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Oracle JDeveloper Oracle BI Beans 使用した高度な分析アプリケーション オラクル・ホワイト・ペーパー 2004 11

Oracle JDeveloper とOracle BI Beans を 使用した高 …otndnld.oracle.co.jp/products/ids/pdf/J-Advanced...Oracle JDeveloper とOracle BI Beansを使用した高度な分析アプリケーション

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Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した高度な分析アプリケーション

オラクル・ホワイト・ペーパー 2004 年 11 月

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した高度な分析アプリケーション

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Oracle Corporation 発行「Advanced Analytic Applications with Oracle JDeveloper and Oracle Business Intelligence Beans」の翻訳版です。

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した 高度な分析アプリケーション

概要 ...................................................................................................................... 3 はじめに .............................................................................................................. 4 Oracle Business Intelligence Beans ...................................................................... 4

核となるコンポーネント ............................................................................. 5 プレゼンテーション・ビーンズ ................................................................. 5 グラフ............................................................................................................. 5 クロス集計と表............................................................................................. 6 OLAP ビーンズ ............................................................................................. 6

コネクション・ビーンズ ....................................................................... 6 問合せ ...................... エラー! ブックマークが定義されていません。 QueryBuilder ............................................................................................. 7 CalculationBuilder..................................................................................... 7

カタログ・サービス..................................................................................... 8 BI Beans Catalog....................................................................................... 8 MetadataManager ...................................................................................... 8

Oracle JDeveloper と BI Beans を使用したアプリケーション開発 ............... 9 アプリケーションの概要 ............................................................................. 9 BI プレゼンテーションの作成 .................................................................. 11 アプリケーション・コードの開発 ........................................................... 12

Product Insight JSP ページの開発......................................................... 12 BI Beans List タグを使用したアプリケーションの迅速な開発....... 15

結論 .................................................................................................................... 16

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した高度な分析アプリケーション

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Oracle Corporation 発行「Advanced Analytic Applications with Oracle JDeveloper and Oracle Business Intelligence Beans」の翻訳版です。

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した 高度な分析アプリケーション

概要

様々な企業が、大規模なデータ・ウェアハウスを構築して、ユーザー・コミュニ

ティにセルフサービス環境を提供しています。ユーザーが高度な OLAP 型問合せ

を作成および管理できるように、多くのビジネス・インテリジェンス・ツールは、

複雑な問合せのエンジンおよびインタフェースを備えています。ただし、一般に、

企業の上級管理職の多くは、シンプルな操作とわかりやすいインタフェース環境

から強力な OLAP 型問合せへのアクセスを必要としています。

Oracle Business Intelligence Beans(BI Beans)と Oracle JDeveloper 10g の組合せは、

強力なビジネス・インテリジェンス・アプリケーションを迅速かつ簡単に開発する

ための、効率的なプラットフォームを提供する目的で設計されています。この文

書では、BI Beans が Oracle の統合化テクノロジ・スタック内でどのように機能す

るか、また、次に示す Executive Insight アプリケーションなどの機能豊富なビジネ

ス・インテリジェンス・アプリケーションの開発をどのように加速するかについて

説明します。

図 1: Executive Insight ビジネス・インテリジェンス・アプリケーション

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した高度な分析アプリケーション

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Oracle Corporation 発行「Advanced Analytic Applications with Oracle JDeveloper and Oracle Business Intelligence Beans」の翻訳版です。

