24
医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊急調査 概要 (2019年4月8日) 1 実施期間:2019年3月4日~3月22日目途(3月31日まで延期) 〇実施方法: 2次救急医療機関等は都道府県医師会経由で調査票を送付、3次救急医療 機関・周産期母子医療センターは日本医師会より直送。WEBより回答 ○アンケート対象:全国の下記救急医療機関 施設数 回答数 (%) 2次救急医療機関等 ※回答数欄の()は2次救急医療機関 3,954 1,568 1,50139.7% 3次救急医療機関 (または、小児救命救急センター) 289 171 61.2% ・(総合・地域)周産期母子医療センター 4,243 1,739 41.0% いずれも該当しない場合は、対象外。 ※2次救急医療機関には、上記には該当しないが救急告示医療機関等であった場合 を含む。 ※2次救急医療機関や救急告示医療機関には、31有床診療所を含む。 ※同一の施設より複数の回答がなされた場合は、最新の方を採用した(施設類型が 異なる場合を除く)。

医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊 …dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20190410_11.pdfN=1,739 9 時間のインターバルを確保することは可能か

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医師の働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査 概要

(2019年4月8日)

1

〇実施期間:2019年3月4日~3月22日目途(3月31日まで延期)

〇実施方法:2次救急医療機関等は都道府県医師会経由で調査票を送付、3次救急医療機関・周産期母子医療センターは日本医師会より直送。WEBより回答

○アンケート対象:全国の下記救急医療機関 施設数 回答数 (%)

・2次救急医療機関等※回答数欄の()は2次救急医療機関

3,9541,568

(1,501)39.7%

・3次救急医療機関(または、小児救命救急センター) 289 171 61.2%

・(総合・地域)周産期母子医療センター

計 4,243 1,739 41.0%

※いずれも該当しない場合は、対象外。※2次救急医療機関には、上記には該当しないが救急告示医療機関等であった場合を含む。※2次救急医療機関や救急告示医療機関には、31有床診療所を含む。※同一の施設より複数の回答がなされた場合は、最新の方を採用した(施設類型が異なる場合を除く)。

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開設者別・所在の市区町村人口規模別の施設数(全施設)

2働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

0

100

200

300

400

500

600

1万人以下 1万人~5万人 5万人~10万人 10万人~30万人 30万人~50万人 50万人~100万人 100万人超

その他 会社

生協 公益・一般社団法人、財団法人、社会福祉法人

健康保険組合・共済組合 公立病院以外の公的医療機関等(日赤、厚生連、JCHOなど)

都道府県・市区町村・地方独立行政法人 国(独立行政法人を含む)

医科大学(または医学部附属病院) 個人

医療法人

N=1739

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施設類型別・所在の市区町村人口規模別の施設数(全施設)

3働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

44

240 232

447

227

153 158

10 11

5742

18 241 1 3 2 1 13

15 12 16 9 6 60

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

1万人以下 1万人~5万人 5万人~10万人 10万人~30万人 30万人~50万人 50万人~100万人 100万人超

2次救急医療機関

3次救急医療機関(または、小児救命救急センター)

周産期母子医療センター

上記には該当しないが、救急告示病院など救急医療を担っている。

N=1,739

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当該地域の他の2次救急医療機関数(2次救急医療機関を対象)

4働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

0

200

400

600

800

1000

1200

ない 1か所ある 2、3か所程度ある 数か所以上ある (空白)

その他 会社

生協 公益・一般社団法人、財団法人、社会福祉法人

健康保険組合・共済組合 公立病院以外の公的医療機関等(日赤、厚生連、JCHOなど)

都道府県・市区町村・地方独立行政法人 国(独立行政法人を含む)

医科大学(または医学部附属病院) 個人

医療法人

N=1501

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年間救急車受入台数が1000台以上の2次救急医療機関、1000台に達しない2次救急医療機関(2次救急医療機関を対象)

5働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1000台には及ばない 1000台以上

その他 会社

生協 公益・一般社団法人、財団法人、社会福祉法人

健康保険組合・共済組合 公立病院以外の公的医療機関等(日赤、厚生連、JCHOなど)

都道府県・市区町村・地方独立行政法人 国(独立行政法人を含む)

医科大学(または医学部附属病院) 個人

医療法人

N=1501

救急車の受入台数を回答しなかった施設:2(医療法人)

916

583

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回答医療機関の病床規模(総病床数)

6働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

22

95

280

566

215

170

92

61

2 1 115 26

117

2 1 1 59 13 21 194 1

0

100

200

300

400

500

600

2次救急医療機関

3次救急医療機関(または、小児救命救急センター)

周産期母子医療センター

上記には該当しないが、救急告示病院など救急医療を担っている。

N=1,739

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救急部門の医師について、今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることについて

651

282 67 4

47

72

106

33 2

8 28

36

6

1

1 45

42 20

5

122 117 36 2

6

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

おおむね可能、すでに対応できている

医師の半数程度は可能

3分の1程度は可能

ほぼ不可能

わからない

7働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=1,739

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救急部門の医師について、今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることについて<全回答数>

25%

48%

17%

1%3%

6%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

8

「救急部門の医師について、今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=405

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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救急部門の医師について、今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることについて<2次救急医療機関のみ>

24%

50%

16%

1%3%

6%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

9

2次救急医療機関であって、「救急部門の医師について、今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=329(内、年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関は、184)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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救急医療部門の医師について、「他院での勤務も含め、」勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることについて

305 77

5

21

54 14

1

32

3 1

37

8

140

38 2

7

1522 1

38

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

おおむね可能、すでに対応できている 医師の半数程度は可能

3分の1程度は可能 ほぼ不可能

わからない 未回答

10働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=821(救急車受入台数1000台に至らない2次救急医療機関

を除く)

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救急医療部門の医師について、「他院での勤務も含め」時間が勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることについて<全回答数>

17%

52%

21%

0%3%

7%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

11

「救急部門の医師について、「他院での勤務も含め」時間が勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=150

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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救急医療部門の医師について、「他院での勤務も含め」時間が勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることについて<2次救急医療機関のみ>

15%

53%

21%

2% 9%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

12

2次救急医療機関であって、「救急部門の医師について、「他院での勤務も含め」時間が勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=123(年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関のみ対象)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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9時間のインターバルを確保することは可能か

626

300 83 4

42

60

71 23 2

3

18

36 10 1

98

75 11 1

13

116 101 35 2

8

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

おおむね可能、すでに対応できている 医師の半数程度は可能

3分の1程度は可能 ほぼ不可能

わからない

13働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=1,739

Page 14: 医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊 …dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20190410_11.pdfN=1,739 9 時間のインターバルを確保することは可能か

9時間のインターバルを確保することは可能か<全回答数>

28%

46%

13%

1%2% 10%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

14

9時間のインターバルを確保することは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=422

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

Page 15: 医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊 …dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20190410_11.pdfN=1,739 9 時間のインターバルを確保することは可能か

9時間のインターバルを確保することは可能か<2次救急医療機関のみ>

28%

45%

13%

1%2% 11%

現状維持

医師の増員

救急患者の受入制限、救急対応時間の制限

救急医療機関の返上

その他(医師間の業務調整、タスクシフティングなど)

未回答

15

2次救急医療機関であって、「9時間のインターバルを確保することは可能か」との設問に対し、「医師の半数程度は可能」「3分の1は可能」「ほぼ不可能」と回答したケース

N=358(内、年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関は、182)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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医師の労働時間規制、勤務間インターバルが導入されたとき、貴院に医師を派遣している大学は、自院の医師充足のため、派遣医師を引き上げる恐れはあるか

171 4 3

267

20 2 7

412

35

2

16

444

54

3 32

12

25

1

195 24 1 9

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

その他(現時点ではわからない、不明):

当院が大学病院で派遣元

ほとんど影響はないまたは大学から医師を派遣してもらっていない

当院の救急医療に支障を来す程度のおそれ

当院の救急医療を相当程度縮小せざるを得ない程度のおそれ

当院の救急医療が成り立たない程、医師の引き上げがあるおそれ

16働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=1,739

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医師の労働時間規制、勤務間インターバルが導入されたとき、貴院に医師を派遣している大学は、自院の医師充足のため、派遣医師を引き上げる恐れはあるか

13%

18%

29%

28%

0% 12%

当院の救急医療が成り立たない程、医師の引き上げがあるおそれ

当院の救急医療を相当程度縮小せざるを得ない程度のおそれ

当院の救急医療に支障を来す程度のおそれ

ほとんど影響はないまたは大学から医師を派遣してもらっていない

当院が大学病院で派遣元

その他:

17

人口30万人までの市区町村に立地する2次救急医療機関であって、当該地域には他の2次救急医療機関が存在しない、1か所もしくは2・3か所のケース

N=411(内、年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関は、161)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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タスク・シフティングは可能か

102109 27 2 11

616399 109 5

38

18667 24

1 17

14 8 21

1

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

相当程度可能(既にシフトしている、問題なし) どの業務をどのように委ねるか、十分な検討が必要

他の職種の確保・研修、業務過重が懸念されて困難 その他

18働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=1,739

Page 19: 医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊 …dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20190410_11.pdfN=1,739 9 時間のインターバルを確保することは可能か

タスクシフティングは可能か<2次救急医療機関のみ>

14%

68%

17%

1%

相当程度可能(既にシフトしている、問題なし)

