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平成19年11月 経済産業省 「次世代自動車・燃料イニシアティブ」について

「次世代自動車・燃料イニシアティブ」について · 2010-05-31 · 戦略5:世界一やさしいクルマ社会構想 ~ ITを活用した世界一やさしいクルマ社会の構築

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平成19年11月

経済産業省

「次世代自動車・燃料イニシアティブ」について

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(1)高騰する石油価格 (2)拡大する自動車市場

安定期1~2ドル/バレル時代

・OPEC諸国が石油産業を国営化、価格引上げを実施。・非OPEC諸国による生産拡大な

ど、供給源は多様化。・原子力、天然ガス等石油代替や

省エネ推進が本格化。・消費国側で国際エネルギー 機関(IE

A)設立、国家備蓄の開始

・市況は安定

・上流への投資が鈍化し、油田開発は停滞気味

・エネルギー消費は再び増加傾向

・一次エネルギーに占めるシェ

アで石油が石炭を逆転・安価な石油と大型タンカー普

及によって、石油の安定的かつ低廉な供給が実現。石油は高度経済成長の原動力に。

・中国、インドなどのエネル

ギー需要急増、OPECの供給余力の低下等による構造変化により、世界のエネル

ギー需給は構造的な逼迫局面に。

出典)経済産業省作

成。我が国の取引量が多い、サウジ

アラビア産「アラビアン・ライト」の価格

推移。ただし、価格決定

方式は時期により

異なる。

第一の構造変化石油ショックへの対応

安定期13~19ドル/バレル時代

第二の構造変化構造的な需給逼迫

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

55

60

65

70

75

1960196219641966 1968 1970197219741976 1978 1980 1982198419861988 1990 1992 199419961998 2000 2002 20042006

アラビアンライト価格

2003.3米国主導のイラク攻撃開始

(単位:ドル/バレル)

第二次石油ショック時の最高値:34ドル/バレル

第一次石油ショック時の最高値:11.65ドル/バレル

湾岸戦争時の最高値:32.49ドル/バレル

2007年4月現在の価格:64.36ドル/バレル

2001.9.11米国同時多発テロ事件

90.8イラクのクウェート侵攻

73.10第4次中東戦争勃発

79.2イラン暫定革命政府樹立

80.9イラン・イラク戦争勃発

この20年で2000万台増新興国 1500万台増

・うち中国 500万台増・その他BRICs 400万台増

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1930 1960 1972 1976 1980 1984 1988 1992 1996 2000 2004

世界の新車登録台数の推移

25%

2005年 6300万台

1985年 4200万台

1割1985年 4200万台

1割

【万台】

新興市場

日本

欧州

北米

1.背景

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米国の戦略

農業大国農業大国エネルギー安全保障

(中東依存度低減)

エネルギー安全保障(中東依存度低減)

自動車技術自動車技術

・エタノール対応容易・燃費改善困難

・バイオ燃料化が戦略の中心・バイオ燃料化が戦略の中心

消費者の嗜好消費者の嗜好排ガスよりも

CO2重視の制度

排ガスよりもCO2重視の制度

クリーンディーゼル技術の発達

クリーンディーゼル技術の発達

欧州の戦略

2020年までにCO2を20%削減2020年にバイオ燃料10%導入を義務化

2025年までに中東石油依存度20%を5%に低減2017年までにエタノール30%導入を目標

日本の戦略

2030年を目標に、(1)運輸部門石油依存度80%、エネルギー効率30%向上(2)イノベーションを軸とした「世界一やさしいクルマ社会」の実現

セキュリティ向上環境対応競争力強化

「統合的」に組み合わせ2010年

2015年

2020年

2030年

○5~10年毎のベンチマークを共有

○基礎的な研究や制度の整備は産官学協調で

○そうした中で、技術間の競争を促すイノベーションを加速

エンジンエンジン

燃料燃料

インフラインフラ

・クリーンディーゼル化が戦略の中心・今後、エネルギーセキュリティの観点から、

 バイオディーゼルも推進

・クリーンディーゼル化が戦略の中心・今後、エネルギーセキュリティの観点から、

 バイオディーゼルも推進

2.日本の自動車・燃料の環境エネルギー戦略のポイント

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戦略1:バッテリー ~ 次世代自動車バッテリープロジェクト