はじめに

JDeveloper と BI Beans の組合せは、J2EETM ベースの開発環境で、E-Business アプ

リケーションのモデリング、開発、デバッグおよびデプロイといった一連の作業

を、一貫してサポートします。BI Beans は、JDeveloper への J2EE 拡張機能であり、

開発者が迅速かつ簡単に BI アプリケーションを作成できます。JDeveloper 10g 内

の BI Beans は、高度なチーム・サポート、テスト・ユーティリティ、およびパフォー

マンス・チューニング・ツールを提供するほか、コード生成、ビジュアル・エディ

タおよび J2EE フレームワークにより開発を加速します。業界ベスト・プラクティ

スの密接な統合により、開発者は高度なパフォーマンス、適切なアーキテクチャ

のアプリケーションを迅速に提供できます。

開発者が最大限に生産性を高め、アーキテクチャの実装を様々なレイヤーでより

自由に選択できるようにするため、JDeveloper は、統合化ツールの包括的セット

を提供して完全な開発ライフサイクルをサポートします。JDeveloper/BI Beans は、

高品質ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションを作成するためのウィザー

ド、エディタ、ビジュアル設計ツール、ユーザー・インタフェースへのドラッグ・

アンド・ドロップによるデータ・バインディング、およびデプロイメント・ツー

ルを提供することで、BI 準拠の J2EE 開発を簡素化します。視覚的で明確な説明

ガイドが付いたコーディング・テクニックにより、このフレームワークでのアプ

リケーション開発者は、必ずしも J2EE の専門家でなくとも、即座に高い生産性を

得られます。

このホワイト・ペーパーの目的は、企業の管理職のためにコックピット・アプリ

ケーションを作成する、JDeveloper 10g の固有な機能を提示することです。このア

プリケーションの作成に使用したスキーマとプロジェクト・ファイルは、Oracle Technology Network の BI Beans エリアからダウンロードできます。これらは Oracle OLAP Analytic Workspace を使用した予測や what-if データ・モデル化など、数々の

高度な OLAP 機能の一例です。

Oracle Business Intelligence Beans

Oracle Business Intelligence Beans(BI Beans)は、Oracle OLAP オプションを利用し

た、分析アプリケーションの開発用に Java コンポーネントを提供します。

BI Beans の主な目的は、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションを迅速に

開発できる再利用可能なアプリケーション・コンポーネントおよびサービスの提

供です。この開発工程は、JDeveloper との統合を通して強化されます。JDeveloperと BI Beans の組合せは、高度に生産的な開発プラットフォームを提供します。こ

のホワイト・ペーパーでの以降の項では、BI Beans の各コンポーネントの機能に

ついて要点を述べ、JDeveloper との統合のメリットを概説します。

Oracle は、多くのビジネス・インテリジェンス製品に BI Beans を使用し、様々なレ

ポーティング・ツールにわたって首尾一貫したユーザー・インタフェースを保証

しています。たとえば、Oracle Business Intelligence Beans テクノロジは現在、

OracleBI Discoverer と OracleBI Spreadsheet Add-in に組み込まれています。これら

の製品のユーザーは、同じ OLAP Query および Calculation ウィザードを使用しま

す。

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核となるコンポーネント

BI Beans を構成するコンポーネントは、次の 3 つの一般的カテゴリに分類されま

す。1)プレゼンテーション・ビーンズ、2)OLAP ビーンズ、3)カタログ・サー

ビス。次の図は、コンポーネント間の関係を示しています。

図 2: BI Beans の概要

プレゼンテーション・ビーンズ

プレゼンテーション・ビーンズは複雑な問合せ結果を、ユーザーが理解しやすい、

鮮やかなグラフ、表、およびクロス集計でユーザーに表示します。ビーンズは、

データと連動したレンダリング・コンポーネントを提供することで、この機能を

実現しています。このレンダリング・コンポーネントは、設計時も実行時も広範

な API を介して高度にカスタマイズ可能です。これらのビーンズ用のデフォル

ト・ユーザー・インタフェースは、ユーザービリティに関して正規のテストに加

えて、Oracle Discoverer や Oracle Reports など製品レベルの Oracle アプリケーショ

ンを経由したテストの両方において広範に検証されました。

グラフ

グラフ・ビーンズを使用することで、エンド・ユーザーは「重役会議室の特性」

のプレゼンテーションが作成できます。グラフ・ビーンズは、様々なグラフ・コ

ンポーネント(レイアウト、凡例、時系列、軸)の書式設定のための特殊なカス

タマイザと共に、70 種類以上のグラフをサポートしています。理解しやすいカス

タム書式設定ツールにより、初めて使用するエンド・ユーザーでも簡単に上級管

理者向けの説得力あるプレゼンテーションを作成できます。もう 1 つの利点は、

印刷機能のサポートです。例えば、印刷範囲の指定において、特定のページ・ア

イテムのサブセットか、すべてのページ・アイテムの組合せを指定できます。グ

ラフもまたインタラクティブであるため、ドリルやピボット操作による詳細分析

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データを即座に視覚化し、また、同様にグラフ上でのクリック操作により、詳細

