 Experimentos sencillos con animales y plantas Omiro 図書 ○ JR・CR( )・SC

43 Experto en clima Lumen 図書 ○ JR・CR( )・SC

44 Fauna Misionera L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

45 Fazendo e aprendendo con a agua Global 図書 ○ JR・CR( )・SC

46 Flora de Misiones Versus 図書 ○ JR・CR( )・SC

47 Frutiferas da mata na vida Amazonica Supercores 図書 ○ JR・CR( )・SC

48 Fundamentos de Educación Ambiental Universa 図書 ○ JR・CR( )・SC

49 Guia para el entomologo Universidad Nac. de Tucumann 図書 ○ JR・CR( )・SC

50 Guia por donde andar PAIDEIA 図書 ○ JR・CR( )・SC

51 Guia practica para la colecta y manejo de semillas forestales tropicales I.D.A.C.O. 図書 ○ JR・CR( )・SC

52 Guia turistica, historica y cultural Minist.de Dep. y Turismo 図書 ○ JR・CR( )・SC

53 Hacia una estrategia de educación ambiental MERNRyT 図書 ○ JR・CR( )・SC

54 Historia de la provincialización de Misiones UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

55 Iguazú (las leyes de la selva) Contacto silvestre 図書 ○ JR・CR( )・SC

56 Indoselva Tabay 図書 ○ JR・CR( )・SC

57 Insectos Blume 図書 ○ JR・CR( )・SC

58 Itaipu binacional ITAIPU 図書 ○ JR・CR( )・SC

59 Ivirareta Montoya 図書 ○ JR・CR( )・SC

60 La guia del ecoturismo Mundi prensa 図書 ○ JR・CR( )・SC

61 Las Orquideas L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

62 Libro Rojo Dupont 図書 ○ JR・CR( )・SC

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

63 Los mamiferos de la Argentina EL Ateneo 図書 ○ JR・CR( )・SC

64 Los municipios de la prov. de Misiones INDEL 図書 ○ JR・CR( )・SC

65 Los que se van Albatros 図書 ○ JR・CR( )・SC

66 Los sist. agroforestales en Argentina UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

67 Manejo y conservación de recursos naturales WWF 図書 ○ JR・CR( )・SC

68 Manual de metodos de campo para el monitoreo de aves terrestres Federal Racycling Programa 図書 ○ JR・CR( )・SC

69 Mariposas de Misiones L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

70 Metodos de educación ambiental WWF 図書 ○ JR・CR( )・SC

71 Misiones El Ateneo 図書 ○ JR・CR( )・SC

72 Orientando a los chicos para amar la tierra Augustus 図書 ○ JR・CR( )・SC

73 Pachamama PNUMA 図書 ○ JR・CR( )・SC

74 Pajaros Olga Copella 図書 ○ JR・CR( )・SC

75 Parques Nacionales de la Argentina APN 図書 ○ JR・CR( )・SC

76 Plagas y enfermedades forestales de Misiones UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

77 Plástico Reciclado Oluxo 図書 ○ JR・CR( )・SC

78 Raices vivas Creativa 図書 ○ JR・CR( )・SC

79 Registo de especies de vertebrados de valor especial Centro de inv. Sub. del nordeste 図書 ○ JR・CR( )・SC

80 Reservas naturales Misioneras UNaM 図書 ○ JR・CR( )・SC

種類

番号 資料の名称 発行機関 形態＊ 収集

資料

専門家

作成資料

JICA

作成資料 テキスト その他

取扱区分 図書館記入欄

81 Selva Misionera Golden company 図書 ○ JR・CR( )・SC

82 Serpientes L.O.L.A. 図書 ○ JR・CR( )・SC

83 Servicio de protección ambiental Gendarmeria Nacional 図書 ○ JR・CR( )・SC

84 Situación y evolución social INDEC 図書 ○ JR・CR( )・SC

85 Soldados de Noé - Conservación de la fauna silvestre en la Argentina Nuevo Extremo 図書 ○ JR・CR( )・SC

86 Vamos a cuidar do Brasil Ministerio de medio ambiente 図書 ○ JR・CR( )・SC

87 Vertebrados de valor especial APN 図書 ○ JR・CR( )・SC

88 Víboras Albatros 図書 ○ JR・CR( )・SC

＊ 図書、地図、ビデオテープ、電子媒体等