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月に望遠鏡を立てるとしたら栗田光樹夫
160823
宇宙ユニットサマースクール
京都大学生存圏研究所信楽MU観測所
13:00-13:45
イントロダクション
NASA
解像度大気による光の乱れ•望遠鏡の回折限界=観測波長/口径≃0”.02
@観測波長=1μm, 口径=10m
•地球では大気があるため、優れたサイト(チリやハワイ)でも0.5秒角以上にボケる。
•月では大気がないため、回折限界の解像度が得られる
ALMAの分解能:~0”.01
解像度大気による光の乱れ
すばる(AOなし)口径8m
ハッブル宇宙望遠鏡口径2.4m
補償光学(AO)は可視光にほぼ限定されるので、他波長ではさらに有効
透過率
•地球では大気の吸収により、限られた波長大のみで観測ができる。
• X線、紫外線、赤外線など
波長
大気の透過率
Wikipediaより(一部改編)
原子や原子核の散乱
分子のレイリー散乱とO2, O3吸収 CO2,H2O,やCOの吸収
電離層での反射
透過率
•可視ではさほどメリットはないが、長波長では劇的な改善がある
•系外惑星の大気の研究などにはとくに有効だろう
波長 μm
紫:4,200 m水:0 m
バックグランドノイズ
•近赤外線より長い波長になると地球大気は光る(300K)。
Cerro Paranal-Chile
市街地
ESOのHPよりGemini ObservatoryのHPより
バックグランドノイズ
• さらに変動する
ESOのHPよりPatat 2002
観測時間
•曇りがないので常時観測可能
•地球では大気によって、太陽が昇っているときには大気のレイリー散乱によって可視・近赤外では観測できないが、月面なら昼でも太陽の方向以外は観測可能
•地上では世界最高の観測地で80-90%の晴天率だが、その倍以上の観測時間が確保される
月面に30m望遠鏡を作ったら
•地上の100~200倍の解像度
•地上の2倍程度の光を受け
•背景ノイズがゼロで
• いつでも
観測できる
そうだ、月面にいこう。
まだまだある月面の利点
•風が吹かないので• 望遠鏡の追尾制御が容易
•雨が降らないので• ドームが不要
•真空なので• 錆びない、腐らない
• 鏡が曇らない
•重力が小さいので• ・・・特にない
不利な点
•環境起因の本質的な問題はない
どこに作るべきか
• 地球照から逃げる• 地球の反対側• 極• 極のクレーター
• 地球との通信基地を考えると• 極
自転軸があり、地面があるということから、衛星のように全天を観測できるわけではない。したがって南北2台の望遠鏡が望ましい。
Earth MoonSun
問題点
•月にまでいくコスト(わざわざポテンシャルの低いところへ行くのか。。)
•資源• 鉄、アルミ、ケイ素
• 重力が小さい分少ない資源でできるとは思うが、地球のように物質が分化していないだろうから、採取は容易ではないだろう
• インフラ• 食料、機材、電力、通信まぁ、これらは月面基地ができていると思えば確保されているという前提で。。
議論の種
• 重力波望遠鏡はどうだろう
• 月のクレータを使ったアレシボ型の望遠鏡はどうだろう
• 水銀望遠鏡はどうだろう
• 大気がないのでオカルティングはどうだろう
• まぁ、とりあえず自由に考えてみて、そのあとネットで調べてみては?
国立天文台ニュース247より
http://www.naic.edu/
http://www.astro.ubc.ca/LMT/home.html
Exo-S
• Science and Technology Definition Teamsによって(おそらく)検討中の次期計画
• スペースコロナグラフ(StarShade)
• 1.1mの望遠鏡+直径30mのStarshade@地球周回軌道
• もしくはWFIRST 2.4m望遠鏡+34mStarshade@L2