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計測フロンティア研究部門 1 工作機械の多様性を考慮した状態監視 ・可視化システムの協調設計と実証 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 製造技術研究部門 近藤 伸亮 IIC/RRI共同ワークショップ ~テストベット/実証実験のその先に~

工作機械の多様性を考慮した状態監視 ・可視化システムの協 …...るデータ項目を、予めメーカ側が共通化、整理 して提供する • メーカ側のサポートと繋がり、汎用情報処理メー

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計測フロンティア研究部門

1

工作機械の多様性を考慮した状態監視・可視化システムの協調設計と実証

国立研究開発法人 産業技術総合研究所

製造技術研究部門

近藤 伸亮

IIC/RRI共同ワークショップ~テストベット/実証実験のその先に~

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内容

• 本研究の背景– 産業機械サブ幹事会の目的

• 産業機械サブ幹事会の活動– 平成28年度 RRI産業機械サブ幹事会CPPS情報モデ

ルを用いた「つながる工場」の機能表現・設計手法の紹介• ユースケース1:稼働進捗の管理と全体最適解

• ユースケース2:品質管理

• ユースケース3:修理・予防保全・予知保全

– 平成29年度 スマート製造の実証実験 「工作機械の多様性を考慮した状態監視・可視化システムの協調設計と実証」

• まとめ

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産業機械サブ幹事会

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産業機械サブ幹事会

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産業機械サブ幹事会

• 主査– 早稲田大学 可部明克

• 副主査– 産総研 情報技術研究部門 大岩寛

• メンバー– ジェイテクト– DMG森精機– 日立製作所– ファナック– 富士通– 三菱電機– ヤマザキマザック– オークマ– 産総研– 早稲田大学

• 支援– 経済産業省 製造産業局 産業機械課

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• 平成27年度より活動開始

• 「シリーズ スマートマニュファクチャリングの実践」と題して活動報告を毎年度取りまとめ。• 平成27年度 「工作機械を

核とする生産性向上」• 平成28年度 「現場力を活

用するサイバーフィジカル生産システム」

• 平成29年度「工作機械の多

様性を考慮した状態監視・可視化システムの協調設計と実証」

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産業機械サブ幹事会のねらい• スマートマニュファクチュアリングを実践するために、工作機械メーカーが協調して取り組むべき事

項について検討及び対応を行う。

• 現在、工作機械メーカーが、機器・経験・技術・知識・人などの内外のアセットを最大限用いて、ユーザーにとって付加価値の高い情報・サービスを提供するためのインタフェースの策定に取組。

• 生産性向上

• 稼働状況把握

• 保全・復旧

• 品質管理

• トレーサビリティ確保

• 生産・保全計画策定

• Etc.

現状 • ユーザが右の目的の達成にむけ活動する際に、機械の出力を加工する必要

• 各工作機械の情報の粒度が揃わず、複数メーカー製の機械が混在する工場全体の状況把握や判断が困難

• 汎用情報処理メーカ等がクラウド上でデータを分析し、分析後のデータをユーザに提供

• ユーザの目的と直接関係しないデータもクラウドに流れる

• 汎用情報処理メーカ等が提供できない機械固有のサービスはメーカ側が別途提供

• ユーザが右の目的を達成するために必要となるデータ項目を、予めメーカ側が共通化、整理して提供する

• メーカ側のサポートと繋がり、汎用情報処理メーカ等が提供困難なサービスを提供

• ユーザ側にとって機械データや分析技術等のカプセル化が可能

将来のビジネス像(仮説1)

将来のビジネス像(仮説2)

ユーザ側の目的

工作機械を起点としたサービスを提供する製造サービスプロバイダへ

データ

データ データ

サービス

データ

サービスデータ

今回検討していきたいユースケースの大枠

Industrial internetなど

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産業機械サブ幹事会の活動

• 平成28年度– 現場力を活用するサイバーフィジカル生産システム(CPPS)– 日本の強みとして「現場力」と「カイゼン」にフォーカス– CPPSで出来る「嬉しいこと」を3つのユースケースで記述

