8
- 1 - 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなた がたは力を受ける。そして、エルサレムばか りでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、 地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」 (新共同訳聖書) 弟子たちが何か立派だったから、弟子たち が何かすばらしい実績、業績を積んだからキ リストの証人とされるのではないことは、彼 ら自身がよく知っていたはずです。こんなわ たしが、こんな者がということは彼ら自身が 一番よく分かっていたに違いありません。キ リストの証人。キリストの証人とされるのは、 その人の資質や、その人の業績評価の結果で はありません。世俗で通用する成績が物差し なのではありません。キリストの証人。それ は砕かれた魂を持つ者たち、キリストがいて くださらなければ生きてゆくことはできない ことを知っている者たちのことです。この者 たちを、キリストは、御自分の証人とされる のです。キリストは、高ぶる者たちを打ち砕 かれ、萎えてしまった者たちを強くされ、御 自分の民を、キリストを証しする者として立 てられます。キリストの証人たち。キリスト が、御自身の証人たちをして、福音をもっと 広く、もっと遠くに宣べ伝えてゆかれます。 福音は、ガリラヤから、エルサレムへ、そし て、シリア、小アジア、マケドニアへ。そし て世界の中心ローマに至ります。 キリストの証人たちが、福音を持ち運んで もっと広く、もっと遠くにまで、キリストの 救いを宣べ伝える様を使徒言行録の頁を繰る 毎に追ってゆくことができます。前半は、キ リストの使徒たちの代表、ペトロと共に。後 半は、異邦人たちのためのキリストの使徒と して召されるパウロと共に伝道旅行に出かけ ます。彼らの持ち運んだ福音は、エルサレム からはじまってローマに至ります。多くのキ リスト者を、多くのキリストの証人を起こし 生み出しながら、たくさんのキリストの教会 を建て上げながら福音が前進してゆくのをた どることができます。 わたしたちの日本に福音主義教会の信仰が 伝えられ 155 年を迎えました。最初の宣教師 たちは、鎖国されている日本にやって来て福 音の種を蒔き始めました。教会を公に建て上 げることは許されていない時代です。英語教 育を通して、医療を通して、しかし、福音は 確実に実を結びます。慶応 1 年、1865 年、矢 日本基督教団 柿ノ木坂教会 主任担任教師 牧師 渡邊義彦 152-0022 東京都目黒区柿の木坂 1-31-19 電話:03-3717-3870 Fax 03-3717-3916 164 2014 7 27 巻頭言 「ペトロと共に、パウロと共に」 ――使徒言行録第1章8節―― 牧師 渡邊 義彦

「ペトロと共に、パウロと共に」kakinokizaka-church.com/news/bin/upload/img_0004_0165.pdf- 1 - 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなた がたは力を受ける。そして、エルサレムばか

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Page 1: 「ペトロと共に、パウロと共に」kakinokizaka-church.com/news/bin/upload/img_0004_0165.pdf- 1 - 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなた がたは力を受ける。そして、エルサレムばか

- 1 -

「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなた

がたは力を受ける。そして、エルサレムばか

りでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、

地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」

(新共同訳聖書)

