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PM教育裾野拡大 PM始めの一歩 E-Learningパッケージとその適用例~ 捷彦(早稲田大学基幹理工学部) 脇谷 直子(広島修道大学経済科学部) 野村和哉(富士通株式会社FI技術センター) 内橋 勤(PMI日本支部)

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PM教育裾野拡大 ~PM始めの一歩

E-Learningパッケージとその適用例~

筧 捷彦(早稲田大学基幹理工学部) 脇谷 直子(広島修道大学経済科学部) 野村和哉(富士通株式会社FI技術センター) 内橋 勤(PMI日本支部)

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当セッションの構成 「PM始めの一歩」企画のきっかけ *PMI日本支部の動機付け *早稲田大学のニーズ E-Learningパッケージの開発 *始めの一歩: 落とせないポイント *教材の構成とシラバス、工夫のポイント 早稲田理工学部での適用と結果 *初年度春・秋 講座運用スケジュール *2年目以降の工夫と結果の評価 *今後に向けて 利用形態の発展~広島修道大ケース~ *広島修道大におけるPM入門コースの目的 *シラバスとE-Learning教材の扱い *結果とその評価、次年度への工夫 まとめと討議

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「PM始めの一歩」企画のきっかけ ~PMI日本支部の動機付け~

PMI日本支部のPM教育のミッション *2010年からの10年で現プロジェクトマネジャーの25%が 65歳に達する *PMの早期育成に貢献したい *「物事への取り組み方を教える」という普遍的観点で 中高・大学でPM教育の裾野を拡大してほしい 上記観点で早稲田大学理工学部筧教授に相談に行った *最初のお願いは早稲田学院、早稲田実業の先生を紹介頂きたい ⇒ 大学学部生にもニーズはあるとの指摘を頂いた

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「PM始めの一歩」企画のきっかけ ~早稲田大学のニーズ~

学生の主体性向上を目指してPBL型コースの実施を始めて

いた *2011年から:グループワークの導入 *達成目標

コンパイラの構成法を理解し,簡単な言語処理系が開発できる フロントエンドの知識範囲で使えるソフトを作る

*結果は変数が使える電卓どまりだった そもそもグループワークの経験が少ない ましてプロジェクトマネジメントの知識もない

プロジェクトマネジメントの初歩の初歩を学ぶ教材 2013年に向けて開発をPMI日本支部に依頼 ~ビデオ教材 3巻+1、15分ea~

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E-Learning パッケージの開発

富士通株式会社 フィールド・イノベーション本部

FI技術センター 野村和也

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「PM始めの一歩」 ~E-Learning パッケージの開発~

要求事項:

企業において小規模プログラム開発(~10人月)でも最低限行うプロジェクトマネジメントをベースとする。

開発方針: 受講者はプロジェクトの概念を知らない初学者

→物事の進め方を教える / PMBOK用語を使わないで解説する

→最後のまとめでPMBOKへのMappingを解説する

→QCDの内Delivery(タイムマネジメント)中心

プロジェクトの目的(成果物と品質)を理解させる

→「仕事を定義し、その実施を管理する」という柱を設ける

逃せない要素:

① プロジェクトの定義:プロジェクト憲章、ステークホルダーと会議体、 WBS

② プロジェクトの計画:作業分解図とネットワーク分析/スケジュール表

③ プロジェクトの推進:EVM、進捗報告、完了判定、教訓

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レッスンの構成

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15分のビデオ教材3本+概説ビデオ1本

1. レッスン1:「プロジェクトを始めよう」 プロジェクト憲章、プロジェクト・チームの結成、会議体、 ステークホルダー

2. レッスン2「計画を立てよう」 成果物構成図(WBS)、作業分解図、ネットワーク図、ガントチャート、 リスクの予測と対処方法、顕在化したリスクへの対処

3. レッスン3「プロジェクトを管理しよう」 EVM(Earned Value Management)、スケジュール管理、定期報告、完了報告、ノウハウの蓄積

4. 最終レッスン「プロジェクトマネジメント ステップアップのために」 をPMBOKⓇ5つのプロセス、9つの知識エリアにマッピングし、さらなる勉学のための指標とする

注: 2014年度からv5対応に更新(10の知識エリア)

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シラバス

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短時間に習得させる工夫

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課題: 学習者に合わせた教えるレベルであること レベルを上げると適用できるプロジェクトの規模や種類