• 稼働進捗の管理と全体最適化• 品質管理• 修理・予防保全・予知保全

– 各ユースケースにおいて必要となる情報、判断、それらの流れをCPPS情報モデルとして記述

• 平成29年度– スマート製造の実証実験– 3シナリオのうち、予防保全を中心とした実証システムの構築と実験

• 平成30年度– 3シナリオの高度化、モデル表現の拡充

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CPPS情報モデル

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生産システムを構成するすべての要素とその関係を、要素間のモノ、エネルギー(物理操作)、情報の流れを物理空間とサイバー空間に対応付けて明示したモデル。CPPSの機能設計・表現に活用

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_m

tsw/J-RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

CPPS情報モデルの狙い

• 現実世界のどういう「もの」が、デジタル空間で どのような「デジタル部品」として転写されれば合理的に目的としているサービスを実現できるだろうか?

オブジェクト指向的、擬人的に「もの」と「デジタル部品」がどのように相互作用すれば、目的としているサービスが発現するのかを設計したい

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CPPS情報モデル記述例

• 作業員が工作機械を用いてワークを加工– ①オペレータがMachine toolを操作– ②Machine toolがWorkを加工– ③Workの形状変化をオペレータが観察

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出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/201

70321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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CPPS情報モデル記述例• 作業員の情報(操作の癖など)、ワークの情報(材料特性など)に基づいて工

作機械を調整しながら加工(理想的なCPPS)– ①オペレータがMachine toolを操作– ②Machine toolがWorkを加工– ③Workの形状変化をオペレータが観察– ④Work, Operator, Machine toolの情報をサイバー空間へ転写– ⑤WorkとOperatorの情報をもとに、これに適したMachine toolのパラメータを設定– ⑥Machine toolの動作を調整

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①②

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_w

g1_mtsw/J-RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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CPPS情報モデル記述例• 作業員の情報(操作の癖等)、ワークの情報(材料特性等)に基づいて工作機械を調整しながら加工(現実

的なCPPS)– ①オペレータがMachine toolを操作– ②Machine toolがWorkを加工– ③Workの形状変化をオペレータが観察– ⑦Machine toolの情報取得– ⑧Machine toolの状態からOperatorの情報を類推– ⑨Machine toolの状態からWorkの情報を類推– ⑩Sensorを用いたWork情報の取得– ⑪(⑤)d-Workとd-Operatorの情報をもとに、これに適したMachine toolのパラメータを設定– ⑫(⑥)Machine toolの動作を調整

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⑪①

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170

321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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1: 稼働進捗の管理と全体最適化

• 生産計画の作成:– オーダ情報、自工場または協力会社の生産能力情

報等の情報に基づき生産計画の初期値をサイバー空間上で立案し(①)、フロアレベルでの生産支持情報に変換され、適時に搬送装置や作業員にワークに関する指示情報が伝えられる(②)。同情報が工作機械にも伝えられ、ワークが搬送された段階で、指示に従い加工を行う(自動で加工される場合を想定するが、場合によっては作業員も加工作業に参加する)(③)。

• 生産実績の集約と異常の検知・可視化:– 工作機械は自ら作業実績をサイバー空間上に挙げ(

④)、搬送装置が持つワークの情報などとともにフロアの生産実績が集約される(⑤)。また、作業員が現場の判断で行った標準外の作業(⑥)を検知し(⑦、例えば、カメラによる動画情報からAI等で抽出)、生産実績に統合される(⑧)。これにより、「手待ちやや作りすぎなどの無駄があれば即座に改善」という現場での作業をサイバー空間上に反映することが可能になる。

• 計画と実績との差異の改善とその自動化:– 生産実績を生産計画と比較し(⑪)、スケジューラ(

Scheduler)が両者の差異を解消するために生産計画を修正し(⑫)、指示を行う(⑬)。さらに、両者の差異が大きく生産計画のモデル(例えば、業務フローの型など)を変えざるを得ない場合には(⑭)、生産実績から今後の問題点を(シミュレータ等を活用し)予測・検討することで生産システムのモデルを修正し、指示を行う(⑮)。

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出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_m

tsw/J-RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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1: 稼働進捗の管理と全体最適化

12出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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2: 品質管理

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• D-MachineはD-Workに対して、これからどのような手順・方法でD-Workに必要な加工を実施するかを伝え(①)、D-MachineはMachineを指示して、ワークを加工する(②)。