弟子たちが何か立派だったから、弟子たち

が何かすばらしい実績、業績を積んだからキ

リストの証人とされるのではないことは、彼

ら自身がよく知っていたはずです。こんなわ

たしが、こんな者がということは彼ら自身が

一番よく分かっていたに違いありません。キ

リストの証人。キリストの証人とされるのは、

その人の資質や、その人の業績評価の結果で

はありません。世俗で通用する成績が物差し

なのではありません。キリストの証人。それ

は砕かれた魂を持つ者たち、キリストがいて

くださらなければ生きてゆくことはできない

ことを知っている者たちのことです。この者

たちを、キリストは、御自分の証人とされる

のです。キリストは、高ぶる者たちを打ち砕

かれ、萎えてしまった者たちを強くされ、御

自分の民を、キリストを証しする者として立

てられます。キリストの証人たち。キリスト

が、御自身の証人たちをして、福音をもっと

広く、もっと遠くに宣べ伝えてゆかれます。

福音は、ガリラヤから、エルサレムへ、そし

て、シリア、小アジア、マケドニアへ。そし

て世界の中心ローマに至ります。

キリストの証人たちが、福音を持ち運んで

もっと広く、もっと遠くにまで、キリストの

救いを宣べ伝える様を使徒言行録の頁を繰る

毎に追ってゆくことができます。前半は、キ

リストの使徒たちの代表、ペトロと共に。後

半は、異邦人たちのためのキリストの使徒と

して召されるパウロと共に伝道旅行に出かけ

ます。彼らの持ち運んだ福音は、エルサレム

からはじまってローマに至ります。多くのキ

リスト者を、多くのキリストの証人を起こし

生み出しながら、たくさんのキリストの教会

を建て上げながら福音が前進してゆくのをた

どることができます。

わたしたちの日本に福音主義教会の信仰が

伝えられ 155 年を迎えました。最初の宣教師

たちは、鎖国されている日本にやって来て福

音の種を蒔き始めました。教会を公に建て上

げることは許されていない時代です。英語教

育を通して、医療を通して、しかし、福音は

確実に実を結びます。慶応 1年、1865年、矢

日本基督教団

柿ノ木坂教会

主任担任教師

牧師 渡邊義彦

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂

1-31-19 電話:03-3717-3870 F a x: 03-3717-3916

教 会 報 164 号 2014 年 7 月 27 日

巻頭言

「ペトロと共に、パウロと共に」

――使徒言行録第1章8節――

牧師 渡邊 義彦

Page 2: 「ペトロと共に、パウロと共に」kakinokizaka-church.com/news/bin/upload/img_0004_0165.pdf- 1 - 「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなた がたは力を受ける。そして、エルサレムばか