表示することも可能です。

クロス集計と表

グラフ同様、クロス集計および表も書式設定と印刷サポートを提供します。ユー

ザーはドリルダウン、ページング、ピボットおよびスクロールにより、データを

ナビゲートできます。さらにユーザーは、データに依存するセル・レベルの書式

設定やセル用のディメンション値を定義できます。このように豊富な書式設定は、

データの重要な側面をユーザーに警告し、容易に「問題ある値」を検出します。

クロス集計や表のサイズ指定は、フレームまたは HTML ウィンドウに基づいて自

動的に調整されるため、開発者はそれを心配する必要はありません。従って、ユー

ザーは、常にデータの最適なビューが維持されます。

OLAP ビーンズ

プレゼンテーション・ビーンズはデータを各種書式でレンダリングする責任を負

い、OLAP ビーンズはビジネス・ロジックを提供します。プレゼンテーション層

からのビジネス・ロジックの分離は、複数のクライアント(Java、HTML、および

WAP など)が、同じアプリケーション・コードにアクセスできるため、非常に重

要です。

次のコンポーネントが OLAP ビーンズを構成しています。

コネクション・ビーンズ

コネクション・ビーンズは、Oracle データベースへの接続を提供します。アプリ

ケーションは複数のデータベースにアクセスできます。特にアプリケーションが

アクセスできるサーバーの数には制限がありません。この機能により、たとえば

あるレポートを Sales History データベースから、また別のレポートを General

Ledger データベースから導出できます。

クエリー

どのようなプレゼンテーションの背後にもクエリー(問合せ)があります。クエ

リーは、ユーザーがプレゼンテーションで表示するものを正確に指定します。そ

れらには、メジャー(売上や費用など)、ディメンション(製品、地域、時刻な

ど)、各ディメンションの選択(過去 6 ヶ月など)、およびディメンションのレ

イアウト(行が製品、列が時刻、地域ごとに改ページ)などがあります。

ビジネス・インテリジェンス・アプリケーション向けのビジネス・ロジックの多く

は、クエリーに含まれます。クエリーは、プレゼンテーション・オブジェクト上

に OLAP ナビゲーション機能を提供します。クロス集計内の Northeast Region(北

東地域)のドリルダウンは、クロス集計ビーンズでの操作としてユーザーは考え

るかもしれません。実際には、その操作はクロス集計を表示している下位層の問

合せに影響します。すでに触れたとおり、クロス集計は、問合せ結果を表示する

単なるレンダリング・エンジンです。ページングやピボットなどのユーザー相互

作用は、クエリーで実行するメソッドです。

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問合せは、データの取得及び操作に Oracle OLAP API を使用し、また Oracle10g 内