• ワークの加工状態はセンサ(検査機)によって読み取られ、D-Workに伝えられる(③に相当)。

• D-Workは①によって伝えられた加工手順と、加工手順から予測される自身の状態と、③により取得されたフィジカル空間におけるワークの状態とを比較し、その差異から自身の品質を判断する(④)。差異が大きく、品質未達の可能性ありと判断された場合、D-WorkはD-Quality Controlにその可能性を報告する(⑤)。

• D-Quality Controlは品質不良が工程自体に由来するのか、あるいは調達品の品質等に由来するのかを推定し(⑥)、その推定結果をD-Production Controlに伝える(⑦)。

• D-Production Controlはこの報告に基づき、当該工程や他の工程の作業停止あるいは作業内容修正指示を行うかどうかを判断する(⑧)。修正や停止指示を行う場合、当該工程や関係する工程の工作機械に対してD-Floorを経由して修正・停止等の指示を出す(⑨)。この結果、D-Machineが工作機械に指示を出し、工作機械を停止させる、あるいは加工手順を変更する(⑩)。

• 作業者の加工工程設計知識・段取り計画のための知識は、形式化され、D-Machineに教育される(⑪)。– 作業者がワークを扱う操作や作業者自身の身体動作など

の履歴情報から、段取り替えの順番やタイミング、それらを実施する隠れた意図などを推定することで、学習を行わせる(⑪)。様々な経験を持つ熟練の品質管理担当者、生産管理担当者の意思決定を学ぶことで(⑫,⑬)、現場力をCPSに組み込んでいく。

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_mts

w/J-RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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2: 品質管理

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出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/2017

0321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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3: 修理・予防保全・予知保全

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• 正常稼働時– D-加工機械が様々な情報ソースから、機

器自らの健全性を推測する情報を収集(①)。• 実加工機器の様々なステータス情報のほか

、ワークの加工結果の情報(①、例えば削れ方が通常より荒いなど)も機器の健全性の指標として活用。

– このような情報に基づきD-加工機械は自らの健全性を常時推定する(②)。

– また、各機器には生産現場それぞれに特有な状態や傾向のほか、機器メーカーの機種ごと、ロットごとなどに共通し、工場内だけでは取得しきれない傾向なども存在すると考えられる。そのため、機器メーカー(Vendor)はサービス項目として、ベンダー側にも鏡写しとしてのD-加工機械の情報を持ち、工場側のD-加工機械と情報をやり取りすることで、工場側の判断を支援する(③)ほか、複数箇所に設置された加工機械モデルの情報を統合し、傾向分析等を行う(④)。• 加工機械メーカー側が工場側のD-加工機械

に相当する機能をクラウドで提供する、分析した傾向等のデータを機器メーカーから提供して工場側で判断するなどの形で実装

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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3: 修理・予防保全・予知保全

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• D-加工機械が自らの機能が劣化している、故障が発生しそうと判断した場合– 生産への影響を踏まえた計画の見直しと保守の準

備を実施– D-加工機械自身が生産計画が想定する性能を発

揮できない、または近いうちに発揮できなくなる可能性が高いと判断すると、その情報はアラームとしてD-生産ラインに通知される(③)。D-生産ラインは現在のラインの状況から影響を判断し、問題がある場合にはさらに上位のD-生産管理にアラームを送出(④)。同時に加工機械メーカー側にもこの状況は共有され(③b)、平常時に共有されていた情報やモデルごとの傾向に基づき、メーカー側で提供可能な修理対応などの情報を準備(③c)。

– D-生産管理はこの情報に基づき、自らが果たすべき目的である加工製品の納期を達成するために、どのような対処を行わなければならないかを判断(⑤)。加工機械メーカー側にも保守部品の納期や修理に必要な時間等を照会(⑥)、最適と考えられる対処方法を決定• 例えば、加工方法の変更による負荷の軽減、生産計

画の変更による不調機器の利用の回避、または逆に他の機器の保守予定と生産計画の合間に合わせたメンテナンスの前倒しなども考えられ、必要な場合には人間側で最終判断をする場合も有り得る(⑦)。