○ 次世代バッテリー技術開発プロジェクト【07年度:49億円×5年間】

○ 充電スタンド整備、安全性確保などの制度整備  

○ 2010年コンパクトEV、2015年プラグイン、2030年EV車本格普及を目指す

戦略2:水素・燃料電池  ~ 燃料電池技術開発とインフラ整備

○ 燃料電池研究開発プロジェクト【07年度:320億円、今後も同額で実施予定】

○ 水素・燃料電池実証プロジェクト(将来の水素インフラ整備を念頭に実証試験を実施)

○ 2030年までに、ガソリン車並みの低価格を目指す

戦略3:クリーンディーゼル ~ 低燃費・クリーンへとイメージ一新

○ クリーンディーゼル推進協議会の設置

  (産学官が連携してイメージ改善、導入優遇策などを検討)

○ 軽油系新燃料研究開発(GTL【07年度:69億円、5年間で240億円】、水素化バイオ軽油など)

○  2009年以降、世界で最も排出ガス規制が厳しい日本市場にもクリーンディーゼル乗用車本格導入を目指す

3.概要 ~エンジン、燃料、インフラの革新を5つの戦略で実現(1/2)

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戦略4:バイオ燃料 ~ 「安心・安全・公正」な拡大と第二世代バイオ

戦略5:世界一やさしいクルマ社会構想 ~ ITを活用した世界一やさしいクルマ社会の構築

○ バイオ燃料技術革新協議会の設置

  (産学官が連携して次世代バイオ技術開発加速化)

○ 品質確保、脱税防止のための制度インフラ整備(次期通常国会)

○ 2015年 国産次世代バイオ 100円/リットル を目指す(バイオマス・ニッポン)

                 更に、40円/リットル を目指す(技術革新ケース)

○ 次世代自動車社会関連技術開発プロジェクト【08年度からの新設を目指す】

  (自動運転・IT技術開発、次世代交通制御用ソフトウェアなどの技術開発)

○ 産学官の検討体制を創設し、実証プロジェクトの具体策を検討【07年度から】

○ 2030年までに都市部の平均走行速度2倍を目指す(現在東京:18km、パリ:26km)

3.概要 ~エンジン、燃料、インフラの革新を5つの戦略で実現(2/2)

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バ ッ テ リ ー~次世代自動車の鍵となる電池の高性能化とコストダウン~(1/2)

○ 我が国では、排ガス対応のため、70年代、90年代に電気自動車開発の動きあり。今回は、エネルギー制約   を背景として、3度目の関心の高まり。

○ 自動車用電池技術は、電気自動車だけでなく、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車にも共通する基盤技術。

家庭用小型電気自動車

本格的電気自動車

営業用小型電気自動車     

充電のできる ハイブリッド自動車

 電気自動車      ハイブリッド自動車 燃料電池自動車

プラグインハイブリッド自動車  

航続距離を延長

現状:高まるバッテリー化の可能性

課題:電池の高性能化とコストダウン

○ 電池の高性能化とコストダウンを目指した研究開発戦略を策定。

○ 研究開発戦略を ①改良 ②先進 ③革新 の3フェーズに分け、次世代自動車用電池の開発の目標を

   明確化。

○ 開発目標をベースにNEDOで2007年度から技術開発プロジェクトを開始。

(1)アクションプラン~研究開発戦略

戦略1

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現状 改良型電池(2010年)

先進型電池(2015年)

革新的電池(2030年)

用途限定コミューターEV高性能HV

一般コミューターEV本格的EV

Plug-in HV自動車

民主導 産官学連携 大学・研究機関開発体制

性能

コスト

電力会社用小型EV

1 1 1.5倍 7倍

1 1/2倍 1/7倍 1/40倍

民主導

燃料電池自動車

※重量エネルギー密度で比較

【パックレベルでの電池の性能目標】

(2020年?)