- 2 -

野元隆が福音主義教会最初の受洗者となりま

す。2千年の昔、ガリラヤの地で蒔かれた福

音の種は日本に至ります。わたしたちは、こ

の福音を携える最も先端にいます。けれども、

日本の伝道は 150 年を経ても一向に前進しな

いように思えます。日本のキリスト者の人口

は、日本国民の 1 パーセント、今はこの 1 パ

ーセントを切っていると言われています。こ

れまで、いくつかのキリスト教ブームのピー

クがありました。明治期末期から大正にかけ

ての一つのピーク。もう一つは第二次世界大

戦後、終戦後のピーク。しかし、その後、現

在に至るまで、キリスト者の人口は、横ばい、

または衰微を続けています。その姿は、使徒

言行録でわたしたちが出会ってゆく最初の教

会の伝道進展の目覚ましさとは全く比較にな

らないほど弱々しいとも思えます。このまま

でよいのか、このままでは、日本において教

会は単なる思い出話になってしまうのではな

いか。ガリラヤに始まった福音の伝道は、2

千年後、日本に至り、その最先端に我々がい

て、そして、我々がその最先端にいながら、

その我々が最後になってしまうのではないか。

使徒言行録を読み進めてゆくときには、伝

道が進展するに決して平坦ではなかったこと

にも気づいてゆくことでしょう。伝道には、

いつの時代にも戦いがありました。それは、

信仰を守り抜く戦いであり、福音を守り続け、

救いはキリストにしかないと信じた者たちが、

キリストの救いだけを宣べ伝えてゆくのに出

会わねばならない戦いです。しかし、この戦

いの最中で、キリスト者たちは、キリストの

証人たちは、さやかにキリストを仰いできま

した。キリストは生きておられると、もっと

深く、もっと確かに信じさせられてきました。

キリストは、この教会をして、なおも、御自

身の遂げられた救いを宣べ伝えようとしてお

られることを知らされてきました。

伝道の原動力は、わたしたちのうちに自然

に湧いてくる意欲ではありません。キリスト

が、わたしたちを伝道に召していてくださる

のでキリストの救いを宣べ伝えます。弟子た

ちは、今、主が十字架にかかれたのと同じエ

ルサレムにいます。主が、逮捕され、連行さ

れるあの晩には逃げ出してしまった弟子たち

です。自分の命を守るのに必死だった弟子た

ちです。今も、同じ危険が迫っているエルサ

レムに、弟子たちは留まっています。キリス

トがよみがえられた最初の日曜日、その晩に

は自分たちの部屋に固く鍵を閉ざして、自分

たちも捕らえられ殺されるのではないかと恐

れた弟子たちです。しかし、今、彼らは、弟

子ではなく使徒と呼ばれています。そして、

一つところに集まりながら同じ臆病に恐れて

いません。いや、むしろ喜び期待しています。

希望を与えられています。死を恐れることな

く希望に生き始めています。

キリストはよみがえられた。生きておられ

る。

弟子たちは、出発の準備をしています。伝

道旅行に出かける準備をしています。

「あなたがたの上に聖霊が下ると、あなたが

たは力を受ける。そして、エルサレムばかり

でなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、

地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」

キリストのお言葉です。

さあ、ペトロと共に、パウロと共に、キリ

ストの証人たちと共に、キリストの救いを宣

べ伝える旅に出ましょう。

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―わたしたちは神さまのもの-

「はじめてのカテキズム」第 45回

原島 正

問い58「われらをこころみにあわせず、悪

より救いいだしたまえ」と祈るのは

何を願っているのですか。

答え 最も必要な時において、神さまがわ

たしたちを守ってくださるようにと

願います。わたしたちを罪に導くあ

らゆる欲から自由にしてくださるよ

うに、そして、わたしたちを脅かす

悪の力から守ってくださるようにと

神さまに祈るのです。

今回は、「主の祈り」の第六の祈りについて

学びます。最後の祈りです。最後に何を祈る

のでしょうか。最も大事なことを祈ります。

これまでの祈りのおさらいをします。「主の祈

り」は前半と後半に区分されます。後半の第

四の祈りは「日用の糧を今日も与え給え」、第

五の祈りは「われらの罪の赦し」でした。そ

して最後の祈りとなります。この祈りについ

て書かれた書物から次のことを学びました。

人生に必要なものは二つある。一つは「日用

の糧」すなわち、私たちの身体の養い、もう

一つは「罪の赦し」すなわち、私たちの魂の

癒しです。日々の糧が、私たちの生命に不可

欠なことは当然です。そして、私たちは弱い

存在ですので、たとえ意図しなくても、多く

の罪を犯さざるを得ません。「罪の赦し」なく

して、生きて行くことができません。それな

らば「日用の糧」と「罪の赦し」だけの祈り

でよいのでしょうか。私たちの人生は、今日

から明日へと続きます。その日々の歩みのな

かで、様々な「こころみ」に出会います。

それでは、私たちにとっての「こころみ」

である「悪の力」とはどのようなものでしょ

うか。ある神学者は「悪の力」とは「お金の

力」だと言います。お金そのものが悪だとい

うのでは勿論ありません。けれども、私たち

が「お金の力」に、いかに弱いかを日々の生

活で知らされます。「悪の力」はお金だけでは

ありません。サタンは、すべてのもの、とく

に良きものを利用して私たちを試みます。そ

れ故、最後に「われらをこころみにあわせず、

悪より救いいだしたまえ」と祈ります。「われ

ら」となっています。「こころみ」は私の問題

であるとともに、私たちの問題だからです。

この「最後の祈り」について読みましたあ

る本に「こころみ」の最後の最大のもの、そ

れは「サタンが人間に『背教』を迫るこころ

みである」という新約学者エレミヤスの説が

紹介されています。先日ある求道者から「洗

礼を受けて教会員になった人で、まもなく教

会から離れてしまう人がいるのは、どうして

ですか」と問われました。私は、答えるのに

窮しました。何故ならば、一般論で答えるこ

とができないからです。お一人お一人の事情

があるからです。「われらのこころみ」として

教会から離れざるを得なくするものがあるこ

とは事実です。それだけに、この最後の祈り

は切実です。けれども、神さまは「最も必要

な時において」私たちを「悪の力」から守っ

てくださいます。そのことに信頼してこの最

後の祈りを祈りましょう。

参考にした書物の著者と書名は次回に記し

ます。

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- 4 -

主の働き人・各会・各グループは今 20

東京神学大学を訪ねて-いずみ会遠足-

中村 知美

5 月 30 日(金)、まるで 5 月とは思えないほ

どの真夏のような晴天に恵まれて、16名の参加

で東京神学大学を訪問しました。

実は、東神大は昨年(2013年)のいずみ会遠

足でも伺ったのですが、企画が好評だったため

再訪となりました。

当日は 9 時 50 分に都立大学駅集合。11 時に

武蔵境駅集合組と合流し、バスでいざ東神大へ。

11 時 30 分から大学チャペルにて礼拝を持ち

ました。(下:東京神学大学礼拝堂)