で高度な分析機能を活用します。Oracle OLAP API は、問合せからのリクエストを

解決するために高度にチューニングされた SQL を生成して、これを実現します。

QueryBuilder

QueryBuilder は、高度な問合せを定義するための単純なユーザー・インタフェー

スを提供します。このユーザー・インタフェースは特許を取得しており、使いや

すさについては広範囲にテストされています。QueryBuilder は、非常に強力なツー

ルで、ユーザーが基盤となる問合せ言語を知らなくても、次に示す問合せのプロ

パティを指定できます。

• メジャーとディメンション − 階層リストを表示するリスト・ツールを使用し

て選択します。

• ディメンション選択 − 例外、ランキング、上位/下位選択、階層選択(子と祖

先)、テキスト・マッチングなどを定義して指定します。たとえば、「各都

市での売上上位 5 製品」のように指定します。

• プレゼンテーション内のディメンションのレイアウト。

組織全体にわたりエンド・ユーザーは、異なるスキル・セットおよび分析要件を

持ちます。QueryBuilder は、非常に高度なカスタマイズおよびコンポーネント化

が可能なように設計されているため、このように様々なニーズを満たします。開

発者は、ユーザー・インタフェースを容易にする機能をオフにする、または別の

コンテキストでの使用を有効化にできます。たとえば、アプリケーションはリス

ト・ツールを提供するだけ、またはユーザーのお気に入りの選択を表示するだけ

の場合があります。開発者はアプリケーションの別の部分で QueryBuilder のコン

ポーネント(条件テンプレートなど)を使用する、または異なる目的のために条

件を追加および削除できます。

QueryBuilder では、ユーザーにお気に入りとして定義済みの選択を保存および取

得させることにより選択の再利用も簡単にします。ユーザーは、複数のレポート

またはプレゼンテーションにおいて、ポピュラーな選択または問合せ(「上位 5

製品」など)を使用したいと考える場合がよくあります。

エンド・ユーザーが問合せ言語を理解していなくても問合せを定義できる点が、

QueryBuilder の重要な強みです。問合せ定義をビジネス用語で提示することで強

力な問合せが作成され、エンド・ユーザーは必要に応じて修正できます。たとえ

ば、デフォルトの問合せ定義は「Show the Top 5 Products based on Sales(売上に基

づいて上位 5 製品を表示する)」のようになります。エンド・ユーザーはこの定

義の「Top(上位)」を「Bottom(下位)」に修正して、Sales(売上)に基づい

て下位 5 Products(製品)を表示できます。

CalculationBuilder

CalculationBuilder ビーンズは、計算結果を導くためのユーザー・インタフェース

を提供します。QueryBuilder 同様、エンド・ユーザーは、基盤となる SQL の理解

を必要としないテンプレートで新しい計算方法を定義します。たとえば、データ

ベース管理者は Sales Growth(売上成長)を定義していないが、エンド・ユーザー

は特定の製品ラインについて、昨年度と比較したSales Growthを見たいとします。

CalculationBuilder を使用すれば、ユーザーはこの計算を定義できます。計算テン

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プレートは種類ごとに編成されています。この文書の例でのエンド・ユーザーは、

適切な時系列テンプレートを選択して新規のメジャーを定義します。

カタログ・サービス

BI Beans Catalog

BI Beans Catalog は、セキュアで検索可能かつ拡張可能なオブジェクト・ストレー

ジ・メカニズムを提供します。これにより、エンド・ユーザーは個人的な分析を

保存し、ユーザー・コミュニティの他のメンバーと分析を共有できます。カタロ

グは、表、クロス集計、グラフ、計算、および問合せの定義を XML フォーマッ

トで保存します。

これらのオブジェクトはフォルダ内に構成され、そこではユーザー・レベルとユー

ザー・グループ・レベルでアクセス権限が与えられます。たとえば、エンド・ユー

ザーはレポートを保存するとき、Finance Group フォルダにドキュメントを保存し

て、後で財務部内の同僚がアクセスできるようにできます。カタログは、プラグ

イン可能な認証方式およびストレージ・メカニズムにも対応しています。たとえ

ば、開発者が会社の LDAP サーバーに対してユーザーを認証したい場合、または

デフォルトによってサポートされた 2 つ(Oracle データベースとローカル・ファ

イル・システム)以外のデータストアにオブジェクトを保存したい場合です。

カタログはキーワード、名前、説明、著者または日付で検索可能であり、オブジェ

クト型によるフィルタリングが可能です(たとえば、グラフのみの表示)。これ

によりユーザーは、定義済みオブジェクトの大きいプール内で、対象となるオブ

ジェクトのみを抽出できます。

カタログも拡張可能です。永続性インタフェースを実装することで、アプリケー

ションは独自の永続性オブジェクトが定義できます。たとえば開発者は、グラフ

とクロス集計の両方が入った複合オブジェクトを開発する可能性があります。こ

の新しいオブジェクトは、レイアウト情報やページ・タイトルなどを含む場合が

あります。永続性インタフェースの実装により、この新規オブジェクトは、ネイ

ティブ・オブジェクトのように振舞うことができます。たとえば、オブジェクト

を保存したり検索したりできます。

MetadataManager

MetadataManager ビーンズは、分析アプリケーションの定義で使用する、すべての

メタデータの統合化ビューを提供します。MetadataManager は、BI Beans Catalogに保存されたメタデータと OLAP Catalog 内に定義されているメタデータを実行

時にマージします。

図 3: MetadataManager の概要

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エンド・ユーザーは情報の共通部分(Sales や Costs など)にアクセスが必要です。