高性能Plug-in HV自動車

3倍

20万円/kwh 10万円/kwh 3万円/kwh 2万円/kwh 0.5万円/kwh

1/10倍

技術開発プロジェクト(NEDO)

2007年度予算: 約17億円(2007年度~2011年度までの5年間実施)3/20公募開始 → 4/20公募〆切

要素技術開発 次世代技術開発

6月中に「インフラ整備戦略」を策定

○ 購入時のインセンティブ(自動車・充電器)

○ 利用時のインセンティブ(自動車・充電器)

○ 啓蒙活動・実証実験(自動車・充電スタンド)

○ リチウムイオン電池の国際輸送規制 ○ 資源開発・備蓄

基準・規格・ガイドラインの策定

○ 電池の安全性評価試験法

○ 電池の性能評価試験法

○ 充電スタンドの規格の整備

○ 以下のソフト、ハードの両面にわたるインフラ整備戦略も研究開発戦略と同時並行的に進める。

(2)アクションプラン~インフラ整備戦略

普及促進策

規制緩和 資源確保対策

バ ッ テ リ ー~次世代自動車の鍵となる電池の高性能化とコストダウン~(2/2)

戦略1

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 ① 低コスト化

  (白金使用量の低減etc)

水素ステーション

ホンダ FCX CONCEPT

トヨタ/日野 FCHV-BUS製鉄所・ソーダ工場・製油所等

風力発電・太陽光発電等

天然ガス・LPG・灯油等

多様な燃料源 高効率(省エネルギー効果)

数千万円

(自動車の20倍程度)

バイオマス

現状レベル    

開発目標(2020)   

 ② 耐久性向上 3~5年程度 10年以上

 ③ 水素の車載方法の改善高圧で水素を車載

(350~700気圧)

よりコンパクトかつ効率的な水素車載

(水素貯蔵材料の開発etc)

・ 我が国の自動車メーカーが、世界の燃料電池自動車開発をリード。

・我が国において、54台の燃料電池自動車が実証走行中。

・実用化を目指し、各自動車メーカーが研究開発を積極的に推進。

クリーンな排ガス(排出されるのは水だけ)

改質

水素供給副生水素

水の電気分解

数百万円

(自動車とほぼ同等)

燃料電池自動車の特徴

燃料電池自動車の現状

燃料電池自動車の課題

戦略2水 素 ・ 燃 料 電 池~究極のクリーン・ カーの実現に向けた戦略的技術開発~(1/2)

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中部圏○中部国際空港における燃料電池バス実証○都市ガス改質&オフサイトハイブリット型 水素ステーション、高圧水素ステーション 

1箇所 中部圏 6台 燃料電池バス

2箇所(建設中) 関西圏 

 5台 (参考)水素内燃自動車

9箇所 首都圏 

49台 燃料電池自動車

水素ステーション(2007.2現在)実証走行台数(2007.2現在)

日本における燃料電池自動車の実証走行

○ 燃料電池自動車の実走行、水素ステーションの運用により、課題・環境特性の把握し、基準標準等策定への貢献を目指す。

固体高分子形燃料電池先端基盤研究センターの発足

○サイエンスの基礎に立ち戻った研究を行い、燃料電池のコスト低減、耐久性・信頼性・性能の向上を目指す。

水素社会実現のための水素材料ナショナルラボの発足

○水素雰囲気における金属疲労、水素環境下での摩擦等の影響など、高度な科学的知見を要する先端的な研究を実施。

水素貯蔵に関する先端基盤研究

○水素貯蔵材料の革新的性能向上により、コンパクトかつ高効率な水素貯蔵・輸送技術を確立する。

首都圏○配送業務等の商業ベースを考慮した走行実証○多様な原料・製造方式や高圧水素ステーション

関西圏○車いす・カート・自転車の実証(水素吸蔵)○非常用設備の検証○多目的水素ステーション(都市ガス改質型)○簡易型水素供給設備(サテライトステーション)

  世界初 燃料電池ハイヤー

【水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)概要】

水 素 ・ 燃 料 電 池~究極のクリーン・ カーの実現に向けた戦略的技術開発~(2/2)

課題解決に向けて

戦略2

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ク リ ー ン デ ィ ー ゼ ル~CO2対策に貢献するクリーンディーゼル~(1/2)