その後、お部屋をお借りして、なごやかに昼

食。大学職員の山田さんから、大学についての

説明がありました。

(下:昼食後大学の現状についてお話を伺う)

長い間、経済的に大変厳しい状況にあった大

学ですが、近年、少しずつ改善しているとのこ

と。これからの日本のキリスト教会を背負う献

身者のためにも、ますます祈り、捧げなくては

ならないと感じました。

長山先生にも偶然お目にかかれ、なつかしい

話に花が咲きました。

午後は新緑美しい、自然あふれるキャンパス

散策。東神大の図書館は、学生の勉強のため、

通常は見学できないのですが、今回は特別に見

学を許されました。

十万冊を超える神学関係の蔵書は、日本一の

蔵書数で、中には明治時代からの大変貴重な、

歴史を感じる本も存在し、感動させられました。

(上:図書館。左後ろは学生寮。下:図書館前で)

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- 5 -

(上:東神大から ICU への森、新緑がまぶしい)

その後、山田さんのガイドをいただきながら、

お隣のICUにお散歩。

若い学生に混じって、学食におじゃまして、

おいしいお茶をいただいて、帰途につきました。

来年度のいずみ会遠足の計画は未定ですが、

機会があれば、また訪ねてみたいと思っていま

す。

いずみ会会員でなくとも、教会員の方、お友

達の方、どなたでもぜひ参加していただきたく

存じます。いつでも大歓迎いたします。次回の

遠足に、乞うご期待!!

-男性の参加者より-

男性の参加歓迎との案内で、参加しました。

男性は渡邊先生を入れて 3人でした。

五月の終わり、梅雨の前の晴れた一日は、

またとないような好天に恵まれ、武蔵境から

バスに乗り、西野で下車、ルーテル神学大学

の横を通って東京神学大学と国際基督教大学

へ。緑豊かな武蔵野の面影が残る、緑がまば

ゆいこの地区の散策は最高でした。

東京神学大学の礼拝堂での礼拝も、石岡さ

んのオルガンで、素晴らしい体験でした。

また、東京神学大学のお計らいで図書館の

書庫の中も見学できました。特に歴代卒業生

の論文を集めた書架で、論文の中は見られま

(ICU の礼拝堂を見学)

(ICU のカフェテリアで学生たちに混じって一休み)

(緑豊かな ICU の構内で記念撮影)

せんでしたが、背表紙に著者の名前があり、

みなさん、あ、〇○先生のがあった、ここに

△△先生のが・・・と、はしゃいでいました。

ICUの礼拝堂の中も見学し、その後、外

国人留学生の姿も多いガラス張りのカフェテ

リアへ。アイスクリームが心地よいひと時で

した。(K.I)

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☆☆☆教会の行事☆☆☆

――今まであったこと――(定例行事は除く)

5月 30日(金):いずみ会遠足(4ページのレポート参照)

6月 8日(日):聖霊降臨日(ペンテコステ)礼拝

午後、明治学院のチャペルで、明治学院と南支区共催の「ペンテコステの

集い」が開催され、今年も南支区合同聖歌隊が奉仕した。

南支区合同聖歌隊の練習指導と指揮、及び当日のオルガン伴奏は柿ノ木坂

教会が担当した。

6 月 29日(日):礼拝後 2013 年度教会会計決算報告会が開かれた。

伝道月間

6 月 1 日(日):説教「本当の願いが、かなえられる時」キスト岡崎さゆ里先生

(アメリカ改革派教会牧師、日本基督教団協力宣教師)