が増える レベルが高過ぎる場合、難易度も上がり、理解できない

学習者が現れる 工夫: 学習範囲とレベル 小規模プロジェクトで不可欠なレベルに限る 難易度を下げる教え方 ① レッスン:基本的な考え方を説明 ② レッスン:簡単なケース演習で考え方理解を促す ③ レッスン後:理解を確認するためのクイズ(小テスト) ④ 宿題:PMテンプレートを利用したケース演習

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PMI日本フォーラム2015

例: チャーター

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PMI日本フォーラム2015

①レッスン:基本的な考え方を説明

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かっこいい 舞台作ってくれないか?

目的 舞台を作ること?

学園祭が近づいてきた

学園祭だ! ライブしよう

目的 ライブ用舞台の準備 なすべきことは何か?

学園祭でライブをするため なぜ必要か?

バンドのイメージにあった舞台 どんな品質が必要か?

学園祭の3日前までに いつまでに欲しいか?

プロジェクトの成果物

成果物が必要な理由

期限

成果物の完成基準

整理の観点

何が欲しいか分かったよ。 君たちに頼まれたら 断れないな!

舞台を作ればいいんだね (教室に垂れ幕でも掛けるかな)

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戦国時代の城造り

PMI日本フォーラム2015

②レッスン:ケース演習で考え方理解を促す

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プロジェクトの成果物

成果物が必要な理由

期限

成果物の完成基準

ヒント 何を行うプロジェクトなのか?あるいは何を作るプロジェクトなのか説明します。

ヒント 何のためにプロジェクトを行うのか説明します。

ヒント プロジェクトは何を行ったら終わるのか?あるいは何ができたら終わるのか明確にします。

ヒント いつまでに行うプロジェクトなのか明確にします。

選択肢 1. すわ湖畔の城 2. 石垣山の城 3. 洲股の城

選択肢 1. 美濃攻の要衝だから 2. 眺めがきれいだから 3. 京都に近いから」

選択肢 1. 秘密基地のような目立たない城 2. 遠くからも見える大きな城 3. 一晩で完成するお城(攻められても守り通せるお城)

選択肢 1. 来年の正月までに 2. 一晩のうちに 3. 昨日まで

洲股は 美濃攻の要衝じゃ 一夜で城を造り 守りを固めねばならん

洲股に一夜で 城を造るのじゃ 洲股に一夜城を

造りました 殿が一夜で洲股に 城を造れとおおせじゃ ものどもかかれ

でかした ほめてつかわす

お殿さまはどんな目的を持っていたでしょうか?

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PMI日本フォーラム2015

③レッスン後:理解を確認するための小テスト

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知り合いの劇団員が、その劇団の次回公演のチラシ原稿をもってやってきました。次回公演に向けてWebページを作成してほしいというのです。これまのチラシによる公演案内に加えてWebページでも案内を出したいという希望で、制作費として1万円を用意したといいます。 あなたのWebページ作成集団は、このWebページ作成を3週間の作業期間で引き受けることにしました。 問 このプロジェクトの目的として最も適切なものをつぎの a ~ c の中から選びなさい。 a. その劇団員の顔を立てる b. 制作費1万円の獲得する c. 次回公演を広く宣伝する 番号を1つ選択する:

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PMI日本フォーラム2015

プロジェクト憲章

プロジェ クトを始めるに当たってプロジェ クト・スポンサーとプロジェ クト・マネージャーの間で何をするプロジェ クトなのか等の条件を確認する事柄一覧表です

項目 記入欄

プロジェクト名 プロジェ クト名を書きます お城造りプロジェクト

記載者 この一覧を書いた人の名前を書きます 侍大将

記載日この一覧をプロジェ クト・スポンサーが確認し

た日を書きます X月X日

プロジェクト・スポンサープロジェ クト・スポンサー欄には誰がプロジェ

クトを始めるように言ったのかを明記しておき

ます

お殿さま

プロジェクト・チーム

プロジェ クトチームには、リーダーになる方(プ

ロジェ クト・マネジャー(PM))とメンバーになる

方が居ます。

プロジェクト・マネジャー プロジェ クト・マネジャーの名前を1名書きます 侍大将

メンバープロジェ クトに参加されるメンバーの名前を書

きます(決まっていなければ空欄にします)