戦略3

燃料噴射を電子制御することにより排出ガスのクリーン化を実現(ガソリン車より燃費が2~3割良く、高圧化により更に燃費が向上)

コモンレールシステム

現状:進むクリーンディーゼルの再評価2000年以降の排ガスのクリーン化技術の進展

WTT CO212.19g/MJ

Tank

原油採掘Well

1.51g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

原油精製

9.36g/MJ

国内輸送

0.41g/MJ

WTT CO212.19g/MJ

TankTank

原油採掘Well

1.51g/MJ

原油採掘WellWell

1.51g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

原油精製

9.36g/MJ

原油精製

9.36g/MJ

国内輸送

0.41g/MJ

国内輸送

0.41g/MJ

ガソリン

ガソリン

WTT CO27.88g/MJ

Tank

原油採掘Well

1.51g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

原油精製

5.08g/MJ

国内輸送

0.37g/MJ

WTT CO27.88g/MJ

TankTank

原油採掘Well

1.51g/MJ

原油採掘WellWell

1.51g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

国外輸送

0.92g/MJ

原油精製

5.08g/MJ

原油精製

5.08g/MJ

国内輸送

0.37g/MJ

国内輸送

0.37g/MJ

軽油軽油

ガソリンよりも優れたディーゼルのWtT評価

ガソリンに比べ、WtTで2/3のCO2排出量

ガソリンと軽油のWtT評価

近々ガソリン車並みになる排出ガス規制

NOx(窒素酸化物)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1

1994 1999 2004 2009 2014

g-CO2/km

PM(粒子状物質)

0

0.0 5

0. 1

0.1 5

0. 2

1994 1999 2004 2009 20 14

g-CO2/km

Euro1

Euro2

Euro3

Euro4

Euro5

短期

長期

新短期

新長期

ポスト新長期 Euro6

短期

長期

新短期

新長期

ポスト新長期

Euro1

Euro2

Euro3Euro4

Euro5 Euro6

Tier0 Tier1

Tier2Bin9

Tier2Bin5

Tier0

Tier1Tier2Bin9

Tier2Bin5

ディーゼルに受け入れ可能な新燃料BDF(脂肪酸メチルエステル)

GTL、BTL、CTL水素化バイオ軽油

年々強化される排出ガス規制により、性能はほぼガソリン並みに

ディーゼル車はバイオディーゼル、水素化バイオ軽油、GTLなど多数の新燃料を受け入れ可能新燃料の使用で、CO2を大幅に削減できる上にディーゼル車の排ガス・燃費も大幅に改善

また、燃料サイドにおいても排ガス性能向上に資するサルファーフリー軽油を、世界に先駆け2005年1月より供給開始。

高まるクリーンディーゼル化への期待

○排出ガスは規制強化により、近々日米欧ともガソリン車並みに。

○CO2排出量はガソリン車の3/4。○燃料生成段階でもCO2排出量はガソリンに比べ1/2。

○多様な燃料での走行も可能。さらなるエネルギーセキュリティーの向上や、環境性能の向上にも貢献。

世界一厳しい日米の市場に自動車メーカーもクリーンディーゼルの投入を表明。・ホンダ、日産、マツダが、日本ある

いは米国に投入予定

・ダイムラークライスラー、VWも日本へ

の積極投入を表明

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新長期対応車投入?

○市場投入当初は割高なクリーンディーゼルに対する  インセンティブを検討

○日本市場での悪いイメージの払拭      

課題:イメージの改善と高コスト、新燃料の開発

経済産業省、関係省庁、自動車業界、石油業界  など

メンバー (案)2007年  2009年  2011年  2013年  2015年

大型・中型トラック・バス 02年→15年 +12.2%

小型トラック 04年→15年 +12.6%

乗用車 04年→15年 +23.5%

ホンダ

日産、マツダ、VW

ダイムラークライスラー

2010年以降日米に投入

ポスト新長期対応車投入?