6月 7日(土):午後 2時、チャーチコンサート「田代美代子&明治学院グレゴリーバンド

(男声聖歌隊)ジョイントコンサート」

クレゴリーバンドの演奏 田代美代子さんとグレゴリーバンドの共演

6月 8日(日):聖霊降臨日(ペンテコステ)礼拝、説教「主がお与えくださる安らぎ」

松下恭範牧師(柿ノ木坂教会協力牧師)

6月 15日(日):説教「ここに愛がある」野村忠規牧師

(東松山教会牧師)

6月 22日(日):説教「あなたがたに新しい掟を与える」

相良昌彦先生(青山学院高等部宗教

主任)、礼拝で青山学院高等部聖歌隊の

奉唱が行なわれ、午後の愛餐会でも

4曲演奏された。

6月 29日(日):説教「あなたではない、わたしがあなたを選んだ」渡邊義彦牧師

(柿ノ木坂教会牧師)

――これからの予定――

7 月 11日(金):ベテル幼稚園夏のお楽しみ会(10年目補修工事のため前倒しして実施)

7 月 16日(水)~8月 29日(金)の予定で教会堂改築 10 年目補修工事が行われる。

8 月 3 日(日)~5 日(火):教会学校丹沢サマーキャンプが丹沢山荘で行われる。

9 月 7 日(日):教会学校ジュニアチャーチ、夕涼み会。

愛餐会で話される

相良先生、 野村先生

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- 7 -

讃美歌よもやま話

「馬槽のなかに」(讃美歌21-280) とオラトリオ「ヨブ」

-その1-

桝田 恒

今回教会報ご担当者より、讃美歌「馬槽のな

かに」について投稿願いますとのご依頼を受け

ました。

この讃美歌は 1954 年版 121 番として礼拝で、

また多くの機会に歌ってきた讃美歌です。

この讃美歌には特に強い思い出があります。

明治学院中学校に入学し、教会へと導かれま

したのは碑文谷教会でした。20年間碑文谷で教

会生活を過ごしましたが、教会で、学校礼拝で

良く歌われたのが「馬槽のなかに」でした。作

曲者の安部正義先生は碑文谷教会の教会員で、

雨柳夫人とともに礼拝を守っておられました。

明治学院大学ではグリークラブ(明学は混声

です)に入部いたしました。当時はベビーブーマ

ーの進学で、グリークラブも 150 人の部員がい

ました。

1967年大学 2 年の年に、安部氏から明学グリ

ーにオラトリオ「ヨブ」初演のご依頼が池宮英

才氏(東京女子大教授・グリー指揮者)を通じ参

りました。練習が始まり最初にコラールを歌い

ました。なんと「馬槽のなかに」のメロディー

はオラトリオ‘ヨブ’の大切な

テーマの「エホバ与え、エホバ

取り給う」の旋律を使用したも

のでした。

当時、岩波新書から浅野順一

先生の「ヨブ記」が出版され、部

員で読書会を持ちつつ練習に

臨みました。その年の 5 月、か

つて安部氏の奉職された明治

学院のチャペルで、明治学院グ

リークラブ、ソリストの先生方、

園部順夫氏のパイプオルガン

伴奏で感動的な演奏会が行われました。当日出

席された中田羽後氏の批評が後日、「キリスト新

聞」に掲載されました。

前段が少し長くなりましたが、1931年版讃美

歌採用以来、我が国の代表的讃美歌の一つとし

て歌い継がれてきた讃美歌をご紹介したいと思

います。

1.「馬槽のなかに」(讃美歌 21-280)の詞に

ついて

曲は前述のとおりですが、作詞は’54 年版讃美

歌讃美歌委員長の由木康牧師(東中野教会)です。

主イエス・キリストのこの世での人性をつぶさ

に、また、その神性を美しく歌っている讃美歌

「馬槽のなかに」は二代前の讃美歌(’31 年版)