この情報は Oracle10g OLAP 内の OLAP Catalog に保存されています。

ユーザーは、また、定義が BI Beans Catalog に保存されている個人的な計算(%

Growth(増加率)など)にアクセスが必要になります。これらの個人的な計算は、

一般的な使用を意図していない場合があります。その場合、共通スキーマ内には

定義されません。

新規問合せまたは計算を作成するとき、ユーザーには個人的なメタデータと共通

なメタデータとの統合化ビューが必要です。MetadataManager は情報の統合化

ビューを提供します。

Oracle JDeveloper と BI Beans を使用したアプリケーション開

JDeveloper 内で BI Beans を使用すると、分析アプリケーション用に最も生産的な

開発環境が得られます。BI Beansは、JavaBeansコンポーネントをサポートする Java

開発環境で使用可能な標準 JavaBeansTM です。ただし JDeveloper は、BI Beans に

対する統合化サポートによって、最適な開発環境となっています。

Java を使用した BI アプリケーションの開発は、2 工程からなります。まず開発者

は、グラフ、表、クロス集計、問合せ、または計算など、アプリケーション・オ

ブジェクトを定義します。次にアプリケーション・オブジェクトを操作するアプ

リケーション・ロジックまたはコードを定義して実用的な BI アプリケーションを

作成します。

JDeveloper は、両方の工程で開発を支援する数種のツールを備えています。この

後の項では、Executive Insight Dashboard アプリケーションのページを作成する開

発工程を、順を追って説明します。

アプリケーションの概要

Executive Insight アプリケーションは、次のページから構成されています。

• ホームページ − ホームページはブリーフィングの開始点です。ホームページ

は主要なビジネス・ドライバ(推進要因)の概要を示し、ユーザーが次のペー

ジでさらに詳細な分析へドリルダウンできるよう、設計されています。この

ページは、次の 2 つのエリアに分類されます。1)概要分析レポートおよび 2)

ブリーフィング・ページ・ショートカット。ブリーフィング・ページのショー

トカット・ボタンをクリックすると、選択されたページが表示されます。

• Product Insight − Product Insight ページは、ダッシュボードのルック・アンド・

フィール(外観と操作性)を持つように設計されています。このページは、3

つの主要領域に分割されます。1)各製品部門への高速アクセスを提供するボ

タン、2)時間経過に伴う売上、費用、および利益の分析を提供する 6 つの詳

細レポート、3)ブリーフィング・ナビゲーション・ボタン。このページの目

的は、業績の詳細なスナップショットを提供し、利益、売上および費用の増

大に関連した潜在的な問題を明確にすることです。

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• Customer Insight − Product Insight ページ同様、Customer Insight ページも 3 つ

の主要領域に分割されます。このページの目的は、業績の詳細なスナップ

ショットを提供し、地域的観点から利益、売上および費用の増大に関連した

潜在的な問題を明確にすることです。グラフおよび画面レイアウトは、Product

Insight ページと同じです。

• 販売分析 − このページの目的は、個々の製品に関する現在および将来の売上

収益の詳細分析を提供することです。直前のページは概要カテゴリおよび地

域分析に専念していましたが、このページからは詳細情報へドリルダウンし、

個々の製品の販売について予測分析を実施できます。

• What-If 分析 − この例では、今後の促進活動の分析を提供します。ユーザー

は、選択された期間に特定タイプの販売キャンペーンを実施し、売上、費用

および利益の予測を表示できます。この予測は、直前の促進キャンペーン結

果のモデリングに基づいて、データを前方へ投影し、将来の売上を見積りま

す。

• 非定型分析 − このページでは、ユーザーは、BI Beans が提供する非定型分析

ツールを使用して、直前のページに表示されたプレゼンテーションを分析で

きます。

図 4: Executive Insight アプリケーション内のページツーページ・ナビゲーション

この文書では、Product Insight ページの開発に焦点を当て、新規 BI Beans の詳細

JSP タグの使用方法を明確にします。次のイメージは、この文書の次に記述する

主要な機能を示しています。-

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図 5: Product Insight ページでの BI Beans JSP タグの使用