2009年以降北米に投入

新長期規制 ポスト新長期規制排ガス規制

燃費基準

自動車メーカー戦略

今後の対応:クリーンディーゼル推進協議会の設置

○イメージ改善戦略 ○インセンティブの検討

○政府の調達     ○新燃料戦略

検討課題

策定体制

経済産業省 関係省庁 自動車業界 石油業界

クリーンディーゼル推進協議会

イメージ改善戦略 インセンティブの検討

政 府 の 調 達 新 燃 料 戦 略

○ 2007年から2008年に向けてクリーンディーゼル推進戦略を策定○ 2009年以降本格展開

○新燃料の開発

ク リ ー ン デ ィ ー ゼ ル~CO2対策に貢献するクリーンディーゼル~(2/2)

戦略3

クリーンディーゼル戦略の年次展開

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バ イ オ 燃 料~食糧と競合しないセルロース系エタノールの技術革新の実現~(1/2)

バイオエタノールの地球温暖化対策上の効果・その他の問題への波及効果

○バイオ燃料の導入は、京都議定書目標達成計画によるCO2削減必要量全体の約1%に相当し、同計画の重要な部分。○ライフサイクルのCO2削減効果やエネルギー収支は様々な見方がある。近年、技術の進展等を背景に肯定的見方が増加。セルロース由来エタノールについては、CO2削減効果の面からも望ましいとの見方が多い。

○現在、世界的にバイオ燃料の原料は、糖類(さとうきび)、穀物(とうもろこし、小麦)となっているが、食物由来のバイオ燃料は、

食糧との競合等の問題に留意が必要。バイオエタノールを海外から大量に輸入する場合には、こうした悪影響を十分に踏まえた

対応が必要になる。

砂糖・小麦・雑穀・肉類価格の高騰状況

バイオエタノールのエネルギー・セキュリティ

出典:通関統計

20

40

60

80

100

03/3 0 3/9 0 4/3 04 /9 05/ 3 05/ 9 06/3 06/9

価格 円/L

輸入エタノール・ガソリンの実勢価格(日本着)輸入エタノール・ガソリンの実勢価格(日本着)

エタノール正味価格

(発熱量でガソリン換算)

エタノールガソリン

○バイオエタノールは、国際市場における輸出国の影響力が強く、価格も

割高かつ変動幅が大きい傾向。

○バイオエタノールを大量に導入する場合には、ガソリン品質や連産品た

る他の石油製品への影響に留意する必要あり。バイオエタノールの供給

安定性が利用の前提。

戦略4

CO2削減効果 エネルギー収支

出典:財団法人地球環境産業技術研究機構ホームページより

※ セルロース系原料は、他の利用方法とのLCAベースでの比較などの影響を踏まえて、その有効利用を考えていく必要がある。

○大規模なエタノール輸出能力を有するのはブラジル一国に限られる。

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対応の方向性

(1)「バイオ燃料技術革新計画」の策定、協議会の設置○ライフサイクルでの二酸化炭素の排出削減効果、食糧との競合等

の観点から、セルロース系エタノール製造技術開発を進める。

→バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議の「国産バイオ燃料の生産

拡大工程表」 との整合性を図りつつ、官民連携して「計画」を策定。

→上記計画を策定・実行するための協議会の設置を検討。

(2)バイオエタノールの段階的導入○バイオエタノールの導入に意義はあるが、無秩序かつ急激な利用

拡大は輸入量の増加による悪影響や、石油製品供給へ支障が出る

可能性がある。

○輸入は当面の現実的な調達手段であるが、国産バイオの利用はエ

ネルギー自給率の向上につながる。

→バイオエタノールの経済性・供給安定性確保のための技術開発を

推進しつつ、状況に応じた段階的な利用拡大を図っていく。

(3)バイオ燃料利用の制度インフラ整備→バイオ燃料の利用について、「安心・安全・公正」といった原則に則

り、品質確保や徴税公平性のための制度面の整備を進める。

産業競争力懇談会(COCN)とバイオマス・ニッポンにおけるバイオ燃料目標

バイオ燃料技術革新協議会

定策

実施主体(企業、大学、独立行政法人等)

前処理

糖化

発酵

蒸留・脱水原料

収集

運搬

燃料

化学品

目標(生産コスト等)、技術開発ロードマップ等

成果

連携連携

LCA(CO2とエネルギー効率)、環境への影響(各工程における排水等)