– 対処方針は計画変更指示として、D-生産ライン(⑧)、D-加工機械(⑨)に通知され、必要であれば、加工速度の低減や故障箇所の回避など、現時点で可能な生産を継続するための加工指示の変更が、加工機械に対して行われる(⑩)。

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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3: 修理・予防保全・予知保全

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• 実際に機器の修繕を行う必要がある場合– 生産計画との調整をした上で、生

産計画、またはD-生産計画から、機器保守の指示を発行(①、②)。この指示に基づき(③)、D-加工機械は実際の加工機械に対し動作の停止を指示(④)。同時にD-保守部門に対して、保守活動の開始を指示(⑤)、工作機械メーカー側にも保守部品の供給と作業支援を依頼(⑥)。

– 実際の保守作業は物理空間で行われるので、工場側の保守部門と、メーカー側の保守支援部門に対して、前項で既に共有していた故障の状況が情報提供され(⑦、⑦b)、加工機械の保守作業を実施(⑧)。

出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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3: 修理・予防保全・予知保全

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出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/2017

0321_wg1_mtsw/J-

RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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3つのユースケースを統合したCPPS情報モデル

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出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2017/20170321_wg1

_mtsw/J-RRI_Release_RRIWG1_IMSCpaper_0315a.pdf

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CPPS情報モデルを用いた分析• CPPS情報モデルにより、各ユースケースに必要な情報、判断、

物理的相互作用を明示的に共有– サイバー空間上のコンポーネントに必要となる判断・推論を明示– 物理世界とサイバー世界でどのような情報をどのような頻度、方法で

交換する必要があるかを明示

↓– CPPSの様々なユースケースに応じて、適切な通信インターフェース

やデータ構造、学習モジュールを設計することができる。

• 熟練作業者、ラインマンなどに対応するサイバー空間上のコンポーネントがどのような機能を満足するべきかについてはさらなる議論が必要– どのような判断・知識・ノウハウが学習により蓄積可能となるのか?– サイバー空間に転写され得ないコアとなる判断・知識・ノウハウとは

どのようなものか?– それらはどのように獲得、伝達、明示化、形式化、増幅できるのか?

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産業機械サブ幹事会の活動

• 平成28年度– 現場力を活用するサイバーフィジカル生産システム(CPPS)– 日本の強みとして「現場力」と「カイゼン」にフォーカス– CPPSで出来る「嬉しいこと」を3つのユースケースで記述

• 稼働進捗の管理と全体最適化• 品質管理• 修理・予防保全・予知保全

– 各ユースケースにおいて必要となる情報、判断、それらの流れをCPPS情報モデルとして記述

• 平成29年度– スマート製造の実証実験– 3シナリオのうち、予防保全を中心とした実証システムの構築と

実験

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実証実験のシナリオ• 実証実験の目的

– 工作機械メーカーが、機器・経験・技術・知識・人などの内外のアセットを最大限用いて、ユーザーにとって付加価値の高い情報・サービスを提供するためのインタフェースを策定すること

• 3シナリオを検討(実証実験では1,2の一部を実装)1. 生産計画と保全計画の統合判断(稼働率を上げるための効果

的な修理・予防保全・予知保全)2. 品質管理・トレーサビリティ確保(アラームの活用によるワークの

品質管理)3. 進捗予測に基づく生産計画再調整(周辺機器の情報を生かした

稼働進捗管理と可視化)

• ユーザが右の目的を達成するために必要となるデータ項目を、予めメーカ側が共通化、整理して提供する

• メーカ側のサポートと繋がり、汎用情報処理メーカ等が提供困難なサービスを提供

• ユーザ側にとって機械データや分析技術等のカプセル化が可能

将来のビジネス像

データ

サービスデータ

• 生産性向上

• 稼働状況把握

• 保全・復旧

• 品質管理

• トレーサビリティ確保

• 生産・保全計画策定

• Etc.