BI プレゼンテーションの作成

JDeveloper は、ウィザードで開発者に新規 BI オブジェクトの作成工程を案内しま

す。BI Designer ウィザードは、Oracle データベース内のデータと LIVE 接続を確

立します。開発者はウィザードの使用により、コードを 1 行も書かず視覚的にデー

タ・プレゼンテーション、問合せ、またはカスタム(ユーザー定義)計算を作成

できます。これにより、定義プロセスが大幅に簡素化し、スピードアップします。

JDeveloper は、プレゼンテーション・オブジェクトの作成および修正時にデータ

への LIVE アクセスを提供することで生産性の向上を保証します。プレゼンテー

ション・エディタにより、ユーザーは LIVE データ・ソースと共にプレゼンテー

ション・プロパティを修正できます。これは、たとえば、開発者は、プレゼンテー

ション内の問合せの結果を表示するために、アプリケーションをコンパイルした

り実行したりする必要がないことを意味します。プレゼンテーションのフォー

マットは概してデータ駆動型なため、これは非常に重要です。たとえばグラフの

作成に、アプリケーション開発者は、LIVE データを見て正しいグラフ型、カラー・

フォーマットおよびその他のビジュアル・プロパティを選択する必要があります。

BI Beans と JDeveloper の組合せのもう 1 つの主要メリットは、開発環境への BI

Beans Catalog の統合です。1 つのアプリケーションが、きわめて多数の BI アプリ

ケーション・オブジェクトを含んでいる場合があります。このようなアプリケー

ションをスケーラブルにするには、アプリケーション・オブジェクトの定義をア

プリケーション・コードではなくカタログに保存する必要があります。この統合

によりパブリック・フォルダを介してオブジェクトが保存および共有されるため、

オブジェクトの再利用性も保証されます。

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Executive Insight BI Beans アプリケーションによって使用するグラフの作成に、ア

プリケーション開発者は、QueryBuilder ビーンズに基づき JDeveloper に組み込ま

れた Presentation Builder ウィザードに従い、順を追って進むだけです。

図 6: JDeveloper と BI Beans で主要なパフォーマンス・インジケータを作成する

アプリケーション・コードの開発

JDeveloper の概念に慣れた開発者は、BI Beans を使用したアプリケーションの開

発方法もすばやく理解するでしょう。BI アプリケーションの開発には、可能な限

り共通の JDeveloper 概念を使用し、これらの概念を必要に応じて拡張します。

JDeveloper ツール・パレット、プロジェクト・ナビゲータおよびウィザードを見

ると非常に明確です。BI Beans は、環境にシームレスに適合します。

JDeveloper は、アプリケーションの開発を簡単にするためのウィザードを備えて

います。これには、Java クライアントおよびシンクライアント用の JavaServer Pages

(JSPs)に対して Java アプリケーション、またはアプレットを作成する工程が含ま

れます。このようなアプリケーション・ウィザードはアプリケーション開発に必

要な時間を大幅に削減し、ウィザードはデプロイメントに柔軟性を提供します。

開発者は、同じアプリケーション・オブジェクトに基づいた Java クライアント・

アプリケーションとシンクライアント・アプリケーションの両方を簡単に作成で

きます。

Product Insight JSP ページの開発

新しい BI Beans JSP ページを作成するには、アプリケーション開発者は JDeveloper

の New Object Gallery ウィザードに従い順に進みます。

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図 7: JDeveloper での新規 BI JSP ページの生成

JDeveloper 10g への BI Beans 統合には、BI ロジックをカプセル化した JSP タグが

入っているカスタム JSP タグ・ライブラリも含まれます。たとえば、グラフを表

示するためのカスタム・コードを何行も作成する代わりに、開発者は単純なプレ

ゼンテーション JSP タグをアプリケーションに含めることができます。カスタ

ム・タグ・ライブラリを使用すれば、BI アプリケーションを迅速に開発できるほ

か、すべての BI Beans コンポーネントへのアクセスが提供されます。

図 8: JDeveloper 内の BI Beans JSP タグ・ライブラリ

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BI Beans JSP タグは JDeveloper 10g の新機能である Visual JSP Editor とも統合され