バイオ燃料技術革新計画

経済産業省 関係府省

バイオ燃料技術革新協議会

定策

実施主体(企業、大学、独立行政法人等)

前処理

糖化

発酵

蒸留・脱水原料

収集

運搬

燃料

化学品

目標(生産コスト等)、技術開発ロードマップ等

成果

連携連携

LCA(CO2とエネルギー効率)、環境への影響(各工程における排水等)

バイオ燃料技術革新計画

経済産業省経済産業省 関係府省関係府省

~「バイオ燃料技術革新計画」の策定体制~

2015年 2020年 2030年COCNバイオ燃料プロジェクト

製造コスト:40円/L以下エネルギー回収率:35%以上

製造コスト:20円/L以下エネルギー回収率:35%以上

バイオマス・ニッポン「工程表」

製造コスト:100円/L※製材工場等残材、稲わら等から

製造コスト:100円/L※林地残材、資源作物から

他の燃料や国際価格等に対し競争力を有する価格

バイオエタノールの他にも新燃料としては、①水素化バイオ軽油、②GTL等の手段がある。これらについても、我が国の「強み」である技術力を活かして推進していく。

その他の新燃料

バ イ オ 燃 料~食糧と競合しないセルロース系エタノールの技術革新の実現~(2/2)

戦略4

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世 界 一 や さ し い ク ル マ 社 会 構 想~世界一環境にやさしいクルマ社会の実現に向けて~( 1/2 )~世界一環境にやさしいクルマ社会の実現に向けて~( 1/2 )

戦略5

ETC導入によるCO2排出削減量試算結果

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

ETC利用率0%

ETC利用率60%

(t-CO2/年)

3,500(t-CO2/年 )

減少

①料金所

料金支払を自動化

ETC

④交差点部

交通量に応じて信号を変える

信号制御

○ 次世代自動車技術、IT、インフラ整備を融合させた

  取組み

○ モデル幹線型アプローチ

○ モデル地域ごとにエネルギー政策、産業政策、情報

   政策、交通政策の融合への試み

制御機

制御機

制御機

制御機

②上り坂・トンネル減速しないようにドライバーへ警告

道路と自動車が通信し、ドライバーへ情報提供

(高速道路で渋滞の原因となっている上り坂における情報提供による渋滞対策)

③合流部

不必要な減速、追い抜き、車線変更をさ

せない

自動運転化(トヨタが、愛・地球博会場で最新のITS技術を用いて無人自動運転・隊列走行を行った新交通システム)

交通流対策の省エネ効果

ITを活用した交通流対策のこれからの可能性

課題:車体、燃料、交通流対策からなる統合アプローチへの試み

現状:エネルギー戦略としてのITSの推進

○ 平均速度が1km/h向上すると燃費は約1%向上(都市部での平均速度東京:18.8km/h パリ:26km/h ロンドン:30km/h) 

○ 京都議定書目標達成計画の自動車分野の内訳 世界一やさしいクルマ社会構想

運輸部門:5,490万㌧

自動車:4,040万㌧モーダルシフト:1,080万㌧

燃料対策:120万㌧単体対策:2,540万㌧ 交通流対策:1,380万㌧(63%) (3%) (34%)

(100%)

自動車以外:370万㌧統合アプローチをさらに強化

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渋滞半減を目指すクルマネットワーク化社会システム

ゼロミッションを目指すEV社会システム

物流効率倍増を目指す自動制御輸送システム

短期的な取り組み2007-2012

インフラ整備も伴う実証2012-2030

バッテリー 自動制御 高度ソフト

•充填スタンド等インフラ整備•ITSの活用

・省エネ運転をカーナビがアシスト・信号管制を微調整して、交通流を円滑化-

•パーソナル・ビークルの開発•中速路整備等都市インフラの再構築

・自動運転技術で究極の省エネ走行を実現・高速道路の専用レーンの確保

・都市道路整備と次世代の渋滞情報システムで最適ルートドライブ-

・より高精度な渋滞情報提供システムの実用化

キーテクノロジーの開発2007-2012

EVタウンI期(EV利用の啓蒙・普及)