侍大工

プロジェクトの目的どんなプロジェ クトなのか説明します。

プロジェクトの成果物何を行うプロジェ クトなのか?あるいは何を作

るプロジェ クトなのか説明します。 お城

成果物が必要な理由何のためにプロジェ クトを行うのか説明しま

す。 美濃国から土地を守る

成果物の完成基準プロジェ クトは何を行ったら終わるのか?ある

いは何が出来たら終わるのか明確にします。

一夜で完成すること堅固なこと(守り通せること)

期限いつまでに行うプロジェ クトなのか明確にしま

す。 明日の朝まで

④宿題:PMテンプレートを利用したケース演習

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~テンプレート~

新商品コンテストは、20代をターゲットとした500mリットル入りペットボトルで販売される飲料の企画書の提案コンテストで、飲料メーカAが主催し、優秀な企画については賞金25万円と、新商品のテストマーケッティング(大学近傍の店舗で販売)するものです。今日は10月1日で、応募期限は12月20日です。 (略) テンプレートを使ってプロジェクト憲章を作成しなさい。

~ケース~

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その他の工夫例: ポイントのみのサマリー

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・スケジューリング (1)WBSからガントチャートを描く (2)最初にWBSからアクティビティ図を描く。次にネットワーク分析をする。 そしてガントチャートを描く (1)の方法が教えやすいが複雑性が増すと役に立たない (2)の方法は、アクティビティの作業時間を見積もる必要がある上、 初心者は見積もることができずスケジューリングに失敗する可能性もある。 しかし本当のプロジェクトでは必須という観点から(2)を採択

・EVM (1)コスト・ファクターを含む全体を教える (2)スケジュール・ファクターだけを教える 実務経験の無い学生には工数まで含めたプロジェクト予算を想像することは困難 スケジュール管理の観点から、完了時期を予測することの重要性に鑑みてスケ ジュール・ファクターだけでもEVMの概要を把握させたいと考え、(2)の案を採択

•リスクの考え方と課題管理表 計画時に「ハプニング」の予想だけを行い、実施時に課題管理表で対応

⇒ “はじめの一歩”として必要な要素を絞り、変更管理、調達管理、コスト管理、品質管理などは次のステップに先送り

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授業準備と実施への工夫

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課題: 授業準備および実施の負荷を低減する

工夫: 課題ケースの添削観点と添削の例示

宿題のケース演習について、添削観点の解説と、添削例 実習指導案(教案)の例示

本コースと連動したPBLを実施する場合のPM観点から見た実習指導案の例

コース全体の理解進捗度を測る「理解度テスト」 コース開始前、レッスン終了時、実習終了時の3回に分けて学習者の理解進捗度を測るテスト

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パッケージ構成要素

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早稲田大学での適用例

早稲田大学基幹理工学部 情報理工学科

筧 捷彦

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ことの発端

「言語処理系」(3年春学期) コンパイラのフロントエンド(前半7週) 筧担当 コンパイラのバックエンド(後半7週) 別教員担当

(実習+グループワーク)を取り込みたい 2012年試行: 授業1回分 変数が使える電卓作成 →グループワークそのものの経験不足 →プロジェクトマネジメントの知識なし

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2013年「言語処理系」

PMIの協力を得て,ビデオ教材試作 7回の授業の中で簡易処理系作成 プログラム電卓 構文解析までの知識で構成可能 変数の導入+関数定義の導入

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7週(実8週)のプラン

《講義》 《実習》 1: ビデオ[導入]15分 概論 宿題 2: ビデオ[計画]15分 字句解析,flex 宿題 3: ビデオ[管理]15分 構文解析(再帰降下) 宿題 - 連休 4: 共同作業[計画] 45分 bison 宿題 5: 共同作業[実施] 90分

6: 理解度確認テスト 7: 成果発表 90分

- 最終成果物・報告書提出

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教室(コンピュータルーム)

80人教室(8人の島×10)×2

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発表状況

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学生アンケート

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情報理工学科の関連科目

1年次春学期 Cプログラミング入門 1年次秋学期 Cプログラミング 2年次春学期 情報数学,プログラミング[Java]×2 2年次秋学期 コンピュータシステム論,実験A×2 アルゴリズムとデータ構造×2 3年次春学期 言語処理系

×2: 週2コマ グループ作業の導入へ (担当科目を活用)