から歌い続けられてきました。

北村宗次牧師は「礼拝と音楽」№53で、「馬

槽のなかに」は由木先生の初期の作品であり、

また代表作であります。由木先生が献身の志

を実現すべく、神戸聖書学校で学び、東京の

二葉独立教会(現東中野教会)牧師となって二

年目、イエスの神性について悩んだ

末、一つの確信に達した。その時の

心境を自由詩に表現し、「この人を

見よ」と題して発表したものが

後、’31年版讃美歌に採用されたと記

されています。 ちなみにキリスト新聞社より出

版された「この人を見よ」という由

木氏の主題説教集(1984 年)があり

ます。この中で讃美歌について詳し

く触れられています。 (以下次号につづく)

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- 8 -

―――編集後記―――

・6月の伝道月間には、駅に掲出したポスター

を見て、という方もあります。お呼びした

先生方の説教も、それぞれ力強く、神様の

メッセージが心に響いたのではないかと、

感謝。特に音楽会には多くの方がお出でく

ださり、楽しく過ごすことができました。

・いずみ会の遠足も楽しく、意義のあるもの

で、男性ももっと参加できるといいなと思

います。

◇教会報へのご意見・ご感想を編集委員長の

井澤浩一までお寄せください。

集会案内

主日礼拝 日曜日 午前 10 時 30分 聖餐夕礼拝 第1日曜日 午後 5時 教会学校 日曜日 午前 9時

(幼稚科、小学科、ジュニアチャーチ) *ジュニアチャーチは中学生、高校生です。 聖書と祈り会 水曜日午前 10時、午後 7時 30分

日本基督教団 柿ノ木坂教会 〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂 1-31-19

電話 03-3717-3870(教会・牧師館) 03-3723-3870(ベテル幼稚園)

牧師 渡邊 義彦

今月のメッセージ ホームページもご覧ください

-7月のホームページ巻頭言から- http://kakinokizaka-church.com/

さて、彼らはアジア州で御言葉を語ること

を聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラ

テヤ地方を通って行った。ミシア地方の近く

まで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、

イエスの霊がそれを許さなかった。それで、

ミシア地方を通ってトロアスに下った。(新共

同訳聖書・使徒言行録第 16章 6〜8節)

6月には、すべての主日礼拝を特別伝道礼

拝として伝道月間を主にお献げしました。主

日毎にご奉仕いただいた説教者の方々に感謝

するものです。また、教会を新しく訪ねてく

ださった方々を心から歓迎します。引き続き、

教会の礼拝へとお出かけくださるのをお待ち

しております。

この伝道月間のために、長老会、伝道委員

会を中心として、教会全体で祈り準備し、献

げものをもってこの計画を皆で支えました。

先日の長老会では伝道月間の決算報告があり

ましたが、伝道委員会が担う年間予算の8割

方を伝道月間のために用います。祈りも、力

も、宝も、この月にまず集中します。

けれども、この伝道計画、実施が実りへ至

るのは、わたしたちの努力や工夫、わたした

ちの計画、実施を超えたことでなくてはなり

ません。使徒パウロは、とてもわかりやすく、

伝道の実りについてコリント教会に宛てた手

紙の中で語ってくれています。種を蒔く、水

撒く、手入れをする、それは人間にできるこ

とかもしれない、しかし、成長させることは、

神がなさることである。

ヨーロッパ、ギリシャに建てられたコリン

ト教会建設に至る伝道計画は、パウロたちの

立てた計画ではありませんでした。この経緯

を語っているのが最初に掲げた聖書の言葉で

す。挙げられている地名は、アジアの西方、

トルコの地名です。エルサレムにはじまった

キリスト教会が海を越えるのは、神の御計画、

導きでした。パウロたちは悉く行く手を塞が

れアジアの西の端に至り、海を渡りました。

人の望みが断たれ、神の御旨が成るのです。

計画、準備が無くてよいではありません。神

からご覧になるならば、全く至らない計画、

十分でない準備です。しかし、神は、そのよ

うなわたしたちを、御自身の計画を遂行され

るために用いられるのです。

夏休みを目前に、夏の教会学校のプログラ

ム、教団の大きな中高生・青年大会の計画な

ど、夏ならではの伝道計画が立てられていま

す。祈りをもって十分な計画を立て、大きな

実りを期待して実行し、すべてを主にお献げ

したい、と願います。(牧師 渡邊 義彦)