エコドライブ支援

プローブ情報システムの協調

高度信号制御の実現

EVタウンII期(都市交通の再構築)

自動運転・隊列走行高速道路の専用レーン確保

プローブ情報システムの発展

目標

実証事業Ⅱ

実証事業Ⅰ

研究開発

国際展開

世界一やさしいクルマ社会構想

世 界 一 や さ し い ク ル マ 社 会 構 想~世界一環境にやさしいクルマ社会の実現に向けて~( 2/2 )~世界一環境にやさしいクルマ社会の実現に向けて~( 2/2 )

戦略5

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○2030年の目標を達成するためには、我が国の強みを生かした最適な手段の組み合わせが必要。

○各手段を進めていく上では、各手段の画期的な技術革新の実現が不可欠であり、2030年までのチェックポイント(2010年、2015年、2020年)における市場創出を目指したベンチマーク(コスト・性能等)設定が効果的。

○今後、各手段のベンチマークをクリアしつつ目標を達成するために、官民連携・協調していくことが必要。

○将来の各チェックポイントのベンチマークの達成状況を勘案して全体戦略を再構築することも必要。

4.2030年に向けてのロードマップ(1/2)

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一般コミューターEV

性能

コスト

電力会社用小型EV

1 7倍

1 1/40倍

燃料電池自動車高性能

Plug-in HV自動車

3倍

20万円/kwh 2万円/kwh 0.5万円/kwh

1/10倍

現在 2020年 2030年

本格的EV

航続距離

車両価格

コスト

耐久性

300km

20倍

800km

数百万円/kw 4千円/kw

1.2倍

2030年の目標 運輸部門の石油依存度80% エネルギー効率30%改善

2千時間 5千時間

用途限定コミューターEV高性能HV

1/2倍

10万円/kwh

2010年

400km

3-5倍

5千円/kw

3千時間

ガソリン車と同等の排ガス性能・価格(燃料費も含む)

林地残材資源作物

世界一やさしいクルマ社会構想

3大都市圏の平均車速2倍

(CO2排出量3割減)

用途・形態

原料

コスト

Plug-in HV自動車1.5倍

1/7倍

3万円/kwh

2015年

製材工場等残材稲わらなど

3大都市圏の平均車速1.5倍

(CO2排出量2割減)

100円/Lバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議『国産バイオ燃料の生産拡大工程表』

40円/L技術革新ケース(エネルギー回収率35%)

100円/Lバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議『国産バイオ燃料の生産拡大工程表』

40円/L技術革新ケース(エネルギー回収率35%)

バッテリー

水素・燃料電池

クリーンディーゼル

バイオ燃料

4.2030年に向けてのロードマップ(2/2)

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~2010年 ~2030年

○CO2排出量はゼロ○航続距離が短い○1台2億円

【電気自動車 エリーカ】

○1997年市販開始○CO2排出量は2/3に

【初代プリウス】

バッテリーの性能向上とコストダウン

○2010年市販開始○1充電で130km走行○目標価格300万円

【コンパクトEV】

【高性能ハイブリッド自動車】

○2007年市販開始○目標CO2排出量は1/2に

【本格的な電気自動車】

○1充電で500km走行○価格300万円に

~2020年

【プラグインハイブリッド】

○2015年頃投入予定○充電できるハイブリッド○CO2排出量は1/3に

【初代FCX】 【燃料電池自動車】

○2008年限定販売○航続距離が570kmに○定員は4人に

○さらなる低価格化

【次世代燃料電池自動車】

【水素自動車】

○2006年リース販売開始 (年間500万円)○ガソリンでも走行可能

燃料電池の長寿命化

現状 アクションプログラム

○さらなる低価格化

【次々世代燃料電池自動車】

バッテリー

水素・燃料電池

○1充電で200km走行○価格200万円に

【より高性能なコンパクトEV】

バッテリー性能3倍

コスト1|

バッテリー性能2倍

コスト1|

○次世代自動車のバッテリー研究開

 発プロジェクトの開始

○充電スタンドや安全確保の制度整備

○燃料電池研究開発の強化

○水素インフラの整備

燃料電池寿命  倍

コスト1|

燃料電池寿命  倍

コスト1|

○CO2排出量はゼロ○2002年リース販売開始(年間1,000万円)