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アルゴリズムとデータ構造2013

1: 事前テスト,ビデオ1

2: 小テスト1,[例題1]

3: 例題1レビュー

4: ビデオ2

5: 小テスト2,[例題2]

6:例題2レビュー

7: ビデオ3

8: 小テスト3

9: [例題3] 10: 例題3レビュー,グループ構

11: プロジェクト×1 12: プロジェクト×1 - : - : 13: プロジェクト×2 14: 成果発表×1 - : [成果物・報告書提出] PJ1: アルゴリズム比較

PJ2: 席次決定支援アプリ

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言語処理系(前半) 2014 PJ: プログラム電卓

《講義》 《実習》 1: テスト(事前) 概論, 宿題,ビデオ1,テスト1,例1

2: 例1点検 字句解析,flex 宿題,ビデオ2,テスト2,例2

3: 例2点検, PJ予告 構文解析(再帰降下) 宿題,ビデオ3,テスト3,例3,

- : 連休 4: 例3点検,共同作業 30分 bison 宿題

5: 共同作業 90分 6: 理解度確認テスト - : 振替 7: 成果発表 90分 - 最終成果物・報告書提出

- テスト(事後),ビデオ4,テスト4

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アルゴリズムとデータ構造2014

1: テスト(事前),ビデオ1

2: 小テスト1,[例1]

3: 例1点検,ビデオ2

4: 小テスト2,[例2]

5: 例2点検,ビデオ3

6: 小テスト3,[例3]

7: 例3点検,テスト(事後),ビデオ4

8: 総合テスト,グループ構成

9: プロジェクト×1 10: プロジェクト×1 →| PJ1

11: プロジェクト×1 12: プロジェクト×1 - : - : →| PJ2

13: プロジェクト×2 14: 成果発表×1 - : [成果物・報告書提出]

PJ1: アルゴリズム比較 PJ2: Javaライブラリ PJ2: 教室座席割当アプリ

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言語処理系(前半) 2015 PJ: プログラム電卓

《講義》 《自宅実習》 1 概論, 宿題,テスト,ビデオ1,テスト1,

例1

2: 字句解析,flex 宿題,ビデオ2,テスト2,例2/点検

3: 構文解析(再帰降下) 宿題,ビデオ3,テスト3,例3/点検

4: PJ 45分 bison 宿題,テスト(事後)

- : 代休 ビデオ4, テスト4

5: 共同作業[実施] 90分 6: 共同作業[実施] 30分 理解度確認テスト 7: 成果発表 90分 - 最終成果物・報告書提出 (6月末) アンケート

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小テスト結果 (8点満点:100点換算)

科目 平均 偏差 人数

言語処理系 2014 (事前) 68.0 14.8 163

(事後)

67.8 13.4 117

アルゴリズム・・・2014(事前)

67.4 16.0 85

(事後)

67.9 16.9 92

言語処理系 2015 (事前) 68.6 21.6 177

(事後)

79.8 20.1 147

アルゴリズムとデータ構造: 2年秋,学年の半分が対象(必修) 言語処理系 3年春,学年全員が対象(選択)

イベントのWebページ作成を例にPMの基本を問うたテスト

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テスト結果(ビデオ4も終えて)(16点満点100点換算)

科目 平均点 標準偏差 人数

アルゴリズムとデータ構造 2013秋

56.0 24.6 55

言語処理系 2014春

65.8 23.4 117

アルゴリズムとデータ構造 2014秋

53.2

23.8 63

言語処理系 2015春

65.6 27.8 155

PMBOKでの基本概念を問うたテスト

アルゴリズムとデータ構造: 2年秋,学年の半分が対象(必修) 言語処理系 3年春,学年全員が対象(選択)

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アンケート結果(抜粋)言語処理系2015

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アンケート結果(抜粋)言語処理系2015

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アンケート結果(抜粋)言語処理系2015

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今後に向けて

PMの力をどうやって測るか→評価方法 各学年でチームワーク・プロジェクトを経験させるカリキュラムの構築 学科の学生全てを対象に プロジェクト期間:1学期,少なくとも8週程度ほしい

修士課程にも適用したい 「プロジェクト研究」科目:通年,グループ・外部連携 E-learning教材の上級編(TA研修も兼ねて)