どの業務をどのように委ねるか、十分な検討が必要

他の職種の確保・研修、業務過重が懸念されて困難

その他

19

2次救急医療機関について、医師から多職種へのタスクシフティングの可否を尋ねた設問

N=1501(内、年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関は、583)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

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2019年4月からの労働規制について<全回答数>

27%

34%

19%

2%

15%

3%

年次有給休暇の時季指定義務(年5日以上の有給取得)

時間外労働の上限規制(月45時間、年360時間以内)

勤務間インターバル導入の努力義務化

月60時間超の残業割増賃金率の引き上げ(50%)(常用労働者が100人以下の中小規模医療機関)

正規職員と不正規職員(パート、有期雇用、派遣労働者)の不合理な待遇差(賃金、研修、福利厚生など)の禁止

その他:

20

2019年4月からの労働規制に対して、最も課題が大きいと思われる制度改正はなにかを尋ねた設問(未回答除く)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=630(1739施設中、「ほとんど影響はない」などと回答した施設や未回答を除く)

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2019年4月からの労働規制について<2次救急医療機関のみ>

28%

31%

20%

2%

16%

3%

年次有給休暇の時季指定義務(年5日以上の有給取得)

時間外労働の上限規制(月45時間、年360時間以内)

勤務間インターバル導入の努力義務化

月60時間超の残業割増賃金率の引き上げ(50%)(常用労働者が100人以下の中小規模医療機関)

正規職員と不正規職員(パート、有期雇用、派遣労働者)の不合理な待遇差(賃金、研修、福利厚生など)の禁止

その他:

21

2次救急医療機関について、2019年4月からの労働規制に対して、最も課題が大きいと思われる制度改正はなにかを尋ねた設問(未回答除く)

働き方改革と救急医療に関する日本医師会緊急調査(2019年3月実施)

N=544(1501施設中、「ほとんど影響はない」などと回答した施設や未回答を除く)(内、年間で救急車1000台以上を受け入れている2次救急医療機関は、583)

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まとめ 1• 2024年度以降の医師への労働規制の導入にについて、「今後5年の間に、時間外勤務時間を月80時間(年換算960時間)以内にすることは可能か」との問いに対し、5割弱から7割程度の医療機関(救急医療部門)は、おおむね対応可能であった。他方、救急車受入台数1000台以上の2次、3次救急医療

機関では、「対応不可能」、「医師の半数程度が可能」、「3分の1のみ可能」は、3割強を占めた。

• 「『他院での勤務も含め』勤務時間(年間)を、今後5年の間に1860時間以下とすることは可能か」との問いについては、救急車受入台数1000台以上の2次救急医療機関および3次救急医療機関の5割程度はおおむね対応可能と回答したが、「わからない」との回答も4分の1を占めた。

• 「対応不可能」等への対策としては、いずれの施設類型においても「医師の増員」が最も多く、「現状維持」や「救急医療の制限」が続いた。

22

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まとめ 2• 勤務間インターバルへの対応が困難な施設でも、その策としては「医師の増員」が最多であった。逆に考えれば、「医師の増員」が実現しなかった場合は、労働法規違反や救急医療の制限が起こりうると考えられる。

(改正医療法上の「医師確保計画」は、個々の施設ではなく、地域としての医師偏在解消を目標としている)

• 当該病院からの大学派遣医師の引き上げについては、4~5割強の施設が救急医療への影響を認めた。特に、人口30万人までの地域に立地する2次救急医療機

関であって、当該地域には、他の2次救急医療機関が存在しない、1か所もしくは2・3か所のケースをみると、6割の施設が、救急医療が成り立たなくなる、相当程度の部門縮小などを挙げた。

• 医師から看護師等の他職種へのタスク・シフティングについては、7割程度の施設が「どの業務をどのように委ねるか、十分な検討が必要」を選択し、即座に実施できるものではないことがわかった。 23

Page 24: 医師の働き方改革と救急医療に関する 日本医師会緊 …dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20190410_11.pdfN=1,739 9 時間のインターバルを確保することは可能か

まとめ 3• 本調査によれば、相当の救急医療機関は医師の働き方改革に対応できるが、一部の医療機関・地域では難しい状況にある。

• 順次実施されていく「医師の働き方改革」推進のための各種施策の改善効果も期待されるが、同時に、都道府県医師会・郡市区医師会と行政との連携により、支援が必要な地域や医療機関を早期に把握していくことが重要である。

• 救急医療へのアクセスについて、地域格差の発生・拡大を防ぎ、国民医療を守っていくためには、医師の派遣や公的な財政支援等により、対応困難な個々の救急医療機関、特にその多数を占める民間施設を支え、働き方改革の達成に導いていく方策が重要である。

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