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1.生産計画と保全計画の統合判断• ライン内の設備・部品・消耗品の余寿命表示

– View 1:直近1日、1週間でやらないといけないこと(例:メーカーへの部品発注・メンテ依頼など)がわかる(Status欄)

– View 2:寿命を延ばすためにできることが提示される• 振動、時系列データから予測線を引いて推論(緑色は例えば、当該期間に故障する確率が1%

未満、橙色は20%未満、セルをクリックすると各部品の予想故障内容が表示される)、原因表示、対策の提示

– View 3:いつメンテすればいいかの判断をサポート• ラインの停止を生産計画と調整

製造元 Status 0d 1d 2d 3d 7d 14d 21d 28d〇(△) メンテ 予測

▽本体 〇▽サプライ部 〇(△)▽工具1 〇(△) メンテ 予測

△(×)▽部品1 △(×)

〇(〇)▽サブライン1 〇(〇)▽サブライン2 ×(〇)

▽Machine 3C社製

A社製

▽Machine 1構成機械

▽Machine 2B社製

ラインを構成する機械の状態を今後1日(1週間)の範囲で表示

一番上の構成要素の状態は構成部品の情報から決定

メンテの実施による機能回復を予定

Machine3はどちらか一つが動作すればいい構成、この期間は機能冗長

〇 正常△ ワーニング× 異常・故障

23

d: day

今回の実証実験では可視化を対象に

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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計測フロンティア研究部門

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1.生産計画と保全計画の統合判断

製造元 Status 0d 1d 2d 3d 7d 14d 21d 28d〇(△) メンテ 予測

▽本体 〇▽サプライ部 〇(△)▽工具1 〇(△) メンテ 予測

△(×)▽部品1 △(×)

〇(〇)▽サブライン1 〇(〇)▽サブライン2 ×(〇)

▽Machine 3C社製

A社製

▽Machine 1構成機械

▽Machine 2B社製

製造元 Status 0d 1d 2d 3d 7d 14d 21d 28d〇(△) メンテ 予測

▽本体 〇▽サプライ部 〇(△) メンテ▽工具1 〇(△) メンテ 予測

△(×)▽部品1 △(×)

〇(〇)▽サブライン1 〇(〇)▽サブライン2 ×(〇)

C社製▽Machine 3

構成機械

A社製

▽Machine 1

B社製▽Machine 2

前倒ししてメンテすることで、Machine1のダウンタイムを最小化

24出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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1.生産計画と保全計画の統合判断

製造元 Status 0d 1d 2d 3d 7d 14d 21d 28d〇(△) メンテ 予測

▽本体 〇▽サプライ部 〇(△)▽工具1 〇(△) メンテ 予測

△(×)▽部品1 △(×)

〇(〇)▽サブライン1 〇(〇)▽サブライン2 ×(〇)

▽Machine 3C社製

A社製

▽Machine 1構成機械

▽Machine 2B社製

製造元 Status 0d 1d 2d 3d 7d 14d 21d 28d〇(△) item 1 item 2 item3 item4 item 5 item 6 item 7

▽本体 〇▽サプライ部 〇(△)▽工具1 〇(△)

△(×) item 1 item 2 item 3 item 4 item 6▽部品1 △(×)

〇(〇) item 3 item 5 item 4▽サブライン1 〇(〇)▽サブライン2 ×(〇)

構成機械

A社製

▽Machine 1

B社製▽Machine 2

C社製▽Machine 3

メンテ、故障のために実施できない生産計画

余寿命予測

生産計画

25出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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共通データの項目(シナリオ1)• 今回は、以下の項目を共通データとみなし、この項目に関連する

複数のマシン(とその主要な構成要素)の情報を統合し表示することが、生産計画や保全計画に役立つかどうか実証– 項目(仮称):マシンとその構成要素が要求通り(正常)に動かなくなる

時刻(下の図のt2がこの項目に相当)。• 各マシンの主要構成要素に関して下図のような状態遷移図(図2)を構築す

るために必要な情報、および、各状態に付随する情報などを取得したい。

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記号 色 説明

t1 緑色 正常通りに動くが注意が必要になる時刻

t2, t5, … 橙色 正常通りに動かなくなる時刻

t3, t6, … 赤色 適切な処置の上で、健全に動くようになる時刻

t4, t7, … 黄緑色 適切な処置の上で、健全に動くが、注意が必要になる時刻

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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シナリオ1:生産計画と保全計画の統合判断