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広島修道大学での適用例

広島修道大学 経済科学部 脇谷直子

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E-Learningパッケージ採択の背景

地域つながるプロジェクト(2011年度から) 学生が地域と連携して活動を行ったり,地域の課題を調査・研

究したりするプロジェクト 地域イノベーションコース(2014年度から) 2013年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業」採択 2014年度のコース開設に向けて準備を進める

イベントでのコメントを聞いて気づいたこと(“プロジェクト”) コースは学部横断で登録できる仕組み

コース登録学生の所属学部(商学部,人文学部,法学部,経済科学部,人間環境学部)

PBLの定義:Problem-Based Learning 「・・・学生がチームでプロジェクトに取り組む手法のときはProject-

Based Learning」と追加説明にとどまる

PMI日本フォーラム2015 37

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ひろしま未来協創特講としてのプロジェクトマネジメント入門講座の新設

PMI日本フォーラム2015 38

(参考)2015年度シラバス

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E-Learningパッケージ使用方法

PMI日本フォーラム2015 39

1 2 3 4 5 6 7 8

E-Learningパッケージ 1~3

ケース演習 1~3 ケース演習の解説

1~3

理解度T

理解度T

プロジェクト演習 “観光協会スポンサーの観光コース開発” 発表

+α(任意) E-Learningパッケージ4 もう一つの理解度Test

E-Learningパッケージは, この授業で教える内容そのもの →ケース演習の解説,プロジェクト演習はカストマイズ

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科目の概要 目的

プロジェクトを行う際に,何をどのように考え,管理すると,上手くいく可能性を高められるのかについて,講義と演習を通じて学ぶ.

学習目標 1. プロジェクトとは何かについて,その特徴を理解している. 2. プロジェクトを進めるにあたって,何について考えるべきか,主要な

ポイントを理解している. 3. プロジェクトの具体例に対して,プロジェクトマネジメントの知識を活

かした行動ができる. 評価方法

ケース演習(20%),授業中に行うテスト等の結果(20%),プロジェクト演習(60%),最終回に+αの課題(加点)

結果 履修者18名で5チーム(3名×2+4名×3)作り,プロジェクト演習

PMI日本フォーラム2015 40

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ケース演習の解説例

PMI日本フォーラム2015 41

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チーム活動と個人の振り返り

PMI日本フォーラム2015 42 受講者18名が対象

0% 20% 40% 60% 80% 100%

プロジェクト演習時に,この授業の1回目から3回目

で学んだこと活かして行動することができたか?

一連の授業を終えて「プロジェクトを遂行する場合に

重要なことは何か」を1つ以上挙げることができるか?

一連の授業を終えて「プロジェクトとは何か」を説明

できるか?

チームは,決めたスケジュールにしたがって計画的に

作業をすすめられたか?

チームは,決めた体制にしたがって全員が役割を果た

せたか?

チームは,プロジェクトの目標を達成できたと思う

か?

はい いいえ

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次年度への工夫

課題となったこと 全8回は短く(珍しく),はじ

めの3回のうち一度でも欠席すると,内容についてこれなくなる

学生が十分理解できずにケース演習やプロジェクト演習を行うと(TAも不在),評価が難しくなる

ケース演習(机上)とプロジェクト演習(チーム実習)の違いが理解しにくい

次年度への工夫 2014年度も活用したが,E-

Learningシステムをさらに有効活用することを考える(欠席者に自習させる)

演習結果を共有し,評価の負荷を下げる工夫を検討するとともに,演習フィードバックの方法を再検討する

プロジェクト演習(少なくともプロジェクト演習の説明)を見直す

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まとめ:

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二つの利用形態を紹介: 早稲田大学: 既存のPBL型コースに“物事の進め方”としての プロジェクトマネジメントの基礎を展開 広島修道大学: PM入門講座の教材としてカストマイズ 他に自習教材として大学院学生の研究推進計画のツールとしての活用例もあり 今後の展望 PM教育の次のステップとして「PM次の一歩」を開発(今秋リリース) 英語版の要請に対して検討を開始

「仕事を定義し、その実施を管理する」という柱を設ける 逃せない要素:

① プロジェクトの定義:プロジェクト憲章、ステークホルダーと会議体、 WBS ② プロジェクトの計画:作業分解図とネットワーク分析/スケジュール表 ③ プロジェクトの推進:EVM、進捗報告、完了判定、教訓

より多くのアカデミック・スポンサー校による活用を期待します

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ご清聴有難うございました

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