○短い航続距離(300km)○定員は実質2人

1.5 1.5

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○CO2排出量は3/4○しかし排出ガス性能に問題

【旧世代ディーゼル】

【クリーンディーゼル車】

○2010年市販開始○ガソリン車並みのクリーンな排ガス性能を実現

○CO2排出量は3/4に

低コストの排ガス浄化技術の確立

クリーンディーゼル

バイオ燃料

ディーゼルハイブリッドへの進化

○クリーンディーゼル車の 

 普及に向けた産官学協議

 会の設置

○バイオ燃料技術開発に向け

 た協議会の設置

○品質、徴税公平性のための

 制度整備

【穀物系バイオエタノール】(とうもろこし、サトウキビ)

【セルロース系バイオエタノール】(稲わら、林地残材等)

○製造コスト目標 2015年: 100円/L(製材工場等の残材、稲わら等)                      【バイオマス・ニッポン】        40円/L 【技術革新ケース】(エネルギー回収率35%) 2020年: 100円/L(林地残材、資源作物等)

 【バイオマス・ニッポン】40円/L         【技術革新ケース】

 (エネルギー回収率35%)

【バイオディーゼル】 【第2世代バイオディーゼル】

食糧との競合解消・低コスト化

【バイオガソリン】

の向

世界一クリーンな軽油の販売

東京:18kmパリ :26km

【渋滞】

平均走行速度

・I

【都市交通の革新】

【物流の革新】

パーソナルビークルや隊列走行をインフラ

が整備された街や高速道路で実証

世界一やさしいクルマ社会構想

○自動車技術、IT、インフラ整備を一体化し

たモデル都市、モデル路線プロジェクト

【環境にやさしい電動パーソナルビークル】

【ITを活用した自動運転・隊列走行技術】

低速専用レーン

コンボイ専用レーン+

【自動車のネットワーク化】

(精密な渋滞情報の提供が可能に)

都市部の平均走行速度を2倍に

※バイオディーゼルやGTL等の受入可能

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5.おわりに ~次世代自動車・燃料イニシアティブは「美しい星50」への一里塚(1/2)

○ガソリン乗用車、ディーゼルトラックが100%

○燃料の石油依存度100%

○渋滞する都市部の交通インフラ

現 状

高性能ハイブリッド自動車

CO2排出量:▲1/2

本格的な電気自動車

CO2排出量:▲3/4

次々世代燃料電池自動車

CO2排出量:▲2/3

バイオガソリン等のバイオ燃料

渋滞のない世界一やさしいクルマ社会

○日本の技術力を結集し、イノベーションを実現

産 業 間 連 携 政 府 間 連 携 産 学 官 連 携

次 世 代 自 動 車 ・ 燃 料 イ ニ シ ア テ ィ ブ の 実 行

CO2排出量:▲3% CO2排出量:▲10%

※バイオエタノール3%混合相当の場合

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2030年 「次世代自動車・燃料イニシアティブ」が目指す世界

2050年 「美しい星50」が目指す世界

【運輸部門におけるCO2排出量の推移のイメージ】

電気自動車、燃料電池車などの次世代自動車の 本格普及

再生可能エネルギーをはじめとした次世代燃料の 本格的な普及

ITなどを駆使した渋滞のないクルマ社会の実現

○ 運 輸 部 門 の 石 油 依 存 度 8 0 %

○ エ ネ ル ギ ー 効 率 3 0 % 改 善

50

○ 全 世 界 2 0 5 0 年 ま で に C O 2 半 減

2015年燃費基準CO2▲25%

次世代自動車燃料イニシアティブ

美しい星50石油依存度▲20%エネルギー効率+30% CO2▲50%

0

100

2010 20502020 2030 2040

○これを実現するには技術の粋を集めた統合型の

 アプローチが地球規模で不可欠

○2030年を目標としたイニシアティブはこのための一里塚

イノベーションの成果を世界に展開し日本の技術で世界のCO2を削減

5.おわりに ~次世代自動車・燃料イニシアティブは「美しい星50」への一里塚(2/2)