工作機械名 部品・消耗品名時間

複数拠点における工作機械の部品・消耗品の余寿命を表示

• 複数の工場内に配置された設備・部品・消耗品の余寿命を表示

• 工作機械の未来時点における稼働状態を予測

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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シナリオ1:生産計画と保全計画の統合判断

6ヶ月先までの工作機械へのタスク割当の表示に基づいて、最適な保全スケジュールの決定に利用

複数拠点における工作機械の部品・消耗品の余寿命を表示

• 生産計画と保全計画を統合表示→判断へ利用

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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共通化データ項目インデックス 名前 説明

0 イベント種類ID イベントの種類ごとに定められるID

1 イベント種類 イベントの種類ごとに定められる名称

2 実施主体ID当該イベントを実施した人やマシンなどに一意に定められる値。機械が自動的に取得した場合は「実施対象ID」とする。人がマニュアルで情報取得した場合は、その人のIDを設定し記述

3 実施主体名 当該イベントを実施した人やマシンなどに一意に定められる名称

4 実施対象 当該イベントの対象(今回は工作機械やコントローラ) に一意に定められる値

5 実施対象名 当該イベントの対象(今回各工作機械やコントローラ) に一意に定められる名称

6 実施時刻 当該イベントが実施された時刻

7 時計ID当該イベントが実施された時刻の取得元の時計のID。各時計ごとが固有の値を持つ。人やマシン、工場などが持つ。人やマシンが持つ場合は、そのIDを用いる

8 時計名 上の時計の名称。人やマシンが持つ場合は、その名称を用いる。

9 項目ID当該イベントの対象の詳細(今回は各工作機械 やコント ローラ内の保 全項目)に一意に定められるID。一つの対象の中で区別できること。例えば、保全項目リストの上から順に0から数字を割り当てる

10 項目名当該イベントの対象の詳細(今回は各工作機械やコントローラ内の保全項目)に一意に定められる名称

11 保全項目の測定値 取得された測定値

12 測定値の取得方法「どのような時(例、定期的、稼働準備時、加工終 了時) に、何が( 例、自動的に、目視で) 測定したか、と、測定値が変化する理由を記述

13 保全作業後の測定値 保全作業後の測定値(リセット値)

14 保全作業の方法 測定値がリセットされた理由を記述(例、○○を交換した、修理したなど)

15 しきい値の設定値 しきい値の設定・更新後の値

16 しきい値の設定方法 しきい値が再設定された理由を記述(例、実績値を踏まえて再設定した)など

17 保全時刻の算出値しきい値を超えると想定される時刻(次回保全時刻)に対応。「実施時刻」を示すために用いた時計で示すと仮定

18 保全時刻の算出方法 算出するために必要なデータとその値、算出方法を記述

【シナリオ1】

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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2.品質管理・トレーサビリティ• 品質管理・トレーサビリティ確保のための共通化項目(データフォーマ

ット)の作成– d-Workに情報をタグつけるための仕組みを考える

• ワークが何時、どの機械で、どのプログラム番号、加工条件で、どの工具によって、加工されたか?

– 加工条件などは必要に応じて丸める

• 工程の検査結果情報

製造元 -d7 -d6 -d5 -d4 -d3 -d2 -d1 0

A社製 Item 4 Item 3 Item 5

B社製 Item 3 Item 2 Item 4

C社製 Item 4 Item 5 Item 3

構成機械

▽Machine 1

▽Machine 2

▽Machine 3

Item 1

Item 1

Item 1 Item 2

Item 2

Item 5

①ここで品質が不良であることがわかったなら、Item2も不良だ

ろうと推定できる

-d3: Machine 3 status主軸回転時間: 1900

フィルター交換: -d7

パラメータ最終変更日: -d3

… -d3: Machine 3 statusParameter 1: 0.5->0.7

mode1: manual->Auto

②Machine 3をクリックして-d3のステータ

スを表示

③作業者によるパラメータ変更が変化点としてうかびあがるのでさらにクリックして表示 ④このパラメータが怪

しいのではないかと、加工機メーカー技術者が、ユーザの工作機械画面を見て判断

し、対策を示唆

30出典https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/

20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.