ます。JSP/HTML Visual Editor は、アプリケーション開発者がドラッグ・アンド・

ドロップなどを使用して JSP ページ内のビジュアル・ユーザー・インタフェース・

コンポーネントを直接操作するキャンバスです。開発者が Visual Editor でファイ

ルを開くと、ページは配布時に Web ブラウザに表示されるとおりに、HTML およ

び関連 Web フォーマットでレンダリングされます。開発者がエディタ上のページ

の視覚特性を編集すると、ブラウザに表示されるとおりの編集結果が即座に閲覧

できます。

開発者は好みの HTML エディタを使用して、JSP ページの HTML 部分を編集でき

ます。

JDeveloper で Product Insight ページを作成する場合、アプリケーション開発者は次

の手順に従うだけです。

1. New Graph ウィザードを使用して、ページに表示するグラフを作成します。

2. ウィザードを使用して、新しい Empty BI Beans JSP ページを作成します。

3. JDeveloper ビジュアル・エディタ(または別の HTML エディタ)を使用

して、2 行×3 列の HTML 表レイアウトを作成します。

4. プレゼンテーション・タグをドラッグ・アンド・ドロップして、グラフ

をセルに挿入します。

5. 左に別の垂直行レイアウトを作成し、DimensionMemberList BI Beans タグ

を使用して Product ボタンを挿入します。

6. PageList BI Beans タグを使用して、右上にページ・ナビゲーション・コン

トロールを挿入します。

図 9: JSP Visual Editor で BI Beans Dashboard Page を開発する

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BI Beans List タグを使用したアプリケーションの迅速な開発

JDeveloper 10g の BI Beans は、新規機能として List タグ・セットを取り入れてい

ます。List タグを使用すれば、アプリケーション開発者はページ上にオブジェク

トの一覧を迅速に生成できます。

• ディメンション・メンバー・リスト

• 保存済み選択リスト

• ページ・リスト

• メジャー・リスト

アプリケーション開発者は、リスト・コントロールをボタン、リンク、ラジオボ

タン、イメージ、またはその他の形でレンダリングできます。

この概念を示すため、例として Product Insight ページの左にある Product ボタンを

使用します。これらのボタンを作成する場合、アプリケーション開発者は新しい

DimensionMemberList タグを使用して、Product ディメンションの所望のレベルか

ら Products 用のボタンをすべて作成できます。開発者はウィザードの指示に順を

追ってディメンション、階層、ディメンション・メンバーを選択してから、結果

のコントロールをイメージとしてレンダリングすることを指定します。

図 10: Product Category ボタンの作成

同様にアプリケーション開発者は、PageList タグの使用によりコーディングなし

で右上にブリーフィング・ブック・ナビゲーション・コントロールを生成できま

す。PageList タグは、JDeveloper プロジェクト内に存在するすべての JSP ページ用

に自動的にナビゲーション・コントロールを生成します。

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結論

このホワイト・ペーパーでは、JDeveloper フレームワーク内で BI Beans を使用す

ることにより、アプリケーション開発者が J2EE の専門家でなくても生産性を向上

できることを説明しました。開発者は新しいウィザード、エディタおよびビジュ

アル・デザイン・ツールを使用して、迅速かつ容易にカスタマイズされた BI ソ

リューションが作成できます。

開発サイクルの短期化、より革新的な機能、および厳密な標準準拠により、

JDeveloper 10g と BI Beans の組合せは、開発者が抱いている開発環境に対するイ

メージを一新させます。ビジネス価値は明白です。なぜなら、より少ない先行投

資で製品化までの時間を短縮し、総所有コストが削減できるからです。Oracle

JDeveloper と BI Beans の組合せは、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーショ

ン用の業界初の完全統合型 Java 開発環境です。

Oracle JDeveloper と Oracle BI Beans を使用した高度な分析アプリケーション 2004 年 11 月 著書: Katarina Obradovic-Sarkic、Senior Product Manager、Oracle Business Intelligence Tools 寄稿者: Keith Laker、Principal Product Manager、Oracle Business Intelligence Tools Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright © 2004, Oracle. All rights reserved. この文書はあくまで参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。 オラクル社は、本ドキュメントの無謬性を保証しません。また、本ドキュメントは、法律で明示的または暗黙的に記載

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