pdf

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シナリオ 2: 品質管理・トレーサビリティ

• 実証実験に向けた前提:– トレーサビリティを目的として、製造データを個別のワークに紐づ

ける部分を省力化できるようにするために、各メーカー製の加工機械がもつべきインターフェース(問い合わせに対して答えることのできる項目)および、個別のワークの記述(昨年度のd-Workに製造データ記述する)として保持するべきデータ項目を決定する。

– これらのデータ項目をどうやって取ってくるか(方法)を決める。

• 実証実験のシナリオ:– 品質NG品が類別できたとき(結果としての変化点がわかったとき

)、その原因となりうる候補となる変化点を個々のワークの記述(d-Work相当)を正常品の記述等と比較することで抽出、可視化する

– 正解事例の例: 工具交換、工具オフセット、プログラム変更

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シナリオ2:品質管理・トレーサビリティ

プログラム変更

工具オフセット変更

工具変更

検査工程の測定値表示検査結果と変化点表示

ワークIDを選択して変化点、検査結果及び

測定値を表示

• 品質管理・トレーサビリティ確保のための共通化項目の作成

• 加工日時、加工機械、プログラム番号、加工条件、工具ID、検査結果など

• 加工の変化点と検査結果の関係性の発見に利用

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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共通化データ項目インデックス 名前 説明

0 データID 生成したデータを参照するためのID

1データ生成時刻

データが生成された時刻。データ取得後、ただちに当該データが作成された場合はデータ取得時刻に一致

2 設備ID 設備の特定。設備とワークIDを組み合わせてグローバルにユニークなワークIDと対応付け

3 データ取得時刻 当該データを取得した時刻。加工単位の加工開始時刻、加工終了時刻を特定するのに使用

4 ワークID 周期的に取得することで、一加工単位を構成する部分を判定するために使用

5 T-code 周期的に取得することで、加工単位内で何種類の工具が必要かを特定するのに使用

6 T-code補足文字列 T-codeで指定される工具について説明項目が存在する場合記述

7シーケンス番号

周期的に取得することで、一つのT-codeの工具で行われる加工が、何番目の加工を実施していたかを特定するため( T-codeで決まる部分工程をさらに分割するため) に使用

8工具ID

周期的に取得することで、T-codeで特定される部分工程において工具が交換されたことを判定するために使用

9 工具オフセットID 周期的に取得することで工具オフセットが変更されたことを判定するために使用

10 工具オフセットID補足文字列 詳細表示において工具オフセットがどのように変更されたかを文字列で表示するために使用

11 ワークオフセットID 周期的に取得することでワークオフセットが変更されたことを判定するために使用

12ワークオフセット補足文字列

詳細表示においてワークオフセットがどのように変更されたかを文字列で表示するために使用

13 プログラムID 周期的に取得することで、プログラムの内容が変化したことを判断できる情報

14 プログラムID補足文字列 プログラムIDの内容についての補足文字列

15 稼働状態 周期的に取得される情報から加工単位を切り分けるために使用

【シナリオ2】

出典 https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2018/20180427_SSK_Report/1_2018_report_J_r5.1.pdf

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まとめ• 結論

– シナリオ1(生産計画と保全計画の統合判断)、シナリオ2(品質管理・トレーサビリティ)について、工作機械メーカーの種類によらず必要な情報を一覧表示するシステムを構築し、共通化データ項目の有効性を示した• 各シナリオでの共通データ項目の定義• 各社工作機械(+工作機械EdgePC)、IoTプラットフォーム上でのプログラム実装

を実施

• 考察と今後の課題– 工作機械の実装によらない機能別の記述と統一IFの必要性

• 各社毎にデータ項目の意味が異なり、共通化データを決めても実装作業には多くの個別対応が必要となった

– 例: ツールのオフセットでは、摩耗補正値を込みの値にするメーカーもあれば、形状補正値と摩耗補正値を別の値としてもつメーカーもあり、補正量の正負の取り扱いもそれぞれ異なっている。

• 機能・IF記述には、CPPS情報モデル以外にIIRA、Asset Administration Shellなどの記述を用いると、欧米との意見交換がスムースに

• 謝辞– 本研究の一部はNEDO事業「IoTを活用した新産業モデル 創出基盤整

備事業」における研究開発として実施した